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特開2022-143097入出金装置、現金管理システム、現金管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143097
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】入出金装置、現金管理システム、現金管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/25 20190101AFI20220926BHJP
   G07D 11/34 20190101ALI20220926BHJP
【FI】
G07D11/25
G07D11/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043438
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】新井 真光
(72)【発明者】
【氏名】山野 駿
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141BA06
3E141CA16
3E141CB04
(57)【要約】
【課題】両替金配送の頻度を低減して現金管理のコストを削減すること。
【解決手段】入出金装置(11)は、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する。入出金装置は、売上金を格納する入金カセット(52)と、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセット(53)と、要求された両替金が入金カセットにある場合、入金カセットから両替金カセットに売上金の一部を移動させる制御部(40)と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置であって、
売上金を格納する入金カセットと、
両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、
要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動させる制御部と、を備える、入出金装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記入金カセットに前記要求された両替金がない場合、警送依頼の電文を送信する、請求項1に記載の入出金装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部に対応する金額を電文にセットして送信する、請求項1又は請求項2に記載の入出金装置。
【請求項4】
貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置と、
前記入出金装置からの依頼に応じて両替金の警送を実施する警送管理サーバと、を備え、
前記入出金装置は、
売上金を格納する入金カセットと、
両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、
要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動させる制御部と、を備える、現金管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記入金カセットに前記要求された両替金がない場合、警送依頼の電文を送信し、
前記警送管理サーバは、受信した前記警送依頼の電文に基づいて警送出動を報知する、請求項4に記載の現金管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部に対応する金額を電文にセットして送信し、
前記警送管理サーバは、前記売上金の一部に対応する金額を転送金額として事前の預り金額から減算し、新たな売上金として更新する、請求項4又は請求項5に記載の現金管理システム。
【請求項7】
貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置の現金管理方法であって、
前記入金管理装置は、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、を有し、
前記入金カセットに要求する両替金があるか否かを判定するステップと、
要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動するステップと、を備える現金管理方法。
【請求項8】
貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置のプロセッサに実行させるためのプログラムであって、
前記入金管理装置は、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、を有し、
前記入金カセットに要求する両替金があるか否かを判定するステップと、
要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動するステップと、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出金装置、現金管理システム、現金管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売業を営む店舗(小売店)では、売上金の管理や釣銭金(両替金)を用意するため、入出金機を導入して、現金管理業務を行なっている。小売店は、売上金の入金処理を代行業者に依頼するのが一般的である。このような代行業者は、例えば警備輸送会社(以下、警送会社と呼ばれてもよい)と呼ばれる。
【0003】
例えば、警送会社は、店舗から売上金を預かって銀行への輸送を代行する(特許文献1-2参照)。特許1-2では、店舗内に現金有高に応じて警送会社への出動要請が警送会社側のシステムに通知される。
【0004】
また、その他、警送会社は、各店舗に釣銭金(両替金)を配金する。このようなサービスは、両替金サービスと呼ばれてもよい。警送会社は、店舗の売上金が入金された入金機より売上金の回収を行うと共に、店舗から両替金配送の注文を受付けると、予め店舗より預かっている両替準備金より、注文された金種毎の枚数の両替金を作成し配送している(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
特許文献3では、警送会社が、店舗の売上金を入金機(入出金機と呼ばれてもよい)へ全て入金したのち、売上金の締めを入金機で行う。そして警送会社は、売上金分の金額を自身(警送会社)の金融機関口座から立て替えた後、店舗の金融機関口座へ売上金を送金する。また、警送会社は、入金機から現金回収することで立て替えた金額分の現金を後日に自身の金融機関口座へ入金する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-005347号公報
【特許文献2】特開2013-228920号公報
【特許文献3】特開平9-016691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、警送会社は、両替金を配送する場合、注文の都度、配送する必要がある。すなわち、警送会社は、売上金を回収する必要が無くても出動が要求される場合が想定される。両替金の作成は、手間がかかる作業であり、警送会社の人員不足等も影響し負担が増加する要因となり得る。例えば、売上金の回収頻度は週1回で良くても、両替金の配送を週3回必要とする場合は、結果として週3回の出動が必要となる。このため、両替金配送のコストが多く発生してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上述課題に鑑み、両替金配送の頻度を低減して現金管理のコストを削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述目的を達成するために、本発明は、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置であって、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動させる制御部と、を備える。
【0010】
また、本発明は、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置と、前記入出金装置からの依頼に応じて両替金の警送を実施する警送管理サーバと、を備え、前記入出金装置は、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動させる制御部と、を備える。
【0011】
また、本発明は、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置の現金管理方法であって、前記入金管理装置は、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、を有し、前記入金カセットに要求する両替金があるか否かを判定するステップと、要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動するステップと、を備える。
【0012】
また、本発明は、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置のプロセッサに実行させるためのプログラムであって、前記入金管理装置は、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、を有し、前記入金カセットに要求する両替金があるか否かを判定するステップと、要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、両替金配送の頻度を低減して現金管理のコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】現金管理システムの一例を示す概略構成図である。
図2】店舗側システムの概略構成を示す模式図である。
図3】本実施の形態に係る入出金装置の外観構成を示す図である。
図4】入出金装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施の形態に係る各種端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】本実施の形態に係る各種端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7】本実施の形態に係る両替金受付の一例を示すシーケンス図である。
図8】入出金装置内での現金移動の一例を示す図である。
図9】入出金装置における現金管理フローの一例を示す図である。
図10】入出金装置における画面表示例を示す図である。
図11】警送管理サーバにおける現金管理フローの一例を示す図である。
図12】本実施の形態に係る顧客データベースの一例を示す図である。
図13】警送管理サーバにおける現金管理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、現金管理システム100の一例を示す概略構成図である。なお、以下に示す現金管理システム100はあくまで一例に過ぎず、これに限定されることなく適宜変更が可能である。
【0016】
図1に示すように、現金管理システム100は、店舗1が備えるシステム(例えば店舗サーバ10)と、警送会社2が備えるシステム(例えば警送管理サーバ20)と、銀行等の金融機関3が備えるシステム(例えばホストコンピュータ30)がネットワークNを介して相互に接続されたシステムで構成される。
【0017】
店舗サーバ10は、店舗1に設置された入出金装置11、POS12等(共に図2参照)を管理するサーバである。
【0018】
警送管理サーバ20は、店舗1側の端末(店舗サーバ10、入出金装置11、POS12)又は金融機関3側のホストコンピュータ30の要求に応じて現金輸送計画(警送計画)を作成するサーバ装置である。
【0019】
ホストコンピュータ30は、ネットワークNを介して店舗1側の端末、又は警送会社2側の端末(警送管理サーバ20)と通信する。例えば店舗1側の端末から送信された顧客の取引依頼について顧客データベース(不図示)を参照して取引の可否を判断する。そしてホストコンピュータ30は、その判断結果(取引可否の内容)を店舗1側の端末へ通知し、更に取引内容に応じて顧客データベースを更新する。ホストコンピュータ30は、メインフレーム、又はホストサーバ等と呼ばれてもよい。また、ホストコンピュータ30は、警送管理サーバ20から店舗1の売上金の入金を受け付ける。
【0020】
例えば店舗1側では、店舗サーバ10から、警送管理サーバ20に売上金等の回収依頼が送信され、警送会社2は、警送管理サーバ20が受信した回収依頼等に応じて売上金の回収(警送)を実施する。警送会社2は、売上金の回収後、金融機関3(ホストコンピュータ30)が管理する自身の口座(警送会社口座)に当該売上金(回収金)を入金後、店舗口座に送金する。
【0021】
また、警送会社2は、売上金回収以外に、店舗1からの要求に応じて両替金の準備を実施する。両替金の準備の具体的流れについては後述する。
【0022】
図2は、店舗側システムの概略構成を示す模式図である。図2に示すように、店舗1には、店舗サーバ10、入出金装置11、及び複数のPOS12が配置されている。店舗サーバ10は、店舗1に設置された入出金装置11、POS12(Point of sale system)等を管理する。入出金装置11は、POS4それぞれの売上金を収納するとともに、売上金の金額に関する情報を不図示の運用センタへ送信する。POS12は、店舗1内の商品に添付されたバーコードに基づき、商品登録及び精算処理を行う装置である。POS12は、店員操作によるものであっても、セルフ操作によるものであってもよい。
【0023】
図3は、本実施の形態に係る入出金装置の外観構成を示す図である。
入出金装置11は、入出金装置11の利用者の操作に基づき紙幣や硬貨などの貨幣の入金の投入に基づいて入金を受け付ける。入出金装置11は、カードリーダ41、紙幣投入口42a、硬貨投入口42b、紙幣返却口43a、硬貨返却口43b、表示部44、入力部45、プリンタ46を有する。
【0024】
カードリーダ41は、入金処理の開始時に、入出金装置11の利用者を認証するための認証カードの磁気ストライプやICチップの読み取りを行う。紙幣投入口42aは、利用者により投入された紙幣の投入を受け付ける。硬貨投入口42bは、利用者により投入された硬貨の投入を受け付ける。紙幣投入口42aと硬貨投入口42bとを特に区別しない場合、以下「貨幣投入口42」と呼ぶ。
【0025】
紙幣返却口43aは、返却金額のうち紙幣を利用者に返却する。硬貨返却口43bは、返却金額のうち硬貨を利用者に返却する。紙幣返却口43aと硬貨返却口43bとを特に区別しない場合、以下「貨幣返却口43」と呼ぶ。
【0026】
なお、紙幣投入口42aと紙幣返却口43aとは、垂直方向において並んで配置され、紙幣投入口42aは紙幣返却口43aの上方に配置されている。これにより、利用者は紙幣の投入および返却が行われる場所を容易に把握することができる。
【0027】
表示部44は、入出金装置11の利用者に操作画面や、メッセージなどを表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの装置である。入力部45は、入出金装置11の利用者の操作入力を受け付ける装置である。本実施の形態においては、表示部44と入力部45とは、一体に形成されたタッチパネルにより構成されている。入力部45は、表示部44の表示に従った利用者のタッチ操作による指示の入力を受け付ける。なお、表示部44と入力部45は、別体の装置であってもよい。プリンタ46は、入金処理のレシートなどの明細をロール紙などの紙媒体に印刷する装置である。
【0028】
図4は、入出金装置11のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、入出金装置11は、図3の構成に加えて、制御部40、記憶部47、通信部48および現金格納部49を有する。また、入出金装置11は、図3に示していない他の回路要素を備えていてもよい。
【0029】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)などであり、入出金装置11の全体の動作を制御する。具体的には、制御部40は、記憶部47に記憶されたプログラムを順次実行することで、入金処理などの取引処理を行う。
【0030】
記憶部47は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などを有する。記憶部47は、制御部40が実行するプログラムなどの各種情報を記憶する。また、記憶部47は、制御部40がプログラムを実行する際の作業領域を提供する。また、記憶部47は、投入金額を計数するための入金合計カウンタを記憶する。
【0031】
通信部48は、制御部40の制御のもと、ネットワークN(図1参照)を介して他のサーバなどと通信を行う。現金格納部49は、現金の入出力を行う装置である。現金格納部49は、貨幣投入口42、貨幣返却口43、選別部50、一時保留部51、入金カセット52、両替金カセット53、及び搬送部54を有する。なお、現金格納部49は、図4に示していない他の構成を備えていてもよい。
【0032】
選別部50は、制御部40の指示に基づき貨幣投入口42に投入された貨幣を選別(鑑別)する選別処理を行う。選別処理において、選別部50は、投入された貨幣の金種を選別する処理、投入された貨幣が正規の貨幣であるか偽造硬貨であるかを判別する処理などを行う。
【0033】
一時保留部51は、貨幣投入口42に投入され、選別部50で鑑別された貨幣を一時的に格納する。現金格納部49は、制御部40から返却指示が通知されると、一時保留部51に格納されている貨幣を貨幣返却口43へ搬送して利用者へ貨幣を返却する。
【0034】
また、現金格納部49は、制御部40から回収指示が通知されると、一時保留部51に格納されている貨幣を搬送して入金カセット52で回収する。入金カセット52に格納された貨幣は警送会社2により輸送されるまで、出金不可能な状態で保管される。
【0035】
入金カセット52は、上記したように店舗1における売上金を格納するカセットである。当該入金カセット52には、警送会社2のスタッフがアクセス可能となっている。また、店舗1のスタッフは、当該入金カセット52に売上金の入金のみが可能となっている。
【0036】
両替金カセット53は、店舗1内(POS12)で両替に必要な貨幣を格納するカセットである。当該両替金カセット53には、警送会社2のスタッフがアクセス可能となっている。また、店舗1のスタッフは、当該両替金カセット53から両替金を取り出してPOS12に移すことが可能となっている。なお、両替金カセット53は、釣銭カセットと呼ばれてもよい。
【0037】
搬送部54は、制御部40の指令に応じて、現金格納部49内の紙幣、または硬貨の搬送を行う。詳細は後述するが、搬送部54は、POS12に必要な両替金が不足している場合、入金カセット52から両替金カセット53に売上金の一部を両替金として移送する。
【0038】
図5は、本実施の形態に係る各種端末(店舗サーバ10、警送管理サーバ20、及びホストコンピュータ30を含む)の機能構成の一例を示すブロック図である。店舗サーバ10、警送管理サーバ20、及びホストコンピュータ30は、それぞれ図5に示す機能ブロックを有している。
【0039】
店舗サーバ10は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、入力部140と、出力部150と、を有する。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、店舗サーバ10は、他の処理に必要な他の機能ブロックも有してもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0040】
また、ここでは店舗サーバ10の機能ブロックについて説明するが、警送管理サーバ20及びホストコンピュータ30も同様の機能ブロックを有するものとする。
【0041】
なお、警送管理サーバ20及びホストコンピュータ30ともに、店舗サーバ10と同一構成の機能ブロックを有するが、それぞれが独立した固有の機能を有するものとする。すなわち、以下の機能ブロックの説明において、店舗サーバ10は、警送管理サーバ20又はホストコンピュータ30に読み替えが可能である。図6に示すハードウェアの構成も同様に店舗サーバ10、警送管理サーバ20及びホストコンピュータ30のいずれかに読み替えが可能である。
【0042】
制御部110は、店舗サーバ10の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置により構成することができる。
【0043】
記憶部120は、店舗サーバ10において利用する情報を記憶(保持)する。記憶部120は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるメモリ、ストレージ、記憶装置などにより構成することができる。
【0044】
通信部130は、ネットワークを介した他の通信デバイス(機器、サーバなど)との通信を行う。通信部130は、受信した種々の情報を制御部110に出力してもよい。
【0045】
通信部130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置により構成することができる。なお、通信部130は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0046】
入力部140は、ユーザからの操作により入力を受け付ける。また、入力部140は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部140は、入力結果を例えば制御部110に出力してもよい。
【0047】
入力部140は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるキーボード、マウス、ボタンなどの入力装置、入出力端子、入出力回路などにより構成することができる。また、入力部140は、表示部と一体となった構成(例えば、タッチパネル)としてもよい。
【0048】
出力部150は、ユーザに対して知覚できる形式でデータ、コンテンツなどの出力を行う。例えば、出力部150は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。
【0049】
表示部は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるディスプレイ、モニタなどの表示装置により構成することができる。また、音声出力部は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるスピーカーなどの出力装置により構成することができる。
【0050】
出力部150は、例えば、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される演算器、演算回路、演算装置、プレイヤー、画像/映像/音声処理回路、画像/映像/音声処理装置、アンプなどを含んで構成することができる。
【0051】
なお、通信部130又は入力部140は、取得部と呼ばれてもよい。また、制御部110は、後述する図7、9、11、13で示す所定のステップに基づく処理を実施してもよい。
【0052】
図6は、本実施の形態に係る各種端末(図5と同様に店舗サーバ10、警送管理サーバ20、及びホストコンピュータ30を含む)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線によって接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0053】
例えば、本開示の一実施形態における装置(店舗サーバ10等)は、本開示の現金出金処理を行うコンピュータとして機能してもよい。上述の店舗サーバ10、警送管理サーバ20、及びホストコンピュータ30は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0054】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、ユニット、サーバなどは、互いに読み替えることができる。店舗サーバ10、警送管理サーバ20、及びホストコンピュータ30などのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0055】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0056】
店舗サーバ10、警送管理サーバ20、及びホストコンピュータ30における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みなどを制御することによって実現される。
【0057】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。なお、上述の制御部110などの各部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0058】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0059】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、一実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0060】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。なお、上述の記憶部120は、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって実現されてもよい。
【0061】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、SIMカードを含んでもよい。なお、上述の通信部130は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0062】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。なお、上述の入力部140及び出力部150は、それぞれ入力装置1005及び出力装置1006によって実現されてもよい。
【0063】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスによって構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0064】
また、店舗サーバ10、警送管理サーバ20、及びホストコンピュータ30等は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0065】
ところで、上記したように、警送会社2は、売上金の回収だけでなく、両替金の配送も実施する。両替金を配送する場合、注文の都度、配送する必要がある。すなわち、警送会社は、売上金を回収する必要が無くても出動が要求される場合が想定される。両替金の作成は、手間がかかる作業であり、警送会社の人員不足等も影響し負担が増加する要因となり得る。例えば、売上金の回収頻度は週1回で良くても、両替金の配送を週3回必要とする場合は、結果として週3回の出動が必要となる。このため、両替金配送のコストがかさんでしまうという問題があった。
【0066】
そこで、本件発明者等は、入出金装置11において、両替金配送の頻度を低減して現金管理のコストを削減することを目的として、本発明に想到した。
【0067】
ここで、図7及び図8を参照して、本実施の形態に係る両替金受付の一例について説明する。図7は、本実施の形態に係る両替金受付の一例を示すシーケンス図である。図8は、入出金装置11内での現金移動の一例を示す図である。なお、以下に示すシーケンスはあくまで一例を示すものであり、必要に応じて他の処理を追加してもよい。
【0068】
図7に示すように、具体的に本実施の形態では、先ず、警送会社2は、店舗1から両替準備金を預り、金庫に保管する(S0)。両替準備金の出入りや在庫は、警送管理サーバ20によって管理される。
【0069】
次に店舗スタッフは、POS12から売上金を抜き出し、入出金装置11に入金する(S1)。
【0070】
次に店舗スタッフは、釣銭等で必要となる金種・枚数が記載された「両替金注文データ」を例えば店舗サーバ10から警送会社2(警送管理サーバ20)に送信する(S2)。警送管理サーバ20は、両替金注文データを受信する。
【0071】
両替金注文データを受信した警送管理サーバ20は、金庫内の準備金残高を確認し、残高の不足がなければ、店舗1の入出金装置11に対して、金種・枚数の記載された両替金準備指示データを送信する(S3)。
【0072】
両替金準備指示データを受信した入出金装置11は、そのデータに記載された金種・枚数の貨幣を入金カセット52から両替金カセット53に自動で移動させる(S4)。
【0073】
そして、店舗1のスタッフは、両替金カセット53から両替金(現金)を取り出し、その両替金をPOS12等に充填する(S5)。
【0074】
本実施の形態では、入金カセット52に入金された貨幣を両替金として使用するため、入金カセット52が満杯になり難くなると共に、両替のための警送頻度を低減することが可能である。更に警送会社2側で売上金の回収頻度も低減することができるため、店舗1は、警送コストを削減することが可能である。
【0075】
このように、本実施の形態によれば、両替金の配送回数を低減することが可能である。また、売上金の一部を両替金に充当するため、売上金の回収頻度の低減に期待できる。よって、店舗1側の手間を削減できると共に、警送会社2の出動回数も低減されることで、店舗1側及び警送会社2側の双方にとって好都合である。
【0076】
また、上記の通り、両替金を確保するため、入金カセット52に入金された売上金の一部が両替金カセット53に移動されている(図8参照)。したがって、両替金カセット53に移動した金額分だけ、入金カセット52の金額(残額)は減少する。
【0077】
この場合、警送会社2は、売上金として入金カセット52内の貨幣を回収した後、入金カセット52から両替金カセット53に移動した分の金額を、S0で預かった金庫内の両替準備金から取り出す。そして、警送会社2(警送管理サーバ20)は、先に両替準備金から取り出した貨幣を入金カセット52内の貨幣と合算して、店舗1の売上金として計上する。なお、このとき、どの店舗1の両替準備金をどれだけ取り出すか、また、取り出した後の金庫の残金等は、警送会社2側のシステム(警送管理サーバ20)によって管理される。
【0078】
次に、図9から図13を参照して本実施の形態に係る現金管理方法について説明する。図9は、入出金装置における現金管理フローの一例を示す図である。図10は、入出金装置11における画面表示例を示す図である。なお、図9に示すフローにおいては、特に明示がない限り、動作の主体は入出金装置11とする。なお、以下に示すフローはあくまで一例を示すものであり、必要に応じて他の処理を追加してもよい。
【0079】
図9及び図10に示すように、先ず、ステップST101において、入出金装置11では、画面上に処理メニューが表示され、利用者は所望の処理を選択可能となる。例えば図10の画面1では、処理メニューとして、「入金」、「振込」、「釣銭」の項目が表示されている。
【0080】
次にステップST102において、入出金装置11は、上記のいずれかの処理メニューの操作があったか否か、又はカセット(入金カセット52又は両替金カセット53)の取り出しがあったか否かを判定する。上記のいずれかの処理メニューの操作があった、もしくはカセットの取り出しがあった場合(ステップST102:YES)、ステップST103の処理に進む。上記のいずれかの処理メニューの操作がなかった、もしくはカセットの取り出しがなかった場合(ステップST102:NO)、ステップST102の処理が繰り返される。
【0081】
ステップST103において、入出金装置11は、カセットの取り出しがあったか否かを判定する。カセットの取り出しがあった場合(ステップST103:YES)、ステップST104の処理に進む。カセットの取り出しがなかった場合(ステップST103:NO)、ステップST106の処理に進む。
【0082】
ステップST104において、入出金装置11は、取り出したカセットが入金カセット52であったか否かを判定する。取り出したカセットが入金カセットであった場合(ステップST104:YES)、ステップST105の処理に進む。取り出したカセットが入金カセット52なかった、すなわち、取り出したカセットが両替金カセット53であった場合(ステップST104:NO)、ステップST105´の処理に進む。
【0083】
ステップST105において、入出金装置11は、CNT1=0、CNT2=0にリセットする。ここで、CNT1は変数であり、入金金額(売上金)における振込指示時の金額を表している。また、CNT2も変数であり、入金金額の累計を表している。ステップST105の後は、ステップST102の処理に戻る。
【0084】
ステップST105´において、入出金装置11は、CNT3=0にリセットする。ここで、CNT3は変数であり、入金金額のうち、両替金(釣銭)に転用した金額の累計を表している。CNT3は、転用金額と呼ばれてもよい。このようにステップST105、105´では、入金カセット52、又は両替金カセット53の取り出しをトリガーに変数(CNT1-CNT3)がリセットされる。ステップST105´の後は、ステップST102の処理に戻る。
【0085】
ステップST106において、入出金装置11は、「入金」の処理メニューが選択されたか否かを判定する。入金処理が選択された場合(ステップST106:YES)、ステップST107において、現金挿入を促すための画面2を表示する(図10参照)。例えば図10の画面2では、「現金を投入して確認ボタンを押してください。」という案内が表示される。確認ボタンが押されると、入出金装置11は、ステップST108において、シャッタ(貨幣投入口42)をオープンする。そして、ステップST109の処理に進む。
【0086】
ステップST109において、入出金装置11は、現金が挿入され、確認キー(ボタン)が押下されたか否かを判定する。現金が挿入され、確認キーが押下された場合(ステップST109:YES)、ステップST110において、入出金装置11は、シャッタをクローズしてステップST111の処理に進む。現金が挿入されない、又は確認キーが押下されない場合(ステップST109:NO)、ステップST109の処理が繰り返される。
【0087】
ステップST111において、入出金装置11は、現金を計数して当該現金を入金カセット52に収納する。そして次のステップST112において、入出金装置11は、CNT1=CNT1+入金金額に置き換え、入金カセット52内の金額(入金金額もしくは売上金)を更新する。
【0088】
ステップST106において、入金処理が選択されなかった場合(ステップST106:NO)、次のステップST113の処理において、入出金装置11は、「振込」の処理メニューが選択されたか否かを判定する。振込処理が選択された場合(ステップST113:YES)、次のステップST114において、入出金装置11は、振込金額の確認を促すため、振込処理の画面3(図10参照)を表示する。図10図3では、例えば「表示されている金額を振込ます。確認ボタンを押してください。」と表示されている。なお、この後、画面上にCNT1に記憶する金額(累計金額)を表示してもよい。
【0089】
次のステップST115において、入出金装置11は、CNT1のデータを送信電文にセットして、警送管理サーバ20に送信する(ステップST116)。そして、入出金装置11は、その後のステップST117において、CNT2=CNT2+CNT1に置き換えて更新し、ステップST118でCNT1=0にリセットして最初の処理(ステップST101の処理)に戻る。
【0090】
ステップST113の処理において、振込処理が選択されなかった、すなわち「釣銭」の処理メニューが選択された場合(ステップST113:NO)、次のステップST119において、入出金装置11は、釣銭指定(両替金指定)の画面4(図10参照)を表示する。図10の画面4では、例えば、釣銭の金種にそれぞれ必要な数を選択可能なボタンが表示されている。
【0091】
次のステップST120において、入出金装置11は、画面4において必要な金種の枚数が入力され、確認キーが押下されたか否かを判定する。必要な金種の枚数が入力され、確認キーが押下された場合(ステップST120:YES)、ステップST121の処理に進む。必要な金種の枚数が入力されない、又は確認キーが押下されない場合(ステップST120:NO)、ステップST120の処理が繰り返される。
【0092】
ステップST121において、入出金装置11は、指定された金種の枚数が入金カセット52にあるか否かを判定する。指定された金種の枚数が入金カセット52にある場合(ステップST121:YES)、後述するステップST125の処理に進む。指定された金種の枚数が両替金カセット53にない場合(ステップST121:NO)、ステップST122の処理に進む。
【0093】
ステップST122において、入出金装置11は、釣銭不足による警送出動の画面5(図10参照)を表示する。例えば、図10の画面5には、「指定金種の枚数が不足しています。警送の出動を指示しました。」と表示されている。
【0094】
次のステップST123において、入出金装置11は、釣銭の金種及びその枚数のデータを送信電文にセットして、警送管理サーバ20に送信する(ステップST124)。そして、最初の処理(ステップST101の処理)に戻る。
【0095】
ステップST125において、入出金装置11は、指定の金種の選択された枚数を入金カセット52から繰り出し、釣銭カセット(両替金カセット53)に収納(移動)する。
【0096】
次のステップST126において、入出金装置11は、対応する顧客IDと釣銭カセット(両替金カセット53)に移動した分の金額を送信電文にセットし、警送管理サーバ20に送信する(ステップST127)。
【0097】
次のステップST128において、入出金装置11は、CNT3=CNT3-釣銭金額(両替金又は転送金額)に置き換えて更新する。そして、入出金装置11は、ステップST129において、釣銭準備完了の画面6(図10参照)を表示して、最初の処理(ステップST101の処理)に戻る。
【0098】
このように、本実施の形態では、要求された両替金が入金カセット52にある場合は、入金カセット52から両替金カセット53に売上金(入金金額)の一部を移動して両替金として利用可能である。これにより、両替金のための警送出動頻度を低減することができ、警送コストを削減することが可能である。なお、入金カセット52から両替金カセット53に売上金(入金金額)の一部を移動する一連の処理は、釣銭処理、又は両替処理とよればれてもよい。
【0099】
図11は、警送管理サーバ20における現金管理フローの一例を示す図である。図12は、本実施の形態に係る顧客データベース(顧客DB)の一例を示すである。図13はZ、入金カセット52を回収した後の警送管理サーバ20における現金管理フローの一例を示す図である。図11、13において、特に明示がない限り、動作の主体は警送管理サーバ20とする。
【0100】
図11に示すように、先ず、ステップST201において、警送管理サーバ20は、入金機(入出金装置11)から電文を受信したか否かを判定する。電文を受信した場合(ステップST201:YES)、ステップST202の処理に進む。電文を受信していない場合(ステップST201:NO)、ステップST201の処理が繰り返される。
【0101】
ステップST202において、警送管理サーバ20は、受信した電文の顧客IDをキーとして顧客DBを検索する。例えば図12では、顧客DBの一例として顧客ID、銀行口座、振込履歴、預り金残高、釣銭転用履歴(両替金転送履歴と呼ばれてもよい)等が対応付けられたマトリックスが示されている。なお、顧客DBはこれに限らず適宜変更が可能である。
【0102】
次のステップST203において、警送管理サーバ20は、振込処理があったか否かを判定する。振込処理があった場合(ステップST203:YES)、ステップST204の処理に進む。振込処理がなかった場合(ステップST203:NO)、後述するステップST206の処理に進む。
【0103】
ステップST204において、警送管理サーバ20は、ヒットした顧客IDのレコードに振込金額(履歴)をセットし、当該顧客IDのレコードに記憶する銀行口座に入金額を振り込む(ステップST205)。そして、最初の処理(ステップST201の処理)に戻る。
【0104】
ステップST206において、警送管理サーバ20は、釣銭処理(両替処理と呼ばれてもよい)があったか否かを判定する。釣銭処理があった場合(ステップST206:YES)、ステップST207の処理に進む。釣銭処理がなかった、すなわち、警送出動の依頼があった場合(ステップST206:NO)、ステップST209の処理に進む。
【0105】
ステップST207において、警送管理サーバ20は、ヒットした顧客IDのレコードに釣銭(両替金)として転用した金額(転送金額)をセットし、当該顧客IDのレコードに記憶する預り金額より、当該転用した金額を減算して、新たな売上金として更新する(ステップST208)。そして、最初の処理(ステップST201の処理)に戻る。
【0106】
ステップST209において、警送管理サーバ20は、釣銭出動(両替金のための警送出動)を報知し、先に受信した釣銭の金種及びその枚数を表示する。そして、最初の処理(ステップST201の処理)に戻る。
【0107】
図13に示すように、警送会社2が入金カセット52を回収した後は、ステップST301において、警送管理サーバ20は、釣銭転用履歴があったか否かを判定する。釣銭転用履歴があった場合(ステップST301:YES)、ステップST302の処理に進む。釣銭転用履歴がなかった場合(ステップST301:NO)、ステップ303の処理に進む。
【0108】
ステップST302において、警送管理サーバ20は、警送事業者(警送会社2)の口座振込額=入金カセットの金額+釣銭転用合計金額(転送金額の合計)として、振込処理を実施する(ステップST304)。そして、最初の処理(ステップST301の処理)に戻る。
【0109】
ステップST302において、警送管理サーバ20は、警送事業者(警送会社2)の口座振込額=入金カセットの金額+釣銭転用合計金額(転送金額の合計)として、振込処理を実施する(ステップST304)。そして、最初の処理(ステップST301の処理)に戻る。
【0110】
このように、本実施の形態では、入金機(入出金装置11)側で両替金の転送処理(釣銭処理)が行われても、警送管理サーバ20側でその転送金額が売上金から減算されるため、適切に売上金の管理が可能である。
【0111】
以上説明したように、本実施の形態によれば、要求された両替金が入金カセット52にある場合、当該入金カセット52から両替金カセット53に転送して利用可能な両替金とすることにより、不要な警送を減らして警送コストを抑えることが可能である。
【0112】
また、本実施の形態又は変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0113】
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。従って、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
【0114】
下記に、上記実施の形態における特徴点を整理する。
【0115】
上記実施の形態に記載の入出金装置は、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置であって、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動させる制御部と、を備える。
【0116】
また、上記実施の形態に記載の入出金装置において、前記制御部は、前記入金カセットに前記要求された両替金がない場合、警送依頼の電文を送信する。
【0117】
また、上記実施の形態に記載の入出金装置において、前記制御部は、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部に対応する金額を電文にセットして送信する。
【0118】
また、上記実施の形態に記載の現金管理システムは、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置と、前記入出金装置からの依頼に応じて両替金の警送を実施する警送管理サーバと、を備え、前記入出金装置は、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動させる制御部と、を備える。
【0119】
また、上記実施の形態に記載の現金管理システムにおいて、前記制御部は、前記入金カセットに前記要求された両替金がない場合、警送依頼の電文を送信し、前記警送管理サーバは、受信した前記警送依頼の電文に基づいて警送出動を報知する。
【0120】
また、上記実施の形態に記載の現金管理システムにおいて、前記制御部は、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部に対応する金額を電文にセットして送信し、前記警送管理サーバは、前記売上金の一部に対応する金額を転送金額として事前の預り金額から減算し、新たな売上金として更新する。
【0121】
また、上記実施の形態に記載の現金管理方法は、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置の現金管理方法であって、前記入金管理装置は、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、を有し、前記入金カセットに要求する両替金があるか否かを判定するステップと、要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動するステップと、を備える。
【0122】
また、上記実施の形態に記載のプログラムは、貨幣の入金を受け付け、両替金の有無に応じて警送依頼の電文を送信する入出金装置のプロセッサに実行させるためのプログラムであって、前記入金管理装置は、売上金を格納する入金カセットと、両替に必要な貨幣を格納する両替金カセットと、を有し、前記入金カセットに要求する両替金があるか否かを判定するステップと、要求された両替金が前記入金カセットにある場合、前記入金カセットから前記両替金カセットに前記売上金の一部を移動するステップと、を実行させる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明によれば、両替金配送の頻度を低減して現金管理のコストを削減することができるという効果を有し、特に、入出金装置、現金管理システム、現金管理方法、及びプログラムに有用である。
【符号の説明】
【0124】
1 店舗
2 警送会社
3 金融機関
10 店舗サーバ
11 入出金装置
20 警送管理サーバ
30 ホストコンピュータ
40 制御部
41 カードリーダ
42 貨幣投入口
42a 紙幣投入口
42b 硬貨投入口
43 貨幣返却口
43a 紙幣返却口
43b 硬貨返却口
44 表示部
45 入力部
46 プリンタ
47 記憶部
48 通信部
49 現金格納部
50 選別部
51 一時保留部
52 入金カセット
53 両替金カセット
54 搬送部
100 現金管理システム
110 制御部
120 記憶部
130 通信部
140 入力部
150 出力部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13