(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143434
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】顧客管理代行サーバ装置及び顧客管理代行方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20220926BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220926BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043933
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】河野 伸行
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】送配事業者が保有する託送サーバ装置から提供される検針データ(単位時間毎の電力使用量データ)を用いて、小売り電気事業者であるユーザ毎に、又はその顧客である電力需要家毎に、所望期間の電力使用料を算出することができる顧客管理代行サーバ装置を提供する。
【解決手段】電力需要家毎の電力使用量に関する検針データ3を有する託送サーバ装置2と通信可能なサーバ装置であって、小売り電気事業者である複数のユーザが電力需要家である自らの顧客に対して請求する電力使用料の検針データ3以外の演算要素をユーザ毎に又は顧客毎に設定した情報テーブル4にアクセス可能であり、この情報テーブル4と託送サーバ装置2から提供される検針データ3に基づいて顧客毎の所望期間の電力使用料を算出することを特徴とする顧客管理代行サーバ装置1による。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力需要家毎の電力使用量に関する検針データを有する託送サーバ装置と通信可能なサーバ装置であって、
小売り電気事業者である複数のユーザが前記電力需要家である自らの顧客に対して請求する電力使用料の前記検針データ以外の演算要素を前記ユーザ毎に又は前記顧客毎に設定した情報テーブルにアクセス可能であり、
前記情報テーブルと前記託送サーバ装置から提供される前記検針データに基づいて前記顧客毎の所望期間の前記電力使用料を算出することを特徴とする顧客管理代行サーバ装置。
【請求項2】
前記情報テーブルにおいて、前記顧客毎に算出される前記電力使用料の請求書印刷用データへの変換の要否が設定され、
前記顧客管理代行サーバ装置は、
請求書印刷様式データにアクセス可能であり、
前記情報テーブルで設定される場合に、前記請求書印刷様式データに基づいて前記顧客毎の前記請求書印刷用データを作成することを特徴とする請求項1に記載の顧客管理代行サーバ装置。
【請求項3】
前記情報テーブルにおいて、前記顧客毎に算出される前記電力使用料の請求金額Web公開データへの変換の要否が設定され、
前記顧客管理代行サーバ装置は、
請求金額Web公開様式データにアクセス可能であり、
前記情報テーブルで設定される場合に、前記請求金額Web公開様式データに基づいて前記顧客毎の前記請求金額Web公開データを作成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顧客管理代行サーバ装置。
【請求項4】
前記顧客管理代行サーバ装置は、
請求金額Web公開用URLを作成する第1のプログラムにアクセス可能であり、
前記請求金額Web公開データが作成される場合に、前記第1のプログラムに基づいて個々の前記請求金額Web公開データに対応する請求金額Web公開用URLデータを作成することを特徴とする請求項3に記載の顧客管理代行サーバ装置。
【請求項5】
前記情報テーブルにおいて、前記検針データに基づいて作成されるオプションデータの要否が設定され、
前記顧客管理代行サーバ装置は、
前記検針データを前記オプションデータに変換する第2のプログラムにアクセス可能であり、
前記情報テーブルで設定される場合に、前記検針データと前記第2のプログラムに基づいて前記顧客毎の前記オプションデータを作成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の顧客管理代行サーバ装置。
【請求項6】
前記顧客管理代行サーバ装置は、
前記情報テーブルにおいて前記ユーザが設定可能なサービス内容と、前記サービス内容に対応する利用料が設定されたサーバ利用料テーブルにアクセス可能であり、
前記情報テーブルと前記サーバ利用料テーブルに基づいて前記ユーザ毎のサーバ利用料を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の顧客管理代行サーバ装置。
【請求項7】
電力需要家毎の電力使用量に関する検針データを有する託送サーバ装置と通信可能な顧客管理代行サーバ装置を用いて、小売り電気事業者であるユーザが自らの顧客である前記電力需要家の電力使用料を算出する方法であって、
前記顧客管理代行サーバ装置において、前記ユーザ毎に付与されるユーザIDと、前記電力需要家毎に付与される電力需要家IDと、電力供給地点を識別する供給地点IDと、に関連付けて、前記顧客に対して請求する前記電力使用料を算出するための前記検針データ以外の演算要素を設定した情報テーブルを作成する工程と、
前記情報テーブルに設定される内容に基づいて前記託送サーバ装置から所望の前記顧客の前記検針データを得る工程と、
前記情報テーブルに設定される前記演算要素と、前記託送サーバ装置から得られる前記検針データと、に基づいて所望の前記顧客の所望期間の前記電力使用料を算出する工程と、を備えることを特徴とする顧客管理代行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売り電気事業者に対してその顧客である電力需要家の所望期間の電力使用料の算出作業を支援することができる顧客管理代行サーバ装置及び顧客管理代行方法に関する。
【0002】
近年、電力自由化に伴い、新電力(PPS)と呼ばれる小売り電気事業者に登録された事業者から電気を購入することが可能になった。
これにより、小売り電気事業者らは、自らの顧客である電力需要家に対して電力を供給するとともに、その電力使用料を算出して請求する作業を行う必要が生じた。
通常、小売り電気事業者らが自らの顧客である電力需要家に対して電力使用料を請求する場合は、送配事業者が有する託送サーバ装置から電力需要家毎の電力使用量データ(検針データ)をダウンロードするなどして入手し、入手した検針データを従来公知の表計算ソフトや、小売り電気事業者が独自に準備したソフトを用いる、あるいは、人手による手計算を行うなどして、顧客である電力需要家毎の電力使用料を算出して請求する等の顧客管理業務を行う必要があった。
【0003】
この場合、小売り電気事業者らは、顧客である電力需要家毎の電力使用料を算出するにあたり、託送サーバ装置から入手した検針データを独自に加工する手間がかかる、あるいはこの処理のための独自のソフトウェアを準備するなど、新たな人件費や設備投資が必要になり経済的負担が大きいという課題があった。
このため、事業規模が比較的小さい小売り電気事業者にとっては新規参入のハードルが高いという課題があった。
本願発明と同じ解決すべき課題を有する先願は現時点では発見されていないが、関連する技術分野の先願としては、以下に示すようなものが知られている。
【0004】
特許文献1には「代行徴収方法および装置」という名称で、顧客にコンテンツまたは非コンテンツを含む提供対象物を提供する提供者に代わって代行徴収事業者が提供対象物の料金を顧客から徴収する代行徴収方法および装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される代行徴収方法は、同文献中の
図1に示される符号をそのまま用いて説明すると、代行徴収事業者21の課金サーバ5はコンテンツ配信を受けようとする顧客1の会員登録を行い、ASP,CSP11のコンテンツサーバ4は顧客1からのユーザID、パスワードに基づき顧客が正規の会員であることを確認した場合、顧客のコンテンツ要求に応じてコンテンツを顧客に送信し、このコンテンツの通信ログに基づき課金基礎情報を作成して、課金サーバ5に送信し、課金サーバ5はコンテンツサーバ4からの課金基礎情報に基づきコンテンツの料金を計算して顧客に請求することを特徴とするものである。
上述のような特許文献1に開示される発明によれば、コンテンツ提供者は比較的難しい課金処理を代行徴収事業者に任せることにより迅速かつ効率的にECにおけるコンテンツビジネスを立ち上げることができるという効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に開示される発明の場合、代行徴収事業者側の課金サーバはコンテンツサーバから提供される課金基礎情報に基づいてコンテンツの料金を計算して顧客に請求することができるものの、この課金サーバを異なる複数の代行徴収事業者で共用することについての開示や、示唆や言及が何らない。
このため、特許文献1に開示される発明を参酌しても、コンテンツサーバから提供される課金基礎情報に基づいて、代行徴収事業者毎に異なる料金計算方式により、あるいは顧客毎に異なる料金計算方式により、請求金額を算出することはできない。
【0007】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、送配事業者が保有する託送サーバ装置から提供される検針データ(電力使用量データ)を用いて、小売り電気事業者であるユーザ毎に、又はその顧客である電力需要家毎に、所望期間の電力使用料を算出することができる顧客管理代行サーバ装置及び顧客管理代行方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1の発明である顧客管理代行サーバ装置は、電力需要家毎の電力使用量に関する検針データを有する託送サーバ装置と通信可能なサーバ装置であって、小売り電気事業者である複数のユーザが電力需要家である自らの顧客に対して請求する電力使用料の検針データ以外の演算要素をユーザ毎に又は顧客毎に設定した情報テーブルにアクセス可能であり、この情報テーブルと託送サーバ装置から提供される検針データに基づいて顧客毎の所望期間の電力使用料を算出することを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、顧客管理代行サーバ装置は、情報テーブルに設定される演算要素と、託送サーバ装置から提供される検針データに基づいて、顧客毎の所望期間の電力使用料を算出するという作用を有する。
また、情報テーブルは、ユーザ毎に、電力使用料の算出が必要な顧客を設定(登録)してその特定可能にするとともに、ユーザ毎又は顧客毎に電力使用料の算出に必要な演算要素を設定(登録)して、託送サーバ装置から提供される顧客毎の検針データに基づく電力使用料を算出可能にするという作用を有する。
なお、第1の発明における「検針データ」とは、各電力需要家の単位時間毎の(例えば30分毎)の電力使用量データである。
また、「演算要素」とは、電力使用料を算出する際に用いられる上記「検針データ」以外の計算式及び定数の総称である。
より具体的には、例えば電力使用料が、以下に示すような(式1)により求められる基本料金(円)と、(式2)により求められる電力量料金(円)の和により求められる場合に、下記(式1)及び(式2)、並びに、「税込基本料金単価」、「契約電力」、「力率」、「税込従量料金単価」及び「燃料調整額」が「演算要素」に相当する。
・式1:基本料金(円)=(税込基本料金単価)×(契約電力)×{185-(力率)}/100
・式2:電力量料金(円) =(税込従量料金単価)×(使用電力量)±(燃料調整額)
なお、「演算要素」は上述のものに特定される必要はなく、託送サーバ装置から提供される「検針データ」を用いて算出できるよう構成されるものであれば自由に設定されてよい。
【0009】
第2の発明は、上述の第1の発明であって、情報テーブルにおいて、顧客毎に算出される電力使用料の請求書印刷用データへの変換の要否が設定され、顧客管理代行サーバ装置は、請求書印刷様式データにアクセス可能であり、情報テーブルで設定される場合に、請求書印刷様式データに基づいて顧客毎の請求書印刷用データを作成することを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第2の発明において情報テーブルは、算出された電力使用料の請求書印刷用データへの変換が必要な顧客を特定可能にするという作用を有する。
また、第2の発明において、顧客管理代行サーバ装置は、顧客毎に算出された電力使用料を、請求書印刷様式データに基づいて請求書印刷用データに変換するという作用を有する。
【0010】
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明であって、情報テーブルにおいて、顧客毎に算出される電力使用料の請求金額Web公開データへの変換の要否が設定され、顧客管理代行サーバ装置は、請求金額Web公開様式データにアクセス可能であり、情報テーブルで設定される場合に、請求金額Web公開様式データに基づいて顧客毎の請求金額Web公開データを作成することを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第3の発明において情報テーブルは、算出された電力使用料の請求金額Web公開データへの変換が必要な顧客を特定可能にするという作用を有する。
また、第3の発明において、顧客管理代行サーバ装置は、顧客毎に算出された電力使用料を、請求金額Web公開様式データに基づいて請求金額Web公開データに変換するという作用を有する。
【0011】
第4の発明は、上述の第3の発明であって、顧客管理代行サーバ装置は、請求金額Web公開用URLを作成する第1のプログラムにアクセス可能であり、請求金額Web公開データが作成される場合に、第1のプログラムに基づいて個々の請求金額Web公開データに対応する請求金額Web公開用URLデータを作成することを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明は、上述の第3の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第4の発明において顧客管理代行サーバ装置は、請求金額Web公開様式データが作成される場合に、併せて第1のプログラムに基づいて請求金額Web公開用URLデータを作成するという作用を有する。
【0012】
第5の発明は、上述の第1乃至第4のいずれかの発明であって、情報テーブルにおいて、検針データに基づいて作成されるオプションデータの要否が設定され、顧客管理代行サーバ装置は、検針データをオプションデータに変換する第2のプログラムにアクセス可能であり、情報テーブルで設定される場合に、検針データと第2のプログラムに基づいて顧客毎のオプションデータを作成することを特徴とするものである。
上記構成の第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第5の発明において情報テーブルは、検針データに基づいて作成されるオプションデータが必要な顧客を特定可能にするという作用を有する。
また、第4の発明において顧客管理代行サーバ装置は、情報テーブルにおいて特定される顧客の検針データと第2のプログラムに基づいて顧客毎のオプションデータを作成するという作用を有する。
【0013】
第6の発明は、上述の第1乃至第5のいずれかの発明であって、顧客管理代行サーバ装置は、情報テーブルにおいてユーザが設定可能なサービス内容と、それぞれのサービス内容に対応する利用料が設定されたサーバ利用料テーブルにアクセス可能であり、情報テーブルとサーバ利用料テーブルに基づいてユーザ毎のサーバ利用料を算出することを特徴とするものである。
上記構成の第6の発明は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第6の発明において情報テーブルは、ユーザが、設定可能なサービス内容のうちどのサービスを設定(選択)したのかを特定可能にするという作用を有する。また、第6の発明において、サーバ利用料テーブルは、ユーザが設定(選択)したそれぞれのサービス内容の利用料を特定可能にするという作用を有する。
また、第4の発明において顧客管理代行サーバ装置は、情報テーブル及びサーバ利用料テーブルに基づいてユーザ毎のサーバ利用料を算出するという作用を有する。
【0014】
第7の発明である顧客管理代行方法は、電力需要家毎の電力使用量に関する検針データを有する託送サーバ装置と通信可能な顧客管理代行サーバ装置を用いて、小売り電気事業者であるユーザが自らの顧客である電力需要家の電力使用料を算出する方法であって、顧客管理代行サーバ装置において、ユーザ毎に付与されるユーザIDと、電力需要家毎に付与される電力需要家IDと、電力供給地点を識別する供給地点IDと、に関連付けて、上記顧客に対して請求する電力使用料を算出するために用いられ検針データ以外の演算要素を設定した情報テーブルを作成する工程と、この情報テーブルに設定される内容に基づいて託送サーバ装置から所望の顧客の検針データを得る工程と、情報テーブルに設定される演算要素と、託送サーバ装置から得られる検針データと、に基づいて所望の顧客の所望期間の電力使用料を算出する工程と、を備えることを特徴とするものである。
上記構成の第7の発明において、情報テーブルは、小売り電気事業者であるユーザの顧客である電力需要家と、この電力需要家に供給される電力の供給地点を特定可能にするという作用を有する。さらに、情報テーブルは、個々の電力需要家の電力使用料を検針データに基づいて算出する際に用いられる演算要素を特定可能にするという作用を有する。
また、顧客管理代行サーバ装置は、情報テーブルに基づいて所望の電力需要家の検針データを託送サーバ装置から得るとともに、この検針データと情報テーブルに設定される演算要素に基づいて所望の電力需要家の電力使用料を算出するという作用を有する。
【発明の効果】
【0015】
上述のような第1の発明によれば、情報テーブルにおいて小売り電気事業者毎に又は電力需要家(顧客)毎に設定される演算要素と、託送サーバ装置から提供される所望の顧客の検針データに基づいて、電力需要家(顧客)毎の所望期間の電力使用料を算出することができる。
つまり、第1の発明によれば小売り電気事業者であるユーザは、自らの顧客の所望期間の電力使用料を算出するにあたり、託送サーバ装置から自らの顧客の検針データを入手する作業を行う必要がない。さらに、ユーザである小売り電気事業者は、託送サーバ装置から入手した検針データに基づいて個々の顧客の所望期間の電力使用料を算出する作業を手計算により行ったり、あるいはそのための専用のソフトウェアや人員を準備したりする必要がない。
このため、小売り電気事業者であるユーザが第1の発明を利用することで、当該事業に新規参入する際の初期投資やランニングコストを大幅に削減することができる。
また、託送サーバ装置を保有する事業者は、第1の発明を用いて小売り電気事業者に対して新規の情報サービスを提供して利益を得ることができる。
【0016】
第2の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第2の発明では、情報テーブルにおいて予め設定される場合に、先の第1の発明において顧客毎に算出される電力使用料を請求書印刷用データに変換して出力することができる。
この場合、ユーザである小売り電気事業者は、第2の発明から出力される請求書印刷用データを印刷して自らの顧客に発送するだけで、顧客らに対する所望期間の電力使用料(請求金額)を通知する作業を完了することができる。
よって、第2の発明によれば、小売り電気事業者が自らの顧客に対して所望期間の電力使用料を通知して請求するのに必要な作業を大幅に削減することができる。
【0017】
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第3の発明では、情報テーブルにおいて予め設定される場合に、先の第1の発明において顧客毎に算出される電力使用料を請求金額Web公開データに変換して出力することができる。
この場合、ユーザである小売り電気事業者は、算出された各顧客の所望期間の電力使用料(請求金額)をWeb上に公開するための請求金額Web公開データを作成する作業を行う必要がなくなる。
この場合、ユーザである小売り電気事業者は、第3の発明から出力される請求金額Web公開データをWeb上に公開するためのURLデータを作成して、このURLデータを各顧客に通知するだけで、自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を通知する業務を完了することができる。
よって、第3の発明によれば、小売り電気事業者が自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を、Webを介して通知するのに必要な作業を大幅に削減することができる。
【0018】
第4の発明は、上述の第3の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第4の発明では、請求金額Web公開データが作成される場合に、併せて請求金額Web公開用URLデータを作成することができる。
この場合、ユーザである小売り電気事業者は、請求金額Web公開データと併せて、この請求金額Web公開データと関連付けられた請求金額Web公開用URLデータを入手することができる。
これによりユーザである小売り電気事業者は、それぞれの顧客に対して、請求金額Web公開データと関連付けられた請求金額Web公開用URLデータを通知するだけで、自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を通知する業務を完了することができる。
よって、第4の発明によれば、小売り電気事業者が自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を通知するのに必要な作業を一層削減することができる。
【0019】
第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明と同じ効果を有する。さらに、第5の発明では、情報テーブルにおいて予め設定される場合に、所望の顧客の検針データをオプションデータに変換して出力することができる。
なお、この「オプションデータ」とは、例えば託送サーバから得られる検針データ(顧客毎の単位時間ごとの電力使用量データ)から、所望期間(例えば電力使用料の請求期間と同じ期間)の各顧客の単位時間(例えば30分)毎の電力使用量の積算値又は平均値を求めて、必要に応じてグラフ等で示したものを、必要に応じて印刷用又はWeb公開用の様式に変換したデータである。
第5の発明では、ユーザである小売り電気事業者は、自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を通知する際に、併せて上述のようなオプションデータを自らの顧客に対して提供することができる。
また、第5の発明では、ユーザの顧客である電力需要家が、自らの電力使用料(請求金額)の通知と併せて上述のようなオプションデータを入手することで、自らの電力の使用傾向を容易に確認することができる。
この場合、電力需要家は、電力使用量の多い時間帯に積極的に節電する、あるいは従量料金単価が安い時間帯に電力を使用するように電力の使用態様を切替えるなど、電力使用料を削減するのに有効な対策を講じることが容易になる。
この結果、電力需要家は、自らの電力使用料(請求金額)を効率的に削減することができる。
よって、第5の発明によれば、小売り電気事業者は自らの顧客に対してより付加価値の高いサービスを提供することができる。
【0020】
第6の発明は、上述の第1乃至第5のそれぞれの発明と同じ効果を有する。さらに、第6の発明では、情報テーブルと、サーバ利用料テーブルに基づいて、ユーザ毎の顧客管理代行サーバ装置の利用料(サーバ利用料)を算出することができる。
この場合、顧客管理代行サーバ装置を保有する事業者は、それぞれのユーザに対する顧客管理代行サーバ装置の利用料(サーバ利用料)を算出する作業を、顧客管理代行サーバ装置において行うことができる。
この場合、顧客管理代行サーバ装置を保有する事業者は、ユーザである小売り電気事業者毎のサーバ利用料を算出するにあたり、ユーザ毎の顧客管理代行サーバ装置の利用状況を確認したり、そのための専用のソフトウェアや人員を確保したりする必要がない。
よって、第6の発明によれば、顧客管理代行サーバ装置を保有する事業者にとっての顧客であるユーザの管理業務を簡素化並びに省コスト化することができる。
【0021】
第7の発明によれば、情報テーブルにおいて小売り電気事業者毎に又は電力需要家(顧客)毎に設定される演算要素と、託送サーバ装置から提供される検針データに基づいて電力需要家(顧客)毎の電力使用料を算出することができる。
つまり、第7の発明によれば小売り電気事業者であるユーザは、自らの顧客の所望期間の電力使用料を算出するにあたり、託送サーバ装置から自らの顧客の検針データを入手する作業を行う必要がなくなる。さらに、小売り電気事業者であるユーザは、託送サーバ装置から入手した検針データに基づいて個々の顧客の所望期間の電力使用料を算出する作業を行ったり、あるいはそのための専用のソフトウェアを準備したり人員を確保したりする必要がない。
このため、小売り電気事業者が第7の発明を利用することで、当該事業に新規参入する際の初期投資並びにランニングコストを大幅に削減することができる。
また、第7の発明によれば、託送サーバ装置を保有する事業者は、新規の情報サービスを提供することで利益を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置及びその周辺機器を示す概念図である。
【
図2】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において情報テーブルを設定する際の作業手順を示すフローである。
【
図3】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において情報テーブルであるユーザ情報テーブルの設定を行う際のユーザ設定画面の一例を示す図である。
【
図4】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において情報テーブルである顧客情報テーブルの設定を行う際の顧客設定画面の一例を示す図である。
【
図5】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置のデータベースに格納されるユーザ情報テーブル(情報テーブル)の一例を示す図である。
【
図6】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置のデータベースに格納される顧客情報テーブル(情報テーブル)の一例を示す図である。
【
図7】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において顧客毎の需要家請求金額を算出する際の手順を示すフローである。
【
図8】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において作成される需要家請求金額データの一例を示す図である。
【
図9】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において顧客毎の電力使用料が算出された後に実行される任意設定項目の処理手順を示すフローである。
【
図10】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において作成される請求書印刷用データの一例を示す図である。
【
図11】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置のデータベースに格納されるサーバ利用料テーブルの一例を示す図である。
【
図12】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置においてユーザ毎のサーバ利用料を算出する場合のフローである。
【
図13】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置においてユーザ毎のサーバ利用料を算出する場合のフローである。
【
図14】本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において作成されるサーバ利用料請求金額データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置及びそれを用いた顧客管理代方法について
図1乃至
図14を参照しながら説明する。
【0024】
[1-1;本発明の基本構成について]
はじめに、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置の概要及びその周辺機器について
図1を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置及びその周辺機器を示す概念図である。
図1に示すように、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1は、電力需要家毎の電力使用量に関する検針データ3を有する託送サーバ装置2と、例えばインターネット等の情報通信網を介してあるいは直接通信可能なサーバ装置である。
また、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1は、データベース19aと、図示しない演算処理部(CPU等)を備えており、データベース19aには、小売り電気事業者である複数のユーザ(例えば小売り電気事業者S~U)が電力需要家(以下、単に「需要家」ともいう)である自らの顧客に対して請求する電力使用料を算出する際に用いられる検針データ3以外の演算要素が、ユーザ毎に又は顧客毎に設定された情報テーブル4が格納されており、顧客管理代行サーバ装置1は、この情報テーブル4と、託送サーバ装置2から提供される検針データ3に基づいて、顧客毎の所望期間の電力使用料を算出するよう構成されている。
【0025】
さらに、
図1に示すように、託送サーバ装置2は、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1と例えばインターネット等の情報通信網を介してあるいは直接通信可能に構成され、データベース19bと図示しない演算処理部、さらには必要に応じて図示しない入力手段及び出力手段を備えており、データベース19bには、個々の電力需要家の単位時間毎(例えば30分間毎)の電力使用量の例えばスマートメータ等による計測値が検針データ3として、需要家ID(例えば需要家ID60~62)及び供給地点ID(例えば供給地点ID70~72)と関連付けられて格納されている。
【0026】
さらに、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1は、そのユーザである小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S~U)が保有するユーザ端末50~52(例えばメモリ19c~19e等を備えるパソコン等)のそれぞれと例えばインターネット等の情報通信網を介してあるいは直接通信可能に構成されるとともに、ユーザ端末50~52のそれぞれを用いて顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに格納される情報テーブル4の入力設定等を行えるよう構成されている。
あるいは、特に図示しないが、顧客管理代行サーバ装置1が、上記構成に加えて例えばキーボード等の入力手段や、例えばモニタ等の出力手段を備えることで、データベース19aに格納される情報テーブル4の入力設定等を顧客管理代行サーバ装置1において直接行えるよう構成してもよい。
【0027】
[1-2;情報テーブルの入力設定について]
次に、先の
図1及び
図2乃至
図6を参照しながら本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに格納される情報テーブル4の入力設定時のフローについて説明する。
図2は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において情報テーブルを設定する際の作業手順を示すフローである。また、
図3は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において情報テーブルであるユーザ情報テーブルの設定を行う際のユーザ設定画面の一例を示す図である。さらに、
図4は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において情報テーブルである顧客情報テーブルの設定を行う際の顧客設定画面の一例を示す図である。また、
図5は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置のデータベースに格納されるユーザ情報テーブル(情報テーブル)の一例を示す図である。そして、
図6は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置のデータベースに格納される顧客情報テーブル(情報テーブル)の一例を示す図である。なお、
図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
また、ここではユーザである小売り電気事業者Sが、自ら保有するユーザ端末50(例えばパソコン等)を用いて、顧客管理代行サーバ装置1にアクセスして情報テーブル4であるユーザ情報テーブル4a及び顧客情報テーブル4bの設定作業を行う場合を例に挙げて説明する。
なお、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1のユーザである小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S~U)のそれぞれは、顧客管理代行サーバ装置1に格納される情報テーブル4の設定作業に先立って、顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者から小売り電気事業者ID(例えばユーザID50a~52a)の発行と、顧客管理代行サーバ装置1への小売り電気事業者ID(例えばユーザID50a~52a)の設定登録を行ってもらう必要がある。
【0028】
そして、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1においてユーザである例えば小売り電気事業者Sが、情報テーブル4の設定を行うには、まず、
図2に示すように、小売り電気事業者Sのユーザ端末50を用いて顧客管理代行サーバ装置1に対してログインを要求する(ステップS001)。
これに対し、顧客管理代行サーバ装置1は、小売り電気事業者Sのユーザ端末50に対してユーザIDを要求し、あるいはユーザIDに加えて予め設定されたパスワード等を要求する。これに応じて小売り電気事業者Sは、顧客管理代行サーバ装置1に対して小売り電気事業者ID50aや必要に応じて予め設定されたパスワード等をユーザ端末50に送信する。
この場合、顧客管理代行サーバ装置1の情報テーブル4(ユーザ情報テーブル4a)に予め登録されている小売り電気事業者ID50aと、小売り電気事業者Sのユーザ端末50から送信される小売り電気事業者ID50aが一致した場合に、あるいはさらに必要に応じて予め設定されるパスワード等が一致した場合に、小売り電気事業者Sのユーザ端末50のログインが承認される(ステップS002)。
【0029】
この後、小売り電気事業者Sのユーザ端末50から顧客管理代行サーバ装置1に対して情報テーブル4の設定要求がなされ(ステップS003)、これに応じて顧客管理代行サーバ装置1は、例えば必要に応じて小売り電気事業者Sの小売り電気事業者ID50a等を再確認した後に、データベース19aに格納されている情報テーブル4へのアクセスを許可するとともに、ユーザ端末50側の例えばモニタ等の出力手段に例えば
図3に示すようなユーザ設定画面20を表示させる。
そして、小売り電気事業者Sは、例えば
図3に示すようなユーザ設定画面20上において、自らの顧客である電力需要家に対して請求する電力使用料の検針データ3(託送サーバ装置2から提供されるデータ)以外の演算要素22及び電力使用料の請求金額算出タイミング23を設定する。
【0030】
なお、ここでは顧客管理代行サーバ装置1のユーザである小売り電気事業者Sが自らの顧客である電力需要家に対して請求する電力使用料が、先に示した(式1)及び(式2)に基づいて算出される場合を例に挙げて説明している。
したがって、
図3に示すようなユーザ情報設定画面20において小売り電気事業者Sは、演算要素22として「基本料金単価」、「力率」、「従量料金単価」及び「燃料調整額」をそれぞれ独自に設定することができる。
また、特に図示しないが、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1では、小売り電気事業者が自らの顧客である電力需要家に対して請求する電力使用料の計算式として、上述の(式1)及び(式2)以外の「独自の演算要素」(ただし、この「独自の演算要素」は託送サーバ装置2から提供される検針データ3を用いるものであるとする)を設定して用いることも可能である。
この場合は、上述のような「独自の演算要素」を設定するための別の設定画面(図示せず)を設け、この設定画面で設定される「独自の演算要素」(独自の計算式及びそれに用いられる定数等)を「独自の演算要素」としてそれぞれのユーザID(例えば小売り電気事業者ID50a~52a)と関連付けながら、情報テーブル4の設定項目の一部として設定可能に構成してもよい。ただし、上記「独自の計算式」も託送サーバ装置2から提供される検針データ3を用いるものである。
【0031】
さらに、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1では、情報テーブル4の設定時に上記演算要素22及び請求金額算出タイミング23に加えて、必要に応じて以下に示すような任意設定項目24(
図3を参照)について個別に設定可能に構成してもよい(任意選択構成要素)。
つまり、上述のような任意設定項目24としては、例えば
図3に示すような、顧客(電力需要家)毎に算出される所望期間の電力使用料(請求金額)の請求書印刷用データへの変換の要否、同電力使用料の請求金額Web公開データへの変換の要否、同電力使用料を請求金額Web公開データに変換する場合の請求金額Web公開用URLデータの作成の要否、顧客(電力需要家)毎の検針データを任意のオプションデータ(例えばオプションデータP等)に変換して提供することの要否、上記以外の任意のオプションデータ(例えばオプションデータQ等)の作成の要否等である。
また、上述のような任意設定項目24は、必ずしもその全てを設定(選択)可能に構成する必要はなく、ユーザにとってニーズの高い任意設定項目24のうち所望の項目だけを設定(選択)可能に構成してもよい。
なお、上述のような各任意設定項目24の要否をユーザ(小売り電気事業者)が情報テーブル4に設定した場合の処理のフローについては後段において詳細に説明する。
【0032】
そして、ユーザである例えば小売り電気事業者Sが、
図3に示すようなユーザ情報設定画面20において演算要素22及び請求金額算出タイミング23の設定を行った後に、あるいはこれらの設定に加えて上記任意設定項目24の設定を行った後に、小売り電気事業者Sは、例えばユーザ情報設定画面20に表示される図示しない設定完了ボタンをクリックするなどして、ユーザ情報テーブル4aの設定操作の完了を顧客管理代行サーバ装置1に対して要求する(ステップS004)。
この要求に応じて顧客管理代行サーバ装置1は、小売り電気事業者Sのユーザ端末50のモニタ等の出力手段に図示しない設定内容確認画面を表示するとともに、小売り電気事業者Sに対して設定内容の確認を要求する(ステップS005)。
これに応じて、小売り電気事業者Sは図示しない設定内容確認画面において設定内容を確認した後、顧客管理代行サーバ装置1に対して、例えば図示しない設定内容確認画面上に表示される設定内容登録ボタンをクリックする等の操作を行うことで、顧客管理代行サーバ装置1に対して設定内容の登録を要求する(ステップS006)。
そして、顧客管理代行サーバ装置1は、ユーザ端末50(小売り電気事業者S)からの設定内容の登録の要求を受けて、例えば先の
図3に示すような設定内容を情報テーブル4(ユーザ情報テーブル4a)に登録する(ステップS007)。
【0033】
また、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1では、例えば
図3に示すようなユーザ情報設定画面20において演算要素22を設定する際に、この演算要素22をユーザ毎に一律に設定可能に構成してもよいし、あるいは顧客毎に演算要素22を個別に設定可能に構成してもよい(任意選択構成要素)。
より具体的には、例えば
図3に示すようなユーザ情報設定画面20における演算要素22を設定する欄において、この演算要素22を一律に又は個別に、あるいはこれらの両者同時に選択して設定可能に構成してもよい(任意選択構成要素)。
そして、例えば
図3に示すようなユーザ情報設定画面20における演算要素22を設定する欄において「一律」と設定された場合は、ユーザ情報設定画面20において設定される演算要素22に基づいて、例えば小売り電気事業者Sの全顧客の所望期間の電力使用料が一律に算出される。
また、例えば
図3に示すようなユーザ情報設定画面20における演算要素22の設定欄において「個別」が設定された場合は、後段に示す顧客情報設定画面21において顧客毎に設定される演算要素22に基づいて、小売り電気事業者Sの個々の顧客の所望期間の電力使用料が個別に算出される。
さらに、例えば
図3に示すようなユーザ情報設定画面20における演算要素22の設定欄において、「一律」と「個別」の両者が同時に設定される場合は、後段に示す顧客情報設定画面21において演算要素22が設定される顧客についてはその演算要素22に基づいて所望期間の電力使用料が個別に算出される一方で、それ以外の顧客については例えば
図3に示すユーザ情報設定画面20において設定される演算要素22に基づいて所望期間の電力使用料が一律に算出される。
【0034】
また、本実施形態ではユーザ情報テーブル4aの設定時に、ユーザ情報設定画面20において任意設定項目24のそれぞれについてもユーザ毎に(例えば小売り電気事業者Sが)「一律」又は「個別」に、あるいはこれらの両者を同時に選択して設定可能に構成してもよい(任意選択構成要素)。
そして、例えば
図3に示すようなユーザ情報設定画面20における所望の任意設定項目24において「一律」が設定される場合は、所望の任意設定項目24の設定に基づく処理が、例えば小売り電気事業者Sの全ての顧客に対して一律に適用される。
また、例えば
図3に示すようなユーザ情報設定画面20における所望の任意設定項目24において「個別」が設定される場合は、所望の任意設定項目24の設定に基づく処理が、後段に示す顧客情報設定画面21において設定される顧客に対してのみ適用される。
さらに、例えば
図3に示すようなユーザ情報設定画面20における所望の任意設定項目24において「一律」と「個別」の両者が同時に設定される場合は、情報テーブル4である顧客情報テーブル4b(
図4中の顧客設定画面21、及び、
図6を参照)において設定される顧客についてはその設定内容に基づいて所望の処理が行われる一方で、それ以外の顧客については例えば情報テーブル4であるユーザ情報テーブル4a(
図3中のユーザ情報設定画面20、及び
図5を参照)において設定される内容に基づいて所望の処理が行われる。
【0035】
さらに、上述のようなユーザ情報の設定が完了した後、顧客管理代行サーバ装置1から、小売り電気事業者Sに対して顧客情報テーブル4bの設定が要求される(ステップS008)。
より具体的には、顧客管理代行サーバ装置1は、小売り電気事業者Sであるのユーザ端末50のモニタ等の出力手段に例えば
図4に示すような顧客情報設定画面21を表示して、小売り電気事業者Sに対して電力需要家である個々の顧客情報の設定を要求する。
これに応じて、小売り電気事業者Sは例えば
図4に示すような顧客情報設定画面21において、少なくとも需要家ID60(需要家識別番号)と、電力の供給地点を個別に識別するために予め付与される供給地点ID70(供給地点識別番号)とを含む顧客情報25を入力して設定する。
なお、上記以外の顧客情報25として例えば個々の需要家ID60に対応する「需要家名」、「異動日」、個々の需要家の「連絡先(電話番号、e-mailアドレス)」、「検針日」等を必要に応じて顧客情報テーブル4bに入力設定可能にしてもよい(
図4を参照、任意選択構成要素)。
【0036】
さらに、例えば
図4に示すような顧客情報設定画面21において、小売り電気事業者Sは、必要に応じて顧客毎に演算要素22を設定することができる(任意選択構成要素)。この場合、顧客情報設定画面21において設定された演算要素22に基づいてその顧客の所望期間の電力使用料が算出される。
加えて、例えば
図4に示すような顧客情報設定画面21において、小売り電気事業者Sは、必要に応じて顧客毎に任意設定項目24の要否を個別に設定することができる(任意選択構成要素)。この場合は、後段において
図9及び
図10を参照しながら詳細に説明するが、顧客情報設定画面21において設定された設定内容に基づいて、所望の処理がなされて出力される。
【0037】
そして、ユーザである例えば小売り電気事業者Sが、
図4に示すような顧客情報設定画面21において顧客情報25、及び必要に応じて演算要素22や任意設定項目24の設定を行った後、あるいはこれらの設定に加えて上記任意設定項目24の設定を行った後、小売り電気事業者Sは、例えば顧客情報設定画面21に表示される図示しない設定完了ボタンをクリックするなどして、顧客情報テーブル4bの設定操作の完了を顧客管理代行サーバ装置1に対して要求する(ステップS009)。
この要求に応じて顧客管理代行サーバ装置1は、小売り電気事業者Sのユーザ端末50のモニタ等の出力手段に図示しない設定内容確認画面を表示するとともに、小売り電気事業者Sに対して設定内容の確認を要求する(ステップS010)。
これに応じて、小売り電気事業者Sは図示しない設定内容確認画面において設定内容を確認した後、顧客管理代行サーバ装置1に対して、例えば図示しない設定内容確認画面上に表示される設定内容登録ボタンをクリックする等の操作を行うことで、顧客管理代行サーバ装置1に対して設定内容の登録を要求する(ステップS011)。
そして、顧客管理代行サーバ装置1は、ユーザ端末50からの設定内容の登録の要求を受けて、例えば先の
図5に示すような設定内容を情報テーブル4(顧客情報テーブル4b)に登録する(ステップS012)。
【0038】
なお、個々のユーザ(例えば小売り電気事業者S~U)は、情報テーブル4(ユーザ情報テーブル4aや顧客情報テーブル4b)に設定された内容を必要に応じて変更することができる。また、その際の手順は、例えば先の
図2に示すフロート同じ手順にて行うことができる。
【0039】
また、例えば先の
図3に示すようなユーザ情報設定画面20において設定される各事項をユーザである小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S~U)毎にまとめたものが
図5のユーザ情報テーブル4a(情報テーブル4)である。
さらに、例えば先の
図4に示すような顧客情報設定画面21において設定される各事項をそれぞれの小売り電気事業者ID(小売り電気事業者ID50a~52a)に関連付けてまとめたものが
図6の顧客情報テーブル4b(情報テーブル4)である。
なお、本実施形態においては顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに、情報テーブル4としてユーザ情報テーブル4a及び顧客情報テーブル4bの両者を格納する場合を例に挙げて説明しているが、顧客情報テーブル4bのみを格納する場合でも目的とする処理を支障なく発揮させることができる。つまり、顧客管理代行サーバ装置1がデータベース19aに情報テーブル4として顧客情報テーブル4bのみを格納する場合は、例えば顧客毎に設定される演算要素22を1種類にすることで、その顧客らの電力供給元であるユーザに対して設定される演算要素22を実質的に1種にすることができる。そして、この場合は、顧客管理代行サーバ装置1がデータベース19aにユーザ情報テーブル4aを備えて、ユーザ毎に演算要素22を一律(1種類)に設定する場合と同様の作用・効果が発揮される。なお、
図6に示す顧客情報テーブル4bでは、請求金額算出タイミング23の記載を省略している。
また、本実施形態においては、個々のユーザ(例えば小売り電気事業者S)が、顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに格納される情報テーブル4(ユーザ情報テーブル4a、顧客情報テーブル4b)の入力設定を、ユーザ端末50を介して間接的に行う場合を例に挙げて説明しているが、それぞれの小売り電気事業者ID(例えば小売り電気事業者ID50a~52a)(=ユーザID)に関連付けられている情報テーブル4をユーザ端末(例えばユーザ端末50~52)にダウンロードし、そこで必要事項を入力設定した後、顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに再び情報テーブル4をアップロードして情報テーブル4を設定入力又は更新できるよう構成してもよい(任意選択構成要素)。
【0040】
[1-3;情報テーブルの設定内容に基づく顧客毎の電力使用料の算出について]
次に、
図7及び
図8を参照しながら顧客管理代行サーバ装置1において、上述の情報テーブル4と、託送サーバ装置2から提供される検針データ3に基づいて顧客(需要家)毎の需要家請求金額を算出する手順について説明する。
図7は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において顧客毎の需要家請求金額を算出する際の手順を示すフローである。また、
図8は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において作成される需要家請求金額データの一例を示す図である。なお、
図1乃至
図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1において電力需要家毎の所望期間の請求金額を作成するには、例えば
図7に示すように、まず、顧客管理代行サーバ装置1において需要家請求金額算出要求がなされる(ステップS101)。
次いで、顧客管理代行サーバ装置1において算出対象である電力需要家の電力供給元を特定すべく小売り電気事業者ID(ユーザID)が要求される。
そして、顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに格納される情報テーブル4から算出対象である小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S)の小売り電気事業者ID50aが抽出されて、算出対象のユーザが特定される(ステップS102)。
【0041】
この後、顧客管理代行サーバ装置1から託送サーバ装置2に対して、ユーザである小売り電気事業者Sの全ての電力需要家(顧客)の所望期間の検針データ3が要求される(ステップS103)。
この要求に応じて託送サーバ装置2は、顧客管理代行サーバ装置1に対して、電力需要家(顧客)の需要家ID(例えば需要家ID60等)と供給地点ID(例えば供給地点ID70)の組合せを要求する(ステップS104)。
この要求に対して顧客管理代行サーバ装置1は、データベース19aから顧客情報テーブル4bを読出して小売り電気事業者Sの小売り電気事業者ID50aと関連付けられた需要家ID60と供給地点ID70の組合せを託送サーバ装置2に送信する(ステップS105)。
これに対して託送サーバ装置2は、データベース19bに格納される検針データ3から、顧客管理代行サーバ装置1から送信される需要家ID60と供給地点ID70の組合せに対応する検針データ3を抽出して顧客管理代行サーバ装置1に送信する(ステップS106)。
この後、顧客管理代行サーバ装置1は、託送サーバ装置2から送信される検針データ3と、ユーザ情報テーブル4a又は顧客情報テーブル4bに設定される演算要素22とに基づいて小売り電気事業者Sの顧客毎の所望期間の電力使用料を算出する(ステップS107)。
【0042】
なお、
図7では、ステップS103~ステップS106で示す工程で託送サーバ装置2から顧客管理代行サーバ装置1に対して検針データ3が提供される場合を例に挙げて説明しているが、上記ステップS103及びステップS104を省略することもできる。
【0043】
また、上記ステップS107における顧客毎の所望期間の電力使用料の算出結果は、例えば
図8に示すように、需要家毎の需要家請求金額データ5として出力されてもよい(任意選択構成要素)。
より具体的には、顧客毎の所望期間の電力使用料は、例えば
図8に示すように、託送サーバ装置2から提供される単位時間毎(例えば30分毎)の電力使用量(kWh)と、先の情報テーブル4(ユーザ情報テーブル4a又は顧客情報テーブル4b)において設定される演算要素22である、例えば上述の(式2)、並びに、この(式2)に用いられる定数である「従量料金単価」及び「燃料調整額」に基づいて単位時間毎(例えば30分毎)の電力量料金が時間帯小計26として算出され、さらにこの時間帯小計26が所望期間分積算されることで所望期間の電力量料金である時間帯合計27が算出される。
加えて、情報テーブル4(顧客情報テーブル4b)において設定される「契約電力」と、情報テーブル4(ユーザ情報テーブル4a又は顧客情報テーブル4b)において設定される演算要素22である例えば上述の(式1)、並びに、この(式1)に用いられる定数である「基本料金単価」及び「力率」に基づいて基本料金が算出され(算出値については図示せず)、この基本料金と先の時間帯合計27が合算されて、例えば需要家Aの所望期間の電力使用料28(請求金額)が算出される(
図8を参照)。
また、上述のような時間帯小計26、時間帯合計27及び電力使用料28を電力需要家(顧客)毎にまとめて示したものが例えば
図8に示すような需要家請求金額データ5である。
なお、
図8には特に示していないが上述のような需要家請求金額データ5は、その電力供給元である小売り電気事業者が特定できるよう、小売り電気事業者ID(例えば小売り電気事業者ID50a~52a)と関連付けられている。
【0044】
また、本実施形態では電力需要家(顧客)毎に需要家請求金額データ5を作成して出力する場合を例に挙げて説明しているが、需要家請求金額データ5は、小売り電気事業者Sの全ての顧客についての電力使用料28(請求金額)等をまとめて一覧にした状態で出力してもよい(図示せず;任意選択構成要素)。
また、上記手順により作成された需要家請求金額データ5は、顧客管理代行サーバ装置1からユーザである小売り電気事業者Sのユーザ端末50に自動で送信されるよう構成してもよいし、必要時に小売り電気事業者Sがユーザ端末50を用いて顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aからダウンロードして取得可能に構成してもよい。
【0045】
さらに、
図8に示す需要家請求金額データ5中に示されるように、時間帯小計26を算出する際に、必要に応じて送配電ネットワークの利用料金を託送料金29として加算してもよい(任意選択構成要素)。
この場合、送配電ネットワークを保有する事業者は、各電力需要家から送配電ネットワークを使用することの対価を間接的に得ることができる。
なお、託送料金29の加算方法は
図8に示すものに特定される必要はなく、顧客毎又はユーザ毎に所望金額を加算するよう構成してもよい。
さらに、後段に示すようにユーザ毎に顧客管理代行サーバ装置1の使用料を算出して請求する場合に別途項目を設けて託送サーバ装置2から提供される検針データ3の使用料を請求するよう構成してもよい(任意選択構成要素)。
この場合、託送サーバ装置2を保有する事業者は、顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者に対して検針データ3を提供することの対価を得ることができる。
よって、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1を用いる場合は、送配電ネットワークを保有する事業者や、託送サーバ装置2を保有する事業者が、顧客管理代行サーバ装置1を用いた新規の情報サービスにより利益を得られる可能性がある。
【0046】
[1-4;本発明の基本構成による効果について]
上述のような本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、情報テーブル4において小売り電気事業者毎(例えば小売り電気事業者S~U毎)に又は電力需要家(顧客)毎に設定される演算要素22と、託送サーバ装置2から提供される検針データ3とに基づいて、電力需要家(顧客)毎に所望期間の電力使用料を算出することができる。
つまり、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば小売り電気事業者であるユーザは、自らの顧客の所望期間の電力使用料を算出するにあたり、託送サーバ装置2から自らの顧客の検針データ3をダウンロードする等の入手作業を行う必要がない。さらに、小売り電気事業者であるユーザは、託送サーバ装置2から入手した検針データ3に基づいて個々の顧客の所望期間の電力使用料を算出する作業を行う、あるいはそのための専用のソフトを準備する又は人員配置する必要もない。
このため、小売り電気事業者は本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1を利用することで、小売り電気事業に新規参入する際の初期投資並びにランニングコストを大幅に削減することができる。
また、顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者や、送配電ネットワークを保有する事業者、あるいは場合によって託送サーバ装置2を保有する事業者は、複数の小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S~U)に対して新規の情報サービスを提供して利益を上げることができる。
【0047】
[2;本発明の変形例について]
[2-1;請求書印刷様式データを格納する場合について]
続いて、
図1及び
図9乃至
図14を参照しながら本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1の変形例について説明する。
図9は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において顧客毎の電力使用料が算出された後に実行される任意設定項目の処理手順を示すフローである。また、
図10は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において作成される請求書印刷用データの一例を示す図である。なお、
図1乃至
図8に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の
図1に示すように、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1は、データベース19aに必要に応じて請求書印刷様式データ6を格納しておいてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、顧客管理代行サーバ装置1は、情報テーブル4である顧客情報テーブル4bのみ、あるいはユーザ情報テーブル4a及び顧客情報テーブル4bにおいて予め設定されている場合に、算出された顧客毎の所望期間の電力使用料と、請求書印刷様式データ6に基づいて請求書印刷用データ7を作成して出力することができる。
より具体的には、
図9に示すように、先のステップS101~ステップS107の完了後に顧客管理代行サーバ装置1は、情報テーブル4における請求書印刷用データ7の作成に関する設定を確認し(ステップS108)、請求書印刷用データ7の作成が必要である場合に、ユーザである小売り電気事業者Sの全ての顧客又は予め情報テーブル4において設定されている顧客に関する電力使用料の算出結果(例えば需要家請求金額データ5等)と、データベース19aに格納される請求書印刷様式データ6に基づいて、例えば
図10に示すような請求書印刷用データ7を作成して出力する(ステップS109)。
なお、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1において作成された請求書印刷用データ7は、顧客管理代行サーバ装置1からそのユーザである小売り電気事業者Sのユーザ端末50に自動で送信されるよう構成してもよいし、必要時に小売り電気事業者Sがユーザ端末50を用いて顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aからダウンロードして取得できるよう構成してもよい。
【0048】
上述のように、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1が算出された顧客毎の所望期間の電力使用料を請求書印刷用データ7に変換して出力できるよう構成されることで、ユーザである小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S)は、顧客管理代行サーバ装置1から出力される請求書印刷用データ7を印刷して自らの顧客に発送するだけで、顧客らに対する所望期間の電力使用料(請求金額)を通知する作業を完了することができる。
この場合、顧客管理代行サーバ装置1において算出された顧客毎の電力使用料をユーザである小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S)が自ら印刷用の様式に変換して請求書を作成して送付する場合に比べて、自らの顧客に対して電力使用料を通知して請求する作業を大幅に削減することができる。
よって、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、ユーザは自らの顧客に対する管理業務を軽減することができる。
【0049】
[2-2;請求金額Web公開様式データを格納する場合について]
図1に示すように、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1は、データベース19aに必要に応じて請求金額Web公開様式データ8を格納していてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、情報テーブル4において予め設定されている場合に、算出された顧客毎の所望期間の電力使用料と、請求金額Web公開様式データ8とに基づいて、請求金額Web公開データ9を作成して出力することができる。
より具体的には、
図9に示すように、先のステップS101~ステップS107の完了後に顧客管理代行サーバ装置1は、情報テーブル4における請求金額Web公開データ9の作成に関する設定を確認し(ステップS110)、請求金額Web公開データ9の作成が必要である場合に、ユーザである小売り電気事業者Sの全ての顧客又は予め情報テーブル4において設定されている顧客、に関する電力使用料の算出結果(例えば需要家請求金額データ5等)と、データベース19aに格納される請求金額Web公開様式データ8に基づいて、請求金額Web公開データ9(図示せず)を作成して出力する(ステップS111)。
なお、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1において作成された請求金額Web公開データ9は、顧客管理代行サーバ装置1からそのユーザである小売り電気事業者Sのユーザ端末50に自動で送信されるよう構成してもよいし、必要時に小売り電気事業者Sがユーザ端末50を用いて顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aからダウンロードして取得できるよう構成してもよい。あるいは、顧客管理代行サーバ装置1においてそのまま使用できるよう構成してもよい。
【0050】
上述のように、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1が算出された顧客毎の所望期間の電力使用料を請求金額Web公開データ9に変換して出力できるよう構成されることで、ユーザである小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S)は、算出済みの顧客毎の所望期間の電力使用料(請求金額)をWeb上に公開して各顧客に伝えるべく自ら請求金額Web公開データ9を作成する作業を行う必要がなくなる。
この場合、ユーザである小売り電気事業者は、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1において作成されるそれぞれの請求金額Web公開データをWeb上に公開するためのURLデータを作成して、このURLデータをそれぞれの顧客に通知するだけで、自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を通知する業務を完了することができる。
この場合、顧客管理代行サーバ装置1において算出される顧客毎の電力使用料をユーザである小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S)が自ら請求金額Web公開データに変換するとともに、このデータをWeb上に公開するためのURLデータをさらに作成してそれぞれの顧客に通知する場合に比べて、自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を、Webを介して通知するのに必要な作業を大幅に削減することができる。
よって、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、ユーザは自らの顧客に対する管理業務を一層軽減することができる。
【0051】
[2-3;第1のプログラムを格納する場合について]
図1に示すように、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1は、データベース19aに必要に応じて、所望の請求金額Web公開データ9に対応する請求金額Web公開用URLデータ11を作成する第1のプログラム10を格納していてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、顧客管理代行サーバ装置1において算出された顧客毎の電力使用料と請求金額Web公開様式データ8に基づいて請求金額Web公開データ9を作成する場合に、併せて第1のプログラム10に基づいてそれぞれの請求金額Web公開データ9に対応する請求金額Web公開用URLデータ11作成して出力することができる。
より具体的には、
図9に示すように、先のステップS109~ステップS111において請求金額Web公開データ9が作成される場合に、併せて第1のプログラム10に基づいてそれぞれの請求金額Web公開データ9に対応する請求金額Web公開用URLデータ11を作成して出力する(ステップS110,ステップS111)。
なお、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1において作成された請求金額Web公開用URLデータ11は、顧客管理代行サーバ装置1からそのユーザである小売り電気事業者Sのユーザ端末50に自動で送信されるよう構成してもよいし、必要時に小売り電気事業者Sがユーザ端末50を用いて顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aからダウンロードして取得できるよう構成してもよい。
あるいは、顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに格納される顧客情報テーブル4bに顧客情報25として、例えば各需要家の連絡先がe-mailアドレスとして設定される場合に、顧客情報テーブル4bの設定内容に基づいて個々の請求金額Web公開データ9に対応して作成される顧客のWeb公開用URLデータ11を、顧客管理代行サーバ装置1から個々の顧客のe-mailアドレスに直接送信できるよう構成してもよい。
【0052】
上述のような本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、ユーザである小売り電気事業者は、請求金額Web公開データ9と併せて、この請求金額Web公開データに対応して作成された請求金額Web公開用URLデータ11を入手できる。
これによりユーザである小売り電気事業者は、それぞれの顧客に対して、請求金額Web公開データ9と対応して作成された請求金額Web公開用URLデータ11を通知するだけで自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を通知する業務を完了することができる。
あるいは、顧客管理代行サーバ装置1からそれぞれの顧客のe-mailアドレスに、請求金額Web公開データ9と対応して作成された請求金額Web公開用URLデータ11が送信される場合は、請求金額Web公開用URLデータ11を通知する作業も省略することができる。
よって、上述のような本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、小売り電気事業者が自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を通知するのに必要な作業を一層削減することができる。
よって、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、ユーザは自らの顧客に対する管理業務をさらにより一層軽減することができる。
【0053】
[2-4;第2のプログラムを格納する場合について]
図1に示すように、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1は、データベース19aに必要に応じて、託送サーバ装置2から提供される顧客毎の検針データ3に基づいて顧客毎のオプションデータ13を作成する第2のプログラム12を格納していてもよい(任意選択構成要素)。
なお、ここでいうオプションデータ13とは、例えば託送サーバ装置2から提供される顧客毎の検針データ3に基づいて作成される、顧客毎の所望期間(例えば電力使用料請求対象期間と同じ期間)の例えば単位時間(例えば30分)毎の電力使用量の積算値又は平均値を求めて、必要に応じてグラフ等で示したものを、必要に応じて印刷用又はWeb公開用の様式に変換したデータである。
この場合、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1により顧客毎の所望期間の電力使用料28(先の
図8を参照)を算出する際に、併せて上述のようなオプションデータ13(図示せず)を作成して出力することができる。
なお、オプションデータ13は上述のものに特定される必要はなく、託送サーバ装置2から提供される顧客毎の検針データ3に基づいて演算等の処理により作成可能なものであればどのようなものでもよい。
【0054】
上述のような本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、ユーザである小売り電気事業者は、自らの顧客に対して所望期間の電力使用料(請求金額)を通知する際に併せて、上述のようなオプションデータを自らの顧客に対して提供することができる。
また、ユーザの顧客である電力需要家は、自らの電力使用料(請求金額)の通知と併せて上述のようなオプションデータを入手できることで、自らの電力の使用傾向を客観的に把握又は確認することができる。この場合、電力需要家は、節電する、あるいは従量料金単価が安い時間帯に積極的に電力を使用するなどの電力使用料を低減するために有効な対策を講じることが容易になる。この結果、電力需要家は、自らの電力使用料(請求金額)を効率的に削減することができる。
よって、上述のような本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、小売り電気事業者は自らの顧客に対してより付加価値の高いサービスを提供することができる。
【0055】
[2-5;情報テーブルの変形例について]
特に図示しないが、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1における情報テーブル4(ユーザ情報テーブル4a又は顧客情報テーブル4b)に、小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S~U)が自らの顧客である電力需要家に対して提供している電力供給以外のサービス料金を一律に又は個別に設定可能に構成してもよい(任意選択構成要素)。
この場合は、顧客管理代行サーバ装置1において情報テーブル4に設定される演算要素と、託送サーバ装置2から提供される検針データ3に基づいて顧客毎の所望期間の電力使用料を算出する際に、自らの顧客である電力需要家に対して提供している電力供給以外のサービス料金(一律又は個別)を算出された電力使用料に加算して顧客毎の請求金額とすることができる。
さらに、予め情報テーブル4に設定しておくことで、小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S~U)が自らの顧客である電力需要家に対して提供している電力供給以外のサービス料金に基づいて、顧客毎に算出される所望期間の電力使用料28(例えば
図8を参照)を割引又は割増することも可能である。
よって、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに格納される情報テーブル4を上記のように構成することで、ユーザである小売り電気事業者は、自らの顧客に対する電力使用料28以外のサービス料金を通知する業務を、電力使用料28の通知と併せて行うことができる。
したがって、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、上述のように情報テーブル4においてユーザ毎又は顧客毎に電力供給以外のサービス料金を設定可能に構成することで、小売り電気事業者が自らの顧客に対する請求金額の算出及びその通知に関する作業を軽減又は無くすことができる。
【0056】
[2-5;サーバ利用料テーブルを格納する場合について]
続いて、先の
図1及び、
図11乃至
図14を参照しながら本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aにサーバ利用料テーブルが格納される場合について説明する。
図11は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置のデータベースに格納されるサーバ利用料テーブルの一例を示す図である。また、
図12及び
図13はいずれも本発明に係る顧客管理代行サーバ装置においてユーザ毎のサーバ利用料を算出する場合のフローである。さらに、
図14は本発明に係る顧客管理代行サーバ装置において作成されるサーバ利用料請求金額データの一例を示す図である。なお、
図1乃至
図10に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
先の
図1に示すように、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1は、データベース19aに必要に応じて、例えば
図11に示すような、ユーザが情報テーブル4(顧客情報テーブル4bのみ、あるいはユーザ情報テーブル4a及び顧客情報テーブル4b)において設定可能なサービス内容と、このサービス内容に対応する利用料が設定されたサーバ利用料テーブル14を格納していてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1において、情報テーブル4と、サーバ利用料テーブル14に基づいてユーザ(小売り電気事業者)毎のサーバ利用料を算出することができる。
【0057】
より具体的には、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1においてユーザ毎のサーバ利用料を算出する場合は、例えば
図12に示すように、まず、顧客管理代行サーバ装置1においてサーバ利用料算出要求がなされる(ステップS201)。
次いで、顧客管理代行サーバ装置1においてサーバ利用料の算出対象であるユーザを特定すべく小売り電気事業者ID(ユーザID)が要求される。
これに応じて、顧客管理代行サーバ装置1では、データベース19aに格納される情報テーブル4が読出されて、算出対象の小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S)の小売り電気事業者ID50aが抽出されて、算出対象のユーザが特定される(ステップS202)。
また、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1のサーバ利用料として例えば基本使用料が設定される場合は、算出対象のユーザが特定されることでこの基本使用料が確定する(ステップS203)。
次に、同サーバ利用料として、例えば割引又は割増が設定される場合は、より具体的には新規ユーザ登録割引や、追加メモリ利用割増等が設定されている場合は、算出対象のユーザが特定されることで、これら割引額又は割増が確定する(ステップS204)。
さらに、情報テーブル4において顧客毎の所望期間の電力使用料の算出に用いる演算要素22が、ユーザ毎でなく顧客毎に設定される場合に、別途サーバ利用料が発生するよう設定されている場合は、演算要素22の個別設定料が確定する(ステップS205)。
【0058】
また、
図12のフローには特に示していないが、電力使用料の算出に用いる演算要素(計算式及びその計算式に用いられる定数)として予め設定される演算要素[例えば先の(式1)及び(式2)、並びに演算要素22]以外の「独自の演算要素」(独自の計算式及びそれに用いられる定数)を情報テーブル4に設定する場合で、かつこの「独自の演算要素」を使用することについて別途サーバ利用料が発生するよう設定されている場合は、さらに「独自の演算要素」の設定料が確定する(任意選択構成要素)。
この場合、ユーザは、託送サーバ装置2から提供される検針データ3と、「独自の演算要素」とに基づいて自らの顧客の所望期間の電力使用料を算出することができるので、顧客管理代行サーバ装置1のユーザ側の利便性を大幅に向上させることができる。
また、顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者はユーザに対してより付加価値の高いサービスを提供することで、ユーザからより多くのサーバ利用料を得ることができる。
【0059】
さらに、情報テーブル4(ユーザ情報テーブル4a又は顧客情報テーブル4b)において任意設定項目24の利用の有無が設定される場合は、以下に示すような手順にてそれぞれのサービス内容に対応する利用料がサーバ利用料として確定する。
すなわち、顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aに格納される情報テーブル4において、例えば請求書印刷用データ7の作成が設定されている場合は、
図12に示すように、請求書印刷用データ作成料金が確定する(ステップS206)。
また、情報テーブル4において、例えば請求金額Web公開データ9及び請求金額Web公開用URLデータ11の作成が設定されている場合は、
図12に示すように、それぞれのデータ作成料金が個別に又は一括で確定する(ステップS207)。
さらに、情報テーブル4において、例えばオプションPデータ13(例えば、託送サーバ装置2から得られる検針データ3を利用して演算処理等により作成される新たなデータ)の作成が設定されている場合は、
図12に示すように、オプションPデータ作成料金が確定する(ステップS208)。
加えて、情報テーブル4において、例えばオプションQの処理(例えば、顧客毎に算出される所望期間の電力使用料に、小売り電気事業者による電力供給以外のサービス提供料を加算する等の処理)が設定されている場合は、
図12及び
図13に示すように、オプションQの処理を実行する料金が確定する(ステップS209)。
また、情報テーブル4において、上述した以外のさらなるサービス内容(データの作成や処理)が設定されるとともに、そのサービス内容に対応する料金がサーバ利用料テーブル14に設定されている場合は、それぞれのサービス内容に対応するサーバ利用料が確定する(図示せず)。
【0060】
そして、上記ステップS203~ステップS209が完了した後、確定したそれぞれの料金が積算されて(ステップS210)、例えば小売り電気事業者Sのサーバ利用料が確定する(ステップS211)。
なお、確定した小売り電気事業者Sのサーバ利用料は、例えば
図14に示すようなサーバ利用料請求金額データ15として出力されてもよいし(
図13中のステップS212を参照)、あるいは特に図示しないが、ユーザである小売り電気事業者毎に確定した利用料をまとめて表(図示せず)として出力してもよい(任意選択構成要素)。
なお、前者のようにサーバ利用料をユーザ毎に個別に出力する場合は、それぞれのユーザに対して顧客管理代行サーバ装置1のサーバ利用料を請求する際に便利である。
また、後者のように複数のユーザのサーバ利用料をまとめて表にして出力する場合は、顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者が、自らの顧客である各ユーザ(例えば、小売り電気事業者S~U)の顧客管理を行うのに便利である。
【0061】
よって、上述のように本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aにサーバ利用料テーブル14が格納される場合は、ユーザである小売り電気事業者(例えば小売り電気事業者S~U)毎のサーバ利用料を容易に算出することができる。
この場合、顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者は、顧客管理代行サーバ装置1のユーザである小売り電気事業者に対するサーバ利用料の算出及び請求金額の通知作業を簡素化することができる。
つまり、顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者にとっての顧客である小売り電気事業者に対する顧客管理業務を軽減することができる。
【0062】
さらに、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1のデータベース19aは、例えば
図14に示すサーバ利用料請求金額データ15をサーバ利用料請求書データ17に変換するためのサーバ利用料請求書様式データ16を格納していてもよい(任意選択要素)。
この場合、顧客管理代行サーバ装置1は、
図12及び
図13に示すステップS202~ステップS211により確定したユーザ毎のサーバ利用料と、サーバ利用料請求書様式データ16に基づいてサーバ利用料請求書データ17を作成することができる(ステップS213)。
この場合、サーバ利用料請求書データ17を各ユーザ(例えば小売り電気事業者S~Uのユーザ端末50~52)に送信するだけで、あるいは必要に応じて印刷して各ユーザに送付するだけで、各ユーザに対するサーバ利用料の通知及び請求業務を完了することができる。
したがって、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1が、データベース19aにサーバ利用料テーブル14を格納する場合は、顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者にとっての顧客である小売り電気事業者の管理業務を一層軽減することができる。
【0063】
よって、上述のような本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1によれば、そのユーザである小売り電気事業者は、自らの顧客である電力需要家の管理業務を軽減することができる。
他方、本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1を保有する事業者は、自らの顧客である小売り電気事業者(ユーザ)の管理業務を軽減することができる。
【0064】
[3;本発明に係る顧客管理代行方法について]
上述のような本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1と託送サーバ装置2を用いて、そのユーザである小売り電気事業者の顧客である電力需要家毎の所望期間の電力使用料を算出するための各工程を特定してなるものが、本実施形態に係る顧客管理代行方法である。
このような本実施形態に係る顧客管理代行方法は、先の
図1に示す顧客管理代行サーバ装置1において、ユーザ毎に付与されるユーザID(例えば小売り電気事業者ID50a~52a)と、電力需要家毎に付与される電力需要家ID(例えば需要家ID60~62)と、電力供給地点を識別する供給地点ID(例えば供給地点ID70~72)と、に関連付けて、顧客に対して請求する電力使用料を算出するために用いられ託送サーバ装置2から提供される検針データ3以外の演算要素(例えば演算要素22)を設定した情報テーブル4(顧客情報テーブル4bのみ、あるいはユーザ情報テーブル4a及び顧客情報テーブル4b)を作成する工程と(
図2中のステップS003~ステップS012に対応)、情報テーブル4に設定される内容に基づいて託送サーバ装置2から所望の顧客の検針データ3を得る工程と(
図7中のステップS103~ステップS106に対応)、情報テーブル4に設定される演算要素22(例えば
図3,4を参照)と、託送サーバ装置2から得られる検針データ3と、に基づいて所望の顧客の所望期間の電力使用料28を算出する工程と(
図7におけるステップS107に対応)、を備えることを特徴とするものである。
上記構成の本実施形態に係る顧客管理代行方法による作用・効果は、上述の本実施形態に係る顧客管理代行サーバ装置1による作用・効果と同じである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上説明したように本発明は、送配事業者が保有する託送サーバ装置から提供される検針データ(単位時間毎の電力使用量データ)を用いて、小売り電気事業者であるユーザ毎に、又はその顧客である電力需要家毎に、所望期間の電力使用料を算出することができる顧客管理代行サーバ装置及び顧客管理代行方法であり、電気事業に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…顧客管理代行サーバ装置 2…託送サーバ装置 3…検針データ 4…情報テーブル 4a…ユーザ情報テーブル(小売り電気事業者情報テーブル) 4b…顧客情報テーブル(需要家情報テーブル) 5…需要家請求金額データ 6…請求書印刷様式データ 7…請求書印刷用データ 8…請求金額Web公開様式データ 9…請求金額Web公開データ 10…第1のプログラム 11…請求金額Web公開用URLデータ 12…第2のプログラム 13…オプションPデータ 14…サーバ利用料テーブル 15…サーバ利用料請求金額データ 16…サーバ利用料請求書様式データ 17…サーバ利用料請求書データ 19a…データベース 19b…データベース 19c~19e…メモリ 20…ユーザ情報設定画面 21…顧客情報設定画面 22…演算要素 23…請求金額算出タイミング 24…任意設定項目 25…顧客情報 26…時間帯小計 27…時間帯合計 28…電力使用料(請求金額) 29…託送料金 50~52…ユーザ端末(小売り電気事業者端末) 50a~52a…ユーザID(小売り電気事業者ID) 60~62…需要家ID 70~72…供給地点ID