(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143337
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】モニタ装置及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/04 20210101AFI20220926BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20220926BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220926BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220926BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20220926BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G03B17/04
F16C11/04 V
H05K5/02 A
G09F9/00 351
G03B17/18 Z
H04N5/225 450
H04N5/225 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043798
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】原 教之
【テーマコード(参考)】
2H101
2H102
3J105
4E360
5C122
5G435
【Fターム(参考)】
2H101BB02
2H102BB08
2H102CA05
3J105AA02
3J105AA04
3J105AA06
3J105AB11
3J105AB50
3J105AC10
4E360AB02
4E360AB05
4E360AB17
4E360CA02
4E360EA14
4E360EC14
4E360ED02
4E360ED04
4E360ED17
4E360ED28
4E360GA60
4E360GB99
4E360GC03
4E360GC08
5C122FK13
5C122GE04
5C122GE11
5G435AA06
5G435EE02
5G435EE13
5G435EE14
5G435LL14
(57)【要約】
【課題】コストアップを抑制しつつ高い剛性が得られるモニタ装置を提供する。
【解決手段】モニタ装置(95)は、ヒンジユニット(8)のシャフト(83)及びシャフト(83)に固定された板状のヒンジプレート(82)と、画像表示パネル(4)と、画像表示パネル(4)の一方の面側に配置されヒンジプレート(82)に固定された第1ブラケット(2)と、画像表示パネル(4)の他方の面側に配置されヒンジプレート(82)に固定された第2ブラケット(6)と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ部のシャフト及び前記シャフトに固定された板状のヒンジプレートと、
画像表示パネルと、
前記画像表示パネルの一方の面側に配置され前記ヒンジプレートに固定された第1ブラケットと、
前記画像表示パネルの他方の面側に配置され前記ヒンジプレートに固定された第2ブラケットと、
を備えたモニタ装置。
【請求項2】
前記第1ブラケット及び前記第2ブラケットは、それぞれ前記ヒンジプレートに対し少なくとも2ヶ所の固定部で固定されている請求項1記載のモニタ装置。
【請求項3】
前記2ヶ所の固定部は、前記ヒンジプレートにおいて前記シャフトの固定されている位置の一方側と他方側とに分かれて位置している請求項2記載のモニタ装置。
【請求項4】
前記第1ブラケット,前記画像表示パネル,及び前記第2ブラケットに対し、厚さ方向の一方側から被せられた第1カバーと他方側から被せられた第2カバーとを備え、
前記第1カバー及び前記第2カバーは、前記ヒンジプレートに対し、前記固定部それぞれにおいて共に固定されている請求項2又は請求項3記載のモニタ装置。
【請求項5】
撮像素子を有する本体部と、
前記本体部に取り付けられたヒンジ部と、
前記ヒンジ部に支持されたモニタ装置と、を備え、
前記モニタ装置は、請求項1~4のいずれか1項に記載のモニタ装置であり、
前記ヒンジ部は、前記モニタ装置を第1の軸線まわりに回動して前記本体部に対し開閉可能であり、かつ前記モニタ装置を前記第1の軸線と直交する第2の軸線まわりに回動して表示面の向きが逆向きとなるよう反転可能であり、
前記シャフトは、前記ヒンジ部において前記第2の軸線を軸として配置されている撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタ装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、本体部と、モニタ装置と、モニタ装置を支持して本体部に対し開閉するヒンジ部とを備えた撮像装置が記載されている。特許文献1に記載されたヒンジ部は平板状のプレートを有する。モニタ装置は、ヒンジ部のプレートに2ヶ所でねじ止めされることでヒンジ部を介して本体部に支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モニタ装置をヒンジ部のプレートにねじ固定する場合、モニタ装置に、ヒンジ部のプレートに対向する平板プレートと、画像表示装置の骨格として画像表示範囲を開口した枠状のブラケットとを内部に配置する。そして、ねじをヒンジ部のプレートを通して平板プレートの雌ねじ部に2ヶ所で螺合固定するときにブラケットを共締めして一体化構造とするのが一般的である。
【0005】
しかしながら、大型の画像表示パネルを搭載した画像表示装置は、画像表示パネルの質量が大きいことから変形が生じ易く、ヒンジ部を含む支持構造にも大きな力がかかって変形が生じる虞がある。
この変形を抑制するため、画像表示装置及び支持構造それぞれの剛性を十分に高めるべくダイキャスト部材を用いる場合があるが、専用の金型が必要になるなどコストアップになる。そのため、コストアップを抑制しつつ高い剛性が得られる工夫が望まれている。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、コストアップを抑制しつつ高い剛性が得られるモニタ装置及び撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1) ヒンジユニットのシャフト及び前記シャフトに固定された板状のヒンジプレートと、
画像表示パネルと、
前記画像表示パネルの一方の面側に配置され前記ヒンジプレートに固定された第1ブラケットと、
前記画像表示パネルの他方の面側に配置され前記ヒンジプレートに固定された第2ブラケットと、
を備えたモニタ装置である。
2) 撮像素子を有する本体部と、
前記本体部に取り付けられたヒンジユニットと、
前記ヒンジユニットに支持されたモニタ装置と、を備え、
前記モニタ装置は、1)に記載のモニタ装置であり、
前記ヒンジユニットは、前記モニタ装置を第1の軸線まわりに回動して前記本体部に対し開閉可能であり、かつ前記モニタ装置を前記第1の軸線と直交する第2の軸線まわりに回動して表示面の向きが逆向きとなるよう反転可能であり、
前記シャフトは、前記ヒンジユニットにおいて前記第2の軸線を軸として配置されている撮像装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、コストアップを抑制しつつ高い剛性が得られる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るモニタ装置及び撮像装置の実施例であるモニタ装置95及びそれを備えた撮像装置91を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、モニタ装置95を支持する支持構造SK及びモニタ装置95の構造を説明するための分解図である。
【
図3】
図3は、
図1におけるS3-S3位置での部分断面図である。
【
図4】
図4は、モニタ装置95の内部構造の一部を背カバー1及び画面枠カバー7を不図示として示す斜視図である。
【
図6】
図6は、モニタ装置95を、
図5におけるS6-S6位置で背カバー及び画面枠カバー7を含めて示した部分断面図である。
【
図7】
図7は、モニタ装置95を、
図5におけるS7-S7位置で背カバー及び画面枠カバー7を含めて示した部分断面図である。
【
図8A】
図8Aは、支持構造SKにおけるヒンジプレート82の変形量のシミュレーション結果を示す変形分布図である。
【
図8B】
図8Bは、比較例の支持構造SKPにおけるヒンジプレート82Pの変形量のシミュレーション結果を示す変形分布図である。
【
図9】
図9は、支持構造SKの変形例を示す図であり、(a)は変形例1の支持構造SK1、(b)は変形例2の支持構造SK2、(c)は変形例3の支持構造SK3を示す、
図4における矢視Yaに対応した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態に係るモニタ装置及び撮像装置を、実施例のモニタ装置95及び撮像装置91により説明する。
【0011】
図1は、撮像装置91を示す斜視図である。撮像装置91は、撮像素子921を内部に有する本体部92,ヒンジ部93,レンズ部94,及びモニタ装置95を備え、手で把持して動画及び静止画を撮像できる。
モニタ装置95は、背カバー1と画面枠カバー7とが厚さ方向に組み合わされて構成されている。画面枠カバー7の中央部は矩形の開口部7hとされており、開口部7h内には画像表示面が露出している。背カバー1及び画面枠カバー7は、樹脂で形成されている。
【0012】
モニタ装置95は、本体部92に対し、ヒンジ部93を含む支持構造SKによって、矢印DR1に示されるように上下方向に延びる第1の軸線である回動軸線CL1のまわりに回動して開閉可能となっている。また、回動軸線CL1に直交しモニタ装置95に沿って延びる第2の軸線である回動軸線CL2のまわりに、矢印DR2に示されるように回動可能となっている。
【0013】
支持構造SKは、モニタ装置95を、回動軸線CL1まわりには、本体部92に沿うように閉じた閉位置と、回動させて本体部92から開いた開位置との間の約90°の範囲で回動させることができる。
支持構造SKは、モニタ装置95を、回動軸線CL2まわりには、例えばモニタ装置95が開位置にある場合に開口部7hが後方を向く基準姿勢(
図1に示される姿勢)と、開口部7hが逆向きの前方を向く反転姿勢と、の間で180°回動させて反転可能である。
【0014】
図2は、モニタ装置95とそれを支持する支持構造SKの構造を説明するための分解図である。
図3は、
図1におけるS3-S3位置での断面図である。
支持構造SKは、ヒンジユニット8を有する。
ヒンジユニット8は、基部81,ヒンジプレート82,シャフト83,上ブラケット84,及び下ブラケット85を有する。
上ブラケット84及び下ブラケット85は、本体部92(
図1参照)に対しそれぞれ上下方向に離隔した位置に固定される部材である。
基部81は、上ブラケット84及び下ブラケット85に対し、上下に延びる回動軸線CL1まわりに所定の回動抵抗トルクをもって少なくとも90°回動可能とされた柱状の部材である。シャフト83は、基部81の長手方向の中央部において、回動軸線CL2まわりに所定の回動抵抗トルクをもって少なくとも180°回動可能に取り付けられている。
【0015】
ヒンジプレート82は、細長状の金属板部材であり、長手方向の中央部にシャフト83の先端部が固定されている。ヒンジプレート82の長手方向の中央部の一縁には、概ね90°に折り曲げられた曲げ部82fが形成されている。シャフト83が取り付けられたヒンジプレート82の中央部は、曲げ部82fによって曲げ剛性が向上している。
ヒンジプレート82には、いわゆるダブルDカットと称される形状の係合孔82e(
図8A参照)が形成されている。シャフト83は、一端部が係合孔82eに対応した形状に形成されて係合孔82eに対し回動不能に係合し、かしめられることでヒンジプレート82はシャフト83に固定されている。
【0016】
図2において、ヒンジプレート82は、長手方向が回動軸線CL1に対し直交する姿勢の状態が示されている。この状態は、
図1に示される撮像装置91において、モニタ装置95が回動軸線CL2まわりに90°回動して水平姿勢となる状態である。
【0017】
ヒンジプレート82には、長手方向に沿い、互いに離隔して形成された4つの雌ねじ部82a~82dを有する。雌ねじ部82a,82bは、係合孔82eに対し
図2の左側に形成され、雌ねじ部82c,82dは、右側に形成されている。
【0018】
図2及び
図3に示されるように、モニタ装置95は、背カバー1,背側ブラケット2,基板3,画像表示パネル4,クッション5,画面側ブラケット6,画面枠カバー7,及び保護ガラス10を厚さ方向にこの順に積層して形成されている。
背カバー1は、樹脂で形成された扁平の外枠カバーであり、
図2の手前端部となる壁部1eに、切込み部1fと一列に配置された4つの貫通孔1a~1dを有する。以下、背カバー1を第1カバー1とも称し、画面枠カバー7を第2カバー7とも称する。また、背側ブラケット2を第1ブラケットと称し、画面側ブラケット6を第2ブラケットとも称する。
切込み部1fは、シャフト83を進入させるために、壁部1eの中央部位において切り込まれた部位であり、切込み部1fに対し、貫通孔1a,1bは一方側に形成され、貫通孔1c,1dは他方側に形成されている。
【0019】
背側ブラケット2は、金属薄板から形成された概ね平板状の部材である。金属薄板は、例えばステンレスの厚さ0.3mmの板材である。
背側ブラケット2は、背カバー1の内側に収められる外形形状で形成されている。背側ブラケット2は、背カバー1とは反対側に向け切り起こされた可撓性を有する切り起こし部23と、壁部1eの内側の面に対向するよう直角曲げで形成された二つの折り曲げ部21,22とを有する。
折り曲げ部21,22には、それぞれ貫通孔21a,22aが形成されている。貫通孔21a,22aは、それぞれ背カバー1の貫通孔1a,1dに対応する位置にある。
【0020】
基板3は、平面視で背側ブラケット2内に包含される矩形形状で形成されており、画像表示パネル4を駆動する駆動回路などが搭載されている。基板3におけるグランドパターンが露出した部分(不図示)には、背側ブラケット2の切り起こし部23が押圧して、グランドパターンと背側ブラケット2とが導通するようになっている。
【0021】
基板3の背カバー1とは反対側には、画像表示パネル4が電気的に接続して配置されている。画像表示パネル4は、例えば液晶パネルであって、基板3の駆動回路により外部から入来した画像信号に基づく画像を表示するよう駆動される。
【0022】
クッション5は、スポンジなどの弾性素材によって画像表示パネル4の画像表示領域を囲う枠形状に形成されている。
画面側ブラケット6は、金属薄板によりクッション5に対応した枠状に形成されている。金属薄板は、例えばステンレスの厚さ0.3mmの板材である。
画面側ブラケット6は、背カバー1の壁部1eの内側の面に対向するよう直角曲げで形成された二つの折り曲げ部61,62を有する。
折り曲げ部61,62には、それぞれ貫通孔61a,62aが形成されている。
貫通孔61a,62aは、それぞれ背カバー1の貫通孔1b,1cに対応する位置にある。
【0023】
画面枠カバー7は、樹脂によって、画像表示パネル4の表示範囲を露出させる矩形の開口部7hを有して枠状に形成されている。画面枠カバー7は、基板3,画像表示パネル4,クッション5,及び画面側ブラケット6が位置決めされて収められるように周囲を囲うように突出形成された周壁部7gを有する。
画面枠カバー7における
図2の手前端部となる壁部7eに、切込み部7fと一列に配置された4つの貫通孔7a~7dを有する。
切込み部7fは、シャフト83を進入させるために、壁部7eの中央部位に切り込まれた部位であり、切込み部7fに対し、貫通孔7a,7bは一方側に形成され、貫通孔7b,7cは他方側に形成されている。
画面枠カバー7を背カバー1に組み合わせた状態で、壁部7eは壁部1eの内側に対向して近接し、貫通孔7a~7dはそれぞれ貫通孔1a~1dと同芯となる位置にある。
【0024】
図3に示されるように、モニタ装置95の組み立て方法は概略次のとおりである。
まず、背側ブラケット2,基板3,画像表示パネル4,クッション5,及び画面側ブラケット6を重ねた積層体を形成し、背カバー1と画面枠カバー7とを、内部に積層体を収めるように被せて組み合わせる。組み合わせの際に、ヒンジユニット8のシャフト83を切込み部1f,7fに進入させ、ヒンジプレート82を壁部7eの内側に位置させる。背カバー1と画面枠カバー7とは、スナップフィット構造SNを形成しておいて係合させる。このようにして、モニタ装置95は組み立てられる。
画面枠カバー7の、背カバー1とは反対側の面の開口部7hの縁部には、段部7jが形成されており、段部7jには、画像表示パネル4の表示面を保護する透明の保護ガラス10が取り付けられる。
【0025】
この状態で、ヒンジプレート82の雌ねじ部82a~82dに対し、それぞれねじN1~N4が、背カバー1及び画面枠カバー7と背側ブラケット2及び画面側ブラケット6とが共締めにして螺合される。
【0026】
この共締めの態様について、
図2及び
図4~
図7を参照して説明する。
図4は、背カバー1及び画面枠カバー7を不図示とした状態のモニタ装置95の斜視図であり、
図5は、
図4における矢視Ya図である。
図6は、モニタ装置95を、
図5におけるS6-S6位置で背カバー及び画面枠カバー7を含めて示した部分断面図であり、
図7は、モニタ装置95を、
図5におけるS7-S7位置で背カバー及び画面枠カバー7を含めて示した部分断面図である。
【0027】
概略を説明すると、
図4~
図7に示されるように、ヒンジプレート82の雌ねじ部82a(
図2及び
図6参照)に螺合するねじN1によって、背側ブラケット2の折り曲げ部21が共締めされる。また、ヒンジプレート82の雌ねじ部82d(
図2参照)に螺合するねじN4によって、背側ブラケット2の折り曲げ部22が共締めされる。
一方、ヒンジプレートの雌ねじ部82b(
図2及び
図7参照)に螺合するねじN2によって、画面側ブラケット6の折り曲げ部61が共締めされる。また、ヒンジプレート82の雌ねじ部82c(
図2参照)に螺合するねじN3によって、画面側ブラケット6の折り曲げ部62が共締めされる。
ねじN1~N4によって共締め固定される部位を、それぞれ固定部kt1~kt4と称する。
【0028】
詳細を
図2,
図6,及び
図7を参照して説明する。
図2においては、ねじN1の挿通経路は、一点鎖線で示される共締め経路Aで、ねじN3の挿通経路は、一点鎖線で示される共締め経路Bで示されている。
すなわち、
図2及び
図6に示されるように、ねじN1は、背カバー1の貫通孔1a,画面枠カバー7の貫通孔7a,背側ブラケット2の折り曲げ部21の貫通孔21aの順に挿通されて、ヒンジプレート82の雌ねじ部82aに螺合して締め付けられる。
ねじN4についても共締めの経路及び順番は同様である。
【0029】
また、
図2に示されるように、ねじN3は、背カバー1の貫通孔1c,画面枠カバー7の貫通孔7c,画面側ブラケット6の折り曲げ部62の貫通孔62aの順に挿通されてヒンジプレート82の雌ねじ部82cに螺合して取り付けられる。
図7に示されるねじN2についても共締めの順番は同様である。すなわち、背カバー1の貫通孔1b,画面枠カバー7の貫通孔7b,画面側ブラケット6の折り曲げ部61の貫通孔61aの順に挟まれてヒンジプレート82の雌ねじ部82bに螺合して取り付けられる。
【0030】
上述のように、モニタ装置95は、基板3及び画像表示パネル4に対して、背カバー1側に配置された背側ブラケット2と画面枠カバー7側に配置された画面側ブラケット6を有する。そして、背側ブラケット2の折り曲げ部21,22はヒンジプレート82に対し背側となる
図5の上方側から折れ曲がってねじN1,N4による2ヶ所で、背カバー1及び画面枠カバー7と共締めされている。
一方、画面側ブラケット6の折り曲げ部61,62は、ヒンジプレート82に対し画面枠カバー7側となる
図5の下方側から折れ曲がってねじN3,N4によって2ヶ所で、背カバー1及び画面枠カバー7と共締めされている。
【0031】
このように、支持構造SKでは、ヒンジユニット8のヒンジプレート82を上下から挟むように、一対の金属製のブラケットである背側ブラケット2及び画面側ブラケット6を有する。これにより、モニタ装置95は高い剛性を有する。
また、背側ブラケット2及び画面側ブラケット6は、ヒンジプレート82にそれぞれ固定されている。これにより、モニタ装置95と支持構造SKとは高い剛性を有する。
また、背側ブラケット2はヒンジプレート82に対し複数の固定部kt1,kt2で固定されており、画面側ブラケット6は、ヒンジプレート82に対し複数の固定部kt3,kt4で固定されている。これにより、支持構造SKは、より高い剛性を有する。
また、支持構造SKは、筐体となる背カバー1及び画面枠カバー7が、ヒンジプレート82に対し背側ブラケット2及び画面側ブラケット6と共締め固定されている。これにより、モニタ装置95は、さらに高い剛性を有する。
【0032】
図8A及び
図8Bは、実施例の支持構造SK及び従来の支持構造SKPそれぞれについての、シミュレーションによって得た変形量分布を示した図である。
図8Aは、支持構造SKの変形量分布図であり、
図8Bは従来の支持構造SKPの変形量分布図である。
【0033】
図8Aには、支持構造SKの抜粋部材が示されている。具体的には、背側ブラケット2及び画面側ブラケット6と、その背側ブラケット2及び画面側ブラケット6がそれぞれ2ヶ所ずつ固定されているヒンジプレート82との2部材が示されている。ヒンジプレート82には、シャフト83が挿入固定されている係合孔82eが示されている。
背側ブラケット2は、折り曲げ部21,22がヒンジプレート82に固定され、画面側ブラケット6は、折り曲げ部61,62がヒンジプレート82に固定されている。
また、背側ブラケット2の折り曲げ部21,22は、ヒンジプレート82の幅方向の一方の縁部側から折り曲げられて固定され、画面側ブラケット6の折り曲げ部61,62は、ヒンジプレート82の幅方向の他方の縁部側から折り曲げられて固定されている。これにより、背側ブラケット2及び画面側ブラケット6とヒンジプレート82とで、略箱状の立体骨格が形成されている。これにより、モニタ装置95及び支持構造SKは、きわめて高い剛性を有する。
【0034】
図8Bには、従来の支持構造SKPの抜粋部材が示されている。具体的には、実施例の支持構造SKの背側ブラケット2及びヒンジプレート82にそれぞれ対応する背側ブラケット2P及びヒンジプレート82Pである。
背側ブラケット2Pは、折り曲げ部21,22に対応する折り曲げ部21P,22Pを有する。折り曲げ部21P,22Pはヒンジプレート82Pに固定されている。従来の支持構造SKPには、実施例の支持構造SKの画面側ブラケット6に対応するブラケットは備えられていない。
【0035】
図8A,
図8Bにおいて、シミュレーションは、次の状態を想定して行った。すなわち、シャフト83が係合孔82e,82ePに固定されており、ヒンジプレート82,82Pは、回動軸線CL1(
図2参照)まわりの開位置で回動が規制されている。そして、回動の規制に抗して、外部からモニタ装置95を回動させようとする過大なトルクTaが係合孔82e,82ePに加わった状態である。
各部位の変形量と変形形状を、
図8Bに示される6段階で表示している。
図8A,
図8Bの変形形状は、誇張して示されている。
図8Bに示されるように、6段階の変形量は、最大の変形量を概ね6等分し、そのうちの、変形が最小の領域を領域AR1、最大の領域をAR6としてAR1~AR6の順位付けをし、それぞれハッチングなどを付して区分けしてある。
【0036】
図8Bに示されるように、従来の支持構造SKPでは、係合孔82ePの近傍の、幅方向で曲げ部82fPが形成された側の反対側の領域に、変形量が最大の領域AR6が出現し、係合孔82eに掛かる領域として第2順位の領域AR5出現している。
これは、シャフト83のかしめ固定に影響を及ぼすことが懸念される変形量と変形分布である。また、背側ブラケット2Pの折り曲げ部21P,22Pから先端側とヒンジプレート82Pとの全体に、領域AR2以上の大きい変形領域が出現している。
【0037】
これに対し、
図8Aに示される支持構造SKでは、係合孔82eの近傍などに局所的に大きい変形領域は出現せず、ヒンジプレート82の両端を除く部分に6段階中の下から2番目の変形量の領域AR2が出現しているのみである。
図8A及び
図8Bから、支持構造SKは、従来の支持構造SKPに対し折り曲げ部21,22及びヒンジプレート82の変形が少なく、シャフト83のかしめに影響を及ぼす可能性が大幅に低減していることがわかる。すなわち、モニタ装置95及び支持構造SKは、それぞれ高い剛性を有することがわかる。
【0038】
以上、詳述のように、モニタ装置95及び撮像装置91は、ダイキャストなどの部品を用いることなくコストアップを抑制して高い剛性を有している。
【0039】
以上詳述した実施例は、その構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
【0040】
背側ブラケット2及び画面側ブラケット6のヒンジプレート82への共締め位置は、上述のように背側ブラケット2が両外側の2か所であって画面側ブラケット6が内側の2ヶ所である態様に限定されない。
図9(a)~(c)は、それぞれ支持構造SKの変形例1~3を示す
図5に対応した図である。
【0041】
図9(a)に、変形例1の支持構造SK1として示されるように、折り曲げ部21,61,22,62の順にそれぞれねじN1~N4で長手方向に交互に共締め固定されるようにしてもよい。
また、
図9(b)に変形例2の支持構造SK2として示されるように、背側ブラケット2と画面側ブラケット6とを同じねじで共締めしてもよい。
図9(b)では、折り曲げ部21と折り曲げ部61とをねじN1で共締めし、折り曲げ部22と折り曲げ部62とをねじN2で共締めした例が示されている。
また、
図9(c)に変形例3の支持構造SK3として示されるように、3ヶ所以上でヒンジプレート82に固定されていてもよい。詳しくは、背側ブラケット2は、3つの折り曲げ部21,22,24を有し、画面側ブラケット6は、3つの折り曲げ部61,62,63を有し、ねじN1~N6によって、ヒンジプレート82に対し、変形例1のように長手方向に交互に固定されている。
【0042】
実施例と変形例1~3とは、可能な範囲で自由に組み合わせることができる。
【0043】
支持構造SK及びモニタ装置95は、撮像装置91に搭載されるものに限定されない。例えば、ドライブレコーダのモニタ装置として自動車のフロントガラスの内面に取り付けられるものであってもよい。
また、カーナビゲーション装置のモニタ装置として自動車のダッシュボードの上面などに取り付けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 背カバー
1a~1d 貫通孔
1e 壁部
1f 切込み部
2 背側ブラケット
21,22,24 折り曲げ部
21a,22a 貫通孔
23 切り起こし部
3 基板
4 画像表示パネル
5 クッション
6 画面側ブラケット
61,62,63 折り曲げ部
61a,62a 貫通孔
7 画面枠カバー
7a~7d 貫通孔
7e 壁部
7f 切込み部
7g 周壁部
7h 開口部
7j 段部
8 ヒンジユニット
82 ヒンジプレート
82a~82d 雌ねじ部
82e 係合孔
82f 曲げ部
83 シャフト
84 上ブラケット
85 下ブラケット
91 撮像装置
92 本体部
921 撮像素子
93 ヒンジ部
94 レンズ部
95 モニタ装置
10 保護ガラス
AR1~AR6 領域
CL1,CL2 回動軸線
kt1~kt4 固定部
N1~N4 ねじ
SK,SK1,SK2,SK3 支持構造
SN スナップフィット構造
Ta トルク