(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143677
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220926BHJP
【FI】
G06Q30/06 306
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044327
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 祥敬
(72)【発明者】
【氏名】安藤 京介
(72)【発明者】
【氏名】志村 良太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB54
(57)【要約】
【課題】飲食店等の料理人が作る料理を一般家庭のユーザに高い再現度で調理させること。
【解決手段】情報処理システムは、通信部及び制御部を有する。上記通信部は、料理人の料理人端末と、ユーザのユーザ端末と、食材の販売者の販売者端末と、食材の加工業者の加工業者端末と通信可能である。上記制御部は、上記料理人端末から、食材リスト及び当該食材の加工方法を含むレシピ情報と、当該食材の仕入先リストを受信し、上記レシピ情報を、上記ユーザ端末からの要求に応じて送信する。また制御部は、上記ユーザ端末から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信した場合に、当該レシピ情報に対応する上記仕入先リストを基に、上記食材リストに含まれる食材ごとに販売者を選択し、当該販売者の販売者端末へ、当該食材を上記加工業者を納品先として発注する食材発注情報を送信する。さらに制御部は、上記加工業者端末へ、上記加工方法を示す情報と共に、上記販売者から納品される食材の加工を発注する加工発注情報を送信する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
料理人の料理人端末と、ユーザのユーザ端末と、食材の販売者の販売者端末と、食材の加工業者の加工業者端末と通信可能な通信部と、
前記料理人端末から、食材リスト及び当該食材の加工方法を含むレシピ情報と、当該食材の仕入先リストを受信し、
前記レシピ情報を、前記ユーザ端末からの要求に応じて送信し、
前記ユーザ端末から、前記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信した場合に、当該レシピ情報に対応する前記仕入先リストを基に、前記食材リストに含まれる食材ごとに販売者を選択し、当該販売者の販売者端末へ、当該食材を前記加工業者を納品先として発注する食材発注情報を送信し、
前記加工業者端末へ、前記加工方法を示す情報と共に、前記販売者から納品される食材の加工を発注する加工発注情報を送信する
制御部と
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記レシピ情報を解析することで前記食材ごとに前記加工方法を示す情報を抽出する
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理システムであって、
前記レシピ情報は、前記料理人が非公開を要求する部分を特定する非公開要求情報を有し、
前記制御部は、前記非公開要求情報を基に、前記非公開を要求する部分を前記ユーザ端末に送信しないよう前記レシピ情報を加工し、前記非公開を要求する部分を示す情報を前記食材発注情報及び前記加工発注情報に含ませる
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、前記ユーザ端末から受信した前記購入要求に含まれる購入数に、前記レシピ情報に含まれる1人分の分量を乗じた分量について前記食材発注情報を生成し、当該乗じた分量の食材の一括加工を発注する前記加工発注情報を生成する
情報処理システム。
【請求項5】
料理人の料理人端末から、食材リスト及び当該食材の加工方法を含むレシピ情報と、当該食材の仕入先リストを受信し、
前記レシピ情報を、ユーザのユーザ端末からの要求に応じて送信し、
前記ユーザ端末から、前記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信した場合に、当該レシピ情報に対応する前記仕入先リストを基に、前記食材リストに含まれる食材ごとに販売者を選択し、当該販売者の販売者端末へ、当該食材を、当該食材の加工業者を納品先として発注する食材発注情報を送信し、
前記加工業者の加工業者端末へ、前記加工方法を示す情報と共に、前記販売者から納品される食材の加工を発注する加工発注情報を送信する
情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
料理人の料理人端末から、食材リスト及び当該食材の加工方法を含むレシピ情報と、当該食材の仕入先リストを受信するステップと、
前記レシピ情報を、ユーザのユーザ端末からの要求に応じて送信するステップと、
前記ユーザ端末から、前記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信した場合に、当該レシピ情報に対応する前記仕入先リストを基に、前記食材リストに含まれる食材ごとに販売者を選択し、当該販売者の販売者端末へ、当該食材を、当該食材の加工業者を納品先として発注する食材発注情報を送信するステップと、
前記加工業者の加工業者端末へ、前記加工方法を示す情報と共に、前記販売者から納品される食材の加工を発注する加工発注情報を送信するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザから発注されたミールキットの製造に関する情報処理を実行可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット上で料理のレシピ情報を提供するとともに、当該レシピ情報に対応した食材を購入可能なシステムが存在する。
【0003】
例えば下記特許文献1には、要求されたレシピ情報をユーザ端末に配信するとともに、ユーザ端末から食材の発注手続開始要求が送信された場合に、ユーザ端末へ配信されたレシピ情報から食材の情報と食材に関する付加情報(料理名や加工法)とを取得し、それらを元に検索した結果得られた商品情報をユーザ端末へ送信し、商品情報に対するユーザ端末からの発注要求を受信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなレシピ情報として、例えば有名な飲食店の料理人が普段当該飲食店で提供している料理のレシピが公開されることもある。しかしながら、上記技術では、レシピに含まれる食材については単にユーザの所在地に配送可能な店舗から購入することになるため、ユーザがレシピ通りに調理しても、店舗ごとに食材の質等が異なることによって、レシピの再現度が低くなる場合がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、飲食店等の料理人が作る料理を一般家庭のユーザに高い再現度で調理させることができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、通信部及び制御部を有する。上記通信部は、料理人の料理人端末と、ユーザのユーザ端末と、食材の販売者の販売者端末と、食材の加工業者の加工業者端末と通信可能である。上記制御部は、上記料理人端末から、食材リスト及び当該食材の加工方法を含むレシピ情報と、当該食材の仕入先リストを受信し、上記レシピ情報を、上記ユーザ端末からの要求に応じて送信する。また制御部は、上記ユーザ端末から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信した場合に、当該レシピ情報に対応する上記仕入先リストを基に、上記食材リストに含まれる食材ごとに販売者を選択し、当該販売者の販売者端末へ、当該食材を上記加工業者を納品先として発注する食材発注情報を送信する。さらに制御部は、上記加工業者端末へ、上記加工方法を示す情報と共に、上記販売者から納品される食材の加工を発注する加工発注情報を送信する。
【0008】
この構成により情報処理システムは、飲食店等の料理人が作る料理と同じ料理を一般家庭のユーザに容易に作らせることができる。当該情報処理システムは、一または複数の情報処理装置から構成される。ここで料理人端末には、料理人個人が有する端末のほか、料理人が経営または勤務する飲食店の飲食店端末も含まれる。また料理人は、飲食店のシェフ以外にも、管理栄養士や動画配信サイトへ自作の料理動画を投稿している人であっても構わない。またレシピ情報はテキスト情報に限られず動画であってもよい。
【0009】
上記制御部は、上記レシピ情報を解析することで上記食材ごとに上記加工方法を示す情報を抽出してもよい。
【0010】
これにより情報処理システムは、料理人に食材の加工方法を別途送信してもらうことなく加工方法を加工業者へ伝えることができる。
【0011】
上記レシピ情報は、上記料理人が非公開を要求する部分を特定する非公開要求情報を有してもよい。この場合上記制御部は、上記非公開要求情報を基に、上記非公開を要求する部分を上記ユーザ端末に送信しないよう上記レシピ情報を加工し、上記非公開を要求する部分を示す情報を上記食材発注情報及び上記加工発注情報に含ませてもよい。
【0012】
これにより情報処理システムは、レシピのうち料理人が非公開を希望する部分をユーザにはブラックボックス化したまま、対応するミールキットを製造販売することができる。
【0013】
上記制御部は、上記ユーザ端末から受信した上記購入要求に含まれる購入数に、上記レシピ情報に含まれる1人分の分量を乗じた分量について上記食材発注情報を生成し、当該乗じた分量の食材の一括加工を発注する上記加工発注情報を生成してもよい。
【0014】
これにより情報処理システムは、ユーザが作る人数分に応じて一括加工した1つのミールキットをパッケージングして配送することができるため、ユーザがミールキットを使って調理するときの利便性を向上させることができる。
【0015】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
料理人の料理人端末から、食材リスト及び当該食材の加工方法を含むレシピ情報と、当該食材の仕入先リストを受信し、
上記レシピ情報を、ユーザのユーザ端末からの要求に応じて送信し、
上記ユーザ端末から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信した場合に、当該レシピ情報に対応する上記仕入先リストを基に、上記食材リストに含まれる食材ごとに販売者を選択し、当該販売者の販売者端末へ、当該食材を、当該食材の加工業者を納品先として発注する食材発注情報を送信し、
上記加工業者の加工業者端末へ、上記加工方法を示す情報と共に、上記販売者から納品される食材の加工を発注する加工発注情報を送信する、ことを含む。
【0016】
本発明の他の形態に係るプログラムは、コンピュータに、
料理人の料理人端末から、食材リスト及び当該食材の加工方法を含むレシピ情報と、当該食材の仕入先リストを受信するステップと、
上記レシピ情報を、ユーザのユーザ端末からの要求に応じて送信するステップと、
上記ユーザ端末から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信した場合に、当該レシピ情報に対応する上記仕入先リストを基に、上記食材リストに含まれる食材ごとに販売者を選択し、当該販売者の販売者端末へ、当該食材を、当該食材の加工業者を納品先として発注する食材発注情報を送信するステップと、
上記加工業者の加工業者端末へ、上記加工方法を示す情報と共に、上記販売者から納品される食材の加工を発注する加工発注情報を送信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、飲食店等の料理人が作る料理を一般家庭のユーザに高い再現度で調理させることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係るミールキット販売システムの構成を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバのハードウェア構成を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバによる、ミールキット発注処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るミールキット発注システムの構成を示した図である。
【0021】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上の飲食店情報提供サーバ100と、複数のユーザ端末200と、複数の料理人端末300と、複数の販売業者端末400と、加工業者端末500とを含み、それらはインターネット50等のネットワークを介して接続されている。加工業者端末500は1つのみ示されているが、複数存在していても構わない。
【0022】
飲食店情報提供サーバ100は、飲食店に関する情報を掲載したポータルサイトを運営するウェブサーバであり、上記ポータルサイトにおいて、ユーザ端末200のユーザ向けに飲食店情報の検索システムを提供する。具体的には、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200からの検索要求に基づいて検索条件に合致する飲食店情報を検索し、検索結果を掲載したWebページを生成してユーザ端末200へ送信する。また飲食店情報提供サーバ100は、当該飲食店情報を閲覧したユーザのユーザ端末200からの、いずれかの飲食店に対する予約受付処理を代行する。
【0023】
また飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイト上において、料理人端末300から提供されたレシピ情報を掲載しており、ユーザ端末200は当該レシピ情報をダウンロードして表示することが可能である。さらに当該ポータルサイト上には、上記レシピ情報に対応する調理動画や料理教室動画がアップロードされユーザ端末200によりダウンロード可能となっている。またレシピ情報は典型的にはテキスト情報であるが、料理人が調理中の様子がその食材や調理法に関する説明と共に撮像された動画情報であっても構わない。
【0024】
さらに飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイト上において、上記レシピ情報に対応するミールキット(食事を作るために加工(カット、下処理、調味料の調合等)された食材及びレシピ情報がキット化された商品)を販売しており、その購入要求をユーザ端末200から受信する。そして飲食店情報提供サーバ100は、当該購入要求に応じて、食材ごとに販売業者を選択して販売業者端末400へ食材を発注するとともに、加工業者端末500へ上記食材の加工を発注する。
【0025】
ユーザ端末200(200A,200B,200C...)は、ユーザにより使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0026】
ユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて予約可能な(または営業中の)飲食店の検索条件を決定し、当該検索条件に基づく飲食店検索要求を上記ポータルサイトまたは対応するアプリケーションを介して飲食店情報提供サーバ100へ送信し、検索結果のウェブページや検索結果のうち所望の飲食店のウェブページ(飲食店情報ページ)を受信してブラウザ等により画面に表示する。またユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて、上記予約可能な飲食店の検索結果として表示されたいずれかの飲食店に対する予約要求を飲食店情報提供サーバ100へ送信可能である。
【0027】
またユーザ端末200は、飲食店情報提供サーバ100から上記ポータルサイト等を介して上記レシピ情報を受信したり、ミールキットの購入要求を送信したりする。
【0028】
料理人端末300(300A,300B,300C...)は、例えば上記ポータルサイト上に掲載された飲食店を経営するまたは飲食店に勤務する料理人の端末(またはその飲食店の端末)であり、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。料理人端末300は、上記料理人や従業員等の操作に基づいて、上記飲食店情報の編集・更新等、自身の飲食店情報に関する処理を飲食店情報提供サーバ100との通信により実行することが可能である。
【0029】
一方で料理人端末300は、料理人が考案したレシピを示すレシピ情報及び当該レシピ情報に含まれる食材の仕入先の販売業者のリストを飲食店情報提供サーバ100へ送信する。なお料理人には、レシピのライセンスフィーとして所定の手数料が飲食店情報提供サーバ100の運営者から支払われてもよい。
【0030】
販売業者端末400(400A,400B,400C...)は、上記ミールキットに含まれる食材を販売する業者の端末であり、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。食材とは、肉、魚介類、野菜等の生鮮食品、それらの加工食品、調味料等、あらゆるものを含み、販売業者は上記生鮮食品の生産者、加工食品や調味料等のメーカーを含む。
【0031】
加工業者端末500は、上記飲食店情報提供サーバ100の運営者と提携して上記ミールキットに含まれる食材を加工(カット、下処理、調味料の調合及びミールキットのパッケージング等)する業者の端末であり、ユーザ端末タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0032】
[飲食店情報提供サーバのハードウェア構成]
図2は、上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0033】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら飲食店情報提供サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0034】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0035】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0036】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0037】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0038】
特に本実施形態では、記憶部18は、各飲食店の飲食店情報、各ユーザ端末200のユーザに関するユーザ情報等を記憶するとともに、これらのデータを用いて飲食店情報提供サーバ100が飲食店検索結果提供処理やミールキット発注処理を実行するためのアプリケーションその他のプログラムを記憶している。後述するが、記憶部18は、そのようなデータを含むデータベースとして、飲食店情報データベース、ユーザ情報データベース、仕入先情報データベース、レシピ情報データベース、発注情報データベースを有している。
【0039】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ユーザ端末200、料理人端末300、販売業者端末400及び加工業者端末500との間の通信処理を担う。
【0040】
図示しないが、上記ユーザ端末200、飲食店端末300、販売業者端末400及び加工業者端末500のハードウェア構成も上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成と同様である。またユーザ端末200には、上記飲食店情報提供サーバ100と接続して飲食店検索処理を実行するためのアプリケーションがインストールされていてもよい。
【0041】
[飲食店情報提供サーバのデータベース構成]
図3は、上記飲食店情報提供サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0042】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、記憶部18に、飲食店情報データベース31、ユーザ情報データベース32、仕入先情報データベース33、レシピ情報データベース34及び発注情報データベース35を有している。
【0043】
飲食店情報データベース31は、飲食店毎に、その飲食店の店名や所在位置(緯度・経度)情報、その飲食店を識別するID(施設ID)の他、その飲食店の業態・サービスのカテゴリ情報、その飲食店を紹介する内容、すなわち、サービス施設のPR文等のサービス施設の特徴を示す情報、飲食店が行うイベント情報、飲食店が立地しているエリア情報、飲食店の住所、電話番号、飲食店に関する(飲食店を紹介する)画像データ、飲食店が提供するメニューに関するメニュー情報、営業時間、休業日(定休日)、ウェブサイトURL等の情報を記憶している。
【0044】
上記メニュー情報は、上記ポータルサイト上の各飲食店のサイトに掲載されるメニューに対応する情報であり、各飲食店が提供可能な複数のメニューのメニュー名を、飲食店毎に記憶している。当該メニュー情報は、例えば前菜/メイン、ランチ/ディナー/コース等のメニューカテゴリ毎に記憶されてもよい。また上記画像データがメニューに対応するものである場合には、当該画像データはメニュー情報と対応付けられて記憶される。
【0045】
上記エリア情報は、例えば都道府県単位のものであるが、市区町村等のより狭い範囲の単位でも情報が記憶されてもよい。上記カテゴリ情報は、例えば和食、中華、イタリアン、フレンチ、焼肉等のメインカテゴリの他、和食における焼き鳥・天ぷら等、イタリアンにおけるパスタ・ピザ等のより詳細なサブカテゴリを含んでいてもよい。
【0046】
また飲食店情報データベース31には、日ごと及び時間帯ごとの予約可否情報(空席数情報)も飲食店ごとに記憶されている。
【0047】
ユーザ情報データベース32は、ユーザ端末200を所有する、上記飲食店情報提供サーバ100が提供する上記ポータルサイトを介した飲食店情報サービスの利用者(会員)であるユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報データベース42は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、住所、年齢(層)、性別、誕生日等の情報をユーザ毎に記憶している。
【0048】
仕入先情報データベース33は、上記料理人端末300から上記レシピ情報と共に受信した仕入先リストに掲載された食材の販売業者に関する情報を記憶する。具体的には、仕入先情報データベース33は、上記販売業者(生産者、食品メーカー等)の業者ID、名称、メールアドレス、電話番号、住所、販売食材、当該食材が含まれるレシピ情報のレシピID等の情報を販売業者ごとに記憶する。
【0049】
レシピ情報データベース34は、上記料理人端末300から受信し上記ポータルサイト上に掲載しているレシピ情報(テキスト情報)及びそれに関連する動画情報を、レシピID、作成元の料理人の料理人名、料理人ID、レシピ情報に含まれる食材リスト、分量、何人分のレシピかを示す情報、当該食材の販売業者の業者ID等と対応付けて記憶している。
【0050】
またレシピ情報データベース34には、当該レシピ情報を解析することで抽出された、食材の加工方法を示す情報も、レシピ情報毎及び食材毎に記憶されている。
【0051】
発注情報データベース35は、ユーザ端末200からのミールキット購入要求に応じて販売業者端末400へ送信した食材発注情報の発注履歴情報(ミールキットID、食材名または食材ID、発注先の販売業者名または業者ID、発注日時等)及び加工業者端末500へ送信した加工発注情報の発注履歴情報(ミールキットID、食材名または食材ID、発注先の加工業者名または業者ID、発注日時等)を記憶している。
【0052】
これら各データベースは、後述する飲食店情報提供サーバ100による、ミールキット発注処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0053】
[飲食店情報提供サーバの動作]
次に、以上のように構成された飲食店情報提供サーバ100の動作について説明する。当該動作は、飲食店情報提供サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0054】
図4は、飲食店情報提供サーバ100による、ミールキット発注処理の流れを示したフローチャートである。
【0055】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100のCPU11はまず、料理人端末300からレシピ情報及び仕入先情報を受信したか否かを判断する(ステップ41)。
【0056】
料理人端末300からレシピ情報及び仕入先情報を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該レシピ情報を上記レシピ情報データベース34へ記憶するとともに、仕入先情報を上記仕入先情報データベース33へ記憶する(ステップ42)。
【0057】
続いてCPU11は、上記レシピ情報を例えば解析することで、当該レシピ情報に含まれる食材の加工方法を示す情報を抽出する(ステップ43)。具体的には、例えばCPU11は、レシピ情報中の食材リストから食材を抽出し、当該食材を含む文章をレシピ本文から検索し、当該文章中から、「カットする」「みじん切りにする」「下茹でする」「混ぜる」といった予め記憶した加工(下処理)を示す言葉を検索し、それらを含む文章を加工方法を示す情報として抽出する。またCPU11は、食材ごとに食材加工方法を抽出するように学習させたAIを用いて加工方法を抽出してもよい。当該加工方法を示す情報は、上記レシピ情報データベース34に記憶される。
【0058】
続いてCPU11は、ユーザ端末200から、レシピ情報の閲覧要求を受信したか否かを判断する(ステップ44)。当該レシピ情報の閲覧要求は、例えば、レシピの一覧ページ中からユーザ端末200によりいずれかのレシピへのハイパーリンクが選択されることで、それに対応するレシピIDと共に飲食店情報提供サーバ100へ送信される。
【0059】
ユーザ端末200からレシピ情報の閲覧要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該閲覧要求に含まれるレシピIDを基に、上記レシピ情報データベース34からレシピ情報を抽出し、ユーザ端末200へ送信する(ステップ45)。
【0060】
続いてCPU11は、ユーザ端末200から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信したか否かを判断する(ステップ46)。当該ミールキットの購入要求は、例えば上記レシピ一覧ページ上でハイパーリンク設定された、または、ミールキット一覧ページ上でハイパーリンク設定されたミールキット購入ボタンがユーザ端末200上で押下されることで、それに対応するミールキットID、ユーザID、購入数情報等の情報と共に飲食店情報提供サーバ100へ送信される。
【0061】
上記ミールキット購入要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、当対応する上記仕入先リストを基に、レシピ情報中の食材リストに含まれる食材ごとに販売者を選択する(ステップ47)。
【0062】
続いてCPU11は、当該選択した各販売業者の販売業者端末400へ食材発注情報を送信する(ステップ48)。当該食材発注情報は、当該食材をその加工業者を納品先として発注するものである。
【0063】
そしてCPU11は、上記加工業者端末500へ、上記抽出した加工方法を示す情報及び購入元のユーザの情報と共に、加工発注情報を送信する(ステップ49)。当該加工発注情報は、上記販売業者から納品される食材を、上記加工方法を示す情報に従って加工してミールキットとして梱包し、発送することを発注するものである。なお当該ステップ49の加工発注処理は、上記ステップ47、48の食材発注処理の前に実行されても構わない。
【0064】
梱包されたミールキットは、飲食店情報提供サーバ100の運営者と提携する配送業者によってユーザ端末200のユーザによって指定された住所へ配送される。
【0065】
また上記ミールキットの購入要求が、定期購入を要求するものである場合、飲食店情報提供サーバ100は、当該定期購入で定められた期日が到来するたびに上記ステップ47~49の処理を実行する。
【0066】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、飲食店情報提供サーバ100は、飲食店等の料理人が作る料理を一般家庭のユーザに高い再現度で調理させることができる。
【0067】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0068】
上述の実施形態においては、飲食店情報提供サーバ100が、レシピ情報を解析することで当該レシピ情報に含まれる食材の加工方法を示す情報を抽出していた。しかし、当該加工方法を示す情報は、レシピ情報とは別に料理人端末300から例えばテキスト情報として食材ごとに受信されてもよいし、レシピ情報から人手によって抽出されテキスト情報化されてもよい。
【0069】
上述の実施形態において、レシピ情報は、料理人が非公開を要求する部分(例えばソース等の合わせ調味料のレシピ)を特定する非公開要求情報を有してもよい。非公開要求情報は、例えば、非公開を要求する部分の前後に配置された所定の文字や記号であってもよいし、当該部分が例えば公開部分とは異なる色やフォントで示されたものであってもよい。
【0070】
この場合飲食店情報提供サーバ100は、上記非公開要求情報を基に、非公開を要求する部分をユーザ端末200に送信しないように、レシピ情報を加工する(非公開要求部分を削除またはマスキング等、視認できないような処理を加える)一方、食材の加工のために、非公開を要求する部分を示す情報を上記食材発注情報及び加工発注情報に含ませる。これにより飲食店情報提供サーバ100は、レシピのうち料理人が非公開を希望する部分をユーザにはブラックボックス化したまま、対応するミールキットを製造販売することができる。
【0071】
上述の実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200から受信した購入要求に含まれる購入数に、上記レシピ情報に含まれる1人分の分量を乗じた分量について上記食材発注情報を生成し、当該乗じた分量の食材の一括加工(及び一括梱包)を発注するように上記加工発注情報を生成してもよい。すなわち飲食店情報提供サーバ100は、レシピ情報が複数人分である場合、レシピ情報に含まれる分量を当該人数で除し、それに、上記購入数を乗じる。
【0072】
これにより飲食店情報提供サーバ100は、ユーザが作る人数分に応じて一括加工(一括梱包)した1つのミールキットをパッケージングして配送することができるため、同じミールキットが複数発送される場合(例えばユーザが4人分の調理をする場合に2人分のミールキットが2つ発送される場合)に比べて、ユーザがミールキットを使って調理するときの手間を軽減し利便性を向上させることができる。
【0073】
上述の実施形態では、料理人は、飲食店を経営するまたは飲食店に勤務するシェフとして説明されたが、料理人はそれ以外にも、管理栄養士や動画配信サイトへ自作の料理動画を投稿している人であっても構わない。
【0074】
上述の実施形態では、食材(ミールキット)の加工業者が1つに定まっている場合について説明したが、加工業者も販売業者と同様に、複数の加工業者の中から、例えば加工する食材に応じて選択されてもよい(例えば、肉料理と魚料理とでは異なる加工業者が選択されてもよい)。また、上記仕入先情報データベース33において、販売業者と加工業者が紐づけられており、食材に応じて販売業者が選択されるのに応じて加工業者も決定されてもよい。
【0075】
上述の実施形態では、料理人端末300から受信したレシピ情報の解析による食材加工方法の抽出処理や、レシピ情報のユーザ端末200への配信処理、仕入先リストに基づく販売業者の選定処理、販売業者端末400への食材発注処理、加工業者端末500への加工発注処理等のミールキット発注処理に必要な全ての処理が飲食店情報提供サーバ100によって実行された。しかし、これらの複数の処理のうち一部が他のサーバによって実行されても構わない。
【0076】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「情報処理方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「情報処理方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0077】
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…バス
15…入出力インタフェース
16…表示部
17…操作受付部
18…記憶部
19…通信部
31…飲食店情報データベース
32…ユーザ情報データベース
33…仕入先情報データベース
34…レシピ情報データベース
35…発注情報データベース
100…飲食店情報提供サーバ
200…ユーザ端末
300…料理人端末
400…販売業者端末
500…加工業者端末