(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143678
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220926BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044328
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 祥敬
(72)【発明者】
【氏名】安藤 京介
(72)【発明者】
【氏名】志村 良太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザに提供するレシピ情報に対応するミールキットの購買意欲を高めること。
【解決手段】情報処理システムは、通信部と記憶部と制御部を有する。上記通信部はユーザのユーザ端末と通信可能である。上記記憶部は複数の料理のレシピ情報と、当該レシピ情報に対応する複数のミールキットを識別するミールキット識別情報と、当該ミールキット識別情報に紐付けられたコンテンツとを記憶する。上記制御部は、上記レシピ情報を、上記ユーザ端末からの要求に応じて送信し、上記ユーザ端末から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信し、当該ミールキットの決済処理が完了した場合に、当該ミールキットを購入したユーザに当該ミールキットのミールキット識別情報に紐づけられたコンテンツへのアクセス権を発行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのユーザ端末と通信可能な通信部と、
複数の料理のレシピ情報と、当該レシピ情報に対応する複数のミールキットを識別するミールキット識別情報と、当該ミールキット識別情報に紐付けられたコンテンツとを記憶する記憶部と、
前記レシピ情報を、前記ユーザ端末からの要求に応じて送信し、前記ユーザ端末から、前記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信し、当該ミールキットの決済処理が完了した場合に、当該ミールキットを購入したユーザに当該ミールキットのミールキット識別情報に紐づけられたコンテンツへのアクセス権を発行する制御部と
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記コンテンツは、前記ミールキット識別情報によって異なる
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記コンテンツは、前記購入されたミールキットを用いて複数の調理工程ごとに調理する様子が撮影された動画であり、
前記記憶部は、前記調理工程ごとの工程動画と当該調理工程を識別する工程識別情報とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記工程識別情報ごとにアクセス権を発行する
情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、1つの動画を解析して前記調理工程ごとの工程動画に分割して記憶する
情報処理システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、異なるミールキット間で共通する調理工程に対して、1つの工程動画を複数のミールキット識別情報と紐づけて記憶する
情報処理システム。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記コンテンツは、前記購入されたミールキットを開発した料理人が出演する動画であり、
前記制御部は、前記ミールキット識別情報に対応するレシピ情報とは異なるレシピ情報に対応するコンテンツを当該ミールキット識別情報と紐づける
情報処理システム。
【請求項7】
複数の料理のレシピ情報と、当該レシピ情報に対応する複数のミールキットを識別するミールキット識別情報と、当該ミールキット識別情報に紐付けられたコンテンツとを記憶し、
前記レシピ情報を、ユーザのユーザ端末からの要求に応じて送信し、
前記ユーザ端末から、前記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信し、
前記ミールキットの決済処理が完了した場合に、当該ミールキットを購入したユーザに当該ミールキットのミールキット識別情報に紐づけられたコンテンツへのアクセス権を発行する
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の料理のレシピ情報と、当該レシピ情報に対応する複数のミールキットを識別するミールキット識別情報と、当該ミールキット識別情報に紐付けられたコンテンツとを記憶するステップと、
前記レシピ情報を、ユーザのユーザ端末からの要求に応じて送信するステップと、
前記ユーザ端末から、前記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信するステップと、
前記ミールキットの決済処理が完了した場合に、当該ミールキットを購入したユーザに当該ミールキットのミールキット識別情報に紐づけられたコンテンツへのアクセス権を発行するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザから発注されたミールキットの製造に関する情報処理を実行可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット上で料理のレシピ情報を提供するとともに、当該レシピ情報に対応した食材を購入可能なシステムが存在する。
【0003】
例えば下記特許文献1には、要求されたレシピ情報をユーザ端末に配信するとともに、ユーザ端末から食材の発注手続開始要求が送信された場合に、ユーザ端末へ配信されたレシピ情報から食材の情報と食材に関する付加情報(料理名や加工法)とを取得し、それらを元に検索した結果得られた商品情報をユーザ端末へ送信し、商品情報に対するユーザ端末からの発注要求を受信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザは、レシピ情報さえ閲覧できれば、自前で調達した食材でそのレシピの料理を作ることが可能であるため、レシピ情報と関連して、レシピ情報の提供元から食材等の商品が購入可能であってもなかなか実際の購入には至らない。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、ユーザに提供するレシピ情報に対応するミールキットの購買意欲を高めることができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、通信部と記憶部と制御部を有する。上記通信部はユーザのユーザ端末と通信可能である。上記記憶部は複数の料理のレシピ情報と、当該レシピ情報に対応する複数のミールキットを識別するミールキット識別情報と、当該ミールキット識別情報に紐付けられたコンテンツとを記憶する。上記制御部は、上記レシピ情報を、上記ユーザ端末からの要求に応じて送信し、上記ユーザ端末から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信し、当該ミールキットの決済処理が完了した場合に、当該ミールキットを購入したユーザに当該ミールキットのミールキット識別情報に紐づけられたコンテンツへのアクセス権を発行する。
【0008】
この構成により情報処理システムは、ミールキットに紐づけられたコンテンツをインセンティブとして、ユーザに提供するレシピ情報に対応するミールキットの購買意欲を高めることができる。
【0009】
上記コンテンツは、上記ミールキット識別情報によって異なってもよい。
【0010】
これにより情報処理システムは、ミールキットに応じて様々なコンテンツをユーザに提供することができる。
【0011】
上記コンテンツは、上記購入されたミールキットを用いて複数の調理工程ごとに調理する様子が撮影された動画であってもよい。この場合上記記憶部は、上記調理工程ごとの工程動画と当該調理工程を識別する工程識別情報とを対応付けて記憶してもよく、上記制御部は、上記工程識別情報ごとにアクセス権を発行してもよい。
【0012】
これにより情報処理システムは、調理工程ごとに動画へのアクセス権を発行することで、ユーザの調理時の利便性を向上させることができる。
【0013】
上記制御部は、1つの動画を解析して上記調理工程ごとの工程動画に分割して記憶してもよい。
【0014】
これにより情報処理システムは、調理工程ごとの動画を人手によらずに生成することができる。
【0015】
上記制御部は、異なるミールキット間で共通する調理工程に対して、1つの工程動画を複数のミールキット識別情報と紐づけて記憶してもよい。
【0016】
これにより情報処理システムは、異なるミールキット間で共通する調理工程については1つの動画を共通して用いることで、記憶する動画のデータ量を削減することができる。
【0017】
上記コンテンツは、上記購入されたミールキットを開発した料理人が出演する動画であってもよい。この場合上記制御部は、上記ミールキット識別情報に対応するレシピ情報とは異なるレシピ情報に対応するコンテンツを当該ミールキット識別情報と紐づけてもよい。
【0018】
これにより情報処理システムは、ミールキットを購入したユーザに、ミールキットと同じ料理人の異なるレシピ動画を閲覧させることで、ユーザにさらに当該異なるレシピ動画に対応するミールキットの購買意欲を高めることができる。
【0019】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
複数の料理のレシピ情報と、当該レシピ情報に対応する複数のミールキットを識別するミールキット識別情報と、当該ミールキット識別情報に紐付けられたコンテンツとを記憶し、
上記レシピ情報を、ユーザのユーザ端末からの要求に応じて送信し、
上記ユーザ端末から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信し、
上記ミールキットの決済処理が完了した場合に、当該ミールキットを購入したユーザに当該ミールキットのミールキット識別情報に紐づけられたコンテンツへのアクセス権を発行する、ことを含む。
【0020】
本発明の他の形態に係るプログラムは、コンピュータに、
複数の料理のレシピ情報と、当該レシピ情報に対応する複数のミールキットを識別するミールキット識別情報と、当該ミールキット識別情報に紐付けられたコンテンツとを記憶するステップと、
上記レシピ情報を、ユーザのユーザ端末からの要求に応じて送信するステップと、
上記ユーザ端末から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信するステップと、
上記ミールキットの決済処理が完了した場合に、当該ミールキットを購入したユーザに当該ミールキットのミールキット識別情報に紐づけられたコンテンツへのアクセス権を発行するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザに提供するレシピ情報に対応するミールキットの購買意欲を高めることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るミールキット販売システムの構成を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバのハードウェア構成を示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバが有するデータベースの構成を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る飲食店情報提供サーバによる、コンテンツアクセス権発行処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係るミールキット発注システムの構成を示した図である。
【0025】
同図に示すように、このシステムは、インターネット50上の飲食店情報提供サーバ100と、複数のユーザ端末200と、複数の料理人端末300と、複数の販売業者端末400と、加工業者端末500とを含み、それらはインターネット50等のネットワークを介して接続されている。加工業者端末500は1つのみ示されているが、複数存在していても構わない。
【0026】
飲食店情報提供サーバ100は、飲食店に関する情報を掲載したポータルサイトを運営するウェブサーバであり、上記ポータルサイトにおいて、ユーザ端末200のユーザ向けに飲食店情報の検索システムを提供する。具体的には、飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200からの検索要求に基づいて検索条件に合致する飲食店情報を検索し、検索結果を掲載したWebページを生成してユーザ端末200へ送信する。また飲食店情報提供サーバ100は、当該飲食店情報を閲覧したユーザのユーザ端末200からの、いずれかの飲食店に対する予約受付処理を代行する。
【0027】
また飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイト上において、料理人端末300から提供されたレシピ情報を掲載しており、ユーザ端末200は当該レシピ情報をダウンロードして表示することが可能である。またレシピ情報は典型的にはテキスト情報であるが、料理人が調理中の様子がその食材や調理法に関する説明と共に撮像された動画情報であっても構わない。
【0028】
さらに飲食店情報提供サーバ100は、上記ポータルサイト上において、上記レシピ情報に対応するミールキット(食事を作るために加工(カット、下処理、調味料の調合等)された食材及びレシピ情報がキット化された商品)を販売しており、その購入要求をユーザ端末200から受信する。そして飲食店情報提供サーバ100は、当該購入要求に応じて、食材ごとに販売業者を選択して販売業者端末400へ食材を発注するとともに、加工業者端末500へ上記食材の加工を発注する。
【0029】
そして飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200との間でミールキットの決済処理が完了した場合に、当該ミールキットに紐づけられたコンテンツ(典型的には、購入されたミールキットを用いて複数の調理工程ごとに調理する様子が撮影された動画像)に対するアクセス権を当該購入ユーザに発行する。当該コンテンツへのアクセス権の発行処理の詳細については後述する。
【0030】
ユーザ端末200(200A,200B,200C...)は、ユーザにより使用される端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレットPC(Personal Computer)、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0031】
ユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて予約可能な(または営業中の)飲食店の検索条件を決定し、当該検索条件に基づく飲食店検索要求を上記ポータルサイトまたは対応するアプリケーションを介して飲食店情報提供サーバ100へ送信し、検索結果のウェブページや検索結果のうち所望の飲食店のウェブページ(飲食店情報ページ)を受信してブラウザ等により画面に表示する。またユーザ端末200は、ユーザの操作に基づいて、上記予約可能な飲食店の検索結果として表示されたいずれかの飲食店に対する予約要求を飲食店情報提供サーバ100へ送信可能である。
【0032】
またユーザ端末200は、飲食店情報提供サーバ100から上記ポータルサイト等を介して上記レシピ情報を受信したり、ミールキットの購入要求を送信したり、さらには上記アクセス権を発行された場合にコンテンツを受信したりする。
【0033】
料理人端末300(300A,300B,300C...)は、例えば上記ポータルサイト上に掲載された飲食店を経営するまたは飲食店に勤務する料理人の端末(またはその飲食店の端末)であり、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。料理人端末300は、上記料理人や従業員等の操作に基づいて、上記飲食店情報の編集・更新等、自身の飲食店情報に関する処理を飲食店情報提供サーバ100との通信により実行することが可能である。
【0034】
一方で料理人端末300は、料理人が考案したレシピを示すレシピ情報及び当該レシピ情報に含まれる食材の仕入先の販売業者のリストを飲食店情報提供サーバ100へ送信する。なお料理人には、レシピのライセンスフィーとして所定の手数料が飲食店情報提供サーバ100の運営者から支払われてもよい。
【0035】
販売業者端末400(400A,400B,400C...)は、上記ミールキットに含まれる食材を販売する業者の端末であり、タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。食材とは、肉、魚介類、野菜等の生鮮食品、それらの加工食品、調味料等、あらゆるものを含み、販売業者は上記生鮮食品の生産者、加工食品や調味料等のメーカーを含む。
【0036】
加工業者端末500は、上記飲食店情報提供サーバ100の運営者と提携して上記ミールキットに含まれる食材を加工(カット、下処理、調味料の調合及びミールキットのパッケージング等)する業者の端末であり、ユーザ端末タブレットPC、ノートブックPC、デスクトップPC等である。
【0037】
[飲食店情報提供サーバのハードウェア構成]
図2は、上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0038】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら飲食店情報提供サーバ100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0039】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。
【0040】
表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0041】
操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部17がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部16と一体となり得る。
【0042】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0043】
特に本実施形態では、記憶部18は、各飲食店の飲食店情報、各ユーザ端末200のユーザに関するユーザ情報等を記憶するとともに、これらのデータを用いて飲食店情報提供サーバ100が飲食店検索結果提供処理、ミールキット発注処理、コンテンツアクセス権発行処理等を実行するためのアプリケーションその他のプログラムを記憶している。後述するが、記憶部18は、そのようなデータを含むデータベースとして、飲食店情報データベース、ユーザ情報データベース、仕入先情報データベース、レシピ情報データベース、発注情報データベース、コンテンツ情報データベースを有している。
【0044】
通信部19は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ユーザ端末200、料理人端末300、販売業者端末400及び加工業者端末500との間の通信処理を担う。
【0045】
図示しないが、上記ユーザ端末200、飲食店端末300、販売業者端末400及び加工業者端末500のハードウェア構成も上記飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成と同様である。またユーザ端末200には、上記飲食店情報提供サーバ100と接続して飲食店検索処理を実行するためのアプリケーションがインストールされていてもよい。
【0046】
[飲食店情報提供サーバのデータベース構成]
図3は、上記飲食店情報提供サーバ100が有するデータベースの構成を示した図である。
【0047】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100は、記憶部18に、飲食店情報データベース31、ユーザ情報データベース32、仕入先情報データベース33、レシピ情報データベース34及び発注情報データベース35を有している。
【0048】
飲食店情報データベース31は、飲食店毎に、その飲食店の店名や所在位置(緯度・経度)情報、その飲食店を識別するID(施設ID)の他、その飲食店の業態・サービスのカテゴリ情報、その飲食店を紹介する内容、すなわち、サービス施設のPR文等のサービス施設の特徴を示す情報、飲食店が行うイベント情報、飲食店が立地しているエリア情報、飲食店の住所、電話番号、飲食店に関する(飲食店を紹介する)画像データ、飲食店が提供するメニューに関するメニュー情報、営業時間、休業日(定休日)、ウェブサイトURL等の情報を記憶している。
【0049】
上記メニュー情報は、上記ポータルサイト上の各飲食店のサイトに掲載されるメニューに対応する情報であり、各飲食店が提供可能な複数のメニューのメニュー名を、飲食店毎に記憶している。当該メニュー情報は、例えば前菜/メイン、ランチ/ディナー/コース等のメニューカテゴリ毎に記憶されてもよい。また上記画像データがメニューに対応するものである場合には、当該画像データはメニュー情報と対応付けられて記憶される。
【0050】
上記エリア情報は、例えば都道府県単位のものであるが、市区町村等のより狭い範囲の単位でも情報が記憶されてもよい。上記カテゴリ情報は、例えば和食、中華、イタリアン、フレンチ、焼肉等のメインカテゴリの他、和食における焼き鳥・天ぷら等、イタリアンにおけるパスタ・ピザ等のより詳細なサブカテゴリを含んでいてもよい。
【0051】
また飲食店情報データベース31には、日ごと及び時間帯ごとの予約可否情報(空席数情報)も飲食店ごとに記憶されている。
【0052】
ユーザ情報データベース32は、ユーザ端末200を所有する、上記飲食店情報提供サーバ100が提供する上記ポータルサイトを介した飲食店情報サービスの利用者(会員)であるユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報データベース42は、ユーザID、パスワード、氏名、メールアドレス、電話番号、住所、年齢(層)、性別、誕生日等の情報をユーザ毎に記憶している。
【0053】
仕入先情報データベース33は、上記料理人端末300から上記レシピ情報と共に受信した仕入先リストに掲載された食材の販売業者に関する情報を記憶する。具体的には、仕入先情報データベース33は、上記販売業者(生産者、食品メーカー等)の業者ID、名称、メールアドレス、電話番号、住所、販売食材、当該食材が含まれるレシピ情報のレシピID等の情報を販売業者ごとに記憶する。
【0054】
レシピ情報データベース34は、上記料理人端末300から受信し上記ポータルサイト上に掲載しているレシピ情報(テキスト情報)及びそれに関連する動画情報を、レシピID、作成元の料理人の料理人名、料理人ID、レシピ情報に含まれる食材リスト、分量、何人分のレシピかを示す情報、当該食材の販売業者の業者ID、及びミールキットID等と対応付けて記憶している。
【0055】
またレシピ情報データベース34には、当該レシピ情報を解析することで抽出された、食材の加工方法を示す情報も、レシピ情報毎及び食材毎に記憶されている。
【0056】
発注情報データベース35は、ユーザ端末200からのミールキット購入要求に応じて販売業者端末400へ送信した食材発注情報の発注履歴情報(ミールキットID、食材名または食材ID、発注先の販売業者名または業者ID、発注日時等)及び加工業者端末500へ送信した加工発注情報の発注履歴情報(ミールキットID、食材名または食材ID、発注先の加工業者名または業者ID、発注日時等)を記憶している。
【0057】
コンテンツ情報データベース36は、コンテンツの動画像データと、コンテンツID、出演している料理人名、再生時間等のコンテンツに関する情報を、ミールキットIDと紐づけて記憶している。
【0058】
ここで各コンテンツは、ミールキットを用いて複数の調理工程ごとに調理する様子が撮影された動画であり、コンテンツ情報データベース36は、調理工程ごとの工程動画と当該調理工程を識別する工程IDとを対応付けて記憶している。
【0059】
さらに、各コンテンツを構成する工程動画には、例えば特定の野菜のカット(みじん切り等)工程など、異なる料理(ミールキット)間で共通する調理工程の動画が含まれる場合がある。そこでコンテンツ情報データベース36は、異なるミールキット間で共通する調理工程に対して、1つの工程動画(の工程ID)を複数のミールキットIDと紐づけて記憶している。これにより、共通する調理工程の分だけ、記憶する動画のデータ量を削減することができる。
【0060】
この場合、同じ調理工程であっても料理人が異なる場合には料理人毎に工程動画が記憶されてもよいし、料理人が異なっても同じ料理工程であれば1つの工程動画が記憶されてもよい。また異なる料理人間で同じ料理工程の動画を汎用的に使えるように、飲食店情報提供サーバ100は、動画コンテンツ内に頻繁に登場する調理工程について、例えば料理人の顔が映らず調理する手元のみが映っているような汎用共通動画を作成して記憶してもよい。
【0061】
これら各データベースは、後述する飲食店情報提供サーバ100による、コンテンツアクセス権発行処理において、必要に応じて相互に参照されて用いられる。
【0062】
[飲食店情報提供サーバの動作]
次に、以上のように構成された飲食店情報提供サーバ100の動作について説明する。当該動作は、飲食店情報提供サーバ100のCPU11及び通信部19等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。以下の説明では、便宜上、CPU11を動作主体とする。
【0063】
図4は、飲食店情報提供サーバ100による、コンテンツアクセス権発行処理の流れを示したフローチャートである。
【0064】
同図に示すように、飲食店情報提供サーバ100のCPU11はまず、ユーザ端末200から、レシピ情報の閲覧要求を受信したか否かを判断する(ステップ41)。当該レシピ情報の閲覧要求は、例えば、上記ポータルサイト上のレシピの一覧ページ中からユーザ端末200によりいずれかのレシピへのハイパーリンクが選択されることで、それに対応するレシピIDと共に飲食店情報提供サーバ100へ送信される。
【0065】
ユーザ端末200からレシピ情報の閲覧要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該閲覧要求に含まれるレシピIDを基に、上記レシピ情報データベース34からレシピ情報を抽出し、ユーザ端末200へ送信する(ステップ42)。
【0066】
続いてCPU11は、ユーザ端末200から、上記レシピ情報に対応するミールキットの購入要求を受信したか否かを判断する(ステップ43)。当該ミールキットの購入要求は、例えば上記レシピ一覧ページ上でハイパーリンク設定された、または、ミールキット一覧ページ上でハイパーリンク設定されたミールキット購入ボタンがユーザ端末200上で押下されることで、それに対応するミールキットID、ユーザID、購入数情報等の情報と共に飲食店情報提供サーバ100へ送信される。
【0067】
上記ミールキット購入要求を受信したと判断した場合(Yes)、CPU11は、当該ミールキットの決済処理が完了したか否かを判断する(ステップ44)。
【0068】
ミールキットの決済処理が完了したと判断した場合(Yes)、CPU11は、上記コンテンツ情報データベース36からミールキットIDに対応するコンテンツIDを有する動画コンテンツを特定し、当該動画コンテンツを構成する工程動画の工程IDを取得する(ステップ45)。
【0069】
続いてCPU11は、上記取得した工程ID毎に、工程動画へのアクセス権を示すアクセスコードを生成する(ステップ46)。当該アクセスコードは、英数字・記号等の文字列であってもよいし、バーコードや二次元コード等であってもよい。
【0070】
そしてCPU11は、レシピ情報中の食材リストに含まれる食材ごとに選択された販売者の販売者端末400へ食材発注情報を送信するとともに、加工業者端末500へ、当該販売者から納品される食材の加工・ミールキットの梱包及びユーザへの発送を発注する加工発注情報を送信する。このときCPU11は、当該加工発注情報に、上記生成した工程IDごとのアクセスコードを示す情報を含ませる(ステップ47)。
【0071】
梱包されたミールキットは、飲食店情報提供サーバ100の運営者と提携する配送業者によってユーザ端末200のユーザによって指定された住所へ配送される。
【0072】
上記アクセスコードは、例えば、各調理工程を示す情報と共に調理工程ごとに紙にプリントアウトされミールキットと一緒に梱包される。ユーザは、当該ミールキットを用いて調理する場合、その調理工程ごとにアクセスコードをユーザ端末200で読み取ってまたは入力して各工程動画にアクセスして再生することで、テキスト情報からなるレシピ情報のみを基に調理する場合に比べて容易にミールキットの調理を行うことができる。
【0073】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、飲食店情報提供サーバ100は、飲食店等の料理人が作る料理を一般家庭のユーザに高い再現度で調理させることができる。
【0074】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0075】
上述の実施形態において、飲食店情報提供サーバ100は、複数の工程動画からなる動画コンテンツを作成する際に、1つの動画を解析して調理工程ごとの工程動画に分割してコンテンツ情報データベース36に記憶してもよい。例えば飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、1つの動画から被写体となっている食材や料理人の行動(切る、炒める等)、料理人が使う道具(包丁、箸、鍋等)の切替わりを認識することで動画を複数の工程ごとに分割してもよい。
【0076】
上述の実施形態においては、コンテンツは、上記購入されたミールキットを開発した料理人が当該ミールキットを用いて調理する様子を撮影した動画であった。しかし、コンテンツはそれ以外の動画であってよい。例えばコンテンツは、ミールキットを開発した料理人が当該ミールキット以外のミールキット(レシピ情報)を用いて調理する様子を撮影した動画であってもよい。したがってこの場合、購入されたミールキットのミールキットIDに対応するレシピ情報とは異なるレシピ情報に対応するコンテンツが、当該ミールキットIDと紐づけられることになる。飲食店情報提供サーバ100は、同じ料理人の異なるレシピ動画に対応するミールキットに対するユーザの購買意欲を高めることができる。
【0077】
上述の実施形態では、レシピ情報のユーザ端末200への配信処理、工程動画ごとのアクセスコードの生成処理、販売業者端末400への食材発注処理、加工業者端末500への加工発注処理等のコンテンツアクセス権発行処理に必要な全ての処理が飲食店情報提供サーバ100によって実行された。しかし、これらの複数の処理のうち一部が他のサーバによって実行されても構わない。
【0078】
また上述の実施形態では、コンテンツを構成する工程IDごとにアクセスコードが発行されたが、コンテンツは複数の調理工程を含む1つの動画として作成され、当該コンテンツごとにアクセスコードが発行されてもよい。
【0079】
上述の実施形態では、コンテンツは動画像コンテンツとして示されたが、動画像以外であっても構わない。例えばコンテンツは、静止画(写真集)や音声(楽曲)、電子書籍等であってもよい。
【0080】
上述の実施形態では、料理人は、飲食店を経営するまたは飲食店に勤務するシェフとして説明されたが、料理人はそれ以外にも、管理栄養士や動画配信サイトへ自作の料理動画を投稿している人であっても構わない。
【0081】
本願の特許請求の範囲に記載された発明のうち、「情報処理方法」と記載された発明は、その各ステップを、ソフトウェアによる情報処理によりコンピュータ等の少なくとも1つの装置が自動的に行うものであり、人間がコンピュータ等の装置を用いて行うものではない。すなわち、当該「情報処理方法」は、コンピュータ・ソフトウェアによる情報処理方法であって、コンピュータという計算道具を人間が操作する方法ではない。
【符号の説明】
【0082】
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…バス
15…入出力インタフェース
16…表示部
17…操作受付部
18…記憶部
19…通信部
31…飲食店情報データベース
32…ユーザ情報データベース
33…仕入先情報データベース
34…レシピ情報データベース
35…発注情報データベース
36…コンテンツ情報データベース
100…飲食店情報提供サーバ
200…ユーザ端末
300…料理人端末
400…販売業者端末
500…加工業者端末