(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143512
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】音出力制御装置、データ構造、音出力制御方法および音出力制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20220926BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20220926BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20220926BHJP
G10L 13/10 20130101ALI20220926BHJP
G10L 13/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G06F13/00 550A
G06F3/16 690
G06F3/16 650
G06F3/0484
G10L13/10 112B
G10L13/10 114
G10L13/00 100M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044052
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】中川 壮志
【テーマコード(参考)】
5B084
5E555
【Fターム(参考)】
5B084AA03
5B084AA12
5B084AB01
5B084AB31
5B084BA09
5B084BB01
5B084BB19
5B084CB20
5B084CB24
5B084CE20
5B084CF13
5B084DB01
5B084DC02
5E555AA46
5E555AA71
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA23
5E555BA25
5E555BB02
5E555BB04
5E555BB23
5E555BB25
5E555BC01
5E555CA41
5E555CB64
5E555DA23
5E555DD08
5E555EA03
5E555EA05
5E555EA20
5E555EA23
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】エージェント装置との対話の中で応答を求められているのか否かを適切に把握できるようサポートすること。
【解決手段】音出力制御装置100は、ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から、ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含むエージェント情報を取得する情報取得部131と、情報取得部131が取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる報知制御部132とを備える。また、報知制御部132は、非質問情報に対応する音声メッセージの出力態様とは異なる出力態様で質問情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から、前記ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、前記質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含むエージェント情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる報知制御部と、
を備え、
前記報知制御部は、前記非質問情報に対応する音声メッセージの出力態様とは異なる出力態様で前記質問情報に対応する音声メッセージを前記報知部より出力させる
ことを特徴とする音出力制御装置。
【請求項2】
前記報知制御部は、前記質問情報に対応する音声メッセージを出力させる場合には、前記非質問情報に対応する音声メッセージには付与されない所定の音効果が付加された状態で出力されるよう制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の音出力制御装置。
【請求項3】
前記報知制御部は、前記質問情報に対応する音声メッセージを出力させる場合には、前記非質問情報に対応する音声メッセージの音色とは異なる音色で出力されるよう制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の音出力制御装置。
【請求項4】
前記エージェント装置から取得されるエージェント情報には、当該エージェント情報に対応する音声メッセージが質問形式であるのか否かを識別するための識別情報が付与され、
前記報知制御部は、前記エージェント情報に付与された前記識別情報に応じて、当該エージェント情報に対応する音声メッセージの態様を変化させる
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の音出力制御装置。
【請求項5】
ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から出力され、且つ音出力制御装置が前記ユーザへの報知処理を行う際に用いられるエージェント情報のデータ構造であって、
前記ユーザに報知すべき内容を示すメッセージ情報と、
前記メッセージ情報が示す内容が、前記ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または前記質問を含まない非質問情報のいずれであるかを識別するための識別情報と、
を有し、
前記識別情報は、前記音出力制御装置が前記メッセージ情報に対応する報知音声を出力させる際の、当該報知音声の出力態様を設定する処理に使用可能である
ことを特徴とするデータ構造。
【請求項6】
音出力制御装置が実行する音出力制御方法であって、
ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から、前記ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、前記質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含むエージェント情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップが取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる報知制御ステップと、
を含み、
前記報知制御ステップは、前記非質問情報に対応する音声メッセージの出力態様とは異なる出力態様で前記質問情報に対応する音声メッセージを前記報知部より出力させる
ことを特徴とする音出力制御方法。
【請求項7】
コンピュータを備える音出力制御装置によって実行される音出力制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から、前記ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、前記質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含むエージェント情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる報知制御手段、
として機能させ、
前記報知制御手段は、前記非質問情報に対応する音声メッセージの出力態様とは異なる出力態様で前記質問情報に対応する音声メッセージを前記報知部より出力させる
ことを特徴とする音出力制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音出力制御装置、データ構造、音出力制御方法および音出力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タスクの種別ごとに音色や口調が異なるエージェントが応答する技術が知られている。また、複数の要求処理装置ごとにエージェントの声色を変える技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-339288号公報
【特許文献2】特開2020-67785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記に従来技術では、ユーザは、エージェント装置との対話の中で応答を求められているのか否かを適切に認識することが困難な場合がある、という問題が一例として挙げられる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、例えばエージェント装置との対話の中で応答を求められているのか否かを適切に把握できるようサポートすることができる音出力制御装置、データ構造、音出力制御方法および音出力制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の音出力制御装置は、ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から、前記ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、前記質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含むエージェント情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる報知制御部と、を備え、前記報知制御部は、前記非質問情報に対応する音声メッセージの出力態様とは異なる出力態様で前記質問情報に対応する音声メッセージを前記報知部より出力させることを特徴とする。
【0007】
また、請求項5に記載のデータ構造は、ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から出力され、且つ音出力制御装置が前記ユーザへの報知処理を行う際に用いられるエージェント情報のデータ構造であって、前記ユーザに報知すべき内容を示すメッセージ情報と、前記メッセージ情報が示す内容が、前記ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または前記質問を含まない非質問情報のいずれであるかを識別するための識別情報と、を有し、前記識別情報は、前記音出力制御装置が前記メッセージ情報に対応する報知音声を出力させる際の、当該報知音声の出力態様を設定する処理に使用可能であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項6に記載の音出力制御方法は、音出力制御装置が実行する音出力制御方法であって、ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から、前記ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、前記質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含むエージェント情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップが取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる報知制御ステップと、を含み、前記報知制御ステップは、前記非質問情報に対応する音声メッセージの出力態様とは異なる出力態様で前記質問情報に対応する音声メッセージを前記報知部より出力させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項7に記載の音出力制御プログラムは、コンピュータを備える音出力制御装置によって実行される音出力制御プログラムであって、前記コンピュータを、ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置から、前記ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、前記質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含むエージェント情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる報知制御手段、として機能させ、前記報知制御手段は、前記非質問情報に対応する音声メッセージの出力態様とは異なる出力態様で前記質問情報に対応する音声メッセージを前記報知部より出力させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る音出力制御装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る音効果データベースの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るコンテンツバッファの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理の一例(1)を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理の一例(2)を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、音出力制御装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0012】
[実施形態]
〔1.はじめに〕
車両に設置される端末装置(ナビゲーション端末)や、ユーザ(例えば、車両の搭乗者)が所有するスマートフォン等の端末装置を介して、各種のコンテンツを提供するアプリケーション(以下、「アプリ」と略す)が知られている。例えば、ユーザをアシストするエージェント機能を有することで、車両の走行状態や車両を運転しているユーザの状況に応じて運転をアシストしたり、各種入力(例えば、文字入力や音声入力)に従って道案内をアシストしたりするアプリが存在する。また、車両の走行に合わせて観光案内や店舗案内あるいはその他のお役立ち情報等といった各種コンテンツを提供することでより快適な運転をアシストするアプリも存在する。
【0013】
また、係るアプリの多くは、出力先のユーザが車両の搭乗者であることを考慮して、安全面から音声エージェント機能による音声コンテンツを用いてユーザをアシストしようとする。このように音声エージェント機能を有することで、アプリは、音声により一方的にアシストするだけでなく、ユーザとの間で対話を実現することができるようになる。
【0014】
しかしながら、ユーザとアプリとの間で、必ずしもうまく対話が成立するとはいえない場合がある。例えば、アプリは、ユーザの状況に適した情報を提示するために、ユーザに対して回答を求める質問形式のガイダンスを出力する場合があるが、ユーザは運転への集中や騒音の影響等により、出力されたガイダンスが自身に回答を求めるものであるのか、回答を求めない通常のメッセージであるのかを把握できない場合がある。
【0015】
そこで、本発明は、上記の課題を解決することができる音出力制御装置、データ構造、音出力制御方法および音出力制御プログラムを提供することを目的とする。以下では、本発明に相当する音出力制御装置、データ構造、音出力制御方法および音出力制御プログラムによって実現される情報処理について詳細に説明する。
【0016】
〔2.実施形態に係る情報処理の全体像〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の全体像について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の全体像を示す図である。
【0017】
図1の例によれば、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と、状況把握装置30と、エージェント装置60-xと、音出力制御装置100とを含む。また、情報処理システム1に含まれるこれら各装置は、ネットワークを介して有線または無線により通信可能に接続される。
【0018】
(端末装置について)
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理端末である。端末装置10は、例えば、車両に設置される据え置き型のナビゲーション装置であってもよいし、ユーザが所有する携帯型端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、PDA等)であってよい。本実施形態では、端末装置10は、車両に設置されるナビゲーション装置であるものとする。
【0019】
また、
図1に示すように、端末装置10には、1または複数のアプリが紐づいていてよい。例えば、端末装置10には、アプリがユーザによってインストールされていることにより紐付けられていてもよいし、インストールの有無に拘わらず各種コンテンツをプッシュ通知可能なアプリが情報処理システム1に含まれることにより紐付けが行われていてもよい。
【0020】
また、端末装置10は、報知部(出力部)を有しており、この報知部からアプリによって提供される音声コンテンツが出力される。このようなことから、報知部とは、例えば、スピーカーであってよい。また、ここでいうユーザとは、端末装置10が設置される車両の搭乗者(例えば、運転手)であってよい。すなわち、
図1の例では、端末装置10は、車両VE1に設置されるとともに、当該端末装置10のユーザが車両VE1を運転中のユーザU1である例が示される。
【0021】
(エージェント装置について)
エージェント装置60-xは、端末装置10に紐づくアプリごとに存在し、当該アプリの機能や役割を実現する情報処理装置であってよい。
図1では、エージェント装置60-xがサーバ装置である例が示されるが例えばクラウドシステムによって実現されてもよい。
【0022】
また、端末装置10に紐づくアプリは、音声コンテンツを用いてユーザをアシストするアプリケーションであってよく、エージェント装置60-xは、このアシスト機能に対応する音声エージェント機能を有する。このようなことから端末装置10に紐づくアプリは、所謂、音声エージェントアプリといえる。
【0023】
また、エージェント装置60-xは、音声エージェント機能によりユーザとの間で対話を実現することができる。例えば、エージェント装置60-xは、ユーザが発話したことにより音声入力を受け付けると、発話の内容に対する意味理解を行うことで、発話に対する適切な回答を生成する。そして、エージェント装置60-xは、生成した回答をユーザに出力する。一方で、エージェント装置60-xは、ユーザに対して回答を求める質問形式の音声メッセージを出力する場合がある。
【0024】
ここで、以下の実施形態において、アプリAPxに対応するエージェント装置60-x、エージェント装置60-xが有する処理部(例えば、アプリ制御部631-x、生成部632-x等)を区別して表記する場合には、「x」に対して任意の値を用いることにする。
【0025】
例えば、
図1では不図示であるが、エージェント装置60-xの具体例であるエージェント装置60-1は、アプリAP1(危険察知アプリ)に対応するエージェント装置であり、運転における危険を察知し注意や警告を示す音声コンテンツをユーザに提供する。また、エージェント装置60-1は、アプリ制御部631-1と、生成部632-1とを有してよい。また、エージェント装置60-xの他の具体例であるエージェント装置60-2は、アプリAP2(ナビアプリ)に対応するエージェント装置であり、経路案内に関する音声コンテンツをユーザに提供する。また、エージェント装置60-2は、アプリ制御機能631-2と、生成部632-2とを有してよい。
【0026】
なお、端末装置10に紐づくアプリは、上記例に限定されず、例えば、観光案内に関する音声コンテンツ、店舗案内に関する音声コンテンツ、あるいは、各種のお役立ち情報を提供するものが他にも挙げられる。
【0027】
ここで、以下の実施形態において、「アプリが提供する」との表現は、このアプリに対応する「エージェント装置60-xが提供する」との概念を含むものとする。また、「音声コンテンツ」とは、音声ガイダンスや音声メッセージ等の概念を含むものとする。
【0028】
続いて、エージェント装置60-xの機能について説明する。
図1の例によれば、エージェント装置60-xは、アプリ制御部631-xおよび生成部632-xを有する。
【0029】
アプリ制御部631-xは、アプリAPxに関する各種制御を実行する。例えば、アプリ制御部631-xは、ユーザによる利用履歴に基づいて、ユーザごとに提供するコンテンツのパーソナライズ化を行う。また、アプリ制御部631-xは、ユーザとの対話を実現できるよう、ユーザに入力された音声が示す発話内容に対する意味理解に基づき、どのような内容の音声メッセージで応答すべきか音声出力判定を行う。
【0030】
また、アプリ制御部631-xは、車両やユーザの状況に基づき、ユーザに応答する音声メッセージの内容を決定することもできる。例えば、アプリ制御部631-xは、後述する状況把握装置30から受け付けたデータに基づいて、ユーザに提供する音声メッセージの内容を決定する。このような音声メッセージの中には、ユーザに返答を求める質問形式の質問情報を含むものがある。
【0031】
生成部632-xは、音声コンテンツ(エージェント情報の一例)を生成する生成処理を行う。例えば、生成部632-xは、アプリ制御部631-xにより決定された内容を示すメッセージ情報を生成する。なお、メッセージ情報は、最終的にユーザU1に報知される音声コンテンツの基となる例えばテキストデータであって、後に音声データに変換されて得られる音声の内容を定義するものである。すなわち、生成部632-xは、音声コンテンツとして音声データを生成することに限定されず、音声コンテンツとして、音声メッセージの基となる他の形式のデータを生成してもよい。
【0032】
生成部632-xは、生成したメッセージ情報を含む音声コンテンツ(エージェント情報)を音出力制御装置100に送信する。
【0033】
(状況把握装置について)
状況把握装置30は、車両の走行状態や車両を運転しているユーザの状況を把握するための分析処理を行う。
図1では、状況把握装置30がサーバ装置である例が示されるが例えばクラウドシステムによって実現されてもよい。また、
図1の例によれば、係る分析処理は、状況把握装置30に搭載される状況把握エンジンE30によって行われる。例えば、状況把握エンジンE30は、各種センサから得られたセンサ情報に基づき、走行状態やユーザ状況のセンシングを行う。なお、ここでいうセンサは、例えば、車両に備えられたセンサや端末装置10が有するセンサであってよく、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、GPS、カメラ、マイク等が一例として挙げられる。
【0034】
例えば、状況把握エンジンE30は、次のような一連の分析処理を行うことができる。例えば、状況把握エンジンE30は、上記のセンサから取得したセンサ情報に基づき、センシングを行うとともに、センシング結果をコア要素として用いることで、ベース分析を行う。ベース分析では、状況把握エンジンE30は、コア要素を情報源として必要なデータを抽出し、抽出したデータの変換および加工を行う。続いて、状況把握エンジンE30は、変換および加工後のデータを用いて高次分析を行う。高次分析では、状況把握エンジンE30は、変換および加工後のデータに基づいて、具体的な状況の分析を行う。例えば、状況把握エンジンE30は、変換および加工後のデータから、車両にかかる衝撃の状況、車両照明の状況、走行状態の変化、ユーザ自身の状況等といった各種の状況把握を行う。また、状況把握エンジンE30は、状況把握として、ユーザの行動予測(例えば、立ち寄り地の予測)を行うこともできる。
【0035】
(音出力制御装置について)
音出力制御装置100は、実施形態に係る情報処理の中心的な処理である報知制御処理を行う。具体的には、音出力制御装置100は、ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置60-xから、ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含む音声コンテンツ(エージェント情報)を取得する。そして、音出力制御装置100は、取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる。例えば、音出力制御装置100は、非質問情報に対応する音声メッセージの出力態様とは異なる出力態様で質問情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる。
【0036】
〔3.実施形態に係る情報処理の流れ〕
ここまで、情報処理システム1に含まれる各装置にフォーカスして説明してきた。続いて、情報処理システム1内で行われる実施形態に係る情報処理の全体的な流れについて説明する。ここでは、車両VE1を運転中のユーザU1に対して、車両VE1に設置される端末装置10を介して音声コンテンツが出力される場面を想定する。
【0037】
係る場面では、端末装置10は、自装置が有するセンサにより検出されたセンサ情報を随時、状況把握装置30に送信している(ステップS11)。
【0038】
状況把握装置30の状況把握エンジンE30は、端末装置10から送信されたセンサ情報が取得されると、車両VE1の走行状態や車両VE1を運転しているユーザU1の状態をはじめとする各種状況を把握するための分析処理を行う(ステップS12)。例えば、状況把握エンジンE30は、センサ情報を用いたセンシング、センシング結果をコア要素として用いたベース分析、ベース分析の結果得られたデータを用いた高次分析、といった一連の分析処理を行うことで詳細な状況把握を行う。
【0039】
また、状況把握装置30は、分析処理が終了すると、状況把握エンジンE30によって把握された状況に関するデータ(例えば、分析処理の結果を示すデータ)をエージェント装置60-xに送信する(ステップS13)。
【0040】
エージェント装置60-xは、状況把握装置30から状況に関するデータが取得されると、音声コンテンツ(エージェント情報の一例)を生成する生成処理を行う(ステップS14)。ここでは、まず、エージェント装置60-xのアプリ制御部631-xが、状況把握装置30から取得された状況に関するデータに基づいて、ユーザU1に出力する音声メッセージの内容を決定し、決定した内容を示すメッセージ情報を生成する。
【0041】
次に、生成部632-xは、アプリ制御部631-xにより生成されたメッセージ情報の内容に基づいて、当該メッセージ情報がユーザU1に返答を求める質問を含む質問情報であるのか、あるいは、ユーザU1に返答を求めない非質問情報であるのかを判定する。
【0042】
そして、生成部632-xは、メッセージ情報が質問形式であるのか否かが音出力制御装置100により識別可能となるように制御する。例えば、生成部632-xは、メッセージ情報がユーザに返答を求める質問を含む質問情報であると判定した場合には、質問形式であることを示す識別情報(質問フラグ)をメッセージ情報に付与する。一方、生成部632-xは、メッセージ情報がユーザに返答を求めない非質問情報であると判定した場合には、質問形式でないことを示す識別情報(非質問フラグ)をメッセージ情報に付与する。
【0043】
最後に、エージェント装置60-xは、生成部632-xにより生成された音声コンテンツ(すなわち、識別情報が付与された音声コンテンツ)を音出力制御装置100に送信する(ステップS15)。このときエージェント装置60-xから音出力制御装置100に送信されるエージェント情報は、メッセージ情報と、当該メッセージ情報が示す内容がユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または質問を含まない非質問情報のいずれであるかを識別するための識別情報を含む。このエージェント情報の構造はデータ構造の一例に対応する。
【0044】
音出力制御装置100は、音声コンテンツが取得されると、Text to Speech(TTS)の技術を用いて、メッセージ情報であるテキストデータを基に音声合成することで、メッセージ情報を音声データへ変換する処理を含む報知制御処理を行う(ステップS16)。
【0045】
ここで、音出力制御装置100は、取得された音声コンテンツに付与される識別情報に基づいて、音声コンテンツを構成する音声データがユーザU1に返答を求める質問形式の音声メッセージであるのか、あるいは、当該音声データがユーザU1に返答を求めない通常形式の音声メッセージであるのかを判定する。
【0046】
そして、音出力制御装置100は、判定結果に応じて、音声コンテンツに含まれるメッセージ情報を音声データ(音声メッセージ)に変換する際に、当該音声コンテンツに含まれるメッセージ情報がユーザU1に返答を求める質問形式のメッセージ情報であるときと、当該音声データがユーザU1に返答を求めない通常形式のメッセージ情報であるときとで、両者の間で音声データの出力態様が異なるように制御する。例えば、音出力制御装置100は、音声データがユーザU1に返答を求める質問形式のメッセージ情報であると判定した場合には、通常形式のメッセージ情報である際には付加することのない所定の効果音が変換後の音声データに対して付加されるようにすることで通常形式の際とは異なる態様とすることができる。また、他の一例として、音出力制御装置100は、メッセージ情報がユーザU1に返答を求める質問形式のメッセージ情報であると判定した場合には、このメッセージ情報を読み上げる音声の音色を通常形式のメッセージ情報である際には用いることのない音色へと変化させることで通常形式の際とは異なる態様とすることができる。
【0047】
続いて、音出力制御装置100は、ステップS16での報知制御処理により出力態様を制御した後の音声データが、音声コンテンツとして端末装置10の報知部により出力されるよう音声出力制御する(ステップS17)。
【0048】
〔4.音出力制御装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る音出力制御装置100について説明する。
図2は、実施形態に係る音出力制御装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、音出力制御装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0049】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10、状況把握装置30、エージェント装置60-xとの間で情報の送受信を行う。
【0050】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、音効果データベース121と、コンテンツバッファ122とを有する。
【0051】
(音効果データベース121について)
音効果データベース121は、メッセージ情報の内容がユーザに返答を求める質問を含む質問情報であるのか否かに応じた各種情報を記憶する。ここで、
図3に実施形態に係る音効果データベース121の一例を示す。
図3の例によれば、音効果データベース121は、音効果データベース121-1、および、音効果データベース121-2といった2つの領域を有する。
【0052】
そして、音効果データベース121-1、および、音効果データベース121-2ともに「質問フラグ」と、「フラグ内容」といった項目を有する。
【0053】
「質問フラグ」は、出力対象の音声コンテンツに対応する音声メッセージが質問形式であるのか否かを識別できるように付与される識別情報である。「フラグ内容」は、対応する「質問フラグ」が質問形式であることを識別するための識別情報であるのか、あるいは、非質問形式であることを識別するための識別情報であるのか、その内容を示す情報である。
【0054】
図3の例によれば、質問フラグ「F1」とフラグ内容「質問形式」とが対応付けられている。係る例は、質問フラグF1が、出力対象の音声コンテンツに対応するメッセージ情報が質問形式であると認識させたい場合に用いられる識別情報であることを示す。また、
図3の例によれば、質問フラグ「F2」とフラグ内容「非質問形式」とが対応付けられている。係る例は、質問フラグF2が、出力対象の音声コンテンツに対応するメッセージ情報が非質問形式であると認識させたい場合に用いられる識別情報であることを示す。
【0055】
ここで、音効果データベース121-1は、出力対象の音声コンテンツに対応するメッセージ情報が質問形式である場合において、当該メッセージ情報を変換した音声データに付加される候補の音効果(背景音や効果音)を記憶する。また、音効果データベース121-1は、出力対象の音声コンテンツに対応するメッセージ情報が非質問形式である場合において当該メッセージ情報を変換した音声データに付加される候補の音効果(背景音や効果音)も記憶してよい。このように、質問形式、非質問形式それぞれに合わせて音効果が記憶される場合、双方で異なる音効果が記憶され互いに重複しない。また、音効果データベース121-1は、非質問形式に対応する音効果については記憶しなくてもよい。
【0056】
図3の例によれば、質問フラグ「F1」および質問内容「質問形式」に対して、音効果「効果音♯1」、「効果音♯2」、「効果音♯3」、「BGM♯4」、「BGM♯5」が対応付けられている。係る例は、出力対象の音声コンテンツに対応する音声メッセージが質問形式である場合には、当該メッセージ情報を変換した音声データに対して、効果音♯1、効果音♯2、効果音♯3、BGM♯4、BGM♯5のうち少なくともいずれか1つを付加するよう規定されている例を示す。なお、このように複数の音効果の候補が準備されている場合、ユーザは端末装置10を操作することにより、好みの音効果を選択してプリセットできるものとする。
【0057】
音効果データベース121-2は、出力対象の音声コンテンツに対応するメッセージ情報が質問形式である場合において当該メッセージ情報が読み上げられる際の音声の音色をどのような特徴の音色に変化させるか、候補の音色特徴を記憶する。また、音効果データベース121-2は、出力対象の音声コンテンツに対応するメッセージ情報が非質問形式である場合において当該メッセージ情報が読み上げられる際の音の音色をどのような特徴の音色に変化させるか、候補の音色特徴も記憶してよい。このように、質問形式、非質問形式それぞれに合わせて音色特徴が記憶される場合、双方で異なる音色特徴が記憶され互いに重複しない。また、音効果データベース121-2は、非質問形式に対応する音色特徴については記憶しなくてもよい。
【0058】
なお、ここでいう音色特徴とは、例えば、男声、女声、大人の声、子供の声、声の高低、声のスピード、標準語、方言等を示すパラメータに相当する。また、音色特徴は、組み合わせて用いられてもよい。例えば、「男声」のパラメータと、「声のスピード」のパラメータとを組み合わせて、「男声+ゆっくり」といった音色特徴が用いられてもよい。
【0059】
図3の例によれば、質問フラグ「F1」および質問内容「質問形式」に対して、音色特徴「音色特徴♯1」、「音色特徴♯2」、「音色特徴♯3」、「音色特徴♯4」、「音色特徴♯5」が対応付けられている。係る例は、出力対象の音声コンテンツに対応するメッセージ情報が質問形式である場合には、当該音声メッセージが読み上げられる際音声の音色を、音色特徴♯1、音色特徴♯2、音色特徴♯3、音色特徴♯4、音色特徴♯5のうち少なくともいずれか1つが示すパラメータの音色に変化させるよう規定されている例を示す。なお、このように複数の音色特徴の候補が準備されている場合、ユーザは端末装置10を操作することにより、好みの音色特徴を選択してプリセットできるものとする。
【0060】
(コンテンツバッファ122について)
コンテンツバッファ122は、エージェント装置60-xから送信された音声コンテンツに関する情報を一時的に記憶する。ここで、
図4に実施形態に係るコンテンツバッファ122に記憶されるデータの一例を示す。
図4の例では、コンテンツバッファ122は、「提供先ユーザID」、「アプリID」、「カテゴリID」、「音声コンテンツ」といった項目を有する。
【0061】
「提供先ユーザID」は、「音声コンテンツ」が出力(報知)される出力先のユーザ(または当該ユーザの端末装置10)を識別する識別情報を示す。「アプリID」は、出力対象の「音声コンテンツ」を提供した提供元のアプリケーション(または、当該アプリケーションに対応するエージェント装置60-x)を識別する識別情報を示す。
【0062】
「質問フラグ」は、対応する「音声コンテンツ」(出力対象の音声コンテンツ)が、質問形式であるのか否かを識別できるように付与される識別情報を示す。
【0063】
「音声コンテンツ」は、「アプリID」で識別されるアプリケーションにより提供された出力対象の「音声コンテンツ」に関する情報である。「音声コンテンツ」は、例えば、エージェント装置60-xから提供されるエージェント情報に含まれるメッセージ情報である。
【0064】
すなわち、
図4の例では、アプリID「AP1」で識別されるアプリケーション(アプリAP1)により提供された音声コンテンツ♯11には、音声コンテンツ♯11に対応する音声メッセージが質問形式であることを認識できるよう質問フラグF1が付与されている例を示す。
【0065】
コンテンツバッファ122に記憶された音声コンテンツに関する情報は、所定のタイミングで報知制御部132により読み出されて、報知制御部132による報知制御処理により音声データに変換され、「提供先ユーザID」が示すユーザの端末装置10に対して送信される。
【0066】
(制御部130について)
図2に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、音出力制御装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、音出力制御プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0067】
図2に示すように、制御部130は、情報取得部131と、報知制御部132とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0068】
(情報取得部131について)
情報取得部131は、ユーザに提供する情報を出力するエージェント装置60-xから、ユーザに返答を求める質問を含む質問情報、または、質問を含まない非質問情報の少なくともいずれかを含むエージェント情報を取得する。
【0069】
(報知制御部132について)
報知制御部132は、情報取得部131が取得したエージェント情報に対応する音声メッセージを報知部より出力させる。具体的には、報知制御部132は、情報取得部131が取得したエージェント情報に対応するメッセージ情報が、質問情報に対応するメッセージ情報である場合と、非質問情報に対応するメッセージ情報である場合とで、両者の間でメッセージ情報の音声変換後の音声メッセージの出力態様が異なるように制御し、制御後の態様の音声メッセージを報知部より報知させる。
【0070】
例えば、報知制御部132は、質問情報に対応する音声メッセージを出力させる場合には、非質問情報に対応する音声メッセージには付与されない所定の効果音が付加された状態で出力されるよう報知部を制御する。また、例えば、報知制御部132は、質問情報に対応する音声メッセージを出力させる場合には、非質問情報に対応する音声メッセージの音色とは異なる音色で出力されるよう制御する。また、このような報知制御処理が可能なように、エージェント装置60-xから取得されるエージェント情報は、当該エージェント情報に対応するメッセージ情報が質問形式であるのか否かを識別可能に制御される。例えば、エージェント装置60-xから取得されるエージェント情報には、当該エージェント情報に対応するメッセージ情報が質問形式であるのか否かを識別可能な識別情報(質問フラグ)が付与される。したがって、報知制御部132は、情報取得部131が取得したエージェント情報に対する制御状態(付与される質問フラグが、質問形式を示すものであるのか、あるいは、非質問形式を示すものであるのか)に応じて、エージェント情報に対応する音声メッセージの態様を変化させる。
【0071】
〔5.音出力制御方法の具体例〕
続いて、
図5および
図6を用いて、実施形態に係る情報処理システム1で行われる情報処理の具体的な一例について説明する。
図5では、実施形態に係る情報処理システム1に含まれる音出力制御装置100が、メッセージ情報が質問形式であるのか否かに応じて音効果を用いて出力態様を制御する報知制御処理を行う場合での情報処理の具体的な一例について説明する。一方、
図6では、実施形態に係る情報処理システム1に含まれる音出力制御装置100が、メッセージ情報が質問形式であるのか否かに応じて音色特徴(音色パラメータ)を用いて出力態様を制御する報知制御処理を行う場合での情報処理の具体的な一例について説明する。
【0072】
〔5-1.音出力制御方法の具体例(1)〕
まず、
図5を用いて、実施形態に係る情報処理システム1で行われる情報処理の具体的な一例について説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理の一例(1)を示すシーケンス図である。
図5の例では、実施形態に係る情報処理システム1には、エージェント装置60-1と、音出力制御装置100と、ユーザU1の端末装置10が含まれているものとして説明する。もちろん、情報処理システム1に含まれるエージェント装置はエージェント装置60-1だけに限らず、また、情報処理システム1に含まれる端末装置10もユーザU1の端末装置だけに限らない。
【0073】
まず、エージェント装置60-1のアプリ制御部631-1は、メッセージ情報を生成する(ステップS501)。例えば、アプリ制御部631-1は、状況把握装置30から状況に関するデータが取得されると、取得された状況に関するデータに基づいて、ユーザU1に出力する音声メッセージの内容を決定し、決定した内容を示すメッセージ情報を生成する。
【0074】
次に、エージェント装置60-1の生成部632-1は、アプリ制御部631-1により生成されたメッセージ情報の内容に基づいて、メッセージ情報の内容が質問形式であるのか否かを、音出力制御装置100が識別可能なように質問フラグを付与する(ステップS502)。例えば、生成部632-1は、生成されたメッセージ情報がユーザU1に返答を求める質問を含む質問情報であるのか、あるいは、ユーザU1に返答を求めない非質問情報であるのかを判定する。そして、生成部632-1は、メッセージ情報がユーザに返答を求める質問を含む質問情報であると判定した場合には、メッセージ情報が質問形式であることを示す質問フラグをメッセージ情報に付与する。一方、生成部632-1は、メッセージ情報がユーザに返答を求めない非質問情報であると判定した場合には、メッセージ情報が非質問形式であることを示す質問フラグをメッセージ情報に付与する。なお、ステップS502は、アプリ制御部631-1によって行われてもよい。
【0075】
次に、生成部632-1は、メッセージ情報とメッセージ情報に付与された質問フラグを含んで生成された音声コンテンツ(エージェント情報)を音出力制御装置100に送信する(ステップS503)。
【0076】
そうすると、音出力制御装置100の情報取得部131は、エージェント装置60-1から音声コンテンツを取得する(ステップS504)。
【0077】
音出力制御装置100の報知制御部132は、情報取得部131により取得された音声コンテンツに付与される質問フラグに基づいて、音声コンテンツを構成するメッセージ情報がユーザU1に返答を求める質問形式のメッセージ情報であるのか、あるいは、当該音声データがユーザU1に返答を求めない非質問形式のメッセージ情報であるのかを判定する(ステップS505)。
【0078】
ここで、報知制御部132は、メッセージ情報がユーザU1に返答を求める質問形式のメッセージ情報であると判定したとする(ステップS505;Yes)。係る場合、報知制御部132は、メッセージ情報が質問形式であることに応じた音効果を、音効果データベース121-1に記憶される音効果の中から選択する(ステップS506)。具体的には、報知制御部132は、音声コンテンツに付与される質問フラグが質問フラグF1であることに応じて、質問フラグF1に対応付けられる候補の音効果(効果音やBGM)の中から例えば1つの音効果を選択する。ここでは、報知制御部132は、効果音♯1を選択したとする。
【0079】
そうすると、報知制御部132は、音声コンテンツに対応するメッセージ情報を音声データ(音声メッセージ)に変換し、当該音声データ(音声メッセージ)と効果音♯1とを結合させる(ステップS508)。例えば、報知制御部132は、音声コンテンツに対応する音声データに対して効果音♯1を付加する。
【0080】
また、このような状態において、報知制御部132は、効果音♯1が結合させた音声メッセージがユーザU1の端末装置10の報知部より報知されるよう音出力制御を行う(ステップS509)。例えば、報知制御部132は、ユーザU1の端末装置10に対して、効果音♯1を付加した音声データを送信することで、ユーザU1に返答を求める質問形式の音声メッセージを出力するよう制御する。
【0081】
端末装置10は、報知制御部132からの音声出力制御に応じて、音声データを報知部より報知する(ステップS510)。これにより、ユーザU1には、例えば、「ピッ!」といった効果音(効果音♯1の一例)に続けて、メッセージ情報を読み上げる音声データが出力される。効果音♯1は、音声データが質問形式の音声メッセージの場合にのみ用いられる音効果であるため、ユーザU1は、出力された音声メッセージが自身に返答を求める音声ガイダンスであることを適切に認識できるようになる。
【0082】
次に、報知制御部132が、音声データがユーザU1に返答を求めない非質問形式の音声メッセージであると判定した場合(ステップS505;No)について説明する。係る場合、報知制御部132は、メッセージ情報が非質問形式であることに応じた音効果を、音効果データベース121-1に記憶される音効果の中から選択する(ステップS507)。具体的には、報知制御部132は、音声コンテンツに付与される質問フラグが質問フラグF2であることに応じて、質問フラグF2に対応付けられる候補の音効果(効果音やBGM)の中から例えば1つの音効果を選択する。ここでは、報知制御部132は、効果音♯X1(
図3では不図示)を選択したとする。
【0083】
そうすると、報知制御部132は、音声コンテンツに対応するメッセージ情報を音声データ(音声メッセージ)に変換し、当該音声データ(音声メッセージ)と効果音♯1とを結合させる(ステップS508)。例えば、報知制御部132は、音声コンテンツに対応する音声データに対して効果音♯X1を付加する。
【0084】
また、このような状態において、報知制御部132は、効果音♯X1が結合させた音声メッセージがユーザU1の端末装置10の報知部より報知されるよう音出力制御を行う(ステップS509)。例えば、報知制御部132は、ユーザU1の端末装置10に対して、効果音♯X1を付加した音声データを送信することで、ユーザU1に返答を求めない非質問形式の音声メッセージを出力するよう制御する。
【0085】
端末装置10は、報知制御部132からの音声出力制御に応じて、音声データを報知部より報知する(ステップS510)。これにより、ユーザU1には、例えば、「ブーッ!」といった効果音(効果音♯X1の一例)に続けて、メッセージ情報を読み上げる音声データが出力される。効果音♯X1は、音声データが非質問形式の音声メッセージの場合にのみ用いられる音効果であるため、ユーザU1は、出力された音声メッセージが自身に返答を求めない通常の音声ガイダンスであることを適切に認識できるようになる。
【0086】
なお、上述した通り、音効果データベース121-1は、非質問形式に対応する音効果については記憶しなくてもよい。このため、報知制御部132は、音声データが非質問形式の音声メッセージであると判定した場合には音声データに対して音効果を付加しないことにより、音声データが質問形式の音声メッセージである場合での出力態様と差をつけてもよい。また、これとは逆に、音効果データベース121-1は、非質問形式に対応する音効果のみを記憶するようにし、報知制御部132は、音声データが非質問形式の音声メッセージであると判定した場合にのみ音声データに対して音効果を付加し、音声データが質問形式の音声メッセージであると判定した場合には音声データに対して音効果を付加しないことにより、音声データが非質問形式の音声メッセージである場合での出力態様と差をつけてもよい。
【0087】
〔5-2.音出力制御方法の具体例(2)〕
続いて、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理システム1で行われる情報処理の具体的な一例について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理の一例(2)を示すシーケンス図である。
図6の例についても
図5と同様に、実施形態に係る情報処理システム1には、エージェント装置60-1と、音出力制御装置100と、ユーザU1の端末装置10が含まれているものとして説明する。
【0088】
また、
図6の例は、音出力制御装置100が、メッセージ情報が質問形式であるのか否かに応じて音色特徴(音色パラメータ)を用いて出力態様を制御する点で
図5の例とは異なる一方で、その他の点については
図5と同様である。したがって、
図5と共通するステップについては説明を省略する。具体的には、ステップS501~ステップ505については説明を省略する。
【0089】
まず、報知制御部132は、メッセージ情報がユーザU1に返答を求める質問形式のメッセージ情報であると判定したとする(ステップS505;Yes)。係る場合、報知制御部132は、メッセージ情報が質問形式であることに応じた音色特徴(音色パラメータ)を、音効果データベース121-2に記憶される音色特徴の中から選択する(ステップS606)。具体的には、報知制御部132は、音声コンテンツに付与される質問フラグが質問フラグF1であることに応じて、質問フラグF1に対応付けられる候補の音色特徴の中から例えば1つの音色特徴を選択する。ここでは、報知制御部132は、音色特徴♯1を選択したとする。
【0090】
そうすると、報知制御部132は、選択した音色特徴♯1に対応する音色パラメータを使用して音声合成を行う(ステップS608)。例えば、報知制御部132は、メッセージ情報を音声データに変換するに際して、男声、女声、大人の声、子供の声、声の高低、声のスピード、標準語、方言等を示す音色パラメータであって、音色特徴♯1に対応する音色パラメータを採用して音声合成を実行することで、音声メッセージの音声の音色を変える。
【0091】
また、このような状態において、報知制御部132は、音色特徴を調整して生成した音声メッセージがユーザU1の端末装置10の報知部より報知されるよう音出力制御を行う(ステップS609)。例えば、報知制御部132は、ユーザU1の端末装置10に対して、音色特徴を調整して生成した音声データを送信することで、ユーザU1に返答を求める質問形式の音声メッセージを出力するよう制御する。
【0092】
端末装置10は、報知制御部132からの音声出力制御に応じて、音声メッセージを報知部より報知する。これにより、ユーザU1には、例えば、メッセージ情報を「男声+ゆっくり」(音色特徴♯1の一例)といった特徴で読み上げる音声メッセージが出力される。音色特徴♯1は、音声データが質問形式の音声メッセージの場合にのみ用いられる音声であるため、ユーザU1は、出力された音声メッセージが自身に返答を求める音声ガイダンスであることを適切に認識できるようになる。
【0093】
次に、報知制御部132が、メッセージ情報がユーザU1に返答を求めない非質問形式のメッセージ情報であると判定した場合(ステップS505;No)について説明する。係る場合、報知制御部132は、メッセージ情報が非質問形式であることに応じた音色特徴(音色パラメータ)を、音効果データベース121-2に記憶される音色特徴の中から選択する(ステップS607)。具体的には、報知制御部132は、音声コンテンツに付与される質問フラグが質問フラグF1であることに応じて、質問フラグF1に対応付けられる候補の音色特徴の中から例えば1つの音色特徴を選択する。具体的には、報知制御部132は、音声コンテンツに付与される質問フラグが質問フラグF2であることに応じて、質問フラグF2に対応付けられる候補の音色特徴の中から例えば1つの音色特徴を選択する。ここでは、報知制御部132は、音色特徴♯X1(
図3では不図示)を選択したとする。
【0094】
そうすると、報知制御部132は、選択した音色特徴♯X1に対応する音色パラメータを使用して音声合成を行う(ステップS608)。例えば、報知制御部132は、メッセージ情報を音声データに変換するに際して、男声、女声、大人の声、子供の声、声の高低、声のスピード、標準語、方言等を示す音色パラメータであって、音色特徴♯X1に対応する音色パラメータを採用して音声合成を実行することで、音声メッセージの音声の音色を変える。
【0095】
また、このような状態において、報知制御部132は、音色特徴を調整して生成した音声メッセージがユーザU1の端末装置10の報知部より報知されるよう音出力制御を行う(ステップS609)。例えば、報知制御部132は、ユーザU1の端末装置10に対して、音色特徴を調整して生成した音声データを送信することで、ユーザU1に返答を求める質問形式の音声メッセージを出力するよう制御する。
【0096】
端末装置10は、報知制御部132からの音声出力制御に応じて、音声メッセージを報知部より報知する。これにより、ユーザU1には、例えば、メッセージ情報を「女声+早口」(音色特徴♯X1の一例)といった特徴で読み上げる音声メッセージが出力される。音色特徴♯X1は、音声データが非質問形式の音声メッセージの場合にのみ用いられる音声であるため、ユーザU1は、出力された音声メッセージが自身に返答を求めない音声ガイダンスであることを適切に認識できるようになる。
【0097】
なお、上述した通り、音効果データベース121-2は、非質問形式に対応する音色特徴については記憶しなくてもよい。このため、報知制御部132は、音声データが非質問形式の音声メッセージであると判定した場合には音声データに対して音色特徴の調整を行わずに標準の音色の音声メッセージを生成することにより、音声データが質問形式の音声メッセージである場合での出力態様と差をつけてもよい。また、これとは逆に、音効果データベース121-2は、非質問形式に対応する音色特徴のみを記憶するようにし、報知制御部132は、音声データが非質問形式の音声メッセージであると判定した場合にのみ音声データに対して音色特徴の調整を行い、音声データが質問形式の音声メッセージであると判定した場合には音声データに対して音色特徴の調整を行わずに標準の音色の音声メッセージを生成することにより、音声データが非質問形式の音声メッセージである場合での出力態様と差をつけてもよい。
【0098】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた第1の実施形態における音出力制御装置100は、例えば、
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、音出力制御装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0099】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0100】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0101】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0102】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0103】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に音出力制御装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0104】
〔7.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0105】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0106】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0107】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0108】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、情報取得部は、情報取得手段や情報取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0109】
1 情報処理システム
100 音出力制御装置
120 記憶部
121 音効果データベース
122 コンテンツバッファ
130 制御部
131 情報取得部
132 報知制御部