(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143460
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】生活情報記録支援装置、生活情報記録支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20220926BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20220926BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20220926BHJP
【FI】
G06Q50/22
G16H10/00
G16Y10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021043970
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 玲子
(72)【発明者】
【氏名】谷沢 典子
(72)【発明者】
【氏名】秋冨 穣
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】 関連度が高いことが既知ではない生活情報の組合せを、関連度が高いとしてユーザに通知可能であり、これにより、ユーザによる生活情報の記録を支援する。
【解決手段】 本発明の生活情報記録支援装置10は、生活情報取得部11、生活情報分析部12、及び、出力部13を含み、生活情報取得部11は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、生活情報分析部12は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、出力部13は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生活情報取得部、生活情報分析部、及び、出力部を含み、
前記生活情報取得部は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、
前記生活情報分析部は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、
前記出力部は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する、
生活情報記録支援装置。
【請求項2】
前記生活記録情報分析部は、さらに、前記生活情報取得部により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出する、請求項1記載の生活情報記録支援装置。
【請求項3】
前記生活情報分析部は、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、積率相関係数を算出し、二値変数の組合せである場合、四分位相関係数を算出し、連続量及び二値変数の組合せである場合、相関比を算出する、請求項1または2記載の生活情報記録支援装置。
【請求項4】
前記出力部は、さらに、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せの経時的な変化を示すグラフを出力する、請求項1から3のいずれか一項に記載の生活情報記録支援装置。
【請求項5】
生活情報取得工程、生活情報分析工程、及び、出力工程を含み、
前記生活情報取得工程は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、
前記生活情報分析工程は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、
前記出力工程は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する、
生活情報記録支援方法。
【請求項6】
前記生活記録情報分析工程は、さらに、前記生活情報取得工程により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出する、請求項5記載の生活情報記録支援方法。
【請求項7】
前記生活情報分析工程は、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、積率相関係数を算出し、二値変数の組合せである場合、四分位相関係数を算出し、連続量及び二値変数の組合せである場合、相関比を算出する、請求項5または6記載の生活情報記録支援方法。
【請求項8】
コンピュータに、生活情報取得手順、生活情報分析手順、及び、出力手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記生活情報取得手順は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、
前記生活情報分析手順は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、
前記出力手順は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する。
【請求項9】
前記生活記録情報分析手順は、さらに、前記生活情報取得手順により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出する、請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記生活情報分析手順は、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、積率相関係数を算出し、二値変数の組合せである場合、四分位相関係数を算出し、連続量及び二値変数の組合せである場合、相関比を算出する、請求項8または9記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生活情報記録支援装置、生活情報記録支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザのアクティビティデータをモニタし、このアクティビティデータが健康に関するリスクパターンを含む場合に、ユーザ等に通知するアプリケーションが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、服薬が遵守されない場合、リスクが高いとすることが記載されている。しかし、関連度が高いことが既知ではない生活情報の組合せを、関連度が高いとしてユーザに通知可能なものではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、関連度が高いことが既知ではない生活情報の組合せを、関連度が高いとしてユーザに通知可能であり、これにより、ユーザによる生活情報の記録を支援する生活情報記録支援装置、生活情報記録支援方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の生活情報記録支援装置は、
生活情報取得部、生活情報分析部、及び、出力部を含み、
前記生活情報取得部は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、
前記生活情報分析部は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、
前記出力部は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する、装置である。
【0007】
本発明の生活情報記録支援方法は、
生活情報取得工程、生活情報分析工程、及び、出力工程を含み、
前記生活情報取得工程は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、
前記生活情報分析工程は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、
前記出力工程は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する、方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、関連度が高いことが既知ではない生活情報の組合せを、関連度が高いとしてユーザに通知可能であり、これにより、ユーザによる生活情報の記録を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1の生活情報記録支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の生活情報記録支援装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3(A)及び(B)は、実施形態1の生活情報記録支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4(A)及び(B)は、生活情報の入力画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5(A)及び(B)は、データ閲覧画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7(A)及び(B)は、関連度の高い生活情報の組合せを出力する表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、関連度の高い生活情報の組合せを出力する表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の生活情報記録支援装置において、例えば、前記生活記録情報分析部は、さらに、前記生活情報取得部により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出する、という態様であってもよい。
【0011】
本発明の生活情報記録支援装置において、例えば、前記生活情報分析部は、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、積率相関係数を算出し、二値変数の組合せである場合、四分位相関係数を算出し、連続量及び二値変数の組合せである場合、相関比を算出する、という態様であってもよい。
【0012】
本発明の生活情報記録支援装置において、例えば、前記出力部は、さらに、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せの経時的な変化を示すグラフを出力する、という態様であってもよい。
【0013】
本発明の生活情報記録支援方法において、例えば、前記生活記録情報分析工程は、さらに、前記生活情報取得工程により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出する、という態様であってもよい。
【0014】
本発明の生活情報記録支援方法において、例えば、前記生活情報分析工程は、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、積率相関係数を算出し、二値変数の組合せである場合、四分位相関係数を算出し、連続量及び二値変数の組合せである場合、相関比を算出する、という態様であってもよい。
【0015】
本発明の生活情報記録支援方法において、例えば、前記出力工程は、さらに、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せの経時的な変化を示すグラフを出力する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0017】
本発明において、「生活情報」とは、生活においてユーザが実行した情報及びユーザの状態を示す情報であり、特に制限されず、例えば、睡眠、体調、元気度、疲労度、歩行、気分、運動、食事、カフェイン摂取量、飲酒量、外出、バイタルデータ(血圧等)、他者との交流、メディアの視聴、ストレスのかかる経験、ストレス解消になる経験、便通、勤務、及び勉強等の情報があげられる。
【0018】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0019】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の生活情報記録支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本装置10は、生活情報取得部11、生活情報分析部12、出力部13を含む。
【0020】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0021】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0022】
中央処理装置101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、生活情報取得部11、生活情報分析部12、及び出力部13として機能する。
【0023】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0024】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0025】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0026】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報等を記憶することも可能である。
【0027】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、及び表示装置106を含んでもよい。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0028】
つぎに、本実施形態の生活情報記録支援方法の一例を、
図3(A)のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の生活情報記録支援方法は、例えば、
図1の生活情報記録支援装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の生活情報記録支援方法は、
図1の生活情報記録支援装置10の使用には限定されない。
【0029】
まず、生活情報取得部11により、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得する(S11、取得工程)。具体的に、生活情報取得部11は、例えば、前記ユーザの端末である本装置10の入力装置105へのユーザの入力に応じて、前記生活情報を取得することができる。
【0030】
前記生活情報は、前述の通りであり、例えば、連続量でもよいし、二値変数でもよい。前記生活情報は、例えば、収集したデータを、連続量、及び二値データとなるように、適宜変換してもよい。具体的に、例えば、睡眠時間が「6時間40分」である場合、「400(分)」に変換することができる。また、気分が「とてもよい」である場合、「5(1~5の5段階評定)」に変換することができる。また、お通じが「有」である場合、「1」に変換することができる(「無」である場合は「0」)。
【0031】
前記「経時的に」とは、例えば、所定の、日、月、週、及び時間等が経過するごとに、という意味で用いることができる。
【0032】
図4(A)及び(B)に、ユーザによる前記生活情報の入力画面の一例を示す。
図4(A)に示すように、前記入力画面に、9月1日の生活情報として、睡眠時間(22:00-06:00)、寝つくまでの時間(00:00)、元気度(5点中3点)、今日笑ったか否か(Not yet(まだ笑っていない))、運動の種類及び時間(1時間ウォーキング)、カフェイン摂取量(2杯)、たばこの本数が表示されている。また、
図4(B)に示すように、1月20日の生活情報として、睡眠時間(01:00-06:30)、寝付き/寝起きにかかった時間(10分/10分)、睡眠中に目が覚めた時間(0分)、昼寝(10分)、朝食を食べたか否か(Yes(はい))、今日の気分(5点中4点)、今日の体調が表示されている。
【0033】
図5(A)及び(B)に、ユーザの入力内容を確認するためのデータ閲覧画面の一例を示す。
図5(A)に示すように、前記閲覧画面に、生活情報として、日付に紐づけて、「元気度(顔アイコンによる5段階表示)」、「犬と公園へ散歩」、「友達とランチ」、「東京で買い物」、「仕事後ランニング」、「客先へ外出」、「残業した」、「親と電話」、「通勤満員電車」、「だらだらテレビ」が表示されている。また、
図5(B)に示すように、生活情報として、日付に紐づけて、「午後休暇」、「アンケート項目仕上げ」、「荷物受け取りのため早く帰る」、「SNSの情報を整理した」、「契約書が一段落」、「外出で打ち合わせ」、「チーズケーキ美味しい」、「展示会の見学を色々申し込み」、「お買いものの下見」、「お客様打ち合わせ」、「通信機器設定」、「会議が長い」、「契約書が追加で現れた」が表示されている。
【0034】
次に、生活情報分析部12により、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出する(S12、分析工程)。
【0035】
前記関連度の算出は、特に制限されない。生活情報分析部12は、例えば、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せについて、関連度を算出する。
【0036】
前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、例えば、積率相関係数を算出することができる。下記式(1)に、ピアソンの積率相関係数により、連続量である指標x及び指標yの相関係数rを算出する方法を示す。下記式(1)に示すように、指標x及び指標yの共分散をそれぞれの標準偏差で割ることにより、相関係数rを算出することができる。
【数1】
【0037】
前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、二値変数の組合せである場合、例えば、四分位相関係数を算出することができる。下記式(2)に、四分位相関係数により、二値変数である指標x及び指標yの相関係数rを算出する方法を示す。下記式(2)に示すように、指標x及び指標yの各組み合わせの度数(a~d)を用いて、相関係数rを算出することができる。
【数2】
【0038】
前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量及び二値変数の組合せである場合、例えば、相関比を算出することができる。下記式(3)に、相関比により、指標x(連続量)及び指標y(二値データ)の相関係数rを算出する方法を示す。下記式(3)に示すように、級間変動を全変動(級間変動と級内変動の総和)で割ることにより、相関係数rを算出することができる。
【数3】
【0039】
生活情報分析部12は、例えば、前記算出した相関係数rの絶対値×100を、「関連度(%)」とすることができる。
【0040】
前記関連度の算出は、例えば、一定の期間(日、月等)ごと、データが入力されるごとに繰り返し行うことができる。
【0041】
前記関連度の算出において、例えば、前記複数の生活情報についての相関係数行列を作成することができる。
【0042】
生活情報分析部12は、さらに、生活情報取得部11により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出してもよい。前記所定の回数は、特に制限されず、例えば、3、5、7、10回があげられる。前記「回」は、例えば、日、月、週、及び時間等と言い換えることができる。前記所定の回数は、例えば、頻度(直近n日間でm日分以上のデータがある等)に基づくものでもよい。
【0043】
図3(B)に示すように、生活情報分析部12は、例えば、判定部、抽出部、及び算出部を含み、前記判定部により、所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し(S12A、判定工程)、「Yes」である場合に、前記抽出部により、所定の回数以上取得された前記生活情報の組合せを抽出し(S12B、抽出工程)、前記算出部により、前記抽出した前記生活情報の組合せについて、前記関連度を算出してもよい(S12C、算出工程)。
【0044】
この場合について、具体的に、取得された前記生活情報が、
図6に示す表である場合を一例として、説明する。
図6は、ユーザが1月1日(1/1)にアプリの使用を開始した場合の、直近1週間(1/1~1/7)のデータを示す表である。
【0045】
まず、前記判定工程(S12A)は、直近1週間で5日以上データが取得されたか否かを判定する。
図6の例では、「睡眠時間」、「カフェイン摂取量」、「体調」について、5日以上データが取得されたと判定され(Yes)、「お通じ」について、Noと判定される。
【0046】
次に、前記抽出工程(S12B)は、直近1週間で5日以上データが取得された前記生活情報の組合せを抽出する。
図6の場合、「睡眠時間」及び「カフェイン摂取量」、「睡眠時間」及び「体調」、「カフェイン摂取量」及び「体調」、の組合せを抽出することができる。
【0047】
次に、前記算出工程(S12C)は、前記抽出した組合せについて、関連度を算出する。前記抽出した組合せが「睡眠時間」及び「カフェイン摂取量」の組合せである場合について、関連度算出の一例を、下記式(4)に示す。式(4)に示すように、ピアソンの積率相関係数の公式に、「睡眠時間」及び「カフェイン摂取量」のデータが揃った1/1、1/2、1/3、1/6の4つのデータ(n=4)を代入する。ここで、睡眠時間(x)の平均値は350、カフェイン摂取量(y)の平均値は1である。そして、前記算出した相関係数(-0.933)の絶対値×100を関連度(%)とすると、関連度は、93.3%であると算出することができる。
【数4】
【0048】
次に、出力部13により、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する(S13、出力工程)。具体的に、出力部13は、例えば、前記ユーザの端末である本装置10の表示装置106に、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを表示させることができる。
【0049】
前記組合わせは、例えば、2つの前記生活情報の組合せでもよいし、3つ以上の前記生活情報の組合せでもよい。
【0050】
出力する前記生活情報の組合せの数は、特に制限されず、例えば、前記関連度の高い順に、1つ、または複数の前記組合わせを出力することができる。また、例えば、前記関連度が所定の閾値以上であった前記組合せを出力してもよい。
【0051】
図7(A)及び(B)に、ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する表示画面の一例を示す。
図7(A)に示すように、前記表示画面に、1月20日~1月26日の1週間に取得された生活情報のうち、「睡眠時間」の前記生活情報との関連度が高い前記生活情報として、関連度の高い順に、「今日の体調はどうだった?」、「昼寝」、「運動」、「寝付き/寝起きにかかった時間(寝起き)」、「睡眠中に目が覚めた時間」、「前日の歩行時間」が表示されている。また、
図7(B)に示すように、1月20日~1月26日の1週間に取得された生活情報のうち、関連度の高い前記生活情報の組合せとして、関連度の高い順に、「昼寝」及び「今日の体調はどうだった?」の組合せ、「寝付き/寝起きにかかった時間(寝付き)」及び「今日笑った?」の組合せ、「運動」及び「カフェイン」の組合せ、「前日の歩行時間」及び「がんばった度」の組合せ、「寝付き/寝起きにかかった時間(寝付き)」及び「今日の気分はどうだった?」の組合せ、「今日の気分はどうだった?」及び「運動」の組合せが表示されている。
【0052】
出力部13は、例えば、さらに、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せの経時的な変化を示すグラフを出力してもよい。前記グラフは、特に制限されず、例えば、折れ線グラフ、及び棒グラフがあげられる。
【0053】
図8に、前記関連度の高い前記生活情報の組合せの経時的な変化を示すグラフの表示画面の一例を示す。
図8に示すように、前記表示画面に、1月20日~1月26日の1週間に取得された生活情報のうち、関連度の高い前記生活情報の組合せとして、「睡眠時間」及び「今日の体調はどうだった?」の組合せについて、それぞれ、棒グラフ、及び折れ線グラフにより経時的に表示されている。
【0054】
本実施形態によれば、ユーザに、日々の生活記録のデータそのものからは気付きにくい自らの傾向を知らせることで、生活改善のヒントを与えることができる。また、出力される前記生活情報の組合せは、客観的指標によって算出したものであるため、ユーザは、出力結果を新たな気づきとして素直に受け入れやすく、生活情報の記録を継続するためのモチベーションの維持もしやすいという利点がある。さらに、本実施形態によれば、ユーザ個人に特有の新たな気づきや、生活に良い習慣、コンディションのパターン等を出力することが可能である。
【0055】
[実施形態2]
本実施形態のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0056】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0057】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
生活情報取得部、生活情報分析部、及び、出力部を含み、
前記生活情報取得部は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、
前記生活情報分析部は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、
前記出力部は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する、
生活情報記録支援装置。
(付記2)
前記生活記録情報分析部は、さらに、前記生活情報取得部により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出する、付記1記載の生活情報記録支援装置。
(付記3)
前記生活情報分析部は、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、積率相関係数を算出し、二値変数の組合せである場合、四分位相関係数を算出し、連続量及び二値変数の組合せである場合、相関比を算出する、付記1または2記載の生活情報記録支援装置。
(付記4)
前記出力部は、さらに、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せの経時的な変化を示すグラフを出力する、付記1から3のいずれかに記載の生活情報記録支援装置。
(付記5)
生活情報取得工程、生活情報分析工程、及び、出力工程を含み、
前記生活情報取得工程は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、
前記生活情報分析工程は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、
前記出力工程は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する、
生活情報記録支援方法。
(付記6)
前記生活記録情報分析工程は、さらに、前記生活情報取得工程により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出する、付記5記載の生活情報記録支援方法。
(付記7)
前記生活情報分析工程は、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、積率相関係数を算出し、二値変数の組合せである場合、四分位相関係数を算出し、連続量及び二値変数の組合せである場合、相関比を算出する、付記5または6記載の生活情報記録支援方法。
(付記8)
前記出力工程は、さらに、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せの経時的な変化を示すグラフを出力する、付記5から7のいずれかに記載の生活情報記録支援方法。
(付記9)
コンピュータに、生活情報取得手順、生活情報分析手順、及び、出力手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記生活情報取得手順は、ユーザの入力に応じて、複数の生活情報を経時的に取得し、
前記生活情報分析手順は、経時的な前記複数の生活情報を分析することにより、前記複数の生活情報間の関連度を算出し、
前記出力手順は、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せを出力する。
(付記10)
前記生活記録情報分析手順は、さらに、前記生活情報取得手順により所定の回数以上の前記生活情報が取得されたか否かを判定し、所定の回数以上取得された複数の前記生活情報について、前記関連度を算出する、付記9記載のプログラム。
(付記11)
前記生活情報分析手順は、前記複数の生活情報を2つずつ抽出し、前記抽出した2つの前記生活情報の組合せが、連続量の組合せである場合、積率相関係数を算出し、二値変数の組合せである場合、四分位相関係数を算出し、連続量及び二値変数の組合せである場合、相関比を算出する、付記9または10記載のプログラム。
(付記12)
前記出力手順は、さらに、前記ユーザに、前記関連度の高い前記生活情報の組合せの経時的な変化を示すグラフを出力する、付記9から11のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記13)
付記9から12のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、関連度が高いことが既知ではない生活情報の組合せを、関連度が高いとしてユーザに通知可能であり、これにより、ユーザによる生活情報の記録を支援することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 生活情報記録支援装置
11 生活情報取得部
12 生活情報分析部
13 出力部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 表示装置
107 通信デバイス