(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143631
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、監視プログラムおよび監視方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20220926BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 K
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044249
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】特許業務法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春日 玄
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FE28
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA10
5C087AA19
5C087BB11
5C087DD05
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG06
5C087GG07
5C087GG08
5C087GG19
5C087GG29
5C087GG30
5C087GG35
5C087GG66
(57)【要約】
【課題】訪問者に適切な対応をするのを容易にすることができる。
【解決手段】情報処理装置10は、カメラ1から訪問者2の画像を取得する。情報処理装置10は、訪問者2の画像と、人物の画像から抽出可能な人物の特徴と時間帯ごとの人物の訪問回数との対応関係が登録された登録情報11aとに基づいて、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数を特定する。そして、情報処理装置10は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数と訪問者2の訪問時刻とに基づいて、警告種別を選択する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物の画像から抽出可能な前記人物の特徴と、時間帯ごとの前記人物の訪問回数との対応関係が登録された登録情報を記憶する記憶部と、
カメラから訪問者の画像を取得し、前記訪問者の画像と前記登録情報とに基づいて、前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数を特定し、前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数と前記訪問者の訪問時刻とに基づいて、警告種別を選択する処理部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数が前記登録情報に登録されていない場合、前記訪問者の特徴と前記訪問時刻が含まれる時間帯の1回の訪問とを対応付けて前記登録情報に登録し、前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数が前記登録情報に登録されている場合、前記訪問者の特徴に対応する、前記訪問時刻が含まれる時間帯の訪問回数に1を加算する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数が前記登録情報に登録されていない場合、前記訪問者の画像から前記訪問者の属性情報を抽出し、前記訪問者の属性情報と前記訪問時刻が含まれる時間帯の1回の訪問とを対応付けて前記登録情報に登録する、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記訪問時刻が含まれる時間帯の前記訪問者の訪問回数が第1閾値以上の場合、第1警告を前記警告種別として選択し、前記訪問時刻が含まれる時間帯の前記訪問者の訪問回数が前記第1閾値未満の場合、前記第1警告よりも強い注意を促す第2警告を前記警告種別として選択する、
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記訪問時刻が含まれる時間帯の前記訪問者の訪問回数が前記第1閾値未満で、所定の時間帯の前記訪問者の訪問回数が第2閾値以上の場合、前記第2警告よりも強い注意を促す第3警告を前記警告種別として選択する、
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記訪問時刻が含まれる時間帯の前記訪問者の訪問回数が前記第1閾値未満で、前記訪問時刻が含まれる時間帯以外の他の時間帯の前記訪問者の訪問回数が第3閾値以上の場合、前記第2警告よりも弱い注意を促す第4警告を前記警告種別として選択する、
請求項4または5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数が前記登録情報に登録されていない場合、前記第1警告よりも強い注意を促す第5警告を前記警告種別として選択する、
請求項4ないし6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
カメラから訪問者の画像を取得し、
前記訪問者の画像と、人物の画像から抽出可能な前記人物の特徴と時間帯ごとの前記人物の訪問回数との対応関係が登録された登録情報とに基づいて、前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数を特定し、
前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数と前記訪問者の訪問時刻とに基づいて、警告種別を選択する、
処理を実行させる監視プログラム。
【請求項9】
コンピュータが、
カメラから訪問者の画像を取得し、
前記訪問者の画像と、人物の画像から抽出可能な前記人物の特徴と時間帯ごとの前記人物の訪問回数との対応関係が登録された登録情報とに基づいて、前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数を特定し、
前記訪問者の時間帯ごとの訪問回数と前記訪問者の訪問時刻とに基づいて、警告種別を選択する、
監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、監視プログラムおよび監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施設で関係者以外の部外者の侵入を防ぐのが好ましいことがある。部外者の侵入を防ぐためには、例えば、防犯カメラ等のカメラが撮影した画像を用いて、関係者であるか否かを判別することがある。
【0003】
画像を用いた人物の判別に関する技術としては、例えば、ビデオデータおよびモバイル通信デバイスデータと関連付けられる人物のプロファイルを生成する分析認識システムが提案されている。また、例えば、事前登録された居住者の顔と、検索数が多い人物との類似度を算出し、類似度が高ければ先の判定に拘わらず居住者と判定する人物検索方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2018-526945号公報
【特許文献2】国際公開第2014/132841号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
訪問者を判別する方法としては、例えば、施設の関係者の顔データをあらかじめ登録し、訪問者の顔データが登録されているか否かに応じて、訪問者が関係者か否かを判定することが考えられる。しかし、顔データの提供を関係者から拒まれる場合や、関係者が多い場合、関係者の顔データを登録するのは困難である。このように、施設の関係者の顔データを収集できない場合、関係者を部外者として判別し、訪問者に適切な対応ができない場合がある。
【0006】
1つの側面では、本件は、訪問者に適切な対応をするのを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、記憶部と処理部とを有する情報処理装置が提供される。記憶部は、人物の画像から抽出可能な人物の特徴と、時間帯ごとの人物の訪問回数との対応関係が登録された登録情報を記憶する。処理部は、カメラから訪問者の画像を取得し、訪問者の画像と登録情報とに基づいて、訪問者の時間帯ごとの訪問回数を特定し、訪問者の時間帯ごとの訪問回数と訪問者の訪問時刻とに基づいて、警告種別を選択する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、訪問者に適切な対応をするのを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
【
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図3】情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
【
図4】情報処理装置の機能例を示すブロック図である。
【
図7】データ収集処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】通知画面表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず第1の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。第1の実施の形態の情報処理装置10は、カメラ1が撮影した訪問者2の画像に基づいて、適切な警告を発するものである。
【0012】
情報処理装置10は、施設の入り口を監視し、施設の訪問者2に応じた警告を発するコンピュータである。情報処理装置10は、カメラ1に接続されている。カメラ1は、訪問者2を撮影可能に設置される。カメラ1は、例えば、施設の入り口を撮影する防犯カメラである。情報処理装置10は、記憶部11と処理部12とを有する。
【0013】
記憶部11は、情報処理装置10が実行する処理に用いられるデータを記憶する。記憶部11は、例えば、情報処理装置10が有するメモリまたはストレージ装置である。記憶部11は、登録情報11aを記憶する。
【0014】
登録情報11aは、人物の画像から抽出可能な人物の特徴と、時間帯ごとの人物の訪問回数との対応関係が登録される。人物の特徴は、例えば、属性情報である。属性情報は、人物をグループ分け可能な複数の特徴の、人物が属するグループの組み合わせである。属性情報は、例えば、身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無等の組み合わせである。一例として、登録情報11aには、属性情報Aに対応付けて、朝の時間帯の訪問回数が10回、昼の時間帯の訪問回数が0回、夕方の時間帯の訪問回数が10回、閉館時間帯の訪問回数が0回であることが登録されている。
【0015】
処理部12は、情報処理装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、情報処理装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。処理部12は、データ収集処理と警告種別選択処理とを実行する。例えば、処理部12は、一定期間(例えば、1か月間)データ収集処理を実行し、一定期間経過後、データ収集処理と警告種別選択処理とを実行する。
【0016】
データ収集処理では、まず、処理部12は、カメラ1から訪問者2の画像を取得する。処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数が登録情報11aに登録されているか否かを判定する。例えば、処理部12は、訪問者2の画像から訪問者2の属性情報を抽出する。処理部12は、訪問者2の画像から抽出した訪問者2の属性情報が、登録情報11aに登録されている場合、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数が登録情報11aに登録されていると判定する。
【0017】
処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数が登録情報11aに登録されていない場合、訪問者2の特徴と訪問時刻が含まれる時間帯の1回の訪問とを対応付けて登録情報11aに登録する。例えば、処理部12は、訪問時刻が、朝の時間帯、昼の時間帯、夕方の時間帯および閉館時間帯のいずれの時間帯に含まれるか特定する。そして、処理部12は、訪問者2の属性情報と訪問時刻が含まれる時間帯の1回の訪問とを対応付けて登録情報11aに登録する。
【0018】
また、処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数が登録情報11aに登録されている場合、訪問者2の特徴に対応する、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問回数に1を加算する。つまり、処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数をカウントする。例えば、処理部12は、登録情報11aにおいて、訪問者2の属性情報に対応する、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問回数に1を加算する。
【0019】
警告種別選択処理では、処理部12は、カメラ1から訪問者2の画像を取得し、訪問者2の画像と登録情報11aとに基づいて、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数を特定する。例えば、処理部12は、登録情報11aを参照し、訪問者2の画像から抽出した訪問者2の属性情報に対応する、朝の時間帯、昼の時間帯、夕方の時間帯および閉館時間帯それぞれの訪問回数を特定する。そして、処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数と訪問者2の訪問時刻とに基づいて、警告種別を選択する。警告種別は、例えば、通知画面の表示、警報等の音声出力等である。
【0020】
例えば、処理部12は、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問者2の訪問回数が第1閾値以上であるか否かを判定する。そして、処理部12は、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問者の訪問回数が第1閾値以上の場合、第1警告を警告種別として選択する。第1警告は、関係者が来たことを示す警告である。例えば、第1警告は、関係者が施設に訪問したことを施設内のユーザに通知するための画面等であってもよい。また、例えば、第1警告は、通知等をしないことであってもよい。
【0021】
また、処理部12は、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問者の訪問回数が第1閾値未満の場合、第2警告を警告種別として選択する。第2警告は、第1警告よりも強い注意を促す警告である。第2警告は、例えば、部外者が施設に訪問したことを施設内のユーザに通知するための画面等であってもよい。また、例えば、第1警告が通知等をしないことである場合に、第2警告は、通知画面の表示や音声の出力であってもよい。
【0022】
処理部12は、選択された警告種別に応じて警告を発する。例えば、処理部12は、選択された警告種別に応じた画面を、図示しない表示装置に表示させてもよい。また、例えば、処理部12は、選択された警告種別に応じた音声を、図示しないスピーカから出力させてもよい。
【0023】
第1の実施の形態によれば、情報処理装置10の記憶部11は、人物の画像から抽出可能な人物の特徴と、時間帯ごとの人物の訪問回数との対応関係が登録された登録情報11aを記憶する。情報処理装置10の処理部12は、カメラ1から訪問者2の画像を取得し、訪問者2の画像と登録情報11aとに基づいて、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数を特定し、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数と訪問者2の訪問時刻とに基づいて、警告種別を選択する。
【0024】
ここで、訪問者2を関係者か否か判別する他の方法として、関係者から提供された顔データを登録しておき、訪問者2の画像と比較することも考えられる。しかし、顔データの提供を関係者から拒まれる場合や、関係者が多い場合、関係者の顔データを登録するのは困難である。これに対して、情報処理装置10は、関係者からのデータの提供なしに、訪問者2が関係者の可能性が高いか部外者の可能性が高いかを判別し、判別結果に応じた警告種別を選択する。よって、情報処理装置10は、訪問者2に適切な対応をするのを容易にすることができる。
【0025】
また、処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数が登録情報11aに登録されていない場合、訪問者2の特徴と訪問時刻が含まれる時間帯の1回の訪問とを対応付けて登録情報11aに登録する。また、処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数が登録情報11aに登録されている場合、訪問者2の特徴に対応する、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問回数に1を加算する。これにより、情報処理装置10は、訪問者2が関係者の可能性が高いか否かを判別するための登録情報11aを生成できる。
【0026】
また、処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数が登録情報11aに登録されていない場合、訪問者2の画像から訪問者2の属性情報を抽出し、訪問者2の属性情報と訪問時刻が含まれる時間帯の1回の訪問とを対応付けて登録情報11aに登録する。これにより、情報処理装置10は、関係者の生体データを記憶することなく、訪問者2が関係者の可能性が高いか否かを判別することができる。
【0027】
また、処理部12は、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問者2の訪問回数が第1閾値以上の場合、第1警告を警告種別として選択する。また、処理部12は、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問者2の訪問回数が第1閾値未満の場合、第1警告よりも強い注意を促す第2警告を警告種別として選択する。これにより、情報処理装置10は、訪問者2が部外者の可能性が高い場合、関係者が訪問したときよりも強くユーザに注意を促すことができる。
【0028】
なお、処理部12は、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問者2の訪問回数が第1閾値未満で、所定の時間帯の訪問者2の訪問回数が第2閾値以上の場合、第2警告よりも強い注意を促す第3警告を警告種別として選択してもよい。これにより、情報処理装置10は、訪問者2が不自然な時間帯によく訪問する不審人物である場合、部外者が訪問したときよりも強くユーザに注意を促すことができる。
【0029】
また、処理部12は、訪問時刻が含まれる時間帯の訪問者2の訪問回数が第1閾値未満で、訪問時刻が含まれる時間帯以外の他の時間帯の訪問者2の訪問回数が第3閾値以上の場合、第2警告よりも弱い注意を促す第4警告を警告種別として選択してもよい。これにより、情報処理装置10は、他の時間帯によく訪問する訪問者2が普段と異なる時間帯に訪問した場合、訪問者2が関係者の可能性があると判別し、部外者が訪問したときよりもユーザへの注意を弱めることができる。
【0030】
また、処理部12は、訪問者2の時間帯ごとの訪問回数が登録情報11aに登録されていない場合、第1警告よりも強い注意を促す第5警告を警告種別として選択してもよい。これにより、情報処理装置10は、訪問者2が新規の訪問者で関係者の可能性が低い場合、関係者が訪問したときよりも強くユーザに注意を促すことができる。
【0031】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、施設の訪問者が関係者か否かを判別し、判別結果を画面表示によってユーザに通知するものである。
【0032】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の情報処理システムは、施設20に設置される。施設20は、例えば、幼稚園等である。
【0033】
第2の実施の形態の情報処理システムは、カメラ21と情報処理装置100とを有する。カメラ21は、施設20の入り口を監視するための防犯カメラである。カメラ21は、施設20に訪問する訪問者22を撮影可能なように設置される。情報処理装置100は、施設20内に設置されたコンピュータである。情報処理装置100は、まず、所定期間(例えば、1か月間)カメラ21が撮影する画像からデータを収集する。データ収集処理では、情報処理装置100は、訪問者22がカメラ21によって撮影されるたびに以下の処理を実行する。
【0034】
情報処理装置100は、訪問者22の属性情報を分析する。例えば、情報処理装置100は、訪問者22が撮影された画像から、訪問者22の身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無を推定する。情報処理装置100は、推定された年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無の組み合わせを訪問者22の属性情報とする。そして、情報処理装置100は、属性情報と時間帯ごとの訪問回数とが対応付けて登録された登録情報を参照し、訪問者22の属性情報に対応する、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数に1を加算する。
【0035】
情報処理装置100は、所定期間経過後、データ収集処理と通知画面表示処理とを実行する。通知画面表示処理では、情報処理装置100は、訪問者22がカメラ21によって撮影されるたびに、訪問者22の属性情報を分析する。情報処理装置100は、訪問者22の属性情報に対応する時間帯ごとの訪問回数(つまり、過去の訪問者22の時間帯ごとの訪問回数)を登録情報から参照する。そして、情報処理装置100は、過去の訪問者22の時間帯ごとの訪問回数と、今回の訪問者22の訪問時間帯とに基づいて、施設20内のユーザへの通知画面を選択し、選択した通知画面を表示する。
【0036】
図3は、情報処理装置のハードウェアの一構成例を示す図である。情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101は、プログラムの命令を実行するプロセッサである。なお、CPU101は複数のプロセッサコアを含んでもよい。また、CPU101は、複数のプロセッサであってもよく、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)等であってもよい。また、CPU101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現してもよい。CPU101には、バス110を介してRAM(Random Access Memory)102と複数の周辺機器が接続されている。
【0037】
RAM102は、情報処理装置100の主記憶装置である。RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に利用する各種データが格納される。なお、情報処理装置100は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
【0038】
バス110に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)103、GPU(Graphics Processing Unit)104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106がある。またバス110に接続されている周辺機器としては、機器接続インタフェース107,108およびネットワークインタフェース109がある。
【0039】
HDD103は、情報処理装置100の補助記憶装置である。HDD103は、内蔵した磁気ディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、情報処理装置100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の他の種類の補助記憶装置を備えてもよく、複数の補助記憶装置を備えてもよい。
【0040】
GPU104には、モニタ31が接続されている。GPU104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ31の画面に表示させる。モニタ31としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置等がある。
【0041】
入力インタフェース105には、キーボード32とマウス33とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード32やマウス33から送られてくる信号をCPU101に送信する。なお、マウス33は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボール等がある。
【0042】
光学ドライブ装置106は、レーザ光等を利用して、光ディスク34に記録されたデータの読み取りを行う。光ディスク34は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク34には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。
【0043】
機器接続インタフェース107は、情報処理装置100に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置35やメモリリーダライタ36を接続することができる。メモリ装置35は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ36は、メモリカード37へのデータの書き込み、またはメモリカード37からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード37は、カード型の記録媒体である。
【0044】
機器接続インタフェース108は、カメラ21に接続される。カメラ21は、CPU101からの命令に従って、カメラ21のレンズを向けた先の光景の静止画または動画のデータを生成し、RAM102に格納する。
【0045】
ネットワークインタフェース109は、ネットワーク30に接続されている。ネットワークインタフェース109は、ネットワーク30を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。
【0046】
情報処理装置100は、以上のようなハードウェア構成によって、第2の実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、第1の実施の形態に示した情報処理装置10も、
図3に示した情報処理装置100と同様のハードウェアにより実現することができる。また、CPU101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。またRAM102またはHDD103は、第1の実施の形態に示した記憶部11の一例である。
【0047】
情報処理装置100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。情報処理装置100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、情報処理装置100に実行させるプログラムをHDD103に格納しておくことができる。CPU101は、HDD103内のプログラムの少なくとも一部をRAM102にロードし、プログラムを実行する。また、情報処理装置100に実行させるプログラムを、光ディスク34、メモリ装置35、メモリカード37等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばCPU101からの制御により、HDD103にインストールされた後、実行可能となる。また、CPU101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0048】
次に、情報処理装置100の機能について詳細に説明する。
図4は、情報処理装置の機能例を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部120、画像解析部130、登録部140および判定部150を有する。記憶部120は、RAM102またはHDD103の記憶領域を用いて実現される。画像解析部130、登録部140および判定部150は、RAM102に記憶されたプログラムをCPU101が実行することで実現される。記憶部120は、登録情報121を記憶する。登録情報121には、人物の属性情報と、人物の時間帯ごとの訪問回数との対応関係が登録される。
【0049】
画像解析部130は、訪問者22を検出し、検出した訪問者22の属性情報を分析する。まず、画像解析部130は、訪問者22がいるか否かを判定する。例えば、画像解析部130は、カメラ21が撮影した画像に人物が写っていた場合、訪問者22がいると判定する。画像解析部130は、訪問者22がいると判定した場合、カメラ21が撮影した訪問者22の画像を取得する。そして、画像解析部130は、訪問者22の属性情報を分析する。例えば、画像解析部130は、カメラ21から取得した訪問者22の画像から、訪問者22の身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無を推定する。
【0050】
登録部140は、画像解析部130によって分析された属性情報に基づいて、属性情報と時間帯ごとの訪問回数との対応関係の登録情報121への登録と、人物の時間帯ごとの訪問回数のカウントを行う。登録部140は、画像解析部130が訪問者22を検出すると、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあるか否かを判定する。登録部140は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にないと判定した場合、朝、昼、夕方および閉館時間の時間帯のうちの訪問者22の訪問時刻が含まれる時間帯(訪問者22の訪問時間帯)を特定する。そして、登録部140は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数を1として、訪問者22の属性情報に対応付けて登録情報121に新規登録する。また、登録部140は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあると判定した場合、訪問者22の属性情報に対応する訪問時間帯の訪問回数に1を加算する。
【0051】
判定部150は、画像解析部130によって分析された属性情報と訪問者22の訪問時刻に基づいて表示画面を選択し、選択した表示画面をモニタ31に表示させる。判定部150は、画像解析部130が訪問者22を検出すると、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあるか否かを判定する。判定部150は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にないと判定した場合、訪問者22が過去に訪問したことがない新規訪問者であることを通知するための画面をモニタ31に表示させる。
【0052】
また、判定部150は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあると判定した場合、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯か否かを判定する。判定部150は、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯であると判定した場合、訪問者22が異常な訪問者であることを通知するための画面をモニタ31に表示させ、訪問者22の映像を記録する。
【0053】
また、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯ではないと判定した場合、登録情報121を参照し、訪問者22の訪問回数が朝、昼、夕方および閉館時間の時間帯のうちの閉館時間帯のみ閾値X以上であるか否かを判定する。判定部150は、訪問者22の訪問回数が閉館時間帯のみ閾値X以上であると判定した場合、訪問者22が異常な訪問者であることを通知するための画面をモニタ31に表示させ、訪問者22の映像を記録する。
【0054】
また、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯以外で、閉館時間帯の訪問回数が閾値X未満であると判定した場合、登録情報121を参照し、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y以上であるか否かを判定する。判定部150は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y以上であると判定した場合、訪問者22が関係者であることを通知するための画面をモニタ31に表示させる。
【0055】
また、判定部150は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y未満であると判定した場合、登録情報121を参照し、朝、昼および夕方の時間帯のうちの訪問者22の訪問時間帯以外の他の時間帯の訪問回数が閾値Z以上であるか否かを判定する。判定部150は、他の時間帯の訪問回数が閾値Z以上であると判定した場合、訪問者22が関係者であり普段と異なる時間帯に訪問したことを示す画面をモニタ31に表示させる。また、判定部150は、他の時間帯の訪問回数が閾値Z未満であると判定した場合、訪問者22に注意を払うよう促す画面をモニタ31に表示させる。
【0056】
なお、閾値X、閾値Yおよび閾値Zは、同じ値でもよいし、異なる値でもよい。また、
図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部120に記憶される登録情報121について詳細に説明する。
【0057】
図5は、登録情報の一例を示す図である。登録情報121には、画像解析部130によって分析された人物の属性情報と、人物の時間帯ごとの訪問回数との対応関係を示すレコードが登録されている。登録情報121は、ID、身長、年齢、性別、髪色、髭、めがね、メーク、回数、最終訪問時刻、朝、昼、夕方および閉館時間の項目を有する。
【0058】
IDの項目には、レコードのIDが設定される。身長の項目には、画像解析部130によって推定された、人物の身長が設定される。年齢の項目には、画像解析部130によって推定された、人物の年齢が設定される。性別の項目には、画像解析部130によって推定された、人物の性別が設定される。髪色の項目には、画像解析部130によって推定された、人物の髪色が設定される。髭の項目には、画像解析部130によって推定された、人物の髭の有無が設定される。めがねの項目には、画像解析部130によって推定された、人物のめがねの有無が設定される。メークの項目には、画像解析部130によって推定された、人物の目、口のメークの有無が設定される。
【0059】
回数の項目には、人物の合計訪問回数が設定される。最終訪問時刻の項目には、人物が施設20を最後に訪問した時刻が設定される。朝の項目には、人物の朝の時間帯(例えば、6:00~8:59)の訪問回数が設定される。昼の項目には、人物の昼の時間帯(例えば、9:00~15:59)の訪問回数が設定される。夕方の項目には、人物の夕方の時間帯(例えば、16:00~18:59)の訪問回数が設定される。閉館時間の項目には、人物の閉館時間帯(例えば、19:00~5:59)の訪問回数が設定される。なお、閉館時間帯は、人物が施設20を訪問するのが不自然な時間帯である。また、閉館時間帯は、第1の実施の形態に示した所定の時間帯の一例である。
【0060】
一例として、登録情報121のIDが「1」のレコードは、身長の項目に「165cm」が設定され、年齢の項目に「34」が設定され、性別の項目に「女性」が設定され、髪色の項目に「黒」が設定され、髭の項目に「無し」が設定されている。また、IDが「1」のレコードは、めがねの項目に「有り」が設定され、メークの項目に「目・口」が設定されている。IDが「1」のレコードは、対応する人物が身長「165cm」、年齢「34」歳、性別「女性」、髪色「黒」と、画像解析部130によって推定されたことを示す。また、IDが「1」のレコードは、対応する人物が髭が生えておらず、めがねをかけており、「目・口」にメークがあると画像解析部130によって推定されたことを示す。
【0061】
また、IDが「1」のレコードは、回数の項目に「20」が設定され、最終訪問時刻の項目に「2020/12/21/8:21」が設定され、朝の項目に「10」が設定され、昼の項目に「0」が設定され、夕方の項目に「10」が設定されている。また、IDが「1」のレコードは、閉館時間の項目に「0」が設定されている。IDが「1」のレコードは、対応する人物が施設20に合計「20」回訪問し、施設20を最後に訪問したのが2020年12月21日8時21分であったことを示す。また、IDが「1」のレコードは、対応する人物が朝の時間帯に「10」回、昼の時間帯に「0」回、夕方の時間帯に「10」回、閉館時間帯に「0」回、施設20を訪問したことを示す。
【0062】
次に、情報処理装置100が表示する通知画面について説明する。
図6は、通知画面の一例を示す図である。判定部150は、画像解析部130による属性情報分析結果から特定した登録情報121の訪問者22の情報に基づいて、通知画面を選択する。例えば、判定部150は、関係者訪問通知画面41、別時間帯訪問通知画面42、注意訪問者通知画面43、新規訪問者通知画面44および異常訪問者通知画面45のうちのいずれかをモニタ31に表示させる。
【0063】
判定部150は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y以上である場合、関係者訪問通知画面41をモニタ31に表示させる。関係者訪問通知画面41は、訪問者22が関係者であることを通知するための画面である。例えば、関係者訪問通知画面41は、「現在時刻12:34」等の現在時刻を示すメッセージを含む。また、関係者訪問通知画面41は、「関係者の訪問」等の関係者が訪問したことを示すメッセージを含む。なお、閾値Yは、第1の実施の形態に示した第1閾値の一例であり、関係者訪問通知画面41の表示は、第1の実施の形態に示した第1警告の一例である。
【0064】
判定部150は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y未満で、朝、昼および夕方の時間帯のうちの訪問者22の訪問時間帯以外の他の時間帯の訪問回数が閾値Z以上である場合、別時間帯訪問通知画面42をモニタ31に表示させる。別時間帯訪問通知画面42は、訪問者22が関係者であり普段と異なる時間帯に訪問したことを示す画面である。別時間帯訪問通知画面42は、関係者訪問通知画面41よりも強くユーザに注意を促す画面である。
【0065】
例えば、別時間帯訪問通知画面42は、「現在時刻12:34」等の現在時刻を示すメッセージを含む。また、別時間帯訪問通知画面42は、「確認」等の訪問者22を確認するよう促すメッセージを含む。また、別時間帯訪問通知画面42は、「関係者の別時間帯訪問」等の訪問者22が関係者であり、普段と異なる時間帯に訪問したことを示すメッセージを含む。また、別時間帯訪問通知画面42は、「朝(6~9)・夕(16~19)」等の訪問者22が普段訪問する時間帯を示すメッセージを含む。なお、閾値Zは、第1の実施の形態に示した第3閾値の一例であり、別時間帯訪問通知画面42の表示は、第1の実施の形態に示した第4警告の一例である。
【0066】
判定部150は、朝、昼および夕方の時間帯の訪問回数が閾値Z未満である場合、注意訪問者通知画面43をモニタ31に表示させる。注意訪問者通知画面43は、訪問者22に注意を払うよう促す画面である。注意訪問者通知画面43は、関係者訪問通知画面41および別時間帯訪問通知画面42よりも強くユーザに注意を促す画面である。
【0067】
例えば、注意訪問者通知画面43は、「現在時刻12:34」等の現在時刻を示すメッセージを含む。また、注意訪問者通知画面43は、「注意」等の訪問者22に注意を払うよう促すメッセージを含む。また、注意訪問者通知画面43は、「訪問回数の少ない訪問者」等の訪問者22が訪問回数が少ないことを示すメッセージを含む。また、注意訪問者通知画面43は、「男・34歳・175cm」等の訪問者22の属性情報の一部を示すメッセージを含む。なお、注意訪問者通知画面43の表示は、第1の実施の形態に示した第2警告の一例である。
【0068】
判定部150は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にない場合、新規訪問者通知画面44をモニタ31に表示させる。新規訪問者通知画面44は、訪問者22が過去に訪問したことがない新規訪問者であることを通知するための画面である。新規訪問者通知画面44は、関係者訪問通知画面41および別時間帯訪問通知画面42よりも強くユーザに注意を促す画面である。
【0069】
例えば、新規訪問者通知画面44は、「現在時刻12:34」等の現在時刻を示すメッセージを含む。また、新規訪問者通知画面44は、「注意」等の訪問者22に注意を払うよう促すメッセージを含む。また、新規訪問者通知画面44は、「新規訪問者」等の訪問者22が過去に訪問したことがない新規訪問者であることを示すメッセージを含む。また、新規訪問者通知画面44は、「女・34歳・165cm」等の訪問者22の属性情報の一部を示すメッセージを含む。なお、新規訪問者通知画面44の表示は、第1の実施の形態に示した第5警告の一例である。
【0070】
判定部150は、訪問者22の訪問回数が閉館時間帯のみ閾値X以上であると判定した場合、異常訪問者通知画面45をモニタ31に表示させる。異常訪問者通知画面45は、訪問者22が異常な訪問者であることを通知するための画面である。異常訪問者通知画面45は、新規訪問者通知画面44は、関係者訪問通知画面41、別時間帯訪問通知画面42、注意訪問者通知画面43および新規訪問者通知画面44よりも強くユーザに注意を促す画面である。なお、閾値Xは、第1の実施の形態に示した第2閾値の一例であり、異常訪問者通知画面45の表示は、第1の実施の形態に示した第3警告の一例である。
【0071】
例えば、異常訪問者通知画面45は、「現在時刻12:34」等の現在時刻を示すメッセージを含む。また、異常訪問者通知画面45は、「要注意」等の訪問者22に強く注意を払うよう促すメッセージを含む。また、異常訪問者通知画面45は、「閉館時間の訪問者」等の、訪問者22が閉館時間帯に施設20をよく訪問する異常な訪問者であることを示すメッセージを含む。また、異常訪問者通知画面45は、「男・34歳・175cm」等の訪問者22の属性情報の一部を示すメッセージを含む。
【0072】
このようにして、判定部150は、訪問者22の時間帯ごとの訪問回数に応じた通知画面をモニタ31に表示させる。訪問者22は、訪問時間帯に施設20にあまり訪問しない場合や施設20に訪問したことがない場合、施設20の部外者である可能性が高い。そこで、判定部150は、注意訪問者通知画面43や新規訪問者通知画面44を表示することで、施設20内のユーザに注意を促すことができる。なお、訪問者22は、訪問時間帯にあまり訪問しない場合であっても、他の時間帯によく訪問している場合、施設20の関係者である可能性が高い。そこで、判定部150は、別時間帯訪問通知画面42を表示することで、注意訪問者通知画面43や新規訪問者通知画面44を表示する場合よりも施設20内のユーザに促す注意の度合いを弱くすることができる。
【0073】
また、訪問者22は、人物が施設20を訪問するのが不自然な時間帯である閉館時間帯に施設20をよく訪問している場合、特に不審な人物である。そこで、判定部150は、異常訪問者通知画面45を表示することで、注意訪問者通知画面43や新規訪問者通知画面44を表示する場合よりも施設20内のユーザに強く注意を促すことができる。このように、判定部150は、訪問者22の訪問に対して、適切な度合いでユーザに注意を促すことができる。
【0074】
次に、データ収集処理手順について説明する。
図7は、データ収集処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図7に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0075】
[ステップS11]画像解析部130は、訪問者22がいるか否かを判定する。例えば、画像解析部130は、カメラ21が撮影した画像に人物が写っていた場合、訪問者22がいると判定する。画像解析部130は、訪問者22がいると判定した場合、処理をステップS12に進める。また、画像解析部130は、訪問者22がいないと判定した場合、処理をステップS11に進める。
【0076】
[ステップS12]画像解析部130は、カメラ21が撮影した訪問者22の画像を取得する。
[ステップS13]画像解析部130は、訪問者22の属性情報を分析する。例えば、画像解析部130は、ステップS12で取得した訪問者22の画像から、訪問者22の身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無を推定する。
【0077】
[ステップS14]登録部140は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあるか否かを判定する。例えば、登録部140は、身長、年齢、性別、髪色、髭、めがね、メークの項目が、ステップS13で推定された、身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無と一致するレコードを登録情報121から探索する。なお、登録部140は、推定された身長と身長の項目とが所定の誤差範囲(例えば、±2cm)以内であれば、推定された身長と身長の項目とが一致するものとしてもよい。また、登録部140は、推定された年齢と年齢の項目とが所定の誤差範囲(例えば、±2歳)以内であれば、推定された年齢と年齢の項目とが一致するものとしてもよい。
【0078】
登録部140は、身長、年齢、性別、髪色、髭、めがね、メークの項目が、推定値と一致するレコードが登録情報121から検出された場合、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあると判定する。登録部140は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあると判定した場合、処理をステップS16に進める。また、登録部140は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にないと判定した場合、処理をステップS15に進める。
【0079】
[ステップS15]登録部140は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が1のレコードを登録情報121に新規登録する。例えば、登録部140は、他のレコードにIDとして設定されていない番号をIDの項目に設定したレコードを生成し、登録情報121に登録する。登録部140は、生成したレコードの身長、年齢、性別、髪色、髭、めがね、メークの項目に、ステップS13で推定された、身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無を設定する。また、登録部140は、生成したレコードの最終訪問時刻の項目に、訪問者22の画像を取得した時刻(つまり、訪問者22の訪問時刻)を設定する。また、登録部140は、生成したレコードの回数の項目と、朝、昼、夕方および閉館時間のうちの訪問者22の訪問時刻が含まれる時間帯の項目とに1を設定する。そして、処理がステップS11に進む。
【0080】
[ステップS16]登録部140は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数に1を加算する。例えば、登録部140は、ステップS14で検出されたレコードの回数の項目と、朝、昼、夕方および閉館時間のうちの訪問者22の訪問時刻が含まれる時間帯の項目とに1を加算する。そして、処理がステップS11に進む。
【0081】
このように、登録部140は、訪問者22の時間帯ごとの訪問回数が登録情報121に登録されていない場合、訪問者22の属性情報と訪問時間帯の1回の訪問とを対応付けて登録情報121に登録する。また、登録部140は、訪問者22の時間帯ごとの訪問回数が登録情報121に登録されている場合、訪問者22の属性情報に対応する、訪問時間帯の訪問回数に1を加算する。これにより、登録部140は、訪問者22の時間帯ごとの訪問回数をカウントすることができる。よって、登録部140は、訪問者22が関係者の可能性が高いか否かを判別するための登録情報121を生成できる。
【0082】
ここで、登録部140は、施設20を訪問した人物を撮影した画像から登録情報121を自動で生成できる。したがって、登録部140は、顔データの提供を関係者から拒まれる場合や、関係者が多い場合等の、関係者の顔データを登録するのが困難な場合であっても登録情報121を生成できる。
【0083】
また、登録部140は、訪問者22の画像から推定された、身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無およびメークの有無と、時間帯ごとの訪問回数とを対応付けて登録情報121に登録する。これにより、登録部140は、情報処理装置100が関係者の生体データを記憶することなく、訪問者22が関係者の可能性が高いか否かを判別ができるようにする。
【0084】
次に、通知画面表示処理手順について説明する。情報処理装置100は、以下の通知画面表示処理を、第2の実施の形態のシステムの運用開始の1か月後から開始する。
図8は、通知画面表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、
図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0085】
[ステップS21]画像解析部130は、訪問者22がいるか否かを判定する。例えば、画像解析部130は、カメラ21が撮影した画像に人物が写っていた場合、訪問者22がいると判定する。画像解析部130は、訪問者22がいると判定した場合、処理をステップS22に進める。また、画像解析部130は、訪問者22がいないと判定した場合、処理をステップS21に進める。
【0086】
[ステップS22]画像解析部130は、カメラ21が撮影した訪問者22の画像を取得する。
[ステップS23]画像解析部130は、訪問者22の属性情報を分析する。例えば、画像解析部130は、ステップS22で取得した訪問者22の画像から、訪問者22の身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無を推定する。
【0087】
[ステップS24]判定部150は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあるか否かを判定する。例えば、判定部150は、身長、年齢、性別、髪色、髭、めがね、メークの項目が、ステップS23で推定された、身長、年齢、性別、髪色、髭の有無、めがねの有無、メークの有無と一致するレコードを登録情報121から探索する。判定部150は、身長、年齢、性別、髪色、髭、めがね、メークの項目が、推定値と一致するレコードが登録情報121から検出された場合、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあると判定する。判定部150は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にあると判定した場合、処理をステップS26に進める。また、判定部150は、訪問者22の属性情報に合致する登録が登録情報121にないと判定した場合、処理をステップS25に進める。
【0088】
[ステップS25]判定部150は、新規訪問者通知画面44をモニタ31に表示させる。そして、処理がステップS21に進む。
[ステップS26]判定部150は、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯か否かを判定する。例えば、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が19:00~5:59である場合、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯であると判定する。判定部150は、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯であると判定した場合、処理をステップS28に進める。また、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯ではないと判定した場合、処理をステップS27に進める。
【0089】
[ステップS27]判定部150は、訪問者22の訪問回数が閉館時間帯のみ閾値X以上であるか否かを判定する。例えば、判定部150は、ステップS24で検出されたレコード(訪問者22のレコード)の朝、昼および夕方の項目に設定された値が閾値X未満であり、閉館時間の項目に設定された値が閾値X以上である場合、訪問者22の訪問回数が閉館時間帯のみ閾値X以上であると判定する。判定部150は、訪問者22の訪問回数が閉館時間帯のみ閾値X以上であると判定した場合、処理をステップS28に進める。また、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が閉館時間帯以外で、閉館時間帯の訪問回数が閾値X未満であると判定した場合、処理をステップS30に進める。
【0090】
[ステップS28]判定部150は、異常訪問者通知画面45をモニタ31に表示させる。
[ステップS29]判定部150は、訪問者22の映像を記録する。例えば、判定部150は、訪問者22の訪問時刻の前後所定時間にカメラ21が撮影した映像を記憶部120に格納する。そして、処理がステップS21に進む。
【0091】
[ステップS30]判定部150は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y以上であるか否かを判定する。例えば、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が6:00~8:59である場合、訪問者22のレコードの朝の項目に設定された値を参照する。また、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が9:00~15:59である場合、訪問者22のレコードの昼の項目に設定された値を参照する。また、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が16:00~18:59である場合、訪問者22のレコードの夕方の項目に設定された値を参照する。判定部150は、参照した値が閾値Y以上である場合、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y以上であると判定する。
【0092】
判定部150は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y以上であると判定した場合、処理をステップS31に進める。また、判定部150は、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Y未満であると判定した場合、処理をステップS32に進める。
【0093】
[ステップS31]判定部150は、関係者訪問通知画面41をモニタ31に表示させる。そして、処理がステップS21に進む。
[ステップS32]判定部150は、訪問者22の訪問時間帯以外の他の時間帯の訪問回数が閾値Z以上であるか否かを判定する。例えば、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が6:00~8:59である場合、訪問者22のレコードの昼および夕方の項目に設定された値を参照する。また、判定部150は、訪問者22の訪問時刻が9:00~15:59である場合、訪問者22のレコードの朝および夕方の項目に設定された値を参照する。また、判定部150は、訪問者22の画像を取得した時刻が16:00~18:59である場合、訪問者22のレコードの朝および昼の項目に設定された値を参照する。判定部150は、参照した2つの値のいずれが閾値Z以上である場合、訪問者22の訪問時間帯の訪問回数が閾値Z以上であると判定する。
【0094】
判定部150は、他の時間帯の訪問回数が閾値Z以上であると判定した場合、処理をステップS33に進める。また、判定部150は、他の時間帯の訪問回数が閾値Z未満であると判定した場合、処理をステップS34に進める。
【0095】
[ステップS33]判定部150は、別時間帯訪問通知画面42をモニタ31に表示させる。そして、処理がステップS21に進む。
[ステップS34]判定部150は、注意訪問者通知画面43をモニタ31に表示させる。そして、処理がステップS21に進む。
【0096】
このように、判定部150は、訪問者22の画像と登録情報121とに基づいて、訪問者22の時間帯ごとの訪問回数を特定する。そして、判定部150は、訪問者22の時間帯ごとの訪問回数と訪問者22の訪問時刻とに基づいて、通知画面を選択し、選択した通知画面を表示する。判定部150が用いる登録情報121は、関係者からのデータの提供なしに生成される。よって、判定部150は、訪問者22に適切な対応をするのを容易にすることができる。
【0097】
ここで、判定部150は、訪問時間帯の訪問者22の訪問回数が閾値Y以上の場合、関係者訪問通知画面41を通知画面として選択する。また、判定部150は、訪問時間帯の訪問者22の訪問回数が閾値Y未満で、訪問時間帯以外の他の時間帯の訪問者22の訪問回数が閾値Z以上の場合、別時間帯訪問通知画面42を通知画面として選択する。また、訪問時間帯の訪問者22の訪問回数が閾値Y未満で、他の時間帯の訪問者22の訪問回数が閾値Z未満の場合、注意訪問者通知画面43を通知画面として選択する。これにより、判定部150は、訪問者22が部外者の可能性が高い場合、関係者が訪問したときよりも強くユーザに注意を促すことができる。さらに、判定部150は、他の時間帯によく訪問する訪問者22が普段と異なる時間帯に訪問した場合、訪問者22が関係者の可能性があると判別し、部外者が訪問したときよりもユーザへの注意を弱めることができる。
【0098】
また、判定部150は、閉館時間帯の訪問者22の訪問回数が閾値X以上の場合、異常訪問者通知画面45を通知画面として選択する。これにより、判定部150は、訪問者22が不自然な時間帯によく訪問する不審人物である場合、部外者が訪問したときよりも強くユーザに注意を促すことができる。また、判定部150は、訪問者22の時間帯ごとの訪問回数が登録情報121に登録されていない場合、新規訪問者通知画面44を通知画面として選択する。これにより、判定部150は、訪問者22が新規の訪問者で関係者の可能性が低い場合、関係者が訪問したときよりも強くユーザに注意を促すことができる。
【0099】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 カメラ
2 訪問者
10 情報処理装置
11 記憶部
11a 登録情報
12 処理部