IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田自動織機の特許一覧

<>
  • 特開-内燃機関システムの制御装置 図1
  • 特開-内燃機関システムの制御装置 図2
  • 特開-内燃機関システムの制御装置 図3
  • 特開-内燃機関システムの制御装置 図4
  • 特開-内燃機関システムの制御装置 図5
  • 特開-内燃機関システムの制御装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143164
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】内燃機関システムの制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 63/00 20060101AFI20220926BHJP
   F02M 47/02 20060101ALI20220926BHJP
   F02D 41/22 20060101ALI20220926BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
F02M63/00 C
F02M47/02
F02D41/22
F02D45/00 345
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043541
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樅野 博司
【テーマコード(参考)】
3G066
3G301
3G384
【Fターム(参考)】
3G066AA07
3G066AB02
3G066AC09
3G066AD12
3G066BA35
3G066BA51
3G301HA02
3G301HA04
3G301HA06
3G301JA08
3G301LB11
3G301NA08
3G301NB03
3G301NC08
3G301NE23
3G301PB08B
3G301PE01B
3G301PE03B
3G301PE05B
3G301PG02B
3G384AA03
3G384AA06
3G384AA07
3G384BA16
3G384DA27
3G384EC05
3G384ED11
3G384FA15B
3G384FA56B
3G384FA58B
3G384FA62B
(57)【要約】
【課題】ノイズ等による燃料漏れの誤判定を抑制することができる燃料噴射システムの制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置60は、クランク角度センサ15から入力される回転検出信号に基づく判定タイミングにおいて、燃料圧力検出装置31を用いて検出した燃料圧力に基づいてコモンレール30等に対する燃料漏れ判定を行う燃料漏れ判定部61Aを有している。そして、判定タイミングであっても、減圧弁モニタ信号線75を介してアクチュエータ駆動装置70から入力された減圧弁モニタ信号の入力状態に基づいて、燃料漏れ判定部61Aによる燃料漏れ判定を禁止する。例えば、減圧弁モニタ信号が、減圧弁の動作中であることを示している場合は、燃料漏れ判定を禁止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関システムの制御装置であって、
前記内燃機関システムは、
内燃機関と、
前記内燃機関に燃料を噴射するインジェクタと、
前記インジェクタに供給する燃料を所定圧力で蓄えるコモンレールと、
前記コモンレールから前記インジェクタへ燃料を導く燃料配管と、
燃料タンクから前記コモンレールへ燃料を充填するとともに前記コモンレール内の燃料の圧力である燃料圧力を目標圧力へと上昇させる燃料ポンプと、
前記コモンレール内の燃料を前記燃料タンクに戻す燃料リターン配管と、
前記燃料リターン配管に設けられた減圧弁と、
前記コモンレール内の燃料の前記燃料圧力に応じた圧力検出信号を出力する燃料圧力検出装置と、
前記内燃機関のクランクシャフトの回転に応じた回転検出信号を出力するクランク回転検出装置と、
前記制御装置からの減圧弁駆動指令信号に基づいて前記減圧弁を駆動するとともに前記減圧弁の駆動状態を示す減圧弁モニタ信号を前記制御装置に出力する、前記制御装置とは別体とされたアクチュエータ駆動装置と、
前記内燃機関の運転状態を検出し、検出した前記運転状態に基づいて、前記減圧弁駆動指令信号を、前記アクチュエータ駆動装置に出力する制御装置と、
を有しており、
前記制御装置は、
前記クランク回転検出装置から入力される前記回転検出信号に基づく判定タイミングにおいて、前記燃料圧力検出装置を用いて検出した前記燃料圧力に基づいて前記コモンレール及び前記燃料配管からの燃料漏れ判定を行う燃料漏れ判定部を有しており、
前記判定タイミングであっても、前記アクチュエータ駆動装置から入力された前記減圧弁モニタ信号の入力状態に基づいて、前記燃料漏れ判定部による前記燃料漏れ判定を禁止する、
内燃機関システムの制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関システムの制御装置であって、
前記制御装置は、
前記判定タイミングのときに、前記減圧弁モニタ信号が、前記減圧弁の動作中であることを示している場合は、当該判定タイミングにおける前記燃料漏れ判定部による前記燃料漏れ判定を禁止する、
内燃機関システムの制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の内燃機関システムの制御装置であって、
前記制御装置は、
前記減圧弁モニタ信号が、前記減圧弁の動作中でないことを示している状態から、前記減圧弁の動作中であることを示している状態に変化するごとにカウントする減圧弁カウンタを備え、
前記減圧弁カウンタのカウンタ値を前記判定タイミングごとに記憶し、
前記判定タイミングのときに、今回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁モニタ信号が前記減圧弁の動作中でないことを示している場合であっても、今回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁カウンタのカウンタ値が、前回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁カウンタのカウンタ値と異なる場合は、今回の前記判定タイミングにおける前記燃料漏れ判定部による前記燃料漏れ判定を禁止する、
内燃機関システムの制御装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の内燃機関システムの制御装置であって、
前記制御装置は、
前記減圧弁モニタ信号の入力状態を前記判定タイミングごとに記憶し、
前記判定タイミングのときに、今回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁モニタ信号が前記減圧弁の動作中でないことを示している場合であっても、前回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁モニタ信号が、前記減圧弁の動作中であることを示していた場合は、今回の前記判定タイミングにおける前記燃料漏れ判定部による前記燃料漏れ判定を禁止する、
内燃機関システムの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関システムにおける燃料噴射系に対する制御装置の燃料漏れ判定に関する。
【背景技術】
【0002】
コモンレール式の燃料噴射システムにおいては、燃料漏れの有無を判定する燃料漏れ判定が行われている。例えば、特許文献1では、燃料噴射弁から燃料を噴射した直後は燃料圧力の脈動がしばらく続いてしまうため、燃圧が安定している期間に燃料漏れ判定を行う技術が開示されている。具体的には、点火順序が連続する2つの気筒の圧縮上死点の中間から、点火順序が遅い気筒への燃料噴射が開始される直前まで、の検出期間において、燃料圧力の低下速度に基づいて燃料漏れの異常判定を行っている。
【0003】
なお、コモンレール式の燃料噴射システムにおいては、コモンレール内の燃圧を目標圧力に保持するべく、燃料タンクからコモンレールへ燃料を充填する燃料ポンプのほか、コモンレール内の燃料を燃料タンクに戻す燃料リターン配管が備えられており、当該燃料リターン配管には減圧弁が設けられている。減圧弁は、コモンレール内の燃圧が目標圧力を上回ってしまった場合に開かれるのであるが、その際、コモンレール内の燃料圧力は急激に降下する。その期間に燃料漏れ判定を実施してしまうと、燃料漏れ有りと誤判定してしまう可能性がある。そこで、減圧弁の駆動により燃圧が降下している期間においては燃料漏れ判定を実施しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-144937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば建設機械等に搭載される比較的大型の内燃機関システムには、減圧弁等のON/OFFの指令を出力する制御装置と、実際に減圧弁を駆動するアクチュエータ駆動装置とが別体で構成されている場合がある。この場合、制御装置からアクチュエータ駆動装置に減圧弁駆動指令信号を出力する減圧弁駆動指令信号線と、アクチュエータ駆動装置から減圧弁に駆動信号を出力する減圧弁駆動信号線と、アクチュエータ駆動装置から制御装置に減圧弁モニタ信号(減圧弁の動作状態を制御装置に通知するための信号)を出力する減圧弁モニタ信号線と、が接続されている。制御装置が減圧弁駆動指令信号線に減圧弁のONを指令する信号を出力すると、アクチュエータ駆動装置が減圧弁駆動信号線を介して減圧弁をONに駆動し、アクチュエータ駆動装置は減圧弁モニタ信号線を介して、減圧弁をONに駆動していることを示す信号を制御装置に出力する。そして制御装置は、減圧弁をONに駆動する指令を出力している場合、燃料漏れ判定を禁止している。
【0006】
ところが、制御装置とアクチュエータ駆動装置とが別体で構成されている場合、内燃機関システム内で発生する種々のノイズが、減圧弁駆動指令信号線に重畳する可能性がある。減圧弁駆動指令信号線にノイズが重畳された場合、制御装置が減圧弁をONする減圧弁駆動指令信号を出力していないにもかかわらず減圧弁がONに駆動されてしまう可能性があるので、このような場合は燃料漏れ判定を禁止する必要がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ノイズ等による燃料漏れの誤判定を抑制することができる燃料噴射システムの制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、本発明の第1の発明は、内燃機関システムの制御装置であって、前記内燃機関システムは、内燃機関と、前記内燃機関に燃料を噴射するインジェクタと、前記インジェクタに供給する燃料を所定圧力で蓄えるコモンレールと、前記コモンレールから前記インジェクタへ燃料を導く燃料配管と、燃料タンクから前記コモンレールへ燃料を充填するとともに前記コモンレール内の燃料の圧力である燃料圧力を目標圧力へと上昇させる燃料ポンプと、前記コモンレール内の燃料を前記燃料タンクに戻す燃料リターン配管と、前記燃料リターン配管に設けられた減圧弁と、前記コモンレール内の燃料の前記燃料圧力に応じた圧力検出信号を出力する燃料圧力検出装置と、前記内燃機関のクランクシャフトの回転に応じた回転検出信号を出力するクランク回転検出装置と、前記制御装置からの減圧弁駆動指令信号に基づいて前記減圧弁を駆動するとともに前記減圧弁の駆動状態を示す減圧弁モニタ信号を前記制御装置に出力する、前記制御装置とは別体とされたアクチュエータ駆動装置と、前記内燃機関の運転状態を検出し、検出した前記運転状態に基づいて、前記減圧弁駆動指令信号を、前記アクチュエータ駆動装置に出力する制御装置と、を有しており、前記制御装置は、前記クランク回転検出装置から入力される前記回転検出信号に基づく判定タイミングにおいて、前記燃料圧力検出装置を用いて検出した前記燃料圧力に基づいて前記コモンレール及び前記燃料配管からの燃料漏れ判定を行う燃料漏れ判定部を有しており、前記判定タイミングであっても、前記アクチュエータ駆動装置から入力された前記減圧弁モニタ信号の入力状態に基づいて、前記燃料漏れ判定部による前記燃料漏れ判定を禁止する、内燃機関システムの制御装置である。
【0009】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関システムの制御装置であって、前記制御装置は、前記判定タイミングのときに、前記減圧弁モニタ信号が、前記減圧弁の動作中であることを示している場合は、当該判定タイミングにおける前記燃料漏れ判定部による前記燃料漏れ判定を禁止する、内燃機関システムの制御装置である。
【0010】
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る内燃機関システムの制御装置であって、前記制御装置は、前記減圧弁モニタ信号が、前記減圧弁の動作中でないことを示している状態から、前記減圧弁の動作中であることを示している状態に変化するごとにカウントする減圧弁カウンタを備え、前記減圧弁カウンタのカウンタ値を前記判定タイミングごとに記憶し、前記判定タイミングのときに、今回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁モニタ信号が前記減圧弁の動作中でないことを示している場合であっても、今回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁カウンタのカウンタ値が、前回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁カウンタのカウンタ値と異なる場合は、今回の前記判定タイミングにおける前記燃料漏れ判定部による前記燃料漏れ判定を禁止する、内燃機関システムの制御装置である。
【0011】
次に、本発明の第4の発明は、上記第2の発明または第3の発明に係る内燃機関システムの制御装置であって、前記制御装置は、前記減圧弁モニタ信号の入力状態を前記判定タイミングごとに記憶し、前記判定タイミングのときに、今回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁モニタ信号が前記減圧弁の動作中でないことを示している場合であっても、前回の前記判定タイミングのときの前記減圧弁モニタ信号が、前記減圧弁の動作中であることを示していた場合は、今回の前記判定タイミングにおける前記燃料漏れ判定部による前記燃料漏れ判定を禁止する、内燃機関システムの制御装置である。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、制御装置は、自身が出力する減圧弁駆動指令信号に基づいて燃料漏れ判定を禁止するのでなく、アクチュエータ駆動装置からの減圧弁モニタ信号の入力状態に基づいて燃料漏れ判定を禁止する。これにより、制御装置が減圧弁駆動指令信号を出力していないにもかかわらずノイズ等によって減圧弁が駆動されているような場合であっても、適切に燃料漏れ判定を禁止することが可能であり、燃料漏れの誤判定を抑制することができる。
【0013】
第2の発明によれば、制御装置が減圧弁駆動指令信号を出力している場合では、減圧弁モニタ信号が減圧弁の動作中であることを示しているので、この場合では燃料漏れ判定を禁止することで、燃料漏れの誤判定を抑制することができる。
【0014】
第3の発明によれば、今回の判定タイミングで減圧弁モニタ信号が減圧弁の動作中でないことを示している場合であっても、前回の判定タイミングから今回の判定タイミングの間に、ノイズ等により減圧弁をOFFからONにした形跡がカウンタに残されている。従って、この場合では燃料漏れ判定を禁止することで、燃料漏れの誤判定を抑制することができる。
【0015】
第4の発明によれば、今回の判定タイミングで減圧弁モニタ信号が減圧弁の動作中でないことを示している場合であっても、前回の判定タイミングでは減圧弁モニタ信号が減圧弁の動作中であることを示していた場合、燃料圧力がまだ安定していない可能性があるので、この場合では燃料漏れ判定を禁止することで、燃料漏れの誤判定を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る制御装置を有する内燃機関システム全体の概略構成を示す図である。
図2】燃料漏れ判定の方法の例を説明するための図である。
図3】燃料漏れ判定タイミングの都度実行される処理を説明するフローチャートである。
図4】減圧弁駆動指令信号出力・停止処理を説明するフローチャートである。
図5】カウンタのカウント処理を説明するフローチャートである。
図6】燃料漏れ判定の禁止条件の概要を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
●[内燃機関システム100の概略構成の例(図1)]
以下に本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。まず図1を用いて、制御装置60を有する内燃機関システム100全体の概略構成の例について説明する。本実施の形態の説明では、内燃機関の例として、車両に搭載された内燃機関10(例えばディーゼルエンジン)を用いて説明する。なお、図1では、内燃機関10における吸気系、排気系に係る構成については本発明とは無関係のため省略し、本発明と特に関係する燃料噴射系に係る構成のみを図示している。
【0018】
内燃機関10は、第1気筒11~第4気筒14を有しており、直列4気筒の4ストローク、レシプロディーゼルエンジンを想定している。4つの第1気筒11~第4気筒14について、それぞれ吸入・圧縮・燃焼・排気の4行程による1燃焼サイクルが「720°CA(クランクシャフト2回転)」周期で実行される。具体的には、第1気筒11、第3気筒13、第4気筒14、第2気筒12の順に、「180°CA」ずらして、1燃焼サイクルが逐次実行される。特に、燃焼行程が始まるきっかけとなる燃料の噴射タイミングは、内燃機関10のクランクシャフト(図示せず)の外周側に設けられた、所定クランク角度毎に(例えば10°CA角度毎に)クランク角度信号を出力するクランク角度センサ15(クランク回転検出装置に相当する)に基づいている。クランク角度センサ15は、クランクシャフトの回転に応じた回転検出信号を制御装置60に出力している。なお、図示省略するが、内燃機関10のカムシャフトには、カムシャフトの回転角度に応じた気筒判別信号を出力するカムシャフト角度センサが設けられている。制御装置60は、気筒判別信号と回転検出信号に基づいて第1気筒11~第4気筒14への燃料の噴射タイミングのほか、コモンレール30及び燃料配管32からの燃料漏れの判定タイミング等を合わせることができる。
【0019】
インジェクタ20は、第1気筒11~第4気筒14のそれぞれに設けられている。インジェクタ20には、コモンレール30から燃料配管32を介して燃料が供給されており、インジェクタ20は、第1気筒11~第4気筒14のそれぞれに燃料を噴射する。
【0020】
コモンレール30には、制御装置60からの制御信号に基づいて駆動される燃料ポンプ40から燃料が供給されている。また、コモンレール30には、コモンレール30内の燃料を燃料タンク34に戻す燃料リターン配管33が接続されており、燃料リターン配管33には減圧弁50が設けられている。さらに、コモンレール30内の燃料の圧力を検出する燃料圧力検出装置31(例えば、圧力センサ)が設けられている。
【0021】
アクチュエータ駆動装置70は、制御装置60とは別体の装置であって、制御装置60からインジェクタ駆動指令信号線67を介して入力されたインジェクタ駆動指令信号に基づいてインジェクタ20を駆動し、インジェクタ20の駆動状態を示すインジェクタモニタ信号を、インジェクタモニタ信号線77を介して制御装置60に出力する。またアクチュエータ駆動装置70は、制御装置60から減圧弁駆動指令信号線65を介して入力された減圧弁駆動指令信号に基づいて減圧弁50を駆動し、減圧弁50の駆動状態を示す減圧弁モニタ信号を、減圧弁モニタ信号線75を介して制御装置60に出力する。
【0022】
制御装置60は、CPU61、RAM62、記憶装置63、タイマ64等を有している。制御装置60(CPU61)には、上述した検出装置を含む種々の検出装置から検出信号が入力され、制御装置60(CPU61)は、インジェクタ20や、燃料ポンプ40、減圧弁50を含めた種々のアクチュエータへの制御信号を出力する。上述したように、制御信号の出力先は、アクチュエータの場合もあるし、アクチュエータ駆動装置70の場合もあるが、本実施形態においては減圧弁50に関しては、アクチュエータ駆動装置70が駆動する。記憶装置63は、例えばFlash-ROM等の記憶装置であり、後述する処理を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されている。なお、CPU61は、燃料漏れ判定部61A等の各種の処理手段のほか、減圧弁カウンタ62BやNEカウンタ62Cを有しているが、これらについては後述する。
【0023】
そして制御装置60は、インジェクタ20を駆動する場合、アクチュエータ駆動装置70に、インジェクタ駆動指令信号線67を介してインジェクタ駆動指令信号を出力する。アクチュエータ駆動装置70は、インジェクタ駆動指令信号線67を介してインジェクタ駆動指令信号が入力されると、インジェクタ駆動信号線68を介してインジェクタ20を駆動する。またアクチュエータ駆動装置70は、自身からのインジェクタ20の駆動状態(動作状態)を示すインジェクタモニタ信号を、インジェクタモニタ信号線77を介して制御装置60に出力する。
【0024】
また制御装置60は、燃料圧力検出装置31の圧力検出信号に基づいてコモンレール30内の燃料圧力を検出し、目標燃料圧力となるように燃料ポンプ40や減圧弁50を制御する。また制御装置60は、減圧弁50を制御する際は、減圧弁駆動指令信号線65を介してアクチュエータ駆動装置70に減圧弁駆動指令信号を出力する。アクチュエータ駆動装置70は、減圧弁駆動指令信号線65を介して減圧弁駆動指令信号が入力されると、減圧弁駆動信号線66を介して減圧弁50を駆動する。またアクチュエータ駆動装置70は、自身からの減圧弁50の駆動状態(動作状態)を示す減圧弁モニタ信号を、減圧弁モニタ信号線75を介して制御装置60に出力する。
【0025】
●[燃料漏れ判定部61Aの判定タイミングと判定方法の例(図2)]
次に、図2を用いて、燃料漏れ判定部61Aによる、コモンレール30及び燃料配管32から燃料漏れが有るか否かを判定する燃料漏れ判定の例について説明する。内燃機関システム100の燃料噴射系では、コモンレール30内の燃料圧力が常に目標燃料圧力となるように燃料ポンプ40や減圧弁50が制御されている。目標燃料圧力は非常に高く、コモンレール30自体のひび割れ、コモンレール30と燃料タンクを結ぶ配管のひび割れ等の異常が発生する可能性がある。そのため、所定のタイミングで、燃料漏れの有無が判定されている。なお、以下に説明する燃料漏れ判定は、1つの例であり、燃料漏れ判定は、この方法に限定されるものではない。
【0026】
制御装置60は、燃料漏れ判定部61Aにて、上述したクランク角度センサ15から入力される回転検出信号及びカムシャフト角度センサから入力される気筒判別信号に基づく判定タイミングごとに、燃料圧力検出装置31から入力される圧力検出信号に基づいて算出した所定期間内における燃料圧力の変化量と、インジェクタ20から実際に噴射した燃料量に基づいて推定した所定期間内における燃料圧力の変化量に基づいてコモンレール30及び燃料配管からの燃料漏れ判定を行う。
【0027】
図2において、上段のパルス列は、カムシャフト角度センサからの気筒判別信号を示したもので、720°CA毎のパルス列よりなる。1燃焼サイクルにおいては、TDC(上死点)が圧縮行程と排気行程で2回あるが、制御装置60は、気筒判別信号によりこれを区別することができる。
【0028】
中段のパルス列は、クランクシャフトの回転に応じた回転検出信号を示したもので、クランク角度センサ15から制御装置60に入力される。例えば、回転検出信号は、10°CA毎のパルス列よりなり、そのパルス列の途中に2パルス分を欠落させた部分が設けられている。欠歯と欠歯の間隔は180°CAであり、NEカウンタ62Cは、回転検出信号の立ち上がりエッジ毎に1ずつ加算され、欠歯の次の回転検出信号の立ち上がりエッジの検出時に0にクリアされるようになっている。つまり、制御装置60は、図2における下段の階段状の波形に示すように、#0~#15の16段階の範囲内で、NEカウンタ62Cのカウンタ値のカウントアップを一定の周期で繰り返す。制御装置60は、このようなNEカウンタ62Cの値を基に、燃料漏れ判定部61Aによる燃料漏れの判定タイミングの検出を行う。なお、NEカウンタ62Cの値は、その他にも、TDCや第1気筒11~第4気筒14のそれぞれへの燃料の噴射タイミングの検出にも用いられる。
【0029】
例えば図2の例では、符号「A」で示すNEカウンタ62Cの値=#9のタイミングにて、第1気筒11のインジェクタ20から燃料噴射が行なわれるものとする。そして制御装置60は、実際に噴射された噴射量からコモンレール30内の燃料圧力がどれだけ下がるかを推定し、燃料圧力の推定降下量を算出する。また制御装置60は、NEカウンタ62Cの値=#0~#15の範囲(第1気筒11が燃料噴射対象)において、図2中に符号「B」で示すNEカウンタ62Cの値=#3のタイミングと、図2中に符号「C」で示すNEカウンタ62Cの値=#12のタイミングにて、それぞれのコモンレール30内の燃料圧力を燃料圧力検出装置31の圧力検出信号に基づいて取得するとともに、両者の差分を取って燃料圧力の実際降下量を算出する。
【0030】
そして制御装置60は、燃料漏れ判定部61Aにて、第1気筒11の次の第3気筒13が燃料噴射の対象とされる#0~#15の範囲において、図2中に符号「D」で示すNEカウンタ62Cの値=#10(判定タイミング)にて、先に算出した燃料圧力の推定降下量と実際降下量を比較し、実際降下量のほうが想定以上に大きい場合には、燃料漏れ「有り」と判定する。そして制御装置60は、上記の処理を各気筒に対応させて繰り返す。
【0031】
●[第1の実施の形態における制御装置60の処理手順(図3図5)]
次に図3図5に示すフローチャートを用いて、制御装置60による燃料漏れ判定処理の処理手順の例について説明する。図3に示す処理は、図2に示すクランク角度センサからの回転検出信号の立ち上がりエッジが制御装置60に入力される毎に起動される。また、図3の処理に用いる「カウンタ」のリセットとカウントについては後述する。制御装置60は、回転検出信号の立ち上がりエッジが入力されると、図3に示すステップS110へ処理を進める。
【0032】
ステップS110にて制御装置60は、NEカウンタの値を更新してステップS115へ処理を進める。なお、ステップS110のNEカウンタの更新処理は既存の処理であるので説明を省略するが、当該処理にて、図2に示すようにNEカウンタの値が更新される。
【0033】
ステップS115にて制御装置60は、NEカウンタの値=#3であるか否かを判定する。制御装置60は、NEカウンタの値=#3である場合(Yes)はステップS120へ処理を進め、NEカウンタの値=#3でない場合(No)はステップS125へ処理を進める。
【0034】
ステップS120へ処理を進めた場合、制御装置60は、燃料圧力検出装置31を用いて検出した燃料圧力を、#3燃料圧力として記憶してステップS125へ処理を進める。
【0035】
ステップS125へ処理を進めた場合、制御装置60は、NEカウンタの値=#12であるか否かを判定する。制御装置60は、NEカウンタの値=#12である場合(Yes)はステップS130へ処理を進め、NEカウンタの値=#12でない場合(No)はステップS140へ処理を進める。
【0036】
ステップS130へ処理を進めた場合、制御装置60は、燃料圧力検出装置31を用いて検出した燃料圧力を、#12燃料圧力として記憶してステップS135へ処理を進める。
【0037】
ステップS135にて制御装置60は、記憶している#3燃料圧力と#12燃料圧力の差分を実際燃圧降下量として記憶してステップS140へ処理を進める。
【0038】
ステップS140へ処理を進めた場合、制御装置60は、NEカウンタの値=#10であるか否かを判定する。制御装置60は、NEカウンタの値=#10である場合(Yes)はステップS145へ処理を進め、NEカウンタの値=#10でない場合(No)は図3に示す処理を終了する。
【0039】
ステップS145へ処理を進めた場合、制御装置60は、自身が減圧弁駆動指令信号を出力中であるか否かを判定する。制御装置60は、減圧弁駆動指令信号を出力中である場合(Yes)はステップS170へ処理を進め、減圧弁駆動指令信号を出力していない場合(No)はステップS150へ処理を進める。
【0040】
ステップS150へ処理を進めた場合、制御装置60は、今回の減圧弁モニタ信号の入力状態に基づいて、減圧弁50が動作中であるか否かを判定する。制御装置60は、減圧弁50が動作中である場合(Yes)はステップS170へ処理を進め、減圧弁50が動作中でない場合(No)はステップS155へ処理を進める。
【0041】
ステップS155へ処理を進めた場合、制御装置60は、前回の減圧弁モニタ信号の入力状態(ステップS170で記憶した前回減圧弁モニタ信号)に基づいて、減圧弁50が動作中であったか否かを判定する。制御装置60は、減圧弁50が動作中であった場合(Yes)はステップS170へ処理を進め、減圧弁50が動作中でなかった場合(No)はステップS160へ処理を進める。
【0042】
ステップS160へ処理を進めた場合、制御装置60は、今回の減圧弁カウンタ62Bのカウンタ値と前回の減圧弁カウンタ62Bのカウンタ値(ステップS175で記憶した前回カウンタ値)を比較する。制御装置60は、2つの値が異なる場合(Yes)はステップS170へ処理を進め、等しい場合(No)はステップS165へ処理を進める。
【0043】
ステップS165へ処理を進めた場合、制御装置60は、燃料漏れ判定処理を実行してステップS170へ処理を進める。ステップS165の燃料漏れ判定は、既存の処理であり、詳細は省略するが、例えば図2を用いて説明したように、図2中に符号「A」のNEカウンタの値=#11のときの実際の燃料噴射量を、燃料噴射処理(説明は省略する)の中で記憶しておく。そして制御装置60は、この燃料噴射量から、コモンレール30内の燃料圧力がどれだけ下がるかを推定し、推定燃圧降下量を算出する。また制御装置60は、図2中に符号「B」で示すNEカウンタの値=#3のタイミングの燃料圧力(ステップS120で記憶した「#3燃料圧力」)と、図2中に符号「C」で示すNEカウンタの値=#12のタイミングの燃料圧力(ステップS130で記憶した#12燃料圧力)との差分(ステップS135で記憶した「実際燃圧降下量」)を算出する。そして制御装置60は、推定燃圧降下量と実際燃圧降下量を比較し、実際燃圧降下量が推定燃圧降下量よりも所定量以上大きい場合は、燃料漏れがある、と判定する。なお、燃料漏れ判定の方法は、この方法に限定されるものではない。
【0044】
ステップS165の処理を実行している制御装置60(CPU61)は、クランク回転検出装置から入力される回転検出信号に基づく判定タイミングにおいて、燃料圧力検出装置を用いて検出した燃料圧力に基づいてコモンレール及び燃料配管からの燃料漏れ判定を行う、燃料漏れ判定部61A(図1参照)に相当している。
【0045】
ステップS170にて制御装置60は、今回の減圧弁モニタ信号のレベル(ONかOFFか)を、前回減圧弁モニタ信号として記憶してステップS175へ処理を進める。
【0046】
ステップS175にて制御装置60は、今回のカウンタ値(現在の減圧弁カウンタ62Bのカウンタ値)を前回カウンタ値として記憶し、処理を終了する。
【0047】
●[カウンのリセット処理(図4)]
次に図4を用いて、カウンタのリセット処理の処理手順について説明する。以下に説明するように、カウンタのリセット処理は、減圧弁駆動指令信号の出力処理に組み込まれている。そしてカウンタは、制御装置60が減圧弁駆動指令信号の出力を停止していた状態から出力したタイミングでリセットされる。図4に示す処理は、例えば所定時間間隔(例えば、数[ms]~数10[ms]間隔)で起動され、起動されると、制御装置60は、ステップS210へと処理を進める。
【0048】
ステップS210にて制御装置60は、減圧弁50の駆動条件が成立したか否かを判定し、駆動条件が成立した場合(Yes)はステップS220へ処理を進め、成立しない場合(No)はステップS225へ処理を進める。なお、当該ステップS210は既存の処理であり、駆動条件の詳細については説明を省略する。
【0049】
ステップS225にて制御装置60は、減圧弁駆動指令信号の出力を停止し、図4に示す処理を終了する。
【0050】
ステップS220に処理を進めた場合、制御装置60は、減圧弁駆動指令信号を出力中であるか否かを判定し、出力中の場合(Yes)はステップS240へ処理を進め、出力中でない場合(No)はステップS230へ処理を進める。
【0051】
ステップS230にて制御装置60は、減圧弁カウンタ62Bをリセットし、ステップS240へ処理を進める。
【0052】
ステップS240にて制御装置60は、減圧弁駆動指令信号を出力し、図4に示す処理を終了する。
【0053】
●[カウンタのカウントアップ処理(図5)]
次に図5を用いて、減圧弁カウンタ62Bのカウントアップ処理の詳細を説明する。図5に示す処理は、減圧弁モニタ信号の入力エッジ(減圧弁モニタ信号の立ち上がりエッジ)があるごとに起動される、いわゆる割り込み処理である。減圧弁モニタ信号の立ち上がりエッジが入力されると、制御装置60は、図5に示すステップS310へ処理を進める。
【0054】
ステップS310にて制御装置60は、減圧弁カウンタ62Bのカウンタ値を1つカウントアップして、図5に示す処理を終了する。
【0055】
●[図3に示す処理において、燃料漏れ判定処理(ステップS165)が禁止される場合について(図6)]
本実施形態において、制御装置60は、減圧弁50の駆動時には燃料漏れ判定部61Aによる燃料漏れ判定を実施しない。減圧弁50は、コモンレール30内の燃料圧力が目標燃料圧力を上回ってしまった場合、もしくは、減速時などより早くコモンレール30内の燃料圧力を落としたい場合に開かれるのであるが、その際、コモンレール30内の燃料圧力は急激に降下する。その期間に燃料漏れ判定を実施してしまうと、燃料漏れ有りと誤判定してしまう可能性があるからである。以下、図6を用いて、燃料漏れ判定処理(図3中のステップS165)が禁止される場合について説明する。
【0056】
図6は、横軸を「時刻」として、制御装置60が減圧弁駆動指令信号線65を介して出力する「減圧弁駆動指令信号」、この減圧弁駆動指令信号線65に重畳された「ノイズ」、減圧弁モニタ信号線75を介して制御装置60に入力される「減圧弁モニタ信号」、「減圧弁カウンタ」(減圧弁カウンタ62Bの値)、NEカウンタ62Cの値=#10である「判定タイミング」、この判定タイミングにおいて燃料漏れ判定を実施した(実)か禁止(禁)したかを示す「実」または「禁」、を示している。以下、図6中の各判定タイミングの時刻(時刻TA、TB、TC・・TT)において、図3のステップS165の燃料漏れ判定処理の実施が実施(実)または禁止(禁)のいずれとなるか、を説明する。
【0057】
時刻TAでは、燃料漏れ判定処理の実施は実施(実)される。時刻TBでは、時刻T01にて減圧弁カウンタがカウントアップされたので図3のステップS160にて禁止(禁)される。時刻TCでは、時刻T02で減圧弁カウンタがカウントアップされたので図3のステップS160にて禁止(禁)、またはステップS150にて禁止(禁)される。
【0058】
時刻TDでは、図3のステップS155にて禁止(禁)される。時刻TEでは、時刻T03で減圧弁カウンタがカウントアップされたので図3のステップS160にて禁止(禁)、またはステップS150にて禁止(禁)される。時刻TFでは、図3のステップS150にて禁止(禁)、またはステップS155にて禁止(禁)される。時刻TGでは、図3のステップS155にて禁止(禁)される。
【0059】
時刻TH、時刻TI、時刻TJでは、実施(実)される。なお、減圧弁駆動指令信号のOFFからONの立ち上がりが発生した時刻T04にて減圧弁カウンタはリセットされ、減圧弁駆動指令信号の立ち上がりに対して時間Δtだけ遅れた減圧弁モニタ信号のOFFからONの立ち上がりが発生した時刻T05にて減圧弁カウンタはカウントアップされる。
【0060】
時刻TKでは、時刻T05で減圧弁カウンタがカウントアップされたので図3のステップS160にて禁止(禁)、またはステップS145、またはステップS150にて禁止(禁)される。時刻TLでは、時刻T06で減圧弁カウンタがカウントアップされたので図3のステップS160にて禁止(禁)、またはステップS145、またはステップS150、またはステップS155にて禁止(禁)される。
【0061】
時刻TMでは、図3のステップS145、またはステップS155にて禁止(禁)される。時刻TNでは、時刻T07で減圧弁カウンタがカウントアップされたので図3のステップS160にて禁止(禁)、またはステップS145にて禁止(禁)される。時刻TOでは、時刻T08で減圧弁カウンタがカウントアップされたので図3のステップS160にて禁止(禁)、またはステップS145、またはステップS150にて禁止(禁)される
【0062】
時刻TPでは、図3のステップS145、またはステップS155にて禁止(禁)される。時刻TQでは、図3のステップS145にて禁止(禁)される。時刻TRでは、時刻T09で減圧弁カウンタがカウントアップされたので図3のステップS160にて禁止(禁)、またはステップS145、またはステップS150にて禁止(禁)される。
【0063】
時刻TSでは、図3のステップS155にて禁止(禁)される。時刻TTでは、実施(実)される。
【0064】
本発明の内燃機関システム100の制御装置60では、本実施の形態で説明した外観、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
【0065】
本実施形態において、内燃機関10としてディーゼルエンジンを例に挙げたが、ガソリンエンジンであってもよい。その場合、コモンレール30がフューエルデリバリーパイプとなり、当該フューエルデリバリーパイプの燃料の圧力を検出する燃料圧力検出装置を備えることで本発明と同様の効果を実現することができる。
【0066】
本実施形態において、図3に示すフローチャートにて、ステップS145(自身が減圧弁駆動指令信号を出力中であるか否か)、ステップS150(今回の減圧弁モニタ信号の入力状態に基づいて、減圧弁50が動作中であるか否か)、ステップS155(前回の判定タイミングにおいて減圧弁50が動作中であったか否か)、ステップS160(今回カウンタ値と前回カウンタ値が同じか否か)の順に判定をするものとして説明したが、判定する順序は特に限定されず、どの順序で判定しても構わない。例えば、ステップS145、ステップS155、ステップS150、ステップS160の順に判定するようにしてもよい。
【0067】
本実施形態において、3つの禁止条件(ステップS150、ステップS155、ステップS160)の全てに対して判定を行うものとして説明したが、ステップS155とステップS160に関しては省略しても良い。例えば、ステップS155を省略してステップS150とステップS160の2つの禁止条件としても良いし、ステップS160を省略してステップS150とステップS155の2つの禁止条件としても良い。あるいは、2つとも省略してステップS150のみの禁止条件としても良い。
【0068】
本実施形態において、制御装置60は、減圧弁50の駆動時にはそもそも燃料漏れ判定部61Aによる燃料漏れ判定を実施しないものとして説明した。具体的には、図3に示すフローチャートにて、ステップS145に示す判断を行うものとしたが、この判断をせず、3つの禁止条件(ステップS150、ステップS155、ステップS160)のみで燃料漏れ判定部61Aによる燃料漏れ判定の実施を制御するようにしてもよい。
【0069】
本実施形態において、制御装置60が減圧弁50を駆動すべく減圧弁駆動指令信号を出力するタイミングで減圧弁カウンタ62Bをリセットするものとして説明したが、今回カウンタ値と前回カウンタ値が異なるか否かを比較できればよいため、リセット自体を行わなくともよい。例えば、8ビットでカウントアップする場合、255の次は0に戻って引き続きカウントアップが行われるため、減圧弁モニタ信号の入力があったことを検出することは可能である。また、インクリメント(カウントアップ)ではなくデクリメントであってもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 内燃機関
11 第1気筒
12 第2気筒
13 第3気筒
14 第4気筒
15 クランク角度センサ
20 インジェクタ
30 コモンレール
31 燃料圧力検出装置
32 燃料配管
33 燃料リターン配管
34 燃料タンク
40 燃料ポンプ
50 減圧弁
60 制御装置
61 CPU
61A 燃料漏れ判定部
62 RAM
62B 減圧弁カウンタ
62C NEカウンタ
63 記憶装置
64 タイマ
65 減圧弁駆動指令信号線
66 減圧弁駆動信号線
67 インジェクタ駆動指令信号線
68 インジェクタ駆動信号線
70 アクチュエータ駆動装置
75 減圧弁モニタ信号線
77 インジェクタモニタ信号線
100 内燃機関システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6