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特開2022-143229航空機ドアのモックアップおよび仮設台
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  • 特開-航空機ドアのモックアップおよび仮設台 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143229
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】航空機ドアのモックアップおよび仮設台
(51)【国際特許分類】
   B64F 5/60 20170101AFI20220926BHJP
   B64F 1/305 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B64F5/60
B64F1/305
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043647
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村下 善朗
(57)【要約】
【課題】従来に比べて、航空機ドアに対する地上支援機材の自動装着機能の確認作業を効率的に行い得る航空機ドアのモックアップを提供する。
【解決手段】航空機ドアのモックアップは、旅客搭乗橋の据付および撤去に用いる仮設台と、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬したパネルと、を備える。パネルは、仮設台に保持されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旅客搭乗橋の据付および撤去に用いる仮設台と、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬したパネルと、を備え、前記パネルが、前記仮設台に保持されている航空機ドアのモックアップ。
【請求項2】
前記仮設台は、前記仮設台の上部フレームに対して前記パネルを着脱可能に連結するための連結部材を備える請求項1に記載のモックアップ。
【請求項3】
前記連結部材は、前記上部フレームに固定されたスタンドを備え、前記スタンドに保持されたフレームによって前記パネルが立設されている請求項2に記載のモックアップ。
【請求項4】
前記仮設台は、前記パネルを上下動させるための昇降機構を備える請求項1-3のいずれか1項に記載のモックアップ。
【請求項5】
旅客搭乗橋の据付および撤去に用いる仮設台であって、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬したパネルを着脱可能に取り付けるための取付部を備える仮設台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は航空機ドアのモックアップおよび仮設台に関する。
【背景技術】
【0002】
空港において、航空機に乗降する際には、ターミナルビルと航空機とを連結する旅客搭乗橋が用いられる。このような旅客搭乗橋の移動を自動化することが提案されている(例えば特許文献1-3参照)。
【0003】
例えば、特許文献1-2には、予め制御装置に与えられた情報により旅客搭乗橋を航空機ドアの予想位置の手前まで接近させ、旅客搭乗橋のキャブに設けられたカメラからの画像により航空機ドアと旅客搭乗橋との相対的な位置関係を測量することで得られた情報を元に旅客搭乗橋が航空機ドアに接機するまでの移動制御を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63-43900号公報
【特許文献2】特開昭59-156897号公報
【特許文献3】国際公開第2019/012648号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来例では、航空機ドアに対する旅客搭乗橋の自動装着機能の確認作業の高効率化については検討されていない。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来に比べて、航空機ドアに対する地上支援機材の自動装着機能の確認作業を効率的に行い得る航空機ドアのモックアップおよび仮設台を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様(aspect)の航空機ドアのモックアップは、旅客搭乗橋の据付および撤去に用いる仮設台と、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬したパネルと、を備え、前記パネルが、前記仮設台に保持されている。
【0008】
本開示の一態様の仮設台は、旅客搭乗橋の据付および撤去に用いる部材であって、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬したパネルを着脱可能に取り付けるための取付部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様の航空機ドアのモックアップは、従来に比べて、航空機ドアに対する地上支援機材の自動装着機能の確認作業を効率的に行い得る、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、旅客搭乗橋をターミナルビルに据付する場合の旅客搭乗橋の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態の旅客搭乗橋用の航空機ドアのモックアップの一例を示す図である。
図3図3は、図2のモックアップのパネルの平面図である。
図4図4は、実施形態の実施例における旅客搭乗橋用の航空機ドアのモックアップの一例を示す図である。
図5A図5Aは、図4のモックアップのA部の拡大斜視図である。
図5B図5Bは、図4のモックアップのB部の拡大斜視図である。
図6A図6Aは、実施形態の変形例における旅客搭乗橋用の航空機ドアのモックアップの一例を示す図である。
図6B図6Bは、実施形態の変形例における旅客搭乗橋用の航空機ドアのモックアップの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
航空機ドアに対する旅客搭乗橋の自動装着機能の確認作業の高効率化について鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。
【0012】
旅客搭乗橋の自動装着機能を使用する際、航空機ドアに対する旅客搭乗橋の自動装着が適切に動作するかどうかについて事前に確認する必要があるが、航空機(実機)を用いて、このような自動装着機能を確認することは、航空機手配の困難性、航空機胴体への損傷可能性などを考慮すると現実的でない場合が多い。
【0013】
このため、従来から、航空機ドアのモックアップ(以下、従来のモックアップ)を用いて、上記自動装着の動作確認が行われている。しかし、かかる従来のモックアップを準備する場合、例えば、以下の問題がある。
【0014】
第1に、モックアップ製作に伴うコストが嵩む。
【0015】
第2に、モックアップ不使用時のモックアップの保管場所確保に困る場合がある。
【0016】
第3に、モックアップの組立性および分解性に改善の余地がある。
【0017】
そこで、本開示者らは、鋭意検討した結果、空港に事前配備されている旅客搭乗橋の据付および撤去のための仮設台の有用性を見出して、以下の本開示の一態様に想到した。
【0018】
すなわち、本開示の第1態様における航空機ドアのモックアップは、旅客搭乗橋の据付および撤去に用いる仮設台と、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬したパネルと、を備え、パネルが、仮設台に保持されている。
【0019】
また、本開示の第2態様のモックアップは、第1態様のモックアップにおいて、仮設台は、仮設台の上部フレームに対してパネルを着脱可能に連結するための連結部材を備えてもよい。
【0020】
以上の構成によると、本態様のモックアップは、従来に比べて、航空機ドアに対する地上支援機材の自動装着機能の確認作業を効率的に行い得る。
【0021】
具体的には、本態様のモックアップは、空港に事前配備されている旅客搭乗橋の据付および撤去のための仮設台を有効活用することで、従来のモックアップに比べて、モックアップ製作にかかるコストを低減することができる。
【0022】
また、本態様のモックアップは、空港に外部からパネルを持ち込み、空港に事前配備されている仮設台に、連結部材を用いてパネルを取り付けるだけで、上記の確認作業を開始することができる。そして、連結部材を用いて仮設台からパネルを取り外すだけで、上記の確認作業を終了することができる。
【0023】
さらに、本態様のモックアップは、従来のモックアップに比べて、保管場所確保の困難性を軽減することができる。具体的には、仮設台が空港に事前配備されている部材であることから、モックアップ不使用時に、連結部材を用いて仮設台からパネルを取り外すと、仮設台の保管場所確保には困ることがない。
【0024】
また、本開示の第3態様のモックアップは、第2態様のモックアップにおいて、連結部材は、仮設台の上部フレームに固定されたスタンドを備え、スタンドに保持されたフレームによってパネルが立設されていてもよい。
【0025】
上記のとおり、モックアップは、パネルを立設させることで風圧などを受けやすい構造になっている。このため、従来のモックアップは、モックアップ不使用時(例えば、保管時)において、パネルが風圧に曝されない配慮が必要である。
【0026】
しかし、本態様のモックアップは、連結部材を用いて、仮設台とパネルとの連結を解除することでパネルを仮設台から容易に取り外すことができるので、以上の問題を軽減することができる。
【0027】
また、本開示の第4態様のモックアップは、第1態様から第3態様のいずれか一つのモックアップにおいて、仮設台は、パネルを上下動させるための昇降機構を備えてもよい。
【0028】
航空機ドアに対する地上支援機材の自動装着機能の確認作業において、モックアップのパネルの高さ位置の調整を簡便に行えると便利である。そこで、本態様のモックアップは、昇降機構を用いてパネルを上下動させることで、かかる昇降機構を使用しない場合に比べて、航空機ドアに対する地上支援機材の自動装着機能の確認作業を効率的に行うことができる。
【0029】
また、本開示の第5態様の仮設台は、旅客搭乗橋の据付および撤去に用いる部材であって、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬したパネルを着脱可能に取り付けるための取付部を備える。なお、本態様の仮設台が奏する作用効果は、第1態様のモックアップが奏する作用効果と同様であるので説明を省略する。
【0030】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、あくまで一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されてない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。
【0031】
(実施形態)
まず、図1を参照しながら、本開示の地上支援機材の一例である旅客搭乗橋100を空港のターミナルビル(図示せず)に据付する構成について説明する。
【0032】
図1は、旅客搭乗橋をターミナルビルに据付する場合の旅客搭乗橋の一例を示す図である。
【0033】
図1(他の図面も同じ)において、便宜上、旅客搭乗橋100のトンネル部10の全長が伸縮する方向を前後方向とし、旅客搭乗橋100に重力が作用する方向を上下方向とし、旅客搭乗橋100の幅方向(前後方向および上下方向に直交する方向)を左右方向として説明する。また、図1に示すように、旅客搭乗橋100において、ターミナルビル側を「後」として説明する。
【0034】
旅客搭乗橋100は、ターミナルビルに接続されたロタンダ(後方円形室)12と、ロタンダ12に対して昇降可能かつ水平方向に旋回可能に接続されたトンネル部10と、トンネル部10の先端に設けられたキャブ(前方円形室)20と、トンネル部10がロタンダ12を中心に昇降するようにトンネル部10を支持するドライブコラム15と、補助階段16と、制御装置50と、を備える。
【0035】
トンネル部10は、隣り合うトンネル10A、10Bが、内側と外側の相対関係において入れ子状に嵌合されており、トンネル部10の全長が前後方向に伸縮可能に構成されている。
【0036】
ドライブコラム15は、トンネル部10と連結し、トンネル部10の上下動に用いる装置である。つまり、ドライブコラム15は、トンネル部10を左右両側から挟むように外側のトンネル10Bの適所(具体的には、外側のトンネル10Bの前方の部分)に連結されている。これにより、トンネル部10およびキャブ20をターミナルビルの乗降部近傍のロタンダ12を基準に、上下方向に揺動運動できる。
【0037】
ドライブコラム15の下端には、駆動装置が配置されている。駆動装置は、ドライブコラム15を支持し、トンネル部10の伸縮移動および/または水平旋回移動に用いる装置である。例えば、駆動装置のタイヤ14がエプロンの地面18上を左右方向に走行すると、トンネル部10に、水平旋回移動の動力が伝わる。駆動装置のタイヤ14がエプロンの地面18上を前後方向に走行すると、トンネル部10に、前後方向の伸縮移動の動力が伝わる。
【0038】
キャブ20は、トンネル部10の前端に回転可能に配置されている。キャブ20内には、操作盤(図示せず)が設置される。なお、旅客搭乗橋100の自動装着動作が行われない場合は、オペレータが、操作盤のジョイスティックなどを用いて、旅客搭乗橋100の機器(例えば、ドライブコラム15など)を手動で操作することができる。
【0039】
制御装置50は、旅客搭乗橋100の動作を制御する。制御装置50は、制御機能を備える装置であれば、どのような構成でもよい。制御装置50は、例えば、演算回路(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶回路(図示せず)とを備える。演算回路として、例えば、PLC、MPU、CPUなどを例示できる。記憶回路として、例えば、半導体メモリーなどを例示できる。制御装置50は、単独の制御器で構成されてもよいし、複数の制御器で構成されてもよい。
【0040】
補助階段16は、トンネル部10の内部とエプロンの地面18とを連絡するように、トンネル部10のサイドに設けられている。補助階段16は、例えば、オペレータがキャブ20に出入りするのに使用される。
【0041】
ここで、図1に示すように、仮設台60が、旅客搭乗橋100のキャブ20に設けられている。つまり、旅客搭乗橋100のターミナルビルへの据付作業において、仮設台60が、キャブ20を下方から保持するための受け台として機能する。かかる仮設台60は、一般的に、クレードル(Cradle)と称されており、空港に事前配備されている。なお、図示を省略するが、仮設台60は、以上の旅客搭乗橋100のターミナルビルへの据付作業だけでなく、旅客搭乗橋100のターミナルビルからの撤去作業においても使用される。
【0042】
仮設台60は、キャブ20を下方から保持するための所望の強度を備えていれば、どのような構成であってもよい。例えば、仮設台60は、複数のフレームからなる構造体であってもよい。また、図1に示すように、仮設台60の下部フレーム61には、エプロンの地面18に沿って仮設台60を水平移動させるためのキャスター62が設けられていてもよい。具体的には、下部フレーム61は、上下方向から視るとき、4個のサブフレームからなる矩形環状のフレームで構成されており、矩形環状のフレームの四隅のそれぞれにキャスター62が設けられている。
【0043】
なお、旅客搭乗橋100のターミナルビルへの据付作業完了後の適時に、上記の仮設台60は、キャブ20から撤去される。
【0044】
次に、図2を参照しながら、旅客搭乗橋100のターミナルビルへの据付作業完了後の適時に行われる、航空機ドアに対する旅客搭乗橋100の自動装着機能の確認作業について説明する。
【0045】
図2は、実施形態の旅客搭乗橋用の航空機ドアのモックアップの一例を示す図である。ただし、図2においては、便宜上、モックアップ200のパネル70を二点鎖線で描いている。
【0046】
図2の旅客搭乗橋100の構成は、仮設台60をキャブ20から撤去したこと以外は、図1の旅客搭乗橋100と同様であるので説明を省略する。
【0047】
モックアップ200は、航空機ドアに対する旅客搭乗橋100の自動装着機能の確認作業で使用される。具体的には、モックアップ200は、仮設台60と、パネル70と、を備える。パネル70は、連結部材80を用いて、仮設台60の上部フレーム(図2では図示せず)に対して着脱可能に保持されている。なお、仮設台60の上部フレームとパネル70との連結構造の詳細は、実施例で説明する。
【0048】
パネル70は、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬した板材であり、かかる板材は、パネル70の組立性を考慮して複数のプレートに分割されていてもよい。
【0049】
図3に示すように、パネル70の平面視において、現物の航空機ドアの縁部に対応する矩形環状の模様71がパネル70上に描かれている。そして、補強用のキックプレート72が、航空機ドア(模様71)直下に描かれている。
【0050】
ただし、パネル70は、上記構成には限定されず、モックアップの目的に応じて、より実機に近い形状および材質で構成してもよいし、適宜の表面処理などが施されたものでもよい。例えば、キックプレート72の現物品、模倣品などを航空機ドア(模様71)直下に取り付けても構わない。
【0051】
以上により、航空機ドア(模様71)を現物の航空機ドアに近い形態で表示することができる。
【0052】
ここで、航空機ドアに対する旅客搭乗橋100の自動装着機能の確認作業においては、制御装置50の演算回路が、記憶回路に記憶された自動装着用の制御プログラムを読み出す。すると、制御装置50が、キャブ20内に設けられたドア撮影用カメラ(図示せず)で撮影されたモックアップ200の画像データに基づいて、旅客搭乗橋100の機器(例えば、ドライブコラム15など)を自動制御することで、上記確認作業が実行される。
【0053】
なお、パネル70に描かれた航空機ドア(模様71)に対する所定の基準位置を示すマーカー(図示せず)をパネル70に付けることで、旅客搭乗橋100の自動装着機能の確認作業において、旅客搭乗橋100の装着精度を容易に向上させることができる。
【0054】
以上のとおり、本実施形態のモックアップ200は、従来に比べて、航空機ドアに対する旅客搭乗橋100の自動装着機能の確認作業を効率的に行い得る。具体的には、モックアップ200は、空港に事前配備されている旅客搭乗橋100の据付および撤去のための仮設台60を有効活用することで、従来のモックアップに比べて、モックアップ製作にかかるコストを低減することができる。
【0055】
また、本実施形態のモックアップ200は、空港に外部からパネル70を持ち込み、空港に事前配備されている仮設台60に、連結部材80を用いてパネル70を取り付けるだけで、上記の確認作業を開始することができる。そして、連結部材80を用いて仮設台60からパネル70を取り外すだけで、上記の確認作業を終了することができる。
【0056】
さらに、本実施形態のモックアップ200は、従来のモックアップに比べて、保管場所確保の困難性を軽減することができる。具体的には、仮設台60が空港に事前配備されている部材であることから、モックアップ不使用時に、連結部材80を用いて仮設台60からパネル70を取り外すと、仮設台60の保管場所確保には困ることがない。
【0057】
(実施例)
図4は、実施形態の実施例における航空機ドアのモックアップの一例を示す図である。なお、図4には、モックアップ200のパネル70を平面視した図が示されている。図5Aは、図4のモックアップのA部の拡大斜視図である。図5Bは、図4のモックアップのB部の拡大斜視図である。ただし、図5Aおよび図5Bにおいては、便宜上、モックアップ200のフレーム82を二点鎖線で描いている。
【0058】
仮設台60は、航空機ドアを含む胴体の一部を模擬したパネル70を着脱可能に取り付けるための取付部を備える。図4に示す例では、本開示の「取付部」は、以下の上部フレーム63にブラケット83、84を着脱できるように上部フレーム63に予め穴あけ加工された図示しない複数の取付穴によって構成されている。
【0059】
図4に示すように、本実施例のモックアップ200では、連結部材80は、仮設台60の上部フレーム63に加工された取付穴に対して着脱可能に固定されたブラケット83およびスタンド81を備え、スタンド81に保持されたフレーム82によってパネル70が立設(上下方向に配置)されている。なお、上部フレーム63は、上下方向から視るとき、左右に延伸する1個の直線状のフレームで構成されている。そして、下部フレーム61と上部フレーム63とは、図4に示すように、側部フレーム64で連結されている。
【0060】
ここで、4個のスタンド81のうちの一対のスタンド81Aはそれぞれ、図4および図5Aに示すように、上部フレーム63の左右両端のそれぞれに、上部フレーム63に加工された図示しない取付穴に着脱可能なブラケット83を用いて固定部材(例えば、ボルト)で固定されている。スタンド81Aの収容部内にはフレーム82が上下方向に延伸するように収容されている。このとき、フレーム82は、スタンド81Aに設けられた固定部材(例えば、固定つまみ)で固定されている。そして、パネル70は、フレーム82に固定部材(例えば、ボルト)で固定されている。
【0061】
4個のスタンド81のうちの一対のスタンド81Bはそれぞれ、図4および図5Bに示すように、上部フレーム63の左右両端よりも内側の部分のそれぞれに、上部フレーム63に加工された図示しない取付穴に着脱可能なブラケット84を用いて固定部材(例えば、ボルト)で固定されている。スタンド81Bの収容部内にはフレーム82が上下方向に延伸するように収容されている。このとき、フレーム82は、スタンド81Bに設けられた固定部材(例えば、固定つまみ)で固定されている。そして、パネル70は、フレーム82に固定部材(例えば、ボルト)で固定されている。
【0062】
なお、以上の連結部材80および取付部の構成は、例示であって本例に限定されない。例えば、スタンド81の個数などは、パネル70の大きさに合わせて適宜の個数に設定することができる。また、連結部材80が取付部を構成してもよい。
【0063】
上記のとおり、モックアップ200は、パネル70を立設させることで風圧などを受けやすい構造になっている。このため、従来のモックアップは、モックアップ不使用時(例えば、保管時)において、パネル70が風圧に曝されない配慮が必要である。
【0064】
しかし、本実施例のモックアップ200は、連結部材80を用いて、仮設台60とパネル70およびフレーム82との連結を解除することで、パネル70およびフレーム82を仮設台60から容易に取り外すことができるので、以上の問題を軽減することができる。
【0065】
また、本実施例のモックアップ200は、キャブ20内の作業者がパネル70をフレーム82に固定することができるので、高所作業に必要な機材の準備が不要となる。
【0066】
本実施例のモックアップ200は、上記特徴以外は、実施形態のモックアップ200と同様であってもよい。
【0067】
(変形例)
図6Aおよび図6Bは、実施形態の変形例における航空機ドアのモックアップの一例を示す図である。
【0068】
仮設台60は、パネル70を上下動させるための昇降機構90を備える。昇降機構90は、パネル70を上下動させることができれば、どのような構成であってもよい。
【0069】
図6Aおよび図6Bに示す例では、昇降機構90として、4個のジャッキ91が、仮設台60の下部フレーム61の適所に設けられている。具体的には、下部フレーム61は、上下方向から視るとき、前サブフレーム61F、後サブフレーム61B、右サブフレーム61Rおよび左サブフレーム61Lからなる矩形環状のフレームで構成されており、右サブフレーム61Rおよび左サブフレーム61Lのそれぞれの適所に、ブラケットを用いて2個のジャッキ91がそれぞれ設けられている。
【0070】
このように、本変形例のモックアップ200は、昇降機構90を備えることにより、モックアップ200の高さが調整できるので、例えば、航空機の重量変化による航空機ドアの高さが変動しても、モックアップ200の高さを航空機ドアの高さにまで容易に追従させることができる。また、各ジャッキ91を用いてキャスター62が地面18から浮き上がるまで全体をジャッキアップすることで、モックアップ200が風などの影響で移動するのを防ぐこともできる。
【0071】
なお、以上の昇降機構90の構成は、例示であって本例に限定されない。例えば、ジャッキ91の個数などは、下部フレーム61の大きさに合わせて適宜の個数に設定することができる。
【0072】
以上のように、航空機ドアに対する旅客搭乗橋100の自動装着機能の確認作業において、モックアップ200のパネル70の高さ位置の調整を簡便に行えると便利である。そこで、変形例のモックアップ200は、昇降機構90を用いてパネル70を上下動させることで、かかる昇降機構90を使用しない場合に比べて、航空機ドアに対する旅客搭乗橋100の自動装着機能の確認作業を効率的に行うことができる。
【0073】
本変形例のモックアップ200は、上記特徴以外は、実施形態または実施形態の実施例のモックアップ200と同様であってもよい。
【0074】
なお、実施形態、実施形態の実施例および実施形態の変形例は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
【0075】
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良および他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。例えば、上記では、空港の地上支援機材として、旅客搭乗橋100を例示したが、本開示は、タラップ車の自動装着にも適用することができる。また、本開示は、貨物を積み下ろすための航空機ドアへのアプローチが行われる、ハイリフト車、ベルトローダー車などの貨物車両の自動装着にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本開示の一態様は、従来に比べて、航空機ドアに対する地上支援機材の自動装着機能の確認作業を効率的に行い得る航空機ドアのモックアップに利用することができる。
【符号の説明】
【0077】
10 :トンネル部
10A :トンネル
10B :トンネル
12 :ロタンダ
14 :タイヤ
15 :ドライブコラム
16 :補助階段
18 :地面
20 :キャブ
50 :制御装置
60 :仮設台
61 :下部フレーム
61B :後サブフレーム
61F :前サブフレーム
61L :左サブフレーム
61R :右サブフレーム
62 :キャスター
63 :上部フレーム
64 :側部フレーム
70 :パネル
71 :模様
72 :キックプレート
80 :連結部材
81 :スタンド
81A :スタンド
81B :スタンド
82 :フレーム
83 :ブラケット
84 :ブラケット
90 :昇降機構
91 :ジャッキ
100 :旅客搭乗橋
200 :モックアップ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B