(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143175
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】消防用ホースカー
(51)【国際特許分類】
A62C 27/00 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
A62C27/00 508
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043558
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000192073
【氏名又は名称】株式会社モリタホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真由美
(72)【発明者】
【氏名】横井 大輔
(72)【発明者】
【氏名】横山 佳宏
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189AB05
2E189EB06
2E189EB09
(57)【要約】
【課題】従来よりも安全性及び取扱い性に優れた消防用ホースカーを提供すること。
【解決手段】消防用ホースカー1は、内部空間に消火ホース10を収容するホース収容体20、200と、ホース収容体20、200を載置する荷台35、及び荷台35の後部に設けられた操作ハンドル34を有し、人によって押し進められる台車30と、ホース収容体20、200を台車30に固定する固定具40、400とを備え、ホース収容体20、200は、台車30の荷台35に載せ降ろし自在であり、荷台35に載せたときに固定具40、400で台車30に固定され、台車30の進行に伴い内部空間から消火ホース10を繰り出し可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間に消火ホースを収容するホース収容体と、
前記ホース収容体を載置する荷台、及び前記荷台の後部に設けられた操作ハンドルを有し、人によって押し進められる台車と、
前記ホース収容体を前記台車に固定する固定具とを備え、
前記ホース収容体は、前記台車の荷台に載せ降ろし自在であり、前記荷台に載せたときに前記固定具で前記台車に固定され、前記台車の進行に伴い前記内部空間から前記消火ホースを繰り出し可能であることを特徴とする消防用ホースカー。
【請求項2】
前記ホース収容体は、底板、前壁、及び一対の側壁が設けられた本体を備え、
前記本体は、後端面に設けられた前記消火ホースの繰り出し口と、前記人が肩掛け可能な把手を有することを特徴とする請求項1に記載の消防用ホースカー。
【請求項3】
前記ホース収容体を複数備え、複数の前記ホース収容体を前記荷台に幅方向に並べて載せられることを特徴とする請求項2に記載の消防用ホースカー。
【請求項4】
前記ホース収容体同士を連結する連結具を備え、
複数の前記ホース収容体を前記荷台に載せたとき、端部に位置する前記ホース収容体は、前記固定具で前記台車に固定されるとともに、隣接する前記ホース収容体と前記連結具で連結されることを特徴とする請求項3に記載の消防用ホースカー。
【請求項5】
前記ホース収容体は、前記本体の上方の少なくとも一部を覆う蓋を備え、
前記蓋が前記連結具を兼ねることを特徴とする請求項4に記載の消防用ホースカー。
【請求項6】
前記ホース収容体は、前記内部空間の底面から立ち上げられ前記内部空間を幅方向に分割する仕切板を備え、前記仕切板の上端は前記蓋によって固定されることを特徴とする請求項5に記載の消防用ホースカー。
【請求項7】
前記ホース収容体は、前記前壁から前記繰り出し口までの側壁の長さを、第一の長さから、第一の長さよりも短い第二の長さに変更可能であり、前記第二の長さとしたときに前記消火ホースの露出が前記第一の長さのときよりも大きくなることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の消防用ホースカー。
【請求項8】
前記ホース収容体は、底板、前壁、後壁、及び一対の側壁が設けられた本体を有し、
前記本体には、前記後壁から前記側壁にわたって前記消火ホースの繰り出し口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の消防用ホースカー。
【請求項9】
前記繰り出し口は、前記後壁よりも前記側壁の方に大きく形成されていることを特徴とする請求項8に記載の消防用ホースカー。
【請求項10】
前記台車には、前記ホース収容体から繰り出された消火ホースが前記荷台から落下するまでの経路にガイド体が配置され、
前記ガイド体は、鉛直から所定角度後方に傾けて配置される板状の後板と、前記荷台の床面と平行に配置される板状の底板を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の消防用ホースカー。
【請求項11】
前記ガイド体は、
前記後板が、鉛直よりも後方に傾けて配置される第一後板部と、前記第一後板部の側端に連接され前記第一後板部よりも後方に傾けて配置される第二後板部とからなり、
前記底板が、前記荷台の前記床面と平行に配置される第一底板部と、前記第一底板部の側端に連接され前記荷台の前記床面よりも下方に傾けて配置される第二底板部とからなることを特徴とする請求項10に記載の消防用ホースカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火ホースを展開しつつ火点付近まで運搬する消防用ホースカーに関する。
【背景技術】
【0002】
消防用ホースカーは、消防ポンプ自動車等の消防車に積載され、消防車が道路事情等により火点からまだ距離のある地点までしか進入できない場合に、消防車から降ろされ消防隊員により牽引等されて消火ホースを展開しながら火点付近まで走行する。
ここで、特許文献1には、葛折り積層状とした消防ホースの1本分を、収納可能とする単位間口幅寸法、適宜奥行き寸法および高さ寸法に設定した、平面状底壁、底壁に直角の背壁、左右側壁を有し、正面および天面開放状とした棚口の複数を左右隣接状に配し、隣接する左右側壁同士を共通の中仕切り壁とするよう一体化した収納棚とし、少なくとも左右最外壁の夫々適所に、把持部を設けた上、底部に後傾状に支持する後傾自立機構としての脚部を設けてなる消防ホース収納箱を荷台に搭載した消防ホース用キャリーカートが開示されている。
また、特許文献2には、折りたたみ可能な操作ハンドルを輅車後部に設け、積載される消火用ホースが輅車後部の端部から落下するように、輅車後部端部にシュートを設け、輅車の速度切換スイッチを操作ハンドルの中央よりシュータ側と反対側寄りに設けた電動式輅車が開示されている。
また、特許文献3には、底部に搭載したバッテリの動力によって駆動され、前部にヘッドライトを備えた本体の後部にハンドル部を設け、ハンドル部の両側にホース引き出し用開口部を形成し、開口部の前後縁部に一対のローラを立設するとともに、本体の上部には回転灯を備えた消火用ノズル収納箱を着脱可能に搭載した自走式消防用ホース車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-140633号公報
【特許文献2】実願昭59-40742号(実開昭60-153150号)のマイクロフィルム
【特許文献3】実願昭62-129057号(実開昭64-34059号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の消防ホース用キャリーカートは、段落0016に「特に、消防ホース収納箱開放正面をハンドルとは反対がわとなる牽引進行方向後方に向けて搭載したものでは、キャリーカートを走行させながら、消防ホースを延長する際の作業性を格段に高め、より効率的且つ迅速な延長作業を実現化するものになるという大きな効果が得られることとなる。」と記載されているように、消防ホースを繰り出しながら走行する際には人がキャリーカートを牽引するものである。しかしながら、牽引する消防用ホースカーがキャリーカートよりも重量やサイズが大きい台車、又は電動アシスト付きの台車等を有するものである場合、牽引者が転倒しても消防用ホースカーはすぐには止まらず、牽引者が消防用ホースカーに轢かれて怪我をしてしまう可能性がある。
特許文献2記載の電動式輅車、及び特許文献3記載の自走式消防用ホース車は、消防用ホースカーの操作者は走行方向の後方に位置するため転倒しても消防用ホースカーに轢かれるおそれはないが、消火ホースを収納するホース収納体を台車に自由に載せ降ろしできるものではない。
そこで本発明は、従来よりも安全性及び取扱い性に優れた消防用ホースカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明の消防用ホースカー1は、内部空間に消火ホース10を収容するホース収容体20、200と、ホース収容体20、200を載置する荷台35、及び荷台35の後部に設けられた操作ハンドル34を有し、人によって押し進められる台車30と、ホース収容体20、200を台車30に固定する固定具40、400とを備え、ホース収容体20、200は、台車30の荷台35に載せ降ろし自在であり、荷台35に載せたときに固定具40、400で台車30に固定され、台車30の進行に伴い内部空間から消火ホース10を繰り出し可能であることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の消防用ホースカー1において、ホース収容体20は、底板21A、前壁21B、及び一対の側壁21Cが設けられた本体21を備え、本体21は、後端面に設けられた消火ホース10の繰り出し口25と、人が肩掛け可能な把手22を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の消防用ホースカー1において、ホース収容体20を複数備え、複数のホース収容体20を荷台35に幅方向に並べて載せられることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の消防用ホースカー1において、ホース収容体20同士を連結する連結具50を備え、複数のホース収容体20を荷台35に載せたとき、端部に位置するホース収容体20は、固定具40で台車30に固定されるとともに、隣接するホース収容体20と連結具50で連結されることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の消防用ホースカー1において、ホース収容体20は、本体21の上方の少なくとも一部を覆う蓋23を備え、蓋23が連結具50を兼ねることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の消防用ホースカー1において、ホース収容体20は、内部空間の底面から立ち上げられ内部空間を幅方向に分割する仕切板24を備え、仕切板24の上端は蓋23によって固定されることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の本発明は、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の消防用ホースカー1において、ホース収容体20は、前壁21Bから繰り出し口25までの側壁21Cの長さを、第一の長さL11から、第一の長さL11よりも短い第二の長さL12に変更可能であり、第二の長さL12としたときに消火ホース10の露出が第一の長さL11のときよりも大きくなることを特徴とする
【0012】
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載の消防用ホースカー1において、ホース収容体200は、底板201A、前壁201B、後壁201D、及び一対の側壁201Cが設けられた本体201を有し、本体201には、後壁201Dから側壁201Cにわたって消火ホース10の繰り出し口205が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の本発明は、請求項8に記載の消防用ホースカー1において、繰り出し口205は、後壁201Dよりも側壁201Cの方に大きく形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項10記載の本発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の消防用ホースカー1において、台車30には、ホース収容体20、200から繰り出された消火ホース10が荷台35から落下するまでの経路にガイド体36が配置され、ガイド体36は、鉛直から所定角度後方に傾けて配置される板状の後板36Aと、荷台35の床面と平行に配置される板状の底板36Bを有することを特徴とする。
【0015】
請求項11記載の本発明は、請求項10に記載の消防用ホースカー1において、ガイド体36は、後板36Aが、鉛直よりも後方に傾けて配置される第一後板部36Aaと、第一後板部36Aaの側端に連接され第一後板部36Aaよりも後方に傾けて配置される第二後板部36Abとからなり、底板36Bが、荷台35の床面と平行に配置される第一底板部36Baと、第一底板部36Baの側端に連接され荷台35の床面よりも下方に傾けて配置される第二底板部36Bbとからなることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施例による消防用ホースカーの外観写真
【
図6】同第一例のホース収容体の一つ目を台車に載せている状態を示す写真
【
図7】同第一例のホース収容体を台車に3個並列した様子を示す写真
【
図8】同消防員が荷台から取り外したホース収容体を肩掛けし消火ホースを展開させながら階段を上がっていく様子を示す写真
【
図9】同消火ホースが収容されていない状態の第一例のホース収容体の写真
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1の実施の形態による消防用ホースカーは、内部空間に消火ホースを収容するホース収容体と、ホース収容体を載置する荷台、及び荷台の後部に設けられた操作ハンドルを有し、人によって押し進められる台車と、ホース収容体を台車に固定する固定具とを備え、ホース収容体は、台車の荷台に載せ降ろし自在であり、荷台に載せたときに固定具で台車に固定され、台車の進行に伴い内部空間から消火ホースを繰り出し可能としたものである。
本実施の形態によれば、消防員等は、台車を曳くのではなく後方から押すので、転倒したときに台車に轢かれる虞が無く、また、台車後方に位置するので、消火ホースが繰り出される様子を視認し易くなり、金具の外れなどの消火ホース異常に容易に気づくことができる。また、ホース収容体を台車から取り外せるので、消防員等がホース収容体を取り外して火点付近まで持ち運んだり、別の資機材を荷台に載せて運搬したり、地面にホース収容体を置いた状態で消火ホースの収容作業を実施したりすることができる。また、固定具を用いてホース収容体を台車に固定することができるため、ホース収容体が台車上で動くことを防止して、消火ホースをスムーズに繰り出すことができる。
【0018】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による消防用ホースカーにおいて、ホース収容体は、底板、前壁、及び一対の側壁が設けられた本体を備え、本体は、後端面に設けられた消火ホースの繰り出し口と、人が肩掛け可能な把手を有するものである。
本実施の形態によれば、火点までの経路途中に狭い場所や階段等がありそれ以上消防用ホースカーを走らせることができない場合は、そこから先は消防員等が荷台から取り外したホース収容体を肩掛けし、消火ホースを展開しながら火点付近まで持ち運ぶことができる。
【0019】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による消防用ホースカーにおいて、ホース収容体を複数備え、複数のホース収容体を荷台に幅方向に並べて載せられるものである。
本実施の形態によれば、複数のホース収容体を荷台に幅方向に並べて載せることで、消防用ホースカーを走らせながら消火ホースを効率よく展開できると共に、一つ一つのホース収容体をコンパクトなものとして可搬性を高めることができる。
【0020】
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態による消防用ホースカーにおいて、ホース収容体同士を連結する連結具を備え、複数のホース収容体を荷台に載せたとき、端部に位置するホース収容体は、固定具で台車に固定されるとともに、隣接するホース収容体と連結具で連結されるものである。
本実施の形態によれば、ホース収容体の変形や傾きを抑制して、消火ホースをスムーズに繰り出すことができる。
【0021】
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による消防用ホースカーにおいて、ホース収容体は、本体の上方の少なくとも一部を覆う蓋を備え、蓋が連結具を兼ねるものである。
本実施の形態によれば、部品点数を増やすことなくホース収容体同士を確実に連結することができる。
【0022】
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態による消防用ホースカーにおいて、ホース収容体は、内部空間の底面から立ち上げられ内部空間を幅方向に分割する仕切板を備え、仕切板の上端は蓋によって固定されるものである。
本実施の形態によれば、消火ホースを繰り出す際に仕切板が倒れて消火ホースが引っ掛かることを防止できる。
【0023】
本発明の第7の実施の形態は、第2から第6のいずれか一つの実施の形態による消防用ホースカーにおいて、ホース収容体は、前壁から繰り出し口までの側壁の長さを、第一の長さから、第一の長さよりも短い第二の長さに変更可能であり、第二の長さとしたときに消火ホースの露出が第一の長さのときよりも大きくなるものである。
本実施の形態によれば、ホース収容体を消防用ホースカーに積載した状態で消火ホースを展開する場合は、側壁の繰り出し口側を折り返して第二の長さとすることで、消火ホースが側壁に引っかかることなくスムーズに繰り出さすことができる。また、消防員等がホース収容体を担いで走りながらから消火ホースを展開する場合は、側壁を折り返さずに第一の長さとすることで、消火ホースが一気にこぼれ落ちてしまうことなく適切に繰り出すことができる。
【0024】
本発明の第8の実施の形態は、第1の実施の形態による消防用ホースカーにおいて、ホース収容体は、底板、前壁、後壁、及び一対の側壁が設けられた本体を有し、
本体には、後壁から側壁にわたって消火ホースの繰り出し口が形成されているものである。
本実施の形態によれば、消火ホースをスムーズに繰り出すことができる。また、消火ホースを台車から斜め後方に落として操作者の足よりも外側に展開することができるため、操作者が消火ホースに足を取られることを防止できる。
【0025】
本発明の第9の実施の形態は、第8の実施の形態による消防用ホースカーにおいて、繰り出し口は、後壁よりも側壁の方に大きく形成されているものである。
本実施の形態によれば、ホース収容体から繰り出される消火ホースをより確実に操作者の足よりも外側に展開することができる。
【0026】
本発明の第10の実施の形態は、第1から第9のいずれか一つの実施の形態による消防用ホースカーにおいて、台車には、ホース収容体から繰り出された消火ホースが荷台から落下するまでの経路にガイド体が配置され、ガイド体は、鉛直から所定角度後方に傾けて配置される板状の後板と、荷台の床面と平行に配置される板状の底板を有するものである。
本実施の形態によれば、ホース収容体から繰り出される消火ホースを台車からスムーズに落下させて展開することができる。
【0027】
本発明の第11の実施の形態は、第10の実施の形態による消防用ホースカーにおいて、ガイド体は、後板が、鉛直よりも後方に傾けて配置される第一後板部と、第一後板部の側端に連接され第一後板部よりも後方に傾けて配置される第二後板部とからなり、底板が、荷台の床面と平行に配置される第一底板部と、第一底板部の側端に連接され荷台の床面よりも下方に傾けて配置される第二底板部とからなるものである。
本実施の形態によれば、消火ホースは台車から斜め後方に落とされ、操作者の足よりも外側に展開されるため、操作者が消火ホースに足を取られることを防止できる。
【実施例0028】
以下、本発明の一実施例による消防用ホースカーについて説明する。
図1は本実施例による消防用ホースカーの外観写真である。
消防用ホースカー1は、内部空間に消火ホース10を収容するホース収容体20と、ホース収容体20を運搬する台車30と、ホース収容体20を台車30に固定する複数の固定具40と、一対の補助輪60を備える。
【0029】
図2は台車の外観図であり、
図2(a)は斜視図、
図2(b)は右側面図、
図2(c)は正面図、
図2(d)は背面図、
図2(e)は上面図である。
図3はガイド体付近を拡大した台車の外観図であり、
図3(a)は斜視図、
図3(b)は右側面図である。
台車30は、前輪31、左後輪32、右後輪33及び操作ハンドル34を有する走行本体と、前後輪の上方に設けられホース収容体20が載置される荷台35を備える。操作ハンドル34は、台車30の後部に設置され、消防員等の操作者が左手で握る左ハンドル部34Aと、右手で握る右ハンドル部34Bを有する。左ハンドル部34Aと右ハンドル部34Bとの間隔は、概ね一般的な成人男性の肩幅以上としている。操作者は、消火ホース10を収容したホース収容体20を台車30の荷台35に載せ、操作ハンドル34を握って後方から台車30を押し、ホース収容体20から消火ホース10を繰り出しながら火点付近まで走らせる。
なお、台車30は電動式とすることもできる。電動式の台車30とする場合は、例えば、前輪31に電動機(インホイールモータ)を設け、電動機に電力を供給するバッテリを台車30に設ける。台車30が電動式の場合も操作ハンドル34は台車30の後部に設け、走行中に操作者が台車30の前方に位置しないようにする。
【0030】
荷台35は、金属製の棒状又は細板状のパイプフレームで構成されている。パイプとパイプの間には板などは配置されておらず、隙間が空いている。両側端及び前端には床面から垂直に立ち上げられたガード部35Aが設けられている。台車30は前後輪が地面に接した状態で走行し、荷台35の床面は走行中も略水平である。なお、荷台35の床面やガード部35Aの少なくとも一部は、板を用いて隙間なく構成すること等もできる。
台車30には、ホース収容体20から繰り出された消火ホース10が荷台35から落下するまでの経路にガイド体36が配置されている。ガイド体36は、鉛直よりも所定角度後方に傾けて配置される板状の後板36Aと、荷台35の床面と平行に配置される板状の底板36Bを有する。後傾した後板36A及び水平な底板36Bが経路に配置されていることにより、ホース収容体20から繰り出される消火ホース10をパイプ間の隙間に引っかかることなく台車30からスムーズに落下させて展開することができる。
【0031】
ガイド体36の後板36Aは、第一の角度αで鉛直よりも後方に傾けて配置される第一後板部36Aaと、第一後板部36Aaの側端に連接され第二の角度βで第一後板部36Aaよりも側方に傾けて配置される第二後板部36Abからなる。また、ガイド体36の底板36Bは、荷台35の床面と平行に配置される第一底板部36Baと、第一底板部36Baの側端に連接され第三の角度γで荷台35の床面よりも下方に傾けて配置される第二底板部36Bbからなる。第二後板部36Ab及び第二底板部36Bbは、荷台35の床面よりも外に突出している。これにより、消火ホース10は台車30から斜め後方に落とされ、操作者の足よりも外側に展開されるため、操作者が消火ホース10に足を取られることを防止できる。
第一の角度αは、鉛直に対して10°~45°の範囲であることが好ましく、15°~25°の範囲であることが更に好ましい。第二の角度βは、第一後板部36Aaに対して10°~70°の範囲であることが好ましく、55°~65°の範囲であることが更に好ましい。第三の角度γは、荷台35の床面に対して10°~70°の範囲であることが好ましく、25°~35°の範囲であることが更に好ましい。これにより、繰り出された消火ホース10を荷台35から斜め後方にスムーズに落とすことができる。
なお、ガイド体36には小孔を複数設けることが好ましい。これにより、ガイド体36を軽量化できる。
【0032】
図4は台車に設けた補助輪の説明図であり、
図4(a)は正面図、
図4(b)は左側面図である。
補助輪60は、前輪31の左脇に位置する左補助輪61と、前輪31の右脇に位置する右補助輪62を有する。左補助輪61から前輪31までの距離と、右補助輪62から前輪31までの距離は等しい。
台車30は三輪であるため、段差がある場所や傾斜地を走行するとき、又は荷台35に載せた資機材等が左右いずれかに偏ったときなどに不安定となり、前方が傾いて場合によっては転倒してしまう可能性がある。そこで、本実施例のように前輪31の両脇に前輪31よりも小径の一対の補助輪60を設けることが好ましい。これにより、台車30は前方が傾いた際に補助輪60によって支えられるため、転倒を防止することができる。
図4(a)には幅方向における補助輪60の望ましい取付範囲を斜線で示している。左補助輪61と右補助輪62との間隔Dは、荷台35の幅Wの0.3倍以上1.3倍以下とすることが好ましく、荷台35の幅Wの0.35倍以上1.25倍以下とすることがより好ましい。例えば、荷台35の幅Wが802mmの場合は、間隔Dが最小となる間隔D1を300mm、間隔Dが最大となる間隔D2を1000mmとする。なお、間隔D3は、間隔Dを荷台35の幅Wの約0.74倍とした場合を示している。
【0033】
図4(b)には前後方向及び高さ方向における補助輪60の望ましい取付範囲を斜線で示している。また、この取付範囲における補助輪60の取付位置の例として、位置α、位置β、位置γ、位置δ、及び位置εを示しているが、位置γ以外のように、補助輪60の下端が前輪31の下端よりも上方に位置することが好ましい。さらに、補助輪60の下端と前輪31の下端との差が30mm以上100mm以下であること、換言すると、平坦な場所においては、補助輪60の接地位置(下端)が地面から30mm以上100mm以下の高さにあることがより好ましい。位置αは補助輪60の下端が前輪31の下端よりも30mm上方となる取付位置であり、位置βは補助輪60の下端が前輪31の下端よりも100mm上方となる取付位置である。このように平坦な場所では補助輪60が接地しないようにすることで、小さな段差に補助輪60が引っ掛かりにくくなると共に、補助輪60を常時接地させる場合よりも走行抵抗を減らすことができる。また、平坦ではない場所を走行する際に前輪31が浮いてしまうことを防止できるため、特に台車30が電動式であり、前輪31を電動機(インホイールモータ)が設けられた駆動輪としている場合に効果的である。
また、位置β及び位置γのように比較的後方に取り付ける場合は、補助輪60の接地位置(下端)が、前輪31の後端よりも前方にあるようにすることが好ましい。これにより、台車30の前方が傾いたときに補助輪60によって確実に支えることができる。
また、位置δ及び位置εのように比較的前方に取り付ける場合は、補助輪60の前端が前輪31の前端よりも後方に位置することが好ましい。これにより、走行時に前方に障害物がある場合は、補助輪60よりも先に前輪31を障害物に当てることができる。
また、補助輪60は高さが固定されていることが好ましい。これにより、補助輪60が高さを任意に変えられるように構成されている場合と比べて、補助輪60を軽量かつ低コストなものとすることができる。
【0034】
図5は第一例のホース収容体を示す図であり、
図5(a)は上面図、
図5(b)は正面図である。
図6は第一例のホース収容体の一つ目を台車に載せている状態を示す写真であり、
図6(a)は右側方側、6(b)は前方側である。
図7は第一例のホース収容体を台車に3個並列した様子を示す写真であり、
図7(a)は前方側、
図7(b)は上方側である。
本例におけるホース収容体20は、消火ホース10の繰り出し口25を有する直方体状の本体21と、本体21に設けられ人が肩掛け可能な把手22と、本体21の上方の一部を覆う蓋23と、内部空間を幅方向に分割する仕切板24を備える。ホース収容体20は、台車30の荷台35に載せ降ろし自在であり、荷台35に載せたときには固定具40で台車30に固定される。消火ホース10は端部に接続口10Aを有する。
本体21は、矩形の底板21Aと、底板21Aの前端から立ち上げられた前壁21Bと、底板21Aの両側端からそれぞれ立ち上げられた側壁21Cを有する。前壁21B及び側壁21Cに囲われてなる内部空間は、底板21Aの中央において側壁21Cと平行に立ち上げられた仕切板24によって左室と右室に分割され、左室及び右室のそれぞれに消火ホース10が積層して収容される。本体21の後方は開放されており、内部空間に収容された消火ホース10を繰り出す際の繰り出し口25となる。また、蓋23は開閉自在であり、消火ホース10を収容する際は蓋23を開けて本体21の上方を開放することで、収容作業をスムーズに行うことができる。なお、消火ホース10の繰り出しは蓋23を閉じた状態で行う。
ホース収容体20は、例えば、全高H
1が約380mm、全幅W
1が約220mm、全長L
11が約720mmであり、65Aホースを3本収容できる。荷台35はこのホース収容体20を幅方向に最大三つ並べて載置可能な大きさとしているため、消防用ホースカー1は、65Aの消火ホース10を最大9本同時に載せ、消火ホース10を繰り出しながら火点付近まで走らせることができる。また、各ホース収容体20に収容されている消火ホース10同士は連結可能である。これにより消防用ホースカー1を走らせながら消火ホース10を効率よく展開することができる。
さらに、ホース収容体20の一つ一つは上記のようにコンパクトな寸法であるとともに、肩掛け可能な把手22が設けられているため可搬性に優れる。よって、火点までの経路途中に狭い場所や階段等がありそれ以上消防用ホースカー1を走らせることができない場合は、そこから先は消防員等が荷台35から取り外したホース収容体20を肩掛けし、消火ホース10を展開しながら火点付近まで持ち運ぶことができる。
図8は消防員が荷台35から取り外したホース収容体20を肩掛けし消火ホース10を展開させながら階段を上がっていく様子を示す写真である。
【0035】
図5に示すように、ホース収容体20の側壁21Cは、繰り出し口25側を前壁21B側に所定幅折り返すことで、折り返していない場合よりも、前壁21Bから繰り出し口25までの長さを短くすることができる。すなわち、ホース収容体20の側壁21Cの長さは、第一の長さ(全長)L
11から、第一の長さL
11よりも短い第二の長さL
12に変更可能である。
ホース収容体20に収容されている消火ホース10は、側壁21Cが第一の長さL
11の状態では繰り出し口25からの露出は小さいが、側壁21Cが第二の長さL
12の状態では繰り出し口25からの露出が大きくなる。このため、ホース収容体20を消防用ホースカー1に積載した状態で消火ホース10を展開する場合は、側壁21Cの繰り出し口25側を折り返して第二の長さL
12とすることで、消火ホース10が側壁21Cに引っかかることなくスムーズに繰り出すことができる。また、消防員等がホース収容体20を担いで走りながらから消火ホース10を展開する場合は、側壁21Cを折り返さずに第一の長さL
11とすることで、消火ホース10が一気にこぼれ落ちてしまうことなく適切に繰り出すことができる。
なお、側壁21Cのうち折り返すことができる部分の長さは、100mm以上300mm以下であることが好ましく、180mm以上220mm以下であることがより好ましい。
【0036】
6及び
図7に示すように、蓋23は、本体21の上方を覆う上面部23Aと、上面部23Aの両端それぞれに連接し本体21の側面側に折り曲げ可能な側面部23Bを有する。各側面部23Bの長さは上面部23Aの長さの略半分としている。上面部23Aを本体21の上端に架け渡し、側面部23Bの裏面に設けられている面ファスナーのフック部を本体21の側面に設けられている面ファスナーのループ部に重ね合わせることにより、本体21の上方の一部が蓋23により覆われた状態となる。また、蓋23の上面部23Aの表面及び裏面には面ファスナーのループ部が設けられている。
【0037】
本体21は、ホース収容体20を荷台35から取り外した消防員等が運びやすいように、ターポリンやポリエステル、ナイロン等の軟質の素材であることが好ましい。しかし、その一方で本体21が軟質の場合は、荷台35に載せられた状態で消火ホース10を繰り出す際に、繰り出されるホースの摺動等によりホース収容体20が変形したり傾いたりして消火ホース10がスムーズに繰り出せない可能性がある。
そこで、ホース収容体20を荷台35に載置するときは、固定具40を用いてホース収容体20を荷台35に固定することでホース収容体20の変形や傾きを抑制する。
本例における固定具40は帯状紐であり、本体21の両側面の各二箇所と前面の一箇所において、一端が接続された状態で設けられている。帯状紐の一端側には面ファスナーのループ部が設けられ、他端側には面ファスナーのフック部が設けられている。
荷台35に載置される三つのホース収容体20のうち、端部に位置する二つのホース収容体20は、荷台35のガード部35Aと接する側面及び前面に設けられている帯状紐の他端を荷台35のパイプフレーム間の隙間に通したのち一端側に折り返して面ファスナーで留めることにより荷台35に固定される。また、中央に位置するホース収容体20は、荷台35の前面に設けられている帯状紐の他端を荷台35のパイプフレーム間の隙間を通したのち一端側に折り返して面ファスナーで留めることにより荷台35に固定される。このように固定具40に面ファスナー付きの帯状紐(面ファスナーテープ)を用いることで、荷台35へのホース収容体20の固定及び固定解除を迅速に行うことができる。また、帯状紐の一端がホース収容体20に常時接続されていることで、帯状紐の紛失を防止することができる。なお、固定具40としては、ボタン、カラビナ、線ファスナー、面ファスナー、又はクリップ等を用いることもでき、ホース収容体20や荷台35の形態等に応じて適宜選定する。また、固定具40をホース収容体20や荷台35等に接続していない状態で保管しておき、固定する際に取り出して用いること等もできる。
【0038】
また、荷台35に載置したホース収容体20同士を連結具50で連結する。
本実施例では、蓋23の側面部23Bが連結具50を兼ねており、
図7に示すように、一方の端部に位置するホース収容体20の連結具50(蓋23の側面部23B)を中央のホース収容体20の蓋23の表面の半分に被せフック部を蓋23の表面のループ部に重ねて留める。同様に、他方の端部に位置するホース収容体20の連結具50(蓋23の側面部23B)を中央のホース収容体20の上面の残り半分に被せて面ファスナーで留める。
これにより、三つのホース収容体20を連結し、ホース収容体20の変形や傾きをより一層抑制することができる。また、蓋23が連結具50を兼ねることで、部品点数を増やすことなくホース収容体20同士を確実に連結することができる。
【0039】
図9は消火ホースが収容されていない状態の第一例のホース収容体の写真であり、
図9(a)は仕切板が側壁に寄り掛かった状態を示し、
図9(b)は仕切板を略鉛直に起立した状態を示している。
仕切板24は、上端を蓋23に固定するための仕切固定部24Aを有する。本例の仕切固定部24Aは、仕切板24から左右に延出した帯状の紐であり、蓋23と対向する側に面ファスナーのフック部を有する。仕切固定部24Aのフック部を蓋23の裏面の面ファスナーのループ部に重ね合わせて留めることにより、仕切板24の上端は蓋23に固定される。これにより、消火ホース10を繰り出す際に仕切板24が倒れて消火ホース10が引っ掛かることを防止できる。
【0040】
図10は第二例のホース収容体を示す図であり、
図10(a)は斜視図、
図10(b)は側面図、
図10(c)は背面図である。なお、
図10(c)においては操作ハンドル等を省略している。
ホース収容体200は、複数の小孔が設けられている底板201A、前壁201B、後壁201D、及び一対の側壁201Cが設けられた金属製等の硬質の本体201を有し、上方は開放されている。なお、上方を塞ぐ蓋を開閉又は取り外し可能に設けても良い。
本体201は、例えば、全高H
2が約400mm、全幅W
2が約660mm、全長L
2が約920mmであり、65Aホースを9本収容できる。
本体201には、消火ホース10の繰り出し口205として、後壁201Dから側壁201Cにわたって開口が形成されている。繰り出し口205が後壁201Dだけ又は側壁201Cだけではなく、後壁201Dから側壁201Cにかけて設けられていることで、消火ホース10をスムーズに繰り出すことができ、また消火ホース10を台車30から斜め後方に落として操作者の足よりも外側に展開することができるため、操作者が消火ホース10に足を取られることを防止できる。なお、繰り出し口205を塞ぐ蓋を開閉又は取り外し可能に設けても良い。
【0041】
ホース収容体200は、台車30の荷台35に載せ降ろし自在であり、荷台35に載せたときには固定具400で台車30に固定される。
本例における固定具400は他端に二股の把持部を有するクリップであり、本体201の両側面の各二箇所と前面の二箇所において、一端が本体201に接続された状態で設けられている。
荷台35に載置したホース収容体200は、クリップで荷台35のパイプフレームを挟みこむことにより台車30に固定される。このように固定具400に他端が二股となったクリップを用いることで、荷台35へのホース収容体200の固定及び固定解除を迅速に行うことができる。また、クリップの一端がホース収容体200に常時接続されていることで、クリップの紛失を防止することができる。なお、固定具400としては、ボタン、カラビナ、線ファスナー、面ファスナー、又は帯状紐等を用いることもでき、ホース収容体20や荷台35の形態等に応じて適宜選定する。また、固定具400をホース収容体20や荷台35等に接続していない状態で保管しておき、固定する際に取り出して用いること等もできる。
【0042】
繰り出し口205としての開口は、後壁201Dにおいて端から全幅W
2の約20%、側壁201Cにおいて端から全長L
2の約30%に形成されている。
このように、繰り出し口205は、後壁201Dよりも側壁201Cの方に長く形成されていることが好ましく、また、側壁201Cの開口の長さは後壁201Dの開口の長さの1.8~2.2倍であることが更に好ましい。これによって、ホース収容体200から繰り出される消火ホース10をより確実に操作者の足よりも外側に展開することができる。
なお、
図10では本体201の右側にのみ繰り出し口205を設けているが、左側にも同様の繰り出し口205を設け、左右どちらからでも消火ホース10を繰り出し可能とすることもできる。
また、本例のホース収容体200のように、取り出し口が荷台35の後側端にあり繰り出された消火ホース10がホース収容体200から直接斜め後方に落ちる場合は、荷台35にガイド体36を設けなくても良い。
【0043】
以上説明した本発明の消防用ホースカー1は、台車30を曳くのではなく後方から押して走行させるので、転倒したときに操作者が台車30に轢かれる虞が無い。また、消防用ホースカー1の操作者は、台車30の後方に位置するため、消火ホース10が繰り出される様子を視認し易くなり、金具の外れなど消火ホース10の異常に容易に気づくことができる。また、ホース収容体20、200を台車30から取り外せるので、操作者がホース収容体20、200を取り外して火点付近まで持ち運んだり、可搬ポンプや二重巻きホースなど別の資機材を荷台35に載せて運搬したり、地面にホース収容体20、200を置いた状態で消火ホース10の収容作業を実施したりすることができる。また、固定具40、400を用いてホース収容体20、200を台車30に固定することができるため、ホース収容体20、200が台車30上で動くことを防止して、消火ホース10をスムーズに繰り出すことができる。