(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143186
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】基板処理装置および処理具交換方法
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20220926BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20220926BHJP
B08B 3/04 20060101ALI20220926BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20220926BHJP
B05B 15/55 20180101ALN20220926BHJP
【FI】
B05C11/10
H01L21/304 643A
H01L21/304 644A
H01L21/304 643Z
H01L21/304 644Z
B08B3/04 Z
B05C5/00 101
B05B15/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043576
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 幸彦
【テーマコード(参考)】
3B201
4D073
4F041
4F042
5F157
【Fターム(参考)】
3B201AA47
3B201BB01
3B201BB92
4D073AA01
4D073BB03
4D073CC05
4D073CC10
4F041AA02
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4F042EB05
4F042EB09
4F042EB18
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157BA02
5F157BB22
5F157BB39
5F157CC03
5F157CC11
5F157CC41
5F157DC01
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】処理具などの汚染を防止することができ、処理具の交換時間を削減できる基板処理装置および処理具交換方法を提供する。
【解決手段】
ポット43の開口部43Aに設けられた保持部45は、ノズル3を保持し、さらに、保持部45は、回転機構47によって回転される。回転機構47は、保持部45でノズル3が保持された状態で、保持部45を回転させることで、ノズルブロック5からノズル3を取り外す。また、回転機構47は、保持部45で保持されたノズル3が保持された状態で、保持部45を回転させることで、ノズルブロック5にノズル3を取り付ける。ノズルブロック5に取り付けられたノズル3を交換する際に、作業者がノズル3を触る機会を減らすことができる。そのため、ノズル3の汚染を防止することができる。また、また、ノズルブロック5へのノズル3の脱着作業を自動化することができ、その結果、ノズル3の交換時間を削減できる。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理具がねじで取り付けられる取付部材と、
前記取付部材を移動させる移動機構と、
上向きに開口する開口部を有して、前記開口部を通じて処理具を収容することが可能な容器と、
前記容器の前記開口部に設けられ、収容された処理具の外周側面に当接して前記処理具を回転可能に保持する保持部と、
前記保持部で保持された処理具の中心軸周りに前記保持部を回転させる回転機構と、を備え、
前記回転機構は、前記保持部で処理具が保持された状態で、前記保持部を正逆に回転させることで、前記取付部材に処理具を脱着させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
複数個の前記容器を備え、
前記各容器には、それぞれ前記保持部が設けられ、
前記各保持部を回転させる前記回転機構を少なくとも1つ備え、
前記回転機構は、前記各保持部で処理具がそれぞれ保持された状態で、前記各保持部を正逆に回転させることで、前記取付部材に各処理具を脱着させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において
前記容器として、第1容器と第2容器とは対向配置され、
前記第1容器と前記第2容器の間に1つの前記回転機構を備え、
前記回転機構は、前記第1容器および前記第2容器に設けられた前記各保持部で処理具がそれぞれ保持された状態で、前記各保持部を正逆に回転させることで、前記取付部材に各処理具を脱着させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記容器は、前記保持部で保持された処理具に向くように洗浄液を供給する洗浄液供給路を備えていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置において、
前記回転機構は、前記洗浄液供給路から洗浄液を供給しているときに、前記保持部で保持された処理具を回転させることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の基板処理装置において、
前記容器は、前記洗浄液供給路から供給された洗浄液を貯留して、前記処理具の先端部を洗浄液に浸すように構成されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理具は、ノズルであることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理具は、ブラシであることを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記処理具は、取付部材に脱着される蓋部であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
処理具がねじで取り付けられる取付部材と、
前記取付部材を移動させる移動機構と、
上向きに開口する開口部を有して、前記開口部を通じて処理具を収容することが可能な容器と、
を備えた基板処理装置における処理具交換方法であって、
前記容器の開口部に設けられた保持部によって、収容された処理具の外周側面に当接して前記処理具を回転可能に保持する工程と、
回転機構によって、前記保持部で処理具を保持した状態で、前記処理具の中心軸周りに前記保持部を正逆に回転させることで、前記取付部材に処理具を脱着させる工程と、
を備えていることを特徴とする処理具交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理装置およびその基板処理装置に用いられる処理具の交換方法に関する。基板は、例えば、半導体基板、FPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが挙げられる。FPDは、例えば、液晶表示装置、有機EL(electroluminescence)表示装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置は、ノズル(ノズルチップ)、配管(または流路)、およびノズル移動機構を備える。ノズルは、処理液(例えばレジスト液)を吐出する。ノズル移動機構はノズルを移動させる。ノズル交換のために、ノズルは、配管の先端に取り付けたり取り外したりできる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、ノズルチップを溶剤吐出管に取り付ける装置が開示されている。装置はアームを備える。アームの先端にはU字形の溝が設けられる。装置は、U字形の溝で挟持されたノズルチップを溶剤吐出管の先端まで上昇させる。溶剤吐出管には、ノズルチップの外周に沿って4つのラッチが設けられる。4つのラッチは、ノズルチップのフランジを引っ掛けることで、ノズルチップを溶剤吐出管の先端に固定させる。
【0004】
特許文献2には、ブラシを自動的に交換する洗浄装置が開示されている。洗浄装置は、ブラシと、ブラシを揺動するためのアームと、ブラシを回転するモータとを備える。ブラシヘッドはアームの下側に回転可能に設けられ、ブラシはブラシヘッドにねじで取り付けられる。板に形成された溝でブラシを保持しながらモータでブラシヘッドを回転させれば、ブラシはブラシヘッドに取り付けられ、または取り外される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平03-252124号公報
【特許文献2】特開平08-318226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その他、ノズル交換は次のように行われる。作業者は、基板処理装置の外壁の一部であるパネルを開けて、ノズルが取り付けられた取付部材をつまみ上げる。その後、ノズルを固定するキャップを手動で回すことで、取付部材から古いノズルを取り外す。その後、作業者は、キャップを手動で回して締め込むことで、取付部材に新しいノズルを取り付ける。ここで、手袋をしているものの、作業者が手で交換作業をすることで、ノズルなどの手で触れる部分が汚染する場合がある。また、取り付け時にパネルを開くことで、基板処理装置の外部からのエアーが入り込み、基板処理装置の内部が汚染されてしまう場合もある。ノズル交換は、例えば汚れやすい処理液を吐出する場合に比較的頻繁に行われる。ノズル交換時間を削減し、また、装置停止時間を削減する要望もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、処理具などの汚染を防止することができ、処理具の交換時間を削減できる基板処理装置および処理具交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る基板処理装置は、処理具がねじで取り付けられる取付部材と、前記取付部材を移動させる移動機構と、上向きに開口する開口部を有して、前記開口部を通じて処理具を収容することが可能な容器と、前記容器の前記開口部に設けられ、収容された処理具の外周側面に当接して前記処理具を回転可能に保持する保持部と、前記保持部で保持された処理具の中心軸周りに前記保持部を回転させる回転機構と、を備え、前記回転機構は、前記保持部で処理具が保持された状態で、前記保持部を正逆に回転させることで、前記取付部材に処理具を脱着させることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る基板処理装置によれば、容器の開口部に設けられた保持部は、処理具を保持し、さらに、保持部は、回転機構によって回転される。回転機構は、保持部で処理具が保持された状態で、保持部を回転させることで、取付部材から処理具を取り外す。また、回転機構は、保持部で保持された処理具が保持された状態で、保持部を回転させることで、取付部材に処理具を取り付ける。取付部材に取り付けられた処理具を交換する際に、作業者が処理具を触る機会を減らすことができる。そのため、処理具の汚染を防止することができる。また、取付部材への処理具の脱着作業を自動化することができ、その結果、処理具の交換時間を削減できる。
【0010】
また、上述の基板処理装置において、複数個の前記容器を備え、前記各容器には、それぞれ前記保持部が設けられ、前記各保持部を回転させる前記回転機構を少なくとも1つ備え、前記回転機構は、前記各保持部で処理具がそれぞれ保持された状態で、前記各保持部を正逆に回転させることで、前記取付部材に各処理具を脱着させることが好ましい。
【0011】
すなわち、基板処理装置は、複数個の容器を備える。複数個の容器の各々には、保持部が設けられる。各保持部は、少なくとも1つの回転機構によって回転される。単一の保持部が設けられる場合、取付部材から処理具を取り外した後、取付部材に別の保持具を取り付けるために、作業者は、保持部で保持される処理具を交換しなければならない。しかし、複数の保持部が設けられることで、処理具を取り外すための第1保持部と、処理具を取り付けるための第2保持部とを準備できる。そのため、作業者は、第1保持部において、処理具を交換しなくてもよいので、作業者が取付部材に処理具を取り付ける際に処理具に触る機会を減らすことができる。そのため、処理具の汚染を防止することができる。また、処理具の交換時間を削減しつつ、装置停止時間を削減することができる。
【0012】
また、作業者が処理具に触れる機会が大きく減り、処理具交換のときに基板処理装置の外部からのエアーが入り込む機会も大きく減らすことができる。
【0013】
また、上述の基板処理装置において、前記容器として、第1容器と第2容器とは対向配置され、前記第1容器と前記第2容器の間に1つの前記回転機構を備え、前記回転機構は、前記第1容器および前記第2容器に設けられた前記各保持部で処理具がそれぞれ保持された状態で、前記各保持部を正逆に回転させることで、前記取付部材に各処理具を脱着させることが好ましい。
【0014】
これにより、第1容器および第2容器の2つの保持部は、1つの回転機構によって回転される。第1容器および第2容器の各々に回転機構が設けられる場合に比べて、回転機構の数を減らすことができるので、コストを削減できる。また、処理具を交換するための機構をコンパクトにすることができる。
【0015】
また、上述の基板処理装置において、前記容器は、前記保持部で保持された処理具に向くように洗浄液を供給する洗浄液供給路を備えていることが好ましい。処理具を交換するための機構において、処理具を洗浄することができる。
【0016】
また、上述の基板処理装置において、前記回転機構は、前記洗浄液供給路から洗浄液を供給しているときに、前記保持部で保持された処理具を回転させることが好ましい。処理具に付着した汚れをより効果的に除去できる。
【0017】
また、上述の基板処理装置において、前記容器は、前記洗浄液供給路から供給された洗浄液を貯留して、前記処理具の先端部を洗浄液に浸すように構成されていることが好ましい。取り付けるための処理具または、取り外した後の処理具から除去しにくい汚れを、処理液への浸漬によって除去することができる。
【0018】
また、上述の基板処理装置において、前記処理具の一例は、ノズルである。また、前記処理具の一例は、ブラシである。また、前記処理具の一例は、取付部材に脱着される蓋部である。
【0019】
また、本発明に係る処理具交換方法は、処理具がねじで取り付けられる取付部材と、前記取付部材を移動させる移動機構と、上向きに開口する開口部を有して、前記開口部を通じて処理具を収容することが可能な容器と、を備えた基板処理装置における処理具交換方法であって、前記容器の開口部に設けられた保持部によって、収容された処理具の外周側面に当接して前記処理具を回転可能に保持する工程と、回転機構によって、前記保持部で処理具を保持した状態で、前記処理具の中心軸周りに前記保持部を正逆に回転させることで、前記取付部材に処理具を脱着させる工程と、を備えているものである。
【0020】
本発明に係る処理具交換方法によれば、容器の開口部に設けられた保持部は、処理具を保持し、さらに、保持部は、回転機構によって回転される。回転機構は、保持部で処理具が保持された状態で、保持部を回転させることで、取付部材から処理具を取り外す。また、回転機構は、保持部で保持された処理具が保持された状態で、保持部を回転させることで、取付部材に処理具を取り付ける。取付部材に取り付けられた処理具を交換する際に、作業者が処理具を触る機会を減らすことができる。そのため、処理具の汚染を防止することができる。また、取付部材への処理具の脱着作業を自動化することができ、その結果、処理具の交換時間を削減できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る基板処理装置および処理具交換方法によれば、処理具などの汚染を防止することができ、処理具の交換時間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例1に係る基板処理装置の概略構成図である。
【
図2】実施例1に係る基板処理装置の平面図である。
【
図4】(a)は、実施例1に係る交換機構の構成を示す図であり、(b)は、(a)の交換機構を部分的に示した平面図である。
【
図5】実施例1に係るノズル交換の動作を示すフローチャートである。
【
図6】(a)~(c)は、ノズル交換を説明するための図である。
【
図7】(a)~(c)は、ノズル交換を説明するための図である。
【
図8】(a)、(b)は、ノズル交換を説明するための図である。
【
図9】実施例2に係る基板処理装置の概略構成図である。
【
図10】実施例2に係る交換機構の構成を示す図である。
【
図11】実施例2に係る交換機構の動作例を説明するための図である。
【
図12】実施例2に係るブラシの交換動作を示すフローチャートである。
【
図13】実施例3に係る交換機構の構成を示す図である。
【
図14】実施例3に係るノズルの交換動作を示すフローチャートである。
【
図15】(a)は、蓋部を取り付ける前の状態を示す図であり、(b)は、ノズルブロック(接続部)に蓋部を取り付けた状態を示す図である。
【
図16】変形例に係る交換機構の構成を示す図である。
【
図17】変形例に係る、3つのポット(3つの保持部)を備えた交換機構の構成を示す図である。
【
図18】変形例に係る、交換機構が待機ポットに隣接して設けられる構成を示す図である。
【実施例0023】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る基板処理装置の概略構成図である。
図2は、実施例1に係る基板処理装置の平面図である。
【0024】
図1を参照する。基板処理装置1は、保持回転部2、ノズル3およびノズルブロック5を備える。なお、
図1において、保持回転部2は縦断面図で示され、ノズル3およびノズルブロック5は、側面図で示される。また、後述する交換機構41は縦断面図で示される。ノズル3(3A,3B)は本発明の処理具に相当する。ノズルブロック5は本発明の取付部材に相当する。
【0025】
保持回転部2は、基板Wを水平姿勢で保持しながら、保持した基板Wを回転させる。これにより、基板Wは、基板W中心の垂直軸AX1周りに回転される。保持回転部2は、スピンチャック7と回転駆動部8を備える。スピンチャック7は、例えば、基板Wの載置面に設けられた吸引口から空気を吸引することで基板Wの裏面を保持する。回転駆動部8は、電動モータを備え、スピンチャック7を垂直軸AX1周りに回転させる。保持回転部2の周りには、基板Wの側方を囲うように、カップ9が設けられる。
【0026】
ノズル3は、基板Wに対して処理液を吐出するものである。処理液は、例えば、フォトレジスト液などのレジスト液、反射防止膜形成用の塗布液、レジストカバー膜形成用の塗布液、SOG(Spin on glass)用の塗布液、SOD(Spin on dielectric)用の塗布液が用いられる。また、ノズル3は、ノズルブロック5に、ねじで取り付けられる。ノズル3をノズルブロック5に取り付けるための具体的な構造は、後で説明する。
【0027】
ノズル3には、処理液供給源11から配管13を通じて処理液が供給される。配管13の一端は処理液供給源11に接続される。配管13の他端は、ノズルブロック5内の流路5Aに接続する。すなわち、配管13の他端は、流路5Aを介してノズル3に接続する。配管13には、処理液供給源11から順番に、ポンプ15、開閉弁V1が設けられる。なお、ノズル3と開閉弁V1との間の配管13には、更に、サックバック弁が設けられてもよい。
【0028】
図2を参照する。基板処理装置1は、複数(例えば10個)のノズル3を備える。複数個のノズル3は各々、ノズルブロック5に取り付けられる。複数個のノズル3の各々には、処理液供給源11から配管13を通じて処理液が供給される。すなわち、基板処理装置1において、
図1に示すような、ノズル3、ノズルブロック5、処理液供給源11、配管13、ポンプ15および開閉弁V1が、複数組(例えば10組)設けられる。複数個のノズル3は、通常、待機ポット17に置かれる。待機ポット17において、各ノズル3の先端部は、待機ポット17の内部の収容空間18に収容される。基板処理装置1は、10個のノズル3と同数の10個の待機ポット17を備える。
【0029】
基板処理装置1は、
図2に示すように、2つの保持回転部2を備える。2つの保持回転部2は、X方向に並んで配置される。10個の待機ポット17は、X方向に直線状に並んで配置される。
【0030】
また、基板処理装置1は、ノズルブロック5を移動させるノズル移動機構19を備える。ノズル移動機構19は、複数個のノズル3のうちの1つのノズル3を選択して把持し、把持したノズル3を基板Wの上方などの任意の位置に移動させる。
【0031】
ノズル移動機構19は、把持部21、2つの水平移動部23,24および昇降部25を備える。把持部21は、ノズルブロック5を把持する。第1水平移動部23は、例えば把持部21を、第1方向(X方向)に移動可能に支持する。第1水平移動部23は、第1方向(X方向)に把持部21を移動させる。昇降部25は、例えば第1水平移動部23を昇降可能に支持する。昇降部25は、第1水平移動部23をZ方向に昇降させることで、把持部21を昇降させる。第2水平移動部24は、例えば昇降部25を、第1方向と直交する第2方向(Y方向)に移動可能に支持する。第2水平移動部24は、昇降部25を第2方向(Y方向)に移動させることで、把持部21を第2方向に移動させる。
【0032】
把持部21および昇降部25は、例えば電動モータまたはエアシリンダを備え、電動モータまたはエアシリンダによって駆動される。2つの水平移動部23,24は各々、電動モータを備え、電動モータによって駆動される。ノズル移動機構19は、本発明の移動機構に相当する。
【0033】
図3は、ノズル3の取付手段を説明する図である。ノズル3は、ノズルチップ31(ノズル本体)とキャップ33を備える。ノズルチップ31は、キャップ33から分離する。ノズルチップ31の先端部には、吐出口31Aが設けられる。吐出口31Aから処理液の流路31Bが延びる。ノズルチップ31の基端部には、フランジ31Cが設けられる。なお、ノズルチップ31は、キャップ33から分離せずにキャップ33に固定されていてもよい。
【0034】
キャップ33は、中空円筒状に形成される。キャップ33の底部33Aには、開口部33Bが形成されている。開口部33Bには、ノズルチップ31の先端部が通される。底部33Aは、ノズルチップ31のフランジ31Cを受けるように構成される。キャップ33の内周側面33Cには、ねじ溝33Dが形成される。また、キャップ33の外周側面33Eには、ローレット加工によって、上下方向に延びた多数の溝が形成される。
【0035】
ノズルブロック5は、ノズル3を接続するための接続部35を備える。接続部35は、先端部35Aと外ねじ部37を備える。先端部35Aは、ノズルチップ31の基端部と接触する。外ねじ部37は、先端部35Aの上側に設けられ、中空円筒状に形成される。外ねじ部37の外周側面には、ねじ溝37Aが形成される。接続部35のねじ溝37Aは、キャップ33のねじ溝33Dと噛み合うように構成される。
【0036】
中心軸AX2を中心に例えば時計回りにキャップ33を回転させると、キャップ33とノズルブロック5の接続部35がねじ締めされる。その結果、ノズルチップ31(ノズル3)がノズルブロック5に取り付けられる。また、中心軸AX2を中心に反時計回りにキャップ33を回転させると、キャップ33と接続部35のねじ締めが緩む。その結果、
ノズルチップ31(ノズル3)がノズルブロック5から取り外される。
【0037】
ノズルブロック5の内部には、処理液を送るための流路5Aが形成される。流路5Aの入口5Bは、配管13と連通する。流路5Aは、接続部35の先端部35Aまで延び、流路5Aの出口5Cは、ノズルチップ31の流路31Bと連通する。
【0038】
<1.交換機構41の構成>
図4(a)、
図4(b)を参照する。基板処理装置1は、ノズル3を交換するための交換機構41を備える。交換機構41は、2つの保持回転部2の間に配置される(
図2参照)。交換機構41は、第1ポット43、第2ポット44、第1保持部45、第2保持部46および回転機構47を備える。第1ポット43と第2ポット44は対向配置される。すなわち、第1ポット43と第2ポット44は水平方向に並んで配置される。回転機構47は、第1ポット43と第2ポット44との間に配置される。
【0039】
第1ポット43は本発明の第1容器に相当する。第2ポット44は本発明の第2容器に相当する。2つのポット43,44は各々、本発明の容器に相当する。2つの保持部45,46は各々、本発明の保持部に相当する。
【0040】
<1-1.第1ポット43の構成>
第1ポット43は、上向きに開口する開口部43Aを有する。第1ポット43は、開口部43Aを通じてノズル3を収容することができる。第1保持部45は、第1ポット43の開口部43Aに設けられる。
【0041】
第1保持部45は、収容されたノズル3の外周側面に当接してノズル3を回転可能に保持する。この点、具体的に説明する。第1保持部45は、中空円筒状に形成される。そのため、第1保持部45は、第1ポット43の内部と連通するトンネル部49を有する。第1保持部45のトンネル部49は、
図4(a)に示すように、ノズル3を通すことができる。トンネル部49の側面(第1保持部45の内周側面)にも上下方向に延びる多数の溝が形成される。これにより、キャップ33がトンネル部49に容易に進入し、トンネル部49から容易に退出することができる。また、キャップ33とトンネル部49の側面との間において、中心軸AX2周りの方向への摩擦力を容易に得ることができる。
【0042】
第1保持部45は、ベアリング51を介して、第1ポット43に設けられる。これにより、第1保持部45は、第1保持部45の中心の垂直軸AX3周りに、第1ポット43に対して回転可能である。また、第1ポット43の収容空間の内径をキャップ33の外径よりも小さくすることで、キャップ33が第1ポット43内に入りすぎることを防止する。
【0043】
<1-2.第2ポット44の構成>
第2ポット44および第2保持部46は、第1ポット43および第1保持部45と同様に構成される。第2ポット44および第2保持部46を簡単に説明する。第2ポット44は、上向きに開口する開口部44Aを有する。第2ポット44は、開口部44Aを通じてノズル3を収容することができる。第2保持部46は、第2ポット44の開口部44Aに設けられる。
【0044】
第2保持部46は、収容されたノズル3の外周側面に当接してノズル3を回転可能に保持する。第2保持部46は、トンネル部49を有する。第2保持部46のトンネル部49は、ノズル3を通すことができる。第2保持部46のトンネル部49の側面にも上下方向に延びる多数の溝が形成される。第2保持部46は、ベアリング51を介して、第2ポット44に設けられる。また、第1ポット43の収容空間の内径は、キャップ33の外径よりも小さくなっている。
【0045】
<1-3.回転機構47の構成>
回転機構47は、2つの保持部45,46の各々で保持されたノズル3の中心軸AX2(AX3)周りに2つの保持部45,46を回転させる。回転機構47は、各保持部45,46でノズル3がそれぞれ保持された状態で、各保持部45,46を正逆に回転させることで、ノズルブロック5にノズル3を着脱させる。
【0046】
回転機構47を具体的に説明する。回転機構47は、電動モータ53と円板状の歯車55とを備える。電動モータ53の出力軸53Aは、歯車55の中心部に連結する。
図4(b)に示すように、歯車55の外周側面には、複数の歯がリング状に形成された歯部55Aが設けられる。これに対し、第1保持部45の上部の外周側面には、歯車部45Aが設けられ、第2保持部46の上部の外周側面には、歯車部46Aが設けられる。2つの歯車部45A,46Aは各々、複数の歯がリング状に形成されている。歯車55(歯部55A)は、第1保持部45の歯車部45Aと噛み合うと共に、歯車55は、第2保持部46の歯車部46Aと噛み合う。そのため、電動モータ53により歯車55が出力軸53Aの周りに回転すると、2つの保持部45,46は、垂直軸AX3(中心軸AX2)周りに回転する。なお、歯車55が時計回りに回転すると、2つの保持部45,46は共に、反時計回りに回転する。
【0047】
<1-4.洗浄液供給路57,58等の構成>
図4(a)を参照する。第1ポット43は、第1洗浄液供給路57を備える。第2ポット44は、第2洗浄液供給路58を備える。第1洗浄液供給路57は、第1ポット43の内周側面に形成される。第1洗浄液供給路57は、第1保持部45で保持されたノズル3に向くように洗浄液を供給する。同様に、第2洗浄液供給路58は、第2ポット44の内周側面に形成される。第2洗浄液供給路58は、第2保持部46で保持されたノズル3に向くように洗浄液を供給する。なお、洗浄液は、例えば、シンナー等の溶剤が用いられる。
【0048】
2本の洗浄液供給路57,58には、洗浄液供給源60から配管62,63,64を通じて洗浄液が供給される。配管63の一端は、第1洗浄液供給路57に接続され、配管63の他端は、配管62に接続される。また、配管64の一端は、第2洗浄液供給路58に接続され、配管64の他端は、配管62に接続される。配管62は、洗浄液供給源60に接続される。配管62には、ポンプ66が設けられる。ポンプ66は、洗浄液供給源60の洗浄液を交換機構41側に送り出す。2本の配管63,64には、2つの開閉弁V2,V3がそれぞれ設けられる。各開閉弁V2,V3は、洗浄液の供給およびその供給の停止を行う。このような構成により、2本の洗浄液供給路57,58に選択的に洗浄液を供給できる。
【0049】
また、第1ポット43の内部の底面には、第1排出管68の一端が接続される。また、第2ポット44の内部の底面には、第2排出管69の一端が接続される。2本の排出管68,69の他端は、三方弁71に接続される。三方弁71には、更に共通排出管73が接続される。三方弁71は、共通排出管73を2本の排出管68,69の一方に選択的に接続させる。
【0050】
例えば、三方弁71によって共通排出管73が第1排出管68に接続される場合、第1ポット43内の洗浄液を第1排出管68および共通排出管73を通じて排出することができる。この場合、第2ポット44の内部には、洗浄液を貯留させることができる。第2ポット44は、第2洗浄液供給路58から供給された洗浄液を貯留して、ノズル3の先端部を洗浄液に浸すことができる。
【0051】
また、三方弁71によって共通排出管73が第2排出管69に接続される場合、第2ポット44内の洗浄液を第2排出管69および共通排出管73を通じて排出することができる。この場合、第1ポット43の内部には、洗浄液を貯留させることができる。第1ポット43は、第1洗浄液供給路57から供給された洗浄液を貯留して、ノズル3の先端部を洗浄液に浸すことができる。
【0052】
図1を参照する。基板処理装置1の残りの構成を説明する。基板処理装置1は、コントローラ81と、図示しない記憶部(例えばメモリ)とを備えている。コントローラ81は、例えば中央演算処理装置(CPU)などの1つまたは複数のプロセッサを備えている。コントローラ81は、基板処理装置1の各構成(例えば保持回転部2、ノズル移動機構19、回転機構47、開閉弁V1,V2,V3、三方弁71、およびポンプ15,66)を制御する。記憶部には、基板処理装置1の動作に必要なコンピュータプログラムが記憶されている。
【0053】
次に、基板処理装置1の基本的な動作について説明する。
図2を参照する。図示しない基板搬送ロボットは、左右の保持回転部2のうち、例えば左側の保持回転部2の上に基板Wを搬送する。保持回転部2は、基板Wを保持し、保持した基板Wを回転させる。ノズル移動機構19は、10個のノズル3のうちの任意のノズル3が取り付けられたノズルブロック5を選択的に把持する。そして、ノズル移動機構19は、把持したノズルブロック5を上昇させて、待機ポット17の収容空間18からノズル3の先端部を取り出す。その後、ノズル移動機構19は、左側の保持回転部2で回転された基板Wの中心部の上方にノズル3およびノズルブロック5を移動する。
【0054】
その後、
図1に示す開閉弁V1を開状態にし、かつ、ポンプ15が処理液を送り出す。これにより、ノズル3から処理液が基板Wの中心に吐出され、基板Wの回転により処理液が基板Wで広げられる。その後、開閉弁V1を閉状態にし、かつ、ポンプ15を停止する。これにより、ノズル3からの処理液の吐出が停止する。その後、ノズル移動機構19は、ノズル3およびノズルブロック5を待機ポット17に移動させ、ノズル3の先端部を待機ポット17の収容空間18に収めながら、待機ポット17にノズルブロック5を置く。把持部21は、ノズルブロック5の把持を解除する。左側の保持回転部2は、基板Wの回転を停止し、基板Wの保持を解除する。図示しない基板搬送ロボットは、左側の保持回転部2から次の送り先に基板Wを搬送する。
【0055】
次に、
図5、
図6(a)~
図6(c)、
図7(a)~
図7(c)、
図8(a)および
図8(b)を参照しながら、ノズル交換の動作について説明する。この説明において、ノズルブロック5から取り外すノズル3を第1ノズル3Aと呼ぶ。また、第1ノズル3Aに代えて、ノズルブロック5に取り付けるノズル3を第2ノズル3Bと呼ぶ。
【0056】
〔ステップS01〕第2ノズル3Bに対する交換前洗浄
図6(a)を参照する。第2ポット44には、第2ノズル3Bの先端部が収容されている。この際、第2ノズル3B(すなわち、第2ノズル3Bのキャップ33)は、第2保持部46によって保持されている。ノズル交換の前に第2ノズル3Bを洗浄する。
【0057】
具体的に説明する。開閉弁V3を開状態にし、かつポンプ66を駆動させる(
図4(a)参照)。これにより、第2ノズル3B(ノズルチップ31)の先端部に向けて、第2洗浄液供給路58から洗浄液が供給される。この際、三方弁71は、共通排出管73を第2排出管69に接続させる。これにより、第2ポット44内の洗浄液を第2排出管69および共通排出管73を通じて排出することができる。
【0058】
なお、回転機構47は、第2洗浄液供給路58から洗浄液を供給しているときに、第2保持部46で保持される第2ノズル3Bを回転させてさせてもよい。第2ノズル3Bを回転しなくても、第2ノズル3Bに着液した洗浄液が第2ノズル3Bの周方向に回り込みながら下方向に流れるので、第2ノズル3Bの吐出口付近の任意の領域を十分に洗浄できる。更に、第2ノズル3Bを回転させながら洗浄液を第2ノズル3Bに供給すれば、より均等に第2ノズル3Bの先端部に洗浄液を供給することができる。
【0059】
なお、開閉弁V3を閉状態にし、かつポンプ66の駆動を停止することで、第2洗浄液供給路58からの洗浄液の供給が停止する(
図4(a)参照)。
【0060】
〔ステップS02〕第1ポット43への第1ノズル3Aの移動
図6(a)に示すように、ノズル移動機構19は、ノズルブロック5の第1ノズル3Aを第1ポット43の開口部43Aおよび第1保持部45のトンネル部49の上方に移動させる。
図6(b)を参照する。その後、ノズル移動機構19は、予め設定された高さに、第1ノズル3Aを下降させる。これにより、第1ノズル3Aのキャップ33は、第1保持部45のトンネル部49に進入する。その後、第1ノズル3Aの先端部は第1ポット43内に収容されると共に、第1保持部45によって第1ノズル3Aは保持される。
【0061】
〔ステップS03〕第1ノズル3Aに対する洗浄
第1保持部45が第1ノズル3Aを保持した後、第1洗浄液供給路57から第1ノズル3Aに向けて洗浄液を供給する。すなわち、開閉弁V2を開状態にし、かつポンプ66を駆動させる(
図4(a)参照)。これにより、第1ノズル3Aの先端部が洗浄される。また、三方弁71は、共通排出管73を第2排出管69に接続しているので、供給された洗浄液は、第1ポット43内に貯留される。これにより、
図6(c)に示すように、第1ノズル3Aの先端部が洗浄液に浸漬される。そして、第1ノズル3Aの先端部が洗浄液に浸漬された状態を、予め設定された時間中、維持する。第1ノズル3Aから除去しにくい汚れを、処理液への浸漬によって除去することができる。
【0062】
なお、開閉弁V2を閉状態にし、かつポンプ66の駆動を停止することで、第1洗浄液供給路57からの洗浄液の供給が停止する(
図4(a)参照)。なお、ノズル交換を更に迅速に行うために、ステップS03での第1ノズル3Aの洗浄を省いてステップS04に進み、後述するステップS07だけで第1ノズル3Aを洗浄するようにしてもよい。
【0063】
〔ステップS04〕ノズルブロック5からの第1ノズル3Aの取り外し
回転機構47は、第1保持部45で第1ノズル3Aを保持した状態で、第1ノズル3Aの中心軸AX2周りに第1保持部45を回転させる(
図6(c)参照)。この回転は、例えば反時計回りの回転である。これにより、ノズルブロック5の外ねじ部37に対して第1ノズル3Aのキャップ33が緩む。そのため、外ねじ部37からキャップ33が分離し、ノズルブロック5から第1ノズル3Aが取り外される。なお、この際、第1ノズル3Aの先端部が洗浄液に浸漬した状態で第1ノズル3Aが回転されるので、第1ノズル3Aに付着する汚れの洗浄効果向上を期待できる。
【0064】
〔ステップS05〕第2ポット44へのノズルブロック5の移動
図7(a)を参照する。ノズルブロック5から第1ノズル3Aを取り外した後、ノズル移動機構19は、ノズルブロック5を上昇させる。
図7(b)を参照する。その後、ノズル移動機構19は、第1保持部45で保持された第1ノズル3Aの上方から第2保持部46で保持された第2ノズル3Bの上方に、ノズルブロック5の接続部35を水平移動させる。
図7(c)を参照する。その後、ノズル移動機構19は、ノズルブロック5の接続部35の外ねじ部37(ねじ溝37A)が第2ノズル3Bのキャップ33の内ねじ(ねじ溝33D)に噛み合うところまで、ノズルブロック5を下降させる。
【0065】
〔ステップS06〕ノズルブロック5への第2ノズル3Bの取り付け
図8(a)を参照する。ノズルブロック5を下降した後、回転機構47は、第2保持部46で第2ノズル3Bを保持した状態で、第2ノズル3Bの中心軸AX2周りに第2保持部46を回転させる。この回転は、時計回りの回転である。これにより、ノズルブロック5の外ねじ部37に対して第2ノズル3Bのキャップ33が締め付けられる。そのため、ノズルブロック5に第2ノズル3Bが取り付けられる。したがって、第1ノズル3Aは第2ノズル3Bに交換される。
【0066】
図8(b)を参照する。ノズルブロック5に第2ノズル3Bを取り付けた後、ノズル移動機構19は、第2ノズル3Bを上昇させる。これにより、第2保持部46による第2ノズル3Bの保持が解除される。その後、ノズル移動機構19は、第2ノズル3Bを任意の位置に移動させる。
【0067】
〔ステップS07〕第1ノズル3Aに対する洗浄
図8(b)に示すように、第1ノズル3Aは、第1ポット43に収容され、かつ第1保持部45で保持されている。第1ノズル3Aの汚れが溶解した場合、三方弁71は、共通排出管73を第1排出管68に接続させる。これにより、第1ポット43内に貯留される洗浄液は、第1排出管68および共通排出管73を通じて、排出される。その後、再度、第1洗浄液供給路57から第1ノズル3Aに洗浄液を供給して、第1ノズル3Aの先端部を洗浄する。これにより、洗浄後の第1ノズル3Aを再利用できる。
【0068】
なお、供給された洗浄液は、第1排出管68および共通排出管73を通じて排出される。また、回転機構47は、第1洗浄液供給路57から洗浄液を供給しているときに、第1保持部45で保持される第1ノズル3Aを回転させてもよい。
【0069】
本実施例によれば、次の効果を備える。第1ポット43の開口部43Aに設けられた第1保持部45は、第1ノズル3Aを保持する。第2ポット44の開口部44Aに設けられた第2保持部46は、第2ノズル3を保持する。2つの保持部45,46は、回転機構47によって回転される。回転機構47は、第1保持部45で第1ノズル3Aが保持された状態で、第1保持部45を回転させることで、ノズルブロック5から第1ノズル3Aを取り外す。また、回転機構47は、第2保持部46で保持された第2ノズル3Bが保持された状態で、第2保持部46を回転させることで、ノズルブロック5に第2ノズル3Bを取り付ける。ノズルブロック5に取り付けられたノズル3を交換する際に、作業者がノズル3(3A,3B)を触る機会を減らすことができる。そのため、ノズル3の汚染を防止することができる。また、ノズル3の交換作業を自動化することができ、その結果、ノズル3の交換時間を削減できる。
【0070】
また、例えば、単一の保持部が設けられる場合、ノズルブロック5から第1ノズル3Aを取り外した後、ノズルブロック5に別の第2ノズル3Bを取り付けるために、作業者は、単一の保持部で保持される第1ノズル3Aを第2ノズル3Bに交換しなければならない。しかし、2つの保持部45,46が設けられることで、第1ノズル3Aを取り外すための第1保持部45と、第2ノズル3Bを取り付けるための第2保持部46とを準備できる。そのため、作業者は、単一の保持部において、手または工具を用いて、ノズル3を交換しなくてもよいので、作業者がノズル3を触る機会を減らすことができる。そのため、ノズル3の汚染を防止することができる。また、ノズル3の交換時間を削減しつつ、装置停止時間を削減することができる。
【0071】
また、作業者がノズル3を触れる機会が大きく減り、ノズル3の交換による基板処理装置1の外部からのエアーが入り込む機会も大きく減らすことができる。
【0072】
また、第1ポット43および第2ポット44の2つの保持部45,46は、1つの回転機構47によって回転される。第1ポット43および第2ポット44の各々に回転機構47が設けられる場合に比べて、回転機構47の数を減らすことができるので、コストを削減できる。また、ノズル3を交換するための機構をコンパクトにすることができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。実施例1では、交換機構41はノズル3を交換した。これに対し、実施例2では、交換機構41はブラシ88を交換する。
保持回転部2は、スピンチャック92と回転駆動部8を備える。スピンチャック92は、円板状の回転ベース94と3本以上のチャックピン96を備える。チャックピン96は、回転ベース94上にリング状に配置される。チャックピン96は、基板Wの外周の側面に接触して基板Wの中心の垂直軸AX1に各々向かうように、基板Wを挟み込む。これにより、スピンチャック92は、基板Wを保持する。回転駆動部8は、スピンチャック92を垂直軸AX1の周りに回転させる。
ノズル86は、保持回転部2に保持された基板Wの中心(回転中心)に処理液を吐出する。ノズル86には、処理液供給源98から配管100を通じて処理液が供給される。配管100には、処理液供給源98側から順番に、ポンプ102、開閉弁V4が設けられる。ポンプ102は、ノズル86側に処理液を送り出す。開閉弁V4は、処理液の供給およびその供給の停止を行う。処理液は、例えばアンモニア水、アンモニア過酸化水素水、純水(脱イオン水)が用いられる。なお、例えばアンモニア水と純水が選択的にノズル86に供給されるように構成されていてもよい。
ブラシ88は、例えばPVA(ポリビニルアルコール)のスポンジブラシが用いられる。ブラシ移動機構90は、アーム104、ブラシ回転駆動部106、回転軸108、揺動駆動部110および昇降部112を備えている。なお、ブラシ88は、PVA以外の素材であってもよい。また、ブラシ88は、スポンジに限られず、複数の毛束が部材に植え込まれたものであってもよい。
ブラシ88は、アーム104の先端の下面に設けられる。ブラシ88は、ブラシ88の中心を通る垂直軸AX5の周りに回転可能である。ブラシ回転駆動部106は、アーム104に設けられる。ブラシ回転駆動部106は、垂直軸AX5周りにブラシ88を回転させる。
回転軸108は、アーム104の基端に設けられる。回転軸108は、垂直軸AX6の周りに回転可能である。揺動駆動部110は、回転軸108を垂直軸AX6の周りに揺動させる。これにより、ブラシ88およびアーム104は、垂直軸AX6の周りに揺動される。昇降部112は、回転軸108を昇降させる。これにより、ブラシ88およびアーム104を昇降させる。
ブラシ回転駆動部106、揺動駆動部110および昇降部112は各々、電動モータを備える。ブラシ回転駆動部106、揺動駆動部110および昇降部112は各々、電動モータで駆動される。
次に、実施例2の基板処理装置85の基本的な動作を簡単に説明する。保持回転部2で基板Wを回転させながら、ノズル86から基板Wの回転中心に処理液を吐出する。ブラシ移動機構90は、処理液の吐出中、かつブラシ88の下面を基板Wの上面に接触(または近接)させた状態で、アーム104を揺動させる。これにより、基板Wの上面は、スクラブ洗浄される。
基板処理装置85は、洗浄処理しないときにブラシ88を待機させるための待機ポット114を備える。この待機ポット114とは別に、基板処理装置85は、ブラシ88を交換するための交換機構41を備える。
第1洗浄液供給路57は、第1ポット43の内周側面に開口するように設けられている。第1洗浄液供給路57は、第1保持部45で保持されるブラシ88のブラシ本体116の下面に向けて洗浄液を供給する。同様に、第2洗浄液供給路58は、第2ポット44の内周側面に開口するように設けられている。第2洗浄液供給路58は、第2保持部46で保持されるブラシ88のブラシ本体116の下面に向けて洗浄液を供給する。洗浄液は、例えば純水(脱イオン水)が用いられる。
また、回転機構47は、第2洗浄液供給路58から洗浄液を供給しているときに、第2保持部46で保持される第2ブラシ88Bを回転させる。第1ブラシ88Aが第1ポット43および第1保持部45の上方に移動される前に、この洗浄が終了していると、第1ブラシ88Aの取り外し動作を円滑に行うことができる。その結果、ブラシ交換時間を削減し、また、装置停止時間を削減することができる。なお、貯留された洗浄液にブラシ本体116を浸漬させつつ、第2保持部46に保持された第2ブラシ88Bを回転させてもよい。
アーム104に第2ブラシ88Bを取り付けた後、昇降部112は、第2ブラシ88Bを上昇させる。これにより、第2保持部46による第2ブラシ88Bの保持が解除される。その後、揺動駆動部110は、第2ブラシ88Bを任意の位置に移動させる。
なお、供給された洗浄液は、第1排出管68および共通排出管73を通じて排出される。また、回転機構47は、第1洗浄液供給路57から洗浄液を供給しているときに、第1保持部45で保持される第1ブラシ88Aを回転させる。なお、ステップS11,S17の少なくとも一方において、洗浄液を供給しているときに、必要によりブラシ88は、回転されなくてもよい。
本実施例によれば、実施例1と同様の効果を有する。アーム104に取り付けられたブラシ88を交換する際に、作業者がブラシ88(88A,88B)を触る機会を減らすことができる。そのため、ブラシ88の汚染を防止することができる。また、ブラシ88の交換作業を自動化することができ、その結果、ブラシ88の交換時間を削減できる。