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特開2022-143393情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143393
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20220926BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20220926BHJP
   G09B 7/02 20060101ALI20220926BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20220926BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B9/00 Z
G09B7/02
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043874
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(71)【出願人】
【識別番号】520354485
【氏名又は名称】Tably株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519069176
【氏名又は名称】パーソルイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】石山 洸
(72)【発明者】
【氏名】前川 知也
(72)【発明者】
【氏名】北林 洋太
(72)【発明者】
【氏名】朝井 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】尾形 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】番匠 武蔵
(72)【発明者】
【氏名】及川 卓也
(72)【発明者】
【氏名】小城 久美子
(72)【発明者】
【氏名】片岡 秀夫
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA10
2C028BC01
2C028BC02
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】プロダクトマネージャに対する適性を評価することが期待できる情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】本実施の形態に係る情報処理方法は、プロダクトマネージャのスキルを測る計測尺度に関する質問を出力し、出力した前記質問に対する回答を受検者から取得し、取得した回答に基づいて前記計測尺度に関するスコアを算出し、算出したスコアに基づいて前記受検者の前記スキルを評価する処理を情報処理装置が行う。また本実施の形態に係る情報処理方法は、前記計測尺度には、知識に関する計測尺度及び素養に関する計測尺度を含み、複数の前記計測尺度に基づいて、前記受検者の複数の前記スキルを評価してもよい。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロダクトマネージャのスキルを測る計測尺度に関する質問を出力し、
出力した前記質問に対する回答を受検者から取得し、
取得した回答に基づいて前記計測尺度に関するスコアを算出し、
算出したスコアに基づいて前記受検者の前記スキルを評価する
処理を情報処理装置が行う情報処理方法。
【請求項2】
前記計測尺度には、知識に関する計測尺度及び素養に関する計測尺度を含み、
複数の前記計測尺度に基づいて、前記受検者の複数の前記スキルを評価する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記知識に関する計測尺度に関する質問として、正解及び不正解が存在する質問を出力し、
質問に対する正解数に基づいて、前記知識に関する計測尺度のスコアを算出する、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記素養に関する計測尺度に関する質問として、正解及び不正解が存在しない質問を出力する、
請求項2又は請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記素養に関する計測尺度に関する質問に対する回答を、程度を示す多段階の数値として受け付け、
複数の質問に対して受け付けた回答の数値の加重平均値に基づいて、前記素養に関する計測尺度のスコアを算出する、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記スキルには、一又は複数の知識に関する計測尺度が対応付けられており、
対応付けられた一又は複数の知識に関する計測尺度のスコアと、素養に関する計測尺度のスコアとに基づいて、各スキルの評価値を算出する、
請求項2から請求項5までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記受検者の複数の前記スキルの評価値を対比して表示する、
請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記知識に関する計測尺度に関して算出したスコアに基づいて、知識に関する複数の評価項目について評価し、
前記受検者の知識に関する複数の評価項目の評価結果を対比して表示する、
請求項6又は請求項7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記スキルの評価値に基づいて、プロダクトのライフサイクルに関する複数の時期に対する適性を評価し、
前記受検者のプロダクトのライフサイクルに関する複数の時期に対する適性の評価結果を対比して表示する、
請求項6から請求項8までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項10】
リーダシップに関する計測尺度に関する質問を出力し、
前記質問に対する回答に基づいて前記計測尺度に関するスコアを算出し、
算出した前記スコアに基づいて、リーダシップに関する複数の評価項目について評価し、
評価結果に基づいて、リーダシップに関するスタイルを判定し、
前記受検者のリーダシップのスタイルを表示する、
請求項6から請求項9までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記素養に関する計測尺度に関して算出したスコアに基づいて、前記素養に関する複数の評価項目について評価し、
前記受検者の素養に関する複数の評価項目の評価結果を対比して表示する、
請求項6から請求項10までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記受検者のスキルに関する評価値を記憶し、
前記受検者のスキルに関する評価値の時系列的な変化を表示する、
請求項6から請求項11までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項13】
複数の受検者のスキルに関する評価値を対比して表示する、
請求項6から請求項12までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
プロダクトマネージャのスキルを測る計測尺度に関する質問を出力し、
出力した前記質問に対する回答を受検者から取得し、
取得した回答に基づいて前記計測尺度に関するスコアを算出し、
算出したスコアに基づいて前記受検者の前記スキルを評価する
処理を行わせるコンピュータプログラム。
【請求項15】
プロダクトマネージャのスキルを測る計測尺度に関する質問を出力する質問出力部と、
出力した前記質問に対する回答を受検者から取得する回答取得部と、
取得した回答に基づいて前記計測尺度に関するスコアを算出するスコア算出部と、
算出したスコアに基づいて前記受検者の前記スキルを評価するスキル評価部と
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロダクトマネージャに対する適性を評価する情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロダクト(商品、製品、生産物等)の開発を推し進める人材、プロダクトマネージャが求められている。企業等は、新たなプロダクトマネージャを採用する、又は、素養のある従業員をプロダクトマネージャに育成する等により、不足するプロダクトマネージャを充足すべく活動を行っている。
【0003】
特許文献1においては、ユーザ端末にてユーザのスキルの程度を確認するためのテストを行い、テストの結果に基づいてサーバ装置がユーザのスキルに応じたスキルアップ支援情報をデータベースから検索してユーザに提供するスキルアップ支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-162216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、ユーザのスキルの程度を確認するためのテストとして、どのようなテストを行うかについての記載は一切ない。従来、プロダクトマネージャに対する適性を評価することは難しかった。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、プロダクトマネージャに対する適性を評価することが期待できる情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る情報処理方法は、プロダクトマネージャのスキルを測る計測尺度に関する質問を出力し、出力した前記質問に対する回答を受検者から取得し、取得した回答に基づいて前記計測尺度に関するスコアを算出し、算出したスコアに基づいて前記受検者の前記スキルを評価する処理を情報処理装置が行う。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態による場合は、プロダクトマネージャに対する適性を評価することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る情報処理システムの概要を説明するための模式図である。
図2】本実施の形態に係るサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施の形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図4】本実施の形態に係る情報処理システムにて端末装置が表示する質問の一例を示す模式図である。
図5】本実施の形態に係る情報処理システムにて端末装置が表示する質問の一例を示す模式図である。
図6】本実施の形態に係るサーバ装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。
図7】本実施の形態に係る端末装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。
図8】評価結果の一表示例を示す模式図である。
図9】評価結果の一表示例を示す模式図である。
図10】評価結果の一表示例を示す模式図である。
図11】評価結果の一表示例を示す模式図である。
図12】評価結果の一表示例を示す模式図である。
図13】評価結果の一表示例を示す模式図である。
図14】評価結果の一表示例を示す模式図である。
図15】評価結果の一表示例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る情報処理システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0011】
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの概要を説明するための模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムは、プロダクトマネージャに対する適性を評価するサービスを提供するサーバ装置1と、このサービスを利用するユーザ(受検者)が使用する一又は複数の端末装置3とを備えている。サーバ装置1は、本サービスの提供会社等が管理運営する装置であり、プロダクトマネージャに対する適性を評価するための質問(問題、試験)をユーザの端末装置3へ送信する。端末装置3は、例えばパーソナルコンピュータ又はスマートフォン等の汎用的な情報処理装置であってよい。端末装置3は、サーバ装置1から受信した質問を表示すると共に、この質問に対する回答をユーザから受け付け、受け付けた回答をサーバ装置1へ送信する。サーバ装置1による質問の送信及び端末装置3による回答の送信は、繰り返し行われてよい。
【0012】
端末装置3から質問に対するユーザの回答を受信したサーバ装置1は、得られた一又は複数の回答に基づいてユーザのプロダクトマネージャに対する適性を評価し、評価結果を端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1から評価結果を受信し、受信した評価結果を種々の態様で表示してユーザに提示する。また例えば評価が行われたユーザが企業の従業員である場合等に、この企業の人事部の人事担当者等が使用する端末装置3へ、この企業のユーザに関する評価結果をサーバ装置1が送信してもよい。ユーザが使用する端末装置3にはこのユーザの評価結果が送信され、人事担当者等が使用する端末装置3には複数のユーザの評価結果が送信され得る。
【0013】
本実施の形態に係るサーバ装置1は、プロダクトマネージャに有用な6個のスキル(技能)についてユーザの評価を行うことで、プロダクトマネージャに対する適性を評価する。6個のスキルは、例えば「戦略立案力」、「顧客理解力」、「発想力」、「実現力」、「チーム構築力」及び「仮説検証力」である。サーバ装置1は、これらのスキルを評価するための複数の質問をユーザに対して提示し、質問に対する回答をユーザから受け付け、受け付けた回答に基づいて各スキルを例えば1から10までの範囲の数値で評価する。
【0014】
「戦略立案力」は、自社及び競合他社の強み及び弱みを理解し、ビジネスモデル及び戦略の構築を行うスキルである。
「顧客理解力」は、顧客のペイン及びゲインを理解し、ユーザ体験を設計するスキルである。ペインは顧客が減らしたい又は排除したい要素であり、ゲインは顧客が増やした要素である。
「発想力」は、価値ある発想を生むようにチームでのアイディエーションを進めるスキルである。
「実現力」は、計画を立て、プロダクトを開発し、マーケットへの導入を実現するスキルである。
「チーム構築力」は、全員がプロダクトを自分事として捉えるチームを構築し、ステークホルダー(利害関係者)をまとめるスキルである。
「仮説検証力」は、MVP(Minimum Viable Product)を実施し、そのデータを正しく読み取り改善を進めるスキルである。
【0015】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、上記の6個のスキルを評価するための計測尺度として、13個の知識に関する計測尺度と、6個の素養に関する計測尺度とが用いられる。サーバ装置1は、これらの計測尺度に対応する質問をユーザに提示して回答を取得し、各計測尺度に関するスコアを算出し、計測尺度のスコアに基づいてスキルの評価を行う。また本実施の形態に係る情報処理システムでは、上記のスキル及び計測尺度とは別に、プロダクトマネージャに必要なリーダシップを評価するための2個の計測尺度を用いる。サーバ装置1は、2個の計測尺度のスコアに基づいてリーダシップの評価を行う。
【0016】
知識に関する計測尺度は、6個のスキルのうちのいずれか1個に対応付けられている。換言すれば、各スキルにはそれぞれ一又は複数の知識に関する計測尺度が関連付けられており、各スキルの評価には関連付けられた知識の計測尺度のスコアが用いられる。本実施の形態においては、例えば以下のように6個のスキルに対して知識に関する計測尺度が関連付けられている。
「戦略立案力」のスキルには、「環境分析」及び「戦略・ビジネスモデル」の知識に関する計測尺度が関連付けられている。
「顧客理解力」のスキルには、「ターゲットのペイン・ゲイン」及び「ユーザ体験の設計」の知識に関する計測尺度が関連付けられている。
「発想力」のスキルには、「アイディエーション」の知識に関する計測尺度が関連付けられている。
「実現力」のスキルには、「ロードマップと指標」、「プロダクトを開発する」及び「プロダクトを届ける」の知識に関する計測尺度が関連付けられている。
「チーム構築力」のスキルには、「プロダクト志向なチームをつくる」、「プロダクトマネージャを取り巻くチーム」及び「開発手法」の知識に関する計測尺度が関連付けられている。
「仮説検証力」のスキルには、「MVPの実施」及び「データ分析」の知識に関する計測尺度が関連付けられている。
なお、上記関連付けは一例にすぎず、また、知識に関する各計測尺度は、6個のスキルのうちの複数に対応付けられていてもよい。
【0017】
「環境分析」は、自社の内部環境又は基礎的な外部環境の理解(ファイブフォース又はPEST(Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))分析)に関する知識の計測尺度である。
「戦略・ビジネスモデル」は、基礎的なライフサイクル又は基本的な戦略メソッドの理解、並びに、B2B及びB2C等のビジネスモデルの理解に関する知識の計測尺度である。
「ターゲットのペイン・ゲイン」は、ユーザのペイン・ゲインを想像する手法(ペルソナ)に関する知識の計測尺度である。
「ユーザ体験の設計」は、UX(User Experience)及びUI(User Interface)のデザインに関する知識の計測尺度である。
「アイディエーション」は、アイディエーションの手法の理解に関する知識の計測尺度である。
「ロードマップと指標」は、プロダクトライフサイクル又はロードマップ・フェージングの理解に関する計測尺度である。
「プロダクトを開発する」は、実現可能なユーザーストーリーを記載し、大まかな開発見積もりができるだけの技術的な理解に関する計測尺度である。
「プロダクトを届ける」は、プライシング又は営業構築の理解に関する計測尺度である。
「プロダクト志向なチームをつくる」は、リーダシップ又はネゴシエーションに関する知識の計測尺度である。
「プロダクトマネージャを取り巻くチーム」は、組織構成又は責任範囲の理解に関する計測尺度である。
「開発手法」は、アジャイル又はプロジェクトマネージメントの理解に関する計測尺度である。
「MVPの実施」は、MVP開発の理解や経験に関する計測尺度である。
「データ分析」は、統計に関する理解に関する計測尺度である。
【0018】
素養に関する計測尺度は、6個のスキルの評価に対してそのスコアが適宜に用いられる。本実施の形態においては、6個の素養に関する計測尺度として、「先見性(ビジョナリー)」、「主体性(オーナーシップ)」、「強靭性(レジリエンス)」、「探求性(ストゥディアス)」、「率直性(アサーティブネス)」及び「柔軟性(フレキシビリティ)」が用いられる。
【0019】
「先見性」は、未来を描き、ビジョンを持つことに関する素養の計測尺度である。
「主体性」は、自分ごととして突き詰めて考えることに関する素養の計測尺度である。
「強靭性」は、強い心で、なんとかする(やりぬく)ことに関する素養の計測尺度である。
「探求性」は、知らないことを積極的に学ぶことに関する素養の計測尺度である。
「率直性」は、議論を恐れず、プロダクトを良くするために自分の意見を伝えることに関する素養の計測尺度である。
「柔軟性」は、広い視野を持つバランス感覚に関する素養の計測尺度である。
【0020】
また本実施の形態においては、リーダシップに関する2個の計測尺度として、「牽引」及び「協調」が用いられる。
「牽引」は、率先して判断し、メンバーを率いることに関するリーダシップの計測尺度である。
「協調」は、メンバーの意見を聞き、まとめていくことに関するリーダシップの計測尺度である。
【0021】
サーバ装置1は、上記の13個の知識に関する計測尺度、6個の素養に関する計測尺度及び2個のリーダシップに関する計測尺度について予め作成された質問をユーザの端末装置3へ送信し、質問に対するユーザの回答を端末装置3から受信する。本実施の形態においては、知識に関する計測尺度についての質問は、例えば正解及び不正解が混在する複数の選択肢からユーザに回答を選択させる問題形式でユーザに提示される。また素養に関する計測尺度についての質問は、ユーザの考え又は心情等を問う正解及び不正解が存在しない質問、例えば表示された文章に対する共感度合いを複数段階(例えば7段階)で回答させる問題形式でユーザに提示される。サーバ装置1は、質問に対するユーザの回答を基に各計測尺度についてスコアを算出し、算出したこれら複数の計測尺度のスコアに基づいて各スキルに関する評価値を算出する。なおリーダシップに関する計測尺度についての質問は、知識に関する計測尺度と同様の形式であってもよく、素養に関する計測尺度と同様の形式であってもよく、これらとは異なる形式であってもよい。
【0022】
サーバ装置1は、算出した各スキルの評価値及び各計測尺度のスコア等を、プロダクトマネージャに対する適性の評価結果としてユーザの端末装置3へ送信し、端末装置3に評価結果を表示させることで、評価結果をユーザに提示する。本実施の形態に係る情報処理システムにおいては、評価結果を種々のグラフを用いたビジュアル表示でユーザに提示することができる。評価結果を表示するグラフ等の画像を生成する処理は、サーバ装置1にて行われてもよく、端末装置3にて行われてもよい。なお本実施の形態に係る情報処理システムでは評価結果を端末装置3に表示するものとするが、これに限るものではなく、例えばサーバ装置1が評価結果を紙媒体等に印刷し、印刷物を郵送する等の方法で評価結果をユーザに提示してもよい。
【0023】
<装置構成>
図2は、本実施の形態に係るサーバ装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るサーバ装置1は、処理部11、記憶部(ストレージ)12及び通信部(トランシーバ)13等を備えて構成されている。なお本実施の形態においては、1つのサーバ装置にて処理が行われるものとして説明を行うが、複数のサーバ装置が分散して処理を行ってもよい。
【0024】
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を用いて構成されている。処理部11は、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを読み出して実行することにより、ユーザの端末装置3へ質問を送信する処理、端末装置3にて受け付けたユーザの回答を取得する処理、取得した回答に基づいて計測尺度のスコアを算出する処理、算出したスコアに基づいてスキルを評価する処理及び評価結果を端末装置3へ送信して表示させる処理等の種々の処理を行う。
【0025】
記憶部12は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部12は、処理部11が実行する各種のプログラム、及び、処理部11の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部12は、処理部11が実行するサーバプログラム12aを記憶すると共に、ユーザに対して出題する質問を記憶する質問DB(データベース)12b及びユーザの評価結果を記憶する評価結果DB12c等が設けられている。
【0026】
本実施の形態においてサーバプログラム12aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録された態様で提供され、サーバ装置1は記録媒体99からサーバプログラム12aを読み出して記憶部12に記憶する。ただし、サーバプログラム12aは、例えばサーバ装置1の製造段階において記憶部12に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム12aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものをサーバ装置1が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム12aは、記録媒体99に記録されたものを書込装置が読み出してサーバ装置1の記憶部12に書き込んでもよい。サーバプログラム12aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
【0027】
質問DB12bは、端末装置3へ送信してユーザに提示(出題)するための複数の質問を記憶するデータベースである。本実施の形態において質問は、文章のデータとして記憶されるものとするが、画像又は音声等が含まれていてもよい。質問DB12bは、質問文に対応付けて、例えばこの質問文がいずれの計測尺度に対応するものであるかを示す情報、並びに、正解及び不正解が存在する場合に正解の選択肢がいずれであるかを示す情報等の種々の情報を記憶してよい。質問DB12bに記憶される質問の情報は、例えば本実施の形態に係る情報処理システムの設計者、管理者又はサービス提供者等により予め作成される。例えばユーザに対して50個の質問が提示される場合、少なくとも50個の質問が質問DB12bに記憶されている。ただし複数のユーザに対して一部又は全部が異なる質問が提示される場合、質問DB12bには50個以上の質問が記憶されてよい。
【0028】
評価結果DB12cは、本実施の形態に係る情報処理システムが提供するサービスを利用してプロダクトマネージャに対する適性の評価を受けたユーザについて、その評価結果を記憶して蓄積するデータベースである。評価結果DB12cは、例えばユーザの名前又はID、ユーザが回答を行った年月日、ユーザの回答に基づいて算出された各計測尺度のスコア、及び、各スキルの評価等の情報を対応付けて記憶する。また評価結果DB12cは、ユーザに対して提示された質問及びユーザが行った回答等の情報を更に記憶してもよい。
【0029】
通信部13は、携帯電話通信網、無線LAN(Local Area Network)及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部13は、ネットワークNを介して、一又は複数の端末装置3との間で通信を行う。通信部13は、処理部11から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部11へ与える。
【0030】
なお記憶部12は、サーバ装置1に接続された外部記憶装置であってよい。またサーバ装置1は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。またサーバ装置1は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0031】
また本実施の形態に係るサーバ装置1には、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを処理部11が読み出して実行することにより、質問出力部11a、回答取得部11b、スコア算出部11c、スキル評価部11d及び表示処理部11e等が、ソフトウェア的な機能部として処理部11に実現される。なお本図においては、処理部11の機能部として、プロダクトマネージャに対する適性評価に関する処理を行う機能部を図示し、これ以外の処理に関する機能部は図示を省略している。
【0032】
質問出力部11aは、記憶部12の質問DB12bに記憶された質問を読み出して端末装置3へ送信(出力)することにより、評価対象となるユーザに質問を提示する処理を行う。質問出力部11aは、例えば予め定められた順序で質問DB12bから質問を取得して端末装置3へ送信してもよく、また例えば無作為に質問を取得して順に端末装置3へ送信してもよい。また例えば質問出力部11aは、質問DB12bから一の質問を送信してユーザの回答を取得し、取得した回答に応じて次の質問を決定して質問DB12bから取得してもよい。この場合、先の質問及びこの質問に対する回答に対応付けて次の質問を決定するための条件等が予め作成されて記憶部12に記憶されている。質問出力部11aは、予め記憶されたこれらの条件に従って、質問DB12bから適宜に質問を取得して端末装置3へ送信する。なお質問出力部11aは、例えばユーザに対する複数の質問を一括して端末装置3へ送信してもよく、また例えば一問ずつ回答が得られる毎に質問を端末装置3へ送信してもよい。
【0033】
回答取得部11bは、質問出力部11aが送信した質問に対するユーザの回答を端末装置3から受信することにより、質問に対するユーザの回答を取得する処理を行う。なお回答取得部11bは、例えば複数の質問に対するユーザの複数の回答を一括して端末装置3から受信してもよく、また例えば一問ずつ回答を受信してもよい。回答取得部11bは、端末装置3から取得したユーザの回答をスコア算出部11cへ与える。
【0034】
スコア算出部11cは、回答取得部11bが取得したユーザの回答に基づいて、13個の知識に関する計測尺度、6個の素養に関する計測尺度及び2個のリーダシップに関する計測尺度についてのスコアをそれぞれ算出する。本実施の形態に係る情報処理システムでは、1個の計測尺度について数個~十数個程度の質問をユーザに提示して回答を取得し、複数の質問の回答に基づいて1つの計測尺度についてのスコアを算出する。スコア算出部11cは、算出した各計測尺度についてのスコアを、スキル評価部11dへ与える。
【0035】
スキル評価部11dは、スコア算出部11cが算出した13個の知識に関する計測尺度及び6個の素養に関する計測尺度についてのスコアに基づいて、プロダクトマネージャに要求される6つのスキルについてユーザの適性を評価する処理を行う。スキル評価部11dは、各スキルに対応付けられた計測尺度のスコアを取得し、取得した一又は複数のスコアに基づいて、各スキルを例えば1から10までの数値で評価した評価値を算出する。スキル評価部11dは、各スキルの評価結果、即ち各スキルについて算出した評価値を表示処理部11eへ与える。
【0036】
またスキル評価部11dは、スコア算出部11cが算出した2個のリーダシップに関する計測尺度についてのスコアに基づいて、プロダクトマネージャに要求されるリーダシップについてユーザの適性を評価する処理を行ってもよい。スキル評価部11dは、リーダシップに関する2個の計測尺度のスコアに基づいて、リーダシップを例えば1から10までの数値で評価した評価値を算出してもよい。ただし本実施の形態においては、リーダシップの評価値の算出を行わず、リーダシップに関する2個の計測尺度のスコアを直接的に提示することで、リーダシップの評価結果をユーザに提示する。ただし、リーダシップに関する計測尺度のスコアに基づいて評価値を算出し、算出した評価値をユーザに提示してもよい。
【0037】
表示処理部11eは、スキル評価部11dの評価結果を端末装置3へ送信することで、端末装置3に評価結果を表示させる処理を行う。なお本実施の形態に係る情報処理システムでは、スキル評価部11dが算出した6個のスキルの評価値に加えて、スコア算出部11cが算出した13個の知識に関する計測尺度、6個の素養に関する計測尺度及び2個のリーダシップに関する計測尺度についてのスコアについても、ユーザのプロダクトマネージャに対する適性の評価結果に関する情報として、サーバ装置1から端末装置3へ送信される。表示処理部11eは、これらの評価結果を種々のグラフで表示するための情報、評価結果に付随して表示するコメント又は解説等の文章の情報を、評価結果と共に端末装置3へ送信してよい。
【0038】
図3は、本実施の形態に係る端末装置3の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る端末装置3は、処理部31、記憶部(ストレージ)32、通信部(トランシーバ)33、表示部(ディスプレイ)34及び操作部35等を備えて構成されている。端末装置3は、プロダクトマネージャに対する適性の評価を望むユーザ、又は、このユーザが所属する企業の人事担当者等が使用する装置であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末装置又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成され得る。
【0039】
処理部31は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM及び等を用いて構成されている。処理部31は、記憶部32に記憶されたプログラム32aを読み出して実行することにより、サーバ装置1から取得した質問を表示する処理、質問に対するユーザの回答を受け付けてサーバ装置1へ送信する処理、及び、サーバ装置1から取得したプロダクトマネージャに対する適性の評価結果を表示する処理等の種々の処理を行う。
【0040】
記憶部32は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子又はハードディスク等の記憶装置等を用いて構成されている。記憶部32は、処理部31が実行する各種のプログラム、及び、処理部31の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部32は、処理部31が実行するプログラム32aを記憶している。本実施の形態においてプログラム32aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これを端末装置3が通信にて取得し、記憶部32に記憶する。ただしプログラム32aは、例えば端末装置3の製造段階において記憶部32に書き込まれてもよい。例えばプログラム32aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体98に記録されたプログラム32aを端末装置3が読み出して記憶部32に記憶してもよい。例えばプログラム32aは、記録媒体98に記録されたものを書込装置が読み出して端末装置3の記憶部32に書き込んでもよい。プログラム32aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体98に記録された態様で提供されてもよい。
【0041】
通信部33は、携帯電話通信網、無線LAN及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部33は、ネットワークNを介して、サーバ装置1との間で通信を行う。通信部33は、処理部31から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部31へ与える。
【0042】
表示部34は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部31の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部35は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部31へ通知する。例えば操作部35は、機械式のボタン又は表示部34の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける。また例えば操作部35は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであってよく、これらの入力デバイスは端末装置3に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
【0043】
また本実施の形態に係る端末装置3は、記憶部32に記憶されたプログラム32aを処理部31が読み出して実行することにより、質問表示処理部31a、回答受付部31b及び評価表示処理部31c等がソフトウェア的な機能部として処理部31に実現される。なおプログラム32aは、本実施の形態に係る情報処理システムに専用のプログラムであってもよく、インターネットブラウザ又はウェブブラウザ等の汎用のプログラムであってもよい。
【0044】
質問表示処理部31aは、サーバ装置1が送信する質問のデータを受信して、表示部34に質問を表示する処理を行う。本実施の形態において質問表示処理部31aは、例えば1つの質問を表示してユーザの回答が得られた後に次の質問を表示する、という態様で複数の質問を順番に表示する。ただし質問表示処理部31aは、複数の質問を同時的に表示してもよい。
【0045】
回答受付部31bは、操作部35に対するユーザの操作を受け付けることによって、質問表示処理部31aが表示した質問に対するユーザの回答を受け付ける処理を行う。回答受付部31bは、受け付けた回答をサーバ装置1へ送信する。
【0046】
評価表示処理部31cは、ユーザのプロダクトマネージャに対する適性の評価結果をサーバ装置1から受信して、表示部34に評価結果を表示する処理を行う。評価表示処理部31cは、ユーザのプロダクトマネージャに対する適性の評価結果として6個のスキルの評価値、13個の知識に関する計測尺度のスコア、6個の素養に関する計測尺度のスコア及び2個のリーダシップに関する計測尺度のスコア等の情報をサーバ装置1から取得する。本実施の形態に係る評価表示処理部31cは、取得したこれらの評価値又はスコア等をグラフ化したビジュアル表示を行うことができる。
【0047】
<評価処理>
本実施の形態に係る情報処理システムが提供するプロダクトマネージャの適性評価サービスは、例えば適性検査又は適性試験等の態様で実施され、受検者であるユーザは、自宅、勤務先又は検査会場等にて端末装置3を利用して検査を受ける。端末装置3には複数の質問が順に表示され、ユーザは端末装置3を操作して質問に対する回答を入力する。ユーザが全ての質問に対する回答を終えた後、ユーザの回答に基づいてサーバ装置1が評価を行い、評価結果を端末装置3に表示する。またサーバ装置1は、このユーザが務める企業の人事担当者等の端末装置3へ評価結果を送信してもよい。
【0048】
図4及び図5は、本実施の形態に係る情報処理システムにて端末装置3が表示する質問の一例を示す模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムにおいてユーザに提示される質問は、大きく二種類に分類される。一つは正解及び不正解が存在する質問であり、もう一つは正解及び不正解が存在しない質問である。上述のように、サーバ装置1は、13個の知識に関する計測尺度、6個の素養に関する計測尺度及び2個のリーダシップに関する計測尺度についての質問を行って、得られた回答に応じて各計測尺度のスコアを算出する。本実施の形態においては、知識に関する計測尺度についての質問が、正解及び不正解が存在する質問としてユーザに提示される(図4参照)。また本実施の形態においては、素養に関する計測尺度についての質問が、正解及び不正解が存在しない質問としてユーザに提示される(図5参照)ものとしたが、これに限られない。なお、リーダシップに関する計測尺度についての質問は、正解及び不正解が存在する質問であってもよく、正解及び不正解が存在しない質問であってもよい。
【0049】
図4には、正解及び不正解が存在する質問の一例が示されている。図4に示す例では、「プロダクトマネジメントの説明として適切なものはどれか。(2つ選択)」という質問の文章と、この質問に対してユーザが回答として選択可能な複数の選択肢とが表示されている。複数の選択肢は、例えば「マネジメントの対象はプロジェクトである」、「マネジメントの期間は商品、サービスが市場に存在する限り…」、「…」等である。ユーザは、表示された複数の選択肢の中から一又は複数の選択肢(本例では2つ)を選択し、質問に対する回答を行う。
【0050】
図5には、正解及び不正解が存在しない質問の一例が示されている。図5に示す例では、「ものごとを深く追求しようとする」という質問の文章が表示されている。またこの文章の下方には、質問に対してユーザが賛同する(YES)又は賛同しない(NO)度合いを複数段階(本例では7段階)で選択するための複数の選択肢が表示されている。本例では、円形のアイコンを水平方向に7個並べる態様で7個の選択肢が表示されており、選択された5段階目に相当するアイコンが拡大表示され、アイコン内に5段階目であることを示す数値が表示されている。ユーザは、表示された質問の内容にどの程度賛同できるかを7段階で判断し、7個のアイコンのいずれか1つを選択することで、質問に対する回答を行う。なお本例では7段階で回答を受け付ける構成としたが、これに限るものではなく、8段階以上又は6段階以下で回答を受け付けてよい。また例えば賛同する(YES)又は賛同しない(NO)の二択であってもよい。
【0051】
端末装置3は、図4及び図5に示すような質問の表示と回答の受け付けとを繰り返し行い、ユーザの回答をサーバ装置1へ送信する。サーバ装置1は、各計測尺度について、数問から数十問程度の質問を行って回答を取得し、取得した複数の回答に基づいて各計測尺度のスコアを算出する処理を行う。知識に関する計測尺度についての質問は正解及び不正解が存在する質問であり、サーバ装置1は、各質問に対するユーザの回答が正解又は不正解のいずれであるかを判定し、複数の回答について正解数又は正解率等を算出することでスコアを算出する。本実施の形態においてサーバ装置1は、各知識に関する計測尺度について、1から10までの数値でスコアを算出する。なおサーバ装置1が算出するスコアは、1~10の整数値のみでなく、この範囲の小数値が含まれてよい。
【0052】
なお本実施の形態においてサーバ装置1は、知識の計測尺度のスコアについて、項目反応理論を用いた算出を行う。項目反応理論(IRT(Item Response Theory))は、項目(個々の試験問題)の特性(難易度、識別力)が判明している場合に、項目に対する受検者の反応(回答状況)を用いて、この試験の結果から測定できる能力を推測する理論である。項目反応理論を用いることによってサーバ装置1は、能力の高い受検者に対してより難易度の高い質問を出題することができる。サーバ装置1は、知識の計測尺度に関する質問を受検者に出題して回答を取得し、回答の正否に基づいて受検者の能力を測定し、測定した能力に応じた質問を更に受検者に出題する。このため、例えば複数の受検者が同時的にプロダクトマネージャの適性試験を受検した場合であっても、各受検者に対して出題される質問の数及び内容等は異なる可能性がある。
【0053】
ただしサーバ装置1は、項目反応理論を用いず、各知識の計測尺度について予め定められた質問を行って回答を取得し、計測尺度のスコアを算出してもよい。また項目反応理論は、既存の技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0054】
また、素養に関する計測尺度についての質問は、上述のように正解及び不正解が存在しない質問であり、質問に対してユーザが賛同する度合いを例えば7段階で回答するものである。サーバ装置1は、各素養に関する計測尺度について複数の質問を行って回答を取得し、各計測尺度の複数の回答(1~7の値)の加重平均値を算出し、この加重平均値を1~10の範囲に拡張することで、1から10までの数値のスコアを各計測尺度について算出する。またサーバ装置1は、6つの知識の計測尺度について算出した6つのスコアの平均値を算出し、この平均値を素養に関する計測尺度の総合スコアとする。なおサーバ装置1が算出するスコアは、1~10の整数値のみでなく、この範囲の小数値が含まれてよい。
【0055】
サーバ装置1は、ユーザの回答に基づいて13個の知識に関する計測尺度及び6個の素養に関する計測尺度それぞれについてスコアを算出した後、このユーザのスキルの評価を行う。上述のように、各スキルには一又は複数の知識に関する計測尺度が対応付けられており、例えば「戦略立案力」のスキルには、「環境分析」及び「戦略・ビジネスモデル」の知識に関する計測尺度が関連付けられている。サーバ装置1は、各スキルについて対応付けられた一又は複数の知識に関する計測尺度のスコアと、素養に関する計測尺度の総合スコアとに基づき、これらのスコアに対して所定の演算を行うことで各スキルの評価値を算出する。
【0056】
例えばサーバ装置1は、「戦略立案力」のスキルに対応付けられた「環境分析」の計測尺度のスコアと、「戦略・ビジネスモデル」の計測尺度のスコアと、素養に関する計測尺度の総合スコアとの平均値又は加重平均値を算出し、算出した値を「戦略立案力」のスキルの評価値とする。なお、この評価値の算出方法は一例であってこれに限るものではなく、複数のスコアに基づくどのような演算でスキルの評価値を算出してもよい。また本実施の形態においてサーバ装置1は、各スキルの評価値を算出する際に、素養に関する計測尺度の総合スコアを用いているが、これに限るものではなく、例えば各スキルについて一又は複数の素養に関する計測尺度を予め対応付けておき、対応付けられた素養に関する計測尺度のスコアを用いて評価値を算出してもよい。
【0057】
図6は、本実施の形態に係るサーバ装置1が行う処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係るサーバ装置1の処理部11の質問出力部11aは、記憶部12の質問DB12bに記憶された複数の質問の中から、一の質問を取得する(ステップS1)。質問出力部11aは、ステップS1にて取得した質問をユーザの端末装置3へ送信する(ステップS2)。処理部11の回答取得部11bは、ステップS2にて送信した質問に対するユーザの回答を端末装置3から受信したか否かを判定する(ステップS3)。回答を受信していない場合(S3:NO)、回答取得部11bは、回答を受信するまで待機する。回答を受信した場合(S3:YES)、回答取得部11bは、端末装置3から受信したユーザの回答を、例えば記憶部12に一時的に記憶する(ステップS4)。回答取得部11bは、プロダクトマネージャに対する適性の評価に必要な全ての質問の送信及び回答の受信が終了したか否かを判定する(ステップS5)。少なくとも1つの質問の送信又は回答の受信が終了していない場合(S5:NO)、回答取得部11bは、ステップS1へ処理を戻す。
【0058】
全ての質問の送信及び回答の受信が終了した場合(S5:YES)、処理部11のスコア算出部11cは、記憶部12に一時的に記憶されたユーザの回答を読み出し、読み出したユーザの回答に基づいて、13個の知識に関する計測尺度、6個の素養に関する計測尺度及び2個のリーダシップに関する計測尺度についてのスコアをそれぞれ算出する(ステップS6)。処理部11のスキル評価部11dは、ステップS6にて算出された各計測尺度のスコアに基づいて、6個のスキルの評価値をそれぞれ算出することにより、各スキルの評価を行う(ステップS7)。処理部11は、ステップS6にて算出した各計測尺度のスコアと、ステップS7にて算出した各スキルの評価値とを含む評価結果を、記憶部12の評価結果DB12cに、評価対象のユーザ名及び評価を行った日時等の情報と共に記憶する(ステップS8)。また処理部11の表示処理部11eは、ステップS6にて算出した各計測尺度のスコアと、ステップS7にて算出した各スキルの評価値とを含む評価結果をユーザの端末装置3へ送信することで(ステップS9)、端末装置3に評価結果を表示する処理を行わせ、処理を終了する。
【0059】
図7は、本実施の形態に係る端末装置3が行う処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る端末装置3の処理部31の質問表示処理部31aは、サーバ装置1からプロダクトマネージャの適性評価に関する質問を受信したか否かを判定する(ステップS21)。質問を受信していない場合(S21:NO)、質問表示処理部31aは、質問を受信するまで待機する。質問を受信した場合(S21:YES)、質問表示処理部31aは、受信した質問を、例えば図4及び図5に示す態様で、表示部34に表示する(ステップS22)。
【0060】
処理部31の回答受付部31bは、操作部35に対するユーザの操作に基づいて、ステップS22にて表示した質問に対する回答がなされたか否かを判定する(ステップS23)。質問に対するユーザの回答がなされていない場合(S23:NO)、回答受付部31bは、回答がなされるまで待機する。ユーザによる回答がなされた場合(S23:YES)、回答受付部31bは、この回答を受け付けて、受け付けた回答をサーバ装置1へ送信する(ステップS23)。回答受付部31bは、プロダクトマネージャに対する適性の評価に必要な全ての質問の受信及び回答の送信が終了したか否かを判定する(ステップS25)。少なくとも1つの質問の受信又は回答の送信が終了していない場合(S25:NO)、回答受付部31bは、ステップS21へ処理を戻す。
【0061】
全ての質問の受信及び回答の送信が終了した場合(S25:YES)、処理部31の評価表示処理部31cは、サーバ装置1による評価結果を受信したか否かを判定する(ステップS26)。評価結果を受信していない場合(S26:NO)、評価表示処理部31cは、サーバ装置1が送信する評価結果を受信するまで待機する。評価結果を受信した場合(S26:YES)、評価表示処理部31cは、受信した評価結果を表示部34に表示して(ステップS27)、処理を終了する。
【0062】
<評価結果表示処理>
本実施の形態に係る情報処理システムは、サーバ装置1によるプロダクトマネージャに対する適性の評価結果を、様々な態様で端末装置3の表示部34に表示することができる。以下、情報処理システムによる評価結果の表示態様をいくつか挙げて説明する。ただし、評価結果の表示はこれらのものに限らず、種々の表示態様が採用され得る。図8図15は、評価結果の一表示例を示す模式図である。
【0063】
図8に示す表示例は、プロダクトマネージャに有用な6個のスキルについての評価結果(評価値)をレーダーチャート(又は蜘蛛の巣グラフ)の態様で表示したものである。例えば端末装置3は、スキルの評価結果の表示画面の上部に、「プロダクトマネジメントのスキル」等のタイトル文字列と、「プロダクトの目指すビジョンを実現するためには6つのスキルがあります。」等の簡単な説明文の文字列とを表示する。端末装置3は、これらの文字列の下方に、「戦略立案力」、「発想力」、「実現力」、「チーム構築力」、「仮説検証力」及び「顧客理解力」の6個のスキルが、反時計回りにこの順で配置されたレーダーチャートを表示する。レーダーチャートは、中心から6方向へ延びる6本の軸に6個のスキルを対応させ、各軸に対応するスキルの評価値をプロットし、軸が隣り合うスキルについてプロットした点を線で結ぶことにより6角形を描いたグラフである。
【0064】
また端末装置3は、各スキルに対応する軸に、10点を最高値として算出した各スキルの評価値と、この評価値に基づいて判定したスキルのレベル(Lv)とをそれぞれ表示する。図示の例では、「戦略立案力」の評価値は10且つレベルは4であり、「発想力」の評価値は8.4且つレベルは4であり、「実現力」の評価値は7.6且つレベルは3であり、「チーム構築力」の評価値は7.5且つレベルは3であり、「仮説検証力」の評価値は2.6且つレベル1であり、「顧客理解力」の評価値は5.1且つレベルは2である。本例では、評価値が0以上且つ4未満をレベル1とし、4以上且つ6未満をレベル2とし、6以上且つ8未満をレベル3とし、8以上をレベル4として、評価値に基づくレベルを判定している。例えば、レベル1はこれからの学習余地が大きいレベルであり、レベル2は一部学習の必要な領域があるレベルであり、レベル3は1人前のPMとして十分なレベルであり、レベル4は困難なプロダクト開発を成功させるレベルである。
【0065】
図9に示す表示例は、プロダクトマネージャに有用な6個のスキルについてユーザのレベルに関する解説を表示したものである。例えば端末装置3は、画面の上部に「あなたの各スキルの結果は以下の通りです」の文字列を表示し、この文字列の下方に横方向に長い矩形領域を上下に6個並べて表示し、各矩形領域内に各スキルの名称、スキルのレベル及び解説の文章を収めて表示している。これら解説の文章は、例えばサーバ装置1がスキル及びレベルに対応付けて記憶しており、スキルの評価結果と共にサーバ装置1から端末装置3へ送信される。端末装置3は、これらの文章のように、表示に必要な情報をサーバ装置1から取得して、所定の画面を構成して表示部34に表示する。ただしこれらの情報は、サーバ装置1ではなく端末装置3が記憶していてもよい。
【0066】
本例では、1番上の矩形領域には「戦略立案力」が「Lv(レベル)4」であること、及び、「高度なビジネス戦略が求められるプロダクトを成功させるレベルです。」の文章が示されている。上から2番目の矩形領域には「顧客理解力」が「Lv2」であること、及び、「ユーザ体験の設計では、一部学習が必要な領域があるレベルです。」の文章が示されている。3番目の矩形領域には「発想力」が「Lv4」であること、及び、「多様なチームでもアイディエーションを進められるレベルです。」の文章が示されている。4番目の矩形領域には「仮説検証力」が「Lv1」であること、及び、「MVP実施やデータによる改善を進めるために、学習の余地は大きいレベルです。」の文章が示されている。5番目の矩形領域には「実現力」が「Lv3」であること、及び、「計画、開発、マーケット導入を十分進められるレベルです。」の文章が示されている。6番目の矩形領域には「チーム構築力」が「Lv3」であること、及び、「プロダクト志向のチームをつくり、ステークホルダーをまとめられる十分なレベルです。」の文章が示されている。
【0067】
また本例において端末装置3は、6つの矩形領域の下方に、6個のスキルに関する解説の文章を表示する。本例では「いずれのスキルもプロダクトマネージャとして活躍するにはLv3以上が求められます。」、「全てのスキルをLv4にする必要はなく、自身の目指すスタイルにあわせて能力向上を検討するとよいでしょう。」及び「具体的にどんな能力を伸ばすかについては、詳細タブ内の情報を参考にして下さい。」等の文章が表示されている。
【0068】
図10に示す表示例は、各スキルに関連付けられた知識に関する計測尺度の評価結果(スコア)を表示したものである。本実施の形態においてサーバ装置1は13個の知識に関する計測尺度についてスコアを算出し、算出したスコアを評価結果と共に端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1から評価結果と共に取得したスコアに基づいて、図示の画面表示を行う。本例において端末装置3は、6個のスキルを横方向に2個且つ縦方向に3個並べたマトリクス状の配置で、各スキルの評価に用いられた一又は複数の計測尺度のスコアを示している。なお本例では、各計測尺度のスコアを1~10の10段階で示している。ただし本例に示された各計測尺度の10段階表示は、各計測尺度について算出されたスコアそのものでなくてよい。例えば計測尺度のスコアに対して、これに関連する別の計測尺度のスコアに基づく数値の調整を行い、元のスコアを調整した数値に基づいて1~10の10段階のいずれに相当するかを判断してもよい。また本例ではスコアを10段階で表示しているが、これに限るものではなく、例えば1~5の5段階表示であってもよく、また例えば1~100の100段階表示であってもよく、また例えば0~1の小数の数値で表示してもよく、これら以外の方法で表示してもよい。
【0069】
本例では、「戦略立案力」について、「自社/競合の強み・弱みを理解し、ビジネスモデル・戦略の構築を行うスキル」等のスキルを解説する文章と、このスキルの評価に用いた「環境分析」及び「戦略・ビジネスモデル」の知識に関する計測尺度のスコアとが表示されている。また「顧客理解力」について、「顧客のペイン・ゲインを理解し、ユーザ体験を設計するスキル」等のスキルを解説する文章と、このスキルの評価に用いた「ターゲットのペイン・ゲイン」及び「ユーザ体験の設計」の知識に関する計測尺度のスコアとが表示されている。「発想力」について、「価値ある発想を生むようにチームでのアイディエーションを進めるスキル」等のスキルを解説する文章と、このスキルの評価に用いた「アイディエーション」の知識に関する計測尺度のスコアとが表示されている。「仮説検証力」について、「MVPを実施し、そのデータを正しく読み取り改善を進めるスキル」等のスキルを解説する文章と、このスキルの評価に用いた「MVPの実施」及び「データ分析」の知識に関する計測尺度のスコアとが表示されている。「実現力」について、「計画を立て、プロダクトを開発し、マーケットへの導入を実現するスキル」等のスキルを解説する文章と、このスキルの評価に用いた「ロードマップと指標」、「プロダクトを開発する」及び「プロダクトを届ける」の知識に関する計測尺度のスコアとが表示されている。「チーム構築力」について、「全員がプロダクトを自分事として捉えるチームを構築し、ステークホルダーをまとめるスキル」等のスキルを解説する文章と、このスキルの評価に用いた「プロダクト志向なチームをつくる」、「プロダクトマネージャを取り巻くチーム」及び「開発手法」の知識に関する計測尺度のスコアとが表示されている。
【0070】
図11に示す表示例は、プロダクトマネジメントの知識に関する情報を表示したものである。本実施の形態においてサーバ装置1は、6個のスキルの評価結果、並びに、13個の知識に関する計測尺度及び6個の素養に関する計測尺度のスコアに基づいて、プロダクトマネジメントの知識に関する評価項目について評価値を算出する。本例においてサーバ装置1は、「Business」、「Tech(Technology)」、「UX」及び「Team」の4つの評価項目について評価値を算出し、算出した評価値を端末装置3へ送信する。なお、これらの評価値の算出を端末装置3が行ってもよい。
【0071】
本実施の形態においてサーバ装置1は、13個の知識に関する計測尺度のスコアに基づいて、「Business」、「Tech(Technology)」、「UX」及び「Team」の4つの評価項目についての評価値を算出する。例えば、13個の知識に関する計測尺度は、「Business」、「Tech(Technology)」、「UX」、「Team」及び「いずれにも属さない」の5つの属性の中のいずれか1つが予め対応付けられている。サーバ装置1は、4つの評価項目について対応付けられた一又は複数の知識に関する計測尺度のスコアを取得し、取得したスコアの平均値又は加重平均値等を評価項目の評価値として算出する。なお評価項目の算出方法はこれに限るものではなく、どのような算出方法が採用されてもよい。
【0072】
例えば、「環境分析」、「戦略・ビジネスモデル」、「ロードマップと指標」及び「データ分析」の計測尺度に対して「Business」の属性を対応付けることができる。サーバ装置1は、「環境分析」、「戦略・ビジネスモデル」、「ロードマップと指標」及び「データ分析」の計測尺度のスコアに基づいて、「Business」に関する評価値を算出することができる。このときにサーバ装置1は、例えば「環境分析」、「戦略・ビジネスモデル」、「ロードマップと指標」及び「データ分析」のスコアの平均値を算出し、この平均値を「Business」の評価値とすることができる。
【0073】
また例えば、「プロダクトを開発する」の計測尺度に対して「Tech」の属性を対応付けることができる。また例えば、「ターゲットのペイン・ゲイン」、「ユーザ体験の設計」及び「プロダクトを届ける」の計測尺度に対して「UX」の属性を対応付けることができる。また例えば、「プロダクト志向なチームをつくる」及び「開発手法」の計測尺度に対して「Team」の属性を対応付けることができる。
【0074】
端末装置3は、4つの評価項目について算出された評価値に基づいて、図示の画面を表示する。例えば端末装置3は、画面の上部に「プロダクトマネジメントの知識」のタイトル文字列を表示し、この文字列の下方に「スキルとして活躍する前段階として、知識を持っている必要があります。プロダクトマネージャには4つの領域の知識が求められます。」等の説明文の文字列を表示する。また端末装置3は、これらの文字列の下方に、三角形の図形を表示すると共に、三角形の各頂点に対応付けて「Business」、「Tech」及び「UX」の評価項目の評価値を示し、三角形の中心に「Team」の評価項目の評価値を示す。端末装置3は、各評価項目について、1から10までの数値で算出された評価値及びこの評価値を更に1~4の4段階で評価したレベルの情報を表示すると共に、評価値に応じて半径が増減される同心円の図形を表示する。
【0075】
図12に示す表示例は、プロダクトマネジメントの知識についてユーザのレベルに関する解説を表示したものである。例えば端末装置3は、画面の上部に「あなたの各知識の結果は以下の通りです」の文字列を表示し、この文字列の下方に横方向に長い矩形領域を上下に4個並べて表示し、各矩形領域内に各評価項目の名称、評価項目のレベル及び解説の文章を収めて表示している。これら解説の文章は、例えばサーバ装置1が評価項目及びレベルに対応付けて記憶しており、評価項目の評価結果と共にサーバ装置1から端末装置3へ送信される。端末装置3は、これらの文章のように、表示に必要な情報をサーバ装置1から取得して、所定の画面を構成して表示部34に表示する。ただしこれらの情報は、サーバ装置1ではなく端末装置3が記憶していてもよい。
【0076】
本例では、1番上の矩形領域には「Business」の評価項目が「Lv4」であること、及び、「ビジネス領域において高度な知識を持っているレベルです。」の文章が示されている。上から2番目の矩形領域には「Technology」の評価項目が「Lv2」であること、及び、「ユーザ体験の設計では、一部学習が必要な領域があるレベルです。」の文章が示されている。3番目の矩形領域には「UX」の評価項目が「Lv3」であること、及び、「UX領域において、PMとして十分な知識を持っているレベルです。」の文章が示されている。4番目の矩形領域には「Team」の評価項目が「Lv4」であること、及び、「チーム作りの領域において、高度な知識を持っているレベルです。」の文章が示されている。
【0077】
また本例において端末装置3は、4つの矩形領域の下方に、4個の評価項目に関する解説の文章を表示する。本例では「いずれの知識もプロダクトマネージャとして活躍するにはLv3以上が求められます。」、「すぐに全てをLv3にするのが難しい場合は、チームメンバに補完してもらい対応するという方法もあります。Lv4は自身の目指すスタイルにあわせて能力向上を検討するとよいでしょう。」等の文章が表示されている。
【0078】
図13に示す表示例は、プロダクトライフサイクルのフェーズに関する情報を表示したものである。本実施の形態においてサーバ装置1は、6個のスキルの評価結果、並びに、13個の知識に関する計測尺度及び6個の素養に関する計測尺度のスコアに基づいて、プロダクトのライフサイクルに関して予め定められた複数のフェーズについて、ユーザのプロダクトマネージャの適性を評価した評価値を算出する。本例においてサーバ装置1は、前期、中期及び後期の3つのフェーズについて評価値を算出し、算出した評価値を端末装置3へ送信する。なお、これらの評価値の算出を端末装置3が行ってもよい。
【0079】
例えば、13個の知識に関する計測尺度のスコアを算出するために受検者に対して提示する複数の質問には、「前期」、「中期」又は「後期」のいずれかの属性が与えられている。このとき、各知識について「前期」、「中期」及び「後期」の属性が与えられた質問が少なくとも1つずつ含まれることが望ましい。サーバ装置1は、各知識について「前期」、「中期」及び「後期」の属性毎にスコアを算出し、各属性について算出した13個のスコアの平均値を算出することで、「前期」、「中期」及び「後期」についての評価値を算出することができる。なお、「前期」、「中期」及び「後期」の評価値の算出方法はこれに限るものではなく、どのような方法が採用されてもよい。
【0080】
端末装置3は、3つのフェーズについて算出された評価値に基づいて、図示の画面を表示する。例えば端末装置3は、画面の上部に「フェーズ」のタイトル文字列を表示し、この文字列の下方に「プロダクトライフサイクルに必要な能力は異なります。ここでは3つのフェーズに分け、それぞれ能力を表しています。」等の説明文の文字列を表示する。また端末装置3は、これらの文字列の下方に、横軸をライフサイクル(時間)とし且つ縦軸を評価値とした折れ線グラフを表示して、3つのフェーズについてユーザの評価値の変化を示す。端末装置3は、3つのフェーズに対し、前期について「0→1」のラベル、中期について「1→10」のラベル、後期について「10→100」のラベルを付すと共に、各フェーズの評価値に対応する点をグラフ上にプロットして表示する。端末装置3は、各フェーズについて、1から10までの数値で算出された評価値及びこの評価値を更に1~4の4段階で評価したレベルの情報を表示する。
【0081】
また端末装置3は、折れ線グラフの下方に、各フェーズについての説明文章の文字列を表示する。本例において端末装置3は、前期のフェーズについて、「0→1:プロダクトの初期。市場に受け入れられる方向性を模索している段階。」の説明文章を表示している。端末装置3は、中期のフェーズについて、「1→10:収益性が認められ、本格的にプロダクトの成長に投資をする段階。」の説明文章を表示している。端末装置3は、後期のフェーズについて、「10→100:成熟したプロダクトとして市場での責任を果たす段階。」の説明文章を表示している。
【0082】
図14に示す表示例は、リーダシップスタイルに関する情報を表示したものである。本実施の形態においてサーバ装置1は、リーダシップに関する2個の計測尺度のスコアを算出し、算出したスコアに基づいて更にリーダシップスタイルに関する評価項目の評価値を算出する。本例においてサーバ装置1は、「牽引-委任」及び「協調-主張」の2つの評価項目について評価値を算出し、算出した評価値を端末装置3へ送信する。なお、これらの評価値の算出を端末装置3が行ってもよい。
【0083】
サーバ装置1は、リーダシップに関する「牽引」の計測尺度のスコアに基づいて、「牽引-委任」についての評価値を算出する。サーバ装置1は、1から10までの範囲の数値として算出した「牽引」の計測尺度のスコアを、例えば-5から+5までの範囲の数値に変換して「牽引-委任」についての評価値とすることができる。
【0084】
同様にサーバ装置1は、リーダシップに関する「協調」の計測尺度のスコアに基づいて、「協調-主張」についての評価値を算出する。サーバ装置1は、1から10までの範囲の数値として算出した「協調」の計測尺度のスコアを、例えば-5から+5までの範囲の数値に変換して「協調-主張」についての評価値とすることができる。
【0085】
なお、「牽引-委任」及び「協調-主張」の評価値の算出方法はこれに限るものではなく、どのような方法が採用されてもよい。また本例では評価値を-5から+5までの数値としたが、これに限るものではなく、評価値はどのような範囲の数値として算出されてもよい。また評価値は、整数又は小数のいずれの数値として算出されてもよく、数値以外(例えばA,B,C…のランク)であってもよい。
【0086】
端末装置3は、2つの評価項目について算出された評価値に基づいて、図示の画面を表示する。例えば端末装置3は、画面の上部に「リーダシップスタイル」のタイトル文字列を表示し、この文字列の下方に「あなたのリーダシップのスタイルを表しています。」等の説明文の文字列を表示する。また端末装置3は、これらの文字列の下方に、横軸を「牽引-委任」の評価値とし且つ縦軸を「協調-主張」の評価値とした2次元のグラフを表示し、このグラフに「牽引-委任」の評価値及び「協調-主張」の評価値に対応する点をプロットして、リーダシップスタイルに関する評価値を示す。端末装置3は、各評価値について-5~+5の範囲で算出された評価値に基づいて2次元のグラフのx座標及びy座標を決定し、決定した座標に対応する点をグラフ上にプロットする。
【0087】
また端末装置3は、2次元のグラフの下方に、ユーザのリーダシップスタイルの判定結果と、リーダシップスタイルの判定に用いられた評価項目についての説明文章との文字列を表示する。本例において端末装置3は、ユーザのリーダシップスタイルについて、「あなたは、牽協調型です。」の判定結果を表示している。この判定は、例えばグラフにプロットされた点のx座標及びy座標に基づいてサーバ装置1が行い、判定結果をサーバ装置1が端末装置3へ送信する。サーバ装置1は、例えば2次元のグラフを複数の領域に分割し、各領域に対してリーダシップスタイルを対応付けた情報を予め記憶しており、グラフにプロットされた点がいずれの領域に含まれるかを判定することでリーダシップスタイルを判定する。また端末装置3は、「牽引:率先して判断し、メンバーを率いる」、「委任:メンバーそれぞれに判断を任せる」、「協調:メンバーの意見を聞き、まとめていく」及び「主張:自分自身の考えを重視する」等の評価項目についての説明文章を表示している。
【0088】
図15に示す表示例は、素養に関する計測尺度の評価結果(スコア)を表示したものである。端末装置3は、サーバ装置1から評価結果と共に取得した計測尺度のスコアに基づいて、図示の画面表示を行う。例えば端末装置3は、画面の上部に「素養」のタイトル文字列を表示し、この文字列の下方に「素養は、良いプロダクトマネージャになるための基盤となるものです。」等の説明文の文字列を表示する。また端末装置3は、これらの文字列の下方に、素養に関する6個の計測尺度のスコアと、これらを総合したスコアとを表示する。サーバ装置1は、6個の計測尺度のスコアの平均値を算出して総合スコアとし、算出した総合スコアを評価結果及び他のスコアと共に端末装置3へ送信する。
【0089】
例えば端末装置3は、サーバ装置1から取得したスコアに基づいて、いわゆるスライダーバーの形状を模したグラフを用いて各スコアの表示を行う。即ち端末装置3は、水平方向に長い棒状の領域(スライダーバー)内に、スコアに応じた位置に短い棒状の領域(スライダー)を表示することで、各スコアの高低を示している。本例のスライダーバーは、左側はスコアが低く、右側はスコアが高く、中央がスコアの基準である。端末装置3は、7個のスライダーバーを上下方向に並べて表示し、上から「総合」、「先見性」、「主体性」、「強靭性」、「探求性」、「率直性」及び「柔軟性」の順にスコアを示している。なお本例では、各計測尺度のスコアを1から10までの数値で示している。
【0090】
なお図示は省略するが、端末装置3は、素養に関する計測尺度のスコアの表示と共に、各素養についての説明文等を表示してもよい。説明文は、例えば「総合:6つの素養の総合値」、「先見性:未来を描き、ビジョンを持つこと」、「主体性:自分ごととして突き詰めて考えること」、「強靭性:強い心で諦めずに進める力」、「探求性:知らないことを積極的に学ぶ」、「率直性:議論を恐れず、プロダクトを良くするために自分の意見を伝える」及び「柔軟性:広い視野を持つバランス感覚」等である。
【0091】
<その他>
上述の表示例は、プロダクトマネージャの適正評価の検査等を受検した受検者が端末装置3にて評価結果を確認することを想定した画面の表示例である。本実施の形態に係る情報処理システムでは、例えば企業の複数の従業員等が受検した結果を、この企業の人事担当者等が端末装置3にて確認することができる。この場合に端末装置3は、人事担当者等の閲覧が許可されている複数の従業員等について、プロダクトマネージャの適性についての評価結果をサーバ装置1から取得し、複数の評価結果を同時的に表示する。
【0092】
例えば図5に示したスキルの評価結果の表示例において、端末装置3は、複数人分のスキルの評価結果を1つのレーダーチャートに重ねて表示する。このときに端末装置3は、例えば各受検者の評価結果に対応する6角形の図形をそれぞれ異なる色で表示してもよい。また端末装置3は、複数人分の評価結果に基づいて、各スキルの評価値について複数人の平均値、最小値又は最大値等を算出し、算出した平均値等を一又は複数の受検者の評価結果に重ねて表示してもよい。
【0093】
また上述の表示例は、ユーザがプロダクトマネージャの適性を評価する検査等を受検した1回分の評価結果を表示することを想定した画面の表示例である。本実施の形態に係る情報処理システムでは、例えばユーザがこの検査等を複数回受検している場合に、最新の評価結果と、過去の一又は複数回分の評価結果とを対比して表示することにより、評価結果の時系列的な変化をユーザに対して提示してもよい。この場合に端末装置3は、ユーザが過去に受検した検査等の評価結果をサーバ装置1から取得し、最新の評価結果と一又は複数の過去の評価結果とを同時的に表示する。
【0094】
例えば図5に示したスキルの評価結果の表示例において、端末装置3は、複数回分のスキルの評価結果を1つのレーダーチャートに重ねて表示する。このときに端末装置3は、例えば最近の評価結果を濃い色とし、過去の評価結果を淡い色として、評価結果に対応する6角形の図形に濃淡の色分けを行って表示してもよい。また例えば、個別のスキルについて、横軸を時間とし、縦軸を評価値とした折れ線グラフ又は棒グラフ等を表示してもよい。
【0095】
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る情報処理システムでは、サーバ装置1がプロダクトマネージャのスキルを測る計測尺度に関する質問を端末装置3へ送信し、端末装置3が受け付けた質問に対する受検者の回答を取得し、取得した回答に基づいて計測尺度に関するスコアを算出し、算出したスコアに基づいてスキルの評価を行う。プロダクトマネージャの評価に適した計測尺度を用いることにより、サーバ装置1は、受検者のプロダクトマネージャに対する適性を精度よく評価することが期待できる。
【0096】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、プロダクトマネージャのスキルを測る計測尺度には、知識に関する計測尺度及び素養に関する計測尺度を含む。このような計測尺度に基づいてスキルの評価を行うことにより、サーバ装置1は、受検者のプロダクトマネージャに対する適性を精度よく評価することが期待できる。
【0097】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、知識に関する計測尺度に関する質問として正解及び不正解が存在する質問を出力し、素養に関する計測尺度に関する質問として正解及び不正解が存在する質問を出力する。これによりサーバ装置1は、知識に関する計測尺度に適した質問を出力してスコアを算出することができ、素養に関する計測尺度に適した質問を出力してスコアを算出することが期待できる。
【0098】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、プロダクトマネージャのスキルには一又は複数の知識に関する計測尺度が対応付けられており、サーバ装置1は、対応付けられた知識に関する計測尺度のスコアと素養に関する計測尺度のスコアとに基づいて、各スキルの評価値を算出する。これによりサーバ装置1は、プロダクトマネージャのスキルに関する評価値の算出を精度よく行うことが期待できる。
【0099】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、サーバ装置1から取得した情報に基づいて端末装置3がユーザのスキルに関する複数の評価結果を対比して表示する。これにより、複数のスキルで表されたプロダクトマネージャについての適性の評価結果を、ユーザに対して理解し易いように提示することが期待できる。
【0100】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
1 サーバ装置
3 端末装置
11 処理部
11a 質問出力部
11b 回答取得部
11c スコア算出部
11d スキル評価部
11e 表示処理部
12 記憶部
12a サーバプログラム
12b 質問DB
12c 評価結果DB
13 通信部
31 処理部
31a 質問表示処理部
31b 回答受付部
31c 評価表示処理部
32 記憶部
32a プログラム
33 通信部
34 表示部
35 操作部
98,99 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
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