(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143742
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】USBコネクタの固定構造
(51)【国際特許分類】
H01R 13/46 20060101AFI20220926BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H01R13/46 A
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044423
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】川向 敏博
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA12
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB07
5E021FC06
5E021FC36
5E021HC11
5E087LL04
5E087LL17
5E087LL29
5E087LL33
5E087LL34
5E087MM05
5E087RR06
(57)【要約】
【課題】小型化されたUSBコネクタの強度不足を補填すると共に、脱落防止に寄与することのできるUSBコネクタの固定構造を提供する。
【解決手段】ケーブル40の端部に設けられ、接続ポート18に挿入されるコネクタ本体14が突出し、コネクタ本体14よりも大きな投影面を有する被覆層であるコネクタ基部12と、接続ポート18の周囲に位置し、コネクタ基部12を嵌合させる凹部または凸状壁部、あるいは凹部と凸状壁部の組み合わせから成る基部嵌合部16と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル端部に設けられ、接続ポートに挿入されるコネクタ本体が突出し、前記コネクタ本体よりも大きな投影面を有するコネクタ基部と、
前記接続ポートの周囲に位置し、前記コネクタ基部を嵌合させる凹部または凸部、あるいは凹部と凸部の組み合わせから成る基部嵌合部と、を有することを特徴とするUSBコネクタの固定構造。
【請求項2】
前記コネクタ基部の長さは、前記コネクタ本体の突出長さよりも長く、
前記基部嵌合部の深さは、前記コネクタ本体の長さ以上、前記コネクタ基部の長さ以下となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のUSBコネクタの固定構造。
【請求項3】
前記コネクタ基部の投影面の形状を、前記コネクタ本体の形態毎に異ならせたことを特徴とする請求項2に記載のUSBコネクタの固定構造。
【請求項4】
前記コネクタ基部は、ケーブルの延設方向と交差する方向に突出形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のUSBコネクタの固定構造。
【請求項5】
前記基部嵌合部の周囲に、前記ケーブル端部が前記コネクタ本体を引き抜く方向へ移動することを抑制するカバーを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のUSBコネクタの固定構造。
【請求項6】
前記カバーは、前記基部嵌合部の周囲に設けられた軸を基点として回動により開閉される構造としたことを特徴とする請求項5に記載のUSBコネクタの固定構造。
【請求項7】
前記カバーは、前記基部嵌合部の周囲に設けられたスライドガイドに沿ってスライドさせる事により開閉される構造としたことを特徴とする請求項5に記載のUSBコネクタの固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB(Universal Serial Bus)コネクタの固定構造に係り、特にMiniやMicro、Type-Cと呼ばれる小型、薄型化されたコネクタを固定するのに好適な構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の接続ケーブル等に用いられるUSBコネクタは、電子機器の小型化や、コネクタの集積化により個々の小型化が図られるようになってきた。小型化されたコネクタの開発は、電子機器のさらなる小型化や、少ないスペースに多くのケーブルを接続する事など、有線による情報通信技術の促進に寄与してきた。
【0003】
しかし、コネクタの小型化や薄型化が進むにつれ、コネクタの接続状態の維持や、コネクタ自体に加えられる応力(例えばコネクタの抜き差し方向と交差する方向への力:以下、こじり力と称す)に対する強度などが問題視されるようになってきた。
【0004】
これに対し、接続ケーブル用のコネクタを固定するための構造は種々提案されており、例えば特許文献1や2に開示されているような構造が知られている。特許文献1、2に開示されている固定構造は、主にコネクタの抜け止めを図るためのものであり、ケーブルに対して幅や厚みが大きくなるコネクタ部分を収容するカバー(ハウジング)を設け、このハウジングを接続先となる電子機器等に固定するという構造である。このような構成とすることで、コネクタのいわゆる肩の部分がハウジングに引っ掛かり、コネクタ自体の動きを規制すると共に、コネクタの抜け止めを図ることが可能となる。なお、電子機器に対するハウジングの固定は、爪による係合や、ネジを用いた螺合などとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010―114006号公報
【特許文献2】特許第5812422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献に開示されているような構造によれば、コネクタの抜け止めや、コネクタに対するこじり力の負荷防止に対して高い効果を得る事ができると考えられる。
【0007】
しかし、特許文献1、2に開示されているような構造は、HDMI(登録商標)コネクタやUSBコネクタの中でもType-Aなどの比較的大きなコネクタを対象としている。このため、MiniやMicro、Type-Cなどと呼ばれる小型のUSBコネクタのような、接続スペースが狭く、個別のハウジングなどを付帯させることが困難、あるいは好ましく無い構造のコネクタには適用することが難しい。
【0008】
そこで本発明では、小型化されたUSBコネクタの強度不足を補填すると共に、脱落防止に寄与することのできるUSBコネクタの固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るUSBコネクタの固定構造は、ケーブル端部に設けられ、接続ポートに挿入されるコネクタ本体が突出し、前記コネクタ本体よりも大きな投影面を有するコネクタ基部と、前記接続ポートの周囲に位置し、前記コネクタ基部を嵌合させる凹部または凸部、あるいは凹部と凸部の組み合わせから成る基部嵌合部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、上記のような特徴を有するUSBコネクタの固定構造において前記コネクタ基部の長さは、前記コネクタ本体の突出長さよりも長く、前記基部嵌合部の深さは、前記コネクタ本体の長さ以上、前記コネクタ基部の長さ以下となるように構成されていると良い。このような特徴を有する事によれば、コネクタ基部と基部嵌合部の嵌め合い長さを十分に確保することができる。よって、こじり力に対する耐性を持たせることもできる。
【0011】
また、上記のような特徴を有するUSBコネクタの固定構造では、前記コネクタ基部の投影面の形状を、前記コネクタ本体の形態毎に異ならせるようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、コネクタ本体の接続間違い(コネクタ本体を挿入できない接続ポートへの押し付け)による破損を防ぐことが可能となる。
【0012】
また、上記のような特徴を有するUSBコネクタの固定構造において前記コネクタ基部は、ケーブルの延設方向と交差する方向に突出形成されていると良い。このような特徴を有する事によれば、電子機器等からのケーブルの突出量を抑えることができる。
【0013】
また、上記のような特徴を有するUSBコネクタの固定構造では、前記基部嵌合部の周囲に、前記ケーブル端部が前記コネクタ本体を引き抜く方向へ移動することを抑制するカバーを設けるようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、コネクタの脱落防止に寄与することができる。
【0014】
また、上記のような特徴を有するUSBコネクタの固定構造において前記カバーは、前記基部嵌合部の周囲に設けられた軸を基点として回動により開閉される構造とすることができる。このような特徴を有する事によれば、ネジなどを用いる事なくカバーの組み付けを行う事ができる。また、カバーの紛失等を防ぐこともできる。
【0015】
さらに、上記のような特徴を有するUSBコネクタの固定構造において前記カバーは、前記基部嵌合部の周囲に設けられたスライドガイドに沿ってスライドさせる事により開閉される構造とすることもできる。このような特徴を有する事によっても、ネジなどを用いる事なくカバーの組み付けを行う事ができる。また、カバーの紛失等を防ぐこともできる。
【発明の効果】
【0016】
上記のような特徴を有するUSBコネクタの固定構造によれば、小型化されたUSBコネクタの強度不足を補填することができる。また、コネクタの脱落防止に寄与することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】電子機器に対するUSBコネクタの固定構造を示す斜視図である。
【
図2】
図1におけるA-A断面を示す概略図である。
【
図3】USBコネクタの固定構造における接続ポート側の構造を示す斜視図である。
【
図4】USBコネクタの固定構造におけるコネクタ側の構造を示す斜視図である。
【
図5】USBコネクタの固定構造に付帯させたカバーを閉じた状態を示す斜視図である。
【
図6】ケーブル端部に対するコネクタ基部の突出方向を変更した場合の例を示す斜視図である。
【
図7】第1の応用形態に係るUSBコネクタの固定構造を電子機器に適用した構成を示す斜視図である。
【
図8】第1応用形態に係るUSBコネクタの固定構造を示す正面図である。
【
図11】第1応用形態に係るUSBコネクタの固定構造における接続ポート側の構造を示す斜視図である。
【
図12】第1応用形態に係るUSBコネクタの固定構造におけるコネクタ側の構造を示す斜視図である。
【
図13】第1応用形態に係るUSBコネクタの固定構造に付帯されたカバーを閉じた状態を示す斜視図である。
【
図14】第2応用形態に係るUSBコネクタの固定構造に係るコネクタの構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のUSBコネクタの固定構造に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1から
図5を参照して、USBコネクタの固定構造に係る基本形態について説明する。なお、図面において、
図1は、電子機器に対するUSBコネクタの固定構造を示す斜視図であり、
図2は、
図1におけるA-A断面を示す概略図である。また、
図3は、USBコネクタの固定構造における接続ポート側の構造を示す斜視図であり、
図4は、同コネクタ側の構造を示す斜視図である。さらに、
図5は、USBコネクタの固定構造に付帯させたカバーを閉じた状態を示す斜視図である。
【0019】
[基本形態]
本実施形態に係るUSBコネクタの固定構造10は、MiniやMicro、あるいはType-Cと称されている比較的小さなUSBコネクタに適用する事に好適なものであり、コネクタ11に設けられたコネクタ基部12と、基部嵌合部16とを基本として構成されている。コネクタ基部12は、データ通信等を行うためのケーブル40の端部に設けられている。
図1、
図4に示す例では、コネクタ基部12はケーブル40の延設方向と直交する方向に突出形成されており、突出方向先端部にコネクタ本体14を備えている。
【0020】
コネクタ基部12は、ケーブル40の被覆材等と同等な樹脂などの絶縁素材により構成されていることが望ましい。また、コネクタ基部12の投影面は、コネクタ本体14の投影面の面積よりも大きな面積を持つように構成されている。また、コネクタ基部12の投影面の形状は、コネクタ本体14の形態(例えばMiniUSB、MicroUSB、Type-Cなどのコネクタ形態)毎に異ならせ、コネクタ基部12の突出長さL1は、コネクタ本体14の突出長さL2よりも長くなるように構成されている。
【0021】
基部嵌合部16は、ケーブル40等を接続する電子機器50に設けられる接続ポート18の周囲に配置されている。
図1、
図3に示す例では、凸状壁部(凸部)により構成されている。基部嵌合部16の投影面の形状は、コネクタ基部12の投影面の形状と一致させており、基部嵌合部16に対してコネクタ基部12が嵌め込み可能な構成とされている。
【0022】
また、基部嵌合部16の深さD(
図2に示す例では凸状壁部の高さ)は、コネクタ本体14の長さL2以上、コネクタ基部12の長さL1以下となるように構成されている。なお、接続ポート18は、基部嵌合部16の底面であって、コネクタ基部12を基部嵌合部16に嵌入させて挿入することで、コネクタ本体14が接続ポート18に挿入されることとなる位置に設けられている。
【0023】
このような構成とすることにより、コネクタ本体14が接続ポート18に挿入されている時は、コネクタ基部12が基部嵌合部16に嵌め合わされることとなる。このため、こじり力は、コネクタ基部12が受けることとなり、コネクタ本体14に過度な応力が作用することが無くなる。また、基部嵌合部16の深さDをコネクタ本体14の長さL2以上とした上で、コネクタ基部12の投影面の形状をコネクタ本体14の形態毎に異ならせる構成としたことで、コネクタ本体14の形態が異なる場合には、コネクタ本体14が基部嵌合部16の底部に接触する前、あるいは接触したところでコネクタ11の挿入が規制されることとなる。このため、コネクタ本体14に無理な力が加えられてしまう事を避けることができる。
【0024】
また、本実施形態に係るUSBコネクタの固定構造10では、基部嵌合部16の周囲にカバー20を備える構成としている。カバー20は、ケーブル40の端部(
図1に示す例ではコネクタ基部12を含む部位)がコネクタ本体14を接続ポート18から引き抜く方向(
図1においては矢印Bで示す方向)へ移動することを抑制するための要素である。
【0025】
カバー20は、一対の側壁部22,22と、側壁部22,22同士を接続するブリッジ部24とを有し、ブリッジ部24によりコネクタ本体14(コネクタ11)の抜け止めが図られる構成とされている。
図1、
図3に示す形態では、側壁部22に貫通孔が設けられており、この貫通孔に対して基部嵌合部16の側部に設けられた軸16aを嵌め込む構成とされている。このような構成とすることにより、軸16aを基点としてカバー20を回動させて開閉することが可能となる。そして、カバー20が“開”の状態ではコネクタ11の抜き差しが可能となり、カバー20が“閉”の状態ではコネクタ11を抜く事が規制されることとなる。カバー20にこのような開閉方式を採用したことにより、ネジなどを用いる事無くカバーの取り付けを行うことができる。また、別体とする事によるカバー20の紛失等も防ぐことができる。
【0026】
また、
図1、
図3に示す形態では、軸16aとの係合部を基端とした場合におけるカバー20の先端側の側壁部22に爪22aを設ける構成としている。カバー20の爪22aが電子機器50に設けられた係合部52に係止されることで、カバー20を“閉”状態で固定することが可能となる。なお、
図1、
図3に示すように、側壁部22における爪22aの近傍にスリット22bを設けることで、爪22aの係合、及び係合解除が容易となる。
【0027】
[効果]
上記のようなUSBコネクタの固定構造10によれば、小型化されたUSBコネクタの強度不足を補填することができる。また、コネクタ基部12と基部嵌合部16とが嵌め合わされる事やカバー20を設けることにより、コネクタ11の脱落防止にも寄与することができる。
【0028】
[変形例]
なお、本実施形態では、基部嵌合部16の構成について、凸状壁部により構成する旨記載したが、基部嵌合部16は、凹部、あるいは凸状壁部を含む凸部と凹部の組み合わせにより構成されるものであっても良い。なお、ここでいう凸部とは、壁面を成さない単なるガイド(例えば棒状部材が複数個所に設けられているような構造)も含むものとする。
【0029】
また、本実施形態ではコネクタ基部12について、ケーブル40の延設方向と直交する方向に突出形成されていると説明しているが、
図6に示すように、コネクタ基部12の突出方向は、ケーブル40の延設方向に沿うものであっても良い。このような構成とした場合であっても、カバー20の形態を変え、カバー20を閉じた際、カバー20がコネクタ基部12のいわゆる肩の部分を抑える構成であれば、同様な効果を奏することができるからである。
【0030】
[第1応用形態]
次に、
図7から
図13を参照して、本発明に係るUSBコネクタの固定構造に係る第1応用形態について説明する。なお、図面において
図7は、第1の応用形態に係るUSBコネクタの固定構造を電子機器に適用した構成を示す斜視図である。
図8は、電子機器を含むUSBコネクタの固定構造の正面図であり、
図9は、
図8におけるB-B断面、
図10は、同C-C断面をそれぞれ示す図である。また、
図11は、第1応用形態に係るUSBコネクタの固定構造における接続ポート側の構造を示す斜視図であり、
図12は、同コネクタ側の構造を示す斜視図である。さらに
図13は、第1応用形態に係るUSBコネクタの固定構造に付帯されたカバーを閉じた状態を示す斜視図である。
【0031】
本実施形態に係るUSBコネクタの固定構造10Aの殆どの形態は、上述した基本形態と同様である。よって、その構成を同一とする箇所には図面に同一符号を附して、詳細な説明は省略するものとする。本実施形態に係るUSBコネクタの固定構造10Aは、近接箇所に複数(
図7に示す例では2つ)のUSBコネクタを接続する場合についての構造である。このような形態では、各コネクタに設けられたコネクタ基部12毎に基部嵌合部16を形成する。そして、コネクタ基部12の投影面の形態をコネクタ本体14の形態毎に異ならせるようにしている。なお、コネクタ本体14とコネクタ基部12の長さ等、その他の構成は上述した基本形態に係るUSBコネクタの固定構造10と同様である。
【0032】
このような構成とすることで、コネクタ本体14の接続間違いを防止することができると共に、接続間違いに起因したコネクタ本体14の破損(異なる形態の接続ポート18へのコネクタ本体14の押し付けに起因するもの)を避けることができる。
【0033】
また、
図7に示す形態では、隣接配置するケーブル40におけるコネクタ基部12の長さを異ならせることで、複数のケーブル40を立体配置可能な構成としている。具体的には、ケーブル40を引き出す方向を基準として奥側に位置する接続ポート18に接続するコネクタ本体14のコネクタ基部12の長さを手前側の接続ポート18に接続するコネクタ本体14のコネクタ基部12よりも長くして、手前側のケーブル40の上側(
図7において右側)を通す事を可能な構成としている。コネクタ基部12と基部嵌合部16の嵌め合いによりコネクタ本体14の抜け止め、及び保持を図っているため、コネクタ基部12を延長した場合であっても、コネクタ本体14の接続状態が不安定になったり、コネクタ本体14に過度な負荷がかかるといったことを避けることができる。
【0034】
図7に示す例では、カバー20の開閉にスライド形式を採用している。スライド形式のカバー20は、基部嵌合部16の周囲にスライドガイド16bを配置し、このスライドガイド16bに沿ってカバー20を摺動させるように構成したものである。なお、カバー20の効果については、上述した基本形態に係るUSBコネクタの固定構造10と同様である。
【0035】
[効果]
このような構成のUSBコネクタの固定構造10Aであっても、小型化されたUSBコネクタの強度不足を補填するという効果を奏することができる。また、コネクタ11の脱落防止についても、同様な効果を得ることができる。
【0036】
[第2応用形態]
上記実施形態ではいずれも、コネクタ基部12と基部嵌合部16の関係は、単なる嵌め合いであるように説明した。しかし、
図14に示すように、コネクタ基部12の外周に凹溝(不図示)を設け、当該凹溝にパッキン26(例えばOリング)を配置する構成としても良い。
【0037】
このような構成とすることで、コネクタ基部12と基部嵌合部16の嵌め合い状態をより強固なものとすることができると共に、シール効果を得ることができ、防水性(防滴性)を持たせることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
上記実施形態では、対象とするUSBコネクタとして、MiniやMicro、あるいはType-Cと称される小型なものを例に挙げているが、Type-Aなど、通常のUSBコネクタにも適用することができることは言うまでもない。
【0039】
また、上記実施形態では、基部嵌合部16の深さDについて、コネクタ本体14の長さL2以上、コネクタ基部12の長さL1以下となるように構成する旨記載した。しかしながら、コネクタの強度不足を補填するという本願の効果を奏する上では、必ずしもこれらの長さ規定を満たす必要は無い。すなわち、少なくともコネクタ基部12が基部嵌合部16に対して嵌め込まれる構成であれば、その効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0040】
10,10A………USBコネクタの固定構造、11………コネクタ、12………コネクタ基部、14………コネクタ本体、16………基部嵌合部、16a………軸、16b………スライドガイド、18………接続ポート、20………カバー、22………側壁部、22a………爪、22b………スリット、24………ブリッジ部、26………パッキン、40………ケーブル、50………電子機器、52………係合部。