(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143184
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】RFIDアンテナ、RFIDインレイおよびRFIDラベル
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20220926BHJP
G06K 19/02 20060101ALI20220926BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G06K19/077 144
G06K19/02
G06K19/077 224
G06K19/077 280
G09F3/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043573
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】新田 晴彦
(57)【要約】
【課題】紙と一緒にリサイクル可能なRFIDアンテナ、RFIDインレイおよびRFIDラベルを提供する。
【解決手段】インレイ基材の一方の面に導電体からなるアンテナが形成されたRFIDアンテナのアンテナにICチップが搭載されたRFIDインレイと、被着体用粘着剤層とが積層されたRFIDラベルであり、インレイ基材がセロファンを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレイ基材の一方の面に導電体からなるアンテナが形成されたRFIDアンテナであって、前記インレイ基材がセロファンを含むRFIDアンテナ。
【請求項2】
前記導電体が金属箔である、請求項1に記載のRFIDアンテナ。
【請求項3】
前記セロファンが防湿セロファンである、請求項1または2に記載のRFIDアンテナ。
【請求項4】
インレイ基材の一方の面に導電体からなるアンテナが形成されたRFIDアンテナの前記アンテナにICチップが搭載されたRFIDインレイであって、前記インレイ基材がセロファンを含むRFIDインレイ。
【請求項5】
前記導電体が金属箔である、請求項4に記載のRFIDインレイ。
【請求項6】
前記セロファンが防湿セロファンである、請求項4または5に記載のRFIDインレイ。
【請求項7】
インレイ基材の一方の面に導電体からなるアンテナが形成されたRFIDアンテナの前記アンテナにICチップが搭載されたRFIDインレイと、被着体用粘着剤層とが積層されたRFIDラベルであって、前記インレイ基材がセロファンを含むRFIDラベル。
【請求項8】
前記RFIDラベルのRFIDインレイ側に、ラベル基材とラミネート用粘着剤層とからなるラミネートラベルが積層された、請求項7に記載のRFIDラベル。
【請求項9】
前記RFIDラベルの被着体用粘着剤層側に、保護基材と被着体用粘着剤層とからなる保護用ラベルが積層された、請求項7または8に記載のRFIDラベル。
【請求項10】
前記RFIDラベルのRFIDインレイ側に、ラベル基材とラミネート用粘着剤層とからなるラミネートラベルが積層され、被着体用粘着剤層側に、保護基材と被着体用粘着剤層とからなる保護用ラベルが積層された、請求項7~9のいずれか一項に記載のRFIDラベル。
【請求項11】
前記導電体が金属箔である、請求項7~10のいずれか一項に記載のRFIDラベル。
【請求項12】
前記インレイ基材のセロファンが防湿セロファンである、請求項7~11のいずれか一項に記載のRFIDラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)アンテナ、それにICを実装したRFIDインレイおよびRFIDインレイを備えたRFIDラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会において、環境問題への対応がより重要になっている。環境保全への取り組みが個人レベルだけでなく会社や団体単位でも行われ、環境への取り組み方が、企業の姿勢を表す目安の一つとなっている。企業は、通常の企業活動の他に環境保全活動をも行うことが当然であると認識されるようになっている。
【0003】
環境保全活動として、使用後の資源を回収し、形状を変えて再使用するリサイクル、およびそのまま使用するリユースが挙げられる。リサイクルまたはリユースしやすい製品を提供することは現代の企業に課せられた使命であるとも云える。
【0004】
古紙やダンボール箱を回収して再生するリサイクルシステムが機能して久しいが、今後は無線通信によって情報を読み書きするRFIDラベルの急増が予測される。この場合、RFIDラベルが貼り付いたままで回収されるダンボール箱の増加することになる。RFIDラベルには、PETフィルムの表面にRFIDアンテナを形成したRFIDインレイが積層されており、RFIDラベルが貼られたままのダンボールをリサイクルすると紙にPETフィルムの切片が混入し、再生紙の品質低下の原因になる。
【0005】
特許文献1には、ダンボール箱等の被着体に貼り付けてもリサイクルした再生紙の品質に影響を及ぼさないRFIDラベルが開示されている。このRFIDラベルは、被着体に貼付した状態から、RFIDインレイが積層された部分を簡単に取り除ける構造になっており、取り除いたRFIDインレイを含んだラベルをプラスチックごみとして分別可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のRFIDラベルは、RFIDインレイを剥がし取ることで再生紙の品質保持に寄与するものであるが、RFIDラベル毎にRFIDインレイが入った部分を剥がす作業が必要になり、作業が煩雑になって省力化の妨げとなることもある。本発明は、紙と一緒にリサイクル可能なRFIDアンテナ、RFIDインレイおよびRFIDラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、インレイ基材の一方の面に導電体からなるアンテナが形成されたRFIDアンテナであって、前記インレイ基材がセロファンを含むRFIDアンテナに関する。
RFIDアンテナにおいて、前記導電体が金属箔であることが好ましい
また、RFIDアンテナにおいて、前記セロファンが防湿セロファンであることが好ましい。
【0009】
さらに本発明は、インレイ基材の一方の面に導電体からなるアンテナが形成されたRFIDアンテナの前記アンテナにICチップが搭載されたRFIDインレイであって、前記インレイ基材がセロファンを含むRFIDインレイに関する。
RFIDインレイにおいて、前記導電体が金属箔であることが好ましい。
また、RFIDインレイにおいて、前記セロファンが防湿セロファンであることが好ましい。
【0010】
さらに本発明は、インレイ基材の一方の面に導電体からなるアンテナが形成されたRFIDアンテナの前記アンテナにICチップが搭載されたRFIDインレイと、被着体用粘着剤層とが積層されたRFIDラベルであって、前記インレイ基材がセロファンを含むRFIDラベルに関する。
前記RFIDラベルのRFIDインレイ側に、ラベル基材とラミネート用粘着剤層とからなるラミネートラベルが積層されていることが好ましい。
また、前記RFIDラベルの被着体用粘着剤層側に、保護基材と被着体用粘着剤層とからなる保護用ラベルが積層されていることが好ましい。
前記RFIDラベルのRFIDインレイ側に、ラベル基材とラミネート用粘着剤層とからなるラミネートラベルが積層され、被着体用粘着剤層側に、保護基材と被着体用粘着剤層とからなる保護用ラベルが積層されていることが好ましい。
RFIDラベルにおいて、前記導電体が金属箔であることが好ましい。
また、RFIDラベルにおいて、前記インレイ基材のセロファンが防湿セロファンであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のRFIDアンテナ、RFIDインレイおよびRFIDラベルは、RFIDアンテナのベースフィルムとしてセロファンを用いているため、RFIDラベルを貼り付けたままでダンボール等の紙をリサイクルできる。リサイクルの結果得られた再生紙への異物混入が回避され、再生紙の品質を維持することができる。リサイクル作業に先立ってRFIDラベルの一部や全部を剥がし取る必要が無く、省力化に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係るRFIDアンテナの実施の形態を示す平面図である。
【
図2】
図2(a)は
図1に示すRFIDアンテナのII-II線断面図、
図2(b)はRFIDインレイの断面図である。
【
図3】本発明に係るRFIDラベルの実施の形態を示す断面図である。
【
図4】本発明に係るRFIDラベルの別の実施の形態を示す断面図である。
【
図5】本発明に係るRFIDラベルの別の実施の形態を示す断面図である。
【
図6】本発明に係るRFIDラベルの別の実施の形態を示す断面図である。
【
図7】本発明に係るRFIDラベルの別の実施の形態を示す断面図である。
【
図8】本発明に係るRFIDラベルの別の実施の形態を示す断面図である。
【
図9】本発明に係るRFIDラベルの別の実施の形態を示す断面図である。
【
図10】本発明に係るRFIDラベルの別の実施の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[RFIDアンテナおよびRFIDインレイ]
本発明の実施形態に係るRFIDアンテナ1について説明する。
図1は、本実施形態に係るRFIDアンテナ1を説明する平面図、
図2(a)は、
図1のII-II線断面図である。
図2(b)は、RFIDインレイの断面図であり、
図2(a)と同じ位置の断面である。
【0014】
図2(a)に示すRFIDアンテナ1は、インレイ基材であるベースフィルム2の表面に金属箔3でアンテナパターン4を形成したものである。金属箔3はアンテナ接合用粘着剤層5でベースフィルム2に接着されている。
図2(b)に示すRFIDインレイ10は、導電体からなるアンテナパターン4にICチップ6をマウントしたものである。
【0015】
ベースフィルム2は、例えばセロファンを含むフィルムを使用することができる。セロファンは、生物由来の有機的資源であるバイオマス原料の乾燥重量割合(バイオマス度)が80%以上であるものを使用することが特に好ましい。また、セロファンとして防湿セロファンを用いることができる。ここで防湿セロファンとは、セロファンの表面に防湿加工を目的とした樹脂によるコーティングが施されたセロファンである。ここで樹脂として、たとえば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデンを用いることができる。セロファンは、たとえばレンゴー株式会社やフタムラ化学株式会社の製品を使用できる。防湿セロファンは、たとえばフタムラ化学株式会社の製品を使用可能である。
【0016】
ベースフィルム2の厚さは、ベースフィルム2上に導電体からなるアンテナパターン4を形成してICチップ6をマウントするための強度の観点、及び、ベースフィルム2自体をラベル基材として兼用する使用例に対応させるため、10μm以上300μm以下であることが好ましい。ベースフィルム2の厚さは、上記範囲内において、RFIDインレイ10を用いて作製される製品の意匠性や用途等に応じて適宜選択可能である。
【0017】
アンテナパターン4は、ICチップ6がマウントされるループ部11と、ICチップ6が接続されるICチップ接続部12と、ループ部11から左右対称に延びるメアンダ13,14と、メアンダ13,14の端部に接続されるキャパシタハット15,16とを備える。すなわち、
図1に例示のRFIDアンテナ1は、UHF帯のダイポールアンテナである。
【0018】
金属箔3からなるアンテナパターン4は、
図2に示すように、アンテナ接合用粘着剤層5によりベースフィルム2に接着されている。アンテナ接合用粘着剤層5の粘着剤は、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の粘着剤が用いることができる。本実施形態では、紫外線硬化型粘着剤を版を用いて所望の形状に転写印刷し、紫外線照射により所望の接着強度を得ている。粘着剤はアンテナの輪郭よりも一回り小さく、具体的には周縁に数十から数百μmの余白を以て転写印刷されている。
【0019】
本実施形態では、アンテナパターン4は、UHF帯(300MHz~3GHz、特に860MHz~960MHz)に対応したアンテナ長さ及びアンテナ幅を有するパターンを例に説明している。
【0020】
RFIDアンテナ1に適用可能な金属箔としては、例えば、銅、アルミニウムがあげられる。製造コストを抑える観点から、アルミニウムを用いることが好ましい。
【0021】
また、RFIDインレイ10の全体の厚さ或いはRFID媒体に形成された際の全体の厚さ、及び製造コストの観点から、金属箔の厚さは、3μm以上40μm以下であることが好ましい。
【0022】
RFIDインレイ10において、ICチップ6は、アンテナパターン4中央のICチップ接続部12に、異方導電性接着剤、異方導電性フィルム等の異方導電性材料(不図示)によって電気的及び機械的に接続されている。異方導電性材料は、接着成分であるバインダ中に、所定粒径に調製された導電性フィラー(以下、フィラーと記す)が混合されたものであり、熱圧着又は紫外線硬化により、導電材料と電気的及び機械的に接続されている。
【0023】
[RFIDラベル]
次に、本発明の実施形態に係るRFIDラベルについて説明する。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態に係るRFIDラベル20の断面図である。同図のRFIDラベル20は、
図2(b)に示すRFIDインレイ10のアンテナ、即ち、金属箔3側に、ダンボールのような物品に貼り付けるための被着体用粘着剤層21を設けたものである。被着体用粘着剤層21にはセパレータ22が仮着されている。被着体用粘着剤層21は汎用の粘着剤を用いることができる。または、両面テープを積層して被着体用粘着剤層21としても良い。この断面構成のRFIDラベル20はベースフィルム2がラベル基材を兼ねたものである。
【0025】
ベースフィルム2はセロファンを含むフィルムである。セロファンは、生物由来の有機的資源であるバイオマス原料の乾燥重量割合(バイオマス度)が80%以上であるものを使用することが特に好ましい。また、寸法安定性や耐性、耐湿性の面から、セロファンとして防湿セロファンを用いることが望ましい。ここで防湿セロファンとは、セロファンの表面に防湿加工を目的とした樹脂によるコーティングが施されたセロファンである。コーティング樹脂として、たとえば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデンを用いることができる。セロファンは、たとえばレンゴー株式会社やフタムラ化学株式会社の製品を使用できる。防湿セロファンは、たとえばフタムラ化学株式会社の製品である。
【0026】
このRFIDラベル20は通信によってICチップ6に情報を読み書き出るが、表面に受像層(不図示)を設けて印刷を施しても、ラベルプリンタでバーコードなどの情報を印字しても良い。
【0027】
RFIDラベル20を例えばダンボール箱のような紙箱(不図示)に貼り付けた場合、紙箱と一緒リサイクル可能である、リサイクル作業の前に剥がす必要がない。さらには、リサイクルして得られた再生紙への異物混入が減少し、再生紙の純度低下を抑制することが可能になる。
【0028】
図4は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベル30の断面図である。同図のRFIDラベル30は、
図3に示すRFIDラベル20のベースフィルム2側に、ラベル基材31と粘着剤層32からなるラベル33をラミネートしたものである。ラベル33の表面はラベルプリンタでバーコードなどの情報を印字する印字面34となる。ラベル基材31はRFIDラベル30の用途に応じて適宜選択するが、ダンボール箱のような被着体と一緒にリサイクルすることを前提とすると、ラベル基材31には紙基材の使用が望ましい。
【0029】
図5は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベル40の断面図である。同図のRFIDラベル40は、
図3に示すRFIDラベル20の被着体用粘着剤層21側に、ラベル基材(保護基材)41と被着体用粘着剤層42からなるラベル43(保護用ラベル)を積層したものである。ラベル基材41はRFIDラベル40としての強度を確保するためと、ICチップ6の保護を目的として積層されている。ラベル基材41をダンボール箱のような被着体と一緒にリサイクルする場合は、紙基材の使用が望ましい。被着体用粘着剤層42は被着体に応じて選定すれば良い。または、両面テープを積層して被着体用粘着剤層42としても良い。なお、この断面構成のRFIDラベル40はベースフィルム2がラベル基材を兼用したものである。
【0030】
図6は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベル50の断面図である。同図のRFIDラベル30は、
図3に示すRFIDラベル20のベースフィルム2側に、ラベル基材31と粘着剤層32からなるラベル33をラミネートし(
図4参照)、さらに、被着体用粘着剤層21側に、ラベル基材(保護基材)41と被着体用粘着剤層42からなるラベル43(保護用ラベル)を積層したもの(
図5参照)である。ラベル基材31の表面が印字面51になる。
【0031】
図7は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベル60の断面図である。同図のRFIDラベル60は、
図3に示すRFIDラベル20のRFIDインレイ10を上下反転し、ベースフィルム2側に被着体用粘着剤層21を設けたものである。被着体用粘着剤層21にはセパレータ22が仮着されている。被着体用粘着剤層21は汎用の粘着剤を用いることができる。または、両面テープを積層して被着体用粘着剤層21としても良い。この断面構成のRFIDラベル20はベースフィルム2がラベル基材を兼用した簡素な構成である。そのため、ICチップ6が露出しており、装置内部のような外力が加わることが無い用途に適している。
【0032】
図8は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベル70の断面図である。同図のRFIDラベル70は、
図7に示すRFIDラベル60のベースフィルム2のICチップ6側に、ラベル基材71とラミネート用粘着剤層72からなるラミネートラベル73をラミネートしたものである。ラミネートラベル73の表面はラベルプリンタでバーコードなどの情報を印字する印字面74となる。ラベル基材71はRFIDラベル30の用途に応じて適宜選択するが、ダンボール箱のような被着体と一緒にリサイクルされることが前提の場合は、紙基材の使用が望ましい。
【0033】
図9は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベル80の断面図である。同図のRFIDラベル80は、
図7に示すRFIDラベル60の被着体用粘着剤層21側に、ラベル基材81と被着体用粘着剤層82からなるラベル83を積層したものである。ラベル基材81はRFIDラベル80としての強度を確保するためと、ICチップ6の保護を目的として積層されている。ラベル基材81はダンボール箱のような被着体と一緒にリサイクルされることが前提の場合は、紙基材の使用が望ましい。被着体用粘着剤層82は被着体に応じて選定すれば良い。または、両面テープを積層して被着体用粘着剤層82としても良い。なお、この断面構成のRFIDラベル80はベースフィルム2がラベル基材を兼用したものである。
【0034】
図10は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベル90の断面図である。同図のRFIDラベル90は、
図7に示すRFIDラベル60のベースフィルム2側に、ラベル基材71とラミネート用粘着剤層72からなるラミネートラベル73をラミネートし(
図8参照)、さらに、被着体用粘着剤層21側に、ラベル基材41と被着体用粘着剤層42からなるラベル43を積層したもの(
図9参照)である。
【0035】
[変形例]
図11は本発明の変形例である。
図11は、RFIDインレイの両面に粘着剤を用いて紙製の基材をラミネートしたRFID記録媒体100である。同図では、RFIDインレイ10のICチップ6側に紙基材101を粘着剤層102によりラミネートし、さらに、RFIDインレイ10のベースフィルム2側に紙基材111を粘着剤層112によりラミネートしたものである。この記録媒体は、例えばアパレル用のタグ(値札)、チケット、リストバンド、荷札として用いることができる。製品(用途)に応じて紙基材101と紙基材111を使い分ければ良い。例えば、アパレル用のタグの場合は厚さ100μm以上の紙基材を用いる。この場合、総厚が300μm近くになって重厚な手触りとなる。一方、チケット用途の場合は厚さ50~100μmの紙基材を用いる。そうすることで汎用のラベルプリンタでの印字が可能になる。
【0036】
前述したアパレル用のタグ(値札)、チケット、リストバンド、荷札においては、それぞれの役目を終えた後はゴミとして焼却あるいは埋め立てされることになる。焼却された場合は従来のインレイのPETフィルムと比較して燃焼熱が小さいため、温暖化防止に寄与するとともに焼却炉の長寿命化にも貢献する。また、埋め立てされた場合には植物由来の素材であるために、自然界で生分解される。
【符号の説明】
【0037】
1 RFIDアンテナ
2 ベースフィルム
3 金属箔(アンテナパターン)
4 アンテナパターン
5 アンテナ接合用粘着剤層
6 ICチップ
10 RFIDインレイ
11 ループ部
12 ICチップ接続部
13,14 メアンダ
15,16 キャパシタハット
20,30,40,50,60,70,80,90 RFIDラベル
21 粘着剤層
22 セパレータ
31,41,71,81,101,111 基材
34,74 印字面
100 RFID記録媒体