(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143411
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/02 20060101AFI20220926BHJP
B65D 30/16 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B65D33/02
B65D30/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043901
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】391003794
【氏名又は名称】押尾産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正和
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA29
3E064BA36
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
3E064EA05
3E064FA03
3E064GA04
3E064HF01
3E064HG03
3E064HM01
3E064HN65
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】包装袋の視認性を向上させる。
【解決手段】包装袋は、シート材である表面シート120と裏面シートと底面シートとが接着されることによって袋状をなしている袋本体100を備えている。包装袋は、袋本体100における側方の縁を覆う柱状の第1補強部材30および第2補強部材34を備えている。ここで、表面シート120側を前方として、裏面シート側を後方とする。第1補強部材30および第2補強部材34は、弧が前方を向く弓形となるように反っている。袋本体100は、底面シートに近い端部および袋本体100における開口に近い端部が袋本体100の中央よりも後方にずれた位置にあるように反っている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材である表面シートと裏面シートと底面シートとを有し、前記表面シートと、該表面シートに対向して配置される前記裏面シートと、上下二つ折りの状態で前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される前記底面シートと、が接着されることによって袋状をなしている袋本体と、
前記袋本体における側方の縁を覆う柱状の補強部材と、を備える包装袋であって、
前記表面シート側を前方として、前記裏面シート側を後方として、
前記補強部材は、弧が前記前方を向く弓形となるように反っていて、
前記袋本体は、前記底面シートに近い端部および前記袋本体における開口に近い端部が前記袋本体の中央よりも前記後方にずれた位置にあるように反っている
包装袋。
【請求項2】
前記補強部材は、前記開口に近い端部が当該端部の先端ほど前記開口の中心に近い位置にあるように湾曲している肩部を備え、
前記袋本体は、前記袋本体の側方における両端部が前記袋本体の中央よりも前記後方にずれた位置にあるように反っている
請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記補強部材の反り量は、2mm以上20mm以下である
請求項1または請求項2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記補強部材は、射出成形されたものであり、前記後方から前記縁を覆う部分に射出成形によるゲート跡を有する
請求項1~3のいずれか一項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材から構成される包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シート材が接着されて袋状をなしている包装袋が開示されている。包装袋は、底面シートと一対の側面シートとを備えている。包装袋は、二つ折りにした底面シートを一対の側面シートの間に挟み込ませた状態で、底面シートおよび側面シートにおける側方の縁が接着されることによって袋状をなしている。さらに、特許文献1に開示されている包装袋は、側方の縁が樹脂によって覆われている。樹脂で補強されることによって、包装袋は、自立しやすくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような包装袋を商品棚等に陳列した場合に、顧客の目を引くように包装袋の視認性を向上させたいという要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための包装袋は、シート材である表面シートと裏面シートと底面シートとを有し、前記表面シートと、該表面シートに対向して配置される前記裏面シートと、上下二つ折りの状態で前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される前記底面シートと、が接着されることによって袋状をなしている袋本体と、前記袋本体における側方の縁を覆う柱状の補強部材と、を備える包装袋であって、前記表面シート側を前方として、前記裏面シート側を後方として、前記補強部材は、弧が前記前方を向く弓形となるように反っていて、前記袋本体は、前記底面シートに近い端部および前記袋本体における開口に近い端部が前記袋本体の中央よりも前記後方にずれた位置にあるように反っていることをその要旨とする。
【0006】
上記構成では、袋本体における側方の縁を覆う補強部材が弓形となるように反っている。さらに、補強部材に倣って袋本体も反っている。袋本体が反っていることによって、表面シートが前方にせり出して凸面になっている。上記構成によれば、たとえば、表面シートが正面を向くように包装袋を陳列した場合には、表面シートに付された表示を引き立たせることができる。すなわち、表面シートが平面である場合と比較して、包装袋の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図7】平面に寝かせた状態の同包装袋を示す側面図。
【
図10】
図8における10-10線に沿った断面図。
【
図11】同包装袋の製造方法における一工程を説明する図。
【
図14】同包装袋の製造方法における続く工程を説明する図。
【
図17】
図14における17-17線に沿った位置に対応する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態である包装袋、包装袋の製造装置および包装袋の製造方法について、
図1~
図17を参照して説明する。
〈包装袋の構成〉
図1に示すように、包装袋は、袋本体100を構成する表面シート120、裏面シート130および底面シート110を備えている。表面シート120、裏面シート130および底面シート110は、シート材である。シート材としては、樹脂シートを用いることができる。樹脂シートの例としては、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、またはポリエステルを材料とする単層の樹脂シートが挙げられる。樹脂シートは、上記材料からなる各種シートのうち一つ以上のシートが積層された多層の樹脂シートでもよい。また、シート材としては、アルミ箔および紙等の薄い膜状の材料をラミネート加工したシート材を用いることもできる。
【0009】
包装袋は、袋本体100の開口に取り付けられる筒状の口具38を備えている。包装袋は、口具38を封止するキャップ39を備えていてもよい。口具38は、袋本体100の内外を連通する通路を形成する。口具38のうち袋本体100の外に露出する部分には、キャップ39を取り付けるための保持部が形成されていてもよい。保持部は、たとえば、螺旋状の溝である。
【0010】
図1には、包装袋の前後方向を規定する矢印を表示している。さらに、包装袋の上下方向を規定する矢印を表示している。以下では、袋本体100における表面シート120側を前方という。また、袋本体100における裏面シート130側を後方という。
【0011】
表面シート120の形状を説明する。表面シート120における下方の端部は、矩形である。表面シート120における下方の端部は、四角形状に切欠かれた第1切欠12aを備えていてもよい。第1切欠12aは、表面シート120における下方の端部において、左右両端の角にそれぞれ形成されている。表面シート120における下方の縁を表下縁12cという。表面シート120における上方の端部は、四角形状に切欠かれた第2切欠12bを二つ備えている。第2切欠12bは、表面シート120における上方の縁である表上縁12dから下方に向かって延びている。二つの第2切欠12bは、間隔を空けて左右方向に並んでいる。表面シート120における上方の端部は、第2切欠12bよりも外側に位置する左右の両端がそれぞれ円弧状となるように切り取られていてもよい。表面シート120における円弧状の部分を表上部12eという。
【0012】
裏面シート130の形状を説明する。裏面シート130は、表面シート120と形が同じである。裏面シート130の大きさは、表面シート120の大きさと等しい。裏面シート130における上方の縁を裏上縁13dとする。裏面シート130における下方の縁を裏下縁13cとする。裏面シート130における下方の端部に形成されている二つの切欠きを、第3切欠13aとする。裏上縁13dから下方に向かって延びている二つの切欠きを、第4切欠13bとする。裏面シート130における円弧状の部分を裏上部13eという。
【0013】
底面シート110の形状を説明する。底面シート110は、矩形のシートである。
図1に示す底面シート110は、山折りにされている。底面シート110は、折り目が上方に位置するように配置されている。底面シート110における下方の端部は、四角形状に切欠かれた第5切欠11aを備えていてもよい。第5切欠11aは、底面シート110における下方の端部において四隅の角にそれぞれ形成されている。第5切欠11aは、第1切欠12aおよび第3切欠13aと、形が同じである。第5切欠11aの大きさは、第1切欠12aおよび第3切欠13aの大きさと等しい。
【0014】
裏面シート130は、表面シート120に対向して配置されている。裏面シート130は、裏下縁13cが表下縁12cと重なるように、位置合わせされている。裏面シート130は、裏上縁13dが表上縁12dと重なるように、位置合わせされている。表面シート120における裏面シート130と向かい合う面は、熱融着性を有していてもよい。裏面シート130における表面シート120と向かい合う面は、熱融着性を有していてもよい。
【0015】
底面シート110は、袋本体100における下方の端に配置されている。底面シート110は、上下二つ折りの状態で表面シート120と裏面シート130との間に挟まれている。底面シート110は、底面シート110における下方の縁である底下縁11cが、表下縁12cおよび裏下縁13cと重なるように位置合わせされている。
【0016】
袋本体100は、表面シート120、裏面シート130および底面シート110が接着されて袋状となっている。袋本体100は、各シートが接着される箇所として、側縁接着部22、上縁接着部23および底縁接着部21を備えている。側縁接着部22、上縁接着部23および底縁接着部21では、熱融着によって接着が行われている。袋本体100における下方の縁である下縁106は、表下縁12c、裏下縁13cおよび底下縁11cによって形成されている。下縁106には、第1切欠12a、第3切欠13aおよび第5切欠11aによって、下切欠部104が形成されている。袋本体100における上方の縁である上縁107は、表上縁12dおよび裏上縁13dによって形成されている。上縁107には、第2切欠12bおよび第4切欠13bによって、上切欠部105が形成されている。
【0017】
図2および
図3に示すように、側縁接着部22は、袋本体100における側方の両端に設けられている。側縁接着部22は、表面シート120と裏面シート130とを接着している。側縁接着部22は、表面シート120における側方の端部と、裏面シート130における側方の端部と、を接着している。側縁接着部22における上方の端は、たとえば、第2切欠12bおよび第4切欠13bまで達している。側縁接着部22における下方の端は、たとえば、下縁106まで達している。
【0018】
図2および
図3に示すように、上縁接着部23は、袋本体100における上方の端部に設けられている。上縁接着部23は、表面シート120における上方の端部と、裏面シート130における上方の端部と、を接着している。袋本体100では、上縁接着部23において、表面シート120と裏面シート130との間に口具38が挟まれている。口具38は、表面シート120および裏面シート130と接着されることによって固定されている。上縁接着部23における側方の端は、たとえば、第2切欠12bおよび第4切欠13bまで達している。上縁接着部23における側方の端は、第2切欠12bおよび第4切欠13bよりも外側まで延びていてもよい。この場合には、上縁接着部23の一部が側縁接着部22の一部に重なることになる。上縁接着部23と側縁接着部22とが重なる部分では、二度の熱融着によって接着が行われている。
【0019】
図2および
図3に示すように、底縁接着部21は、袋本体100における下方の端部に設けられている。
図2に示すように、底縁接着部21は、表面シート120における下方の端部と、底面シート110とを接着している。
図3に示すように、底縁接着部21は、裏面シート130における下方の端部と、底面シート110とを接着している。底縁接着部21は、下縁106と、下縁106に向かって凸となる円弧状の曲線と、袋本体100における側方の縁と、に囲まれた領域において、各シートを接着している。底縁接着部21と側縁接着部22とが重なる部分では、二度の熱融着によって接着が行われている。表面シート120、裏面シート130および底面シート110が底縁接着部21において接着されていることによって、四層構造が形成されている。
【0020】
図1~
図3に示すように、包装袋は、袋本体100の側方に取り付けられる第1補強部材30および第2補強部材34を備えている。第1補強部材30および第2補強部材34の一例は、熱可塑性樹脂を材料としている。第1補強部材30および第2補強部材34は、たとえば、結晶性樹脂によって成形されている。第1補強部材30および第2補強部材34は、射出成形によって製造することができる。
【0021】
図2および
図3に示すように、第1補強部材30は、袋本体100における側方の縁のうち下切欠部104から上切欠部105までの範囲を覆っている。第1補強部材30のうち下切欠部104に位置する端面を第1下端面31という。第1補強部材30のうち上切欠部105に位置する端面を第1上端面32という。第1補強部材30は、第1上端面32に近い方の端部に第1肩部33を備えていてもよい。すなわち、第1肩部33は、袋本体100の開口に近い方の端部に位置している。第1肩部33は、表面シート120の表上部12eおよび裏面シート130の裏上部13eを覆っている。第1肩部33は、第1補強部材30における端部の先端ほど開口の中心に近い位置にあるように湾曲している。第1肩部33は、所定の曲率で湾曲している湾曲部33aと、湾曲部33aのうち上方の端に接続している先端部33bと、を備えていてもよい。先端部33bは、開口に向かって延びている。先端部33bは、上縁107に対して平行に延びている。
【0022】
図2および
図3に示すように、第2補強部材34は、第1補強部材30が取り付けられている縁とは反対側の縁に取り付けられている。第2補強部材34は、袋本体100における側方の縁のうち下切欠部104から上切欠部105までの範囲を覆っている。第2補強部材34のうち下切欠部104に位置する端面を第2下端面35という。第2補強部材34のうち上切欠部105に位置する端面を第2上端面36という。第2補強部材34は、第2上端面36に近い方の端部に第2肩部37を備えていてもよい。すなわち、第2肩部37は、袋本体100の開口に近い方の端部に位置している。第2肩部37は、表面シート120の表上部12eおよび裏面シート130の裏上部13eを覆っている。第2肩部37は、第2補強部材34における端部の先端ほど開口の中心に近い位置にあるように湾曲している。第2肩部37は、所定の曲率で湾曲している湾曲部37aと、湾曲部37aのうち上方の端に接続している先端部37bと、を備えていてもよい。先端部37bは、開口に向かって延びている。先端部37bは、上縁107に対して平行に延びている。
【0023】
図2~
図4に示すように、包装袋では、第1補強部材30の第1上端面32は、第2補強部材34の第2上端面36に対して、口具38を挟んで向かい合う位置にある。第1補強部材30の第1下端面31および第2補強部材34の第2下端面35は、下方を向いている。
【0024】
図3に示すように、第1補強部材30は、袋本体100の縁を後方から覆う部分に第1ゲート跡30cを有している。第1ゲート跡30cは、第1補強部材30を射出成形によって製造する過程で形成されるゲート跡である。第1ゲート跡30cは、たとえば、第1補強部材30における上下方向の中間に位置している。第2補強部材34は、袋本体100の縁を後方から覆う部分に第2ゲート跡34cを有している。第2ゲート跡34cは、第2補強部材34を射出成形によって製造する過程で形成されるゲート跡である。第2ゲート跡34cは、たとえば、第2補強部材34における上下方向の中間に位置している。第1ゲート跡30cおよび第2ゲート跡34cの形状の一例は、凸起である。第1ゲート跡30cおよび第2ゲート跡34cの形状の他の例は、凹みである。
【0025】
図1~
図4に示すように、第1補強部材30の形状は、第2補強部材34の形状と対称である。以下では、主に第1補強部材30について説明して、第2補強部材34についての説明を省略することがある。また、第2補強部材34について説明して、第1補強部材30についての説明を省略することもある。
【0026】
図5を参照して、第1補強部材30の断面構造について説明する。
図5には、袋本体100の縁を後方から覆っている第1補強部材30の部分における後方壁面30bから裏面シート130までの長さを厚みX1と表示している。また、袋本体100の縁を前方から覆っている第1補強部材30の部分における前方壁面30aから表面シート120までの長さを厚みX2と表示している。包装袋では、厚みX2が厚みX1よりも大きくなるように、第1補強部材30が形成されている。
図5に示すように、第1補強部材30は、袋本体100における側方の縁から反対側の縁に向かって長さL1の範囲において、袋本体100を覆っている。第1補強部材30は、袋本体100を覆っている部分よりもさらに外側まで延びている。
図5には、後方壁面30bから突出する凸起として第1ゲート跡30cを示している。第1ゲート跡30cは、袋本体100における側方の縁よりも外側に位置している。厚みX1の例としては、例えば0.5~3mm程度である。厚みX2の一例は、厚みX1の1.5倍である。厚みX2の一例は、長さL1の0.5倍以上である。厚みX1および厚みX2は、第1補強部材30の一端から他端に亘って一定となっている。上記寸法関係は、一例である。厚みX1、厚みX2および長さL1の寸法は、変更が可能である。
【0027】
図6に示すように、第1補強部材30の第1下端面31には、袋本体100が露出していてもよい。より詳しくは、袋本体100における下切欠部104の縁が第1下端面31上に位置していてもよい。同様に、第2補強部材34の第2下端面35には、袋本体100における下切欠部104の縁が露出していてもよい。また、第1補強部材30の第1上端面32には、袋本体100における上切欠部105の縁が露出していてもよい。同様に、第2補強部材34の第2上端面36には、袋本体100における上切欠部105の縁が露出していてもよい。
【0028】
図4に示すように、第1補強部材30および第2補強部材34は、弓形となるように反っている。第1補強部材30および第2補強部材34は、弓形の弧に相当する部分が前方を向くように袋本体100に取り付けられている。第1補強部材30では、第1肩部33のうち湾曲部33aが湾曲した形状であることによって、湾曲部33aは、先端部33bよりも後方に位置している。第2補強部材34では、第2肩部37のうち湾曲部37aが湾曲した形状であることによって、湾曲部37aは、先端部37bよりも後方に位置している。
【0029】
図4に示すように、表面シート120は、前方にせり出して凸面をなしている。表面シート120の反りについて説明する。袋本体100は、第1補強部材30および第2補強部材34に追従して反り返っている。より詳しくは、袋本体100は、底面シート110に近い端部および開口に近い端部が袋本体100の中央よりも後方にずれた位置にあるように反っている。さらに、袋本体100は、第1肩部33の曲がり具合および第2肩部37の曲がり具合に従って変形をして、袋本体100の側方における両端部が袋本体100の中央よりも後方にずれた位置にあるように反っている。以上のようにして袋本体100では、表面シート120が前方にせり出して凸面をなしている。
【0030】
図7には、平面Pに裏面シート130を向けて置かれている包装袋を示す。なお、
図7に示す包装袋は、袋本体100と第1補強部材30および第2補強部材34を備えるが、口具38が取り付けられる前の包装袋である。この状態の包装袋では、第1補強部材30および第2補強部材34が反っていることによって、第1補強部材30および第2補強部材34が平面Pに接触しない部分がある。平面Pに接触する部分は、たとえば、第1肩部33における湾曲部33a、第2肩部37における湾曲部37a、第1下端面31に近い部分および第2下端面35に近い部分である。
図7には、第2補強部材34が平面Pから最も離れている部分における、平面Pから第2補強部材34までの長さを反り量W1と表示している。第1補強部材30の反り量W1は、第2補強部材34の反り量W1と等しい。第2補強部材34の一例では、反り量W1は、2mm以上20mm以下に設定されている。第2補強部材34の反り量W1は、2mm未満であってもよい。第2補強部材34の反り量W1は、20mmより大きくてもよい。
【0031】
なお、第2補強部材34が第2肩部37を備えている場合には、第2補強部材34では、第2肩部37よりも第2上端面36に近い部分にも平面Pに接触しない部分がある。反り量W1は、第2肩部37よりも第2上端面36に近い部分ではなく、第2肩部37よりも第2下端面35に近い部分における平面Pから第2補強部材34までの長さを示す。
図7では、第2補強部材34の上下方向における略中央部分における平面Pから第2補強部材34までの長さを反り量W1と表示している。
【0032】
〈包装袋の製造方法〉
包装袋の製造方法を説明する。包装袋の製造方法は、第1接着工程、射出成形工程および第2接着工程を含む。包装袋は、たとえば、第1接着工程と、射出成形工程と、第2接着工程とを順に実施することによって製造される。
【0033】
第1接着工程は、表面シート120、裏面シート130および底面シート110を接着する工程である。第1接着工程では、底縁接着部21および側縁接着部22の接着を行う。第1接着工程によって、袋状の袋本体100が形成される。第1接着工程では、たとえば、熱融着によって各シートの接着を行う。
【0034】
射出成形工程は、袋本体100に第1補強部材30および第2補強部材34を取り付ける工程である。詳細は後述するが、射出成形工程は、袋本体100材料となるシート材の一部を切断する工程を含む。
【0035】
第2接着工程は、上縁接着部23の接着を行う工程である。第2接着工程は、袋本体100の開口に口具38を取り付ける工程でもある。開口に口具38を挿し込んだ状態で上縁接着部23を接着することによって口具38を取り付けることができる。第2接着工程では、たとえば、熱融着によって各シートおよび口具38の接着を行う。
【0036】
上記製造方法は、包装袋の製造方法の一例である。たとえば、射出成形工程と第2接着工程との間に、包装袋へ内容物を充填する充填工程を行ってもよい。他の例として、充填工程は、第2接着工程の後に行ってもよい。包装袋の製造方法は、上記各工程以外の工程を含んでいてもよい。
【0037】
〈射出成形工程に用いる製造装置〉
以下、
図8~
図10を参照して、射出成形工程に用いる包装袋の製造装置について説明する。
【0038】
射出成形工程では、一対の金型を用いる。
図8は、一対の金型のうち第1金型41を示す。第1金型41は、袋本体100を設置する溝である凹部41cを備えている。凹部41cの寸法は、袋本体100の寸法に対応している。第1金型41は、凹部41cの外縁に、凹部41cの縁に沿って延びる溝である二つの下側キャビティ41aを備えている。下側キャビティ41aの一端には、第1下側連通孔41bが形成されている。第1下側連通孔41bは、袋本体100の下縁106が置かれる方の端に位置している。下側キャビティ41aの他端には、第2下側連通孔41dが形成されている。第1下側連通孔41bおよび第2下側連通孔41dについては、後述する。
【0039】
二つの下側キャビティ41aは、包装袋の第1補強部材30および第2補強部材34の形状に対応した形状である。二つの下側キャビティ41aは、第1下側連通孔41bから第2下側連通孔41dに向けて平行に延びつつ、途中から第2下側連通孔41dに向かうにつれて互いに近づくように延びている。
【0040】
図9は、一対の金型である第1金型41および第2金型42を示す。第2金型42は、第1金型41における二つの下側キャビティ41aと対向する位置に、二つの上側キャビティ42aを備えている。
図9には、二つの上側キャビティ42aのうち一方を示している。二つの上側キャビティ42aは、包装袋の第1補強部材30および第2補強部材34の形状に対応した形状である。
【0041】
図9には、凹部41cの深さY1を表示している。下側キャビティ41aの深さY3を表示している。上側キャビティ42aの深さY2を表示している。凹部41cの深さY1は、袋本体100の厚みに対応する。上側キャビティ42aの深さY2は、下側キャビティ41aの深さY3の1.5倍よりもやや大きく設定されている。具体的には、上側キャビティ42aの深さY2は、下側キャビティ41aの深さY3の1.5倍に、凹部41cの深さY1を加えた深さと等しくされている。
【0042】
第1金型41は、
図17に示すように、樹脂射出部41gを備えている。樹脂射出部41gは、熱可塑性樹脂を上側キャビティ42aおよび下側キャビティ41aに射出する通路である。樹脂射出部41gは、下側キャビティ41aに接続されている。
【0043】
図10に示すように、第1金型41の第1下側連通孔41bは、下側キャビティ41aよりも深い溝として形成されている。第1下側連通孔41bは、
図10に示す断面において長四角形状である。第1下側連通孔41bは、下側キャビティ41aに接続されている。第1下側連通孔41bは、型締めが行われた状態で、第2金型42とは反対側の端が開放されていてもよい。
【0044】
第2下側連通孔41dは、図示を省略するが、第1下側連通孔41bと同様に、下側キャビティ41aよりも深い溝として形成されている。さらに第2下側連通孔41dは、下側キャビティ41aに接続されている。
【0045】
図10に示すように、第2金型42は、第1金型41における二つの第1下側連通孔41bと対向する位置に、二つの第1上側連通孔42bを備えている。
図10には、二つの第1上側連通孔42bのうち一方を示している。第1上側連通孔42bは、上側キャビティ42aよりも深い溝として形成されている。第1上側連通孔42bは、
図10に示す断面において長四角形状である。第1上側連通孔42bは、上側キャビティ42aに接続されている。
【0046】
第2金型42は、第1金型41における二つの第2下側連通孔41dと対向する位置に、二つの第2上側連通孔を備えている。第2上側連通孔は、第1上側連通孔42bと共通の構成を備えている。
【0047】
図10に示すように、包装袋の製造装置は、切断具50を備えている。切断具50は、第1上側連通孔42bに収容されている。切断具50は、第2上側連通孔にも収容されている。すなわち、製造装置は、
図14に示すように四つの切断具50を備えている。
図10に示すように、切断具50は、第1金型41を向く先端に切断刃50aを備えている。切断刃50aは、袋本体100を構成するシート材を切断することができる。製造装置は、切断具50を第1金型41に近づく方向に移動することができる駆動装置を備えている。切断具50は、第1金型41に近づく方向に移動することによって、上側キャビティ42aおよび下側キャビティ41aを塞ぐことができる。
【0048】
〈射出成形工程〉
図11~
図17を参照して、射出成形工程について説明する。なお、
図11および
図14では、第2金型42の図示を省略して、第1金型41および第2金型42に挟まれている袋本体100と、第1金型41とを示している。
【0049】
まず、射出成形工程では、
図11に示すように、第1金型41の凹部41cに合わせて袋本体100を配置する。このとき、袋本体100は、裏面シート130が第1金型41に接する向きに配置される。次に、袋本体100が置かれた第1金型41と第2金型42とによって袋本体100を挟み込むように型締めを行う。このとき、下側キャビティ41aおよび上側キャビティ42aは、対向配置される。
【0050】
図11および
図12に示すように、型締めが行われた状態では、袋本体100は、その上縁107の一部および側方の縁が、下側キャビティ41aおよび上側キャビティ42a内に突出するように配置される。袋本体100のうち下側キャビティ41aおよび上側キャビティ42a内に突出する部分は、所定の長さL1を確保するように、突出している。
【0051】
図11および
図13に示すように、型締めが行われた状態では、第1下側連通孔41bには、袋本体100における下縁106側の角が突出している。
図11に示すように、型締めが行われた状態では、第2下側連通孔41dには、袋本体100における上縁107の一部が突出している。
【0052】
続いて、射出成形工程では、
図14および
図15に示すように、四つの切断具50を第1金型41に近づく方向に移動させる。切断具50は、切断刃50aが第1下側連通孔41bに到達する位置に移動される。移動後の切断具50の位置は、切断具50によって上側キャビティ42aおよび下側キャビティ41aが塞がれる位置である。
【0053】
図15に示すように、切断具50が移動されることによって、第1下側連通孔41bに突出している袋本体100の角が、切断刃50aによって切断される。
図15には、切断された切れ端を、断片100pと表示している。断片100pは、第1下側連通孔41bを通って排出される。第1下側連通孔41bにおいて袋本体100が切断刃50aによって切り取られることで、袋本体100に下切欠部104が形成される。
【0054】
同様に、切断具50が移動されることによって、第2下側連通孔41dに突出している袋本体100の角が、切断刃50aによって切断される。第2下側連通孔41dにおいて袋本体100が切断刃50aによって切り取られることで、袋本体100に上切欠部105が形成される。
【0055】
その後、駆動装置は、切断具50の位置を保持する。すなわち切断具50は、上側キャビティ42aおよび下側キャビティ41aを塞ぐ位置において保持される。
ここで、袋本体100が切断具50によって切断される際には、第1下側連通孔41bおよび第1上側連通孔42bに隣接する袋本体100の部分は、移動する切断具50によって押される。このため、
図16に示すように、袋本体100の端が第2金型42から離れる方向に曲がりやすくなる。
【0056】
図17を用いて、切断具50によって袋本体100を切断した後の工程を説明する。切断具50の位置が保持された状態で、第1金型41に形成された樹脂射出部41gから、下側キャビティ41aおよび上側キャビティ42a内に、溶融した熱可塑性樹脂Rが射出される。樹脂射出部41gから射出された熱可塑性樹脂Rは、両キャビティ41a、42aの各端部に向かって流動する。熱可塑性樹脂Rは、切断具50の側面に当たることによって流動が止まる。切断具50によって両キャビティ41a、42aが塞がれていることで、両キャビティ41a、42aに熱可塑性樹脂Rを充填することができる。
【0057】
その後、冷却を行い、熱可塑性樹脂Rを硬化させる。熱可塑性樹脂Rが硬化すると、袋本体100における上縁107の一部、および袋本体100における側方の縁に、第1補強部材30および第2補強部材34が成形される。次に、第1金型41と第2金型42とが離れるように金型を移動させる。そして、第1補強部材30および第2補強部材34が成形された包装袋を金型から取り出す。この際には、樹脂射出部41g内の熱可塑性樹脂Rを第1補強部材30および第2補強部材34から分離させる。たとえば、樹脂射出部41g内の熱可塑性樹脂Rを切断することによって、熱可塑性樹脂Rを分離させる。このとき、第1補強部材30の後方壁面30bには、第1ゲート跡30cが遺る。同様に、第2補強部材34の後方壁面には、第2ゲート跡34cが遺る。すなわち、第1ゲート跡30cの位置および第2ゲート跡34cの位置は、樹脂射出部41gの位置に対応している。
【0058】
包装袋が金型から取り出された後では、第1補強部材30および第2補強部材34が、さらに冷却される。第1補強部材30および第2補強部材34は、冷却されて硬化される過程で熱収縮する。第1補強部材30は、特に、裏面シート130から後方壁面30bまでの部位が表面シート120から前方壁面30aまでの部位よりもより大きく熱収縮する。第2補強部材34も同様に熱収縮する。このように厚さ方向における熱収縮の度合いが異なることによって、第1補強部材30および第2補強部材34には、
図1、
図4および
図7に示すような反りが生じる。
【0059】
〈作用〉
本実施形態の作用について説明する。
図4に示すように包装袋では、柱状の第1補強部材30および第2補強部材34は、弧が前方を向く弓形となるように反っている。このため、袋本体100は、第1補強部材30および第2補強部材34に倣って反り返っている。袋本体100の反りによって、表面シート120は、前方にせり出した凸面となっている。
【0060】
図15に示すように、包装袋の製造方法では、切断具50によって袋本体100を切断した後に、切断具50によって下側キャビティ41aおよび上側キャビティ42aを塞いだ状態で熱可塑性樹脂Rを射出する。このため、第1下端面31、第1上端面32、第2下端面35および第2上端面36に袋本体100が露出した包装袋が得られる。
【0061】
図17に示すように、包装袋の製造方法では、熱可塑性樹脂Rは、第1金型41に形成されている樹脂射出部41gから射出される。射出される熱可塑性樹脂Rの充填が下側キャビティ41aから進行すると、下側キャビティ41aを備える第1金型41側は、第2金型42側よりも先に放熱されやすい。すなわち、下側キャビティ41aの表面温度は、上側キャビティ42aの表面温度と比較して低くなりやすい。こうした金型間の温度差によって、下側キャビティ41aによって成型される部分は、上側キャビティ42aによって成型される部分と比較して、より大きく熱収縮しやすくなる。すなわち、硬化後の熱可塑性樹脂Rに反りが生じやすくなる。上記製造方法では、裏面シート130側、すなわち包装袋の後方を第1金型41に向けている。これによって、弧が前方を向く弓形となるように反った第1補強部材30および第2補強部材34が得られる。
【0062】
〈効果〉
本実施形態の効果について説明する。
(1)袋本体100が反っていることによって、表面シート120が前方にせり出して凸面になっている。たとえば、表面シート120が正面を向くように包装袋を商品棚に陳列した場合には、表面シート120に付された表示を引き立たせることができる。すなわち、本実施形態の包装袋によれば、表面シートが平面である場合と比較して、包装袋の視認性を向上させることができる。
【0063】
なお、表面シート120に付された表示の一例は、表面シート120に貼りつけられたラベルである。その他、表示としては、表面シート120に印刷された文字、または表面シート120に印刷された図形を挙げることができる。表面シート120に付された表示は、表面シート120に貼りつけられたラベル、表面シート120に印刷された文字、および表面シート120に印刷された図形のうち、二つ以上を組み合わせた表示でもよい。
【0064】
(2)第1補強部材30および第2補強部材34が弓形に反っていることに加えて、第1補強部材30が第1肩部33を備え、第2補強部材34が第2肩部37を備えている。このため、袋本体100は、袋本体100の側方における両端部が袋本体100の中央よりも後方にずれた位置にあるように反っている。こうした袋本体100の反りによって、表面シート120がより前方にせり出して見えるようになる。これによって、表面シート120上の表示をより引き立たせることができる。
【0065】
(3)第1補強部材30および第2補強部材34の反り量W1を2mm以上20mm以下に設定している。これによって、包装袋を自立させつつ包装袋の視認性を向上させることができる。
【0066】
(4)第1ゲート跡30cが第1補強部材30における後方壁面30bに形成されている。第2ゲート跡34cが第2補強部材34における後方壁面に形成されている。このため、包装袋の表面シート120を正面に向けると、第1ゲート跡30cおよび第2ゲート跡34cが背面に隠れる。たとえば、表面シート120が正面を向くように包装袋を商品棚に陳列した場合には、第1ゲート跡30cおよび第2ゲート跡34cが背面に位置することになる。すなわち、包装袋が陳列された状態では、第1ゲート跡30cおよび第2ゲート跡34cが目に入りにくくなる。これによって、陳列された状態の包装袋において、第1ゲート跡30cおよび第2ゲート跡34cが目立つことを抑制できる。
【0067】
〈他の実施形態〉
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0068】
・上記実施形態では、第1金型41に袋本体100を設置するための凹部41cを形成したが、これに限定されない。第2金型42に袋本体100を収容するための凹部が形成されていてもよい。また、第1金型41および第2金型42の双方に凹部が形成されていてもよい。
【0069】
・上記実施形態では、第1金型41を第2金型42よりも下方に図示した製造装置を例示した。金型を配置する方向は、特に限定されるものではない。たとえば、第2金型42が第1金型41よりも下方に位置するように配置した第1金型41および第2金型42を用いてもよい。
【0070】
・上記実施形態では、射出成形を採用したが、他の方法によって第1補強部材30および第2補強部材34を製造してもよい。
・上記実施形態では、熱可塑性樹脂を材料とした第1補強部材30および第2補強部材34を例示した。第1補強部材30および第2補強部材34の材料は、熱可塑性樹脂に限らない。たとえば、第1補強部材30および第2補強部材34の材料は、アルミ等の金属でもよい。
【0071】
・上記実施形態では、厚みX2が厚みX1よりも大きくなるように形成されている第1補強部材30および第2補強部材34を例示した。第1補強部材30および第2補強部材34は、厚みX1が厚みX2よりも大きくなるように形成されていてもよい。また、第1補強部材30および第2補強部材34は、厚みX1と厚みX2とが等しくなるように形成されていてもよい。
【0072】
・上記実施形態では、第1補強部材30の後方壁面30bに形成されている第1ゲート跡30cが、袋本体100における側方の縁よりも外側に位置している例を示した。第1ゲート跡30cの位置は、これに限らない。第1ゲート跡30cが後方壁面30bに設けられていれば、上記実施形態と同様に第1ゲート跡30cが目立つことを抑制できる。また、第1ゲート跡30cは、第1補強部材30における後方壁面30b以外の壁面に位置していてもよい。第1ゲート跡30cと同様に、第2ゲート跡34cの位置についても変更が可能である。
【0073】
・上記実施形態では、袋本体100の側方における両端部が袋本体100の中央よりも後方にずれた位置にあるように反っている例を示した。袋本体100は、底面シート110に近い端部および開口に近い端部が袋本体100の中央よりも後方にずれた位置にあるように反っていればよい。たとえば、第1補強部材30の第1肩部33および第2補強部材34の第2肩部37を省略した場合の例を説明する。この場合には、補強部材は、下端面から上端面に亘って上下方向に延びた形状をしている。なお、補強部材は、第1補強部材30および第2補強部材34と同様に弓形に反っている。こうした補強部材が取り付けられた包装袋では、上記実施形態と同様に、底面シート110に近い端部および開口に近い端部が袋本体100の中央よりも後方にずれた位置にあるように反ることになる。一方で、袋本体100の側方における両端部は、袋本体100の中央よりも後方にずれた位置にあるようには反りにくい。
【0074】
・上記実施形態では、第1補強部材30の第1肩部33に関して湾曲部33aが先端部33bよりも後方に位置している例を示した。これに限らず、先端部33bが湾曲部33aよりも後方に位置していてもよい。また同様に、第2補強部材34の第2肩部37に関して先端部37bが湾曲部37aよりも後方に位置していてもよい。こうした形状の第1補強部材および第2補強部材を備える包装袋を、裏面シートを平面に向けて置いたとする。この場合には、
図7に示した例とは異なり、肩部における湾曲部が平面に接触することなく肩部における先端部が平面に接触することもある。
【0075】
・上記実施形態では、表面シート120、裏面シート130、底面シート110および口具38を熱融着によって接着した。接着する方法は、熱融着に限らない。たとえば、接着剤によって接着を行ってもよい。
【0076】
・上記実施形態では、第1補強部材30の第1下端面31に露出する袋本体100を
図6に示した。
図6に示した例では、第1下端面31上において、前後方向と直交する方向に沿って袋本体100が延びている。第1下端面31上において、
図6に示した例と比較して、より後方に袋本体100の端部が曲がって位置していてもよい。または、第1下端面31上において、
図6に示した例と比較して、より前方に袋本体100が位置していてもよい。すなわち、第1補強部材30に覆われている部分の袋本体100が曲がっていてもよい。上記実施形態では、
図16および
図17に示したように、切断具50によってシート材が切断されると、袋本体100の端が第2金型42から離れる方向に曲がりやすくなる。この状態で熱可塑性樹脂Rが充填されて熱可塑性樹脂Rが硬化すると、熱可塑性樹脂Rの硬化後において第1下端面31に露出する袋本体100が曲がることになる。
【0077】
・裏面シート130は、側方に延びる線条の目印を備えていてもよい。水平方向に延びる線条の目印は、包装袋における内容物の容量を量る目盛りとして用いることができる。
さらに、裏面シート130に目印を設けた場合には、表面シート120が正面を向くように包装袋が陳列された状態では、目印が背面に位置することになる。すなわち、陳列された状態の包装袋において、目印が目立つことを抑制できる。
【符号の説明】
【0078】
100…袋本体
100p…断片
104…下切欠部
105…上切欠部
106…下縁
107…上縁
110…底面シート
120…表面シート
130…裏面シート
21…底縁接着部
22…側縁接着部
23…上縁接着部
30…第1補強部材
30c…第1ゲート跡
31…第1下端面
32…第1上端面
33…第1肩部
34…第2補強部材
34c…第2ゲート跡
35…第2下端面
36…第2上端面
37…第2肩部
38…口具
41…第1金型
42…第2金型
50…切断具
50a…切断刃