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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143265
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】パフォーマンススコア向上システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 26/00 20060101AFI20220926BHJP
   F24F 11/72 20180101ALI20220926BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20220926BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20220926BHJP
   F24F 11/30 20180101ALI20220926BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20220926BHJP
   F24F 120/14 20180101ALN20220926BHJP
   F24F 120/20 20180101ALN20220926BHJP
【FI】
A63B26/00
F24F11/72
F24F11/80
F24F11/64
F24F11/30
F24F11/56
F24F120:14
F24F120:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043692
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 理人
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260AB11
3L260AB14
3L260BA02
3L260BA05
3L260BA06
3L260BA10
3L260BA64
3L260BA74
3L260CA04
3L260CA08
3L260CB62
3L260EA01
3L260FA02
3L260FC26
3L260FC27
3L260FC35
3L260FC38
3L260GA15
3L260JA12
(57)【要約】
【課題】宅内におけるユーザの評価に適したシステムを提供する。
【解決手段】パフォーマンススコア向上システム100であって、床と天井と壁とで囲まれたパフォーマンス向上空間R(部屋R)に設けられ当該パフォーマンス向上空間Rの環境を調整する室内環境調整手段2と、パフォーマンス向上空間Rに設けられ当該パフォーマンス向上空間RにおけるユーザUのパフォーマンスを検知するパフォーマンス確認手段3と、中継装置1(コントロールパネル1)と、中継装置1と通信可能な管理サーバ4と、を備え、管理サーバ4は、パフォーマンス確認手段3の検知結果に基づいてユーザUのパフォーマンススコアを算出するスコア算出手段と、スコア算出手段によって算出されたスコアに基づいて室内環境調整手段2の動作内容を決定する動作内容決定手段と、を備え、中継装置1は、動作内容決定手段が決定した動作内容に従って室内環境調整手段2の動作を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床と、天井と、壁と、で囲まれたパフォーマンス向上空間に設けられ、当該パフォーマンス向上空間の環境を調整する室内環境調整手段と、
前記パフォーマンス向上空間に設けられ、当該パフォーマンス向上空間におけるユーザのパフォーマンスを検知するパフォーマンス確認手段と、
中継装置と、
前記中継装置と通信可能な管理サーバと、を備え、
前記管理サーバは、
前記中継装置を介して取得した前記パフォーマンス確認手段の検知結果に基づいて、前記ユーザのパフォーマンススコアを算出するスコア算出手段と、
前記スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアに基づいて前記室内環境調整手段の動作内容を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を前記中継装置に送信する動作内容決定手段と、を備え、
前記中継装置は、前記動作内容決定手段からの指示情報に従って、前記室内環境調整手段の動作を制御することを特徴とするパフォーマンススコア向上システム。
【請求項2】
請求項1に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、
前記管理サーバは、前記中継装置を介して、前記ユーザに、前記室内環境調整手段による環境調整の効果を確認するための確認テストを実行させるテスト手段を備え、
前記動作内容決定手段は、前記スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアと、前記確認テストの結果と、に基づいて前記室内環境調整手段の動作内容を決定することを特徴とするパフォーマンススコア向上システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、
前記管理サーバは、前記スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアと、当該パフォーマンススコアを利用する利用者からの要望と、に基づいて作成したスケジュールを、前記中継装置を介して前記ユーザに提案するスケジュール提案手段を備えることを特徴とするパフォーマンススコア向上システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、
前記室内環境調整手段として、
前記パフォーマンス向上空間の光環境を調整する光環境調整手段と、
前記パフォーマンス向上空間の音環境を調整する音環境調整手段と、
前記パフォーマンス向上空間の映像環境を調整する映像環境調整手段と、
前記パフォーマンス向上空間の温湿度環境を調整する温湿度環境調整手段と、
前記パフォーマンス向上空間の気圧を調整する気圧調整手段と、
前記パフォーマンス向上空間の酸素濃度を調整する酸素調整手段と、
前記パフォーマンス向上空間の香りを調整する香り調整手段と、の少なくとも一つを備えることを特徴とするパフォーマンススコア向上システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、
前記室内環境調整手段として、植物及び潅水装置を備えることを特徴とするパフォーマンススコア向上システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、
前記動作内容決定手段は、
作業に適した室内環境を形成するための動作内容と、
リフレッシュに適した室内環境を形成するための動作内容と、
瞑想に適した室内環境を形成するための動作内容と、
疲労回復に適した室内環境を形成するための動作内容と、
睡眠に適した室内環境を形成するための動作内容と、
発汗を伴う運動に適した室内環境を形成するための動作内容と、
高負荷トレーニングに適した室内環境を形成するための動作内容と、の少なくとも一つを決定可能であることを特徴とするパフォーマンススコア向上システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パフォーマンススコア向上システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば銀行等の金融機関が個人に融資を行ったりサービスを提供したりする場合に、その個人の、現時点では確定していない将来の可能性に関する情報(ユーザ個人の行動履歴に基づく信用度の情報:信用スコア)を用いて個人を評価する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。このような技術は、例えば、会社における個々の社員の人事評価を行う場合や、進学時における個々の学生の評価を行う場合等にも有効な手段となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6514813公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような従来のシステムでは、スマートフォン等のユーザ端末と管理サーバとの間で、ユーザの行動履歴を含む情報のやり取りが常時行われる。そのため、ユーザ端末を携行していれば、場所や時間を選ばずにユーザの行動履歴を含む情報のやり取りを行うことができるメリットがある。
一方、近年、省エネやワークライフバランス等を目的として、様々な企業においても、また社会的にもテレワークが推奨されている。また、住宅内に、花粉や黄砂、ウイルス等を極力持ち込まないようにするためにもテレワークの需要が高まっている。すなわち、近年においては在宅時間が格段に増えている傾向にある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、宅内におけるユーザの評価に適したパフォーマンススコア向上システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、パフォーマンススコア向上システム100であって、例えば図1図5に示すように、
床と、天井と、壁と、で囲まれたパフォーマンス向上空間R(部屋R)に設けられ、当該パフォーマンス向上空間Rの環境を調整する室内環境調整手段2と、
前記パフォーマンス向上空間Rに設けられ、当該パフォーマンス向上空間RにおけるユーザUのパフォーマンスを検知するパフォーマンス確認手段3と、
中継装置1(コントロールパネル1)と、
前記中継装置1と通信可能な管理サーバ4と、を備え、
前記管理サーバ4は、
前記中継装置1を介して取得した前記パフォーマンス確認手段3の検知結果に基づいて、前記ユーザUのパフォーマンススコアを算出するスコア算出手段と、
前記スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアに基づいて前記室内環境調整手段2の動作内容を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を前記中継装置1に送信する動作内容決定手段と、を備え、
前記中継装置1は、前記動作内容決定手段からの指示情報に従って、前記室内環境調整手段2の動作を制御することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、床と天井と壁とで囲まれたパフォーマンス向上空間R(部屋R)に、当該パフォーマンス向上空間RにおけるユーザUのパフォーマンスを検知するパフォーマンス確認手段3が設けられており、そのパフォーマンス確認手段3の検知結果に基づいてユーザUのパフォーマンススコアを算出するので、ユーザUがユーザ端末を携行しなくても、宅内に設置されたパフォーマンス確認手段3を用いてユーザUのパフォーマンススコアを評価できる。
さらに、パフォーマンス向上空間Rには、当該パフォーマンス向上空間Rの環境を調整する室内環境調整手段2が設けられており、その室内環境調整手段2の動作内容をユーザUのパフォーマンススコアに基づいて決定するので、ユーザUが室内環境調整手段2によって環境調整された室内(パフォーマンス向上空間R)で過ごすだけで、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
したがって、床と天井と壁とで囲まれたパフォーマンス向上空間Rに設けられた手段2,3によって、パフォーマンススコアを評価することができるとともに、パフォーマンススコアを向上させることができるので、パフォーマンススコア向上システム100は、宅内におけるユーザUの評価に適している。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、例えば図1図5に示すように、
前記管理サーバ4は、前記中継装置1(コントロールパネル1)を介して、前記ユーザUに、前記室内環境調整手段2による環境調整の効果を確認するための確認テストを実行させるテスト手段を備え、
前記動作内容決定手段は、前記スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアと、前記確認テストの結果と、に基づいて前記室内環境調整手段2の動作内容を決定することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、動作内容の決定に、スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアだけでなく、室内環境調整手段2による環境調整の効果を確認するための確認テストの結果も反映されるので、室内環境調整手段2に、ユーザUのポテンシャルをより一層高める環境・空間を形成させることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、例えば図1図5に示すように、
前記管理サーバ4は、前記スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアと、当該パフォーマンススコアを利用する利用者(例えば情報利用企業C)からの要望と、に基づいて作成したスケジュールを、前記中継装置1(コントロールパネル1)を介して前記ユーザUに提案するスケジュール提案手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザUにスケジュールを提案することができ、そのスケジュールにはユーザUのパフォーマンススコアが反映されているので、ユーザUが提案されたスケジュールに従って生活するだけで、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
また、ユーザUに提案されるスケジュールには、ユーザUのパフォーマンススコアだけでなく、当該パフォーマンススコアを利用する利用者(例えば情報利用企業C)からの要望も反映されているので、ユーザUが提案されたスケジュールに従って生活するだけで、ユーザUに対する利用者からの評価の向上も期待できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、例えば図1図5に示すように、
前記室内環境調整手段2として、
前記パフォーマンス向上空間R(部屋R)の光環境を調整する光環境調整手段(例えば照明装置2a)と、
前記パフォーマンス向上空間Rの音環境を調整する音環境調整手段(例えばスピーカ2b)と、
前記パフォーマンス向上空間Rの映像環境を調整する映像環境調整手段(例えばプロジェクタ3e)と、
前記パフォーマンス向上空間Rの温湿度環境を調整する温湿度環境調整手段(例えばエアコン2c、除加湿器2d、壁放射冷暖房装置2e、床暖房装置2f、空気清浄装置2g)と、
前記パフォーマンス向上空間Rの気圧を調整する気圧調整手段(例えば気圧調整装置2h)と、
前記パフォーマンス向上空間Rの酸素濃度を調整する酸素調整手段(例えば酸素調整装置2i)と、
前記パフォーマンス向上空間Rの香りを調整する香り調整手段(例えば芳香発生装置2j)と、の少なくとも一つを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、室内環境調整手段2によって、パフォーマンス向上空間R(部屋R)の光環境、音環境、映像環境、温湿度環境、気圧、酸素濃度、香りのうち少なくとも一つを調整されるので、ユーザUが室内環境調整手段2によって環境調整された室内(パフォーマンス向上空間R)で過ごすだけで、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、例えば図1図5に示すように、
前記室内環境調整手段2として、植物及び潅水装置2kを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、パフォーマンス向上空間R(部屋R)に植物及び潅水装置2kが設けられているので、効果的にリフレッシュすることが可能となり、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載のパフォーマンススコア向上システムにおいて、例えば図1図5に示すように、
前記動作内容決定手段は、
作業に適した室内環境を形成するための動作内容(作業集中用動作内容)と、
リフレッシュに適した室内環境を形成するための動作内容(リフレッシュ用動作内容)と、
瞑想に適した室内環境を形成するための動作内容(瞑想用動作内容)と、
疲労回復に適した室内環境を形成するための動作内容(疲労回復用動作内容)と、
睡眠に適した室内環境を形成するための動作内容(睡眠用動作内容)と、
発汗を伴う運動に適した室内環境を形成するための動作内容(発汗促進用動作内容)と、
高負荷トレーニングに適した室内環境を形成するための動作内容(高負荷用動作内容)と、の少なくとも一つを決定可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、動作内容決定手段によって、作業、リフレッシュ、瞑想、疲労回復、睡眠、発汗を伴う運動、高負荷トレーニングのうち少なくとも一つに適した室内環境を形成するための動作内容が決定されるので、ユーザUが室内環境調整手段2によって環境調整された室内(パフォーマンス向上空間R)で過ごすだけで、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、宅内におけるユーザの評価に適したパフォーマンススコア向上システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るパフォーマンススコア向上システムの構成を示す概略図である。
図2】コントロールパネル、室内環境調整手段及びパフォーマンス確認手段の概略構成を示すブロック図である。
図3】部屋(パフォーマンス向上空間)の一例を示す。
図4】管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
図5】各環境調整プログラムを実行する順序の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、以下に挙げる実施形態及び図示例は可能な限り組み合わせてもよい。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係るパフォーマンススコア向上システム100の構成を示す概略図である。パフォーマンススコア向上システム100は、宅内におけるユーザUのパフォーマンスを評価するとともに、宅内におけるユーザUのパフォーマンスを向上させるためのシステムである。
パフォーマンススコア向上システム100は、コントロールパネル1と、室内環境調整手段2と、パフォーマンス確認手段3と、を備えており、これらはユーザUが居住する建物(ユーザ宅H)に設けられている。また、パフォーマンススコア向上システム100は、管理サーバ4を備えており、管理サーバ4は、通信ネットワークN1を介してコントロールパネル1と接続されている。また、管理サーバ4は、通信ネットワークN2を介して外部装置(例えば情報利用企業Cが使用する情報端末)と接続されている。
【0022】
通信ネットワークN1,N2は、特には限られないが、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等とすることができる。また、図1では、通信ネットワークN1,N2が別個に描かれているが、これらは共通の通信ネットワークであってもよい。
また、本実施形態のユーザ宅Hは戸建て住宅とするが、これに限定されず、適宜変更可能である。
【0023】
ユーザ宅H内のうち、少なくとも一つの部屋Rはパフォーマンス向上空間になっており、部屋(パフォーマンス向上空間)Rには、室内環境を調整するための室内環境調整手段2が設置されるとともに、ユーザUの行動(パフォーマンス)を検知するためのパフォーマンス確認手段3が設けられている。
室内環境調整手段2及びパフォーマンス確認手段3は、コントロールパネル1と通信可能に接続(無線接続又は有線接続)されている。コントロールパネル1は、室内環境調整手段2の動作を制御し、パフォーマンス確認手段3の検知結果(ユーザUの行動に係る情報)を収集する。コントロールパネル1が収集した情報は、外部の管理サーバ4に送信される。
【0024】
図2は、コントロールパネル1、室内環境調整手段2及びパフォーマンス確認手段3の概略構成を示すブロック図である。
コントロールパネル1は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等により構成され、コントロールパネル1の動作を集中制御する制御部11と、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部11が実行する各種プログラムやコントロールパネル1に必要な各種データ等を記憶する記憶部12と、室内環境調整手段2やパフォーマンス確認手段3との間で通信を行ったり、通信ネットワークN1を介して接続された管理サーバ4との間で通信を行ったりする通信部13と、各種操作ボタンなどから構成される操作部14と、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等から構成される表示部15と、を備えている。なお、コントロールパネル1の構成は、これに限定されず、例えば操作部14は表示部15の表面に積層されたタッチパネルであってもよい。
【0025】
ユーザ宅Hには、部屋R内の環境(パフォーマンス向上空間の環境)を調整するための室内環境調整手段2として、例えば図2に示すように、照明装置2a、スピーカ2b、エアコン2c、除加湿器2d、壁放射冷暖房装置2e、床暖房装置2f、空気清浄装置2g、気圧調整装置2h、酸素調整装置2i、芳香発生装置2j、植物及び潅水装置2kが設けられている。
なお、ユーザ宅Hに設けられる室内環境調整手段2は、これらの手段2a~2kに限定されず適宜変更可能であり、例えば、これらの手段2a~2kのうちのいずれかであってもよい。また、ユーザ宅Hには、室内環境調整手段として、これらの手段2a~2k以外が設けられていてもよい。
【0026】
照明装置2aは、調光機能及び調色機能のうち少なくとも一の機能を有している。すなわち、照明装置2aによって、部屋Rの光環境を調整できるようになっている。
スピーカ2bは、当該スピーカ2bと通信可能に接続(無線接続又は有線接続)された音データ送信装置(コントロールパネル1等)から送信される音データに基づく音を出力する。例えば、スピーカ2bから音楽や自然の音を出力することで、部屋Rの音環境を調整できるようになっている。また、部屋Rが防音室でない場合には、スピーカ2bから雑音を打ち消す音を出力することで、部屋Rの音環境を調整できるようになっている。
【0027】
エアコン2cは、温度調整機能、湿度調整機能、空気清浄機能、風量調整機能及び風速調整機能のうち少なくとも一の機能を有している。すなわち、エアコン2cによって、部屋Rの温熱環境、空気環境を調整できるようになっている。
除加湿器2dは、湿度調整機能を有している。すなわち、除加湿器2dによって、部屋Rの温熱環境を調整できるようになっている。除加湿器2dを設置することで、年間を通して安定した湿度調整が可能となる。湿度が低くなる冬季は特に、エアコン2cの湿度調整機能だけでは、所望の湿度に調整することが困難である場合が多いので、エアコン2cを加湿運転することに加えて(あるいは替えて)、除加湿器2dを加湿運転することは有効である。
【0028】
壁放射冷暖房装置2eは、内部の管材に高温又は低温の流体を流通させて表面から熱放射する放射冷暖房装置であり、温度調整機能を有している。また、床暖房装置2fも、温度調整機能を有している。すなわち、壁放射冷暖房装置2eや床暖房装置2fによって、部屋Rの温熱環境を調整できるようになっている。さらに、壁放射冷暖房装置2eや床暖房装置2fは、送風を使用しないで温度調整を行うものであるので、例えばウイルスや菌、埃等が拡散しにくく、部屋Rの空気環境を清浄に保つことができる。壁放射冷暖房装置2e及び床暖房装置2fのいずれか一方を設置するだけでも十分に温度調整できるが、壁放射冷暖房装置2e及び床暖房装置2fの双方を設置することで、例えば、冬季は主に床暖房装置2fを使用して足元を集中的に暖めて、夏季は壁放射冷暖房装置2eを使用して上半身を集中的に涼しくしたり天井付近の熱溜まり解消したりする、といったような使い分けができ、より好ましい。
【0029】
空気清浄装置2gは、空気清浄機能を有している。すなわち、空気清浄装置2gによって、部屋Rの空気環境を調整できるようになっている。空気清浄装置2gだけでも十分に空気を浄化できるが、エアコン2cと併用することで、例えば、部屋Rの下部に設置した空気清浄装置2gによって部屋Rの下部から清浄な空気を部屋R内へと送り込み、エアコン2cによって部屋Rの上部から部屋R内の空気を部屋R外へと排出することが可能となる。これにより、部屋R内の空気を循環させることができるので、例えば花粉や黄砂、臭気、湿気、埃、ウイルス等を部屋R外に効果的に排出することができ、より好ましい。なお、空気清浄装置2gに替えて、部屋Rの下部に換気装置等を設置して、部屋Rの下部から新鮮な空気(例えば外気)を部屋R内へと送り込み、エアコン2cによって部屋Rの上部から部屋R内の空気を部屋R外へと排出することでも、同様の効果が得られる。
【0030】
気圧調整装置2hは、部屋R内の気圧を調整するものであり、例えば、部屋R内を低気圧状態にする低気圧モードに設定することができる。例えば、ユーザUが部屋R内で運動するとき等に気圧調整装置2hを低気圧モードで稼働させることで、高負荷トレーニングが可能となる。すなわち、気圧調整装置2hによって、高負荷トレーニングに適した環境を形成することができる。
【0031】
酸素生成装置2iは、部屋R内の酸素濃度を調整するものであり、例えば、部屋R内を低酸素状態にする低酸素モードや、部屋R内を高酸素状態にする高酸素モードに設定することができる。例えば、ユーザUが部屋R内で運動するとき等に酸素生成装置2iを低酸素モードで稼働させることで、高負荷トレーニングが可能となる。また、ユーザUが部屋R内で休息(睡眠や疲労回復)するとき等に酸素生成装置2iを高酸素モードで稼働させることで、効率的かつ効果的な休息が可能となる。すなわち、酸素生成装置2iによって、高負荷トレーニングや休息に適した環境を形成することができる。
【0032】
芳香発生装置2jは、芳香成分を部屋R内に放出するものである。芳香発生装置2jには、複数種類の芳香剤(例えば、フローラル系の芳香剤やシトラス系の芳香剤等)が内蔵されており、放出する芳香の種類を切替可能となっている。すなわち、芳香発生装置2jによって、部屋R内の香りを調整できるようになっている。
【0033】
植物及び潅水装置2kは、目に優しい緑を提供し、人に安らぎを与える植物である観葉植物と、当該観葉植物に潅水する潅水装置と、からなる。緑視率を高めることで、リラックス効果、作業効率向上効果、眼精疲労をやわらげる効果等があるので、植物及び潅水装置2kによって、仕事に適した環境を形成することができる。観葉植物だけでなく、潅水装置を設置することで、ユーザUが水やりをする必要がなくなる。また、潅水装置を設置することで、せせらぎを再現できるので、より高いリラックス効果が期待できる。
なお、部屋Rに、観葉植物ではなく、フェイクグリーンを設けることも可能であるが、観葉植物の方が成長の変化があるので、ユーザUの気分が変わり、より高いリラックス効果が期待できる。
このように、室内環境調整手段2によって、ユーザUの健康増進、モチベーション向上、ストレス緩和等を図ることができるので、パフォーマンススコアの向上につながる。
【0034】
ユーザ宅Hには、ユーザUの行動(パフォーマンス)を検知するためのパフォーマンス確認手段3として、例えば図2に示すように、ルームランナー3a、体組成計3b、圧力センサ付きチェアー3c、圧力センサ付きベッド3d、プロジェクタ(及びロールスクリーン)3e、ウェアラブル端末3fが設けられている。
なお、ユーザ宅Hに設けられるパフォーマンス確認手段3は、これらの手段3a~3fに限定されず適宜変更可能であり、例えば、これらの手段3a~3fのうちのいずれかであってもよい。また、ユーザ宅Hには、パフォーマンス確認手段として、これらの手段3a~3f以外が設けられていてもよい。
【0035】
ルームランナー3aは、ユーザUの運動能力向上・健康状態向上等に寄与する。ルームランナー3aは、運動時間(ルームランナー3aの使用時間)や運動強度(ルームランナー3aの設定速度)等を検知することができる。
体組成計3bは、ユーザUの健康状態把握・健康状態向上等に寄与する。体組成計3bは、ユーザUの体重やBMI、体脂肪率、内臓脂肪レベル等を検知することができる。
圧力センサ付きチェアー3cは、デスクに向かう時間の把握・集中度の判定に寄与する。すなわち、圧力センサ付きチェアー3c、ユーザUが仕事や勉強等の作業を行うときに使用するデスクに向かった時間等を検知することができる。
圧力センサ付きベッド3dは、睡眠時間の把握・睡眠状態の判定に寄与する。すなわち、圧力センサ付きベッド3dは、ユーザUの睡眠時間や睡眠の質等を検知することができる。
【0036】
プロジェクタ3eは、ロールスクリーンと併用され、ウェブ会議やオンライン講習等に用いられる。すなわち、プロジェクタ3eは、ウェブ会議やオンライン講習等の時間等を検知することができる。さらに、プロジェクタ3eは、休憩時にリラックス効果を期待できる画像を映写し、リフレッシュ効率の向上に寄与する。すなわち、プロジェクタ3eは、パフォーマンス確認手段3としてだけでなく、室内環境調整手段2としても機能する。
ウェアラブル端末3fは、ユーザUが装着し、宅内でも宅外でも利用可能となっており、健康状態・睡眠状態・運動量の判定に寄与する。ウェアラブル端末3fは、例えば、歩数、移動距離、消費カロリー、睡眠状態(時間や質など)、心拍数、部屋(パフォーマンス向上空間)Rの使用時間等を検知することができる。
【0037】
図3に、部屋R(床と天井と壁とで囲まれたパフォーマンス向上空間R)の一例を示す。
図3に示す部屋Rは、例えば防音室であり、第一壁部には、コントロールパネル1と、エアコン2cが設置されている。
第一壁部に直交する第二壁部には、壁放射冷暖房装置2eが設置されている。壁放射冷暖房装置2eは、内部の管材(図示省略)に高温又は低温の流体を流通させて表面から熱放射する装置であり、第二壁部の壁面に接して設けられている。
【0038】
第二壁部に対向する第三壁部には、プロジェクタ3e(図示省略)と併用されるロールスクリーンと、植物及び潅水装置2kと、が設置されている。また、植物及び潅水装置2kを介して第三壁部に沿ってカウンターテーブルTが設置されており、圧力センサ付きチェアー3cに座ってカウンターテーブルTで仕事や勉強等の作業を行うことができるようになっている。また、ユーザUが作業を行うときに使うデスク(カウンターテーブルT)の前方に植物及び潅水装置2kが配置されているので、緑視率が高まり効果的である。また、カウンターテーブルTの下方(具体期には、植物及び潅水装置2kの潅水装置を収納するための収納ボックスB内)に空気清浄装置2gに配置されているので、部屋Rの下部から清浄な空気を部屋R内へと送り込み、部屋Rの上部からエアコン2cによって部屋R内の空気を部屋R外へと排出すること、すなわち部屋R内の空気を循環させることが可能となっている。
さらに、部屋Rには、ルームランナー3aが設けられている。
第一壁部に対向する第四壁部には、部屋Rに出入りするための開口部が形成されており、当該開口部には開閉扉Dとして防音ドアが取り付けられている。
【0039】
なお、図3では、便宜上、照明装置2aやプロジェクタ3eの図示を省略している。
また、部屋Rに気圧調整装置2hや酸素生成装置2iを設置する場合には、当該部屋Rは、気密性が高いことが好ましく、その場合、当該部屋Rの開閉扉Dには、例えば高気密・防音ドアが採用される。
また、図3に示す部屋Rは、上記の室内環境調整手段2(手段2a~2k)の一部を備えているとともに、上記のパフォーマンス確認手段3(手段3a~3f)の一部を備えているが、これに限定されない。すなわち、一の部屋Rに、上記の室内環境調整手段2(手段2a~2k)や上記のパフォーマンス確認手段3(手段3a~3f)の全てが備えられてもよいし、一部が備えられてもよい。
【0040】
また、ユーザ宅Hは、図3に示す部屋(パフォーマンス向上空間)R以外にも、一又は複数の部屋(パフォーマンス向上空間)Rを備えていてもよい。具体的には、図3に示す部屋Rは書斎(テレワーク室)であるが、ユーザ宅Hは、部屋(パフォーマンス向上空間)Rとして、照明装置2a等の室内環境調整手段2及び圧力センサ付きチェアー3c等のパフォーマンス確認手段3が設置された書斎(図3参照)の他に、例えば、照明装置2a等の室内環境調整手段2及び圧力センサ付きベッド3d等のパフォーマンス確認手段3が設置された寝室等を備えていてもよい。
【0041】
図4は、管理サーバ4の概略構成を示すブロック図である。
管理サーバ4は、制御部41と、通信部42と、記憶部43と、を備えており、コントロールパネル1から受信した情報(ユーザUの行動に係る情報)に基づいて、ユーザUのパフォーマンススコアを算出する(スコア算出プログラム45h)。
そして、算出結果に基づいて、室内環境調整手段2を最適な状態で作動させるための動作内容を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報をコントロールパネル1に送信する(各種環境調整プログラム45a~45g)。すなわち、室内環境調整手段2に、ユーザUのポテンシャルを高める環境・空間を形成させる。これにより、室内環境調整手段2によって環境調整された室内(パフォーマンス向上空間)で過ごすだけで、パフォーマンススコアの向上が期待できる。
また、室内環境調整手段2による環境調整の効果を確認するため、ユーザUに確認テスト(スコアアップテスト)を実行させることができる(スコアアップテストプログラム45i)。
また、パフォーマンススコアの向上のため、ユーザUに運動や学習、睡眠等のスケジュールを提案できる(スケジュール提案プログラム45j)。
【0042】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
そして、CPUは、記憶部43に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、パフォーマンススコア向上システム100を集中制御するようになっている。
【0043】
通信部42は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部42は、通信ネットワークN1を介して接続されたコントロールパネル1との間で各種信号や各種データを送受信するとともに、通信ネットワークN2を介して接続された外部装置(例えば情報利用企業Cが使用する情報端末)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0044】
記憶部43は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、記憶部43、制御部41が実行する各種プログラムや、パフォーマンススコア向上システム100の制御に必要な各種データを記憶している。
【0045】
記憶部43には、例えば、ユーザ情報テーブル44aが格納されている。このユーザ情報テーブル44aは、パフォーマンススコア向上システム100を利用するユーザに関する情報が記憶されている。
具体的には、ユーザ情報テーブル44aは、例えば、ユーザを識別するためのユーザIDと、当該ユーザに関するユーザ情報と、当該ユーザが居住する建物に設けられているコントロールパネル1を識別するためのコントロールパネルIDと、当該コントロールパネル1が管理する部屋(パフォーマンス向上空間)Rを識別するための部屋IDと、当該部屋Rに設けられている室内環境調整手段2の種類及びパフォーマンス確認手段3の種類と、を対応付けて記憶している。本実施形態では、一つのコントロールパネル1で複数の部屋R(例えば書斎と寝室)を管理できるようになっている。これにより、ユーザ宅Hに複数の部屋(パフォーマンス向上空間)Rがあっても、当該ユーザ宅Hに一つのコントロールパネル1を設けるだけでよいので、システム導入コスト等の点で有利である。
ここで、ユーザ情報は、例えば、ユーザの属性(年齢や性別など)、会社名、職種、職歴、資格情報、勤務体系、初期スコア(最初にスコア算出手段が算出したスコア)、スコアアップテスト(後述)の結果等である。
【0046】
制御部41は、スコア算出プログラム45hを実行することによって、コントロールパネル1を介して取得したパフォーマンス確認手段3の検知結果(ユーザUの行動に係る情報)に基づきユーザUのパフォーマンススコアを算出するスコア算出手段として機能する。
具体的には、制御部41は、スコア算出用情報テーブル44bに記憶されている情報に基づいて、ユーザUのパフォーマンススコアを算出する。
より具体的には、制御部41は、例えば、スコア算出用情報テーブル44bに記憶されている情報を用いて機械学習により学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルを用いてユーザUのパフォーマンススコアを算出する。
【0047】
スコア算出用情報テーブル44bには、例えば、ユーザのユーザIDと、当該ユーザのユーザ情報と、当該ユーザの行動に係る情報(パフォーマンス確認手段3の検知結果)と、当該ユーザのパフォーマンススコアと、が対応付けて記憶されている。
ユーザID及びユーザ情報は、例えば、パフォーマンス確認手段3の検知結果を受信すると、ユーザ情報テーブル44aから抽出されるようになっている。具体的には、パフォーマンス確認手段3の検知結果は、コントロールパネルIDとともにコントロールパネル1から管理サーバ4へと送信されるようになっている。制御部41は、パフォーマンス確認手段3の検知結果及びコントロールパネルIDを通信部42が受信すると、当該受信したコントロールパネルIDに対応するユーザID及びユーザ情報をユーザ情報テーブル44aから抽出し、受信したパフォーマンス確認手段3の検知結果と、抽出したユーザID及びユーザ情報と、をスコア算出用情報テーブル44bに登録するようになっている。
また、制御部41(スコア算出手段)は、パフォーマンススコアを算出すると、算出したパフォーマンススコアをスコア算出用情報テーブル44bに登録するようになっている。
【0048】
本実施形態では、パフォーマンススコアの算出に、ユーザUの属性を反映するようになっている。これにより、ユーザUの年齢や性別に見合ったパフォーマンススコアを算出することができるので、公平な評価が可能となる。
また、その他の情報を反映することも可能である。具体的には、例えば、スコア算出用情報テーブル44bに、健康診断を受けたか否かの情報や、健康診断の結果に関する情報を登録して、パフォーマンススコアの算出にこれらの情報を反映するようにしてもよい。これにより、例えば、スコア算出用情報テーブル44bに記憶されている情報等(例えば運動を継続した結果の情報や健康状態に係る情報)に基づいてオンライン健康診断を受けるとスコアアップする、さらに医師からの評価が良好な場合はスコアアップする、等の評価が可能となり、ユーザUの健康診断を受けようとする意欲、健康になろうという意欲を高めることができる。
なお、パフォーマンススコアの算出方法は、上述の方法(学習済みモデルを用いる方法)に限定されず適宜変更可能である。
【0049】
制御部41(スコア算出手段)によって算出されたパフォーマンススコアは、提携する情報利用者(例えば情報利用企業C)に送信されて活用される。情報利用者が、ユーザUが所属する企業の場合、取得したパフォーマンススコアは、例えば人事評価に用いられる。情報利用者が、金融機関(電子マネー含む)の場合、取得したパフォーマンススコアは、例えば与信審査等に用いられる。情報利用者が、保険業を行う金融機関(保険会社)の場合、取得したパフォーマンススコアは、例えば生命保険の保険料の引き下げ等に用いられる。情報利用者が、行政機関の場合、取得したパフォーマンススコアは、例えば減税等に用いられる。すなわち、パフォーマンススコアには、情報(パフォーマンススコア)を取得する情報利用者に応じて様々な利用方法がある。
また、情報利用者は、パフォーマンススコアの向上に必要と考えられる要素を、ユーザU(管理サーバ4)に提案することができる。例えば、情報利用者が、ユーザUが所属する企業である場合、例えば睡眠や運動によって健康状態を向上させれば、人事評価が上がると考えられる場合には、情報利用者は、睡眠時間や運動量の増加を要求する。この要求(要望)は、ユーザUに提供するスケジュール(後述)等に反映される。
【0050】
また、制御部41(スコア算出手段)によって算出されたユーザUのパフォーマンススコアを、コントロールパネル1に送信して、ユーザUに提示するようにしてもよい。その際に、例えば、『仕事や勉強等の作業スケジュール中に、圧力センサ付きチェアー3cの反応時間が短く、かつ、圧力センサ付きベッド3dの反応時間が長かったので、スコアダウンしました』等のスコアダウンした理由や、『作業が終了した後の作業後スケジュール中に、ルームランナー3aの使用時間が長かったので、スコアアップしました』等のスコアアップした理由も併せて提示すると、ユーザUのパフォーマンススコアを向上させるようという意欲を高めることができる。
【0051】
制御部41は、環境調整プログラム45a~45gを実行することによって、スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアに基づいて室内環境調整手段2の動作内容を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報をコントロールパネル1に送信する動作内容決定手段として機能する。
具体的には、制御部41は、動作内容決定用情報テーブル44cに記憶されている情報に基づいて、室内環境調整手段2の動作内容を決定する。
より具体的には、制御部41は、例えば、動作内容決定用情報テーブル44cに記憶されている情報を用いて機械学習により学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルを用いてパフォーマンススコアを向上させる動作内容を決定する。
【0052】
動作内容決定用情報テーブル44cには、例えば、ユーザのユーザIDと、当該ユーザのパフォーマンススコアと、当該ユーザのスコアアップテスト(後述)の結果と、当該ユーザに提案した室内環境調整手段2の動作内容と、が対応付けて記憶されている。
制御部41(スコア算出手段)は、ユーザUのパフォーマンススコアを算出すると、当該パフォーマンススコアをユーザUのユーザIDとともに動作内容決定用情報テーブル44cに登録するようになっている。
スコアアップテストの結果は、コントロールパネル1から管理サーバ4へと送信されるようになっている。制御部41は、スコアアップテストの結果を通信部42が受信すると、当該結果を動作内容決定用情報テーブル44cに登録するようになっている。
また、制御部41(動作内容決定手段)は、室内環境調整手段2の動作内容を決定すると、当該動作内容(ユーザUに提案する動作内容)を動作内容決定用情報テーブル44cに登録するようになっている。
【0053】
本実施形態において、室内環境調整手段2の動作内容には、作業集中用動作内容と、リフレッシュ用動作内容と、瞑想用動作内容と、疲労回復用動作内容と、睡眠用動作内容と、発汗促進用動作内容と、高負荷用動作内容と、があり、制御部41(動作内容決定手段)は、所定のタイミングになると、そのタイミングに合った動作内容を決定してユーザUに提案する。
具体的には、制御部41(動作内容決定手段)は、例えば、ユーザUの就寝時刻になると、ユーザUに適した睡眠用動作内容を決定する。次いで、ユーザ情報テーブル44aから、当該ユーザUが居住する建物(ユーザ宅H)に設けられているコントロールパネル1のコントロールパネルIDと、当該コントロールパネル1が管理する部屋Rのうち決定した睡眠用動作内容を適用する部屋R(例えば寝室)の部屋IDと、を抽出する。次いで、決定した睡眠用動作内容を指定する指示情報に、抽出した部屋IDを付加して、抽出したコントロールパネルIDのコントロールパネル1に送信する。
そして、コントロールパネル1は、管理サーバ4から指示情報を受信すると、当該指示情報に基づいて、当該指示情報に付加されている部屋IDの部屋Rに設けられている室内環境調整手段2の動作を制御する。これにより、制御部41(動作内容決定手段)が決定した睡眠用動作内容、すなわちユーザUに適した睡眠用動作内容が、ユーザUに提案される。
【0054】
動作内容の決定には、部屋Rに設けられている室内環境調整手段2の種類を反映してもよい。例えば、決定した睡眠用動作内容に、温度環境は床暖房装置2fのみで調整する旨の内容が含まれている場合であって、決定した睡眠用動作内容を適用する部屋R(例えば寝室)に床暖房装置2fが設置されていない場合には、温度環境を調整することができない。したがって、そのような不都合が発生しないように、動作内容決定用情報テーブル44cに、部屋Rに設けられている室内環境調整手段2の種類に関する情報を登録して、動作内容の決定にこの情報を反映するようにしてもよい。また、その場合には、部屋Rに設けられている室内環境調整手段2の種類は、ユーザ情報テーブル44aに記憶されているので、それを抽出して動作内容決定用情報テーブル44cに登録するとよい。
また、制御部41は、決定した動作内容に必要な室内環境調整手段2が、部屋Rに設けられていない場合には、その必要な室内環境調整手段2の設置をユーザUに提案するようにしてもよい。具体的には、制御部41は、例えば、決定した睡眠用動作内容に、温度環境は床暖房装置2fのみで調整する旨の内容が含まれている場合であって、決定した睡眠用動作内容を適用する部屋R(例えば寝室)に床暖房装置2fが設置されていない場合には、設置促進画像(ユーザに対し部屋Rに床暖房装置の設置を促す画像)を表示するための表示データをコントロールパネル1に送信して、コントロールパネル1の表示部15(あるいは、コントロールパネル1と通信可能な、表示部を有する端末等)に当該設置促進画像を表示させるようにしてもよい。これにより、より最適な室内環境を形成するための提案を行うことが可能となる。さらに、これにより、ユーザ宅Hに部屋(パフォーマンス向上空間)Rを追加したユーザUや、ユーザ宅Hにパフォーマンススコア向上システム100を新たに導入するユーザUに対して、部屋Rに設置すべき室内環境調整手段2を提案することも可能となる。
【0055】
また、動作内容の決定には、ユーザUの好みを反映してもよい。すなわち、動作内容決定用情報テーブル44cに、ユーザUの嗜好を示す嗜好情報を登録して、ユーザUに提案する動作内容の決定にこの情報を反映するようにしてもよい。また、その場合には、ユーザUに提案した動作内容が当該ユーザUによって変更された際に、その変更内容がコントロールパネル1を介して管理サーバ4に送信されるので、その変更内容を嗜好情報として動作内容決定用情報テーブル44cに登録するとよい。
例えば、作業集中用動作内容を指定する指示情報に床暖房装置2fを30℃で動作させる旨の情報が含まれており、その指示情報を送信した後に、ユーザUが床暖房装置2fを操作して28℃に変更した場合には、ユーザUは作業集中時には温度設定が低い方が好みであることが分かる。
また、リフレッシュ用動作内容を指定する指示情報に芳香発生装置2jの電源をOFFする旨の情報が含まれており、その指示情報を送信した後に、ユーザUが芳香発生装置2jを操作して電源をONにしてシトラス系の香りを発生させた場合には、ユーザUはリフレッシュ時にはシトラス系の香りをかぐことが好みであることが分かる。
なお、動作内容の決定方法は、上述の方法(学習済みモデルを用いる方法)に限定されず適宜変更可能である。
【0056】
また、動作内容の決定には、ユーザ情報テーブル44aに記憶されているユーザ情報を反映してもよい。すなわち、動作内容決定用情報テーブル44cに、ユーザ情報テーブル44aから抽出したユーザUのユーザ情報を登録して、ユーザUに提案する動作内容の決定にこの情報を反映するようにしてもよい。
さらに、ユーザ情報テーブル44aに記憶されているユーザ情報を、定期的に更新するようにしてもよい。具体的には、制御部41は、例えば、所定の更新タイミングになると、更新促進画像(ユーザに対しユーザ情報の更新を促す画像)を表示するための表示データをコントロールパネル1に送信して、コントロールパネル1の表示部15(あるいは、コントロールパネル1と通信可能な、表示部を有する端末等)に当該更新促進画像を表示させる。ユーザ情報の更新を促すことで、常に最新のユーザ情報に基づいて、パフォーマンススコアを算出したリ、動作内容を決定したりすることが可能となる。ユーザ情報の更新周期は、予め定められていてもよいし(1年に一回や、半年に一回等)、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0057】
制御部41は、作業集中用環境調整プログラム45aを実行することによって、勉強や仕事等の作業に最適な室内環境を形成するための室内環境調整手段2の動作内容(作業集中用動作内容)を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を、通信部42を介してコントロールパネル1に送信する。
コントロールパネル1は、管理サーバ4から作業集中用動作内容を指定する指示情報を受信すると、当該指示情報に基づいて室内環境調整手段2の動作を制御する。これにより、温湿度環境や音環境、空気環境、光環境等が作業に適したものに調整される。そして、その際のユーザUの状態が、パフォーマンス確認手段3によって検知されて、今後決定される作業集中用動作内容に反映されることとなる。
【0058】
表1に、作業集中用動作内容の目安を示す。無論、ユーザによっては、表1の内容から外れた内容の作業集中用動作内容が提案されることもある。
【0059】
【表1】
【0060】
例えば、作業用集中動作内容を適用する部屋Rが防音室でない場合には、スピーカ2bから雑音を打ち消す音を出力することで防音措置を取ることができる。
また、ユーザUは、コントロールパネル1を操作することで、スピーカ2bから集中力を高められる音楽を出力することができる。また、スピーカ2bを、室内環境調整手段2としてだけでなく、パフォーマンス確認手段3としても機能させることで、スピーカ2bによって、音楽を聴いた時間や聴いた音楽の種類等を検知することが可能となる。
【0061】
また、Web会議用のスピーカ及び/又はマイクは、パフォーマンス確認手段3として機能してもよい。すなわち、Web会議用のスピーカ及び/又はマイクは、コントロールパネル1と通信可能であってもよい。Web会議用のスピーカ及び/又はマイクがパフォーマンス確認手段3として機能する場合には、Web会議の時間等を検知することができる。また、Web会議用のスピーカは、スピーカ2bであってもよく、その場合、スピーカ2bを、室内環境調整手段2としてだけでなく、パフォーマンス確認手段3としても機能させることで、Web会議の時間等を検知することが可能となる。
【0062】
制御部41は、リフレッシュ用環境調整プログラム45bを実行することによって、リフレッシュするときに最適な室内環境を形成するための室内環境調整手段2の動作内容(リフレッシュ用動作内容)を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を、通信部42を介してコントロールパネル1に送信する。
コントロールパネル1は、管理サーバ4からリフレッシュ用動作内容を指定する指示情報を受信すると、当該指示情報に基づいて室内環境調整手段2の動作を制御する。これにより、温湿度環境や音環境、映像環境、空気環境、光環境等がリフレッシュするときに適したものに調整される。そして、その際のユーザUの状態が、パフォーマンス確認手段3によって検知されて、今後決定されるリフレッシュ用動作内容に反映されることとなる。また、部屋Rに植物及び潅水装置2kが設置されている場合には、より効果的にリフレッシュすることができる。
【0063】
表2に、リフレッシュ用動作内容の目安を示す。無論、ユーザによっては、表2の内容から外れた内容のリフレッシュ用動作内容が提案されることもある。
【0064】
【表2】
【0065】
例えば、ユーザUは、コントロールパネル1を操作することで、管理サーバ4に瞑想用動作内容を提供させることができる。すなわち、制御部41は、ユーザUからの指示に応じて、瞑想プログラム(瞑想用環境調整プログラム45c)を実行して、当該ユーザUに瞑想用動作内容を提供することができる。また、瞑想用動作内容の他にも、体操プログラム(体操用環境調整プログラム(図示省略))を実行して体操用動作内容を提供したり、ヨガプログラム(ヨガ用環境調整プログラム(図示省略))を実行してヨガ用動作内容を提供したりすることができる。
【0066】
制御部41は、瞑想用環境調整プログラム45cを実行することによって、瞑想するときに最適な室内環境を形成するための室内環境調整手段2の動作内容(瞑想用動作内容)を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を、通信部42を介してコントロールパネル1に送信する。
コントロールパネル1は、管理サーバ4から瞑想用動作内容を指定する指示情報を受信すると、当該指示情報に基づいて室内環境調整手段2の動作を制御する。これにより、温湿度環境や音環境、映像環境、空気環境、かおり環境、光環境等が瞑想するときに適したものに調整される。また、その際のユーザUの状態が、パフォーマンス確認手段3によって検知されて、今後決定される瞑想用動作内容に反映されることとなる。
【0067】
制御部41は、疲労回復用環境調整プログラム45dを実行することによって、疲労回復に最適な室内環境を形成するための室内環境調整手段2の動作内容(疲労回復用動作内容)を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を、通信部42を介してコントロールパネル1に送信する。
コントロールパネル1は、管理サーバ4から疲労回復用動作内容を指定する指示情報を受信すると、当該指示情報に基づいて室内環境調整手段2の動作を制御する。これにより、温湿度環境や音環境、映像環境、空気環境、かおり環境、光環境等が疲労回復に適したものに調整される。そして、その際のユーザUの状態が、パフォーマンス確認手段3によって検知されて、今後決定される疲労回復用動作内容に反映されることとなる。
【0068】
表3に、疲労回復用動作内容の目安を示す。無論、ユーザによっては、表3の内容から外れた内容の疲労回復用動作内容が提案されることもある。
【0069】
【表3】
【0070】
制御部41は、睡眠用環境調整プログラム45eを実行することによって、睡眠に最適な室内環境を形成するための室内環境調整手段2の動作内容(睡眠用動作内容)を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を、通信部42を介してコントロールパネル1に送信する。
コントロールパネル1は、管理サーバ4から睡眠用動作内容を指定する指示情報を受信すると、当該指示情報に基づいて室内環境調整手段2の動作を制御する。これにより、温湿度環境や音環境、空気環境、光環境等が睡眠に適したものに調整される。そして、その際のユーザUの状態が、パフォーマンス確認手段3によって検知されて、今後決定される睡眠用動作内容に反映されることとなる。
【0071】
表4に、睡眠用動作内容の目安を示す。無論、ユーザによっては、表4の内容から外れた内容の睡眠用動作内容が提案されることもある。
【0072】
【表4】
【0073】
例えば、ユーザUは、コントロールパネル1を操作することで、管理サーバ4に仮眠用動作内容を提供させることができる。すなわち、制御部41は、ユーザUからの指示に応じて、睡眠用環境調整プログラム45eを実行して、当該ユーザUに仮眠用動作内容を提供することができる。
【0074】
制御部41は、発汗促進用環境調整プログラム45fを実行することによって、発汗を伴う運動に最適な室内環境を形成するための室内環境調整手段2の動作内容(発汗促進用動作内容)を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を、通信部42を介してコントロールパネル1に送信する。
コントロールパネル1は、管理サーバ4から発汗促進用動作内容を指定する指示情報を受信すると、当該指示情報に基づいて室内環境調整手段2の動作を制御する。これにより、温湿度環境や音環境、映像環境、空気環境、光環境等が発汗を伴う運動に適したものに調整される。そして、その際のユーザUの状態が、パフォーマンス確認手段3によって検知されて、今後決定される発汗促進用動作内容に反映されることとなる。
【0075】
表5に、発汗促進用動作内容の目安を示す。無論、ユーザによっては、表5の内容から外れた内容の発汗促進用動作内容が提案されることもある。
【0076】
【表5】
【0077】
制御部41は、高負荷用環境調整プログラム45gを実行することによって、高負荷トレーニングに最適な室内環境を形成するための室内環境調整手段2の動作内容(高負荷用動作内容)を決定し、当該決定した動作内容を指定する指示情報を、通信部42を介してコントロールパネル1に送信する。
コントロールパネル1は、管理サーバ4から高負荷用動作内容を指定する指示情報を受信すると、当該指示情報に基づいて室内環境調整手段2の動作を制御する。これにより、温湿度環境や音環境、映像環境、空気環境、光環境等が高負荷トレーニングに適したものに調整される。そして、その際のユーザUの状態が、パフォーマンス確認手段3によって検知されて、今後決定される高負荷用動作内容に反映されることとなる。
【0078】
表6に、高負荷用動作内容の目安を示す。無論、ユーザによっては、表6の内容から外れた内容の高負荷用動作内容が提案されることもある。
【0079】
【表6】
【0080】
制御部41は、スコアアップテストプログラム45iを実行することによって、コントロールパネル1を介して、ユーザUに、室内環境調整手段2による環境調整の効果を確認するための確認テスト(スコアアップテスト)を実行させるテスト手段として機能する。
具体的には、制御部41(テスト手段)は、例えば、室内環境調整手段2によって環境調整された室内(パフォーマンス向上空間)で一定期間(例えば1か月)過ごした後、その効果が出ているか否かを確認するため、ユーザUに対して課題(スコアアップテスト)を課す。課題は、ユーザUが認識できるようにしてもよいし、認識できないようにしてもよい。スコアアップテストは定期的に行われるものとする。
【0081】
より具体的には、制御部41(テスト手段)は、ユーザUの集中力を、クレペリンテスト等のテストにより評価する。この場合、制御部41は、例えば、テスト問題を表示するための表示データをコントロールパネル1に送信して、コントロールパネル1の表示部15(あるいは、コントロールパネル1と通信可能な、表示部を有する端末等)にテスト問題を表示させる。そして、テスト結果をコントロールパネル1から取得し、当該テスト結果から集中力を評価して、動作内容決定用情報テーブル44cに登録する。
また、制御部41(テスト手段)は、ユーザUの睡眠質を、睡眠時間、睡眠効率、いびき等により評価する。この場合、制御部41は、例えば、コントロールパネル1から、圧力センサ付きベッド3dやウェアラブル端末3f等の検知結果を取得し、当該検知結果から睡眠質を評価して、動作内容決定用情報テーブル44cに登録する。
【0082】
また、制御部41(テスト手段)は、ユーザUの運動能力を、平衡性、敏捷性、全身持久力(安静時・最大心拍数、血圧)等により評価する。この場合、制御部41は、例えば、コントロールパネル1から、ルームランナー3aやウェアラブル端末3f等の検知結果を取得し、当該検知結果から運動能力を評価して、動作内容決定用情報テーブル44cに登録する。
また、制御部41(テスト手段)は、ユーザUの疲労蓄積度を、ストレス度等を計測するテストにより評価する。この場合、制御部41は、例えば、テスト問題を表示するための表示データをコントロールパネル1に送信して、コントロールパネル1の表示部15(あるいは、コントロールパネル1と通信可能な、表示部を有する端末等)にテスト問題を表示させる。そして、テスト結果をコントロールパネル1から取得し、当該テスト結果から疲労蓄積度を評価して、動作内容決定用情報テーブル44cに登録する。
さらに、制御部41(テスト手段)は、ユーザUのスコアアップテストの結果を、動作内容決定用情報テーブル44cに登録するだけでなく、ユーザ情報テーブル44aにも登録する。これにより、ユーザ情報テーブル44aに記憶されているユーザUのユーザ情報(具体的には、ユーザ情報のうちのスコアアップテストの結果)が更新される。
【0083】
制御部41は、スケジュール提案プログラム45jを実行することによって、仕事や学習等の作業、運動、睡眠のスケジュールを作成し、当該作成したスケジュールを、コントロールパネル1を介してユーザUに提案するスケジュール提案手段として機能する。具体的には、制御部41は、例えば、スケジュールを表示するための表示データをコントロールパネル1に送信して、コントロールパネル1の表示部15(あるいは、コントロールパネル1と通信可能な、表示部を有する端末等)にスケジュールを表示させる。
【0084】
制御部41(スケジュール提案手段)は、例えば、起床時刻、作業開始時刻、昼休憩開始時刻、作業再開時刻、作業終了時刻、就寝時刻等についてのスケジュールを提案する。また、提案したスケジュールに合わせて、制御部41(動作内容決定手段)は、例えば図5に示すような流れで、上記の各環境調整プログラム45a~45gを実行する。
制御部41は、まず、スコア算出プログラム45hを実行して、ユーザUのパフォーマンススコアを算出する。
そして、図5に示すように、制御部41は、提案した起床時刻から作業開始時刻までの間(朝・作業前スケジュール)に、リフレッシュ用環境調整プログラム45bや瞑想用環境調整プログラム45cを実行する。
次いで、提案した作業開始時刻から昼休憩開始時刻までの間(午前中作業スケジュール)に、作業集中用環境調整プログラム45aを実行する。
次いで、提案した昼休憩開始時刻から作業再開時刻までの間(昼休憩スケジュール)は、疲労回復用環境調整プログラム45dや睡眠用環境調整プログラム45eを実行する。
次いで、提案した作業再開時刻から作業終了時刻までの間(午後作業スケジュール)は、作業集中用環境調整プログラム45aやリフレッシュ用環境調整プログラム45bを実行する。
次いで、提案した作業終了時刻から就寝時刻までの間(夜・作業後スケジュール)は、発汗促進用環境調整プログラム45fや高負荷用環境調整プログラム45gやリフレッシュ用環境調整プログラム45bを実行する。
そして、提案した就寝時刻から起床時刻までの間(就寝中スケジュール)は、睡眠用環境調整プログラム45eを実行する。
【0085】
制御部41(スケジュール提案手段)は、スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアと、当該パフォーマンススコアを利用する情報利用者(例えば情報利用企業C)からの要望と、に基づいてスケジュールを作成する。ここで、情報利用者からの要望とは、例えば、ユーザUは居眠りが多いから睡眠時間を増加させたい等の要望である。
このように、本実施形態では、パフォーマンススコアを考慮したスケジュール(すなわち、パフォーマンススコアが向上するスケジュール)であり、かつ情報利用者からの要望を反映したスケジュールをユーザUに提案するので、ユーザUは、このスケジュールに従って行動するだけで自身の評価を高めることができる。また、パフォーマンススコア(作業スコア、運動スコア、睡眠スコア)を考慮したスケジュールをユーザUに提案するので、スコアダウンしていた項目(例えば運動スコア)を強化するためのプログラム(例えば発汗促進用プログラム)を通常よりも長く行うスケジュールをユーザUに提案したり、スコアアップしていた項目(例えば作業スコア)とは別の項目を強化するようなプログラム(例えば高負荷用プログラム等)を追加したスケジュールをユーザUに提案したりすることが可能となる。
【0086】
ユーザUにスケジュールを提案する提案周期(ユーザU用のスケジュールを作成する作成周期)は、適宜選択可能であり、例えば、毎日でもよいし、週に一回でもよいし、月に一回でもよい。また、ユーザUが提案周期を設定できるようにしてもよい。また、ユーザUに新たなスケジュールを提案した際に、ユーザUが、当該新たなスケジュールを採用するか、従来のスケジュールを採用するかを選択(例えばコントロールパネル1を用いて選択)できるようにしてもよい。
また、スケジュールの作成には、最新のユーザ情報を反映してもよい。これにより、例えば、ユーザUのユーザ情報が更新されて資格情報が追加された場合には、資格を取るための勉強で睡眠不足や疲れている可能性があるので、一定期間、睡眠用プログラムや疲労回復用プログラム、リフレッシュ用プログラムを通常よりも長く行うスケジュールをユーザUに提案することが可能となる。また、例えば、ユーザUのユーザ情報が更新されて最新のスコアアップテストの結果が登録された場合であって、前回よりも結果が悪い項目があった場合には、その項目(例えば集中力)を強化するようなプログラム(例えば作業集中用プログラム)を通常よりも長く行うスケジュールをユーザUに提案したり、前回よりも結果が良い項目があった場合には、その項目(例えば疲労蓄積度)とは別の項目を強化するようなプログラム(例えば高負荷用プログラム等)を追加したスケジュールをユーザUに提案したりすることが可能となる。
なお、仕事や学習等の作業スケジュール中やスコアアップテスト中は、部屋Rの出入口を開閉する扉D(図3参照)がロックされるようにしてもよい。密室化を防ぐために、室外側から鍵やコイン等で容易にロック解除できるようにすると、より好ましい。
【0087】
本実施形態によれば、床と天井と壁とで囲まれたパフォーマンス向上空間R(部屋R)には、当該パフォーマンス向上空間RにおけるユーザUのパフォーマンスを検知するパフォーマンス確認手段3が設けられており、そのパフォーマンス確認手段3の検知結果に基づいてユーザUのパフォーマンススコアを算出するので、ユーザUがユーザ端末を携行しなくても、宅内に設置されたパフォーマンス確認手段3を用いてユーザUのパフォーマンススコアを評価できる。
さらに、パフォーマンス向上空間Rには、当該パフォーマンス向上空間Rの環境を調整する室内環境調整手段2が設けられており、その室内環境調整手段2の動作内容をユーザUのパフォーマンススコアに基づいて決定するので、ユーザUが室内環境調整手段2によって環境調整された室内(パフォーマンス向上空間R)で過ごすだけで、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
したがって、床と天井と壁とで囲まれたパフォーマンス向上空間Rに設けられた手段2,3によって、パフォーマンススコアを評価することができるとともに、パフォーマンススコアを向上させることができるので、パフォーマンススコア向上システム100は、宅内におけるユーザUの評価に適している。
【0088】
なお、パフォーマンス確認手段3は、上記のパフォーマンス確認手段3(手段3a~3f)に限定されない。例えば、スマートフォン等の携帯端末やテレビをパフォーマンス確認手段3として機能させることで、作業スケジュール中に、スマートフォン等の情報端末の使用時間が長い場合や、テレビの視聴時間が長い場合はスコアダウンする等の評価が可能となる。
また、中継装置1(コントロールパネル1)は、ユーザ宅H内に設けられていればよく、例えば、パフォーマンス向上空間R(部屋R)以外の部屋に設けられていてもよい。
また、中継装置1(コントロールパネル1)は、建物に設置されたものに限定されず、例えば、持ち運び可能であってもよい。具体的には、例えば、携帯端末(パソコンやタブレット、スマートフォン等)に中継装置1の機能を持たせて、当該携帯端末を用いて、室内環境調整手段2の動作を制御したり、パフォーマンス確認手段3の検知結果(ユーザUの行動に係る情報)を収集したり、管理サーバ4と通信したり、結果(パフォーマンススコアやテスト結果等)やスケジュールを表示したりするようにしてもよい。
また、パフォーマンス向上空間は、ユーザ宅H内の空間(部屋R)に限定されない。すなわち、パフォーマンス向上空間は、床と天井と壁とで囲まれた空間であれば、ユーザ宅H外の空間であってもよく、具体的には、例えば、ユーザ宅Hの敷地内にあるユーザ宅H外の空間(敷地内にある別建物内の空間や、敷地内にある作業スペース用コンテナ内)であってもよいし、ユーザ宅Hの敷地外にある空間(敷地外にある作業スペース用コンテナ内や、レンタルオフィス等)であってもよい。
【0089】
また、本実施形態によれば、動作内容の決定に、スコア算出手段によって算出されたパフォーマンススコアだけでなく、室内環境調整手段2による環境調整の効果を確認するための確認テストの結果も反映されるので、室内環境調整手段2に、ユーザUのポテンシャルをより一層高める環境・空間を形成させることが可能となる。
【0090】
また、本実施形態によれば、ユーザUにスケジュールを提案することができ、そのスケジュールにはユーザUのパフォーマンススコアが反映されているので、ユーザUが提案されたスケジュールに従って生活するだけで、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
また、ユーザUに提案されるスケジュールには、ユーザUのパフォーマンススコアだけでなく、当該パフォーマンススコアを利用する利用者(例えば情報利用企業C)からの要望も反映されているので、ユーザUが提案されたスケジュールに従って生活するだけで、ユーザUに対する利用者からの評価の向上も期待できる。
なお、ユーザUのパフォーマンススコアと、当該パフォーマンススコアを利用する利用者(例えば情報利用企業C)からの要望と、のいずれか一方のみを反映したスケジュールをユーザUに提案してもよい。
【0091】
また、本実施形態によれば、室内環境調整手段2によって、パフォーマンス向上空間R(部屋R)の光環境、音環境、映像環境、温湿度環境、気圧、酸素濃度、香りのうち少なくとも一つが調整されるので、ユーザUが室内環境調整手段2によって環境調整された室内(パフォーマンス向上空間R)で過ごすだけで、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
【0092】
なお、パフォーマンス向上空間R(部屋R)の光環境を調整する光環境調整手段は、照明装置2aに限定されない。すなわち、パフォーマンス向上空間Rには、照明装置2aに加えて(あるいは替えて)、その他の光環境調整手段が設けられていてもよい。
また、パフォーマンス向上空間Rの音環境を調整する音環境調整手段は、スピーカ2bに限定されない。すなわち、パフォーマンス向上空間Rには、スピーカ2bに加えて(あるいは替えて)、その他の音環境調整手段が設けられていてもよい。
また、パフォーマンス向上空間Rの映像環境を調整する映像環境調整手段は、プロジェクタ3eに限定されない。すなわち、パフォーマンス向上空間Rには、プロジェクタ3eに加えて(あるいは替えて)、その他の映像環境調整手段(例えばテレビ)が設けられていてもよい。
【0093】
また、パフォーマンス向上空間Rの温湿度環境を調整する温湿度環境調整手段は、エアコン2c、除加湿器2d、壁放射冷暖房装置2e、床暖房装置2f、空気清浄装置2gに限定されない。すなわち、パフォーマンス向上空間Rには、これらの温湿度環境調整手段2c~2gのうち少なくとも一つが設けられていればよい。また、その他の温湿度環境調整手段が設けられていてもよい。
また、パフォーマンス向上空間Rの気圧を調整する気圧調整手段は、気圧調整装置2hに限定されない。すなわち、パフォーマンス向上空間Rには、気圧調整装置2hに加えて(あるいは替えて)、その他の気圧調整手段が設けられていてもよい。
また、パフォーマンス向上空間Rの酸素濃度を調整する酸素調整手段は、酸素調整装置2iに限定されない。すなわち、パフォーマンス向上空間Rには、酸素調整装置2iに加えて(あるいは替えて)、その他の酸素調整手段が設けられていてもよい。
また、パフォーマンス向上空間Rの香りを調整する香り調整手段は、芳香発生装置2jに限定されない。すなわち、パフォーマンス向上空間Rには、芳香発生装置2jに加えて(あるいは替えて)、その他の香り調整手段が設けられていてもよい。
【0094】
また、本実施形態によれば、パフォーマンス向上空間R(部屋R)に植物及び潅水装置2kが設けられているので、効果的にリフレッシュすることが可能となり、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
【0095】
また、本実施形態によれば、動作内容決定手段によって、作業、リフレッシュ、瞑想、疲労回復、睡眠、発汗を伴う運動、高負荷トレーニングのうち少なくとも一つに適した室内環境を形成するための動作内容が決定されるので、ユーザUが室内環境調整手段2によって環境調整された室内(パフォーマンス向上空間R)で過ごすだけで、ユーザUのパフォーマンススコアの向上が期待できる。
なお、動作内容決定手段が決定する動作内容は、作業集中用動作内容、リフレッシュ用動作内容、瞑想用動作内容、疲労回復用動作内容、睡眠用動作内容、発汗を伴う運動用動作内容、高負荷用動作内容に限定されない。すなわち、動作内容決定手段は、これらの動作内容のうち少なくとも一つを決定するものであればよい。また、その他の動作内容(例えば体操用動作内容やヨガ用動作内容)を決定可能であってもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 コントロールパネル:中継装置
2 室内環境調整手段
2a 照明装置:光環境調整手段
2b スピーカ:音環境調整手段
2c エアコン:温湿度環境調整手段
2d 除加湿器:温湿度環境調整手段
2e 壁放射冷暖房装置:温湿度環境調整手段
2f 床暖房装置:温湿度環境調整手段
2g 空気清浄装置:温湿度環境調整手段
2h 気圧調整装置:気圧調整手段
2i 酸素調整装置:酸素調整手段
2j 芳香発生装置:香り調整手段
2k 植物及び潅漑装置
3 パフォーマンス確認手段
3e プロジェクタ:映像環境調整手段
4 管理サーバ
100 パフォーマンススコア向上システム
R 部屋:パフォーマンス向上空間
U ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5