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特開2022-143274映像記録装置及び映像記録装置制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143274
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】映像記録装置及び映像記録装置制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043703
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】杉田 康夫
(72)【発明者】
【氏名】横山 文彦
(72)【発明者】
【氏名】松岡 智浩
(72)【発明者】
【氏名】口ノ町 剛
(72)【発明者】
【氏名】孝治 吉春
(72)【発明者】
【氏名】唐沢 学
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138BA09
3E138BB05
3E138CC03
3E138EA02
3E138EA15
3E138GA01
3E138HA10
3E138MA02
3E138MF10
(57)【要約】
【課題】車両から取り外す動作が行われることなく車両から脱落してしまっても、ユーザが意図しない処理を誤って実行することがない映像記録装置及び映像記録装置制御プログラムを提供すること。
【解決手段】映像記録装置は、映像記録装置を車両から取り外す動作が行われることなく前記映像記録装置が前記車両から脱落する事象が発生した場合、前記事象が発生したことを示す脱落データを生成する脱落データ生成部と、前記脱落データが生成された場合、前記映像記録装置を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を無効にするよう前記映像記録装置を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像記録装置を車両から取り外す動作が行われることなく前記映像記録装置が前記車両から脱落する事象が発生した場合、前記事象が発生したことを示す脱落データを生成する脱落データ生成部と、
前記脱落データが生成された場合、前記映像記録装置を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を無効にするよう前記映像記録装置を制御する制御部と、
を備える映像記録装置。
【請求項2】
前記脱落データ生成部は、前記インターフェースに対する操作が行われていないという第一条件、前記映像記録装置に接続されているカメラにより撮影された画像の明度が所定の明度を超えているという第二条件及び前記映像記録装置に搭載されている加速度センサにより計測された加速度に関する第三条件の少なくとも一つが満たされた場合に、前記映像記録装置を前記車両から取り外す動作が行われていないと判定する、
請求項1に記載の映像記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記インターフェースに対する操作を無効にした時点から所定の期間を超える期間が経過しているという第四条件、前記映像記録装置に対して特定の操作が行われたという第五条件及び前記映像記録装置が前記車両に取り付けられたという第六条件の少なくとも一つが満たされた場合、前記インターフェースに対する操作を有効にするよう前記映像記録装置を制御する、
請求項1又は請求項2に記載の映像記録装置。
【請求項4】
映像記録装置を車両から取り外す動作が行われることなく前記映像記録装置が前記車両から脱落する事象が発生した場合、前記事象が発生したことを示す脱落データを生成する脱落データ生成機能と、
前記脱落データが生成された場合、前記映像記録装置を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を無効にするよう前記映像記録装置を制御する制御機能と、
をコンピュータに実現させる映像記録装置制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像記録装置及び映像記録装置制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から交通事故の適切な解決を図る目的で交通事故が発生した際における車両の内外の状況を映像として記録する映像記録装置が使用されている。また、更に広い範囲の状況を映像として記録することを可能にする目的で車両から取り外すことが可能な映像記録装置も使用されている。このような映像記録装置として、例えば、特許文献1に開示されているドライブレコーダが挙げられる。このドライブレコーダは、収納箱を介して車体に固定され、収納箱から取り外しが可能な状態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-265787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したドライブレコーダは、車両が急停車した場合、車両が交通事故による衝撃を受けた場合等に収納箱と共に車体から脱落してボタン等が押下され、ユーザが意図しない処理を実行してしまうことがある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、車両から取り外す動作が行われることなく車両から脱落してしまっても、ユーザが意図しない処理を誤って実行することがない映像記録装置及び映像記録装置制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、映像記録装置を車両から取り外す動作が行われることなく前記映像記録装置が前記車両から脱落する事象が発生した場合、前記事象が発生したことを示す脱落データを生成する脱落データ生成部と、前記脱落データが生成された場合、前記映像記録装置を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を無効にするよう前記映像記録装置を制御する制御部と、を備える映像記録装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上述した映像記録装置であって、前記脱落データ生成部が、前記インターフェースに対する操作が行われていないという第一条件、前記映像記録装置に接続されているカメラにより撮影された画像の明度が所定の明度を超えているという第二条件及び前記映像記録装置に搭載されている加速度センサにより計測された加速度に関する第三条件の少なくとも一つが満たされた場合に、前記映像記録装置を前記車両から取り外す動作が行われていないと判定する。
【0008】
本発明の一態様は、上述した映像記録装置であって、前記制御部が、前記インターフェースに対する操作を無効にした時点から所定の期間を超える期間が経過しているという第四条件、前記映像記録装置に対して特定の操作が行われたという第五条件及び前記映像記録装置が前記車両に取り付けられたという第六条件の少なくとも一つが満たされた場合、前記インターフェースに対する操作を有効にするよう前記映像記録装置を制御する。
【0009】
本発明の一態様は、映像記録装置を車両から取り外す動作が行われることなく前記映像記録装置が前記車両から脱落する事象が発生した場合、前記事象が発生したことを示す脱落データを生成する脱落データ生成機能と、前記脱落データが生成された場合、前記映像記録装置を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を無効にするよう前記映像記録装置を制御する制御機能と、をコンピュータに実現させる映像記録装置制御プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両から取り外す動作が行われることなく車両から脱落してしまっても、ユーザが意図しない処理を誤って実行することがない映像記録装置及び映像記録装置制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る映像記録装置の外観の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る映像記録装置の外観の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る映像記録装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】実施形態に係る映像記録装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る映像記録装置がインターフェースに対する操作を無効にする際に実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】実施形態に係る映像記録装置がインターフェースに対する操作を有効にする際に実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
図1から図5を参照しながら実施形態に係る映像記録装置及び映像記録装置制御プログラムについて説明する。
【0013】
まず、図1から図3を参照しながら実施形態に係る映像記録装置のハードウェア構成について説明する。図1及び図2は、実施形態に係る映像記録装置の外観の一例を示す図である。図3は、実施形態に係る映像記録装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0014】
図1図2及び図3に示した映像記録装置1は、交通事故の適切な解決を図る目的で交通事故が発生した際における車両の内外の状況を映像として記録する装置である。映像記録装置1は、日本ではドライブレコーダ(Drive Recorder)と呼ばれており、欧米ではダッシュカム(Dashcam)と呼ばれている装置である。
【0015】
図1図2及び図3に示すように、映像記録装置1は、筐体101と、嵌合部材102と、着脱用ボタン103と、CPU(Central Processing Unit)104と、フロントカメラ105と、インカメラ106と、記録部107と、タッチパネルディスプレイ108と、緊急通報ボタン109と、GPS(Global Positioning System)受信機110と、センサ111と、通信部112と、コネクタ接続部113と、電池114とを備える。また、図1は、映像記録装置1のうちフロントカメラ105が取り付けられている側を示した図である。一方、図2は、映像記録装置1のうちインカメラ106が取り付けられている側を示した図である。
【0016】
筐体101は、嵌合部材102、着脱用ボタン103、フロントカメラ105、インカメラ106、タッチパネルディスプレイ108、緊急通報ボタン109及びコネクタ接続部113が表面に取り付けられている。また、筐体101は、CPU104、記録部107、GPS受信機110、センサ111、通信部112及び電池114が収納されている。
【0017】
嵌合部材102は、図1及び図2に示すように、例えば、筐体101の上面に取り付けられており、凸部102Cが形成されている。凸部102Cは、例えば、車両のフロントガラスFに取り付けられている支持部材200に形成されている凹部200Cと嵌合される。
【0018】
また、嵌合部材102は、凸部102Cから突出している棒状の固定部材を有していてもよい。この棒状の固定部材は、凹部200Cに形成された孔に進入することにより凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されている状態を維持する。或いは、支持部材200は、凹部200Cから突出している棒状の固定部材を有していてもよい。この棒状の固定部材は、凸部102Cに形成された孔に進入することにより凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されている状態を維持する。
【0019】
また、凸部102C及び凹部200Cは、それぞれ金属製の端子が取り付けられている。これら二つの端子の少なくとも一方は、凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されている状態で凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されていることを示す信号をCPU104に送信する。これにより、二つの端子は、凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されていることをCPU104に認識させる。すなわち、二つの端子は、当該信号をCPU104に送信することにより、映像記録装置1が車両に取り付けられていることをCPU104に認識させる。
【0020】
一方、これら二つの端子の少なくとも一方は、凸部102Cと凹部200Cとが離れている状態で凸部102Cと凹部200Cとが離れていることを示す信号をCPU104に送信する。これにより、二つの端子は、凸部102Cと凹部200Cとが離れていることをCPU104に認識させる。すなわち、二つの端子は、当該信号をCPU104に送信することにより、映像記録装置1が車両から脱落していることをCPU104に認識させる。
【0021】
映像記録装置1は、凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されることにより、車両に取り付けられた状態で車両の内外の状況を映像として記録する。一方、映像記録装置1は、凸部102Cと凹部200Cとが離れることにより、車両から取り外された状態で車両の内外の状況を映像として記録する。
【0022】
着脱用ボタン103は、上述した固定部材と機械的に連動しているボタンであり、固定部材が孔に進入している状態と、固定部材が孔に進入していない状態とを切り替える目的で押下されるボタンである。
【0023】
CPU104は、映像記録装置制御プログラムを読み出して実行することにより、図4に示した機能を実現させる。また、CPU104は、映像記録装置制御プログラム以外のプログラムを読み出して実行し、映像記録装置1が有する各機能を実現させる上で必要な機能を実現させてもよい。
【0024】
フロントカメラ105は、車両の内外の状況の動画像及び静止画像の少なくとも一方を撮影するカメラである。フロントカメラ105は、映像記録装置1が車両に取り付けられた状態である場合、主に車両のフロントガラスを通して車両の前方の動画像及び静止画像の少なくとも一方を撮影する。一方、フロントカメラ105は、映像記録装置1が車両から取り外された状態である場合、車両の前方の状況に限らず、車両の内外の状況の動画像及び静止画像の少なくとも一方を撮影する。
【0025】
インカメラ106は、車両の内外の状況の動画像及び静止画像の少なくとも一方を撮影するカメラである。インカメラ106は、映像記録装置1が車両に取り付けられた状態である場合、主に車両の車室内の動画像及び静止画像の少なくとも一方を撮影する。また、インカメラ106は、映像記録装置1が車両に取り付けられた状態である場合、車両の窓を通して車両の側方及び後方の少なくとも一方の動画像及び静止画像の少なくとも一方を撮影してもよい。一方、インカメラ106は、映像記録装置1が車両から取り外された状態である場合、車両の車室内、側方及び後方の状況に限らず、車両の内外の状況の動画像及び静止画像の少なくとも一方を撮影する。
【0026】
記録部107は、少なくとも一つの記憶媒体を有する。記録部107は、例えば、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。
【0027】
主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、CPU104により読み出されて実行される映像記録装置制御プログラムその他映像記録装置制御プログラムが格納されている。
【0028】
補助記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ROM(Read Only Memory)である。補助記憶装置は、例えば、フロントカメラ105により撮影された動画像及び静止画像と、インカメラ106により撮影された動画像及び静止画像とが格納される。
【0029】
タッチパネルディスプレイ108は、映像記録装置1を操作するために使用されるインターフェースの一種である。例えば、タッチパネルディスプレイ108は、映像記録装置1を操作するために使用されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI:Graphical User Interface)を表示する。また、タッチパネルディスプレイ108は、フロントカメラ105により撮影された動画像及び静止画像、インカメラ106により撮影された動画像及び静止画像を必要に応じて表示してもよい。
【0030】
緊急通報ボタン109は、映像記録装置1を操作するために使用されるインターフェースの一種である。緊急通報ボタン109は、交通事故、怪我、病気等のトラブルが発生した際に、ロードサービスを提供している事業者、保険会社、警備会社等の顧客対応窓口、警察、救急、消防等に通報するために押下されるボタンである。
【0031】
GPS受信機110は、映像記録装置1の位置を算出するために必要な信号を人工衛星から受信する。
【0032】
センサ111は、例えば、照度センサ、加速度センサ、地磁気センサ及び気圧センサの少なくとも一つを含む。照度センサは、映像記録装置1の周辺の照度を検出する。加速度センサは、映像記録装置1の加速度を検出する。地磁気センサは、映像記録装置1の周辺の磁場の大きさ及び方向を検出する。気圧センサは、映像記録装置1の周辺の気圧を検出する。
【0033】
通信部112は、ネットワークを通して他の機器との通信を実行する。また、ネットワークは、例えば、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)、イントラネット(Local Area Network)である。
【0034】
コネクタ接続部113は、映像記録装置1を他の機器と接続するケーブルが接続される入出力ポート(Input/Output Port)である。
【0035】
電池114は、映像記録装置1を構成している各要素に電力を供給する。
【0036】
図4は、実施形態に係る映像記録装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。映像記録装置1は、例えば、CPU104を使用して映像記録装置制御プログラムを読み出して実行し、図4に示した脱落データ生成部121及び制御部122を実現させる。
【0037】
脱落データ生成部121は、映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生しているか否かを判定する。具体的には、映像記録装置1は、凸部102Cに取り付けられている端子及び凹部200Cに取り付けられている端子から受信する信号に基づいて当該判定を実行する。
【0038】
例えば、脱落データ生成部121は、凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されていることを示す信号がCPU104により受信された場合、映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生していないと判定する。一方、脱落データ生成部121は、凸部102Cと凹部200Cとが離れていることを示す信号がCPU104により受信された場合、映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生していると判定する。
【0039】
次に、脱落データ生成部121は、第一条件、第二条件及び第三条件の少なくとも一つが満たされているか否かを判定し、これら三つの条件の少なくとも一つが満たされていると判定した場合、映像記録装置1を車両から取り外す動作が行われていないと判定する。第一条件、第二条件及び第三条件は、いずれも映像記録装置1を車両から取り外す動作が行われていない場合に満たされる条件である。
【0040】
第一条件は、映像記録装置1が備えるインターフェースに対する操作が行われていないという条件である。脱落データ生成部121は、インターフェースに対する操作が行われていないことにより、当該操作に関する信号がCPUにより受信されていない場合、第一条件が満たされていると判定する。一方、脱落データ生成部121は、インターフェースに対する操作が行われていることにより、当該操作に関する信号がCPUにより受信されている場合、第一条件が満たされていないと判定する。なお、この信号は、例えば、インターフェースに対する操作が行われたことのみを示していてもよいし、当該操作により実行すべき処理の内容を示していてもよい。
【0041】
第二条件は、映像記録装置1に接続されているカメラにより撮影された画像の明度が所定の明度を超えているという条件である。このカメラは、例えば、フロントカメラ105及びインカメラ106の少なくとも一方である。また、第二条件が使用される理由としては、例えば、映像記録装置1を車両から取り外す動作が行われる場合、フロントカメラ105及びインカメラ106の少なくとも一方がユーザの手等で覆われることにより、画像の明度が所定の明度以下となることが挙げられる。
【0042】
第三条件は、映像記録装置1に搭載されている加速度センサにより計測された加速度に関する条件である。例えば、第三条件は、加速度センサにより計測された加速度が所定の加速度を超えている期間が所定の期間以下であるという条件である。ここで言う所定の加速度は、ユーザにより取り外される際に映像記録装置1が動く時の加速度を想定して決定された加速度である。また、ここで言う所定の期間は、映像記録装置1が車両から取り外されるために必要な期間を想定して決定された期間である。
【0043】
或いは、第三条件は、所定の時間内に加速度センサにより計測された加速度が所定の加速度を超えているという条件である。ここで言う所定の時間内は、映像記録装置1が車両から脱落してから車両の室内の床に落下するまでに必要な時間を想定して決定された時間である。このような時間としては、例えば、100ミリ秒が挙げられる。また、ここで言う所定の加速度は、映像記録装置1が車両から脱落して落下した場合に映像記録装置1に加わる加速度を想定して決定された加速度である。このような加速度としては、例えば、3Gが挙げられる。
【0044】
或いは、第三条件は、加速度センサにより計測された加速度が所定の加速度を超えているという条件である。ここで言う所定の加速度は、映像記録装置1が取り付けられている車両が急停車した場合に映像記録装置1に加わる加速度を想定して決定された加速度である。第三条件は、加速度センサにより計測された水平方向の加速度が所定の加速度を超えているという条件であることがさらに望ましい。
【0045】
脱落データ生成部121は、映像記録装置1を車両から取り外す動作が行われることなく映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生した場合、当該事象が発生したことを示す脱落データを生成する。
【0046】
制御部122は、映像記録装置1を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を無効にするよう映像記録装置1を制御する。
【0047】
次に、制御部122は、脱落データが生成された場合、第四条件、第五条件及び第六条件の少なくとも一つが満たされているか否かを判定する。
【0048】
第四条件は、インターフェースに対する操作を無効にした時点から所定の期間を超える期間が経過しているという条件である。ここで言う所定の期間は、映像記録装置1が取り付けられている車両が急停車してからユーザが落ち着きを取り戻すまでに必要な時間、映像記録装置1が車両から脱落して落下してからユーザにより再び車両に取り付けられるまでに必要な時間等を想定して決定された期間である。
【0049】
第五条件は、映像記録装置1に対して特定の操作が行われたという条件である。ここで言う特定の操作は、任意の操作でよく、例えば、特定のボタンを一定時間を超えて押下し続ける操作、複数のボタンを特定の順番で押下する操作、複数のボタンを同時に押下する操作である。
【0050】
第六条件は、映像記録装置1が車両に取り付けられたという条件である。例えば、第六条件は、凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されている状態で凸部102Cと凹部200Cとが嵌合されていることを示す信号がCPU104により受信された場合に満たされる。
【0051】
そして、制御部122は、第四条件、第五条件及び第六条件の少なくとも一つが満たされていると判定した場合、映像記録装置1を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を有効にするよう映像記録装置1を制御する。
【0052】
次に、図5を参照しながら実施形態に係る映像記録装置1がインターフェースに対する操作を無効にする際に実行する処理の一例を説明する。図5は、実施形態に係る映像記録装置がインターフェースに対する操作を無効にする際に実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS51において、脱落データ生成部121は、第一条件、第二条件及び第三条件の少なくとも一つが満たされているか否かを判定する。脱落データ生成部121は、第一条件、第二条件及び第三条件の少なくとも一つが満たされていると判定した場合(ステップS51:YES)、処理をステップS52に進める。一方、脱落データ生成部121は、第一条件、第二条件及び第三条件の少なくとも一つが満たされていないと判定した場合(ステップS51:NO)、処理を終了させる。
【0054】
ステップS52において、脱落データ生成部121は、映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生しているか否かを判定する。脱落データ生成部121は、映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生していると判定した場合(ステップS52:YES)、処理をステップS53に進める。一方、脱落データ生成部121は、映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生していないと判定した場合(ステップS52:NO)、処理を終了させる。
【0055】
ステップS53において、脱落データ生成部121は、映像記録装置1を車両から取り外す動作が行われることなく映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生したことを示す脱落データを生成する。
【0056】
ステップS54において、制御部122は、映像記録装置1を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を無効にするよう映像記録装置1を制御する。
【0057】
次に、図6を参照しながら実施形態に係る映像記録装置1がインターフェースに対する操作を有効にする際に実行する処理の一例を説明する。図6は、実施形態に係る映像記録装置がインターフェースに対する操作を有効にする際に実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
ステップS61において、制御部122は、インターフェースに対する操作が無効にされているか否かを判定する。制御部122は、インターフェースに対する操作が無効にされていると判定した場合(ステップS61:YES)、処理をステップS62に進める。一方、制御部122は、インターフェースに対する操作が有効にされていると判定した場合(ステップS61:NO)、処理を終了させる。
【0059】
ステップS62において、制御部122は、第四条件、第五条件及び第六条件の少なくとも一つが満たされているか否かを判定する。制御部122は、第四条件、第五条件及び第六条件の少なくとも一つが満たされていると判定した場合(ステップS62:YES)、処理をステップS63に進める。一方、制御部122は、第四条件、第五条件及び第六条件の少なくとも一つが満たされていないと判定した場合(ステップS62:NO)、処理を終了させる。
【0060】
ステップS63において、映像記録装置1を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を有効にするよう映像記録装置1を制御する。
【0061】
以上、実施形態に係る映像記録装置及び映像記録装置制御プログラムについて説明した。
【0062】
映像記録装置1は、脱落データ生成部121と、制御部122とを備える。脱落データ生成部121は、映像記録装置1を車両から取り外す動作が行われることなく映像記録装置1が車両から脱落する事象が発生した場合、事象が発生したことを示す脱落データを生成する。制御部122は、脱落データが生成された場合、映像記録装置1を操作するために使用されるインターフェースに対する操作を無効にするよう映像記録装置1を制御する。
【0063】
これにより、映像記録装置1は、車両から取り外す動作が行われることなく映像記録装置1が車両から脱落してしまっても、ユーザが意図しない処理を誤って実行することがないようにすることができる。
【0064】
また、映像記録装置1は、上述した第一条件、第二条件及び第三条件の少なくとも一つが満たされた場合に、映像記録装置1を車両から取り外す動作が行われていないと判定する。
【0065】
これにより、映像記録装置1は、車両から取り外す動作が行われていないことを確実に判定した上でユーザが意図しない処理を誤って実行することがないようにすることができる。
【0066】
また、映像記録装置1は、上述した第四条件、第五条件及び第六条件の少なくとも一つが満たされた場合、インターフェースに対する操作を有効にするよう映像記録装置1を制御する。
【0067】
これにより、映像記録装置1は、映像記録装置1が備えるインターフェースを通常通りに操作しても問題が無い状況になったことを確認し、ユーザがインターフェースに対する操作を行うことを可能にすることができる。
【0068】
なお、上述した実施形態では、映像記録装置1が備えるインターフェースの例として、タッチパネルディスプレイ108及び緊急通報ボタン109を挙げて説明したが、これに限定されない。インターフェースは、映像記録装置1の操作に使用されるボタン、スイッチ等の少なくとも一部を含む。
【0069】
また、上述した実施形態では、図4に示した映像記録装置1が備える機能が映像記録装置制御プログラムを読み出して実行するCPU104により実現される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0070】
図4に示した映像記録装置1が備える機能の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等の回路部(circuitry)を含むハードウェアにより実現されてもよい。或いは、図4に示した映像記録装置1が備える機能の少なくとも一部は、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、映像記録装置1がフロントカメラ105及びインカメラ106を備える場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。映像記録装置1は、フロントカメラ105及びインカメラ106の少なくとも一方を備えていればよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は、この実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の組み合わせ、変形、置換及び設計変更の少なくとも一つが加えられることがある。
【0073】
また、上述した本発明の実施形態の効果は、一例として示した効果である。したがって、本発明の実施形態は、上述した効果以外にも上述した実施形態の記載から当業者が認識し得る他の効果も奏し得る。
【符号の説明】
【0074】
1…映像記録装置、101…筐体、102…嵌合部材、102C…凸部、103…着脱用ボタン、104…CPU、105…フロントカメラ、106…インカメラ、107…記録部、108…タッチパネルディスプレイ、109…緊急通報ボタン、110…GPS受信機、111…センサ、112…通信部、113…コネクタ接続部、114…電池、121…脱落データ生成部、122……制御部、200…支持部材、200C…凹部、F…フロントガラス
図1
図2
図3
図4
図5
図6