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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143552
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220926BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220926BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20220926BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G06F3/12 360
G06F3/12 303
G06F3/12 353
G06F3/12 329
B41J29/38 203
B41J29/00 Z
B41J29/38 202
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044111
(22)【出願日】2021-03-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄太郎
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP05
2C061AP07
2C061AS06
2C061CL08
2C061HL01
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN19
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AC34
5C062AD05
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】画像処理装置を使用したいときに既に他のユーザに使用されているという事態の発生を抑制する。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザの予約情報に基づき、1以上の画像処理装置の中からユーザの使用予定装置を決定する。情報処理装置は、第1のタイミングが到来することに応じて、第1の状態に設定されている予約装置を第3の状態に設定する、もしくは第2の状態に設定されている予約装置を第1の状態若しくは第3の状態に設定する。第1の状態は使用が許可された状態であり、第2の状態は使用が禁止されたか若しくは特定人にのみ使用が許可された状態である。第3の状態は、使用が禁止された状態であって認証条件が成立することに応じて使用が許可される状態である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の画像処理装置の各々と通信可能に構成された情報処理装置が備えるコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記1以上の画像処理装置の各々は、初期状態に設定されるように構成され、前記初期状態は、当該画像処理装置の使用が許可された第1の状態、または、当該画像処理装置の使用が禁止されたか若しくは特定人にのみ許可された第2の状態を含み、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記1以上の画像処理装置の予約情報を取得する取得処理であって、前記予約情報は、前記1以上の画像処理装置のうちのいずれかを使用予定のユーザである予約ユーザと前記予約ユーザによる使用開始時刻とを示す、取得処理と、
前記取得処理により取得された前記予約情報に基づき、前記1以上の画像処理装置のうちの前記予約ユーザに使用させる1つである予約装置を決定する決定処理と、
前記使用開始時刻以前の第1のタイミングが到来することに応じて実行する設定処理であって、前記予約装置が前記第1の状態に設定されている場合に当該予約装置を第3の状態に設定すること、または、前記予約装置が前記第2の状態に設定されている場合に当該予約装置を前記第1の状態若しくは前記第3の状態に設定することを含み、前記第3の状態は、使用が禁止された状態であって認証条件が成立することに応じて使用が許可される状態である、設定処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記設定処理は、前記第1の状態に設定された前記予約装置を前記第3の状態に設定することを含む、プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプログラムであって、
前記設定処理は、前記第2の状態に設定された前記予約装置を前記第3の状態に設定することを含む、プログラム。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記設定処理は、前記第2の状態に設定された前記予約装置を前記第1の状態に設定することを含む、プログラム。
【請求項5】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記予約ユーザへ認証情報を通知する通知処理、
を実行させ、
前記認証条件は、前記予約装置に前記認証情報が入力されることに応じて成立する、
プログラム。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記予約情報は、さらに、前記1以上の画像処理装置のうちの前記予約装置に決定されるべき1つの画像処理装置を示し、
前記決定処理は、前記予約情報において示されている前記1つの画像処理装置を前記予約装置に決定する、
プログラム。
【請求項7】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記予約情報は、さらに、前記使用開始時刻を始期とする使用予定期間を示し、
前記決定処理は、前記取得処理により取得された前記予約情報に含まれている前記使用予定期間に基づき、前記1以上の画像処理装置のうち当該使用予定期間に使用可能な1つを前記予約装置に決定する、
プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記決定処理により前記予約装置が決定されることに応じて、当該予約装置を、対応する前記使用予定期間と紐付けて登録する登録処理、
を実行させ、
前記決定処理は、前記取得処理により取得された前記予約情報に含まれている前記使用予定期間に基づき、前記1以上の画像処理装置のうち、当該使用予定期間と重複する予約期間が前記登録処理により登録されていない1つを前記予約装置に決定し、前記予約期間は前記登録処理により登録された前記使用予定期間を示す、
プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記決定処理は、前記取得処理により取得された前記予約情報に含まれている前記使用予定期間に基づき、前記1以上の画像処理装置のうち、当該使用予定期間と重複する前記予約期間が前記登録処理により登録されておらず、且つ、当該使用予定期間を含む期間であって前記登録処理により前記予約期間が登録されていない期間が最も長い1つを、前記予約装置に決定する、
プログラム。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記予約ユーザに対応した設定情報を前記予約装置へ送信する送信処理、
を実行させ、
前記設定情報は、前記予約装置で用いられる、1以上の設定項目のそれぞれに設定可能な設定値を示す、
プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムであって、
前記予約情報は、前記設定情報を含み、
前記送信処理は、前記取得処理により取得された前記予約情報に含まれている前記設定情報を前記予約装置へ送信する、
プログラム。
【請求項12】
請求項10に記載のプログラムであって、
前記予約情報は、前記予約ユーザが実施する予定の業務を示す業務情報を含み、
前記送信処理は、前記取得処理により取得された前記予約情報に含まれている前記業務情報に対応した前記設定情報を前記予約装置へ送信する、
プログラム。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記設定処理の実行後、前記予約装置の使用が終了されたことを検知する検知処理と、
前記検知処理により前記予約装置の使用が終了されたことが検知されることに応じて、前記予約装置を前記初期状態に復帰させる復帰処理と、
を実行させる
プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記予約情報は、さらに、前記使用開始時刻を始期とする使用予定期間を示し、
前記プログラムは、前記コンピュータに、さらに、
前記設定処理の実行後、前記使用予定期間が過ぎても、前記予約装置の使用が終了されたことが前記検知処理により検知されないことに応じて、特定の報知情報を出力する報知情報出力処理、
を実行させるプログラム。
【請求項15】
請求項1~請求項14のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記予約情報は、当該プログラムとは別の、前記予約情報を登録するプログラムである予定登録プログラムに従って生成され、
前記予定登録プログラムは、前記コンピュータ、または前記情報処理装置とは別体の情報処理装置が備えるコンピュータにより実行される、
プログラム。
【請求項16】
1以上の画像処理装置のそれぞれと通信可能に構成された情報処理装置であって、
前記1以上の画像処理装置の各々は、初期状態に設定されるように構成され、前記初期状態は、当該画像処理装置の使用が許可された第1の状態、または、当該画像処理装置の使用が禁止されたか若しくは特定人にのみ許可された第2の状態を含み、
前記情報処理装置は、
前記1以上の画像処理装置の予約情報を取得する取得処理であって、前記予約情報は、前記1以上の画像処理装置のうちのいずれかを使用予定のユーザである予約ユーザと前記予約ユーザによる使用開始時刻とを示す、取得処理と、
前記取得処理により取得された前記予約情報に基づき、前記1以上の画像処理装置のうちの前記予約ユーザに使用させる1つである予約装置を決定する決定処理と、
前記使用開始時刻以前の第1のタイミングが到来することに応じて実行する設定処理であって、前記予約装置が前記第1の状態に設定されている場合に当該予約装置を第3の状態に設定すること、または、前記予約装置が前記第2の状態に設定されている場合に当該予約装置を前記第1の状態若しくは前記第3の状態に設定することを含み、前記第3の状態は、使用が禁止された状態であって認証条件が成立することに応じて使用が許可される状態である、設定処理と、
を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置を複数のユーザで共有する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-139252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置を複数のユーザで共有する利用形態として、画像形成装置が容易に持ち運び可能な携帯型であって、未使用時は所定位置に置かれ、いずれかのユーザが使用する際にそのユーザにより持ち出されて別の場所で使用されるという使用形態が考えられる。
【0005】
このような使用形態では、使用したいときに必ずしも画像形成装置が未使用状態にあるとはいえず、既に他のユーザに使用されていることも生じ得る。
本開示の一局面は、画像処理装置を使用したいときに既に他のユーザに使用されているという事態の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面におけるプログラムは、情報処理装置が備えるコンピュータが実行可能である。情報処理装置は、1以上の画像処理装置の各々と通信可能である。
1以上の画像処理装置の各々は、初期状態に設定されるように構成されている。初期状態は、当該画像処理装置の使用が許可された第1の状態、または、当該画像処理装置の使用が禁止されたか若しくは特定人にのみ許可された第2の状態を含む。
【0007】
当該プログラムは、コンピュータに、取得処理と、決定処理と、設定処理とを実行させる。
取得処理は、前記1以上の画像処理装置の予約情報を取得する処理である。予約情報は、予約ユーザと、予約ユーザによる使用開始時刻とを示す。予約ユーザは、前記1以上の画像処理装置のうちのいずれかを使用予定のユーザである。
【0008】
決定処理は、取得処理により取得された予約情報に基づき、予約装置を決定する。予約装置は、前記1以上の画像処理装置のうちの、予約ユーザに使用させる1つである。
設定処理は、使用開始時刻以前の第1のタイミングが到来することに応じて実行する処理である。設定処理は、予約装置が第1の状態に設定されている場合に当該予約装置を第3の状態に設定すること、または、予約装置が第2の状態に設定されている場合に当該予約装置を第1の状態若しくは第3の状態に設定することを含む。第3の状態は、使用が禁止された状態であって認証条件が成立することに応じて使用が許可される状態である。
【0009】
なお、予約情報に、予約装置に決定されるべき画像処理装置を指定する指定情報が含まれていてもよい。その場合、決定処理では、その指定情報で指定されている画像処理装置を予約装置に決定してもよい。
【0010】
このようなプログラムが情報処理装置で実行されると、少なくとも第1のタイミング以後は、予約装置を使用するためには認証条件を成立させることが必要となる。そのため、例えば、認証条件を成立させるための方法を予約ユーザへ通知して他のユーザには通知しないことで、予約ユーザが予約装置を使用したいときに既に他のユーザに使用されているという事態の発生を抑制することが可能となる。
【0011】
本開示の別の一局面では、上記プログラムが実行されるように構成された情報処理装置が提供されてもよい。本開示のさらに別の一局面では、上記プログラムが実行される情報処理装置において用いられる方法が提供されてもよい。本開示のさらに別の一局面では、上記プログラムが実行される情報処理装置と1以上の画像処理装置とを含むシステムが提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の画像処理システムの概要を示す説明図である。
図2】モバイルデバイス及びクレードルのブロック図である。
図3】PCのブロック図である。
図4】管理装置のブロック図である。
図5】第1実施形態のデバイス予約管理画面の一例を示す説明図である。
図6図6Aは第1テーブルを示す説明図、図6Bは第2テーブルを示す説明図である。
図7】第1実施形態のポーリング処理のフローチャートである。
図8】メイン処理のフローチャートである。
図9】返却対応処理のフローチャートである。
図10】第2実施形態のポーリング処理のフローチャートである。
図11】第2実施形態のユーザ予約管理画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
(1-1)画像処理システムの概要
図1に示す本実施形態の画像処理システム1は、管理装置10と、1以上のモバイルデバイスとを備える。モバイルデバイスは、いくつ備えられていてもよい。本実施形態の画像処理システム1は、例えば、第1モバイルデバイス31と、第2モバイルデバイス32と、第3モバイルデバイス33とを備える。第1~第3モバイルデバイス31~33は、それぞれ異なる構成を有していてもよいが、本実施形態では、一例として、互いに同じ構成を有する。
【0014】
画像処理システム1は、さらに、複合機34を備えていてもよい。画像処理システム1は、さらに、不図示の1以上の画像処理装置を備えていてもよい。
第1~第3モバイルデバイス31~33、複合機34、及び不図示の1以上の画像処理装置はそれぞれ、画像処理機能を備える。画像処理機能は、例えば、印刷機能及びスキャン機能の少なくとも一方を含む。印刷機能は、画像データを取得してその画像データが示す画像をシート状の被記録媒体に印刷する機能である。スキャン機能は、画像を読み取ってその読み取った画像を示す画像データを生成する機能である。本実施形態では、第1~第3モバイルデバイス31~33は例えば印刷機能を備え、複合機34は例えば印刷機能及びスキャン機能を備える。
【0015】
第1~第3モバイルデバイス31~33及び複合機34はそれぞれ、例えば、定位置に据え置かれて使用されることを前提とした据え置き型の画像処理装置であってもよいし、容易に持ち運び可能であってそのように持ち運びされることを前提としたハンディ型の画像処理装置であってもよい。本実施形態では、例えば、第1~第3モバイルデバイス31~33はいずれもハンディ型であり、複合機34は据え置き型である。また、第1~第3モバイルデバイス31~33はそれぞれ、本実施形態では、例えばいわゆるラベルプリンタに分類される。ラベルプリンタは、ロール紙へ画像を印刷する機能を有する。ロール紙は、ロール状に巻回された長尺の被記録媒体である。
【0016】
画像処理システム1は、さらに、1以上のパーソナルコンピュータ(以下、PC)を備えている。PCはいくつ備えられていてもよい。本実施形態の画像処理システム1は、例えば、第1PC71と、第2PC72と、第3PC73と、第4PC74とを備える。
【0017】
第1~第4PC71~74はそれぞれ、例えば特定のユーザが使用するように割り当てられている。具体的には、例えば、第1PC71はユーザAに割り当てられ、第2PC72はユーザBに割り当てられ、第3PC73はユーザCに割り当てられ、第4PC74はユーザDに割り当てられている。
【0018】
管理装置10は、通信ネットワーク150に接続されている。第1~第3モバイルデバイス31~33は、通信ネットワーク150に直接またはクレードルを介して接続可能である。図1は、第1モバイルデバイス31が第1クレードル51を介して通信ネットワーク150に間接的に接続され、第2モバイルデバイス32が第2クレードル52を介して通信ネットワーク150に間接的に接続され、第3モバイルデバイス33が通信ネットワーク150に直接接続されている例を示している。第1~第4PC71~74はそれぞれ、通信ネットワーク150に接続されている。また、複合機34は、通信ネットワーク150に接続されている。不図示の1以上の画像処理装置も、通信ネットワーク150に接続されていてもよい。
【0019】
通信ネットワーク150は、有線のネットワークを含んでいてもよいし、無線のネットワークを含んでいてもよい。なお、本実施形態において、通信ネットワーク150に「接続」されるとは、通信ネットワーク150を通じて他の装置と通信可能な状態になることを意味する。
【0020】
本実施形態の通信ネットワーク150は、WAN(Wide Area Network)200に接続されている。WAN200はどのようなネットワークでもよい。本実施形態のWAN200は、例えば、TCP/IPプロトコルに従って通信が行われるように構成されたインターネットである。通信ネットワーク150に接続されている各種装置は、WAN200に接続された他のネットワークとWAN200を通じて通信可能であってもよい。
【0021】
管理装置10及び第1~第4PC71~74のうちの一部または全ては、通信ネットワーク150とは別のネットワークに接続されていてもよい。例えば、管理装置10が、通信ネットワーク150に接続されずにWAN200に接続されていて、WAN200を通じて通信ネットワーク150に接続可能であってもよい。また例えば、第1~第4PC71~74のうちのいずれか1つ以上が、通信ネットワーク150に接続されずにWAN200に接続されていて、WAN200を通じて通信ネットワーク150に接続可能であってもよい。
【0022】
第1クレードル51及び第2クレードル52はそれぞれ通信ネットワーク150に接続されている。第1モバイルデバイス31は、第1クレードル51に着脱可能である。第2モバイルデバイス32は、第2クレードル52に着脱可能である。第1,第2モバイルデバイス31,32はそれぞれ、第1,第2クレードル51,52のどちらにも装着可能であってもよい。ただし、本実施形態では、例えば、管理の都合上、第1モバイルデバイス31は第1クレードル51に装着するように予め取り決められており、第2モバイルデバイス32は第2クレードル52に装着するように予め取り決められている。
【0023】
第1クレードル51は、第1クレードル51に装着された第1モバイルデバイス31へ充電電力を供給する機能を備える。第1クレードル51は、さらに、第1モバイルデバイス31と、通信ネットワーク150に接続されている他の装置との通信を中継する機能を備える。第2クレードル52についても、第2モバイルデバイス32に対し、第1クレードル51と同様の機能を発揮する。
【0024】
管理装置10は、デバイス管理機能を有する。デバイス管理機能は、通信ネットワーク150に接続された1以上の管理対象デバイスのそれぞれを管理する。具体的には、例えば、各管理対象デバイスから、当該管理対象デバイスの機能及び/または状態を示すデバイス情報(本開示の装置情報の一例に相当)を取得する。また例えば、各管理対象デバイスへ各種の要求を行う。各種の要求には、後述する設定値の設定(更新)要求が含まれる。本実施形態では、少なくとも第1~第3モバイルデバイス31~33は、管理対象デバイスに該当する。複合機34及び不図示の1以上の画像処理装置も管理対象デバイスに該当してもよい。
【0025】
第1~第4PC71~74はそれぞれ、スケジューラ82b(図3参照)を備えている。スケジューラ82bは、ユーザのスケジュールを管理するための各種機能を備えたソフトウェアである。スケジューラの一例として、例えば、マイクロソフト社が提供するOutlookが挙げられる。マイクロソフト及びOutlookはいずれも登録商標である。
【0026】
第1PC71のスケジューラ82bには、ユーザAのスケジュールが、例えばユーザAによる入力操作等によって登録される。第2PC72のスケジューラ82bには、ユーザBのスケジュールが、例えばユーザBによる入力操作等によって登録される。第3PC73のスケジューラ82bには、ユーザCのスケジュールが、例えばユーザCによる入力操作等によって登録される。第4PC74のスケジューラ82bには、ユーザDのスケジュールが、例えばユーザDによる入力操作等によって登録される。
【0027】
本実施形態のスケジューラ82bに登録可能なスケジュールには、使用予定情報が含まれる。使用予定情報は、複数の管理対象デバイスのうちのいずれかの使用予定を示す情報、換言すればいずれかの管理対象デバイスを使用することの予約を示す情報である。つまり、本実施形態では、ユーザは、スケジューラ82bに、管理対象デバイスの予約を登録することができる。
【0028】
使用予定情報は、例えば、予約対象の管理対象デバイスである予約デバイスと、使用時刻情報を含む。使用時刻情報は、少なくとも使用開始時刻を含む。使用開始時刻は、予約デバイスの使用を開始する予定の時刻である。使用時刻情報は、さらに例えば、使用を終了する予定の時刻である使用終了時刻、若しくは、使用開始時刻から使用終了時刻までの時間を含んでいてもよい。この場合の使用時刻情報は本開示における使用予定期間の一例に相当する。
【0029】
管理装置10も、スケジューラ12c(図4参照)を備える。管理装置10のスケジューラ12cと、第1~第4PC71~74それぞれのスケジューラとは、互いに共有関係にあり、少なくとも、第1~第4PC71~74それぞれのスケジューラで登録されたスケジュールが、管理装置10のスケジューラ12cに共有される。つまり、管理装置10のスケジューラ12cには、第1~第4PC71~74それぞれのスケジューラで登録された、ユーザA~Dそれぞれのスケジュールが共有され、登録される。そのため、管理装置10のスケジューラ12cを参照することで、第1~第4PC71~74それぞれで登録されているスケジュールを把握できる。つまり、第1~第4PC71~74それぞれのスケジューラで予約された予約デバイスを管理装置10のスケジューラ12cで一括管理できる。
【0030】
なお、スケジューラ12cは、管理装置10とは別の装置に搭載されていてもよい。この場合は、管理装置10は、当該別の装置と通信ネットワーク150を介して通信することによりスケジューラ12cを参照できてもよい。
【0031】
管理装置10のデバイス管理機能は、さらに、予約対応機能を含む。予約対応機能は、スケジューラ12cを参照して各ユーザA~Dのスケジュール(特に管理対象デバイスの予約の有無)を監視し、予約がある場合に、当該予約に基づく各種処理(詳細は後述)を実行する機能である。
【0032】
予約対応機能には、各管理対象デバイスのセキュリティ状態を変更する機能が含まれる。
各管理対象デバイスは、複数種類のセキュリティ状態のいずれかをとり得る。本実施形態では、セキュリティ状態として、初期状態と、認証受付状態とを有する。管理装置10は、各管理対象デバイスのセキュリティ状態を変更することができる。
【0033】
初期状態は、使用が禁止されて誰も使用できないか若しくは特定人(例えば特定の管理者)にのみ使用が許可された状態であり、ユーザA~Dを含む一般のユーザが使用できない状態である。この初期状態は、本開示における第2の状態の一例に相当する。
【0034】
認証受付状態は、基本的には初期状態と同様に使用が禁止されて誰も使用できないか若しくは特定人にのみ使用が許可された状態であるが、認証条件が成立することに応じて使用が許可される状態である。この認証受付状態は、本開示における第3の状態の一例に相当する。
【0035】
認証受付状態において、認証条件はどのように設定されてもよい。例えば、認証受付状態にされている管理対象デバイスに直接または通信ネットワーク150を通じて特定のパスワードが入力されることによって認証条件が成立してもよい。また、いわゆるアクティブディレクトリ認証を利用してもよい。
【0036】
本実施形態では、各管理対象デバイスは、基本的には例えば初期状態に設定されている。そして、予約状況等に応じて、管理装置10により認証受付状態に変更されたり、認証受付状態から初期状態に復帰されたりする。
【0037】
本実施形態の画像処理システム1は、例えば次のように運用される。即ち、通常は、図1に示すように、第1~第3モバイルデバイス31~33を含む複数の管理対象デバイスが通信ネットワーク150に接続されている。複数のユーザ(例えばユーザA~D)にはそれぞれ、管理対象デバイスを用いることを前提とする業務が割り当てられている。複数のユーザはそれぞれ、自身の業務を遂行する際、複数の管理対象デバイスのうちの1つを通信ネットワーク150から切り離して持ち出し、その持ち出した管理対象デバイスを使用して業務を遂行する。特定の管理対象デバイスを予約している期間においては、ユーザは、予約した予約デバイスを持ち出す。
【0038】
ユーザは、管理対象デバイスを、通信ネットワーク150に接続された状態のまま使用可能である。ただし、各ユーザによる業務は、通常、通信ネットワーク150が構築された場所とは異なる場所で行われる。そのため、通常は、各ユーザは、使用する管理対象デバイスを通信ネットワーク150から切り離して作業場所へ持って行き、その作業場所で、業務遂行のために使用する。そして、業務終了後、ユーザは、持ち出した管理対象デバイスを返却する。ここでいう返却とは、通信ネットワーク150に接続することを含む。管理対象デバイスが返却されることは、ユーザによる使用が終了したことの一態様である。
【0039】
なお、持ち出された管理対象デバイスが、第1、第2モバイルデバイス31,32のような、通信ネットワーク150に直接接続されずにクレードルに装着するように運用されるものである場合は、クレードルから取り外すことが、当該管理対象デバイスを持ち出す(通信ネットワーク150から切り離す)ことに対応し、クレードルに装着することが、当該管理対象デバイスを返却することに対応する。
【0040】
(1-2)モバイルデバイス及びクレードルの構成
第1~第3モバイルデバイス31~33及び第1、第2クレードル51,52について、図2を参照してより具体的に説明する。本実施形態では、第1~第3モバイルデバイス31~33はいずれも同じ構成であり、第1、第2クレードル51,52はいずれも同じ構成である。そのため、ここでは主に第1モバイルデバイス31及び第1クレードル51の構成について説明する。
【0041】
第1モバイルデバイス31は、制御部41と、記憶部42と、入力I/F43と、表示I/F44と、第1通信I/F45と、第2通信I/F46と、第3通信I/F47と、印刷部48と、バッテリ49とを備える。
【0042】
制御部41は、例えばCPUを有する。記憶部42は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の各モバイルデバイス31~33は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。記憶部42には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。
【0043】
制御部41は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部42が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部41により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0044】
入力I/F43は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F43が有する入力用デバイスは、例えば、不図示の操作スイッチ、不図示のタッチパネルなどを含んでいてもよい。
【0045】
表示I/F44は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。表示I/F44は、例えばLEDなどの発光デバイスを有していてもよい。
【0046】
第1通信I/F45は、第1モバイルデバイス31を通信ネットワーク150に接続するためのI/Fである。通信I/F45は、例えば有線LANまたは無線LANのI/Fを含んでいてもよい。なお、本実施形態では、第1、第2モバイルデバイス31、32それぞれの第1通信I/F45は通信ネットワーク150に接続されておらず、第3モバイルデバイス33の第1通信I/F45が通信ネットワーク150に接続されている。
【0047】
第2通信I/F46は、第1クレードル51に接続して第1クレードル51と通信(換言すれば、第1クレードル51を介して間接的に通信ネットワーク150に接続)するためのI/Fである。本実施形態では、第2通信I/F46は例えばUSBの通信規格に基づくデータ通信が可能なI/Fである。
【0048】
第3通信I/F47は、第1通信I/F45及び第2通信I/F46とは異なる通信方式での無線通信が可能なI/Fである。第3通信I/F47は、どのような通信方式に対応していてもよい。本実施形態では例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)の通信方式に対応していてもよい。
【0049】
印刷部48は、前述の印刷機能を実現する。
バッテリ49は、第1モバイルデバイス31の電源として機能し、第1モバイルデバイス31の内部の各部へ電力を供給する。第1モバイルデバイス31内の各部は、バッテリ49の電力により動作する。バッテリ49は一次電池であってもよいが、本実施形態のバッテリ49は、繰り返し充電可能な二次電池である。バッテリ49には、第1クレードル51から充電電力が入力される。バッテリ49はこの充電電力により充電される。なお、制御部41は、バッテリ残量を検出する機能を有する。バッテリ残量とは、バッテリ49に充電されている電力の残量である。
【0050】
第1モバイルデバイス31は、1以上(本実施形態では例えば複数)の設定項目を有し、それら設定項目のそれぞれに設定値が設定される。第1モバイルデバイス31は、それら設定値に基づいて作動する。各設定値は、例えば、記憶部42または印刷部48に記憶されることにより設定される。各設定項目の設定値には、前述の印刷機能の実行時に用いられる1以上の設定項目の設定値、前述のスキャン機能の実行時に用いられる1以上の設定項目の設定値、及び/または表示I/F44の制御に用いられる1以上の設定項目の設定値が含まれる。
【0051】
設定項目の一例として、例えば、印刷濃度、用紙タイプ、用紙サイズ、用紙幅、テンプレート、表示言語、表示明度などが挙げられる。印刷濃度は、被記録媒体へ印刷する画像の濃度を示す。用紙タイプは、画像を印刷する被記録媒体の種類を示す。用紙サイズは、画像を印刷する被記録媒体のサイズを示す。用紙幅は、画像を印刷する被記録媒体の幅を示す。テンプレートは、印刷対象の画像のひな形を示す。第1モバイルデバイス31では、印刷対象の画像を、各種テンプレートのうちの選択されたいずれか1つに組み込んで印刷させることが可能である。表示言語は、表示I/F44に表示される文字の言語の種類を示す。表示明度は、表示I/F44における表示デバイスの明るさを示す。
【0052】
設定項目それぞれ、複数の設定値が用意されており、それら複数の設定値のうちのいずれか1つが設定される。例えば、用紙タイプの設定値として、普通紙、光沢紙、ラベルなどが用意されており、これらのうちの1つが設定される。また例えば、テンプレートの設定値として、第1テンプレート~第nテンプレート(nは自然数)が用意されており、これらのうちの1つが設定される。また例えば、表示言語の設定値として、日本語、英語などが用意されており、これらのうちの1つが設定される。
【0053】
第1モバイルデバイス31は、各種のオプション品を装着可能である。各種オプション品として、例えば、商用電源からバッテリ49へ充電電力を供給するための電源アダプタ、自動車の電源コンセント(いわゆるシガーソケット)からバッテリ49へ充電電力を供給するためのカーアダプタ、第1モバイルデバイス31をユーザの衣服に取り付けるためのクリップ、バーコードを読み取るバーコードリーダ、などが挙げられる。
【0054】
第1クレードル51は、充電出力回路61と、第1通信I/F62と、通信制御部63と、第2通信I/F64と、表示I/F65とを備える。充電出力回路61は、不図示の電源コードを介して外部電源180と接続可能である。外部電源180はどのような電源であってもよい。本実施形態では、外部電源180は例えば交流100Vを供給する商用電源である。充電出力回路61は、外部電源180から入力された電力を、バッテリ49を充電するための前述の充電電力に変換する。第1モバイルデバイス31が第1クレードル51に装着されると、充電出力回路61で生成された充電電力が第1モバイルデバイス31のバッテリ49へ供給される。
【0055】
第1通信I/F62は、第1クレードル51を通信ネットワーク150に接続するためのI/Fであり、例えば第1モバイルデバイス31の第1通信I/F45と同様に構成されている。第1通信I/F62は、通信ネットワーク150に接続されている。
【0056】
第2通信I/F64は、第1クレードル51を第1モバイルデバイス31と通信可能に接続するためのI/Fであり、例えば第1モバイルデバイス31の第2通信I/F46と同様に構成されている。第1モバイルデバイス31が第1クレードル51に装着されると、第1モバイルデバイス31の第2通信I/F46が第1クレードル51の第2通信I/F64に接続される。
【0057】
通信制御部63は、第1通信I/F62を介して、通信ネットワーク150に接続された管理装置10と通信を行う。通信制御部63は、さらに、第2通信I/F64を介して、第1クレードル51に装着された第1モバイルデバイス31と通信を行う。通信制御部63は、管理装置10と第1モバイルデバイス31との通信を中継する機能を有する。例えば、第1モバイルデバイス31を対象とする各種要求を管理装置10から受けた場合、通信制御部63は、第2通信I/F64を介して第1モバイルデバイス31へ当該要求を出力する。また例えば、第1モバイルデバイス31から、管理装置10を送信先とする各種データを受けた場合、通信制御部63は、そのデータを第1通信I/F62を介して管理装置10へ送信する。
【0058】
通信制御部63は、さらに、表示I/F65を制御する。表示I/F65は、例えばLEDなどの発光デバイスを有する。表示I/F65は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有していてもよい。
【0059】
(1-3) PCの構成
第1~第4PC71~74について、図3を参照してより具体的に説明する。本実施形態では、第1~第4PC71~74はいずれも同じ構成であるため、ここでは主に第1PC71の構成について説明する。
【0060】
第1PC71は、制御部81と、記憶部82と、入力I/F83と、表示I/F84と、第1通信I/F85と、第2通信I/F86とを備える。
制御部81は、例えばCPUを有する。記憶部82は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の第1PC71は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0061】
制御部81は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部82が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部81により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0062】
記憶部82には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部82に、ソフトウェアとして、OS82aと、前述のスケジューラ82bとが記憶されている。OS82aおよびスケジューラ82bは、制御部81を含むコンピュータシステムにインストールされている。スケジューラ82bは、いつ、どのように第1PC71にインストールされてもよい。
【0063】
入力I/F83は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F13が有する入力用デバイスには、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどが含まれていてもよい。
【0064】
表示I/F84は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
第1通信I/F85は、第1PC71を通信ネットワーク150に接続するためのI/Fである。第2通信I/F86は、第1通信I/F85とは異なる通信方式で他のネットワーク或いは通信装置等と通信するためのI/Fである。
【0065】
第1PC71のユーザAは、スケジューラ82bに、前述の使用予定情報を登録できる。即ち、ユーザAは、所望の管理対象デバイスの使用予約、つまりどの管理対象デバイスをどの時間帯に使用したいかを予約できる。使用予定情報は、管理装置10に送信されて管理装置10のスケジューラ12cに共有される。
【0066】
スケジューラ82bは、予約毎にユーザが設定情報を対応付けて登録できるように構成されている。設定情報は、前述の複数の設定項目のうちの1以上の所定の設定項目それぞれの特定の設定値を示す。
【0067】
スケジューラ82bは、さらに、予約毎にユーザが業務情報を対応付けて登録可能である。業務情報は、対応する予約の時間帯でユーザが予約デバイスを用いて遂行する予定の業務の内容を示す。
【0068】
ユーザは、設定情報及び業務情報をそれぞれ任意に登録することができる。また、登録する設定情報の内容、即ち設定項目の種類や設定値などは、ユーザが任意に決めることができる。登録する業務情報の内容についてもユーザが任意に決めることができる。
【0069】
(1-4)管理装置の構成
次に、管理装置10の構成について、図4を参照して説明する。管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、入力I/F13と、表示I/F14と、第1通信I/F15と、第2通信I/F16とを備える。
【0070】
制御部11は、例えばCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の管理装置10は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0071】
制御部11は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0072】
記憶部12には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部12に、ソフトウェアとして、OS12aと、管理ソフトウェア12bと、前述のスケジューラ12cとが記憶されている。管理ソフトウェア12bは、後述する図5の管理処理のプログラムを含む。OS12a、管理ソフトウェア12b及びスケジューラ12cは、制御部11を含むコンピュータシステムにインストールされている。管理ソフトウェア12b及びスケジューラ12cは、いつ、どのように管理装置10にインストールされてもよい。
【0073】
スケジューラ12cは、第1~第4PC71~74それぞれのスケジューラ82bを含む他の各スケジューラとの共有機能により、他の各スケジューラにおけるスケジュールを一括管理する。即ち、各ユーザA~Dが自身のPCのスケジューラ82bに使用予定情報を登録すると、その使用予定情報が管理装置10のスケジューラ12cに共有され、スケジューラ12cにも同様に登録される。
【0074】
スケジューラ12cは、具体的には、図5に例示するように、管理対象デバイス毎の予約の有無を管理する。
図5は、スケジューラ12cにより提供される所定のデバイス予約管理画面の一例を示す。デバイス予約管理画面は、管理対象デバイス毎の、予約の有無や時間帯、予約ユーザなどの、登録されている予約の一覧を示す。デバイス予約管理画面は、管理装置10の表示I/F14に表示される。
【0075】
図5に示すデバイス予約管理画面は、一例として、第1モバイルデバイス31に対してユーザA及びユーザBによる予約が登録されていて、第2モバイルデバイス32に対してユーザCによる予約が登録されていて、第3モバイルデバイス33に対してユーザDによる予約が登録されている例を示している。
【0076】
より具体的には、第1モバイルデバイス31に対しては、ユーザAによる9時30分から11時25分までの使用の予約が登録され、ユーザBによる12時から13時50分までの使用の予約が登録されている。第2モバイルデバイス32に対しては、ユーザCによる10時30分から12時25分までの使用の予約が登録されている。第3モバイルデバイス33に対しては、ユーザDによる10時から15時までの使用の予約が登録されている。
【0077】
さらに、図5に示すデバイス予約管理画面の一例においては、ユーザAによる第1モバイルデバイス31の予約に、「第1業務」というテキストで示される業務情報が対応付けられて登録されている。また、ユーザBによる第1モバイルデバイス31の予約に、設定ファイルFbというファイル名の設定情報が対応付けられて登録されている。また、ユーザCによる第2モバイルデバイス32の予約に、設定ファイルFcというファイル名の設定情報が対応付けられて登録されている。また、ユーザDによる第3モバイルデバイス33の予約に、「第4業務」というテキストで示される業務情報が対応付けられて登録されている。
【0078】
なお、ユーザは、管理装置10のスケジューラ12cに直接または間接的にアクセスして、スケジューラ12cに対して直接予約を登録できてもよい。その場合、スケジューラ12cに登録した予約が、自身のPCのスケジューラ82bを含む他の各ユーザのPCのスケジューラ82bに共有されてもよい。
【0079】
管理ソフトウェア12bは、スケジューラ12cから、登録されている予約毎の予約情報を取得できる。予約情報は、スケジューラ12cにおいて共有されている各ユーザの予約(つまり使用予定情報)を示す情報である。図5に例示したデバイス予約管理画面は、ユーザA~Dによる4つの予約それぞれの予約情報が可視化されたものであると言える。つまり、予約情報は、対応する予約の予約ユーザと使用時刻情報とを含む。予約に設定情報または業務情報が対応付けられている場合は、当該予約の予約情報は、その設定情報または業務情報も含む。
【0080】
管理ソフトウェア12bは、スケジューラ12cから予約情報を取得することで、複数のユーザそれぞれによる予約状況を把握できる。即ち、管理ソフトウェア12bは、どのユーザがどの時間帯に管理対象デバイスの使用予約を登録しているかを把握できる。また、本実施形態では、各ユーザは、使用時間帯の予約に加え、その使用時間帯に使用することを望む管理対象デバイスを指定して予約できる。そのため、管理ソフトウェア12bは、予約情報に基づいて、予約毎に、どの管理対象デバイスが指定されているのかを把握できる。
【0081】
記憶部12には、さらに、図6Aに例示する第1テーブル、及び図6Bに例示する第2テーブルが記憶されている。第1テーブルは、ユーザ毎に、ユーザと設定情報とが対応付けられた情報(例えばデータベースの一種)である。第1テーブルにおける各設定情報は、対応するユーザがいずれかの管理対象デバイスを使用する際にその管理対象デバイスで用いられるべきまたは用いられるのが好ましい、1以上の所定の設定項目それぞれの特定の設定値を示す。つまり、設定情報は、ユーザが業務上あるいは所定の目的でいずれかの管理対象デバイスを用いる際に、その使用目的を好適に達成するためにその管理対象デバイスにおいて設定されているべきまたは設定されていることが好ましい、1以上の所定の設定項目それぞれの特定の設定値を示す。
【0082】
ユーザが使用目的を好適に達成し得る設定値は、ユーザによって、或いはユーザが行う業務の内容によって、異なり得る。第1テーブルには、ユーザ毎に、当該ユーザに適した(例えば当該ユーザの業務内容に適合した)設定情報が登録されている。
【0083】
第2テーブルは、複数種類の業務情報毎に、業務情報と設定情報とが対応付けられた情報である。第2テーブルにおける各設定情報は、対応する業務情報が示す業務を管理対象デバイスを用いて遂行するためにその管理対象デバイスで用いられるべきまたは用いられるのが好ましい、1以上の所定の設定項目それぞれの特定の設定値を示す。特定の業務を好適に遂行し得る設定値は、業務の内容によって異なり得る。第2テーブルには、業務情報毎に、当該業務情報が示す業務に適した設定情報が登録されている。
【0084】
第1テーブル及び第2テーブルはそれぞれ管理ソフトウェア12bにより参照される。また、第1テーブルは、管理ソフトウェア12bによって適宜更新され得る。
(1-5)画像処理システムの動作例
本実施形態の画像処理システム1の動作例について概略説明する。一例として、ユーザAが、9時30分から11時25分まで、第1モバイルデバイス31を用いて第1業務を遂行したいと考えたことを想定する。この場合、ユーザAは、例えば自身の第1PC71のスケジューラ82bに対し、9時30分から11時25分までの第1モバイルデバイス31の使用を予約する。その際、ユーザAは、業務情報として「第1業務」というテキストを対応付けて登録する。当該予約は管理装置10のスケジューラ12cに共有され、スケジューラ12cに登録される。図5は、ユーザAによる上記予約がスケジューラ12cに共有された状態を示している。
【0085】
なお、予約に対して業務情報を登録することは任意であり、登録しなくてもよい。また、図5に例示するユーザB,Cの予約例のように、業務情報に代えて設定情報を対応付けて登録してもよい。
【0086】
管理装置10の管理ソフトウェア12bは、適宜のタイミングで(例えば周期的に)、例えばスケジューラ12cへのポーリングを行うこと等によって、スケジューラ12cにおける各ユーザの予約状況を監視する。ユーザAにより上記予約がなされると、管理ソフトウェア12bは、当該予約が登録されたことを把握する。
【0087】
管理ソフトウェア12bは、ユーザAによる上記予約の登録を把握すると、当該予約に基づく予約対応機能を実行する。
具体的には、当該予約の使用開始時刻に基づき、その使用開始時刻以前の準備開始タイミング(本開示における第1のタイミングの一例に相当)が到来することに応じて、予約デバイスである第1モバイルデバイス31のセキュリティ状態を、初期状態から認証受付状態に変更する。さらに、認証に必要な認証情報(例えばパスワード)をユーザAに通知する。認証情報の通知はどのような方法で行われてもよい。例えば、ユーザAが所有する情報処理装置(例えば第1PC71、不図示のスマートフォンなど)へ、電子メールに添付して或いはその他の方法で送信してもよい。
【0088】
セキュリティ状態の変更はどのように行われてもよい。例えば、通信ネットワーク150を介して第1モバイルデバイス31へ変更要求を送信してもよい。この場合、第1モバイルデバイス31は、変更要求を受信することに応じて、その変更要求に応じたセキュリティ状態の変更を行ってもよい。
【0089】
さらに、管理ソフトウェア12bは、当該予約に業務情報が登録されていることに基づき、その業務情報に対応する設定情報を第2テーブルから取得する。そして、その取得した設定情報を第1モバイルデバイス31へ送信する。第1モバイルデバイス31は、管理装置10から設定情報を受信すると、当該第1モバイルデバイス31において設定されている各種設定項目それぞれの設定値のうち、受信した設定情報に含まれている設定項目の設定値を、受信した設定値に更新する。
【0090】
例えばユーザBの予約のように、ユーザAの予約に仮に設定ファイルが登録されている場合は、その設定ファイル、若しくはその設定ファイルに含まれている設定情報を、第1モバイルデバイス31へ送信する。この場合も、第1モバイルデバイス31は、管理装置10から送信された設定情報に基づいて自身の設定値を更新する。
【0091】
なお、管理ソフトウェア12bは、ユーザAの予約を把握した後、使用開始時刻が到来するまでのどのタイミングで設定情報を送信してもよい。例えば、予約を把握したら、準備開始タイミングの到来を待つことなく設定情報を送信してもよい。
【0092】
ユーザAは、通知された認証情報に従って第1モバイルデバイス31に対する所定の認証操作(例えばパスワードの入力)を行う。認証操作が正しく行われると、認証条件が成立し、第1モバイルデバイス31を使用できるようになる。
【0093】
ユーザAは、第1モバイルデバイス31を所定の作業場所へ持ち出して使用する。業務終了後、ユーザAは、第1モバイルデバイス31を返却する。
管理ソフトウェア12bは、第1モバイルデバイス31の返却を検知した後、所定の復帰タイミングで、第1モバイルデバイス31のセキュリティ状態を初期状態に変更する。初期状態への変更についても、認証受付状態への変更と同様の方法で行われてもよい。復帰タイミングはどのように設定されてもよい。本実施形態では、復帰タイミングは例えば予約した使用終了時刻が到来したタイミングである。
【0094】
(1-6)管理装置による各種処理
上述の動作例を実現するために管理装置10の管理ソフトウェア12bにより実行される、ポーリング処理、メイン処理及び返却対応処理について、図7図9を参照して説明する。
【0095】
(1-6-1)ポーリング処理
まず、ポーリング処理について説明する。管理装置10の制御部11は、起動後、図7に示すポーリング処理を、例えば周期的に繰り返し実行する。
【0096】
制御部11は、ポーリング処理を開始すると、S110で、スケジューラ12cから予約情報を取得する。S120では、S110で取得した予約情報を保存する。ここではさらに、スケジューラ12cに登録されている予約毎に、当該予約をしたユーザに使用させる管理対象デバイスである予約デバイスを決定する。
【0097】
ただし、本実施形態では、ユーザによる予約の段階で、予約デバイスとすべき管理対象デバイスがユーザにより指定される。そのため、本実施形態の、S120における予約デバイスの決定とは、ユーザにより指定されている管理対象デバイスをそのまま予約デバイスに決定すること、あるいは指定されている管理対象デバイスを予約デバイスとして認識、把握または追認することを意味する。
【0098】
S130以降の処理は、予約情報毎に実行される。即ち、S130では、当該予約情報に付属情報が対応付けられて登録されているか否か判断する。付属情報は、前述の設定情報(設定ファイル)または業務情報を含む。付属情報が登録されている場合は、S140に移行する。S140では、登録されている付属情報が設定情報または業務情報のいずれであるかを判断する。付属情報が設定情報である場合は、S150に移行する。S150では、当該予約に対する設定情報送信フラグをオンに設定する。S150では、さらに、付属情報として登録されている設定情報を、当該予約における、後で予約デバイスへ送信すべき送信対象情報に設定する。
【0099】
S140で、登録されている付属情報が業務情報である場合は、S160に移行する。S160では、第2テーブル(図6B参照)から、その業務情報に対応付けられた設定情報を取得する。S160の処理後はS150に移行する。S160からS150に移行した場合におけるS150では、当該予約に対する設定情報送信フラグをオンに設定すると共に、S160で取得された設定情報を、当該予約における送信対象情報に設定する。
【0100】
S130で、当該予約情報に付属情報が登録されていない場合は、S170に移行する。S170では、予約デバイスへ設定情報を送信する必要があるか否かを判断する。ユーザにより付属情報が登録されていないということは、必ずしも予約情報を予約デバイスへ送信する必要はないと考えられる。一方、使用目的に適した設定情報を予約デバイスに設定したいものの、ユーザがスケジューラ82bに設定情報を事前登録できない、あるいは事前登録を失念することも想定される。このような状況を想定して、本実施形態では、予約情報に付属情報が登録されていない場合は、S170で、予約デバイスへ設定情報を送信する必要があるか否かを判断するようにしている。
【0101】
設定情報を送信する必要があるか否かの判断基準はどのように決められてもよい。例えば、管理装置10において、ユーザ毎に予め設定情報送信の要否が登録されていて、その登録内容に従って判断してもよい。或いは、ユーザに要否を問合せ、その問合せに対するユーザからの返答に基づいて判断してもよい。あるいは、ユーザがスケジューラ82bに予約を登録するときに、設定情報送信の要否を示す情報を登録できてもよい。そして、その情報に基づいて判断してもよい。
【0102】
S170で、設定情報を送信する必要はないと判断した場合は、本ポーリング処理を終了する。設定情報を送信する必要があると判断した場合は、S180に移行する。S180では、第1テーブル(図6A)を参照し、当該予約のユーザに対応付けられている設定情報を取得する。S180の処理後はS150に移行する。S180からS150に移行した場合におけるS150では、当該予約に対する設定情報送信フラグをオンに設定すると共に、S180で取得された設定情報を、当該予約における送信対象情報に設定する。
【0103】
(1-6-2)メイン処理
次に、メイン処理について説明する。管理装置10の制御部11は、起動後、図8に示すメイン処理を、例えば周期的に繰り返し実行する。
【0104】
制御部11は、メイン処理を開始すると、S310で、S120で保存した予約情報(特に使用開始時刻)に基づき、何れかの予約デバイスの準備開始タイミングが到来したか否か判断する。いずれの予約デバイスもまだ準備開始タイミングが到来していない場合は、本メイン処理を終了する。いずれかの予約デバイスの準備開始タイミングが到来した場合は、S320に移行する。
【0105】
S320では、準備開始タイミングが到来した予約デバイスが存在しているか否かを確認する。具体的には、当該予約デバイスが通信ネットワーク150に接続されているか否かを確認する。
【0106】
S330では、S320の確認結果に基づき、当該予約デバイスが存在しているか否か判断する。当該予約デバイスが存在していない場合(つまり通信ネットワーク150に接続されていない場合)は、S380に移行する。S380では、報知処理を実行する。具体的には、予約デバイスが存在していないことを当該予約デバイスの予約ユーザへ報知する。ユーザへの報知はどのように行われてもよい。例えば、認証情報の送信と同様に、予約デバイスが存在していないことを示す情報を、予約ユーザが所有する情報処理装置へ、電子メールに添付して或いはその他の方法で送信してもよい。
【0107】
S330で、当該予約デバイスが存在している場合(つまり通信ネットワーク150に接続されている場合)は、S340に移行する。S340では、当該予約に対応した設定情報送信フラグがオンに設定されているか否か判断する。設定情報送信フラグがオンに設定されていない場合は、S360に移行する。設定情報送信フラグがオンに設定されている場合は、S350に移行する。
【0108】
S350では、当該予約における送信対象情報として設定されている設定情報、即ち、前述のS150において当該予約における送信対象情報に設定された設定情報を、通信ネットワーク150を通じて予約デバイスへ送信する。これにより、送信した設定情報において設定されている設定値が予約デバイスにおいて設定される。
【0109】
S360では、セキュリティ状態変更処理を実行する。具体的には、初期状態に設定されている予約デバイスを、認証受付状態に変更する。
S370では、認証情報を予約ユーザへ通知する。これにより、予約ユーザは認証情報を知ることができる。認証情報を取得した予約ユーザは、その認証情報を用いて予約デバイスに対する所定の認証操作(例えばパスワードの入力)を行うことで、予約デバイスを使用できるようになる
(1-6-3)返却対応処理
次に、返却対応処理について説明する。管理装置10の制御部11は、起動後、図9に示す返却対応処理を、例えば周期的に繰り返し実行する。
【0110】
制御部11は、返却対応処理を開始すると、S510で、返却待機中の予約デバイスがあるか否か判断する。返却待機中の予約デバイスとは、返却待機リストに登録されている予約デバイスを意味する。予約ユーザにより持ち出された予約デバイスは、後述するS590の処理で返却待機リストに登録され得る。予約デバイスが返却待機リストに登録されているということは、当該予約デバイスが持ち出されたままでまだ返却されていないことを意味する。
【0111】
S510で、返却待機中の予約デバイスがない場合は、S520に移行する。S520では、各予約情報に基づき、何れかの予約デバイスの使用終了時刻が到来したか否か判断する。いずれの予約デバイスもまだ使用終了時刻が到来していない場合は、本返却対応処理を終了する。いずれかの予約デバイスの使用終了時刻が到来した場合は、S530に移行する。
【0112】
S530では、使用終了時刻が到来した予約デバイスが返却されているか否か確認する。S540では、S530の確認結果に基づき、当該予約デバイスが返却されているか否か判断する。当該予約デバイスがまだ返却されていない場合は、S580に移行する。
【0113】
S580では、返却要請処理を実行する。具体的には、予約デバイスを返却するようにユーザに促すための、特定の報知情報を出力する。具体的には、例えば、認証情報の通知と同様の方法で報知情報をユーザへ通知してもよい。S590では、当該予約デバイスを返却待機リストに登録する。S590の処理後は、本返却対応処理を終了する。
【0114】
S540で、当該予約デバイスが返却されている場合は、S550に移行する。S550では、返却された予約デバイスから現設定情報を取得する。現設定情報とは、返却された予約デバイスで現在設定されている、1以上の所定の設定項目それぞれの設定値である。S550における取得対象の設定項目はどれであってもよいしいくつあってもよい。取得対象の設定項目は、例えば、第1テーブルにおいて当該予約デバイスの予約ユーザに対応付けられている設定情報に含まれる設定項目であってもよい。
【0115】
S560では、S550で取得された設定値に従って、第1テーブルにおける当該予約ユーザの設定情報を更新する。例えば、S550で取得した各設定項目の設定値を設定情報に加える。既に設定情報に設定されている設定項目の設定値については、S550で取得された設定値に更新する。
【0116】
S570では、セキュリティ状態復帰処理を実行する。具体的には、セキュリティ状態が認証受付状態に設定されている予約デバイスを、初期状態に戻す。S570の処理後は、本返却対応処理を終了する。
【0117】
S510で、返却待機中の予約デバイスがある場合は、S600に移行する。S600では、返却待機中の予約デバイスが返却されているか否かを確認する。S610では、S600の確認結果に基づき、当該予約デバイスが返却されているか否か判断する。当該予約デバイスがまだ返却されていない場合は、S620に移行し、S580と同様に返却要請処理を実行する。620の処理後は、本返却対応処理を終了する。
【0118】
S610で、当該予約デバイスが返却されている場合は、S630に移行する。S630では、当該予約デバイスを返却待機リストから除外する。S630の処理後は、S550に移行する。
【0119】
(1-7)第1実施形態の効果
以上説明した第1実施形態によれば、以下の(1a)~(1d)の効果を奏する。
(1a)第1実施形態では、ユーザがスケジューラ82bを介して管理対象デバイスを予約することができる。そして、予約された予約デバイスは、準備開始タイミングになるとセキュリティ状態が認証受付状態に変更される。
【0120】
認証受付状態の予約デバイスを使用するためには、対応する認証情報を用いて認証操作を行う必要がある。第1実施形態では、認証情報が、予約ユーザへ通知される。
そのため、予約ユーザが予約デバイスを使用したいときに既に他のユーザに使用されているという事態の発生を抑制することが可能となる。そして、予約ユーザは、通知された認証情報を予約デバイスに入力することで、認証を成功させることができ、予約デバイスを使用することができる。
【0121】
(1b)第1実施形態では、各ユーザは、管理対象デバイスを使用したい時間帯を予約できるのに加え、その時間体で使用したい管理対象デバイスを指定して予約することができる。そのため、ユーザは、予約時間帯において自身が望む管理対象デバイスを使用することが可能となる。
【0122】
(1c)ユーザは、管理対象デバイスの予約時に設定情報または業務情報を登録することができる。設定情報または業務情報を登録すると、その設定情報、または業務情報に対応した設定情報が、予約デバイスへ送信され、予約デバイスで反映される。そのため、ユーザは、予約時に設定情報または業務情報を登録することにより、自身の業務や使用目的に適合した設定状態で予約デバイスを使用することができる。
【0123】
また、予約時に設定情報及び業務情報のいずれも登録しない場合であっても、必要に応じて,予約ユーザに対応した設定情報を予約ユーザへ送信させることができる。
(1d)予約デバイスが持ち出された後、当該予約デバイスが適正に返却されるか否かが監視される。そのため、当該予約デバイスに対して登録されている次の予約の時間帯になっても当該予約デバイスが返却されていないという事態が発生することが抑制される。
【0124】
なお、本第1実施形態において、第1~第3モバイルデバイス31~33はそれぞれ本開示における画像処理装置の一例に相当する。管理装置10は本開示における情報処理装置の一例に相当する。管理装置10における管理ソフトウェア12bは本開示におけるプログラムの一例に相当する。管理装置10におけるスケジューラ12cは本開示における予定登録プログラムの一例に相当する。管理装置10における制御部11は本開示におけるコンピュータの一例に相当する。初期状態は本開示における第2の状態の一例に相当する。認証受付状態は本開示における第3の状態の一例に相当する。予約デバイスは本開示における予約装置の一例に相当する。
【0125】
また、S110の処理は本開示における取得処理の一例に相当する。S120の処理は本開示における決定処理の一例に相当する。S350の処理は本開示における送信処理の一例に相当する。S360の処理は本開示における設定処理の一例に相当する。S370の処理は本開示における通知処理の一例に相当する。S530の処理は本開示における検知処理の一例に相当する。S570の処理は本開示における復帰処理の一例に相当する。S580,S620の処理はいずれも本開示における報知情報出力処理の一例に相当する。
【0126】
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0127】
前述した第1実施形態では、各ユーザは、スケジューラ82bを用いて管理対象デバイスの使用を予約する際、使用したい管理対象デバイスを指定できた。これに対し、第2実施形態では、各ユーザは、管理対象デバイスの指定はできない点で、第1実施形態と相違する。
【0128】
第2実施形態では、管理装置10のスケジューラ12cは、2種類のスケジュールを管理する。1つは、図5に例示したデバイス予約管理画面に対応するデバイススケジュールである。デバイススケジュールは、デバイス毎の、どの時間帯にどのユーザが予約しているかを示す。なお、第2実施形態では、デバイススケジュールは、各PC71~74のスケジューラ82bとは共有されず、後述するように管理装置10のスケジューラ12cが設定する。
【0129】
もう1つは、図11に例示するユーザ予約管理画面に対応するユーザスケジュールである。ユーザスケジュールは、ユーザ毎の、どの時間帯に管理対象デバイスの使用が予約されているかを示す。各PC71~74のスケジューラ82bと共有されるのはユーザスケジュールである。
【0130】
即ち、各PC71~74のスケジューラ82bでは、ユーザは、基本的に、時間帯予約、即ち管理対象デバイスを使用したい時間帯を登録できる。なお、予約した時間帯毎に設定情報または業務情報を対応付けて登録できることは第1実施形態と同じである。各PC71~74のスケジューラ82bにおいて登録された時間帯予約は、管理装置10のスケジューラ12cにおいて、図11に例示するようなユーザスケジュールとして共有される。
【0131】
第2実施形態では、管理装置10の管理ソフトウェア12bは、スケジューラ12cからユーザスケジュールを取得する。そして、各ユーザの時間帯予約毎に、当該時間帯予約における予約デバイスを決定する。そして決定した予約デバイスをスケジューラ12cへ通知する。
【0132】
スケジューラ12cは、管理ソフトウェア12bから予約デバイスが通知されると、デバイススケジュールにおける予約デバイスに対し、対応する時間帯予約を登録する。例えば、図11に例示するようにユーザAによって9時30分から11時25分の時間帯を指定した時間帯予約が登録されたとする。この場合、管理ソフトウェア12bは、当該時間帯予約においてユーザAに使用させるべき予約デバイスを決定する。ここでは例えば第1モバイルデバイス31が予約デバイスに決定されたとする。管理ソフトウェア12bは、予約デバイスを決定すると、それをスケジューラ12cへ通知する。スケジューラ12cは、通知によって第1モバイルデバイス31が予約デバイスに決定されたことを認識すると、図5に例示するように、デバイススケジュールにおける、第1モバイルデバイス31のスケジュールに、ユーザAによる上記の時間帯予約を登録する。つまり、デバイススケジュールに、ユーザAによる、9時30分から11時25分の時間帯での第1モバイルデバイス31の使用予約が登録される。
【0133】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ポーリング処理、メイン処理及び返却対応処理が実行される。ただし、ポーリング処理の一部が、第1実施形態とは異なる。以下、第2実施形態のポーリング処理について、図10を参照して説明する。
【0134】
制御部11は、図10のポーリング処理を開始すると、S111で、スケジューラ12cから、ユーザスケジュール(図11参照)の情報、即ち各ユーザによる時間帯予約を取得する。S112以降の処理は、S111で取得された時間帯予約毎に個別に実行される。
【0135】
S112では、スケジューラ12cにアクセスし、デバイススケジュール(図5参照)を検索する。具体的には、各管理対象デバイスにおける、予約が登録されていない時間帯を把握する。
【0136】
S113では、S112の検索結果に基づいて予約デバイスを決定する。具体的には、時間帯予約における予約された時間帯に使用可能な管理対象デバイス、即ち、予約された時間帯においていずれのユーザの予約も登録されていない管理対象デバイス(以下、空きデバイス)を、予約デバイスに決定する。つまり、すでに他のユーザによる予約が登録された予約期間と当該時間帯予約とが重複しない管理対象デバイスを、予約デバイスに決定する。
【0137】
空きデバイスが複数存在している場合は、複数の空きデバイスのうち、当該時間帯予約の時間帯を含む連続した空き時間(即ち予約が登録されていない時間)が最も長い空きデバイスを、予約デバイスに決定する。
【0138】
S114では、デバイススケジュールにおける、S113で決定した予約デバイスに、当該時間帯予約を登録する。つまり、予約デバイスに対し、図5に例示するように、予約ユーザ及び予約時間帯を登録する。
【0139】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0140】
(3-1)上記各実施形態では、初期状態は、使用が禁止されて誰も使用できないか若しくは特定人にのみ使用が許可された状態であったが、初期状態はどのように設定されてもよい。例えば、使用が制限されずに基本的に誰でも自由に使用可能な状態を初期状態に設定してもよい。
【0141】
(3-2)逆に、初期状態は上記各実施形態と同様とし、S360によるセキュリティ状態の変更において、初期状態から、使用が制限されずに基本的に誰でも自由に使用可能な状態へ変更されてもよい。
【0142】
(3-3)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0143】
1…画像処理システム、10…管理装置、11,81…制御部、12,82…記憶部、12b…管理ソフトウェア、12c,82b…スケジューラ、31…第1モバイルデバイス、32…第2モバイルデバイス、33…第3モバイルデバイス、71~74…PC、150…通信ネットワーク。
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