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特開2022-143539押圧制御装置、押圧制御システム及び押圧制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143539
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】押圧制御装置、押圧制御システム及び押圧制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044094
(22)【出願日】2021-03-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】牧 伸
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 雅司
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD14
4C601EE11
4C601FF03
4C601JC08
4C601JC11
(57)【要約】
【課題】穿刺具を生体内に穿刺した際に血管の位置が変位しても、血管内へ穿刺具を挿入し易くする、押圧制御装置、押圧制御システム及び押圧制御プログラム、を提供する。
【解決手段】本開示に係る押圧制御装置は、センサが受信する超音波に基づき生体内の血管の位置を特定し、特定した血管の位置が所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、押圧体による生体表面の押圧を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサが受信する超音波に基づき生体内の血管の位置を特定し、特定した血管の位置が所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、押圧体による生体表面の押圧を制御する制御部と、を備える押圧制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、固定具に生体の一部が固定されている状態、かつ、穿刺具が生体内に穿刺される前の状態、で特定される血管の位置を前記所定位置として、血管の位置の前記所定位置からの変位を判定する、請求項1に記載の押圧制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記センサが受信する前記超音波に基づき前記生体内に穿刺されている穿刺具を特定可能であり、
前記制御部は、前記生体内に穿刺されている前記穿刺具を特定し、かつ、血管の位置が前記所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、前記押圧体による前記生体表面の押圧を制御する、請求項1又は2に記載の押圧制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記押圧体による前記生体表面の押圧位置及び押圧力の少なくとも一方を制御する、請求項1から3のいずれか1つに記載の押圧制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記センサが受信する前記超音波に基づき生成される2次元画像から血管の位置を特定する、請求項1又は2に記載の押圧制御装置。
【請求項6】
超音波を受信可能なセンサと、
生体表面を押圧可能な押圧体と、
前記センサが受信する前記超音波に基づき生体内の血管の位置を特定し、特定した血管の位置が所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、前記押圧体による前記生体表面の押圧を制御する制御部を備える押圧制御装置と、を備える、押圧制御システム。
【請求項7】
生体の一部を固定可能な固定具を備え、
前記制御部は、前記固定具に前記生体の一部が固定されている状態、かつ、穿刺具が生体内に穿刺される前の状態、で特定される血管の位置を前記所定位置として、血管の位置の前記所定位置からの変位を判定する、請求項6に記載の押圧制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記センサが受信する前記超音波に基づき前記生体内に穿刺されている穿刺具を特定可能であり、
前記制御部は、前記生体内に穿刺されている前記穿刺具を特定し、かつ、血管の位置が前記所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、前記押圧体による前記生体表面の押圧を制御する、請求項6又は7に記載の押圧制御システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記押圧体による前記生体表面の押圧位置及び押圧力の少なくとも一方を制御する、請求項6から8のいずれか1つに記載の押圧制御システム。
【請求項10】
前記センサが受信する前記超音波に基づき2次元画像を生成する画像生成装置を備え、
前記制御部は、前記2次元画像から血管の位置を特定する、請求項6から9のいずれか1つに記載の押圧制御システム。
【請求項11】
コンピュータに、
センサが受信する超音波に基づき生体内の血管の位置を特定する処理と、
特定した血管の位置が所定位置から変位しているか否を判定する処理と、
血管の位置が前記所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、押圧体による生体表面の押圧を制御する処理と、を実行させる押圧制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、押圧制御装置、押圧制御システム及び押圧制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療現場では、採血、注射、輸液等のために、生体外から血管へ針などの穿刺具を穿刺することが一般的に行われている。また、近年、心臓カテーテル検査やカテーテル治療をより低侵襲に行うため、橈骨動脈よりアプローチする手技が注目されている。この場合、セルディンガー法によりシースを設置するが、この際にも穿刺操作は必須である。この穿刺具の穿刺の際に、例えば患者の血管壁が硬い場合、穿刺具が血管壁を刺通せずに、血管が穿刺具に押されて逃げてしまうことがある。このような場合には、穿刺具の穿刺を再度行う必要がある。
【0003】
特許文献1には、治療チャンバ内で血管の血管構造データの位置及び/又は寸法を測定によって検出するための血管構造測定装置と、血管の位置及び/又は寸法を変更するための血管操作装置と、を備える挿管ロボットが開示されている。特許文献1に記載の挿管ロボットは、血管構造データに応じて血管操作装置を制御するように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-505164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の挿管ロボットでは、血管操作装置などを制御することにより、針などの穿刺具が自動で血管内に挿入される。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の挿管ロボットには、血管内に穿刺具をより確実に挿入する観点において、依然として改善の余地がある。
【0007】
本開示は、穿刺具を生体内に穿刺した際に血管の位置が変位しても、血管内へ穿刺具を挿入し易くする、押圧制御装置、押圧制御システム及び押圧制御プログラム、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様としての押圧制御装置は、センサが受信する超音波に基づき生体内の血管の位置を特定し、特定した血管の位置が所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、押圧体による生体表面の押圧を制御する制御部と、を備える。
【0009】
本開示の1つの実施形態として、前記制御部は、固定具に生体の一部が固定されている状態、かつ、穿刺具が生体内に穿刺される前の状態、で特定される血管の位置を前記所定位置として、血管の位置の前記所定位置からの変位を判定する。
【0010】
本開示の1つの実施形態として、前記制御部は、前記センサが受信する前記超音波に基づき前記生体内に穿刺されている穿刺具を特定可能であり、前記制御部は、前記生体内に穿刺されている前記穿刺具を特定し、かつ、血管の位置が前記所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、前記押圧体による前記生体表面の押圧を制御する。
【0011】
本開示の1つの実施形態として、前記制御部は、前記押圧体による前記生体表面の押圧位置及び押圧力の少なくとも一方を制御する。
【0012】
本開示の1つの実施形態として、前記制御部は、前記センサが受信する前記超音波に基づき生成される2次元画像から血管の位置を特定する。
【0013】
本開示の第2の態様としての押圧制御システムは、超音波を受信可能なセンサと、生体表面を押圧可能な押圧体と、前記センサが受信する前記超音波に基づき生体内の血管の位置を特定し、特定した血管の位置が所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、前記押圧体による前記生体表面の押圧を制御する制御部を備える押圧制御装置と、を備える。
【0014】
本開示の1つの実施形態としての押圧制御システムは、生体の一部を固定可能な固定具を備え、前記制御部は、前記固定具に前記生体の一部が固定されている状態、かつ、穿刺具が生体内に穿刺される前の状態、で特定される血管の位置を前記所定位置として、血管の位置の前記所定位置からの変位を判定する。
【0015】
本開示の1つの実施形態として、前記制御部は、前記センサが受信する前記超音波に基づき前記生体内に穿刺されている穿刺具を特定可能であり、前記制御部は、前記生体内に穿刺されている前記穿刺具を特定し、かつ、血管の位置が前記所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、前記押圧体による前記生体表面の押圧を制御する。
【0016】
本開示の1つの実施形態として、前記制御部は、前記押圧体による前記生体表面の押圧位置及び押圧力の少なくとも一方を制御する。
【0017】
本開示の1つの実施形態としての押圧制御システムは、前記センサが受信する前記超音波に基づき2次元画像を生成する画像生成装置を備え、前記制御部は、前記2次元画像から血管の位置を特定する。
【0018】
本開示の第3の態様としての押圧制御プログラムは、コンピュータに、センサが受信する超音波に基づき生体内の血管の位置を特定する処理と、特定した血管の位置が所定位置から変位しているか否を判定する処理と、血管の位置が前記所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を前記所定位置に復帰させるように、押圧体による生体表面の押圧を制御する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、穿刺具を生体内に穿刺した際に血管の位置が変位しても、血管内へ穿刺具を挿入し易くする、押圧制御装置、押圧制御システム及び押圧制御プログラム、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の一実施形態としての押圧制御システムを示す図である。
図2図1に示す押圧制御システムの構成例を示す図である。
図3図1に示す押圧制御装置の制御部により実行される処理を示す図である。
図4図4(a)は、図1に示す超音波検出装置が患者の腕に押し当てられている状態を示す図であり、図4(b)は、図4(a)に示す状態で超音波検出装置から得られた超音波情報に基づき生成された2次元画像としてのエコー画像のうち、血管の近傍のみを拡大して示す図である。
図5図1に示す固定具を示す図である。
図6A図1に示す穿刺装置の可動部により保持される穿刺具が、生体内に挿入される直前の状態を示す図である。
図6B図6Aの状態から、穿刺具が生体内に挿入され、血管の血管壁に突き当たっている状態を示す図である。
図7図7(a)は、図6Aに示す状態で、超音波検出装置から取得される超音波情報に基づき生成される2次元画像を示す図であり、図7(b)は、図6Bに示す状態で、超音波検出装置から取得される超音波情報に基づき生成される2次元画像を示す図である。
図8図6B及び図7(b)に示す血管の所定位置からの変位に対して、押圧体の複数の調整カフを制御した状態を示す図である。
図9図8に示す複数の調整カフの制御により、血管の位置が所定位置に復帰し、穿刺具による血管内への挿入が達成された後の状態を示す図である。
図10図5に示す押圧体の変形例としての押圧体を示す図であり、図10(a)、図10(b)はそれぞれ、押圧体の正面図、側面図である。
図11図11(a)は、図10に示す押圧体により生体表面が押圧されていない状態を示す図であり、図11(b)は、図10に示す押圧体により生体表面が押圧されている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示に係る押圧制御装置、押圧制御システム及び押圧制御プログラムの実施形態について、図面を参照して例示説明する。各図において共通する構成には同一の符号を付している。
【0022】
図1は、本開示に係る押圧制御システムの一実施形態としての押圧制御システム100を示す図である。図2は、押圧制御システム100の構成例を示す図である。図1図2に示すように、本実施形態の押圧制御システム100は、固定具2と、超音波検出装置3と、画像生成装置4と、穿刺装置5と、押圧制御装置6と、を備える。図1に示すように、本実施形態の押圧制御システム100では、筐体7に対して、直接的又は間接的に、固定具2、超音波検出装置3、穿刺装置5及び押圧制御装置6が固定されているが、この構成に限られるものではない。
【0023】
固定具2は、押圧体21を備える。本実施形態の固定具2は、生体の一部として腕ARを固定可能に構成されている。詳細は後述するが、本実施形態の固定具2は、腕ARを挿通可能な挿通孔2a(図5参照)を区画している。押圧体21は、挿通孔2aに挿通された腕ARを周囲から押圧することで、腕ARの位置を固定することができる。
【0024】
但し、固定具2は、押圧体21を備えなくてもよい。押圧体21は、固定具2とは別に設けられていてもよい。
【0025】
超音波検出装置3は、超音波を送受信可能なセンサ31を備える。センサ31が受信する超音波から取得される超音波情報は、画像生成装置4及び押圧制御装置6に送信される。「超音波情報」とは、例えば、一次情報としての超音波そのものであってもよく、二次情報としての超音波から変換された電気信号など、センサ31が受信した超音波から得られる各種の等価情報であってもよい。
【0026】
本実施形態の超音波検出装置3は、超音波プローブである。超音波検出装置3としての超音波プローブは、患者の腕ARの穿刺部位近傍に対して押し当てられて使用される。超音波検出装置3のセンサ31から生体に向かって超音波を照射可能である。センサ31は、超音波を発信し、反射した超音波を受信する。センサ31が、反射した超音波を受信すると、この受信した超音波から取得される超音波情報が、画像生成装置4及び押圧制御装置6に送信される。
【0027】
画像生成装置4は、制御部41と、記憶部42と、入出力部43と、を備える。
【0028】
制御部41は、1つ以上のプロセッサである。制御部41は、超音波検出装置3から受信した超音波情報に基づき2次元画像を生成したり、入出力部43を介して押圧制御装置6と通信したりする処理に特化した専用プロセッサにより実現されるが、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサにより実現されてもよい。制御部41には、1つ以上の専用回路が含まれてもよいし、又は制御部41において、1つ以上のプロセッサを1つ以上の専用回路に置き換えてもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部41は、画像生成装置4の各部を制御して、画像生成装置4の動作に関わる情報処理を実行する。
【0029】
記憶部42は、例えばRAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)を含む任意の記憶モジュールを含む。記憶部42は、例えば、生成した2次元画像の画像データを記憶する主記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部42は、画像生成装置4の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部42は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び入出力部43によって受信された各種情報等を記憶してもよい。
【0030】
入出力部43は、超音波検出装置3及び押圧制御装置6との間で信号の入出力を行う。本実施形態の画像生成装置4は、入出力部43を介して、超音波検出装置3から超音波情報を取得する。また、画像生成装置4は、制御部41が生成した2次元画像のデータを、入出力部43を介して押圧制御装置6に送信してもよい。更に、画像生成装置4は、制御部41が生成した2次元画像のデータを、入出力部43を介してディスプレイ等に出力してもよい。入出力部43は、USBインタフェース、無線LAN(Local Area Network)インタフェース、及びBluetoothインタフェース等の無線通信インタフェース、並びに有線通信インタフェースの少なくともいずれかを備えてもよい。さらに、入出力部43は、ユーザとの間のインタフェースとして、タッチパネル、ボタン、LED(Light Emitting Diode)、及びブザーの少なくともいずれかを備えてもよい。
【0031】
穿刺装置5は可動部51を備える。可動部51は、針などの穿刺具70を生体に穿刺するように動作する。具体的に、本実施形態の可動部51は、穿刺具70を保持した状態で可動する可動アームにより構成されている。但し、可動部51は、生体上の所定位置に穿刺具70を穿刺可能な構成であれば、その構成は特に限定されない。
【0032】
本実施形態の可動部51の動作は、押圧制御装置6の制御部61からの制御指令に基づき、制御される。したがって、可動部51は、押圧制御装置6の制御部61からの制御指令に基づき、針などの穿刺具70を前進させて、生体内に穿刺する。
【0033】
押圧制御装置6は、制御部61と、記憶部62と、入出力部63と、を備える。
【0034】
制御部61は、1つ以上のプロセッサである。制御部61は、超音波検出装置3から受信した超音波情報に基づき生体内の血管の位置を特定したり、血管の位置の変位を判定したり、固定具2の押圧体21を押圧制御したりする処理に特化した専用プロセッサにより実現されるが、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサにより実現されてもよい。制御部61には、1つ以上の専用回路が含まれてもよいし、又は制御部61において、1つ以上のプロセッサを1つ以上の専用回路に置き換えてもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部61は、押圧制御装置6の各部を制御して、押圧制御装置6の動作に関わる情報処理を実行する。また、制御部61は、固定具2の押圧体21による生体表面への押圧を制御する。更に、制御部61は、穿刺装置5の可動部51による生体内への穿刺具70の穿刺動作を制御する。
【0035】
記憶部62は、例えばRAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)を含む任意の記憶モジュールを含む。記憶部62は、例えば、制御部61が特定した血管の位置情報を記憶する主記憶装置又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部62は、押圧制御装置6の動作に用いられる任意の情報を記憶する。また、記憶部62は、固定具2の押圧体21の動作に用いられる任意の情報を記憶する。更に、記憶部62は、穿刺装置5の可動部51の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部62は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び入出力部63によって受信された各種情報等を記憶してもよい。
【0036】
入出力部63は、超音波検出装置3との間で信号の入出力を行う。押圧制御装置6は、入出力部63を介して、超音波検出装置3から超音波情報を取得する。また、本実施形態のように、入出力部63は、画像生成装置4との間で信号の入出力を行ってもよい。このようにすることで、押圧制御装置6は、入出力部63を介して、画像生成装置4が生成した2次元画像を取得してもよい。また、押圧制御装置6は、画像生成装置4から取得した2次元画像のデータを、入出力部63を介してディスプレイ等に出力してもよい。入出力部43は、USBインタフェース、無線LAN(Local Area Network)インタフェース、及びBluetoothインタフェース等の無線通信インタフェース、並びに有線通信インタフェースの少なくともいずれかを備えてもよい。さらに、入出力部63は、ユーザとの間のインタフェースとして、タッチパネル、ボタン、LED(Light Emitting Diode)、及びブザーの少なくともいずれかを備えてもよい。
【0037】
押圧制御装置6の一部又は全ての機能は、プログラム(コンピュータプログラム)を、制御部61に含まれるプロセッサで実行することにより実現されてもよい。すなわち、押圧制御装置6の機能は、ソフトウェアにより実現されてもよい。プログラムは、押圧制御装置6の動作に含まれる処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させる。また、押圧制御装置6の一部が他の汎用な情報処理装置により実現されてもよい。
【0038】
以下、図3図9を参照して、本実施形態の押圧制御システム100による、押圧体21の押圧制御、及び、穿刺具70の穿刺制御、について例示説明する。
【0039】
図3は、押圧制御装置6の制御部61により実行される処理を示す図である。図3に示すように、制御部61は、超音波検出装置3のセンサ31が受信する超音波に基づき生体内の血管の位置を特定し(図3の「S1」参照)、特定した血管の位置が所定位置から変位しているか否か判定する(図3の「S2」参照)。制御部61は、特定された血管の位置が所定位置から変位していると判定した場合に、血管の位置を所定位置に復帰させるように、押圧体21による生体表面の押圧を制御する(図3の「S3」参照)。以下、図3に示す各処理S1~S3について詳細に説明する。
【0040】
まず、制御部61が、超音波検出装置3のセンサ31が受信する超音波に基づき生体内の血管の位置を特定する処理(図3の「S1」参照)について説明する。図4(a)は、超音波検出装置3が患者の腕ARの表面に押し当てられている状態を示す図である。この状態で、センサ31により超音波の送受信が行われる。図4(b)は、センサ31が受信した超音波情報に基づき、画像生成装置4によって生成された2次元画像としてのエコー画像を示す図である。図4(b)は、血管BVの近傍のみを拡大して示している。このように、超音波検出装置3を用いることで、生体外から生体内の血管BVの位置を特定することができる。
【0041】
制御部61は、図4(b)に示す2次元画像を解析することで、その2次元画像から血管BVの位置を特定してもよい。つまり、制御部61は、センサ31が受信する超音波に基づき生成される2次元画像から血管BVの位置を特定してもよい。制御部61による2次元画像からの血管BVの位置の特定は、例えば、予め血管BVを含む大量の2次元画像を機械学習しておき、2次元画像から血管BVの位置を特定するための学習モデルを生成しておいてもよい。
【0042】
また、制御部61は、センサ31が受信する超音波に基づき生体内の血管BVの位置を特定できればよく、図4(b)に示す2次元画像に基づき血管BVの位置を特定しなくてもよい。つまり、制御部61は、センサ31が受信した超音波から2次元画像を介さずに、血管BVの位置を特定してもよい。
【0043】
次に、制御部61が、特定した血管の位置が所定位置P0から変位しているか否かを判定する処理(図3の「S2」参照)について説明する。
【0044】
本実施形態における所定位置P0とは、穿刺装置5の可動部51により穿刺具70の穿刺目標位置となる血管の位置を意味する。まず、本実施形態における所定位置P0の決定方法について説明する。本実施形態の制御部61は、固定具2に生体の一部が固定されている状態、かつ、穿刺具70が生体内に穿刺される前の状態、で特定される血管の位置を所定位置P0として、記憶部62に記憶する。
【0045】
具体的に、本実施形態の制御部61は、穿刺具70の穿刺前に、固定具2の押圧体21を制御することで、所定位置P0を決定する。
【0046】
図5は、本実施形態の固定具2を示す図である。図5に示すように、本実施形態の固定具2は、押圧体21と、環状ハウジング22と、を備える。本実施形態の押圧体21は、環状のメインカフ21aと、複数の調整カフ21bと、を備える。
【0047】
図5に示すように、環状ハウジング22は、腕AR(図5では二点鎖線で図示)を挿通可能な挿通孔2aを区画している。押圧体21の環状のメインカフ21aは、環状ハウジング22の挿通孔2aを区画する内壁に取り付けられている。メインカフ21aの内部の環状の収容空間への空気等の流体の供給、及び、収容空間からの流体の排出、の制御は、制御部61がポンプ等を制御することで実行される。したがって、メインカフ21aの内部の環状の収容空間に空気等の流体が供給されることで、メインカフ21aは拡張し、挿通孔2aを狭める。これにより、挿通孔2aに挿通されている腕ARを周囲から略均等に圧迫し、腕ARの挿通孔2a内の位置を固定することができる。
【0048】
また、複数の調整カフ21bは、環状のメインカフ21aの内壁に取り付けられている。また、複数の調整カフ21bは、メインカフ21aの内壁の周方向の異なる位置に配置されている。本実施形態の複数の調整カフ21bは、メインカフ21aの内壁の周方向全域に亘って配置されている。各調整カフ21bの内部の収容空間への空気等の流体の供給、及び、収容空間からの流体の排出、の制御は、制御部61がポンプ等を制御することで実行される。また、制御部61は、各調整カフ21bを別々に制御可能である。制御部61が、複数の調整カフ21bの拡張状態を別々に制御することで、腕ARの周囲の位置によって、押圧体21による押圧力を変えることができる。
【0049】
挿通孔2aに挿通された患者の腕ARが、上述したメインカフ21aのみで固定されている場合は、調整カフ21bを用いず、腕ARの固定具2への固定が完了する。また、挿通孔2aに挿通された患者の腕ARが、上述したメインカフ21aのみでは固定できない場合は、例えば、複数の調整カフ21bを全て均等に拡張させることで、挿通孔2aを更に狭め、腕ARを固定すればよい。
【0050】
本実施形態における腕ARの固定具2への固定完了は、例えば、周囲の押圧体21から腕ARに負荷される圧迫力を検出する圧力センサの検出値に基づき、制御部61が判定すればよい。つまり、制御部61は、圧力センサの検出値が所定値に達した場合に、腕ARが固定具2に固定されたと判定すればよい。圧力センサは、押圧体21による圧迫力を検出できればよく、その構成は特に限定されない。
【0051】
このように、本実施形態の押圧制御システム100では、穿刺具70の穿刺前に、腕ARを固定具2に固定する。制御部61は、この状態で特定される血管の位置を所定位置P0として、記憶部62に記憶する。
【0052】
次に、制御部61は、穿刺装置5の可動部51による穿刺具70の穿刺目標位置を、上述のように決定した所定位置P0に合わせるように制御する。本実施形態では、制御部61が、穿刺装置5の可動部51としての可動アームに保持される穿刺具70が所定位置P0で血管を穿刺するように、可動部51を制御する。
【0053】
このように、本実施形態では、穿刺具70の穿刺前に、固定具2の押圧体21、及び、穿刺装置5の可動部51、が制御部61により制御される。これにより、穿刺具70の穿刺前の準備が完了する。
【0054】
なお、本実施形態では、穿刺具70を穿刺する前の固定具2による腕ARの固定に基づき、所定位置P0を決定しているが、この方法に限られない。所定位置P0は、例えば、穿刺装置5の可動部51による穿刺具70の穿刺目標位置を固定し、この穿刺目標位置に腕ARの血管を合わせるように腕ARを固定することで、所定位置P0を決定してもよい。
【0055】
また、本実施形態の固定具2は、押圧体21により腕ARの位置を固定する構成であるが、腕ARを固定できる構成であれば、その構成は特に限定されない。
【0056】
次に、制御部61は、穿刺装置5の可動部51を制御して、穿刺具70の穿刺目標位置となる所定位置P0に向かって穿刺具70を穿刺する。図6Aは、穿刺装置5の可動部51により保持される穿刺具70が、生体内に挿入される直前の状態を示す図である。また、図6Bは、図6Aの状態から、穿刺具70が生体内に挿入され、血管BVの血管壁に突き当たっている状態を示す図である。図6A図6B及び後に参照する図9では、説明の便宜上、固定具2の位置を二点鎖線により示している。図7(a)は、図6Aに示す状態で、超音波検出装置3から取得される超音波情報に基づき生成される2次元画像を示す図である。また、図7(b)は、図6Bに示す状態で、超音波検出装置3から取得される超音波情報に基づき生成される2次元画像を示す図である。
【0057】
患者の血管壁の硬さ等の理由で、穿刺具70の先端が血管壁を貫通せず、穿刺具70の先端に押圧された血管BVが逃げる場合がある。これに対して、制御部61は、超音波検出装置3から取得した超音波情報に基づき特定した血管BVの位置が、所定位置P0から変位していると判定した場合、血管BVの位置を所定位置P0に復帰させるように、押圧体21による生体表面の押圧を制御する。これにより、血管BVを所定位置P0に維持し、穿刺具70の先端の血管BV内への挿入を補助することができる。
【0058】
以下、図6A図9を参酌して、制御部61により、血管BVの位置を所定位置P0に復帰させるように、押圧体21による生体表面の押圧を制御する一例について説明する。
【0059】
まず、制御部61は、超音波検出装置3から取得される超音波情報に基づき特定した血管BVの位置が、所定位置P0から変位しているか否か、穿刺具70の穿刺前から監視し続ける。なお、制御部61が、超音波検出装置3の超音波情報から生成される2次元画像から血管BVの位置を特定する場合、図7(a)、図7(b)に示すように、2次元画像における血管BVの中心位置оの変位を判定すればよい。例えば、所定位置P0にある血管BVの2次元画像における中心位置оを、xy平面の原点として、血管BVの中心位置оの原点からの変位を監視すればよい。図7(b)には、所定位置P0にある血管BVを破線により示している。つまり、図7(b)では、血管BVがx方向及びy方向に移動したことを示している。
【0060】
また、制御部61は、所定位置P0から変位しているか否かを、所定の閾値を設けることで判定してよい。制御部61は、例えば、変位量(変位距離)が所定値以上になったときに、所定位置P0から変位していると判定してよい。また、このような閾値は、例えば、上述したxy平面において、血管BVのx方向又はy方向の長さ分の変位量、又は、その1/2の変位量、など適宜設定すればよい。
【0061】
制御部61が、血管BVが所定位置P0から変位していると判定した場合、制御部61は、押圧体21の複数の調整カフ21bを制御して、血管BVの位置を所定位置P0に復帰させるように、生体表面を押圧する。
【0062】
図8は、図6B及び図7(b)に示す血管BVの所定位置P0からの変位に対して、複数の調整カフ21bを制御した状態を示す図である。また、図9は、図8に示す複数の調整カフ21bの制御により、血管BVの位置が所定位置P0に復帰し、穿刺具70による血管BV内への挿入が達成された後の状態を示す図である。
【0063】
図8に示すように、制御部61は、図6Bにおける奥行き方向A(図6Bの紙面に直交する方向であり、図4図8の左右方向と同じ方向)の奥側(図6Bの紙面奥側であり、図8の左側)に血管BVを押圧するように、複数の調整カフ21bを制御する。具体的に、本実施形態では、環状のメインカフ21aの内面に沿って8つ配置されている調整カフ21bのうち、図6Bにおける手前側(図6Bの紙面手前側方向であり、図8の右側)に位置する3つの調整カフ21bのみ、更に拡張させる。これにより、挿通孔2aに挿通されている腕ARには、図6Bの奥行き方向Aの手前側から奥側(図8の右側から左側)に向かって大きな圧迫力が作用し、生体内の血管BVに対しても、図6Bの奥行き方向Aの手前側から奥側への圧迫力が作用する。これにより、図6Bに示す、所定位置P0から変位した血管BVを、図6Bの上方向に若干持ち上げつつ、図6Bの奥行き方向Aの手前側から奥側へ押圧することで、所定位置P0に復帰させる、又は、所定位置P0に近づけることができる。
【0064】
なお、制御部61は、血管BVの所定位置P0からの変位方向及び変位量に基づき、複数の調整カフ21bのうち拡張状態を制御する調整カフ21b、及び、その拡張量、を決定すればよい。つまり、本実施形態の制御部61は、押圧体21による生体表面の押圧位置及び押圧力の両方を制御することで、血管BVを所定位置P0に復帰するように生体表面を押圧する。
【0065】
このように、本実施形態では、血管BVが所定位置P0に向かって、図6Bの奥行き方向Aの手前側から奥側(図8の右側から左側)に移動すると共に、穿刺具70の先端により押圧される押圧力に対する反力が、調整カフ21bの圧迫力により負担される。そのため、血管BVが、穿刺具70の先端の押圧力を受けても逃げ難くなり、穿刺具70の先端が血管壁を貫通して血管BV内に挿入され易い状態を実現できる。つまり、穿刺具70により血管BVが押圧されて、血管BVの位置が変位しても、本実施形態の制御部61は、血管BVの位置を所定位置P0に復帰させるように押圧体21を制御する。これにより、血管BV内へ穿刺具70を挿入し易くすることができる。
【0066】
制御部61は、血管BVが所定位置P0から変位していると判定した場合、穿刺装置5の可動部51による穿刺具70の穿刺動作を停止してもよい。制御部61は、この状態で、血管BVが所定位置P0に復帰するように、押圧体21の押圧を制御してもよい。また、制御部61は、血管BVが所定位置P0から変位していることを判定した場合、穿刺装置5の可動部51を穿刺具70の抜去方向に移動させてもよい。制御部61は、この状態で、穿刺具70が再び前進した際に生じる血管BVの変位を相殺するように、押圧体21の押圧を予め制御してもよい。
【0067】
また、制御部61は、血管BVの変位のみならず、生体内に挿入されている穿刺具70の位置に基づき、押圧体21を制御してもよい。具体的に、制御部61は、センサ31が受信する超音波に基づき生体内に穿刺されている穿刺具70を特定可能である。制御部61は、例えば、図7(b)に示すような、超音波情報から生成される2次元画像から穿刺具70を特定してもよい。また、制御部61は、センサ31が受信する超音波に基づき、別の方法で、生体内に穿刺されている穿刺具70を特定してもよい。
【0068】
制御部61は、生体内に穿刺されている穿刺具70を特定し、かつ、血管BVの位置が所定位置P0から変位していると判定した場合に、血管BVの位置を所定位置P0に復帰させるように、押圧体21による生体表面の押圧を制御してもよい。
【0069】
このように、制御部61が、血管BVの所定位置P0からの変位のみならず、生体内に穿刺されている穿刺具70の位置に基づき、押圧体21の押圧を制御することで、穿刺具70の先端が血管BV内に、より挿入され易くなるように、押圧体21の押圧を制御できる。
【0070】
本開示に係る押圧制御装置、押圧制御システム、及び、押圧制御プログラムは、上述した実施形態で具体的に示す構成及び処理に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の変形、変更、組み合わせが可能である。
【0071】
上述した実施形態の押圧制御システム100は、押圧制御装置6とは別に画像生成装置4を備える構成であるが、この構成に限られない。押圧制御システム100は、画像生成装置4を備えなくてもよい。また、押圧制御装置6の制御部61が、センサ31が受信する超音波に基づき、2次元画像を生成してもよい。
【0072】
また、上述した実施形態の押圧体21は、固定具2に備えられているが、押圧体21は、血管BVを所定位置P0に復帰するように制御部61により制御される構成であれば、固定具2とは別に設けられていてもよい。また、固定具2についても、腕ARなどの生体の一部を固定可能な構成であれば、その構成は特に限定されない。但し、本実施形態のように、固定具2が押圧体21を備えることで、押圧体21が、腕ARの固定手段と、血管BVの位置復帰手段と、を兼ねる構成となる。そのため、押圧制御システム100の構成を簡素化できる。
【0073】
また、押圧体21は、上述した実施形態のメインカフ21a及び複数の調整カフ21bからなる構成に限られない。図10図11は、押圧体21の変形例としての押圧体121を示す図である。図10(a)は押圧体121の正面図であり、図10(b)は、押圧体121の側面図である。図10(a)、図10(b)に示すように、押圧体121は、円筒状又は円柱状の軸部121aと、この軸部121aの両端に連なる円盤部121b、121cと、を備える。図10(a)に示すように、円盤部121b、121cは、軸部121aの軸方向に対して直交しておらず、軸方向に対して傾斜している。
【0074】
図11(a)は、押圧体121により生体表面が押圧されていない状態を示す図であり、図11(b)は、押圧体121により生体表面が押圧されている状態を示す図である。図10図11に示す押圧体121は、生体の一部としての腕ARの長手方向に沿って、軸部121aを腕ARの表面上で回動させながら移動させることができる。つまり、押圧体121を腕ARの表面で回動させることで、図11(a)の状態と、図11(b)の状態と、で状態変化させることができる。図10図11に示す押圧体121は、血管BVが所定位置P0から変位した場合に、その変位方向(図11(a)、図11(b)では下方向)と直交する方向(図11(a)、図11(b)では左右方向)に生体表面を押圧することで、血管BVを所定位置P0に向かって復帰させる。このように、押圧制御システム100の押圧体21、121の構成は特に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本開示は、押圧制御装置、押圧制御システム及び押圧制御プログラムに関する。
【符号の説明】
【0076】
2:固定具
2a:挿通孔
3:超音波検出装置
4:画像生成装置
5:穿刺装置
6:押圧制御装置
7:筐体
21:押圧体
21a:メインカフ
21b:調整カフ
22:環状ハウジング
31:センサ
41:制御部
42:記憶部
43:入出力部
51:可動部
61:制御部
62:記憶部
63:入出力部
70:穿刺具
121:押圧体
121a:軸部
121b:円盤部
100:押圧制御システム
BV:血管
P0:所定位置
AR:腕(生体の一部)
A:奥行き方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11