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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143675
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】トイレユニット
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/00 20060101AFI20220926BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
E03D11/00 A
A47K17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044325
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】金子 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】園田 洋平
【テーマコード(参考)】
2D037
2D039
【Fターム(参考)】
2D037EA01
2D037EA04
2D039CC00
2D039CC06
2D039CC08
2D039CD01
2D039CD04
(57)【要約】
【課題】手洗い器の排水管に対して適切に排水勾配を形成することができるとともに、施工性を向上させることができるトイレユニットを提供する。
【解決手段】トイレ室に設置するトイレユニットにおいて、前記トイレ室の壁面に沿って設置したキャビネットと、前記キャビネットの上方に設置した手洗い器と、前記手洗い器に連通連結した排水管と、前記キャビネットの一方の側壁に相対する位置に設けられた壁部と、を備え、前記キャビネットの前記側壁には、前記排水管の上流側が挿通する第一開口が設けられ、前記壁部には、前記排水管の下流側が挿通するとともに、少なくとも一部が前記第一開口の上端よりも低い第二開口が設けられ、前記第一開口、及び、前記第一開口よりも低い位置の前記第二開口に、前記排水管が当接することで、前記排水管の排水勾配が形成されることを特徴とする。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ室に設置するトイレユニットにおいて、
前記トイレ室の壁面に沿って設置したキャビネットと、
前記キャビネットの上方に設置した手洗い器と、
前記手洗い器に連通連結した排水管と、
前記キャビネットの一方の側壁に相対する位置に設けられた壁部と、を備え、
前記キャビネットの前記側壁には、前記排水管の上流側が挿通する第一開口が設けられ、
前記壁部には、前記排水管の下流側が挿通するとともに、少なくとも一部が前記第一開口の上端よりも低い第二開口が設けられ、
前記第一開口、及び、前記第一開口よりも低い位置の前記第二開口に、前記排水管が当接することで、前記排水管の排水勾配が形成されることを特徴とするトイレユニット。
【請求項2】
前記第一開口の上端よりも、前記第二開口の上端が低いことを特徴とする請求項1に記載のトイレユニット。
【請求項3】
前記第一開口の下端よりも、前記第二開口の下端が低いことを特徴とする請求項2に記載のトイレユニット。
【請求項4】
前記排水管は前記第一開口の上端に当接するとともに、上記第一開口の上下方向の長さは前記排水管の外径よりも大きく形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のトイレユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ室に設けられるトイレユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレ室において、トイレ室の側壁に手洗い器が設けられるトイレユニットが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなトイレユニットにおいて、手洗い器には、手洗い器の排水を下水管などの下流へ流すための排水管が接続されている。このような排水管は、壁面に沿うように設けられるとともに、排水先に向けてスムーズに水を流すために、排水管を傾斜させて排水勾配を形成する必要がある。
【0003】
そこで、特許文献1に記載の配管支持具においては、排水管を支持する配管支持部を複数備え、複数の配管支持部のそれぞれで排水管を支持する高さ位置が異なるようになっている。このような配管支持具を、例えば水平に2ヵ所取り付けることで、排水管を傾斜させて排水勾配を形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6243268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような配管支持具を用いて手洗い器の排水管に排水勾配を形成する場合、互いの配管支持具の水平を保つように壁面に固定しなければならず、固定作業が煩雑になってしまうおそれがある。また、配管支持具の厚みの分、排水管が壁面から突出してしまうため、排水管が設置される壁面からの前出が大きくなってしまうおそれもある。単に、排水勾配を計測し、計測した排水勾配のケガキ線等に沿って排水管を設置して排水勾配を形成する方法もあるが、排水勾配を計測したり、ケガキ線を書いたりしなければならず、施工性が低下してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、トイレユニットにおいて、手洗い器の排水管に対して適切に排水勾配を形成することができるとともに、施工性を向上させることができるトイレユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るトイレユニットによれば、トイレ室に設置するトイレユニットにおいて、前記トイレ室の壁面に沿って設置したキャビネットと、前記キャビネットの上方に設置した手洗い器と、前記手洗い器に連通連結した排水管と、前記キャビネットの一方の側壁に相対する位置に設けられた壁部と、を備え、前記キャビネットの前記側壁には、前記排水管の上流側が挿通する第一開口が設けられ、前記壁部には、前記排水管の下流側が挿通するとともに、少なくとも一部が前記第一開口の上端よりも低い第二開口が設けられ、前記第一開口、及び、前記第一開口よりも低い位置の前記第二開口に、前記排水管が当接することで、前記排水管の排水勾配が形成されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、第一開口と第二開口に排水管が当接することで、排水管の排水勾配を形成することができる。そのため、簡易な構成で、適切に排水勾配を形成することができるとともに、トイレユニットの施工性を向上させることができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係るトイレユニットにおいて、好ましくは、前記第一開口の上端よりも、前記第二開口の上端が低いことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、第一開口の上端よりも第二開口の上端が低くなっているため、第一開口と第二開口に排水管を当接させるとき、角度の異なる複数の排水勾配を選択して形成することができる。例えば、施工現場によって、第一開口と第二開口の水平方向の距離が異なる場合等において、角度の異なる複数の排水勾配を選択できるため、現場に合わせた適切な排水勾配を形成することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係るトイレユニットにおいて、好ましくは、前記第一開口の下端よりも、前記第二開口の下端が低いことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、第一開口の下端よりも第二開口の下端が低くなっているため、第一開口と第二開口に排水管を当接させるとき、角度の異なる複数の排水勾配を、より多くの中から選択して形成することができる。例えば、施工現場によって、第一開口と第二開口の水平方向の距離が異なる場合等において、角度の異なる複数の排水勾配を選択できるため、現場に合わせた適切な排水勾配を形成することができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係るトイレユニットにおいて、好ましくは、前記排水管は前記第一開口の上端に当接するとともに、上記第一開口の上下方向の長さは前記排水管の外径よりも大きく形成されることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、メンテナンスなどで排水管を外す際に、排水管を下方に移動させることができる。そのため、排水管をより取り外しやすく、メンテナンス性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、トイレユニットにおいて、手洗い器の排水管に対して適切に排水勾配を形成することができるとともに、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るトイレユニットを示す全体斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るトイレユニットを側方からみたときの正面図である。
図3A】本発明の一実施形態に係るトイレユニットを側方からみたときの正面図である。
図3B】本発明の一実施形態に係るトイレユニットの第一開口及び第二開口を拡大した斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るトイレユニットの排水管の設置状態を示した説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係るトイレユニットの排水管の設置状態を示した説明図である。
図6】本発明の一実施形態に係るトイレユニットの排水管の設置状態を示した説明図である。
図7】本発明の別の実施形態に係るトイレユニットの排水管の設置状態を示した説明図である。
図8】本発明の別の実施形態に係るトイレユニットの排水管の設置状態を示した説明図である。
図9】本発明のさらに別の実施形態に係るトイレユニットの排水管の設置状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0018】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るトイレユニットの全体構造を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るトイレユニットを示す全体斜視図である。
【0019】
図1に示すように、トイレ室に設置されるトイレユニット1は、トイレ室の側壁面に沿って設置される手洗い器キャビネット10と、手洗い器20と、手洗い器20に洗浄水を吐水する吐水装置30と、カウンター40と、紙巻き器50を備えている。
【0020】
手洗い器20と吐水装置30は、トイレ室の側壁面に固定されるカウンター40の上面に設置されている。また、手洗い器キャビネット10は、カウンター40を介して手洗い器20の直下に設けられている。
【0021】
手洗い器キャビネット10の側方側(トイレ室の後壁側)であって、カウンター40の下方には、紙巻き器50が設けられている。
加えて、カウンター40の下方には、壁面に沿って水平に延びる下段カウンター41が設けられている。この下段カウンター41の下方には、後述する排水管22と給水管32が設けられている。なお、排水管22や給水管32は、使用者から見えないようにカバー60によって隠蔽されている。
【0022】
また、トイレユニット1は、トイレ室の後壁面に沿って設置される後方ユニット70と、後方ユニット70の前方に設けられる便器装置100を備えている。
【0023】
後方ユニット70は、上面パネル72と、前面パネル74と、を有し、内部に収納空間を形成している。また、上面パネル72と前面パネル74とによって、内部の収納空間が隠蔽されている。
【0024】
前面パネル74は、中央パネル74aと、中央パネル74aの左右にそれぞれ設けられる側壁パネル74bと、に分割可能となっている。
【0025】
なお、この左右の側壁パネル74bのうち、何れか一方が「壁部」としての機能を有する。より詳しくは、手洗い器20が設けられる側の側壁パネル74bが、「壁部」としての機能を有する。本実施形態においては、後方ユニット70を前方からみたときの左側の側壁パネル74bが「壁部」としての機能を有する。
【0026】
便器装置100は、床面から浮いた状態で設置される、いわゆる壁掛便器であって、後方ユニット70の内部には、便器装置100を支持するためのフレーム(図示せず)が収納されている。
【0027】
次に、図2及び図3A図3Bを参照して、本発明の一実施形態に係るトイレユニットの手洗い器キャビネット及び排水管の具体的な構造について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るトイレユニットを側方からみたときの正面図である。図3Aは、本発明の一実施形態に係るトイレユニットを側方からみたときの正面図であり、手洗い器キャビネットの前面パネルと、排水管を覆うカバーを取り外した状態の図である。図3Bは、本発明の一実施形態に係るトイレユニットの第一開口及び第二開口を拡大した斜視図である。
【0028】
図2及び図3A図3Bに示すように、手洗い器キャビネット10は、手洗い器キャビネット10の前方を覆う前面パネル12と、手洗い器キャビネット10の左右ぞれぞれの側方を覆う側壁パネル14とを有している。また、手洗い器キャビネット10は、手洗い器キャビネット10の底面を覆う底面パネル16を有している。すなわち、手洗い器キャビネット10は、前面パネル12と側壁パネル14と底面パネル16によって囲まれた収納空間を形成している。
【0029】
なお、この左右の側壁パネル14のうち、何れか一方が「側壁」としての機能を有する。より詳しくは、後方ユニット70が設けられる側の側壁パネル14が、「側壁」としての機能を有する。本実施形態においては、手洗い器キャビネット10を正面からみたときの右側の側壁パネル14が「側壁」としての機能を有する。
また、手洗い器キャビネット10は、「側壁」としての機能を有する側壁パネル14以外の少なくとも一部を備えていない構成であってもよい。
【0030】
ここで、吐水装置30には、吐水装置30に洗浄水を供給する給水管32が接続されており、手洗い器20の排水口には、手洗い器20内の水を排水する排水管22が連通連結されている。手洗い器キャビネット10の内部には、給水管32の一部及び排水管22の一部が収納されている。また、排水管22の上流側には、排水トラップ23が形成されており、この排水トラップ23は、手洗い器キャビネット10の内部に収納されている。
【0031】
手洗い器キャビネット10の後方ユニット70側の側壁パネル14には、排水管22の上流側が挿通する第一開口15が設けられている。また、後方ユニット70の手洗い器キャビネット10側の側壁パネル74bには、排水管22の下流側が挿通する第二開口75が設けられている。また、第一開口15及び第二開口75は、正面視において、上下方向に長い長方形に形成されており、少なくとも排水管22の外径よりも大きくなるように形成されている。換言すると、第一開口15の上端に、排水管22が当接するとき、排水管22の下端と、第一開口15の下端との間には空間が形成される。また、より具体的には、第一開口15及び第二開口75の上下方向の長さは、例えば前記排水管22の外径の1.2倍~5.0倍となるように形成される。
【0032】
なお、第一開口15及び第二開口75の形状は特に限定されず、少なくとも排水管22が当接可能な部分を備えていればよい。例えば、正面視で第一開口15または第二開口75の端部が切りかかれたような形状や、第一開口15または第二開口75自体が凹形状となるようなものであってもよい。
【0033】
また、排水トラップ23から延びる排水管22は、第一開口15に挿通しており、下流に向かってトイレ室の壁面に沿うように延びている。そして、排水管22は第二開口75に挿通している。換言すると、排水管22は、下流側に向かって、第一開口15、第二開口75の順に挿通している。第二開口75よりも下流側の排水管22は、後方ユニット70の内部において、便器装置100の排水路に合流している。便器装置100の排水路はより下流の下水管に接続されており、排水管22を流れる排水も、下水管に排出されるようになっている。
なお、第二開口75よりも下流側の排水管22は、便器装置100の排水路に合流することなく、直接下水管に排水されるような構成であってもよい。
【0034】
また、給水管32も、排水管22と同様に、第一開口15及び第二開口75に挿通している。より具体的には、吐水装置30から延びる給水管32は、第一開口15に挿通しており、上流に向かってトイレ室の壁面に沿うように伸びている。そして、給水管32は、第二開口75に挿通している。換言すると、給水管32は、上流側に向かって、第一開口15、第二開口75の順に挿通している。第二開口75より上流側の給水管32は、後方ユニット70の内部において、止水栓(図示せず)に接続されている。
【0035】
なお、少なくとも排水管22が第一開口15及び第二開口75を挿通する構成であればよく、給水管32は、第一開口15及び第二開口75を挿通しない構成であってもよい。
【0036】
つぎに、図4図6を参照して、本発明の一実施形態に係るトイレユニットの排水管の排水勾配について説明する。
図4図6は、本発明の一実施形態に係るトイレユニットの排水管の設置状態を示した説明図である。
【0037】
図4図6に示すように、第一開口15の上端の高さ位置よりも、第二開口75の上端の高さ位置のほうが低くなっている。また、第一開口15の下端の高さ位置よりも、第二開口75の上端の高さ位置のほうが高くなっており、第一開口15の下端の高さ位置よりも、第二開口75の下端の高さ位置の方が低くなっている。
【0038】
また、図4に示すように、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部は、第一開口15の上端に当接しており、排水管22の下流側の一部が、第二開口75の上端に当接している。第一開口15の上端の高さ位置よりも、第二開口75の上端の高さ位置のほうが低くなっているため、第一開口15と第二開口75の間において排水管22の排水勾配が形成されている。
【0039】
ここで、本発明の一実施形態に係るトイレユニットにおいては、図5に示すように、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部を、第一開口15の上端に当接させ、排水管22の下流側の一部を、第二開口75の下端に当接させることもできる。第一開口15の上端の高さ位置よりも、第二開口75の下端の高さ位置のほうが低くなっているため、第一開口15と第二開口75の間において排水管22の排水勾配を形成することができる。
【0040】
さらに、本発明の一実施形態に係るトイレユニットにおいては、図6に示すように、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部を、第一開口15の下端に当接させ、排水管22の下流側の一部を、第二開口75の下端に当接させることもできる。第一開口15の下端の高さ位置よりも、第二開口75の下端の高さ位置のほうが低くなっているため、第一開口15と第二開口75の間において排水管22の排水勾配を形成することができる。
【0041】
以上のように、第一開口15と、少なくとも一部が第一開口15よりも低い第二開口75に排水管22が当接して、排水管22の排水勾配が形成される。そのため、簡易な構成で、適切に排水勾配を形成することができるとともに、トイレユニットの施工性を向上させることができる。
【0042】
また、第一開口15の上端よりも第二開口75の上端が低くなっているため、第一開口15と第二開口75に排水管22を当接させるとき、角度の異なる複数の排水勾配を選択して形成することができる。
より具体的には、例えば、図4に示すように、排水管22を第一開口15の上端と第二開口75の上端に当接させて排水勾配を形成する場合と、図5に示すように、排水管22を第一開口15の上端と第二開口75の下端に当接させて排水勾配を形成する場合と、で、角度の異なる複数の排水勾配を選択することができる。
これにより、例えば、施工現場によって、第一開口15と第二開口75の水平方向の距離が異なる場合等において、角度の異なる複数の排水勾配を選択できるため、現場に合わせた適切な排水勾配を形成することができる。
【0043】
さらに、第一開口15の下端よりも第二開口の下端が低くなっているため、第一開口15と第二開口75に排水管22を当接させるとき、角度の異なる複数の排水勾配を、より多くの中から選択して形成することができる。
より具体的には、例えば、図4に示すように、排水管22を第一開口15の上端と第二開口75の上端に当接させて排水勾配を形成する場合と、図5に示すように、排水管22を第一開口15の上端と第二開口75の下端に当接させて排水勾配を形成する場合と、図6に示すように、排水管22を第一開口15の下端と第二開口75の下端に当接させて排水勾配を形成する場合とで、角度の異なる複数の排水勾配を選択することができる。
これにより、例えば、施工現場によって、第一開口15と第二開口75の水平方向の距離が異なる場合等において、角度の異なるより複数の排水勾配を選択できるため、現場に合わせた適切な排水勾配を形成することができる。
【0044】
また、図4図5に示すように、排水管22が第一開口15の上端に当接するとともに、第一開口15の上下方向の長さが排水管22の外径よりも大きく形成されるため、メンテナンスなどで排水管22を外す際に、排水管を下方に移動させることができる。
ここで、排水管22は、固定設置されている手洗い器20に下方側から接続されている。そのため、排水管22を取り外す際は、手洗い器20に対して下方側に排水管22を移動させる必要がある。本構成によれば、第一開口15において、排水管22が下方側に移動可能となっているため、排水管22を下方に移動させて取り外すときに、第一開口15が排水管22の移動の障害となることを抑制することができる。そのため、排水管22をより取り外しやすく、メンテナンス性を向上させることができる。
【0045】
つぎに、図7及び図8を参照して、本発明の別の実施形態に係るトイレユニットについて説明する。
【0046】
図7及び図8に示す、本発明の別の実施形態に係るトイレユニットにおいては、第一開口15の下端の高さ位置よりも、第二開口75の上端の高さ位置のほうが低くなっている。つまり、第一開口15の上端及び下端の高さ位置よりも、第二開口75の上端及び下端の高さ位置のほうが低くなっている。
【0047】
図7に示すように、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部は、第一開口15の上端に当接しており、排水管22の下流側の一部が、第二開口75の上端に当接している。第一開口15の上端の高さ位置よりも、第二開口75の上端の高さ位置の方が低くなっているため、第一開口15と第二開口75の間において排水管22の排水勾配が形成されている。
また、図7において、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部を第一開口15の上端に当接させ、排水管22の下流側の一部を第二開口75の下端に当接させることで、第一開口15と第二開口75の間において排水管22の排水勾配を形成することもできる。
【0048】
さらに、本発明の別の実施形態に係るトイレユニットにおいては、図8に示すように、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部を、第一開口15の下端に当接させ、排水管22の下流側の一部を、第二開口75の上端に当接させることもできる。
また、図8において、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部を第一開口15の下端に当接させ、排水管22の下流側の一部を第二開口75の下端に当接させることで、第一開口15と第二開口75の間において排水管22の排水勾配を形成することもできる。
【0049】
以上のように、第一開口15と、少なくとも一部が第一開口15よりも低い第二開口75に排水管22が当接して、排水管22の排水勾配が形成される。そのため、簡易な構成で適切に排水勾配を形成することができるとともに、トイレユニットの施工性を向上させることができる。
【0050】
また、第一開口15の下端よりも第二開口75の上端が低くなっているため、第一開口15と第二開口75に排水管22を当接させるとき、角度の異なる複数の排水勾配を選択して形成することができる。
より具体的には、図7及び図8に示すように、排水管22を第一開口15の上端もしくは下端と、第二開口75の上端もしくは下端と、に選択的に当接させて排水勾配を形成することで、角度の異なる複数の排水勾配を選択することができる。
これにより、例えば、施工現場によって、第一開口15と第二開口75の水平方向の距離が異なる場合等において、角度の異なる複数の排水勾配を選択できるため、現場に合わせた適切な排水勾配を形成することができる。
【0051】
つぎに、図9を参照して、本発明のさらに別の実施形態に係るトイレユニットについて説明する。
【0052】
図9に示す、本発明のさらに別の実施形態に係るトイレユニットにおいては、第一開口15の上端の高さ位置よりも、第二開口75の上端の高さ位置のほうが高くなっている。また、第一開口15の下端の高さ位置よりも、第二開口75の下端の高さ位置の方が低くなっている。
【0053】
図9に示すように、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部は、第一開口15の上端に当接しており、排水管22の下流側の一部が、第二開口75の下端に当接している。第一開口15の上端の高さ位置よりも、第二開口75の下端の高さ位置の方が低くなっているため、第一開口15と第二開口75の間において排水管22の排水勾配が形成されている。
また、図9において、壁面に沿って延びる排水管22の上流側の一部を第一開口15の下端に当接させ、排水管22の下流側の一部を第二開口75の下端に当接させることで、第一開口15と第二開口75の間において排水管22の排水勾配を形成することもできる。
【0054】
以上のように、第一開口15と、少なくとも一部が第一開口15よりも低い第二開口75に排水管22が当接して、排水管22の排水勾配が形成される。そのため、簡易な構成で適切に排水勾配を形成することができるとともに、トイレユニットの施工性を向上させることができる。
【0055】
また、第一開口15の上端よりも第二開口75の下端が低く、また、第一開口15の下端よりも第二開口75の下端が低くなっているため、第一開口15と第二開口75に排水管22を当接させるとき、角度の異なる複数の排水勾配を選択して形成することができる。
これにより、例えば、施工現場によって、第一開口15と第二開口75の水平方向の距離が異なる場合等において、角度の異なる複数の排水勾配を選択できるため、現場に合わせた適切な排水勾配を形成することができる。
【0056】
なお、前述した各実施形態においては、排水管22が、第一開口15及び第二開口75に直接当接することを説明した。しかしながら、排水管22と第一開口15(第二開口75)との間に部材を設けて、排水管22と第一開口15(第二開口75)が間接的に当接するような構成であってもよい。例えば、第一開口15や第二開口75に排水管22を支持する支持部を設けて、支持部を介して排水管22が当接するような構成であってもよいし、第一開口15や第二開口75と排水管22との間に緩衝部を設けて、緩衝部を介して排水管22が当接するような構成であってもよい。
【0057】
また、前述した各実施形態においては、手洗い器キャビネット10は、カウンター40を介して手洗い器20の直下に設けられている構成を説明したが、例えば、手洗い器キャビネット10とカウンター40とが別体であるような構成であってもよい。また、例えば、カウンター40の側方に並ぶように手洗い器キャビネット10が設けられるような構成であってもよい。
【0058】
さらに、前述した各実施形態においては、手洗い器20が設けられる側の後方ユニット70の側壁パネル74bが、「壁部」としての機能を有する構成を説明したが、例えば、後方ユニット70を設けずに、単に「壁部」としての機能を有する平板等が設けられるような構成であってもよい。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレユニットなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0060】
1 トイレユニット
10 手洗器キャビネット(キャビネット)
12 前面パネル
14 側壁パネル
15 第一開口
16 底面パネル
20 手洗器
22 排水管
23 排水トラップ
30 吐水装置
32 給水管
40 カウンター
41 下段カウンター
50 紙巻き器
60 カバー
70 後方ユニット
72 上面パネル
74 前面パネル
74a 中央パネル
74b 側壁パネル
75 第二開口
100 便器装置
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9