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特開2022-143554画像処理システム、画像処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143554
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】画像処理システム、画像処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220926BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G06F3/12 353
H04N1/00 127B
G06F3/12 304
G06F3/12 326
G06F3/12 329
G06F3/12 360
G06F3/12 392
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044113
(22)【出願日】2021-03-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】國本 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB33
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AB50
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC38
5C062AF06
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】ユーザの使用目的に適した設定値が設定された画像処理装置を当該ユーザが効率的に取得して使用できるようにする。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報に対応した設定情報を携帯端末へ送信する。設定情報は、画像処理装置で用いられる1以上の設定値を示す。携帯端末は、情報処理装置からの設定情報を受信する。携帯端末は、ユーザによる入力操作に応じて、受信された設定情報を画像処理装置へ送信する。画像処理装置は、携帯端末からの設定情報を受信する。画像処理装置は、当該画像処理装置で設定されている1以上の設定値を、受信された設定情報が示す1以上の設定値に更新する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、
携帯端末と、
1以上の画像処理装置と、
を備えた画像処理システムであって、
前記情報処理装置は、
ユーザに関連する情報であるユーザ情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記ユーザ情報に対応した1以上の設定情報を前記携帯端末へ送信する第1送信部であって、前記1以上の設定情報の各々は、前記1以上の画像処理装置のうちの前記ユーザが使用しようとする1つである使用対象装置で用いられる1以上の設定値を示し、前記1以上の設定値は、前記使用対象装置における1以上の設定項目のそれぞれに設定可能な設定値に対応する、第1送信部と、
を備え、
前記携帯端末は、
前記第1送信部により送信された前記1以上の設定情報を受信する第1受信部と、
前記ユーザによる入力操作に応じて、前記第1受信部により受信された前記1以上の設定情報のうちの1つを前記使用対象装置へ送信する第2送信部と、
を備え、
前記1以上の画像処理装置の各々は、
前記第2送信部により送信された前記設定情報を受信する第2受信部と、
当該画像処理装置において設定されている前記1以上の設定項目それぞれの設定値を、前記第2受信部で受信された前記設定情報が示す前記1以上の設定値に更新する更新部と、
第1の処理及び/または第2の処理と、第3の処理とを行う処理部であって、前記第1の処理は、画像データを取得してその画像データが示す画像を印刷することを含み、前記第2の処理は、画像を読み取ってその読み取った画像を示す画像データを生成することを含み、前記第1の処理と前記第2の処理と前記第3の処理とは、前記更新部により更新された前記1以上の設定値のうちの少なくとも1つが用いられる、処理部と、
を備える、
画像処理システム。
【請求項2】
携帯端末及び1以上の画像処理装置のそれぞれと通信可能に構成された情報処理装置が備えるコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザに関連する情報であるユーザ情報を取得するユーザ情報取得処理と、
前記ユーザ情報取得処理により取得された前記ユーザ情報に対応した1以上の設定情報を前記携帯端末へ送信する送信処理であって、前記1以上の設定情報の各々は、前記1以上の画像処理装置のうちの前記ユーザが使用しようとする1つである使用対象装置で用いられる1以上の設定値を示し、前記1以上の設定値は、前記使用対象装置における1以上の設定項目のそれぞれに設定可能な設定値に対応する、送信処理と、
を実行させ、
前記携帯端末は、前記送信処理により送信された前記1以上の設定情報を受信し、受信した前記1以上の設定情報のうちの少なくとも1つを前記使用対象装置へ送信するように構成されている、
プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記携帯端末は、前記ユーザによる操作に応じて前記ユーザ情報を前記情報処理装置へ送信するように構成されており、
前記ユーザ情報取得処理は、前記携帯端末から送信された前記ユーザ情報を受信することにより当該ユーザ情報を取得する、
プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記1以上の設定情報は、複数の設定情報を有する、
プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムであって、
前記送信処理は、前記複数の設定情報それぞれの、前記使用対象装置において使用されるべき順番を示す情報である順番情報をさらに送信することを含み、
前記携帯端末は、前記送信処理により送信された前記順番情報をさらに受信し、前記複数の設定情報それぞれを、前記順番情報が示す前記順番で1つずつ、若しくは前記ユーザにより指示された順番に1つずつ、前記使用対象装置へ送信するように構成されている、
プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記順番情報は、前記複数の設定情報それぞれの、前記使用対象装置において使用されるべき時刻を示す使用時刻情報を含む、
プログラム。
【請求項7】
請求項2~請求項6のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記1以上の画像処理装置は、複数の画像処理装置を有し、
前記プログラムは、前記コンピュータに、さらに、
前記複数の画像処理装置のそれぞれから、当該画像処理装置の機能または状態を示す装置情報を取得する装置情報取得処理と、
前記装置情報取得処理により取得された前記複数の画像処理装置それぞれの前記装置情報に基づき、前記複数の画像処理装置の中から前記ユーザに適合する1つの画像処理装置を決定する決定処理と、
を実行させ、
前記送信処理は、前記決定処理により決定された前記1つの画像処理装置を示す情報である適合情報をさらに送信することを含み、
前記携帯端末は、前記送信処理により送信された前記適合情報を受信し、受信した前記適合情報が示す前記1つの画像処理装置を前記ユーザへ報知するように構成されている、
プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムであって、
前記1以上の画像処理装置は、第1種の画像処理装置及び/または第2種の画像処理装置を含み、
前記第1種の画像処理装置は、バッテリを備え、前記バッテリから供給される電力により動作するように構成されており、
前記第2種の画像処理装置は、シート状の被記録媒体に画像を印刷する印刷部を備え、
前記第1種の画像処理装置に対応する前記装置情報は、前記バッテリに充電されている電力の残量を示す情報を含み、
前記第2種の画像処理装置に対応する前記装置情報は、使用可能な前記被記録媒体を示す情報を含む、
プログラム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のプログラムであって、
前記装置情報は、対応する前記画像処理装置において使用可能なオプションを示す情報を含む、
プログラム。
【請求項10】
請求項2~請求項6のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置は、前記ユーザによる前記使用対象装置の使用予定が登録されたスケジューラを備え、
前記プログラムは、前記コンピュータに、さらに、
前記スケジューラから、前記ユーザ情報に対応した前記ユーザの前記使用予定を取得する使用予定取得処理、
を実行させ、
前記送信処理は、適合情報をさらに送信することを含み、
前記適合情報は、前記使用予定取得処理により取得された前記使用予定において前記ユーザが使用する予定にされている前記使用対象装置を示し、
前記携帯端末は、前記送信処理により送信された前記適合情報を受信し、受信した前記適合情報が示す前記使用対象装置を前記ユーザへ報知するように構成されている、
プログラム。
【請求項11】
請求項2~請求項10のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置は、前記ユーザ情報と前記1以上の設定情報とが対応付けられた情報である対応情報を有し、
前記送信処理は、前記対応情報において前記ユーザ情報に対応付けられている前記1以上の設定情報を前記携帯端末へ送信することを含む、
プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記送信処理の実行後、前記使用対象装置の使用が終了されたことを検知する検知処理と、
前記検知処理により前記使用対象装置の使用が終了されたことが検知されることに応じて、前記使用対象装置において設定されている前記1以上の設定項目それぞれの設定値を取得する設定値取得処理と、
前記設定値取得処理により取得された前記設定値に従って前記対応情報を更新する更新処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項13】
請求項2~請求項12のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置は、前記ユーザによる前記使用対象装置の使用予定が登録されたスケジューラを備え、
前記スケジューラは、前記使用予定に前記1以上の設定情報を対応付けて登録可能に構成されており、
前記プログラムは、前記コンピュータに、さらに、
前記スケジューラから、前記ユーザ情報に対応した前記ユーザの前記使用予定に対応付けられている前記1以上の設定情報を取得する設定情報取得処理、
を実行させ、
前記送信処理は、前記設定情報取得処理により取得された前記1以上の設定情報を前記携帯端末へ送信するように構成されている、
プログラム。
【請求項14】
請求項2~請求項12のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置は、前記ユーザによる前記使用対象装置の使用予定が登録されたスケジューラを備え、
前記スケジューラは、前記使用予定において実施する業務を示す情報である業務情報を当該使用予定に対応付けて登録可能に構成されており、
前記プログラムは、前記コンピュータに、さらに、
前記スケジューラから、前記ユーザ情報に対応した前記ユーザの前記使用予定に対応付けられている前記業務情報を取得する業務情報取得処理、
を実行させ、
前記送信処理は、前記業務情報取得処理により取得された前記業務情報に対応した前記1以上の設定情報を前記携帯端末へ送信するように構成されている、
プログラム。
【請求項15】
携帯端末が備えるコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記携帯端末は、情報処理装置及び1以上の画像処理装置のそれぞれと通信可能に構成されており、
前記情報処理装置は、1以上の設定情報を前記携帯端末へ送信するように構成され、前記1以上の設定情報の各々は、前記1以上の画像処理装置のうちの前記ユーザが使用しようとする1つである使用対象装置で用いられる1以上の設定値を示し、前記1以上の設定値は、前記使用対象装置における1以上の設定項目のそれぞれに設定可能な設定値に対応し、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記情報処理装置から送信された前記1以上の設定情報を受信する受信処理と、
前記ユーザによる入力操作に応じて、前記受信処理により受信された前記1以上の設定情報のうちの1つを前記使用対象装置へ送信する送信処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項16】
情報処理装置及び携帯端末と通信可能な画像処理装置であって、
前記情報処理装置は、1以上の設定情報を前記携帯端末へ送信するように構成され、前記1以上の設定情報の各々は、前記画像処理装置で用いられる1以上の設定値を示し、前記1以上の設定値は、前記画像処理装置における1以上の設定項目のそれぞれに設定可能な設定値に対応し、
前記携帯端末は、前記情報処理装置から送信された前記1以上の設定情報を受信し、受信した前記1以上の設定情報のうちの1つを前記画像処理装置へ送信するように構成されており、
前記画像処理装置は、
前記携帯端末から送信された前記設定情報を受信する受信部と、
前記画像処理装置において設定されている前記1以上の設定項目それぞれの設定値を、前記受信部で受信された前記設定情報が示す前記1以上の設定値に更新する更新部と、
第1の処理及び/または第2の処理と、第3の処理とを行う処理部であって、前記第1の処理は、画像データを取得してその画像データが示す画像を印刷することを含み、前記第2の処理は、画像を読み取ってその読み取った画像を示す画像データを生成することを含み、前記第1の処理と前記第2の処理と前記第3の処理とは、前記更新部により更新された前記1以上の設定値のうちの少なくとも1つが用いられる、処理部と、
を備える画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置を備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタに装着可能な複数の充電池のうち、ユーザの使用態様に応じた十分な電圧を供給可能な充電池をユーザに報知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-030107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、ユーザは、自身の使用態様に合った充電池をプリンタに装着してプリンタを使用できる。
しかし、プリンタに設定されている各種設定値の一部または全てがユーザの使用態様に合っていない可能性がある。複数のユーザで共用されるプリンタにおいてはその可能性がより高くなり得る。この場合、ユーザの意図しない印刷結果が得られる可能性がある。使用前にユーザがプリンタを操作して、現在の設定値を逐一確認し、必要に応じて所望の設定値に変更することは可能であるが、ユーザにとって使い勝手が良いとは言えない。
【0005】
本開示の一局面は、ユーザに適した設定値が設定された画像処理装置を当該ユーザが効率的に取得して使用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面における画像処理システムは、情報処理装置と、携帯端末と、1以上の画像処理装置と備える。
前記情報処理装置は、取得部と、第1送信部とを備える。取得部は、ユーザに関連する情報であるユーザ情報を取得する。第1送信部は、取得部により取得されたユーザ情報に対応した1以上の設定情報を携帯端末へ送信する。1以上の設定情報の各々は、使用対象装置で用いられる1以上の設定値を示す。使用対象装置は、1以上の画像処理装置のうちの、ユーザが使用しようとする1つである。1以上の設定値は、使用対象装置における1以上の設定項目のそれぞれに設定可能な設定値に対応する。
【0007】
携帯端末は、第1受信部と、第2送信部とを備える。第1受信部は、第1送信部により送信された1以上の設定情報を受信する。第2送信部は、ユーザによる入力操作に応じて、第1受信部により受信された1以上の設定情報のうちの1つを、使用対象装置へ送信する。
【0008】
1以上の画像処理装置の各々は、第2受信部と、更新部と、処理部とを備える。第2受信部は、第2送信部により送信された設定情報を受信する。更新部は、当該画像処理装置において設定されている1以上の設定項目それぞれの設定値を、第2受信部で受信された設定情報が示す1以上の設定値に更新する。
【0009】
処理部は、第1の処理及び/または第2の処理と、第3の処理とを行う。第1の処理は、画像データを取得してその画像データが示す画像を印刷することを含む。第2の処理は、画像を読み取ってその読み取った画像を示す画像データを生成することを含む。第1の処理と第2の処理と第3の処理とは、更新部により更新された1以上の設定値のうちの少なくとも1つが用いられる。
【0010】
このような画像処理システムでは、情報処理装置から携帯端末へ、ユーザ情報に対応した1以上の設定情報が送信される。携帯端末は、情報処理装置から1以上の設定情報を受信すると、そのうちの1つを使用対象装置へ送信する。使用対象装置は、携帯端末から設定情報を受信すると、その設定情報に基づいて現在の設定値を更新する。
【0011】
そのため、ユーザは、当該ユーザに適した設定値が設定された画像処理装置を効率的に取得して使用することが可能となる。
本開示の別の一局面は、情報処理装置が備えるコンピュータが実行可能なプログラムである。情報処理装置は、携帯端末及び1以上の画像処理装置のそれぞれと通信可能である。
【0012】
当該プログラムは、コンピュータに、ユーザ情報取得処理と、送信処理とを実行させる。ユーザ情報取得処理は、ユーザに関連する情報であるユーザ情報を取得する。送信処理は、ユーザ情報取得処理により取得されたユーザ情報に対応した1以上の設定情報を携帯端末へ送信する。前記1以上の設定情報の各々は、使用対象装置で用いられる、1以上の設定項目のそれぞれに設定可能な1以上の設定値を示す。使用対象装置は、前記1以上の画像処理装置のうちの、ユーザが使用しようとする1つである。
【0013】
携帯端末は、送信処理により送信された前記1以上の設定情報を受信する。携帯端末は、受信した前記1以上の設定情報のうちの少なくとも1つを使用対象装置へ送信する。
このようなプログラムが情報処理装置で実行されることで、前述の画像処理システムと同様の作用効果を奏する。
【0014】
本開示のさらに別の一局面では、上記の画像処理システムで用いられる情報処理装置、上記の画像処理システムで用いられる携帯端末、及び携帯端末で実行されるプログラム、のうちの少なくとも一つが提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の画像処理システムの概要を示す説明図である。
図2】モバイルデバイス及びクレードルのブロック図である。
図3】携帯端末のブロック図である。
図4】管理装置のブロック図である。
図5】管理テーブルを示す説明図である。
図6】管理処理のフローチャートである。
図7】中継処理のフローチャートである。
図8】設定情報送信処理のフローチャートである。
図9】デバイス制御処理のフローチャートである。
図10図10Aは管理テーブルの第1の変形例を示す説明図、図10Bは管理テーブルの第2の変形例を示す説明図である。
図11】設定情報決定処理の変形例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1-1)画像処理システムの概要
図1に示す本実施形態の画像処理システム1は、管理装置5と、携帯端末100と、1以上のモバイルデバイスとを備える。モバイルデバイスは、いくつ備えられていてもよい。本実施形態の画像処理システム1は、例えば、第1モバイルデバイス31と、第2モバイルデバイス32と、第3モバイルデバイス33とを備える。画像処理システム1は、さらに、複合機34を備えていてもよい。画像処理システム1は、さらに、不図示の1以上の画像処理装置を備えていてもよい。画像処理システム1は、さらに、1以上のパーソナルコンピュータ(以下、PC)を備えていてもよい。PCはいくつ備えられていてもよい。本実施形態の画像処理システム1は、例えば、第1PC71と、第2PC72と、第3PC73と、第4PC74とを備える。
【0017】
第1~第3モバイルデバイス31~33は、それぞれ異なる構成を有していてもよいが、本実施形態では、一例として、互いに同じ構成を有する。
第1~第3モバイルデバイス31~33及び複合機34は、画像処理機能を備える。画像処理機能は、例えば、印刷機能及びスキャン機能の少なくとも一方を含む。印刷機能は、画像データを取得してその画像データが示す画像をシート状の被記録媒体に印刷する機能である。スキャン機能は、画像を読み取ってその読み取った画像を示す画像データを生成する機能である。本実施形態では、第1~第3モバイルデバイス31~33は例えば印刷機能を備え、複合機34は例えば印刷機能及びスキャン機能を備える。
【0018】
第1~第3モバイルデバイス31~33及び複合機34はそれぞれ、例えば、定位置に据え置かれて使用されることを前提とした据え置き型の画像処理装置であってもよいし、容易に持ち運び可能であってそのように持ち運びされることを前提としたハンディ型の画像処理装置であってもよい。本実施形態では、例えば、第1~第3モバイルデバイス31~33はいずれもハンディ型であり、複合機34は据え置き型である。また、第1~第3モバイルデバイス31~33はそれぞれ、本実施形態では、例えばいわゆるラベルプリンタに分類される。ラベルプリンタは、ロール紙へ画像を印刷する機能を有する。ロール紙は、ロール状に巻回された長尺の被記録媒体である。
【0019】
管理装置5は、通信ネットワーク150に接続されている。第1~第3モバイルデバイス31~33は、通信ネットワーク150に直接またはクレードルを介して接続可能である。図1は、第1モバイルデバイス31が第1クレードル51を介して通信ネットワーク150に間接的に接続され、第2モバイルデバイス32が第2クレードル52を介して通信ネットワーク150に間接的に接続され、第3モバイルデバイス33が通信ネットワーク150に直接接続されている例を示している。
【0020】
第1~第4PC71~74はそれぞれ、通信ネットワーク150に接続されている。また、複合機34は、通信ネットワーク150に接続されている。
通信ネットワーク150は、有線のネットワークを含んでいてもよいし、無線のネットワークを含んでいてもよい。なお、本実施形態において、通信ネットワーク150に「接続」されるとは、通信ネットワーク150を通じて他の装置と通信可能な状態になることを意味する。
【0021】
第1クレードル51及び第2クレードル52はそれぞれ通信ネットワーク150に接続されている。第1モバイルデバイス31は、第1クレードル51に着脱可能である。第2モバイルデバイス32は、第2クレードル52に着脱可能である。第1,第2モバイルデバイス31,32はそれぞれ、第1,第2クレードル51,52のどちらにも装着可能であってもよい。ただし、本実施形態では、例えば、管理の都合上、第1モバイルデバイス31は第1クレードル51に装着するように予め取り決められており、第2モバイルデバイス32は第2クレードル52に装着するように予め取り決められている。
【0022】
第1クレードル51は、第1クレードル51に装着された第1モバイルデバイス31へ充電電力を供給する機能を備える。第1クレードル51は、さらに、第1モバイルデバイス31と、通信ネットワーク150に接続されている他の装置との通信を中継する機能を備える。第2クレードル52についても、第2モバイルデバイス32に対し、第1クレードル51と同様の機能を発揮する。
【0023】
本実施形態の管理装置5は、一例として、管理制御装置10と、サーバ20とを備える。管理制御装置10とサーバ20とは互いに接続され、互いに通信可能である。サーバ20は、主にデータベースサーバとしての機能を有する。サーバ20は、データベース21を有している。データベース21には、後述する図5の管理テーブルが含まれる。なお、設定要件テーブルは管理制御装置10に備えられていてもよい。
【0024】
なお、管理制御装置10とサーバ20とが通信ネットワーク150を通じて通信可能であってもよい。また、サーバ20が管理制御装置10に内蔵されていてもよい。つまり、管理制御装置10がサーバ20の機能を備えていてもよい。
【0025】
携帯端末100は、例えばスマートフォン、タブレット端末、モバイルパソコンなどの、容易に持ち運び可能な情報処理装置である。携帯端末100は、管理装置5と無線通信可能である。より具体的には、携帯端末100は、管理制御装置10と無線通信可能である。以下の説明では、管理装置5と他の装置との通信について言及する場合、より詳しくは管理制御装置10と他の装置との通信を意味しているものとする。
【0026】
携帯端末100と管理装置5との無線通信は、どのような通信方式で行われてもよい。本実施形態では、例えば、NFC(Near Field Communication)の通信方式に従って行われる。
【0027】
携帯端末100は、さらに、第1~第3モバイルデバイス31~33のそれぞれと無線通信可能である。携帯端末100と第1~第3モバイルデバイス31~33のそれぞれとの無線通信は、どのような通信方式で行われてもよい。例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)の通信方式に従って行われてもよいし、いわゆる無線LANの通信方式に従って行われてもよい。なお、「Bluetooth」は登録商標である。本実施形態では、例えば、BLEの通信方式で行われる。
【0028】
第1~第4PC71~74はそれぞれ、例えば特定のユーザが使用するように割り当てられている。具体的には、例えば、第1PC71はユーザAに割り当てられ、第2PC72はユーザBに割り当てられ、第3PC73はユーザCに割り当てられ、第4PC74はユーザDに割り当てられている。
【0029】
本実施形態の画像処理システム1は、例えば次のように運用される。即ち、通常は、図1に示すように、第1~第3モバイルデバイス31~33が通信ネットワーク150に接続されている。複数のユーザ(例えばユーザA~D)にはそれぞれ、モバイルデバイスを用いることを前提とする業務が割り当てられている。複数のユーザはそれぞれ、自身の業務を遂行する際、第1~第3モバイルデバイス31~33のうちのいずれかを通信ネットワーク150から切り離して持ち出し、その持ち出したモバイルデバイス(使用対象装置)を使用して業務を遂行する。ユーザは、使用対象装置を、通信ネットワーク150に接続された状態のまま使用可能である。ただし、各ユーザによる業務は、通常、通信ネットワーク150が構築された場所とは異なる場所で行われる。そのため、通常は、各ユーザは、使用対象装置を通信ネットワーク150から切り離して作業場所へ持って行き、その作業場所で、業務遂行のために使用する。そして、業務終了後、ユーザは、使用対象装置を返却する。ここでいう返却とは、通信ネットワーク150に接続することを含む。使用対象装置が返却されることは、ユーザによる使用が終了したことの一態様である。
なお、使用対象装置が、第1、第2モバイルデバイス31,32のような、通信ネットワーク150に直接接続せずにクレードルに装着するように運用されるものである場合は、クレードルから取り外すことが、当該使用対象装置を持ち出す(通信ネットワーク150から切り離す)ことに対応し、クレードルに装着することが、当該使用対象装置を返却することに対応する。
【0030】
第1~第4PC71~74はそれぞれ、スケジューラを備えている。スケジューラは、ユーザのスケジュールを管理するための各種機能を備えたソフトウェアである。スケジューラの一例として、例えば、マイクロソフト社が提供するOutlookが挙げられる。マイクロソフト及びOutlookはいずれも登録商標である。
【0031】
第1PC71のスケジューラには、ユーザAのスケジュールが、例えばユーザAによる入力操作等によって登録される。第2PC72のスケジューラには、ユーザBのスケジュールが、例えばユーザBによる入力操作等によって登録される。第3PC73のスケジューラには、ユーザCのスケジュールが、例えばユーザCによる入力操作等によって登録される。第4PC74のスケジューラには、ユーザDのスケジュールが、例えばユーザDによる入力操作等によって登録される。
【0032】
本実施形態のスケジューラで登録可能なスケジュールには、使用対象装置の使用予定が含まれる。なお、複合機34の使用予定も登録可能であってもよいが、本実施形態では、説明の簡素化のため、各ユーザA~Dがそれぞれ第1~第3モバイルデバイス31~33のいずれかを選択的に使用することを想定して説明する。
【0033】
使用対象装置の使用予定とは、例えば、使用対象装置を示す情報と、使用時刻情報とを含む。使用時刻情報は、少なくとも、使用対象装置の使用を開始する予定の時刻である使用開始時刻を含む。使用時刻情報は、さらに例えば、使用を終了する予定の時刻である使用終了時刻、若しくは、使用開始時刻からの使用終了時刻までの時間を含んでいてもよい。
【0034】
後述するように、管理装置5もスケジューラ12c(図4参照)を備える。管理装置5のスケジューラ12cと、第1~第4PC71~74それぞれのスケジューラとは、互いに共有関係にあり、少なくとも、第1~第4PC71~74それぞれのスケジューラで登録されたスケジュールが、管理装置5のスケジューラ12cに共有される。つまり、管理装置5のスケジューラ12cは、第1~第4PC71~74それぞれのスケジューラで登録された、ユーザA~Dそれぞれのスケジュールを認識、管理できる。
【0035】
本実施形態の通信ネットワーク150は、WAN(Wide Area Network)200に接続されている。WAN200はどのようなネットワークでもよい。本実施形態のWAN200は、例えば、TCP/IPプロトコルに従って通信が行われるように構成されたインターネットである。通信ネットワーク150に接続されている各種装置は、WAN200に接続された他のネットワークとWAN200を通じて通信可能であってもよい。管理装置5がWAN200に接続されていてもよい。この場合、管理装置5からWAN200を経由して通信ネットワーク150に接続可能であってもよい。
【0036】
(1-2)モバイルデバイス及びクレードルの構成
第1~第3モバイルデバイス31~33及び第1、第2クレードル51,52について、図2を参照してより具体的に説明する。本実施形態では、第1~第3モバイルデバイス31~33はいずれも同じ構成であり、第1、第2クレードル51,52はいずれも同じ構成である。そのため、ここでは主に第1モバイルデバイス31及び第1クレードル51の構成について説明する。
【0037】
第1モバイルデバイス31は、制御部41と、記憶部42と、入力I/F43と、表示I/F44と、第1通信I/F45と、第2通信I/F46と、第3通信I/F47と、印刷部48と、バッテリ49とを備える。
【0038】
制御部41は、例えばCPUを有する。記憶部42は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の各モバイルデバイス31~33は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0039】
制御部41は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部42が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部41により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0040】
記憶部42には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部42に、後述する図9のデバイス制御処理のプログラムが記憶されている。
入力I/F43は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F43が有する入力用デバイスは、例えば、不図示の操作スイッチ、不図示のタッチパネルなどを含んでいてもよい。
【0041】
表示I/F44は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。表示I/F44は、例えばLEDなどの発光デバイスを有していてもよい。
第1通信I/F45は、第1モバイルデバイス31を通信ネットワーク150に接続するためのI/Fである。通信I/F45は、例えば有線LANまたは無線LANのI/Fを含んでいてもよい。なお、本実施形態では、第1、第2モバイルデバイス31、32それぞれの第1通信I/F45は通信ネットワーク150に接続されておらず、第3モバイルデバイス33の第1通信I/F45が通信ネットワーク150に接続されている。
【0042】
第2通信I/F46は、第1クレードル51に接続して第1クレードル51と通信(換言すれば、第1クレードル51を介して間接的に通信ネットワーク150に接続)するためのI/Fである。本実施形態では、第2通信I/F46は例えばUSBの通信規格に基づくデータ通信が可能なI/Fである。
【0043】
第3通信I/F47は、携帯端末100と無線通信するためのI/Fである。第3通信I/F47は、本実施形態では例えば、BLEの通信方式による無線通信が可能なI/Fである。
【0044】
印刷部48は、前述の印刷機能を実現する。
バッテリ49は、第1モバイルデバイス31の電源として機能し、第1モバイルデバイス31の内部の各部へ電力を供給する。第1モバイルデバイス31内の各部は、バッテリ49の電力により動作する。バッテリ49は一次電池であってもよいが、本実施形態のバッテリ49は、繰り返し充電可能な二次電池である。バッテリ49には、第1クレードル51から充電電力が入力される。バッテリ49はこの充電電力により充電される。なお、制御部41は、バッテリ残量を検出する機能を有する。バッテリ残量とは、バッテリ49に充電されている電力の残量である。
【0045】
第1モバイルデバイス31は、1以上の設定項目を有し、それら設定項目のそれぞれに設定値が設定される。第1モバイルデバイス31は、それら設定値に基づいて作動する。各設定値は、例えば、記憶部42または印刷部48に記憶されることにより設定される。1以上の設定項目の設定値には、前述の印刷機能の実行時に用いられる1以上の設定値、前述のスキャン機能の実行時に用いられる1以上の設定値、及び/または表示I/F44の制御に用いられる1以上の設定値が含まれる。
【0046】
設定項目の一例として、例えば、印刷濃度、用紙タイプ、用紙サイズ、用紙幅、テンプレート、表示言語、表示明度などが挙げられる。印刷濃度は、被記録媒体へ印刷する画像の濃度を示す。用紙タイプは、画像を印刷する被記録媒体の種類を示す。用紙サイズは、画像を印刷する被記録媒体のサイズを示す。用紙幅は、画像を印刷する被記録媒体の幅を示す。テンプレートは、印刷対象の画像のひな形を示す。第1モバイルデバイス31では、印刷対象の画像を、各種テンプレートのうちの選択されたいずれか1つに組み込んで印刷させることが可能である。表示言語は、表示I/F44に表示される文字の言語の種類を示す。表示明度は、表示I/F44における表示デバイスの明るさを示す。
【0047】
設定項目にはそれぞれ、複数の設定値が用意されており、それら複数の設定値のうちのいずれか1つが設定される。例えば、用紙タイプの設定値として、普通紙、光沢紙、ラベルなどが用意されており、これらのうちの1つが設定される。また例えば、テンプレートの設定値として、第1テンプレート~第nテンプレート(nは自然数)が用意されており、これらのうちの1つが設定される。また例えば、表示言語の設定値として、日本語、英語などが用意されており、これらのうちの1つが設定される。
【0048】
設定値の設定は、基本的には、ユーザが入力I/F43を介して操作することにより可能であるが、ユーザ操作を介さずに設定することも可能である。例えば、制御部41は、管理装置5からの設定値の設定指令を受けることに応じて、指定された設定項目の設定値を指定された値に設定(更新)する。さらに、本実施形態の制御部41は、携帯端末100から後述する設定情報を受信することに応じて、設定情報において指定されている設定項目の設定値を、設定情報において指定されている値に設定(更新)する。
【0049】
第1モバイルデバイス31は、各種のオプション品を装着可能である。各種オプション品として、例えば、商用電源からバッテリ49へ充電電力を供給するための電源アダプタ、自動車の電源コンセント(いわゆるシガーソケット)からバッテリ49へ充電電力を供給するためのカーアダプタ、第1モバイルデバイス31をユーザの衣服に取り付けるためのクリップ、バーコードを読み取るバーコードリーダ、などが挙げられる。
【0050】
第1クレードル51は、充電出力回路61と、第1通信I/F62と、通信制御部63と、第2通信I/F64と、表示I/F65とを備える。充電出力回路61は、不図示の電源コードを介して外部電源180と接続可能である。外部電源180はどのような電源であってもよい。本実施形態では、外部電源180は例えば交流100Vを供給する商用電源である。充電出力回路61は、外部電源180から入力された電力を、バッテリ49を充電するための前述の充電電力に変換する。第1モバイルデバイス31が第1クレードル51に装着されると、充電出力回路61で生成された充電電力が第1モバイルデバイス31のバッテリ49へ供給される。
【0051】
第1通信I/F62は、第1クレードル51を通信ネットワーク150に接続するためのI/Fであり、例えば第1モバイルデバイス31の第1通信I/F45と同様に構成されている。第1通信I/F62は、通信ネットワーク150に接続されている。
【0052】
第2通信I/F64は、第1クレードル51を第1モバイルデバイス31と通信可能に接続するためのI/Fであり、例えば第1モバイルデバイス31の第2通信I/F46と同様に構成されている。第1モバイルデバイス31が第1クレードル51に装着されると、第1モバイルデバイス31の第2通信I/F46が第1クレードル51の第2通信I/F64に接続される。
【0053】
通信制御部63は、第1通信I/F62を介して、通信ネットワーク150に接続された管理装置5と通信を行う。通信制御部63は、さらに、第2通信I/F64を介して、第1クレードル51に装着された第1モバイルデバイス31と通信を行う。通信制御部63は、管理装置5と第1モバイルデバイス31との通信を中継する機能を有する。例えば、第1モバイルデバイス31を対象とする各種要求を管理装置5から受けた場合、通信制御部63は、第2通信I/F64を介して第1モバイルデバイス31へ当該要求を出力する。また例えば、第1モバイルデバイス31から、管理装置5を送信先とする各種データを受けた場合、通信制御部63は、そのデータを第1通信I/F62を介して管理装置5へ送信する。
【0054】
通信制御部63は、さらに、表示I/F65を制御する。表示I/F65は、例えばLEDなどの発光デバイスを有する。表示I/F65は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有していてもよい。
(1-3)携帯端末の構成
次に、携帯端末100の構成について、図3を参照して説明する。携帯端末100は、制御部101と、記憶部102と、入力I/F103と、表示I/F104と、第1通信I/F105と、第2通信I/F106と、第3通信I/F107とを備える。
【0055】
制御部101は、例えばCPUを有する。記憶部102は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の携帯端末100は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0056】
制御部101は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部102が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部101により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0057】
記憶部102には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部102に、ソフトウェアとして、OS102aと、副管理ソフトウェア102bとが記憶されている。副管理ソフトウェア102bは、後述する図7の中継処理のプログラムを含む。OS102aおよび副管理ソフトウェア102bは、制御部101を含むコンピュータシステムにインストールされている。副管理ソフトウェア102bは、いつ、どのように携帯端末100にインストールされてもよい。
【0058】
記憶部102には、さらに、ユーザ情報が記憶されている。ユーザ情報は、ユーザに関する情報である。本実施形態では、ユーザ情報として、例えば固有のユーザIDを含む。例えば、携帯端末100がユーザAの所有物あるいはユーザAに貸与されている場合は、ユーザ情報はユーザAのユーザIDを含んでいてもよい。ユーザ情報は、ユーザを直接特定可能な情報に限定されず、ユーザの属性を示す情報を含んでいてもよい。ユーザの属性を示す情報としては、例えば、ユーザが行う業務の内容を示す業務情報が挙げられる。
【0059】
携帯端末100は、管理装置5から受信した設定情報を使用対象装置へ送信する中継機能を有する。この中継機能は、制御部101が中継処理を実行することにより実現される。
入力I/F103は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F13が有する入力用デバイスには、例えばタッチパネルが含まれる。
【0060】
表示I/F104は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
第1通信I/F105は、第1~第3モバイルデバイス31~33のいずれかと無線通信するためのI/Fである。第1通信I/F105は、本実施形態では例えば前述のBLEの通信方式による無線通信を行うことが可能に構成されている。
【0061】
第2通信I/F106は、管理装置5と無線通信するためのI/Fである。第2通信I/F106は、本実施形態では例えば前述のNFCの通信方式による無線通信を行うことが可能に構成されている。
【0062】
第3通信I/F107は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、5G(5th Generation)などの各種の移動通信規格に従った無線通信を行うためのI/Fである。
【0063】
(1-4)管理制御装置の構成
次に、管理制御装置10の構成について、図4を参照して説明する。管理制御装置10は、制御部11と、記憶部12と、入力I/F13と、表示I/F14と、第1通信I/F15と、第2通信I/F16とを備える。
【0064】
制御部11は、例えばCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の管理制御装置10は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0065】
制御部11は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0066】
記憶部12には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。本実施形態では、記憶部12に、ソフトウェアとして、OS12aと、主管理ソフトウェア12bと、前述のスケジューラ12cとが記憶されている。主管理ソフトウェア12bは、後述する図6の管理処理のプログラムを含む。OS12a、主管理ソフトウェア12b及びスケジューラ12cは、制御部11を含むコンピュータシステムにインストールされている。主管理ソフトウェア12b及びスケジューラ12cは、いつ、どのように管理制御装置10にインストールされてもよい。
【0067】
記憶部12には、さらに、図5に例示する管理テーブルが記憶されている。管理テーブルは、主管理ソフトウェア12bにより参照され、且つ適宜更新される。
管理制御装置10は、設定情報提供機能を有する。設定情報提供機能は、ユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報に対応(または適合)する設定情報を携帯端末100へ送信する機能である。設定情報提供機能は、制御部11が管理処理を実行することにより実現される。ユーザ情報は、換言すれば、管理制御装置10が携帯端末100へ送信すべき設定情報を決定する根拠となる情報である。
【0068】
図5に示すように、管理テーブルにおいては、ユーザ情報毎に、1以上の設定情報が対応付けられて登録されている。各設定情報は、第1~第3モバイルデバイス31~33のいずれか1つ以上において設定可能な、1以上の所定の設定項目それぞれの特定の設定値を含む。
【0069】
ユーザに適した設定値は、ユーザによって、或いはユーザが行う業務の内容によって、異なり得る。管理テーブルには、ユーザ毎に、当該ユーザに適した(例えば当該ユーザの業務内容に適合した)設定情報が登録されている。つまり、管理テーブルにおいてユーザ情報に対応付けられる設定情報というのは、換言すれば、対応するユーザが業務上あるいは所定の目的で使用対象装置を使用する際に当該使用対象装置において設定されるべき或いは設定されるのが好ましい設定値であるとも言える。なお、管理テーブルへの設定情報の登録は誰がいつどのように行ってもよい。
【0070】
1つのユーザ情報に対応付けられる設定情報は、1つであってもよいし複数あってもよい。図5はそのどちらも例示している。即ち、図5の例では、ユーザAには2つの設定情報SA-1,SA-2が対応付けられ、ユーザBには1つの設定情報SBが対応付けられ、ユーザCには1つの設定情報SCが対応付けられ、ユーザDには3つの設定情報SD-1,SD-2,SD-3が対応付けられている。
【0071】
それぞれの設定情報における設定項目の数及び種類は、互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。
例えば、設定情報SA-1における設定項目が、用紙サイズとテンプレートであって、それぞれの設定値が、用紙サイズ=A4,テンプレート=第2テンプレートである場合を想定する。この場合、設定情報SA-2における設定項目は、用紙サイズとテンプレートの両方を含んでいてもよいし、いずれか一方のみ含んでいてもよいし、いずれも含んでいなくてもよい。用紙サイズ及び/またはテンプレートを含む場合、それぞれの設定値は、設定情報SA-1と同じであってもよいし異なっていてもよい。対応するユーザ情報が異なる複数の設定情報の相互間についても同様である。
【0072】
管理制御装置は、ユーザ情報を取得すると、管理テーブルにおいてそのユーザ情報に対応付けられている設定情報を携帯端末100へ送信する。ユーザ情報に複数の設定情報が対応付けられている場合は、その複数の設定情報を携帯端末100へ送信する。
【0073】
その送信した1以上の設定情報(のうちの1つor複数・全部)は、ユーザ操作に応じて、携帯端末100から使用対象装置へ送信される。
設定情報には、設定スケジュール(本開示の順番情報の一例に相当)が対応付けられている場合がある。本実施形態では、1つのユーザ情報に複数の設定情報が対応付けられている場合に、その複数の設定情報それぞれに設定スケジュールが対応付けられる場合がある。設定情報に設定スケジュールが対応付けられている場合は、設定情報が携帯端末100へ送信される際にその設定スケジュールも送信される。
【0074】
設定スケジュールは、複数の設定情報がそれぞれどのようなスケジュールで使用対象装置で使用されるべきかを示す情報である。換言すれば、設定スケジュールは、複数の設定情報をどのようなスケジュールで携帯端末100から使用対象装置へ送信すべきかを携帯端末100あるいはユーザが決定するための参考となる情報である。
【0075】
設定スケジュールは、複数の設定情報を、いつ、またはどのような順序で送信すべきかを決定し得るどのような情報であってもよい。本実施形態では、設定スケジュールは、例えば、使用順番または前述の使用時刻情報を含む。
【0076】
使用順番は、使用対象装置で使用されるべき順番を示す。図5は、設定スケジュールとして使用順番を示す数値が図示されている。例えばユーザCの設定スケジュールは、まず設定情報SD-1を使用(送信)し、その後の適宜のタイミングで設定情報SD-2を使用(送信)し、その後の適宜のタイミングで設定情報SD-3を使用(送信)すべきであることを示している。
【0077】
設定スケジュールとして使用時刻情報が設定されている場合は、その使用時刻情報が示す使用開始時刻が早い設定情報から順に使用されることとなる。そのため、使用時刻情報は、間接的には順番を示していると捉えることができる。
【0078】
なお、1つのユーザ情報に複数の設定情報が対応付けられていても、その複数の設定情報それぞれに設定スケジュールが設定されていなくてもよい。あるユーザ情報に対応した複数の設定情報には設定スケジュールが設定されている一方で、他のユーザ情報に対応した複数の設定情報には設定スケジュールが設定されていない態様もあり得る。
【0079】
管理制御装置10は、さらに、デバイス管理機能を有する。具体的には、通信ネットワーク150に接続された管理対象デバイスから、当該管理対象デバイスの機能及び/または状態を示すデバイス情報(本開示の装置情報の一例に相当)を取得する。本実施形態では、第1~第3モバイルデバイス31~33のいずれも管理対象デバイスに該当する。デバイス情報はどのような情報を含んでいてもよい。デバイス情報として、例えば、管理対象デバイスが有する機能を示す機能情報、ステータス、各種設定項目として設定可能な設定値、使用可能なオプションを示す情報、実際に装着されているオプション品の情報などが挙げられる。ステータスは、例えば、バッテリ残量、用紙の残量などが挙げられる。
【0080】
管理制御装置10は、各管理対象デバイスからどのようなタイミングでデバイス情報を取得してもよい。本実施形態では、監視タイミングが到来することに応じて、例えばポーリングによりデバイス情報を取得する。監視タイミングはどのように設定されてもよい。監視タイミングは例えば周期的に到来してもよい。監視タイミングは、管理対象デバイス毎に異なっていてもよい。具体的には、例えば、監視タイミングの周期は同じであるものの到来タイミングが互いに異なっていてもよい。
【0081】
管理制御装置10は、さらに、管理対象デバイスが通信ネットワーク150に接続されているか否かを検出する機能を備える。より具体的には、管理制御装置10は、通信ネットワーク150に接続されていた管理対象デバイスが通信ネットワーク150から切り離された場合(クレードルに装着されていた管理対象デバイスがクレードルから取り外された場合を含む)にこれを検知できる。また、管理制御装置10は、通信ネットワーク150から切り離されていた管理対象デバイスが返却された場合、即ち通信ネットワーク150に接続された場合(クレードルから取り外されていた管理対象デバイスがクレードルに装着された場合を含む)にこれを検知できる。
入力I/F103は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F103が有する入力用デバイスには、例えばタッチパネルが含まれる。
【0082】
表示I/F104は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。
第1通信I/F105は、第1~第3モバイルデバイス31~33のいずれかと無線通信するためのI/Fである。第1通信I/F105は、本実施形態では例えば前述のBLEの通信方式による無線通信を行うことが可能に構成されている。
【0083】
第2通信I/F106は、管理装置5と無線通信するためのI/Fである。第2通信I/F106は、本実施形態では例えば前述のNFCの通信方式による無線通信を行うことが可能に構成されている。
【0084】
第3通信I/F107は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、5G(5th Generation)などの各種の移動通信規格に従った無線通信を行うためのI/Fである。
【0085】
(1-5)管理制御装置による管理処理
管理制御装置10における主管理ソフトウェア12bに含まれる管理処理について、図6を参照して説明する。管理制御装置10の制御部11は、起動後、管理処理の実行指示を受けると、管理処理を実行する。
【0086】
制御部11は、管理処理を開始すると、S110で、ユーザ情報が入力されたか否か判断する。ユーザ情報は、本実施形態では例えば携帯端末100からNFC通信にて第2通信I/F16を介して入力される。なお、NFC通信とは異なるルートでユーザ情報が入力されてもよい。
【0087】
S110で、ユーザ情報が入力されていない場合は、S170に移行する。S170では、管理対象デバイスの返却を検知したか否か判断する。具体的には、通信ネットワーク150に接続されていなかった管理対象デバイス(例えば使用対象デバイス)が通信ネットワーク150に接続されたことを検知した場合に、当該管理対象デバイスの返却(例えば使用対象装置の使用の終了)を検知する。
【0088】
S170で、管理対象デバイスの返却を検知しない場合は、S200に移行する。S200では、前述のポーリングの監視タイミングが到来したか否か判断する。S200で、監視タイミングが到来していない場合は、S110に移行する。S200で、監視タイミングが到来した場合は、S210に移行する。S210では、各管理対象デバイスからデバイス情報を取得し、記憶部12に記憶する。S210の処理後は、S110に移行する。
【0089】
S110で、ユーザ情報が入力された場合は、S120に移行する。S120では、入力されたユーザ情報を取得する。
S130では、設定情報決定処理を実行することにより、携帯端末100に送信すべき設定情報群を決定する。具体的には、管理テーブルにおいて、S120で取得したユーザ情報に対応付けられている全ての設定情報を、設定情報群として決定する。ユーザ情報に複数の設定情報が対応付けられていて且つそれぞれに設定スケジュールが設定されている場合は、設定情報群にはそれら設定スケジュールも含まれる。
【0090】
S140では、推奨デバイスを決定する。推奨デバイスとは、通信ネットワーク150に接続されている管理対象デバイスのうち、S120で取得したユーザ情報に適合する1つの管理対象デバイスである。ここでいう「ユーザ情報に適合する」とは、例えば、当該ユーザ情報に対応するユーザがこれから行おうとする業務を遂行するのに必要な機能、スペック、ステータス及び/またはオプションを備えていることを意味する。
【0091】
推奨デバイスはどのように決定されてもよい。推奨デバイスは、例えば、S210で取得され記憶された各管理対象デバイスのデバイス情報と、S130で決定された設定情報群とに基づいて決定されてもよい。
【0092】
S150では、S140で決定された推奨デバイスへ、推奨デバイス指定通知を送信する。なお、推奨デバイスが、例えば第1モバイルデバイス31のように、クレードルに装着されることが前提とされている場合は、対応するクレードルへ推奨デバイス指定通知を送信する。
【0093】
S160では、S130で決定された設定情報群、及びS140で決定された推奨デバイスを示す推奨デバイス情報(本開示の適合情報の一例に相当)を、例えば第2通信I/F16を介して携帯端末100へ送信する。S160の処理後は、S110に移行する。なお、携帯端末100への設定情報群及び推奨デバイス情報の送信は、第2通信I/F
16とは異なるI/Fを用いて行ってもよい。例えば、無線LANのI/Fを備え、そのI/Fを通じて送信してもよい。また例えば、管理装置から携帯端末100のメールソフトへ設定情報群及び推奨デバイス情報が添付されたメールを送信することによって、設定情報群及び推奨デバイス情報を送信してもよい。
【0094】
S170で、管理対象デバイスが返却されたことを検知した場合は、S180に移行する。S180では、返却された管理対象デバイスへ現設定情報の送信を要求して、現設定情報を取得する。現設定情報とは、返却された管理対象象デバイスで現在設定されている、1以上の所定の設定項目それぞれの設定値である。S180における取得対象の設定項目はどれであってもよいしいくつあってもよい。取得対象の設定項目は、例えば、当該管理対象デバイスが返却される前にS160で当該管理対象デバイスに送信された設定情報群に含まれる設定項目の一部または全てを含んでいてもよい。
【0095】
S190では、S180で取得された設定値に従って、管理テーブルを更新する。即ち、例えば返却された管理対象デバイスがユーザBにより使用されていた場合は、管理テーブルに登録されているユーザBの設定情報SBのうち、S180で取得した設定値に対応する設定値を、S180で取得した設定値に更新する。190の処理後は、S110に移行する。
【0096】
(1-6)携帯端末による中継処理
携帯端末100における副管理ソフトウェア102bに含まれる中継処理について、図7を参照して説明する。携帯端末100の制御部101は、起動後、中継処理の実行指示を受けると、中継処理を実行する。
【0097】
制御部101は、中継処理を開始すると、S310で、ユーザによる送信指示操作に応じて、記憶部102に記憶されているユーザ情報をNFC通信にて(即ち第2通信I/F106を通じて)管理装置5へ送信する。送信指示操作はどのような操作であってもよい。本実施形態では、送信指示操作は、携帯端末100を管理制御装置10にかざすこと、換言すれば、NFC通信が可能な距離関係&位置関係になるように携帯端末100を管理制御装置10に近接させることを含む。携帯端末100を管理制御装置10にかざすことで、両者間でNFC通信が実行され、これにより、携帯端末100から管理制御装置10へユーザ情報が送信される。
【0098】
なお、制御部101は、入力I/F103を介してユーザ情報の入力を受け付け、その入力されたユーザ情報を管理制御装置10へ送信してもよい。このような仕様は、例えば、携帯端末100が特定のユーザの所有物ではなく共用されている場合に有効である。
【0099】
S320では、管理装置5から送信された設定情報群及び推奨デバイス情報を受信する。
S330では、設定情報送信処理を実行する。設定情報送信処理の詳細は、図8に示す通りである。制御部101は、設定情報送信処理に移行すると、S410で、管理装置5から受信した設定情報群に含まれテイル設定情報が1つであるかそれとも複数であるかを判断する。
【0100】
S410で、設定情報群に含まれていた設定情報が1つであった場合は、S420に移行する。S420では、受信した設定情報を表示I/F104に表示する。S420ではさらに、携帯端末100と通信可能な状態にある管理対象デバイスの選択肢を表示I/F104に表示する。S320で受信した推奨デバイス情報が示す推奨デバイスと通信可能である場合は、選択肢において、その推奨デバイスの選択肢を、他の選択肢とは異なる態様で表示する。例えば、その推奨デバイスの選択肢を強調表示してもよいし、選択肢の筆頭に表示してもよい。使用可能な管理対象デバイスが複数存在している場合には、ユーザは、その複数の管理対象デバイスの中から使用対象装置を選ぶ必要がある。推奨デバイスを他の選択肢とは異なる態様で表示することは、ユーザがこれから行う業務に適合した推奨デバイスをユーザへ報知することになるため、ユーザが使用対象装置を選ぶ際の一助となり得る。
【0101】
S430では、ユーザ操作を受け付ける。ここでいうユーザ操作は、デバイス選択肢の中からいずれか1つを使用対象装置として選択する第1の操作と、設定情報の送信を指示する第2の操作とを含む。第2の操作はどのような操作であってもよい。第2の操作は、例えば、表示I/F104に表示されている送信ボタンをタップする操作であってもよい。
【0102】
なお、推奨デバイス情報が受信された場合は、管理対象デバイスの選択肢を表示せずに、推奨デバイス情報が示す推奨デバイスを使用対象装置に自動的に設定してもよい。この場合、第1の操作は不要となる。また、推奨デバイス情報が受信されたか否かにかかわらず、ユーザは、使用対象装置をどのように決定してもよい。
【0103】
S440では、S320で受信した設定情報を、ユーザにより選択された使用対象装置へ送信する。S440を実行することにより、本中継処理を終了する。
S410で、受信した設定情報群に含まれていた設定情報が複数であった場合は、S450に移行する。S450では、設定情報群に設定スケジュールが含まれているか否か判断する。S450で、設定情報群に設定スケジュールが含まれている場合は、S460に移行する。
【0104】
S460では、設定スケジュールに使用時刻情報が含まれているか否か判断する。S460で、設定スケジュールに使用時刻情報が含まれていな場合(換言すれば使用順番が含まれている場合)は、S470に移行する。S470では、S420と同様、携帯端末100と通信可能な状態にある管理対象デバイスの選択肢を表示I/F104に表示する。
【0105】
S480では、受信された設定情報群に含まれる複数の設定情報のうち最優先に設定されるべき設定情報を表示I/F104に表示する。最優先に設定されるべき設定情報とは、例えば、まだ使用対象装置に送信されていない設定情報のうち使用順番が最上位の設定情報を意味する。
【0106】
S490では、S430と同様のユーザ操作を受け付ける。S500では、最優先の設定情報を、ユーザにより選択された使用対象装置へ送信する。S510では、受信された設定情報群に含まれる全ての設定情報が使用対象装置へ送信されたか否か判断する。まだ送信されていない設定情報が残っている場合は、S480に移行する。全ての設定情報の送信が完了した場合は、本中継処理を終了する。
【0107】
S460で、設定スケジュールに使用時刻情報が含まれている場合は、S520に移行する。この場合、複数の設定情報が、使用時刻情報に基づいて1つずつ送信される。即ち、S520で、S470と同様に、携帯端末100と通信可能な状態にある管理対象デバイスの選択肢を表示I/F104に表示する。
【0108】
S530では、S430と同様のユーザ操作を受け付ける。S540では、ユーザにより選択された使用対象装置へ設定情報を送信する。具体的には、使用時刻情報が示す使用開始時刻が到来することに応じて、対応する設定情報を送信する。なお、使用開始時刻が到来したとき、若しくは使用開始時刻より所定時間前に、例えば表示I/F104を介してユーザに報知してもよい。そして、その報知に対する所定の入力操作が行われた場合に、対応する設定情報を送信してもよい。このように、S540では、設定情報群に含まれている複数の設定情報それぞれを、対応する使用時刻情報に従って使用対象装置へ送信する。そして、複数の設定情報の全てを送信すると、本中継処理を終了する。
【0109】
S450で、設定情報群に設定スケジュールが含まれていない場合は、S550に移行する。この場合、ユーザにより指示された順番に1つずつ設定情報が送信されることとなる。即ち、S550で、S420と同様にデバイス選択肢を表示する。S550ではさらに、受信された設定情報群に含まれる複数の設定情報のうちまだ使用対象装置に送信されていない設定情報の選択肢を表示する。
【0110】
S560では、ユーザ操作を受け付ける。具体的には、デバイス選択肢の中から使用対象装置を選択する操作、設定情報の選択肢の中から設定情報を選択する操作、及び選択された設定情報の送信を指示する操作を受け付ける。S570では、選択された使用対象装置へ、選択された設定情報を送信する。
【0111】
S580では、受信された設定情報群に含まれている複数の設定情報のうちまだ送信していない設定情報が残っているか否か判断する。まだ送信されていない設定情報が残っている場合は、S550に移行する。全ての設定情報の送信が完了した場合は、本中継処理を終了する。
【0112】
(1-7)モバイルデバイスによるデバイス制御処理
次に、第1~第3モバイルデバイス31~33それぞれで実行されるデバイス制御処理について、図9を参照して説明する。制御部41は、起動すると、図9に示すデバイス制御処理を実行する。
【0113】
制御部41は、デバイス制御処理を開始すると、S710で、携帯端末100から送信された設定情報を受信したか否か判断する。設定情報を受信した場合は、S720に移行する。S720では、受信した設定情報を取得する。
【0114】
S730では、当該モバイルデバイスにおいて設定されている各種設定項目それぞれの設定値のうち、取得した設定情報に含まれている設定項目の設定値を、取得した設定値に更新する。S730の処理後は、S710に移行する。
【0115】
S710で、設定情報を受信していない場合は、S740に移行する。S740では、管理装置5から現設定情報の送信要求(S180参照)を受けたか否か判断する。S740で、管理装置5から現設定情報の送信要求を受けた場合は、S750に移行する。S750では、要求された現設定情報を管理装置5へ送信する。S750の処理後は、S710に移行する。
【0116】
S740で、管理装置5から現設定情報の送信要求を受けていない場合は、S760に移行する。S760では、管理装置5から推奨デバイス指定通知(S150参照)を受信したか否か判断する。推奨デバイス指定通知を受信した場合は、S770に移行する。
【0117】
S770では、報知処理を実行する。具体的には、自身が推奨デバイスに決定されたことがユーザに認識されるように、例えば表示I/F44を介して、所定の報知を行う。S770の処理後は、S710に移行する。
【0118】
S770の報知処理により、ユーザは、どれを使用対象装置として持ち出すべきかを容易に判断できる。なお、推奨デバイスが、第1モバイルデバイス31のようにクレードルに装着されることが前提とされている場合は、S760~S770の処理はクレードルで行われる。ただし、推奨デバイスがクレードルに装着されるものであっても、クレードルを介して推奨デバイス指定通知を受信することによりS760~S770の処理を実行してもよい。
【0119】
S760で、推奨デバイス指定通知を受信していない場合は、S780に移行する。
S780では、S710~S770以外の各種処理を必要に応じて実行する。S780の処理の実行後は、S710に移行する。S780の処理には、例えば、印刷機能に基づく印刷処理(本開示の第1の処理の一例に相当)を含む。スキャン機能を備えている場合は、S780の処理は、印刷処理及び/またはスキャン機能に基づくスキャン処理(本開示の第2の処理の一例に相当)が含まれていてもよい。S780の処理は、さらに、表示I/F44を制御する処理(本開示の第3の処理の一例に相当)が含まれていてもよい。
【0120】
(1-8)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の(1a)~(1f)の効果を奏する。
(1a)本実施形態では、管理装置5から携帯端末100へ、ユーザ情報に対応した設定情報群が送信される。携帯端末100は、管理装置5から設定情報群を受信すると、設定情報群に含まれている1以上の設定情報のうちの1つを使用対象装置へ送信する。使用対象装置は、携帯端末100から設定情報を受信すると、その設定情報に基づいて現在の設定値を更新する。
【0121】
そのため、ユーザは、当該ユーザに適した設定値が設定された管理対象デバイスを効率的に取得して使用することが可能となる。
(1b)本実施形態では、管理装置5は、携帯端末100から無線通信によりユーザ情報を取得可能である。そのため、ユーザは、管理装置5へ容易にユーザ情報を提供することができる。特に、本実施形態では、NFC通信により、携帯端末100を管理装置5にかざすだけでユーザ情報を管理装置5へ送信できる。
【0122】
(1c)設定情報群には、複数の設定情報が含まれ得る。ユーザは、設定情報群としていくつの設定情報を登録するか任意に決めることができる。そのため、ユーザは、自身に適した設定情報を効率よく使用対象装置へ送信することができる。
【0123】
(1d)設定情報群には、設定スケジュールが含まれ得る。設定スケジュールが含まれている場合、ユーザは、複数の設定情報をどのような順番で送信すべきかを、設定スケジュールに基づいて容易に判断することができる。
【0124】
さらに、本実施形態では、設定スケジュールに使用時刻情報が含まれている場合、複数の設定情報が、それぞれの使用時刻情報に従って自動的に使用対象装置へ送信される。そのため、ユーザは、管理テーブルに使用時刻情報を登録しておくことで、複数の設定情報をより効率的且つ容易に使用対象装置へ送信することができる。
【0125】
(1e)管理装置5は、監視タイミング毎に各管理対象デバイスからデバイス情報を取得する。そして、ユーザ情報に基づく設定情報群を携帯端末100に送信する際は、各管理対象デバイスのデバイス情報に基づいて推奨デバイスを決定し、その推奨デバイスを示す推奨デバイス情報も送信する。そのため、ユーザは、どのデバイスを使用対象装置として使用すべきかを容易に認識できる。
【0126】
(1f)通信ネットワーク150から切り離されて使用されていた使用対象装置が返却されると、管理装置5は、その使用対象装置から設定情報を取得して、管理テーブルにおける、その使用対象装置を使用していたユーザの設定情報を更新する。これにより、管理テーブルに、ユーザの直近の業務に対応した適切な設定情報が登録されることとなる。
【0127】
なお、本実施形態において、管理装置5は本開示における情報処理装置の一例に相当する。第1~第3モバイルデバイス31~33はそれぞれ本開示における画像処理装置の一例に相当する。管理制御装置10の制御部11は本開示におけるコンピュータの一例に相当する。主管理ソフトウェア12bは本開示におけるプログラムの一例に相当する。第1~第3モバイルデバイス31,32,33はいずれも、本開示における第1種の画像処理装置の一例に相当すると共に,本開示における第2種の画像処理装置の一例にも相当する。図5図10A及び図10Bのそれぞれに例示した管理テーブルは、本開示における対応情報の一例に相当する。
【0128】
また、S120の処理は本開示における取得部及びユーザ情報取得処理の一例に相当する。S160の処理は本開示における第1送信部及び送信処理の一例に相当する。S210の処理は本開示における装置情報取得処理の一例に相当する。S140の処理は本開示における決定処理の一例に相当する。S170の処理は本開示における検知処理の一例に相当する。S180の処理は本開示における設定値取得処理の一例に相当する。S190の処理は本開示における更新処理の一例に相当する。S320の処理は本開示における第1受信部の一例に相当する。SS440,S500,S540,S570の処理は本開示における第2送信部の一例に相当する。S710~S720の処理は本開示における第2受信部の一例に相当する。S730の処理は本開示における更新部の一例に相当する。S780の処理は本開示における処理部の一例に相当する。
【0129】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0130】
(2-1)管理テーブルはどのように構成されていてもよい。例えば、図10Aに例示するように、ユーザ毎に、当該ユーザの業務内容を示す1以上の業務情報が登録され、それら1以上の業務情報毎に、当該業務情報に対応する設定情報が登録されていてもよい。なお、ユーザ情報に、ユーザIDと業務情報とが含まれていてもよい。
【0131】
また例えば、ユーザ情報として、ユーザIDを含まず業務情報を含んでいてもよい。つまり、携帯端末100から管理装置5へ業務情報が送信されてもよい。この場合、管理テーブルは、図10Bに例示するように、業務情報毎に、1以上の設定情報が登録されていてもよい。
【0132】
(2-2)前述の通り、各ユーザA~Dは、自身のPCのスケジューラに、使用対象装置の使用予定を登録できる。そのスケジューラは、使用予定に対して1以上の設定情報(以下、設定情報群)を対応付けて登録可能であってもよい。そのスケジューラは、さらに、使用予定において実施する業務を示す業務情報を当該使用予定に対応付けて登録可能であってもよい。
【0133】
管理装置5のスケジューラ12c(図4参照)は、前述の通り、各ユーザA~Dのスケジュールを共有して管理可能である。つまり、各ユーザA~Dが自身のPCのスケジューラに使用予定を登録すると、その使用予定がスケジューラ12cに共有され、スケジューラ12cにも同様に登録される。
【0134】
このように構成されている場合、図6のS130では、例えば図11に示すような設定情報決定処理が実行されてもよい。即ち、S810で、スケジューラ12cに、該当ユーザのスケジュール(詳しくは使用予定)が登録されているか否か判断する。
【0135】
S810で、該当ユーザのスケジュールが登録されていない場合は、S870に移行する。S870では、S130と同様に、管理テーブルから設定情報群を決定する。S870の処理後は、本設定情報決定処理を終了し、S140(図6参照)に移行する。
【0136】
S810で、該当ユーザのスケジュールが登録されている場合は、S820に移行する。S820では、スケジューラ12cから、該当ユーザのスケジュール情報、つまり使用対象装置の使用予定(換言すれば予約情報)を取得する。このとき、使用予定に設定情報群が登録されている場合は、その設定情報群もスケジュール情報に含まれる。使用予定に業務情報が登録されている場合は、その業務情報もスケジュール情報に含まれる。
【0137】
S830では、使用予定において登録(予約)されている使用対象装置を、推奨デバイスに決定する。なお、S830で推奨デバイスが決定される場合、図6のS140の処理は省いてもよいし、S830と同様の処理をS140で繰り返してもよい。
【0138】
S840では、スケジュール情報に付属情報が含まれているか否か判断する。付属情報は、例えば、設定情報群または業務情報を含む。S840で、スケジュール情報に付属情報が含まれていない場合は、S870に移行する。S840で、スケジュール情報に付属情報が含まれている場合は、S850に移行する。
【0139】
S850では、付属情報が設定情報群または業務情報のいずれであるかを判断する。S850で、付属情報が設定情報群である場合は、S870に移行する。なお、管理テーブルにおけるユーザ情報に、図10Bに例示したように業務情報が含まれている場合は、S850からS870に移行してきた場合におけるS870の処理では、その管理テーブルに基づいて設定情報群を決定してもよい。S850で、付属情報が業務情報である場合は、S860に移行する。
【0140】
S860では、当該設定情報群、即ち、S820で取得したスケジュール情報に含まれていた設定情報群を、携帯端末100へ送信すべき送信対象に決定する。S860の処理後は、S140(図6参照)に移行する。
【0141】
なお、S820の処理は本開示における使用予定取得処理、設定情報取得処理及び業務情報取得処理の一例に相当する。
(2-3)携帯端末100は、複数の設定情報を含む設定情報群を受信した場合(S410:複数)、その設定情報群をまとめて使用対象装置へ送信してもよい。この場合、使用対象装置において、設定スケジュールに従って設定情報が適用されてもよいし、ユーザ操作に応じて設定情報が適用されてもよい。
【0142】
(2-4)S480の処理では、最優先に設定されるべき設定情報に限らず、まだ送信していない他の設定情報も含めて表示してもよい。この場合、最優先に設定されるべき設定情報を他の設定情報とは異なる態様で表示してもよい。そして、S490では、表示されている設定情報の選択肢の中からいずれか1つを選択する操作を受け付けてもよい。そして、S500では、選択された設定情報を使用対象装置へ送信してもよい。
【0143】
(2-5)携帯端末100から管理装置5へユーザ情報を送信する際の通信方式と、管理装置5から携帯端末100へ設定情報群を送信する際の通信方式とが、異なっていてもよい。
【0144】
(2-6)管理対象デバイスに複合機34が含まれていてもよい。即ち、複合機34で用いられる各種設定値についても、第1~第3モバイルデバイス31~33と全く同様に、携帯端末100から送信して設定可能であってもよい。
【0145】
(2-7)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0146】
1…画像処理システム、5…管理装置、10…管理制御装置、11,41,101…制御部、12,42,102…記憶部、12b…主管理ソフトウェア、12c…スケジューラ、20…サーバ、21…データベース、31…第1モバイルデバイス、32…第2モバイルデバイス、33…第3モバイルデバイス、34…複合機、48…印刷部、49…バッテリ、51…第1クレードル、52…第2クレードル、100…携帯端末、102b…副管理ソフトウェア、150…通信ネットワーク。
図1
図2
図3
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