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  • 特開-自動運転制御システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143781
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】自動運転制御システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20220926BHJP
   B60W 50/04 20060101ALI20220926BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20220926BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G08G1/09 V
B60W50/04
B60W60/00
G08G1/01 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044476
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】柳 拓也
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA63
3D241CE02
3D241CE05
5H181AA02
5H181AA03
5H181AA07
5H181AA27
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF13
5H181FF17
5H181MB06
(57)【要約】
【課題】コストの増大を抑制しつつセンサを洗浄可能とする自動運転制御システムを提供する。
【解決手段】自動運転制御システム1は、自車両Aの自動運転制御を行うための自動運転制御システム1であって、自車両Aに設けられ、自車両Aの周囲の情報を取得するためのセンサ11と、センサ11の汚れを検出するための検出部12と、検出部12の検出結果を示す情報を外部に送信するための通信部13と、を有する車両側装置10と、通信部13を介してセンサ11の汚れの検出結果を示す情報を受信すると共に、受信したセンサ11の汚れの検出結果を示す情報が、センサ11が汚れていることを示す結果を含む場合に、自車両Aが自動運転により自動洗浄機に向かうように自車両Aに指示を行うための管制装置20と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の自動運転制御を行うための自動運転制御システムであって、
前記自車両に設けられ、前記自車両の周囲の情報を取得するためのセンサと、前記センサの汚れを検出するための検出部と、前記検出部の検出結果を示す情報を外部に送信するための通信部と、を有する車両側装置と、
前記通信部を介して前記センサの汚れの検出結果を示す情報を受信すると共に、受信した前記センサの汚れの検出結果を示す情報が、前記センサが汚れていることを示す結果を含む場合に、前記自車両が自動運転により自動洗浄機に向かうように前記自車両に指示を行うための管制装置と、
を備える自動運転制御システム。
【請求項2】
前記検出部は、前記センサの汚れを検出した場合に、汚れた部位をさらに検出し、
前記管制装置は、前記センサの汚れの検出結果を示す情報が、前記センサが汚れていることを示す結果、及び、汚れた部位を示す情報を含む場合に、前記自動洗浄機に対して前記汚れた部位を示す情報を送信する、
請求項1に記載の自動運転制御システム。
【請求項3】
前記検出部は、互いに異なる時間に前記センサが前記自車両の自動運転経路上の所定位置で取得した複数の前記自車両の周囲の情報の変化に基づいて、前記センサの汚れを検出する、
請求項1又は2記載の自動運転制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の検出手段の検出結果を利用して、車両を自動で走行させる自動走行制御を実行可能な制御手段と、複数の検出手段の汚れを洗浄可能な洗浄手段と、一の検出手段の洗浄が必要な場合、他の検出手段の検出結果を利用して自動走行制御の実行継続が可能か否かを判定する判定手段と、を備える車両制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-117014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばダム建設現場等では、当該現場である私有地から公道に繋がる経路に、車両の洗浄施設が設置されている場合がある。したがって、当該洗浄施設を使用して車両を洗浄することにより、当該現場で運用されている車両の自動運転に必要なセンサを清浄に保つことが可能である。しかしながら、当該車両に搭載されたセンサの汚れの点検や、洗浄施設までの車両の運搬を人手により行うと、人件費等のコストが増大してしまう可能性がある。
【0005】
これに対して、上記特許文献1に記載されているように、検出手段の汚れを検出する汚れ検出手段と、検出手段の汚れを洗浄する洗浄手段と、を有する車両制御装置を各車両に設けることにより、人件費等に係るコストを抑制しつつセンサ(検出手段)を洗浄することが可能であるとも考えられる。しかしながら、この場合には、各車両に対して洗浄手段を設けるためのコストが別途必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、コストの増大を抑制しつつセンサを洗浄可能とする自動運転制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る自動運転制御システムは、自車両の自動運転制御を行うための自動運転制御システムであって、自車両に設けられ、自車両の周囲の情報を取得するためのセンサと、センサの汚れを検出するための検出部と、検出部の検出結果を示す情報を外部に送信するための通信部と、を有する車両側装置と、通信部を介してセンサの汚れの検出結果を示す情報を受信すると共に、受信したセンサの汚れの検出結果を示す情報が、センサが汚れていることを示す結果を含む場合に、自車両が自動運転により自動洗浄機に向かうように自車両に指示を行うための管制装置と、を備える。
【0008】
この自動運転制御システムでは、自車両に設けられた車両側装置の検出部が、自車両に設けられた自車両の周囲に関する情報を取得するためのセンサの汚れを検出する。そして、管制装置は、センサが汚れていることを示す結果を含む情報を受信した場合に、自車両が自動運転により自動洗浄機に向かうように自車両に指示を行う。これにより、センサを清浄に保つに際して、自車両に設けられたセンサの汚れの検出や自動洗浄機への自車両の運搬を人手によらずに行うことが可能となると共に、個々の車両に洗浄手段を設ける必要もない。よって、この自動運転制御システムによれば、コストの増大を抑制しつつセンサを洗浄可能とすることができる。
【0009】
本発明に係る自動運転制御システムでは、検出部は、センサの汚れを検出した場合に、汚れた部位をさらに検出し、管制装置は、センサの汚れの検出結果を示す情報が、センサが汚れていることを示す結果、及び、汚れた部位を示す情報を含む場合に、自動洗浄機に対して汚れた部位を示す情報を送信してもよい。この場合、自動洗浄機において汚れた部位を効果的に洗浄することが可能となる。
【0010】
本発明に係る自動運転制御システムでは、検出部は、互いに異なる時間にセンサが自車両の自動運転経路上の所定位置で取得した複数の自車両の周囲の情報の変化に基づいて、センサの汚れを検出してもよい。この場合、センサの汚れを検出するに際して、機械的な構成を別途に追加する必要が無い。したがって、より確実にコストの増大を抑制可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コストの増大を抑制しつつセンサを洗浄可能とする自動運転制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る自動運転制御システムを示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係る自動運転制御処理の主な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、一実施形態に係る自動運転制御システムについて、図面を参照して説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0014】
図1は、本実施形態に係る自動運転制御システムを示すブロック図である。自動運転制御システム1は、自車両Aの自動運転制御を行うためのシステムである。図1に示されるように、自動運転制御システム1は、車両側装置10と、管制装置20と、を備えている。自動運転制御システム1は、自車両Aのみの自動運転制御を行うものでもよく、自車両Aを含む複数の車両の自動運転制御を行うものでもよい。本実施形態において、自動運転制御システム1は、自車両Aの自動運転制御と、自車両A以外の少なとも1台の他車両の自動運転制御とを行う。
【0015】
車両側装置10は、少なくとも自車両Aに搭載されている。車両側装置10は、他車両にも搭載されていてもよい。自車両Aは、少なくとも部分的に自動運転可能なものとされている。自車両Aは、例えば大型車両や中型車両、普通乗用車、小型車両又は軽車両等の何れであってもよく、一例としてトラック等の産業車両である。自車両Aは、乗員が乗車していてもよいし、無人であってもよい。自車両Aは、例えば露天掘り鉱山やダム建設現場といった作業現場内を走行する。自車両Aは、高速道路や一般道等を走行するものであってもよい。また、自車両Aが走行する領域付近には、自車両Aを洗浄するための自動洗浄機が設置されている。一例として、自動洗浄機は、自車両A及び他車両が運用されるダム建設現場等の私有地から公道に繋がる経路に設置されている。
【0016】
車両側装置10は、センサ11と、検出部12と、通信部13と、車両制御部14と、を有している。センサ11は、自車両Aの周囲の情報を取得するためのものである。センサ11は、少なくとも自車両Aを自動運転により走行させる際に利用されるものであり、一例として、自車両Aの周囲をセンシングするミリ波レーダやLiDAR(Light Detection and Ranging)等のセンサ及び、自車両Aの周囲を撮像するカメラ等のうちの少なくとも1つを含む。車両側装置10は、複数のセンサ11を有していてもよい。車両側装置10は、自車両Aにおけるセンサ11が設けられた位置に関する情報を取得可能とされている。
【0017】
検出部12は、センサ11の汚れを検出するためのものである。一例として、検出部12は、互いに異なる時間にセンサ11が自車両Aの自動運転経路上の所定位置(チェックポイント)で取得した複数の自車両Aの周囲の情報の変化に基づいて、センサ11の汚れを検出する。より具体的には、検出部12は、第1の時刻にチェックポイントでセンサ11により取得された第1の情報と、第1の時刻と異なる第2の時刻に同様のチェックポイントでセンサ11により取得された第2の情報とを比較し、第1の情報と第2の情報との差分が所定の閾値以上である場合に、センサ11が汚れていると判定し、センサ11の汚れを検出することができる。
【0018】
したがって、センサの汚れとは、泥土や埃といったセンサ11が取得する情報に変化を及ぼし得る全ての要素を含む。また、センサ汚れのチェックポイントとして、例えば自車両Aが収容される駐車場等、自車両Aの周囲の状況が変化しにくい場所が好適である。また、チェックポイントは、特定の場所(駐車場等)に限られず、特定の構造物が設けられている位置であってもよい。
【0019】
ここで、検出部12は、センサ11の汚れを検出するに際して、汚れた部位をさらに検出することができる。検出部12は、車両側装置10が複数のセンサ11を含む場合、汚れた部位として、複数のセンサ11のうちの汚れが検出されたセンサ11の自車両Aにおける位置を含む自車両Aの一部の領域を、当該汚れた部位として検出することができる。また、検出部12は、車両側装置10に含まれるセンサ11の数に依らずに、1つのセンサ11について汚れた部位を検出することもできる。一例として、センサ11がカメラを含み、センサ11が自車両Aの周囲の情報として画像を取得する場合、上記の第1の情報としての第1の画像と、上記の第2の情報としての第2の画像と、の差分が閾値以上となる画像上の領域に対応するセンサ11の一部の領域を、汚れた部位として検出することができる。
【0020】
通信部13は、検出部12の検出結果を示す情報を外部に送信するためのものである。通信部13は、管制装置20と無線通信を行うことにより、車両側装置10と管制装置20との間で各種情報の送受信を可能とする。一例として、通信部13は、検出部12によって取得された検出結果を管制装置20に送信すると共に、管制装置20からの指示に関する情報を受信する。
【0021】
車両制御部14は、自車両Aの制御を行う電子制御ユニット(ECU)である。車両制御部14は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、CPUで実行することで、各種の制御を実行する。車両制御部14は、一つの電子制御ユニットにより構成されていてもよく、複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
【0022】
車両制御部14は、後述する管制装置20からの指示に基づいて、自車両Aの自動運転制御を行う。一例として、車両制御部14は、管制装置20からの指示に基づいて、自車両Aを駐車場、作業場所、及び自動洗浄機の設置場所等の特定の場所に向かわせたり、自動運転により自車両Aを停止させたりすることができる。
【0023】
なお、車両側装置10は、自車両Aの異常を検知した場合に警報を発生される報知機を含んでもよい。
【0024】
管制装置20は、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信インターフェイス、及びユーザインターフェイスを備えた一般的なコンピュータとして構成されている。管制装置20は、車両側装置10と直接的又は他のサーバ等を介して通信可能とされている。自車両Aが作業現場内を走行する場合には、管制装置20は、自車両A等が運用される領域内に設けられていてもよいし、該作領域の外部に設けられていてもよい。
【0025】
管制装置20は、通信部13を介してセンサ11の汚れの検出結果を示す情報を受信すると共に、受信したセンサ11の汚れの検出結果を示す情報が、センサ11が汚れていることを示す結果を含む場合に、自車両Aが自動運転により自動洗浄機に向かうように自車両Aに指示を行うためのものである。
【0026】
管制装置20は、さらに、センサ11の汚れの検出結果を示す情報が、センサ11が汚れていることを示す結果、及び、汚れた部位を示す情報を含む場合に、自動洗浄機に対して汚れた部位を示す情報を送信する。すなわち、汚れているセンサ11が検出部12によって検出された場合、管制装置20は、自動洗浄機に対して汚れた部位を示す情報を送信する。
【0027】
より具体的には、管制装置20は、通信部21と、指示部22と、ダイヤ調整部23と、運行指示部24と、を有している。通信部21は、管制装置20と外部との無線通信を制御するためのものである。通信部21は車両側装置10と無線通信を行うことにより、車両側装置10と管制装置20との間で各種情報の送受信を可能とする。一例として、通信部21は、車両側装置10から通信部13を介してセンサ11の汚れの検出結果を示す情報を受信する。また、通信部21は、車両側装置10に指示に関する情報を送信することができる。
【0028】
指示部22は、受信したセンサ11の汚れの検出結果を示す情報が、センサ11が汚れていることを示す結果を含む場合に、自車両Aが自動運転により自動洗浄機に向かうように通信部21を介して自車両Aに指示を送信するためのものである。
【0029】
ダイヤ調整部23は、自車両A及び他車両の運行ダイヤを修正するためのものである。一例として、管制装置20は、自車両Aの洗浄を終了したことを示すための信号を、通信部21を介して自動洗浄機から受信することができる。ダイヤ調整部23は、自車両Aの洗浄を終了したことを示すための信号を取得した場合に、自車両A及び他車両の運行ダイヤを修正する。
【0030】
運行指示部24は、ダイヤ調整部23によって修正された運行ダイヤに基づいて自車両Aの運行を開始するように通信部21を介して自車両Aに指示を送信すると共に、修正された運行ダイヤに基づいて他車両へ運行を開始するように通信部21を介して他車両に指示を送信するためのものである。
【0031】
引き続いて、本実施形態に係る自動運転制御システム1が実施する自動運転制御処理について説明する。図2は、本実施形態に係る自動運転制御処理の主な処理を示すフローチャートである。図2に示されるように、この自動運転制御処理では、まず、検出部12が、センサ11の汚れの有無を判定する(工程S1)。この工程S1は、例えば、自車両Aの運転開始時や、自車両Aがセンサ汚れのチェックポイントを通過する際に行うことができる。この工程S1では、検出部12は、互いに異なる時間にセンサ11が自車両Aの自動運転経路上の所定位置(チェックポイント)で取得した複数の自車両Aの周囲の情報の変化に基づいて、センサ11の汚れを検出する。
【0032】
検出部12は、この工程S1を自車両Aの運転開始時に実行する場合には、一例として、センサ11によりチェックポイントにおいて予め取得されて保持されている複数の情報を利用することができる。また、検出部12は、この工程S1を自車両Aがチェックポイントを通過する際に実行する場合には、一例として、センサ11によりチェックポイントにおいて予め取得されて保持されている情報と、この工程S1を実行するタイミングで新たにセンサ11によりチェックポイントにおいて取得される別の情報と、を利用することもできる。
【0033】
続いて、検出部12は、センサ11の汚れを検出したか否かを判定する(工程S2)。工程S2において、検出部12の検出結果が、センサ11の汚れを検出していないことを示す結果であった場合(工程S2:No)、処理が終了し、自車両Aの運行が開始される。一方、検出部12の検出結果が、センサ11の汚れを検出したことを示す結果であった場合(工程S2:Yes)、検出部12が汚れた部位をさらに検出すると共に、通信部13が当該汚れた部位に関する情報を含むセンサ11の汚れの検出結果を示す情報を管制装置20(外部)に送信する(工程S3)。また、これと共に、管制装置20は、通信部21を介してセンサ11の汚れの検出結果を示す情報を受信する(工程S4)。
【0034】
続いて、管制装置20の通信部21は、自動洗浄機に対して汚れた部位を示す情報を送信する(工程S5)。これにより、自動洗浄機は、通信部21から汚れた部位を示す情報を受信すると共に、自車両Aの洗浄の準備を始めることができる。また、自動洗浄機は、洗浄の準備を完了した場合、管制装置20に対して洗浄の準備が完了したことを示す信号を送信することができる。すなわち、管制装置20は、自車両Aの洗浄の準備が完了したことを示す信号を、通信部21を介して自動洗浄機から受信することができる。
【0035】
続いて、管制装置20の指示部22は、自車両Aが自動運転により自動洗浄機に向かうように、通信部21を介して自車両Aに指示を送信する(工程S6)。このように、指示部22は、通信部13,21を介して受信したセンサ11の汚れの検出結果を示す情報が、センサ11が汚れていることを示す結果を含む場合に、自車両Aが自動運転により自動洗浄機に向かうように自車両Aに指示を行う。なお、指示部22は、管制装置20が通信部21を介して自動洗浄機から洗浄の準備が完了したことを示す信号を受信したタイミングで、この工程S7を実行してもよい。
【0036】
続いて、車両側装置10の車両制御部14は、管制装置20から受信した指示に基づいて、自車両Aの自動運転を行うことにより、自車両Aを自動洗浄機へ移動させる(工程S7)。
【0037】
工程S7の結果、自車両Aが自動洗浄機に移動させられると、自動洗浄機により自車両Aの洗浄が行われる。このとき、自動洗浄機は、管制装置20から受信した汚れた部位を示す情報に基づいて、汚れた部位のみを洗浄してもよく、自車両Aの全体を洗浄しつつ、汚れた部位を重点的に洗浄してもよい。自動洗浄機は、自車両Aの洗浄を終了した場合に、自車両Aの洗浄を終えたことを示す信号を管制装置20に送信する。
【0038】
続いて、管制装置20のダイヤ調整部23は、自動洗浄機から自車両Aの洗浄が完了したことを示す信号を受信する(工程S8)と、自車両A及び他車両の運行ダイヤを修正する(工程S9)。より具体的には、ダイヤ調整部23は、自車両Aの洗浄が完了した時刻に応じて、自車両A及び他車両の運行ルート、運行時刻等を修正する。
【0039】
続いて、管制装置20の運行指示部24は、修正された運行ダイヤを自車両A及び他車両へ通達する(工程S10)。運行指示部24は、修正された運行ダイヤに基づいて、自車両Aの運行を開始するように自車両Aに通信部21を介して指示を送信すると共に、修正された運行ダイヤに基づいて他車両へ運行を開始するように通信部21を介して他車両に指示を送信する。以上により、処理が終了する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態に係る自動運転制御システム1では、自車両Aに設けられた車両側装置10の検出部12が、自車両Aに設けられた自車両Aの周囲に関する情報を取得するためのセンサ11の汚れを検出する。そして、管制装置20は、センサ11が汚れていることを示す結果を含む情報を受信した場合に、自車両Aが自動運転により自動洗浄機に向かうように自車両Aに指示を行う。これにより、センサ11を清浄に保つに際して、自車両Aに設けられたセンサ11の汚れの検出や自動洗浄機への自車両Aの運搬を人手によらずに行うことが可能となると共に、個々の車両に洗浄手段を設ける必要もない。よって、この自動運転制御システム1によれば、コストの増大を抑制しつつセンサ11を洗浄可能とすることができる。
【0041】
また、本発明に係る自動運転制御システム1では、検出部12は、センサ11の汚れを検出した場合に、汚れた部位をさらに検出し、管制装置20は、センサ11の汚れの検出結果を示す情報が、センサ11が汚れていることを示す結果、及び、汚れた部位を示す情報を含む場合に、自動洗浄機に対して汚れた部位を示す情報を送信してもよい。この場合、自動洗浄機において汚れた部位を効果的に洗浄することが可能となる。
【0042】
さらに、本発明に係る自動運転制御システム1では、検出部12は、互いに異なる時間にセンサ11が自車両Aの自動運転経路上のチェックポイントで取得した複数の自車両Aの周囲の情報の変化に基づいて、センサ11の汚れを検出してもよい。この場合、センサ11の汚れを検出に際して、機械的な構成を別途に追加する必要が無い。したがって、より確実にコストの増大を抑制可能である。
【0043】
さらに、本発明に係る自動運転制御システム1では、自車両A以外の他車両Aoをさらに自動運転制御し、自動洗浄機は、自車両Aの洗浄を終了したことを示すための信号を管制装置20に送信し、管制装置20は、自動洗浄機から自車両Aの洗浄が終了したことを示す信号を受信した場合に、自車両A及び他車両の運行ダイヤを(例えば自車両Aの洗浄が終了した時刻に基づいて)修正するためのダイヤ調整部23と、修正された運行ダイヤに基づいて自車両A及び他車両へ運行を開始するように指示するための運行指示部24と、を含んでもよい。この場合、自車両Aの洗浄を終えたタイミングに合わせて運行ダイヤを修正可能であると共に、当該修正後の運行ダイヤに沿って自車両A及び他車両の運行を開始させることができる。したがって、自車両A及び他車両の自動運転制御を継続的に行うことができるため、稼働率を向上させることができる。
【0044】
以上の実施形態は、本発明の一態様を説明したものである。したがって、本発明は、上記の実施形態に限定されずに任意に変更され得る。
【0045】
例えば、自動運転制御システム1では、検出部12が、自動洗浄機から自車両Aの洗浄が完了したことを示す信号を受信したタイミングで、センサ11の汚れを再度検出してもよい。この場合、管制装置20は、車両側装置10から受信したセンサ11の汚れの検出結果を示す情報が、未だセンサ11が汚れていることを示す結果を含む場合に、その旨を自車両Aや自車両Aの運用者等に提示してもよい。これにより、自動洗浄機による洗浄ではセンサ11の汚れを取り除くことができない場合に、その旨を周知させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1…自動運転制御システム、10…車両側装置、11…センサ、12…検出部、13…通信部、20…管制装置、A…自車両。
図1
図2