(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143195
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】表示器システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043592
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】北川 弘樹
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB06
3F522BB22
3F522CC01
3F522FF07
3F522HH13
3F522HH33
3F522LL70
(57)【要約】
【課題】消費電力を抑制しつつも、作業者の作業に支障をきたすことがないように適切なタイミングで表示の切り替えができる、表示器システムを提供する。
【解決手段】表示器システム1は表示器20とサーバ10とを備える。表示器は、各作業領域に設けられており、各表示器はサーバから送信される命令及び仕分情報を受信する通信部21を有し、サーバは表示器に対して命令及び仕分情報を送信する送信部11と送信部の動作を制御するサーバ制御部12とを有する。通信部は、第一周期で作動する第一モードと、第一周期よりも短い第二周期で作動する第二モードとを切替可能に設けられる。制御部は、第i番目の作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、第i番目よりも後の作業領域に設けられる表示器に対して、第一モードから第二モードへ切り替える旨の命令を送信するように送信部を制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた移動順序で複数の作業領域を移動すると共に、それぞれの前記作業領域にて仕分作業を実施する作業者に対し、商品の仕分けに関する仕分情報を表示する表示器と、前記仕分情報を前記表示器に送信するサーバと、を備える、表示器システムであって、
前記表示器は、複数の前記作業領域のそれぞれに、少なくとも一つが設けられており、
前記表示器の各々は、
前記サーバから送信される命令及び前記仕分情報を受信する通信部を有し、
前記サーバは、
前記表示器に対して前記命令及び前記仕分情報を送信する送信部と、
前記送信部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記通信部は、第一周期で受信動作をオンとする通常時に設定される第一モードと、前記第一周期よりも短い第二周期で受信動作をオンとする特定時に設定される第二モードと、を切り替え可能に設けられており、
前記制御部は、前記移動順序が第i番目の前記作業領域における前記仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、前記移動順序が前記第i番目よりも後の前記作業領域に設けられる前記表示器の少なくとも一部に対して、前記第一モードから前記第二モードへ切り替える旨の前記命令である第一命令を送信するように前記送信部を制御する第一制御を実行する、表示器システム。
【請求項2】
前記表示器の各々は、前記通信部に電力を供給するバッテリを収容する収容部を更に有し、
前記通信部は、前記収容部に収容された前記バッテリの電力を駆動源として駆動する、請求項1に記載の表示器システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記移動順序が第i番目の前記作業領域における前記仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、前記第i番目よりも後の前記作業領域に設けられた前記表示器のうち、第n番目(n>i)の前記作業領域に設けられた前記表示器、又は、前記第n番目(n>i)から第m番目(m>n)までの前記作業領域に設けられた前記表示器に対して、前記第一命令を送信するように前記送信部を制御する、請求項1又は2記載の表示器システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第一制御において前記第一命令を送信した前記表示器が設けられている前記作業領域における前記仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、前記第一制御において前記第一命令を送信した前記表示器に、次の作業者に対する前記仕分情報、又は、前記作業者が作業すべき仕分けが完了した旨の情報を送信するように前記送信部を制御する第二制御を実行する、請求項1~3の何れか一項記載の表示器システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第二制御を実行すると同時、又は前記第二制御を実行した後に、前記第二モードから前記第一モードへ切り替える旨の前記命令である第二命令を、前記第一制御において前記第一命令を送信した前記表示器に送信するように前記送信部を制御する第三制御を実施する、請求項4記載の表示器システム。
【請求項6】
前記表示器の各々の前記通信部は、前記第一命令を受信することで前記第二モードに切り替わり、前記第二モードへの切り替え後、所定時間経過後に前記第一モードに切り替わるように構成されている、請求項1~4の何れか一項記載の表示器システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第一制御において前記第一命令を送信した前記表示器が設けられている前記作業領域における前記仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、前記第二モードから前記第一モードへ切り替える旨の前記命令である第二命令を、前記第一制御において前記第一命令を送信した前記表示器に送信するように前記送信部を制御する第三制御を実施する、請求項1~4の何れか一項記載の表示器システム。
【請求項8】
前記表示器は、前記表示器を一意に識別する識別子を有しており、
前記表示器システムには、前記識別子を取得する取得部が設けられており、
前記制御部は、前記取得部によって前記識別子が取得されたとき、前記識別子に基づいて特定される前記表示器が設けられた前記作業領域における前記仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始したと判定する、請求項1~7の何れか一項記載の表示器システム。
【請求項9】
前記表示器システムには、前記作業領域における仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始したことを取得する取得装置が、複数の前記作業領域のそれぞれに対応して設けられており、
前記制御部は、前記取得装置による取得結果に基づいて前記仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始したと判定する、請求項1~7の何れか一項記載の表示器システム。
【請求項10】
前記仕分情報には、前記作業者が仕分けるべき前記商品の個数が含まれており、
前記制御部は、前記移動順序が前記第i番目の前記作業領域における前記仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始した旨の情報を取得して、第n番目(n>i)の前記作業領域に設けられた前記表示器に対して、前記第一命令を送信するように前記送信部を制御するとき、第i+1番目から第n-1番目までの各作業領域において前記作業者が仕分けるべき前記商品の個数の総数に基づいて、前記第一命令を送信するタイミングを変更する、請求項1~9の何れか一項記載の表示器システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記移動順序が前記第i番目の前記作業領域における前記仕分作業が完了又は前記仕分作業を開始した旨の情報を取得して、第n番目(n>i)の前記作業領域に設けられた前記表示器に対して、前記第一命令を送信するように前記送信部を制御するとき、前記第i番目の前記作業領域から前記第n番目の前記作業領域まで前記作業者が移動するときの距離に基づいて、前記第一命令を送信するタイミングを変更する、請求項1~9の何れか一項記載の表示器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等のチェーンストアでは、商品を物流センターに集約し、物流センターから各店舗に商品を配送するシステムが採用されている。物流センターでは、各店舗からの注文に応じて、種々の商品から指定された商品を指定個数取り揃える集品作業が行われている。このような集品作業を管理する作業管理システム(表示器システム)が特許文献1に開示されている。特許文献1の作業管理システムは、商品の種類毎に表示器(表示装置)を設置し、その表示器に作業者が取り出すべき個数を表示させるシステムである。作業者は、作業経路に沿って移動する中で、表示器に個数が表示されていればその表示に従って商品を取り出し、商品コンテナに収納することで集品作業を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような用途で用いられる表示器は、その数が非常に多くなることがあるので、各表示器における消費電力を抑制したいという要望がある。ところが、消費電力を抑制するには、サーバとの通信頻度を低減させる必要があるが、次々と作業者がやってくるような現場の場合、表示の切り替えが追いつかず、システムとして機能を果たせなくなる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、消費電力を抑制しつつも、作業者の作業に支障をきたすことがないように適切なタイミングで表示の切り替えができる、表示器システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示器システムは、予め定められた移動順序で複数の作業領域を移動すると共に、それぞれの作業領域にて仕分作業を実施する作業者に対し、商品の仕分けに関する仕分情報を表示する表示器と、仕分情報を表示器に送信するサーバと、を備える、表示器システムであって、表示器は、複数の作業領域のそれぞれに、少なくとも一つが設けられており、表示器の各々は、サーバから送信される命令及び仕分情報を受信する通信部を有し、サーバは、表示器に対して命令及び仕分情報を送信する送信部と、送信部の動作を制御する制御部と、を有し、通信部は、第一周期で受信動作をオンとする通常時に設定される第一モードと、第一周期よりも短い第二周期で受信動作をオンとする特定時に設定される第二モードと、を切り替え可能に設けられており、制御部は、移動順序が第i番目の作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、移動順序が第i番目よりも後の作業領域に設けられる表示器の少なくとも一部に対して、第一モードから第二モードへ切り替える旨の命令である第一命令を送信するように送信部を制御する第一制御を実行する。
【0007】
なお、ここでいう第i番目のiは自然数であり、以後に説明するn及びmも自然数である。この構成では、通信部が、通常時には、第一周期で受信動作をオンとする第一モードで作動し、特定時には、第一周期よりも短い第二周期で受信動作をオンとする第二モードで作動するので、日常的に第二モードで通信部に受信させることに比べて消費電力を抑制することができる。また、制御部は、上記移動順序に従って複数の作業領域を移動する作業者が対象となる作業領域に近づいてきたタイミング、すなわち、その近づいてきた作業者に対する仕分情報が送られてくる可能性が高いタイミングでは、第一モードから第二モードに切り替えられている。第ニモードに切り替えられた表示器は、自身に対して送信開始された仕分情報を短い周期で受信開始できるので、受信した仕分情報に対応する表示に即座に切り替えることができる。その結果、表示器は、対象となる作業者に対して仕分情報を確実に提示することができる。これにより、消費電力を抑制しつつも、作業者の作業に支障をきたすことがないように適切なタイミングで表示の切り替えができる。
【0008】
このような表示器システムでは、例えば既存のラックへ表示器を迅速かつ容易に設置できたり、商品の配置替えに伴って表示器を迅速かつ容易に配置替えできることが望まれている。そこで、本発明に係る表示器システムでは、表示器の各々は、通信部に電力を供給するバッテリを収容する収容部を更に有し、通信部は、収容部に収容されたバッテリの電力を駆動源として駆動してもよい。この構成では、有線により電力を得る構成の表示器ではなく、表示器本体部に内蔵されるバッテリから電力を得る構成の表示器を用いるので、表示器の設置自由度が高くなり、上記の要望を実現することができる。なお、この構成では、バッテリの交換作業(又は、充電作業)が発生するが、上述したように消費電力が抑制されるのでバッテリの寿命が長くなる。これにより、作業者によるバッテリ交換にかかる作業負担が増えることを抑制できる。なお、ここでいうバッテリには、一次電池及び二次電池の両方を含む。
【0009】
本発明に係る表示器システムでは、制御部は、移動順序が第i番目の作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、第i番目よりも後の作業領域に設けられた表示器のうち、第n番目(n>i)の作業領域に設けられた表示器、又は、第n番目(n>i)から第m番目(m>n)までの作業領域に設けられた表示器に対して、第一命令を送信するように送信部を制御してもよい。この構成では、より適切なタイミングで表示器の通信部を第一モードから第二モードに切り替えられるので、消費電力をより一層抑制することができる。
【0010】
本発明に係る表示器システムでは、制御部は、第一制御において第一命令を送信した表示器が設けられている作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、第一制御において第一命令を送信した表示器に、次の作業者に対する仕分情報、又は、作業者が作業すべき仕分けが完了した旨の情報を送信するように送信部を制御する第二制御を実行してもよい。この構成では、対象となる作業者に対し、仕分情報をより確実に提示することができる。
【0011】
本発明に係る表示器システムでは、制御部は、第二制御を実行すると同時、又は第二制御を実行した後、第一制御において第一命令を送信した表示器に、第二モードから第一モードへ切り替える旨の命令である第二命令を送信するように送信部を制御してもよい。この構成では、対象となる作業者に対して仕分情報を提示した後に、通信部の動作を第二モードから第一モードに戻すことができる。これにより、消費電力をより一層抑制することができる。
【0012】
本発明に係る表示器システムでは、表示器の各々の通信部は、第一命令を受信することで第二モードに切り替わり、第二モードへの切り替え後、所定時間経過後に第一モードに切り替わるように構成されていてもよい。この構成では、対象となる作業者に対して仕分情報を提示するための時間が経過した後に、通信部の動作を第二モードから第一モードに戻すことができる。これにより、消費電力をより一層抑制することができる。
【0013】
本発明に係る表示器システムでは、制御部は、第一制御において第一命令を送信した表示器が設けられている作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始した旨の情報を取得すると、第一制御において第一命令を送信した表示器に、第二モードから第一モードへ切り替える旨の命令である第二命令を送信するように送信部を制御してもよい。この構成では、対象となる作業者に対して仕分情報を提示した後に、通信部の動作を第二モードから第一モードに戻すことができる。これにより、消費電力をより一層抑制することができる。
【0014】
本発明に係る表示器システムでは、表示器は、表示器を一意に識別する識別子を有しており、表示器システムには、識別子を取得する取得部が設けられており、制御部は、取得部によって識別子が取得されたとき、識別子に基づいて特定される表示器が設けられた作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始したと判定してもよい。この構成では、簡易な構成で、特定の作業領域における仕分作業が完了した旨の完了情報又は開始情報を取得することができる。
【0015】
本発明に係る表示器システムでは、作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始したことを取得する取得装置が、複数の作業領域のそれぞれに対応して設けられており、制御部は、取得装置による取得結果に基づいて仕分作業が完了又は仕分作業を開始したと判定してもよい。この構成では、簡易な構成で、特定の作業領域における仕分作業が完了した旨の完了情報又は開始情報を取得することができる。
【0016】
本発明に係る表示器システムでは、仕分情報には、作業者が仕分けるべき商品の個数が含まれており、制御部は、移動順序が第i番目の作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始した旨の情報を取得して、第n番目(n>i)の作業領域に設けられた表示器に対して、第一命令を送信するように送信部を制御するとき、第i+1番目から第n-1番目までの各作業領域において作業者が仕分けるべき商品の個数の総数に基づいて、第一命令を送信するタイミングを変更してもよい。仕分作業に要する時間は、一般的に仕分けする商品の個数に比例して長くなる。この構成では、第i番目の作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始してから第n番目(n>i)の作業領域に作業者が到着するまでに要する時間に基づいて第一命令を送信するタイミングが変更されるので、より適切なタイミングで第一命令を送信することができる。
【0017】
本発明に係る表示器システムでは、制御部は、移動順序が第i番目の作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始した旨の情報を取得して、第n番目(n>i)の作業領域に設けられた表示器に対して、第一命令を送信するように送信部を制御するとき、第i番目の作業領域から第n番目の作業領域まで作業者が移動するときの距離に基づいて、第一命令を送信するタイミングを変更してもよい。各作業領域間の移動時間は、一般的に移動距離に比例して長くなる。この構成では、第i番目の作業領域における仕分作業が完了又は仕分作業を開始してから第n番目(n>i)の作業領域に作業者が到着するまでに要する時間に基づいて第一命令を送信するタイミングが変更されるので、より適切なタイミングで第一命令を送信することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、消費電力を抑制しつつも、作業者の作業に支障をきたすことがないように適切なタイミングで表示の切り替えができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態の表示器システムが配備される物流倉庫の平面図である。
【
図2】
図1の物流倉庫に配置されるラックの一例を示す正面図である。
【
図3】
図1の物流倉庫に配置されるラックの一例を示す正面図である。
【
図4】
図4は、表示器システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5(A)及び
図5(B)は、表示器に表示される内容の一例である。
【
図6】
図6(A)及び
図6(B)は、本実施形態の作用効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の好適な一実施形態である表示器システム1を説明する。なお、図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
本実施形態の表示器システム1は、
図1に示されるように、商品Cが収容される複数のラックRが設けられている物流倉庫F等に配備される。物流倉庫Fには、複数の作業領域A(A1,A2,A3,A4,・・・,An)(nは自然数)が設けられており、複数の作業領域Aのそれぞれには、一つ又は複数のラックRが設けられている。このような物流倉庫Fにおいて、作業者は、予め定められた移動順序(例えば、
図1の一点鎖線矢印で示される、作業領域A1、作業領域A2、作業領域A3、作業領域A4、・・・、作業領域Anの順序)で作業領域Aを移動すると共に、それぞれの作業領域Aにて指示された商品を取り出す作業(仕分作業)を実施している。本実施形態の表示器システム1は、このような物流倉庫Fで作業する作業者の仕分作業を支援するシステムである。すなわち、表示器システム1は、各作業領域において作業者に取り出すべき商品Cを指示(商品の仕分けに関する仕分情報を提示)するシステムである。
【0022】
作業領域Aのそれぞれには、商品Cが収容される一つ又は複数のラックRが配置されている。
図2及び
図3に示されるように、ラックRのそれぞれには、商品Cを収容する複数の載置部RAが設けられている。本実施形態の物流倉庫Fでは、一つの載置部RAに一種類の商品Cが収容されている。表示器システム1は、このような複数のラックRが設けられている物流倉庫F等に配備される。
【0023】
表示器システム1は、商品Cの仕分けに関する仕分情報を表示する表示器20と、仕分作業を開始することを入力する第一入力装置30Aと、各作業領域Aにおいて仕分作業が完了したことを入力する第二入力装置(取得装置)30Bと、表示器システム1における各種機能を実現するサーバ10と、表示器20及びサーバ10と通信可能に設けられたアクセスポイント15と、を備える。
【0024】
表示器20は、複数の作業領域A1,A2,A3,A4,・・・,Anのそれぞれに、一つ又は複数配置される。本実施形態では、作業領域A2において一つの表示器20が設けられ、残りの作業領域A1,A3,A4,・・・,Anのそれぞれにおいて複数の表示器20が設けられる。
図2に示されるように、作業領域A1,A3,A4,・・・,Anのそれぞれに配置されるラックRには、複数の表示器20が配置されている。複数の表示器20は、載置部RAごとに配置されている。
図3に示されるように、作業領域A2に配置されるラックRには、一つの表示器20が配置されている。
【0025】
図4に示されるように、表示器20の各々は、通信部21と、表示部23と、表示器制御部25と、バッテリ収容部27と、を有している。
図4では、一の表示器20のみ詳細に記述する。
【0026】
通信部21は、サーバ10とアクセスポイント15を介して通信する部分である。通信部21は、サーバ10から送信される仕分情報と、後段にて詳述する第一命令及び第二命令を受信可能に設けられている。仕分情報の例には、配送先、作業者がピッキングすべき商品及び商品の数量等が含まれる。通信部21は、サーバ10からの情報(仕分情報、第一命令及び第二命令)を受信する受信動作を実行する間隔が切り替え可能に設けられている。通信部21は、通常時には、第一周期(例えば20秒)で上記受信動作をオンとする第一モードに設定されている。通信部21におけるモードの切り替えは、表示器制御部25によって制御される。
【0027】
表示部23は、電子ラベル(ESL:Electronic Shelf Label)と称され、無線によってリアルタイムに表示内容を更新することができる電子表示器である。表示部23は、例えば、電子ペーパーにより構成されている。表示部23は、アクセスポイント15を介してサーバ10から送信されてくる情報、すなわち通信部21において受信した仕分情報を表示する。表示部23は、作業者に仕分作業を指示する内容を表示する。表示部23は、
図5(A)及び
図5(B)に示されるように、配送先を表示する配送先表示領域23Aと、商品を表示する商品名表示領域23Bと、作業者が取り出すべき数量を表示する数量表示領域23Cと、を有している。表示部23は、例えば、
図5(A)に示されるように、配送先、作業者が取り出すべき商品名及び商品の数量等を仕分情報として表示する。表示部23の表示動作は、表示器制御部25によって制御される。
【0028】
表示器制御部25は、表示器20における各種動作を制御する部分である。表示器制御部25は、サーバ10から送信されてくる、第一モードから第二モードに切り替える第一命令(命令)を受信すると、通信部21の受信動作を、第一周期よりも短い第二周期(例えば4秒)でオンとする第二モードに切り替える。これにより、通信部21は、通常時には第一周期で受信動作が実行されるところ、サーバ10から上記第一命令を受信した特定時には、第一周期よりも短い第二周期で受信動作が実行されるようになる。また、表示器制御部25は、サーバ10から送信されてくる、第二モードから第一モードに切り替える第二命令(命令)を受信すると、通信部21の受信動作を、通常時の第一周期でオンとする第一モードに切り替える。
【0029】
また、表示器制御部25は、サーバ10から送信されてくる情報に基づいて、表示部23に表示内容を書き換えさせる。より詳細には、アクセスポイント15から送信されてくる情報を所定間隔(4秒間隔又は20秒間隔)で受信する情報の中に自身の表示器20を特定する情報が含まれていることを確認すると、当該情報の中に含まれる仕分情報に基づいて表示部23に表示内容を書き換えさせる。なお、表示器制御部25は、アクセスポイント15から送信されてくる情報を所定間隔で受信する情報の中に自身の表示器20を特定する情報が含まれていない場合には、表示部23に表示内容を書き換えさせない。このように、「サーバ10が特定の表示器20に情報を送信する処理」は、上述したようにサーバ10が送信する表示器20を特定する情報と、当該情報に基づいた表示器制御部25の動作によって実現される。
【0030】
バッテリ収容部27は、通信部21、表示部23及び表示器制御部25を駆動させるための電力を供給するバッテリを収容する部分である。本実施形態に用いられるバッテリの例には、筒形、角形、ボタン形又はコイン形のリチウム電池等が含まれる。また、リチウム電池等の一次電池の代わりにリチウムイオン二次電池等の充電可能な二次電池が用いられてもよい。
【0031】
アクセスポイント15は、複数の表示器20と無線通信を行う通信装置である。サーバ10とアクセスポイント15とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して接続される。複数の表示器20のそれぞれとアクセスポイント15とは、赤外線通信等の無線通信によって接続される。アクセスポイント15は、サーバ10から送信されてくる第一命令、第二命令及び仕分情報を、複数の表示器20に送信する。より詳細には、アクセスポイント15は、表示器20の通信部21の第二周期よりも短い間隔で、サーバ10から送信されてくる第一命令、第二命令及び仕分情報を複数の表示器20に送信する。このように送信した第一命令、第二命令及び仕分情報は、上述した通り、表示器20の受信動作のタイミング(4秒又は20秒)で受信される。
【0032】
第一入力装置30Aは、上記移動順序が定められた複数の作業領域A1,A2,A3,A4,・・・,Anに対して少なくとも一つ設けられている。本実施形態の例では、第一入力装置30Aは、作業領域A1,A2,A3,A4,・・・,Anに対して移動順序に沿って見た場合の始端(入口)、つまり作業領域A1の始端(入口)に、一つ設けられている。第一入力装置30Aは、LAN等のネットワークNを介してサーバ10と通信可能に設けられている。第一入力装置30Aは、これから所定の作業領域Aにおいて仕分作業を開始することを、作業者に入力させるための装置である。第一入力装置30Aは、ボタンを押下することによって情報を入力する、例えばボタンスイッチである。作業者によって第一入力装置30Aのボタンが押下されたことは、サーバ10によって取得される。なお、第一入力装置30Aは、作業者に関する情報(例えば、作業者ID)の入力が可能な構成であってもよい。
【0033】
第二入力装置30Bは、複数の作業領域A1,A2,A3,A4,・・・,Anのそれぞれに対応付けて少なくとも一つ設けられている。本実施形態の例では、第二入力装置30Bは、作業領域A1,A2,A3,A4,・・・,Anの各々の移動順序に沿って見た場合の各作業領域A1,A2,A3,A4,・・・,Anの終端(出口)に、それぞれ一つ設けられている。第二入力装置30Bは、LAN等のネットワークNを介してサーバ10と通信可能に設けられている。第二入力装置30Bは、第二入力装置30Bに対応付けられた作業領域Aにおいて仕分作業が完了したことを、作業者に入力させるための装置である。第二入力装置30Bは、ボタンを押下することによって情報を入力する、例えばボタンスイッチである。作業者によって第二入力装置30Bが入力されたことは、サーバ10によって取得される。なお、第二入力装置30Bは、作業者に関する情報(例えば、作業者ID)の入力が可能な構成であってもよい。
【0034】
サーバ10は、仕分情報を表示器20に送信すると共に、第一命令及び第二命令を表示器20に送信する。サーバ10は、例えば、物流倉庫Fの一角に配置されていてもよいし、物流倉庫Fから離れた場所に配置されていてもよい。
図4に示されるように、サーバ10は、送信部11と、サーバ制御部(制御部)12と、を主に含んで構成されている。
【0035】
送信部11は、表示器20に対して仕分情報、第一命令及び第二命令を送信する。サーバ制御部12は、外部との信号の入出力等を行う入出力インタフェイス、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路等を有する。サーバ制御部12は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで各種処理を実行する。
【0036】
サーバ制御部12は、各作業領域A1,A2,A3,A4,・・・,Anにおいて作業者に取り出すべき商品Cを指示するための各種処理を実行する。サーバ制御部12は、作業者によって第一入力装置30Aのボタンが押下されると、作業領域A1に配置された表示器20に、第一入力装置30Aのボタンを押下した作業者に対する仕分情報を送信する。また、サーバ制御部12は、作業者によって作業領域Aiに対応する第二入力装置30Bのボタンが押下され、移動順序が第i番目の作業領域Aiにおける仕分作業が完了した旨の情報(以後、「作業完了情報」とも称する。)を取得すると、第i+J番目の作業領域A(i+J)(Jは、J≧1となる自然数)に設けられる表示器20の少なくとも一部に、当該第i番目の作業領域Aiにおいて作業を終えた作業者に対する仕分情報を送信する。本実施形態では、J=1となるように構成されている。例えば、サーバ制御部12は、移動順序が第1番目の作業領域A1の作業完了情報を取得すると、第2番目の作業領域A2に設けられる表示器20の全てに、当該第1番目の作業領域A1において作業を終えた作業者に対する仕分情報(以下、単に「仕分情報」と称する。)を送信する。
【0037】
サーバ制御部12は、作業者によって第一入力装置30Aのボタンが押下されると、作業領域A1に配置された表示器20に、第一命令第一モードから第二モードへ切り替える旨の命令である第一命令を送信するように送信部11を制御する第一制御を実行する。更に、サーバ制御部12は、移動順序が第i番目の作業領域Aiにおける作業完了情報を取得すると同時に、第i番目よりも後の作業領域An(n>i)に設けられる表示器20の少なくとも一部に対して、第一モードから第二モードへ切り替える旨の命令である第一命令を送信するように送信部11を制御する第一制御を実行する。なお、サーバ制御部12は、上述した作業完了情報を取得してから所定時間経過した後(例えば10秒後)に、第一制御を実行してもよい。
【0038】
本実施形態では、サーバ制御部12は、移動順序が第i番目の作業領域Aiにおける作業完了情報を取得すると、第i番目よりも後の作業領域An(n>i)に設けられた表示器20のうち、第(i+k)番目の作業領域A(i+k)(k>j)に設けられた表示器20に対して、上記第一命令を送信するように送信部11を制御する。本実施形態では、k=2となるように構成されている。例えば、サーバ制御部12は、移動順序が第1番目の作業領域A1における作業完了情報を取得すると同時に、第3番目の作業領域A3に設けられた表示器20に第一命令を送信するように送信部11を制御する。
【0039】
このように、本実施形態のサーバ制御部12では、作業完了情報を取得したときに第一命令の送信先として設定されている作業領域A(i+j)の移動順序(i+j)が、仕分情報の送信先として設定されている作業領域A(i+k)の移動順序(i+k)よりも後(i+j>i+k)となるように設定されている。例えば、サーバ制御部12は、移動順序が第1番目の作業領域A1の作業完了情報を取得すると、移動順序が第2番目の作業領域A2に仕分情報を送信し、移動順序が第3番目の作業領域A3に第一命令を送信する。次に、サーバ制御部12は、移動順序が第2番目の作業領域A2の作業完了情報を取得すると、移動順序が第3番目の作業領域A3に仕分情報を送信し、移動順序が第4番目の作業領域A4に第一命令を送信する。以降、このような制御が繰り返される。なお、仕分情報の送信と第一命令の送信とは同時であっても、多少のずれがあってもよい。例えば、サーバ制御部12は、仕分け情報の送信を完了してから、第一命令を送信するように構成されていてもよい。
【0040】
このような本実施形態の構成では、作業者が作業領域Aiにおいて作業を終えたタイミングで移動順序が二つ先の作業領域Ai+2に配置される表示器20に対して第一命令が送信される。そのため、作業者が作業領域Aiにおいて作業を終えたタイミングで作業領域Ai+2に配置される表示器20を第二モードに切り替えるように働きかけを開始することになる。作業領域Ai+2に配置される表示器20は、当初第一モードであるため、第一命令の受信には、最大で第一周期(例えば20秒)と同程度の時間がかかる。しかしながら、作業者が作業領域Ai+1における作業を実行している間にこの第一周期と同程度の時間が経過するため、作業者が作業領域Ai+1における作業を完了するまでの間には、作業領域Ai+2に配置される表示器20は、第ニモードへの切り替えが完了していることになる。その結果、その作業者が作業領域Aiの一つ先の作業領域Ai+1で作業をし、作業を終えるまでの間に、作業領域Ai+2に配置される表示器20は第2モードになっており、仕分情報を第二周期(例えば4秒)で受信できるようになっている。
【0041】
したがって、その作業者が作業領域Aiの一つ先の作業領域Ai+1で作業をし、作業を終えたタイミングで作業領域Ai+2に配置される表示器20に送信される仕分情報は、既に第二モードにある表示器20によって即時に受信される。例えば、作業者が作業領域A1において作業を終えたタイミングで移動順序が二つ先の作業領域A3に配置される表示器20を第二モードに切り替える。このため、その作業者が作業領域A1の一つ先の作業領域A2で作業をし、作業を終えたタイミングで作業領域A3に配置される表示器20に送信される仕分情報は、既に第二モードにある表示器20によって即時に受信される。
【0042】
なお、上記kの値は、作業領域Anの仕分情報を送付する前に、当該作業領域Anにおける表示器20をより確実に第二モードにしておくことを考慮すれば、kの値は2以上であることが好ましい。また、例えば、作業領域A,A間の移動にあまり時間を要しない場合や、各作業領域Aにおける作業量が少ない(作業にあまり時間を要しない)場合には、kの値をより大きな値にすることが好ましい。
【0043】
サーバ制御部12は、移動順序が第i番目の作業領域Aiに対応付けて設けられた第二入力装置30Bのボタンを作業者が押下したとき、第i番目の作業領域Aiにおける作業が完了したと判定する。例えば、サーバ制御部12は、移動順序が第1番目の作業領域A1に対応付けて設けられた第二入力装置30Bのボタンを作業者が押下したとき、第1番目の作業領域A1における仕分作業が完了したと判定する。
【0044】
サーバ制御部12は、上記の第一制御において第一命令を送信した表示器20が設けられている作業領域Aにおける作業完了情報を取得すると同時に、次の作業者に対する仕分情報又は作業者が作業すべき仕分けが完了した旨の情報を、第一制御において第一命令を送信した表示器20に送信するように送信部11を制御する第二制御を実行する。具体的に説明すると、サーバ制御部12は、例えば、第3番目の作業領域A3に設けられた表示器20に対して上記第一命令を送信した後、移動順序が第3番目の作業領域A3における作業完了情報を取得すると、第3番目の作業領域A3に設けられた表示器20に対して、
図5(A)に示されるような、次の作業者に対する仕分情報、又は、
図5(B)に示されるような、作業者が作業すべき仕分けが完了した旨の情報を送信させる。なお、サーバ制御部12は、上記の第一制御において第一命令を送信した表示器20が設けられている作業領域Aにおける作業完了情報を取得してから所定時間経過した後(例えば10秒後)に、第二制御を実行してもよい。
【0045】
サーバ制御部12は、上述した第二制御を実行すると同時に、第二モードから第一モードへ切り替える旨の命令である第二命令を、第一制御において第一命令を送信した表示器20に送信するように送信部11を制御する第三制御を実行する。具体的に説明すると、サーバ制御部12は、例えば、第3番目の作業領域A3に設けられた表示器20に対して、
図5(A)に示されるような、次の作業者に対する仕分情報、又は、
図5(B)に示されるような、作業者が作業すべき仕分けが完了した旨の情報を送信する(第二制御)のと同時に、第3番目の作業領域A3に設けられた表示器20に対して第二命令を送信する。なお、サーバ制御部12は、上述した第二制御を実行してから所定時間経過した後(例えば10秒後)に、第三制御を実行してもよい。
【0046】
次に、本実施形態の表示器システム1が、このような物流倉庫Fで作業する作業者の仕分作業を支援するときの動作について説明をする。ここでは、二人の作業者X及び作業者Yが連続で仕分作業を実施する場合を例に挙げて説明する。作業者Xは、仕分作業を開始するとき、第一入力装置30Aのボタンを押下する。サーバ10は、作業者Xによって第一入力装置30Aのボタンが押下されたことをトリガとして、作業領域A1に配置された表示器20に作業者X用の仕分情報を送信し、作業領域A2に配置された表示器20に第一命令を送信する。これにより、作業領域A1に配置された複数の表示器20には、例えば
図5(A)に示されるような、配送先、商品名及び取出数量が表示される。第一命令を受信した作業領域A2に設けられた表示器20の通信部21は、サーバ10からの情報を受信する受信動作を実行する間隔が第一周期(例えば20秒)よりも短い第二周期(例えば4秒)に切り替わる。
【0047】
作業者Xは、作業領域A1に配置された複数の表示器20に表示される仕分情報に従った商品Cの取り出しを完了すると、作業領域A1に対応付けて配置されている第二入力装置30Bのボタンを押下する。サーバ10は、作業者Xによって第二入力装置30Bのボタンが押下されたことをトリガとして、作業領域A2に設けられた表示器20に作業者X用の仕分情報を送信し、作業領域A3に設けられた表示器20に第一命令を送信する。仕分情報を受信した作業領域A2に設けられた表示器20には、例えば
図5(A)に示されるような作業者X用の仕分情報が表示される。第一命令を受信した作業領域A3に設けられた表示器20の通信部21は、サーバ10からの情報を受信する受信動作を実行する間隔が第一周期(例えば20秒)よりも短い第二周期(例えば4秒)に切り替わる。
【0048】
サーバ10は、作業領域A3に配置された表示器20に第一命令を送信すると同時に、作業領域A1に配置された表示器20に第二命令を送信する。第二命令を受信した表示器20の通信部21は、サーバ10からの情報を受信する受信動作を実行する間隔が第二周期(例えば4秒)から通常時の第一周期(例えば20秒)に戻る。ここで、次の作業者Yによって第一入力装置30Aのボタンが押下されると、サーバ10は、
図5(A)に示されるように、作業領域A1に配置された表示器20に作業者Y用の仕分情報を送信し、作業領域A2に配置された表示器20に第一命令を送信する。一方、次の作業者Yによって第一入力装置30Aのボタンが押下されていない場合には、サーバ10は、作業領域A1に配置された表示器20に、
図5(B)に示されるように、作業者Xが作業すべき仕分けが完了した旨の情報を送信する。
【0049】
サーバ10は、作業領域A3に配置された表示器20に第一命令を送信すると同時に、作業領域A2に配置された表示器20に作業者X用の仕分情報を送信する。作業領域A2に配置された表示器20は、アクセスポイント15を介して自身の表示器20を特定する情報が含まれている仕分情報を取得し、取得した仕分情報に基づいて表示部23に表示内容を書き換えさせる。これにより、作業領域A2に配置された表示器20には、例えば
図5(A)に示されるような、配送先、商品名及び取出数量が表示される。
【0050】
作業者Xは、作業領域A2に配置された表示器20に表示される仕分情報に従った商品Cの取り出しを完了すると、作業領域A2に対応付けて配置されている第二入力装置30Bのボタンを押下する。サーバ10は、作業者Xによって第二入力装置30Bのボタンが押下されたことをトリガとして、作業領域A4に設けられた表示器20に第一命令を送信する。第一命令を受信した表示器20の通信部21は、サーバ10からの情報を受信する受信動作を実行する間隔が第一周期(例えば20秒)よりも短い第二周期(例えば4秒)に切り替わる。
【0051】
サーバ10は、作業領域A4に配置された表示器20に第一命令を送信すると同時に、作業領域A2に配置された表示器20に第二命令を送信する。第二命令を受信した表示器20の通信部21は、サーバ10からの情報を受信する受信動作を実行する間隔が第二周期(例えば4秒)から通常時の第一周期(例えば20秒)に戻る。ここで、次の作業者Yがいる場合、サーバ10は、作業領域A4に配置された表示器20に第一命令を送信すると同時に、
図5(A)に示されるように、作業領域A2に配置される表示器20に作業者Y用の仕分情報を送信する。
【0052】
サーバ10は、作業領域A4に配置された表示器20に第一命令を送信すると同時に、作業領域A3に配置された表示器20に仕分情報を送信する。作業領域A3に配置された表示器20は、アクセスポイント15を介して自身の表示器20を特定する情報が含まれている仕分情報を取得し、取得した仕分情報に基づいて表示部23に表示内容を書き換えさせる。これにより、作業領域A3に配置された表示器20には、例えば
図5(A)に示されるような、配送先、商品名及び取出数量が表示される。
【0053】
次に、本実施形態の表示器システム1の作用効果について説明する。上記実施形態の表示器システム1では、通信部21が、通常時には、第一周期で受信動作をオンとする第一モードで作動し、特定時には、第一周期よりも短い第二周期で受信動作をオンとする第二モードで作動するので、日常的に第二モードで通信部に受信させることに比べて消費電力を抑制することができる。また、通信部21は、上記移動順序に従って複数の作業領域Aを移動する作業者が対象となる作業領域Aに近づいてきたタイミング、すなわち、その近づいてきた作業者に対する仕分情報が送られてくる可能性が高いタイミングでは、第一モードから第二モードに切り替えられている。第ニモードに切り替えられた表示器20は、自身に対して送信開始された仕分情報を短い周期である第二周期で受信開始できるので、受信した仕分情報に対応する表示に即座に切り替えることができる。その結果、表示器20は、対象となる作業者に対して仕分情報を迅速に(作業者が表示器20の表示を確認するタイミングまでに表示の変更を完了し、確実に)提示することができる。これにより、消費電力を抑制しつつも、作業者の作業に支障をきたすことがないように適切なタイミングで表示の切り替えができる。
【0054】
図6(A)に示されるように、表示器20の通信部21は、通常時、第一周期T1で受信動作がオンとなるように設定されている。すなわち、通信部21は、アクセスポイント15から送信される仕分情報S0の中に自己の表示器20を特定する情報(以下、「特定情報」と称する。)が含まれているか否かを第一周期T1で確認している。ここで、状況ST1に示されるように、第一周期T1に比較的近いタイミングでサーバ10から仕分情報S0が送信されてきた場合には、比較的短いタイムラグT11で、仕分情報S0の中に自己の特定情報が含まれているか否かを確認し、特定情報がある場合には、その仕分情報を表示部23に表示する。
【0055】
しかしながら、状況ST2に示されるように、第一周期T1に比較的遠いタイミングでサーバ10から仕分情報S0が送信されてきた場合には、比較的長いタイムラグT12(T12>T11)で、仕分情報S0の中に自己の特定情報が含まれているか否かを確認し、自己の特定情報がある場合には、その仕分情報を表示部23に表示する。後者のように、サーバ10から仕分情報S0が送信されてくるタイミングと仕分情報を表示部23に表示するタイミングとのタイムラグが長くなる場合には、作業者に適切なタイミングで仕分情報S0を提示することができない。すなわち、次々と作業者がやってくるような現場の場合、表示の切り替えが追いつかず、表示器システム1としての機能を果たせなくなる。
【0056】
そこで、本実施形態の表示器システム1では、
図6(B)に示されるように、上述したような所定のタイミングで、通信部21の受信動作が第一周期よりも短い第二周期でオンとなるように切り替える第一命令S1が送信される。第一命令S1の中には、特定情報が含まれている。通信部21は、第一周期T1で第一命令S1の中に自己の特定情報が含まれているか否かを確認し、自己の特定情報がある場合には、受信動作を第一周期よりも短い第二周期T2に切り替える。以後、通信部21は、アクセスポイント15から送信される仕分情報S0の中に自己の特定情報が含まれているか否かを第二周期T2で確認する。
【0057】
このように第二周期T2で受信動作が作動する場合、状況ST2に示されるように、第一周期T1に比較的遠いタイミングでサーバ10から仕分情報S0が送信されてきた場合であっても、第二周期T2で、仕分情報S0の中に自己の特定情報が含まれているか否かを確認し、自己の特定情報がある場合には、その仕分情報を表示部23に表示する。これにより、従来のタイムラグT12に比べて短いタイムラグT21とすることができる。
【0058】
また、本実施形態の表示器システム1では、上述したような所定のタイミングで、通信部21の受信動作が第一周期でオンとなるように切り替える第二命令S2が送信される。第二命令S2の中には、特定情報が含まれている。通信部21は、第二周期T2で第二命令S2の中に自己の特定情報が含まれているか否かを確認し、自己の特定情報がある場合には、受信動作を第二周期よりも長い第一周期T1に切り替える。以後、通信部21は、アクセスポイント15から送信される仕分情報S0の中に自己の特定情報が含まれているか否かを第一周期T1で確認する。
【0059】
上記実施形態の表示器システム1では、有線により電力を得る構成の表示器ではなく、表示器本体に内蔵された電池から電力を得る構成の表示器20が用いられる。これにより、表示器20の設置自由度が高くなるので、例えば既存のラックRへ表示器20を迅速かつ容易に設置できたり、商品Cの配置替えに伴って表示器20を迅速かつ容易に配置替えできたりできる。また、電池を備える構成の表示器20は、作業者による電池の交換作業(又は、充電作業)が発生するが、本実施形態の表示器システム1では、上述したように消費電力が抑制されるので電池の寿命が長くなる。これにより、作業者の電池交換(又は、電池の充電)にかかる作業負担が増えることを抑制できる。
【0060】
上記実施形態の表示器システム1では、サーバ制御部12は、第一制御において第一命令を送信した表示部23が設けられている作業領域Aにおける作業完了情報を、第一制御において第一命令を送信した表示器20に送信するように送信部11を制御する第二制御を実行する。これにより、対象となる作業者に対し、仕分情報をより確実に提示することができる。
【0061】
上記実施形態の表示器システム1では、サーバ制御部12は、第二制御を実行すると同時に、第二モードから第一モードへ切り替える旨の命令である第二命令を、第一制御において第一命令を送信した表示部23に送信するように送信部11を制御する。これにより、対象となる作業者に対して仕分情報を提示した後に、通信部21の動作を第二モードから第一モードに戻すことができる。これにより、消費電力をより一層抑制することができる。
【0062】
上記実施形態の表示器システム1では、所定の作業領域Aにおける仕分作業が完了したことを取得する第二入力装置30Bが、複数の作業領域Aのそれぞれに対応して設けられており、サーバ制御部12は、第二入力装置30Bによる入力結果に基づいて所定の作業領域Aにおける仕分作業が完了したと判定している。これにより、簡易な構成で、特定の作業領域Aにおける仕分作業が完了した旨の完了情報を取得することができる。
【0063】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。なお、変形例を説明するにあたり、上記実施形態における第一モード、第二モード、第一制御、第二制御及び第三制御について、簡単に、再度説明しておく。
【0064】
第一モード:表示器20における通信部21が第一周期(例えば20秒)で受信動作を実行するモード
第二モード:表示器20における通信部21が第一周期よりも短い第二周期(例えば4秒)で受信動作を実行するモード
第一制御:表示器20における通信部21のモードを第一モードから第二モードに切り替える旨の命令である第一命令を送信部11に送信させる制御
第二制御:第一制御によって第一命令を送信した表示器20に、次の作業者に対する仕分情報又は作業者が作業すべき仕分けが完了した旨の情報を送信部11に送信させる制御
第三制御:第一制御によって第一命令を送信した表示器20に、第二モードから第一モードへ切り替える旨の命令である第二命令を送信部11に送信させる制御
【0065】
(変形例1)
上記実施形態の表示器システム1では、サーバ制御部12は、移動順序が第i番目の作業領域Aiにおける作業完了情報を取得すると、移動順序が第i+2番目の作業領域A(i+2)に設けられる表示器20の少なくとも一部に対して第一命令を送信するように送信部11を制御する例を挙げて説明したがこれに限定されない。サーバ制御部12は、移動順序が第i番目の作業領域Aiにおける作業完了情報を取得したときは、移動順序が第i番目よりも後の作業領域An(n>i)に設けられる表示器20の少なくとも一部に送信すればよく、例えば、移動順序が第i+2番目以降の全ての作業領域An(n>i+2)のそれぞれに設けられる表示器20の少なくとも一部に第一命令を送信するように送信部11を制御してもよい。
【0066】
(変形例2)
また、サーバ制御部12は、移動順序が第i番目よりも後の作業領域An(n>i)であって、第n番目(n>i)から第m番目(m>n)までの作業領域An~Amのそれぞれに設けられた表示器20に第一命令を送信するように送信部11を制御してもよい。この変形例2の構成は、変形例1の構成に比べて、より適切なタイミングで表示器20の通信部21を第一モードから第二モードに切り替えられるので、消費電力をより一層抑制することができる。
【0067】
(変形例3)
上記実施形態及び変形例では、サーバ制御部12は、移動順序が第i番目の作業領域Aiにおける作業完了情報を取得したタイミングで、移動順序が第i+2番目の作業領域A(i+2)又は第n番目(n>i)から第m番目(m>n)までの作業領域An~Am等に第一命令を一回送信する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、第一命令を受信した際にack信号を送信する仕様の表示器20の場合、例えば、次の第i+1番目の作業領域A(i+1)における作業が完了するまでの間、サーバ制御部12は、ack信号を送信してこない表示器20に対して繰り返し第一命令を送信してもよい。これにより、何らかの原因で表示器20の通信部21が受信を失敗することがあっても、第一命令が再送されることによって受信確率を高めることができる。
【0068】
(変形例4)
上記実施形態及び変形例の表示器システム1では、サーバ制御部12は、第二制御を実行すると同時に、第一制御において第一命令を送信した表示器20に第二命令を送信するように送信部11を制御する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、サーバ制御部12は、第一制御を実行してから所定時間(例えば10分)経過した後に、第一制御において第一命令を送信した表示器20に第二命令を送信するように送信部11を制御してもよい(第三制御)。この変形例4に係る構成では、対象となる作業者に対して仕分情報を提示し、作業者が作業完了しており提示する必要性がなくなったと想定されるタイミングで、通信部21の動作を第二モードから第一モードに戻すことができる。このような制御であっても、消費電力をより一層抑制することができる。
(変形例5)
変形例4とは異なる、表示器20の通信部21を第二モードから第一モードに戻す方法として、例えば、表示器20の各々の通信部21が、第一命令を受信することで第二モードに切り替わり、第二モードへの切り替え後、所定時間経過後に第一モードに切り替わるように構成されていてもよい。また、表示器20の通信部21の第一モードへの切り替えと共に、表示器20の各々の表示部23に、作業者が作業すべき仕分けが完了した旨の情報を表示させてもよい。
【0069】
(変形例6)
上記実施形態及び変形例に係る表示器システム1では、上記第三制御は、上述した第二制御を実行すると同時に実行される例を挙げて説明したが、例えば、サーバ制御部12は、第一制御において第一命令を送信した表示器20が設けられている作業領域Anにおける作業完了情報を取得すると、上述した第二制御の実行の有無にかかわらず、第二命令を、第一制御において第一命令を送信した表示器20(作業領域Anに配置されている表示器20)に送信するように送信部11を制御してもよい。この変形例6の構成では、対象となる作業者に対して仕分情報を提示した後に、通信部21の動作を第二モードから第一モードに戻すことができる。これにより、消費電力をより一層抑制することができる。
【0070】
(変形例7)
上記実施形態及び変形例に係る表示器システム1では、所定の作業領域Anにおける作業完了情報は、各作業領域Aのそれぞれに設けられた第二入力装置30Bのボタンが作業者によって入力されたことに基づいて取得される例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、表示器20のそれぞれ又は表示器20のそれぞれに隣接して、作業が完了又は作業を開始することを入力できるボタン等が設けられてもよい。
【0071】
(変形例8)
また、例えば、表示器20を一意に識別する識別子が各表示器20に設けられており、表示器システム1は、識別子を取得する識別子取得装置(取得部)35(
図4参照)を更に備えてもよい。識別子は、文字、記号、図形又はこれらの組合せである。
【0072】
表示器20は、識別子が表示部23に表示されたり、識別子が表示されたプレート又は識別子に関する情報が格納されたICタグ等が表示部23の一部に取り付けられていてもよい。識別子取得装置35の例は、画像読取装置、ICタグと通信可能なスキャナ等が含まれる。サーバ制御部12は、識別子取得装置35によって所定の作業領域Anに配置された全ての表示器20に設けられた識別子が取得されたとき、当該作業領域Anにおける仕分作業が完了したと判定してもよい。この変形例8に係る構成では、簡易な構成で、所定の作業領域Anにおける仕分作業が完了した旨の完了情報を取得することができる。また、作業者が識別子取得装置35により識別子を取得していない表示器20がある場合、作業が完了していないことを通知することができるので、作業の漏れの発生を抑制できる。
【0073】
(変形例9)
また、所定の作業領域Anにおける仕分作業が完了したことを取得する手段の変形例として、表示器システム1は、例えば、作業者が身につけるRFID等のICタグと、各作業領域Anにおける出口近傍に設けられたICタグの検知装置(取得装置)と、を有していてもよい。サーバ10と検知装置とは通信可能に設けられており、検知装置は、ICタグを検知するとサーバ10のその旨の情報を送信する。サーバ10は、検知装置からの情報を受信したとき、検知装置が配置された作業領域Anの仕分作業が完了したと判定してもよい。
【0074】
(変形例10)
上記実施形態及び変形例に係る表示器システム1では、第一制御を実施するタイミングは、どの作業領域からの作業完了情報を取得した場合であっても同じタイミング(例えば、作業完了情報を取得したと同時)で第一命令を表示器20に送信する例を挙げて説明したがこれに限定されない。
【0075】
例えば、サーバ制御部12は、移動順序が第i番目の作業領域Aiからの作業完了情報を取得して、第n(n>i)番目の作業領域Anに第一命令を送信するとき、作業領域Aiから作業領域Anまでの距離に基づいて、第一命令を送信するタイミングを変えてもよい。具体的には、例えば
図1に示されるように、作業領域A1と作業領域A2との間の距離がL2、作業領域A2と作業領域A3との間の距離がL3、作業領域A3と作業領域A4との間の距離がL4であり、その距離の関係がL4<L3<L2であるとする。この場合には、サーバ制御部12は、作業領域Aiの作業完了情報を取得してから第n番目の作業領域Anに第一命令を送信するまでの時間DTiを、下記の通り調整してもよい。
DT3<DT2<DT1
【0076】
この変形例10に係る構成では、第i番目の作業領域Aiにおける仕分作業が完了してから第n番目(n>i)の作業領域Anに作業者が到着するまでに要する時間に基づいて第一命令を送信するタイミングが変更されるので、より適切なタイミングで第一命令を送信することができる。
【0077】
(変形例11)
また、サーバ制御部12が、移動順序が第i番目の作業領域Aiからの作業完了情報を取得して、第n番目(n>i+2)の作業領域Anに第一命令を送信する場合の変形例を説明する。この場合、サーバ制御部12が、第i+1番目の作業領域A(i+1)から第n-1番目の作業領域A(n-1)までのラックRから取り出す商品の総数に基づいて、第一命令を送信するタイミングを変えてもよい。具体的には、例えば、作業領域A2において取り出す商品の数量がV2、作業領域A3において取り出す商品の数量がV3、作業領域A4において取り出す商品の数量がV4であり、その数量の関係がV4<V3<V2であるとする。この場合には、サーバ制御部12は、第1番目の作業領域A1の作業完了情報を取得してから第3番目の作業領域A3に第一命令を送信するまでの時間DT1、第2番目の作業領域A2の作業完了情報を取得してから第4番目の作業領域A4に第一命令を送信するまでの時間DT2、第3番目の作業領域A3の作業完了情報を取得してから第5番目の作業領域A5に第一命令を送信するまでの時間DT3としたとき、作業領域Aiの作業完了情報を取得してから第i+2番目の作業領域A(i+2)に第一命令を送信するまでの時間DTiを、下記の通り調整してもよい。
DT1<DT2<DT3
【0078】
仕分作業に要する時間は、一般的に仕分けする商品の個数に比例して長くなるところ、この変形例11に係る構成では、第i番目の作業領域における仕分作業が完了してから第n番目(n>i)の作業領域に作業者が到着するまでに要する時間に基づいて第一命令を送信するタイミングが変更されるので、より適切なタイミングで第一命令を送信することができる。なお、ラックRから取り出す商品の数量は、各作業領域Aの仕分情報に含まれている。
【0079】
(その他の変形例)
上記実施形態及び変形例の表示器システム1の表示器20は、電子ペーパーからなる表示部23を備えている例を挙げて説明したが、液晶パネル等の他の表示部であってもよい。
【0080】
上記実施形態及び変形例の表示器システム1では、作業領域A2には一つの表示器20のみが配置されている例を挙げて説明したが、他の作業領域Aと同様に、複数の表示器20が備えられていてもよい。また、上記実施形態及び変形例の表示器システム1において、複数の表示器20が備えられた作業領域A1,A3,A4,・・・,Anを、一つの表示器20が備えられた作業領域A1,A3,A4,・・・,Anに変更してもよい。
【0081】
上記実施形態では、移動順序が第i番目の作業領域Aiにおける仕分作業が完了したことをトリガとして特定の表示器20に第一命令を送信する例を挙げて説明したが、移動順序が第i番目の作業領域における仕分作業を開始したことをトリガとして特定の表示器20に第一命令を送信してもよい。この場合、各作業領域Anのそれぞれの入口(各作業領域Anの移動経路に沿って見た場合の始端)に、第一入力装置30Aを配置すればよい。この場合、表示器システム1は、作業領域Aiに対応する第一入力装置30Aのボタンが押されたこと、つまり移動順序が第i番目の作業領域Aiにおける仕分作業が開始したことをトリガとして、特定の(前記第i番目よりも後、例えば、第i+2番目の作業領域に配置される)表示器20に第一命令を送信するように構成されていてもよい。
【0082】
上記実施形態及び変形例の表示器20は、バッテリで駆動する例を挙げて説明したが、各表示器20に接続される配線によって給電してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…表示器システム、10…サーバ、11…送信部、12…サーバ制御部(制御部)、15…アクセスポイント、20…表示器、21…通信部、23…表示部、25…表示器制御部、30A…第一入力装置、30B…第二入力装置(取得装置)、C…商品、F…物流倉庫、R…ラック、RA…載置部。