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特開2022-143914マンホール胴枠撤去装置および胴枠撤去方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143914
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】マンホール胴枠撤去装置および胴枠撤去方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/12 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
E02D29/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044699
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014649
【氏名又は名称】日本地工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】佐野 正和
(72)【発明者】
【氏名】川村 伸恵
(72)【発明者】
【氏名】阿部 広明
(72)【発明者】
【氏名】吉本 洋希
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直人
(72)【発明者】
【氏名】榊原 光彦
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】木村 尭
【テーマコード(参考)】
2D147
【Fターム(参考)】
2D147BA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マンホール胴枠を内包する舗装の全周切断を不要とし、舗装の掘削時間の短縮化を図ることができるマンホール胴枠撤去装置および胴枠撤去方法を提供する。
【解決手段】マンホール胴枠撤去装置1は、上下方向に延びる中心シャフト11と、中心シャフト11から中心シャフト11の径方向に延び、中心シャフト11を中心に回動可能であるとともに上下方向に移動可能なアーム20と、アーム20の先端に設けられ、アーム20が回動しない状態であっても地面を掘削可能な掘削装置30とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設されたマンホール胴枠を撤去するためのマンホール胴枠撤去装置であって、
上下方向に延びる中心シャフトと、
前記中心シャフトから当該中心シャフトの径方向に延びるアームであって、前記中心シャフトを中心に回動可能であるとともに上下方向に移動可能なアームと、
前記アームの先端に設けられる掘削装置であって、前記アームが回動しない状態であっても地面を掘削可能な掘削装置と、を備えることを特徴とするマンホール胴枠撤去装置。
【請求項2】
前記アームは、前記中心シャフトから前記径方向に延びる第1アームと、
前記掘削装置を支持する第2アームであって、前記掘削装置から前記中心シャフトまでの距離が変わるように、前記第1アームに対して移動可能な第2アームと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のマンホール胴枠撤去装置。
【請求項3】
前記径方向に進退可能な爪であって、前記マンホール胴枠の下に挿入されて前記マンホール胴枠を持ち上げることが可能な爪を複数有するグリッパをさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマンホール胴枠撤去装置。
【請求項4】
前記中心シャフトに対して前記グリッパを上下動させる引抜シリンダと、
前記中心シャフトに設けられ、前記引抜シリンダよりも前記径方向外側の位置で地面と接触可能な接地面を有する反力部材と、をさらに備え、
前記接地面は、前記中心シャフトからの距離が変わるように、前記中心シャフトに対して移動可能であり、
前記反力部材は、前記掘削装置よりも前記中心シャフトの径方向内側まで移動可能であることを特徴とする請求項3に記載のマンホール胴枠撤去装置。
【請求項5】
前記爪は、3つ以上であり、前記中心シャフトの中心軸を中心とした円周上に間隔を空けて配置されるとともに、同一の油圧源によって進退可能であり、
前記爪によって、前記中心シャフトの中心軸の割出し、切削時における前記マンホール胴枠への前記マンホール胴枠撤去装置の固定、および、前記マンホール胴枠と当該マンホール胴枠の下の構造物との縁切りが可能であるとともに、
前記爪および前記引抜シリンダによって、前記マンホール胴枠と当該マンホール胴枠周りの舗装塊を引き上げることが可能であることを特徴とする請求項4に記載のマンホール胴枠撤去装置。
【請求項6】
制御装置をさらに備え、
前記掘削装置は、上下方向に沿った回転軸中心に回転するドリルを有し、
前記制御装置は、
前記ドリルの先端を地中の所定の深さの位置まで前進させる処理と、
前記ドリルの先端を上方に後退させる処理と、
前記ドリルを前記中心シャフトを中心に所定角度回動させる処理と、を、所定回数繰り返し実行することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマンホール胴枠撤去装置。
【請求項7】
前記マンホール胴枠を内包した舗装塊の引き上げに際して、前記ドリルの外周面を前記舗装塊の側面に接触させることで、前記ドリルによって前記舗装塊の側面を保持することを特徴とする請求項6に記載のマンホール胴枠撤去装置。
【請求項8】
請求項3または請求項4に記載のマンホール胴枠撤去装置を用いた胴枠撤去方法であって、
複数の前記爪を前記マンホール胴枠の内面に押し当てて、前記中心シャフトの中心軸を前記マンホール胴枠の中心に合わせる第1工程と、
前記第1工程の後、前記掘削装置によって前記マンホール胴枠の周囲の地面に、前記中心シャフトを中心とした円形に沿って穴を掘削する第2工程と、
前記第2工程の後、前記グリッパの位置を下げて、複数の前記爪を前記マンホール胴枠の下に挿入する第3工程と、
前記第3工程の後、複数の前記爪で前記マンホール胴枠を持ち上げる第4工程と、を備えることを特徴とする胴枠撤去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設されたマンホール胴枠を撤去するためのマンホール胴枠撤去装置および胴枠撤去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンホール胴枠を内包する舗装を、その切断中心軸線の回りに路面から所要深さに円形に切断する工法が知られており、マンホール胴枠を内包した舗装塊を切断撤去する切断撤去装置として、路面を切断するための円筒状の円形切断ビットを有するものが知られている(特許文献1参照)。この技術では、切断撤去装置の中心シャフトを中心に円形切断ビットが回転することで、舗装を円形に切断することを可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5368616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の円形切断ビットではマンホール胴枠周囲の舗装を全周切断するため、切断工程に時間を要していた。
【0005】
そこで、本発明は、マンホール胴枠を内包する舗装の全周切断を不要とすることで、舗装の掘削時間の短縮化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係るマンホール胴枠撤去装置は、地中に埋設されたマンホール胴枠を撤去するための装置である。
前記マンホール胴枠撤去装置は、上下方向に延びる中心シャフトと、前記中心シャフトから当該中心シャフトの径方向に延びるアームであって、前記中心シャフトを中心に回動可能であるとともに上下方向に移動可能なアームと、前記アームの先端に設けられる掘削装置であって、前記アームが回動しない状態であっても地面を掘削可能な掘削装置と、を備える。
【0007】
この構成によれば、掘削装置が、アームが回動しない状態であっても地面を掘削可能である、つまり、それ自身で地面を鉛直に掘削可能な装置であるため、掘削においてはアームの回転状態に依存しない。マンホール胴枠周囲の舗装の掘削に際しては、例えば、掘削装置によって舗装を所要深さ掘削したのちにアームを上昇させ、アームを所要角度回動させたのちに再びアームを下降させ舗装を掘削することを所要回数繰り返すことで、マンホール胴枠周囲に円形ミシン目状の掘削孔を形成することができる。即ち、マンホール胴枠を内包した舗装塊を、撤去可能な最小限の時間と切屑で掘削することができる。
【0008】
また、前記アームは、前記中心シャフトから前記径方向に延びる第1アームと、前記掘削装置を支持する第2アームであって、前記掘削装置から前記中心シャフトまでの距離が変わるように、前記第1アームに対して移動可能な第2アームと、を備えていてもよい。
【0009】
この構成によれば、第1アームに対して第2アームを移動させることで、掘削半径を変更することができるので、一種類の装置で異なる径のマンホール胴枠の周囲を掘削することができ、専用装置への入替や管理の手間を省略することができる。
【0010】
また、前記マンホール胴枠撤去装置は、前記径方向に進退可能な爪であって、前記マンホール胴枠の下に挿入されて前記マンホール胴枠を持ち上げることが可能な爪を複数有するグリッパをさらに備えていてもよい。
【0011】
この構成によれば、マンホール胴枠下に挿入可能な爪をマンホール胴枠撤去装置として一体的に備えることで、少ない工程でマンホール胴枠にマンホール胴枠撤去装置を設置することができる。
【0012】
また、前記マンホール胴枠撤去装置は、前記中心シャフトに対して前記グリッパを上下動させる引抜シリンダと、前記中心シャフトに設けられ、前記引抜シリンダよりも前記径方向外側の位置で地面と接触可能な接地面を有する反力部材と、をさらに備え、
前記接地面は、前記中心シャフトからの距離が変わるように、前記中心シャフトに対して移動可能であり、前記反力部材は、前記掘削装置よりも前記中心シャフトの径方向内側まで移動可能であってもよい。
【0013】
この構成によれば、グリッパによって破断・縁切りされた舗装塊を、引抜シリンダによって反力部材に反力を受けさせながら引き上げることができる。即ち、舗装塊の引き上げの際の反力をマンホール胴枠撤去装置のみで得ることができる。さらに、反力部材は中心シャフトからの距離が変更可能であるので、掘削半径を変更した場合であっても、反力部材の地面との接地面を、舗装塊の外に出すことができ、良好に反力をとることができる。そのため、異なる径のマンホール胴枠を良好に撤去することができる。また、反力部材が掘削装置よりも中心シャフトの径方向内側まで移動可能であるため、マンホール胴枠撤去装置をコンパクトにすることができ、マンホール胴枠撤去装置の運搬性や運搬時における作業者の安全性を向上することができる。
【0014】
また、前記爪は、3つ以上であり、前記中心シャフトの中心軸を中心とした円周上に間隔を空けて配置されるとともに、同一の油圧源によって進退可能であり、前記爪によって、前記中心シャフトの中心軸の割出し、切削時における前記マンホール胴枠への前記マンホール胴枠撤去装置の固定、および、前記マンホール胴枠と当該マンホール胴枠の下の構造物との縁切りが可能であるとともに、前記爪および前記引抜シリンダによって、前記マンホール胴枠と当該マンホール胴枠周りの舗装塊を引き上げることが可能であってもよい。
【0015】
この構成によれば、マンホール胴枠の撤去に際して、油圧源により爪をマンホール胴枠内面に押圧することで、マンホール胴枠撤去装置の中心シャフトとマンホール胴枠の中心軸を合わせることができ、且つマンホール胴枠撤去装置が固定されるため、舗装掘削時の軸ブレを防止することができる。また、引抜シリンダによって爪をマンホール胴枠の下に移動・挿入・押圧することで、マンホール胴枠の縁切りが可能であり、且つ縁切りされた舗装塊を引き上げることができるため、マンホール胴枠撤去装置の設置位置の調整からマンホール胴枠の撤去までを一種類の装置で連続的に実施することができ、施工の効率化が期待できる。
【0016】
また、前記マンホール胴枠撤去装置は、制御装置をさらに備え、前記掘削装置は、上下方向に沿った回転軸中心に回転するドリルを有し、前記制御装置は、前記ドリルの先端を地中の所定の深さの位置まで前進させる処理と、前記ドリルの先端を上方に後退させる処理と、前記ドリルを前記中心シャフトを中心に所定角度回動させる処理と、を、所定回数繰り返し実行してもよい。
【0017】
この構成によれば、マンホール胴枠周囲に円形ミシン目状の掘削孔を形成することができるので、全周掘削する場合と比べ、舗装の掘削時間の短縮化を図ることができる。また、ドリルの前進・後退の処理、中心シャフトを中心に所定角度回動させる処理、ならびにこれらを所定回数繰り返し実行する処理をプログラム制御することで、円形ミシン目状に掘削する工程を自動化することができる。
【0018】
また、前記マンホール胴枠撤去装置は、前記マンホール胴枠を内包した舗装塊の引き上げに際して、前記ドリルの外周面を前記舗装塊の側面に接触させることで、前記ドリルによって前記舗装塊の側面を保持してもよい。
【0019】
この構成によれば、マンホール胴枠を内包した舗装塊を引き上げ、移動させる際に、ドリルの外周面を舗装塊の側面に接触させることで、舗装塊の側面をドリルで安定保持できるため、舗装塊の落下や暴れを防止すると共に作業者等の安全性を確保することができる。
【0020】
また、本発明に係る胴枠撤去方法は、前述したマンホール胴枠撤去装置を用いた撤去方法であり、複数の前記爪を前記マンホール胴枠の内面に押し当てて、前記中心シャフトの中心軸を前記マンホール胴枠の中心に合わせる第1工程と、前記第1工程の後、前記掘削装置によって前記マンホール胴枠の周囲の地面に、前記中心シャフトを中心とした円形に沿って穴を掘削する第2工程と、前記第2工程の後、前記グリッパの位置を下げて、複数の前記爪を前記マンホール胴枠の下に挿入する第3工程と、前記第3工程の後、複数の前記爪で前記マンホール胴枠を持ち上げる第4工程と、を備える。
【0021】
この方法によれば、第1工程を行うことで、グリッパの中心軸出しと、掘削装置を支持する中心シャフトの中心軸出しとが、同時に行われるので、従来のようにくさび部材を中心軸出しした後に、切断撤去装置の中心軸出しを行う方法と比べ、マンホール胴枠撤去装置の設置にかかる時間を短縮することができる。そのため、従来の工程とは異なる、グリッパの押圧によるマンホール胴枠撤去装置の中心軸出しも可能とすることで、さらに改良された胴枠撤去方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、マンホール胴枠を内包する舗装の全周切断を不要とすることで、舗装の掘削時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係るマンホール胴枠撤去装置を昇降用モータ側から見た斜視図である。
図2】マンホール胴枠撤去装置を昇降用モータとは反対側から見た斜視図である。
図3】昇降装置の動きを示す図(a),(b)である。
図4】マンホール胴枠撤去装置をマンホール胴枠に固定する工程を示す断面図である。
図5】マンホール胴枠の周囲の地面にドリルで穴を開ける工程を示す断面図である。
図6】マンホール胴枠の周囲にミシン目状の複数の穴を形成した状態を示す断面図である。
図7】反力板を穴の外に配置する工程を示す断面図(a)と、爪をマンホール胴枠の下に挿入する工程を示す断面図(b)と、引抜シリンダにより舗装塊を引き抜く工程を示す断面図(c)である。
図8】各ドリルの側面で舗装塊を保持する工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、マンホール胴枠撤去装置1は、地中に埋設されたマンホール胴枠MB(図4参照)を撤去するための装置である。マンホール胴枠撤去装置1は、中心シャフト11と、4つのアーム20と、4つの掘削装置30と、支持ユニット40と、昇降装置50と、引抜ユニット60と、グリッパ70と、油圧源80と、制御装置90とを備えている。
【0025】
中心シャフト11は、上下方向に延びる円筒状の部材である。中心シャフト11の上端部には、把持シャフト12が設けられている。把持シャフト12は、重機HMによって把持される部位である。把持シャフト12は、中心シャフト11の径方向に延び、両端が中心シャフト11から突出している。
【0026】
各アーム20は、第1アーム21と、第2アーム22とを備えている。第1アーム21は、中心シャフト11、詳しくは支持ユニット40から中心シャフト11の径方向に延びている。4つの第1アーム21は、中心シャフト11の周方向において、90度ずつ位相をずらして配置されている。第1アーム21の基端部は、支持ユニット40に固定されている。第1アーム21の先端部は、上下方向に沿った軸を中心に第2アーム22を回動可能に支持している。
【0027】
第2アーム22は、掘削装置30を支持している。第2アーム22は、第1アーム21に回動可能に支持されている。第2アーム22は、第1アーム21に対して回動することで、掘削装置30から中心シャフト11までの距離が変わるように、第1アーム21に対して移動可能となっている。具体的に、本実施形態では、第2アーム22は、第1アーム21とのなす角が最小(例えば90度より小さな角度)となる最小半径位置と、第1アーム21とのなす角が180度となる最大半径位置との間で回動可能となっている。
【0028】
第2アーム22は、当該第2アーム22の回動軸周りに、第2アーム22の第1アーム21に対する角度を規定するための複数の孔22Aを有している。第2アーム22のいずれかの孔22Aと第1アーム21の先端部に形成された図示せぬ孔にピンP1を嵌合させることで、第2アーム22の第1アーム21に対する回動が規制される。
【0029】
掘削装置30は、第2アーム22の先端に設けられている。掘削装置30は、アーム20が中心シャフト11を中心に回転しない状態であっても地面を掘削可能となっている。具体的には、掘削装置30は、上下方向に沿った回転軸中心に回転するドリル31と、ドリル用モータ32と、ドリル用モータ32の駆動力をドリル31に伝達する伝達機構33とを備えている。ドリル用モータ32は、油圧モータであり、油圧源80によって付与される油圧によって回転駆動する。
【0030】
支持ユニット40は、各第1アーム21の基端部が固定される円筒状の回転部材41と、回転部材41を回転可能に支持する円筒状のベース部材42とを備えている。ベース部材42は、中心シャフト11に上下方向に移動可能に支持されている。
【0031】
図2に示すように、ベース部材42には、アーム回動用モータ43が設けられている。アーム回動用モータ43は、油圧モータであり、油圧源80によって付与される油圧によって回転駆動する。アーム回動用モータ43の駆動力は、回転部材41が有するギヤ41Gに伝達される。これにより、各アーム20が、中心シャフト11を中心に回動可能となっている。
【0032】
図1および図2に示すように、昇降装置50は、パンタグラフ機構からなり、2つの四節リンク51と、2つの四節リンク51を連結する第1連結部材52および第2連結部材53と、昇降用モータ54と、ねじ軸55とを備えている。図3(a)に示すように、四節リンク51は、四つの節を構成する第1軸51A、第2軸51B、第3軸51Cおよび第4軸51Dを備えている。第1軸51Aおよび第2軸51Bは、上下方向に並んでいる。第3軸51Cおよび第4軸51Dは、水平方向に並んでいる。
【0033】
2つの四節リンク51は、第1軸51Aの軸方向に並んでいる(図1参照)。各四節リンク51の各第3軸51Cは、第1連結部材52によって連結され、各第4軸51Dは、第2連結部材53によって連結されている。
【0034】
昇降用モータ54は、油圧モータであり、油圧源80によって付与される油圧によって回転駆動する。昇降用モータ54は、第1連結部材52に設けられている。
【0035】
ねじ軸55は、昇降用モータ54の回転軸に固定されている。ねじ軸55は、第2連結部材53とともに、ボールねじを構成している。つまり、第2連結部材53は、ねじ軸55がねじ込まれる雌ネジ部(図示略)を有している。これにより、昇降用モータ54が正転・逆転することで、第2連結部材53がねじ軸55の軸方向に移動するので、図3(a),(b)に示すように、第1軸51Aに対して第2軸51Bが上下方向に移動可能となっている。
【0036】
図1に示すように、第2軸51Bは、ベース部材42に固定され、第1軸51A(図示略)は、中心シャフト11に固定されている。これにより、昇降用モータ54を駆動すると、支持ユニット40で支持されている各アーム20が、上下方向に移動するようになっている。
【0037】
引抜ユニット60は、反力部材の一例としての4つの反力板61と、各反力板61を移動可能に支持する支持部材62と、引抜シリンダ63とを備えている。
【0038】
引抜シリンダ63は、中心シャフト11の下端に固定されている。引抜シリンダ63は、グリッパ70が固定されるピストン63Aを内部に備えている。引抜シリンダ63は、油圧源80から供給される油圧によってピストン63Aを上下動させることで、中心シャフト11に対してグリッパ70を上下動させる。
【0039】
支持部材62は、引抜シリンダ63の外周面に設けられている。支持部材62は、各反力板61を水平方向に移動可能に支持する矩形の筒状部62Aを4つ有している。
【0040】
反力板61は、支持部材62を介して引抜シリンダ63に設けられている。別の言い方をすると、反力板61は、支持部材62および引抜シリンダ63を介して中心シャフト11に設けられている。
【0041】
反力板61は、水平方向に長い板状の第1部位61Aと、第1部位61Aの先端部(中心シャフト11から遠い側の端部)から下に向けて延びる板状の第2部位61Bとを有する。第1部位61Aは、その短手方向が上下方向に沿った向きで筒状部62A内に入っており、筒状部62Aによって水平方向に移動可能に支持されている。
【0042】
第1部位61Aの長手方向(反力板61の移動方向)から見て、第1部位61Aは、引抜シリンダ63とは重ならない位置に配置されている。各第1部位61Aは、各筒状部62A内に最も深く入り込んだ状態において、引抜シリンダ63を囲うように配置されている。
【0043】
第2部位61Bの下端面は、引抜シリンダ63よりも径方向外側の位置で地面と接触可能な接地面F1となっている。接地面F1は、中心シャフト11からの距離が変わるように、中心シャフト11に対して移動可能となっている。詳しくは、接地面F1は、中心シャフト11の径方向において、掘削装置30よりも内側の内側位置から掘削装置30よりも外側の外側位置まで移動可能となっている。より詳しくは、内側位置に位置する接地面F1は、掘削装置30が中心シャフト11に最も近い位置に位置する場合でも、掘削装置30よりも径方向内側に位置する。また、外側位置に位置する接地面F1は、掘削装置30が中心シャフト11から最も遠い位置に位置する場合でも、掘削装置30よりも径方向外側に位置する。
【0044】
筒状部62Aには、反力板61を位置決めするためのピンP2が設けられている。ピンP2は、第1部位61Aと筒状部62Aとに形成された各孔に嵌合することで、筒状部62Aに対する反力板61の位置を位置決めしている。なお、第1部位61Aには孔が複数形成されており、これにより、筒状部62Aに対する反力板61の位置を、複数の位置に位置決めすることが可能となっている。
【0045】
反力板61の引抜シリンダ63との接続部分である支持部材62は、上下方向において、アーム20の中心シャフト11との接続部分である支持ユニット40と、グリッパ70との間に位置している。支持ユニット40が最も上に位置する場合には、上下方向において、支持部材62からグリッパ70までの距離は、支持部材62から支持ユニット40までの距離よりも小さい。
【0046】
図4に示すように、引抜シリンダ63の下端は、反力板61の接地面F1より下に配置されている。
【0047】
図2に示すように、グリッパ70は、3つの爪71と、中心シャフト11の径方向に爪71を進退させる3つの爪用シリンダ72と、各爪用シリンダ72を支持する支持台73とを備えている。爪71は、先が尖った円錐状に形成されており、爪用シリンダ72から進退するピストン72Aの先端(図4参照)に固定されている。
【0048】
3つの爪71は、中心シャフト11の中心軸を中心とした円周上に間隔を空けて配置されている。詳しくは、3つの爪71は、それぞれ120度ずつ位相をずらして配置されている。3つの爪用シリンダ72には、油圧源80から油圧が供給されている。これにより、3つの爪71は、同一の油圧源80によって進退可能となっている。
【0049】
制御装置90は、CPU、ROM、RAMなどを有し、予め用意されたプログラムなどに従い、様々な処理を実行するように構成されている。制御装置90は、各ドリル31の先端を地中の所定の深さの位置まで前進させる第1処理と、各ドリル31の先端を上方に後退させる第2処理と、各ドリル31を中心シャフト11を中心に所定角度回動させる第3処理と、を所定回数繰り返し実行する機能を有している。
【0050】
また、制御装置90は、マンホール胴枠MBを内包した舗装塊BLの引き上げに際して、各ドリル31の外周面を舗装塊BLの側面に接触させることで、各ドリル31によって舗装塊BLの側面を保持する機能を有している。具体的に、本実施形態では、制御装置90は、舗装塊BLの引き上げ時において、各ドリル31の先端を舗装塊BLの下端まで下降させることで、各ドリル31の側面を舗装塊BLの側面に接触させる(図8参照)。
【0051】
次に、マンホール胴枠MBの撤去方法について詳細に説明する。
図4に示すように、マンホール胴枠MBを撤去する場合には、まず、重機HMによってマンホール胴枠撤去装置1をマンホール胴枠MBの上方まで移動させる。その後、グリッパ70の各爪71がマンホール胴枠MBの内面F3に対向する位置まで、重機HMによってマンホール胴枠撤去装置1を下げる。なお、この際、反力板61は、内側位置に配置しておく。
【0052】
その後、同一の油圧源80によって各爪用シリンダ72に油圧を供給することで、3つの爪71をマンホール胴枠MBの内面F3に押し当てる(第1工程)。これにより、中心シャフト11の中心軸がマンホール胴枠MBの中心に合うとともに、マンホール胴枠撤去装置1がマンホール胴枠MBに固定される。つまり、3つの爪71によって、中心シャフト11の中心軸の割出し、切削時におけるマンホール胴枠MBへのマンホール胴枠撤去装置1の固定が行われる。なお、本実施形態では、マンホール胴枠撤去装置1をマンホール胴枠MBに固定した状態において、反力板61の接地面F1が地面に接触していることとするが、本発明はこれに限定されず、マンホール胴枠撤去装置1の固定時において反力板61の接地面F1は地面に接触していなくてもよい。なお、この場合には、マンホール胴枠撤去装置1を固定した後に、引抜シリンダ63を作動させて、反力板61の接地面F1を地面に接触させればよい。
【0053】
その後、作業者は、制御装置90を作動させて、制御装置90に掘削用の処理を実行させる。制御装置90は、掘削用の処理を実行するための指示を受けると、各ドリル用モータ32およびアーム回動用モータ43を駆動することで各ドリル31を自転させるとともに中心シャフト11を中心に公転させる。その後、制御装置90は、昇降用モータ54を正転させて支持ユニット40を下げていき、各ドリル31の先端を地面に当てることで、マンホール胴枠MBを中心とした円状の溝GR(図6も参照)を掘削する。溝GRの掘削後、制御装置90は、昇降用モータ54およびアーム回動用モータ43を停止して、各ドリル31の前進・公転を止める。
【0054】
その後、制御装置90は、各ドリル31の先端を地中の所定の深さの位置、詳しくは溝GRよりも深い位置まで前進させる第1処理を実行する。第1処理の後、制御装置90は、昇降用モータ54を逆転させて支持ユニット40を上げることで、各ドリル31の先端を上方に後退させる第2処理を実行する。
【0055】
詳しくは、制御装置90は、第2処理において、各ドリル31の先端の位置が溝GR内に配置されるように、各ドリル31を後退させる。これにより、後述する第3処理において、各ドリル31がぶれるのを抑制することが可能となっている。
【0056】
第2処理の後、制御装置90は、アーム回動用モータ43を所定時間回動させて回転部材41および各アーム20を所定角度回動させることで、各ドリル31を中心シャフト11を中心に所定角度回動させる第3処理を実行する。その後、制御装置90は、第1処理、第2処理および第3処理を所定回数繰り返し実行する。
【0057】
これにより、図6に示すように、各掘削装置30によってマンホール胴枠MBの周囲の地面に、中心シャフトを中心とした円形に沿って円形ミシン目状の複数の穴H1が掘削される(第2工程)。複数の穴H1を形成した後、制御装置90は動作を終了する。その後、作業者は、各爪用シリンダ72に供給する油圧を制御することで、3つの爪71をマンホール胴枠MBの内面F3から後退させる。
【0058】
掘削作業の終了後、図7(a)に示すように、作業者は、反力板61の接地面F1を、内側位置から外側位置、詳しくは円周上に並んだ複数の穴H1よりも外側に移動させる。その後、作業者は、引抜シリンダ63に油圧を供給してピストン63Aを下げることで、各爪71の先端の位置がマンホール胴枠MBと当該マンホール胴枠の下の構造物との間に位置するように、グリッパ70の位置を下げる。
【0059】
その後、作業者は、制御装置90を作動させて、制御装置90に引抜き用の処理を実行させる。制御装置90は、引抜き用の処理を実行するための指示を受けると、各爪71を再び前進させて、各爪71をマンホール胴枠MBの下に挿入する(第3工程)。これにより、各爪71によって、マンホール胴枠MBと当該マンホール胴枠MBの下の構造物との縁切りが行われる。
【0060】
その後、制御装置90は、引抜シリンダ63に供給する油圧を制御してピストン63Aを上げることで、図7(c)に示すように、各爪71でマンホール胴枠MBを周囲の舗装塊BLとともに持ち上げる(第4工程)。この際、反力板61よりも下に引抜シリンダ63の下端が位置することにより、引抜シリンダ63による舗装塊BLの引き抜きの際に効率よく力を伝達することができる。
【0061】
その後、制御装置90は、図8に示すように、各ドリル31の先端を舗装塊BLの下端まで下降させることで、各ドリル31の側面を舗装塊BLの側面に接触させた後、動作を終了する。その後、作業者は、重機HMによってマンホール胴枠撤去装置1を移動させ、マンホール胴枠撤去装置1をマンホール胴枠MBおよび舗装塊BLごとトラックの荷台に積み込む。
【0062】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
掘削装置30が、アーム20が回転しない状態であっても地面を掘削可能、つまり、それ自身で地面を鉛直に掘削可能であるため、マンホール胴枠MBの周囲に円形ミシン目状の複数の穴H1を形成することができる。そのため、マンホール胴枠MBを内包した舗装塊BLを、撤去可能な最小限の時間と切屑で掘削することができる。
また、マンホール胴枠MBの下の構造物に挿入・押圧可能な爪71をマンホール胴枠撤去装置1として一体的に備えることで、少ない工程でマンホール胴枠MBにマンホール胴枠撤去装置1を設置することができる。
更に、構造物から縁切りされたマンホール胴枠MBは、爪71の上に乗り上げる状態となるため、マンホール胴枠撤去装置1が爪71でマンホール胴枠MBを保持した状態で持ち上げることができ、施工を効率化することができる。
【0063】
第1アーム21に対して第2アーム22を移動させることで、掘削半径を変更することができるので、一種類の装置で異なる径のマンホール胴枠MBの周囲を掘削することができ、専用装置への入替や管理の手間を省略することができる。
【0064】
グリッパ70によって破断・縁切りされた舗装塊BLを、引抜シリンダ63によって反力板61に反力を受けさせながら引き上げることができるので、舗装塊BLの引き上げの際の反力をマンホール胴枠撤去装置1のみで得ることができる。さらに、反力板61は中心シャフト11からの距離が変更可能であるので、掘削半径を変更した場合であっても、反力板61の接地面F1を、舗装塊BLの外に出すことができ、良好に反力をとることができる。そのため、異なる径のマンホール胴枠MBを良好に撤去することができる。
【0065】
反力板61が掘削装置30よりも中心シャフト11の径方向内側まで移動可能であるため、マンホール胴枠撤去装置1をコンパクトにすることができ、マンホール胴枠撤去装置1の運搬性や運搬時における作業者の安全性を向上することができる。また、掘削時において、ドリル31が反力板61と接触するのを抑えることができる。
【0066】
油圧源80により爪71をマンホール胴枠MBの内面F3に押圧することで、マンホール胴枠撤去装置1の中心シャフト11とマンホール胴枠MBの中心軸を合わせることができ、且つマンホール胴枠撤去装置1が固定されるため、舗装掘削時の軸ブレを防止することができる。また、引抜シリンダ63によって爪71をマンホール胴枠MBの下に移動・挿入・押圧することで、マンホール胴枠MBの縁切りが可能であり、且つ縁切りされた舗装塊BLを引き上げることができるため、マンホール胴枠撤去装置1の設置位置の調整からマンホール胴枠MBの撤去までを一種類の装置で連続的に実施することができ、施工の効率化が期待できる。
【0067】
マンホール胴枠MBの周囲に円形ミシン目状の複数の穴H1を形成することができるので、全周掘削する場合と比べ、舗装の掘削時間の短縮化を図ることができる。また、ドリル31の前進・後退の処理、中心シャフト11を中心に所定角度回動させる処理、ならびにこれらを所定回数繰り返し実行する処理をプログラム制御するので、円形ミシン目状に掘削する工程を自動化することができる。
【0068】
マンホール胴枠MBを内包した舗装塊BLを引き上げ、移動させる際に、ドリル31の外周面を舗装塊BLの側面に接触させることで、舗装塊BLの側面をドリル31で安定保持できるため、舗装塊BLの落下や暴れを防止すると共に作業者等の安全性を確保することができる。
【0069】
第1工程を行うことで、グリッパ70の中心軸出しと、掘削装置30を支持する中心シャフト11の中心軸出しとが、同時に行われるので、従来のようにくさび部材を中心軸出しした後に、切断撤去装置の中心軸出しを行う方法と比べ、マンホール胴枠撤去装置1の設置にかかる時間を短縮することができる。そのため、従来の工程とは異なる、グリッパ70の押圧によるマンホール胴枠撤去装置1の中心軸出しも可能とすることで、さらに改良されたマンホール胴枠MBの撤去方法を提供することができる。
【0070】
異なる径のマンホール胴枠MBを撤去する際に、切断半径よりも外側に反力板61の接地面F1を移動させることができるので、反力板61を交換することなく、反力板61から良好に反力をとることができ、マンホール胴枠MBの撤去作業の効率化を図ることができる。
【0071】
引抜シリンダ63の下端が反力板61の接地面F1より下に配置されていることで、引抜シリンダ63による舗装塊BLの引抜きの際に効率よく力を伝達することができ、且つマンホール胴枠撤去装置1の小型化が可能である。
【0072】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0073】
前記実施形態では、爪71の数を3つとしたが、本発明はこれに限定されず、爪の数は、4つ以上であってもよい。
【0074】
前記実施形態では、第2アーム22の第1アーム21に対する回動や、反力板61の移動を手動で行うこととしたが、本発明はこれに限定されず、例えば制御装置やモータ等を用いて自動で行ってもよい。
【0075】
前記実施形態では、第2アーム22を第1アーム21に対して回動可能としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、第2アームは、第1アームに対して直線的に移動可能となっていてもよい。
【0076】
掘削装置は、アームを回動させなくても掘削可能な別の装置、例えば高圧に加圧された水をノズルから噴射することで掘削を行うウォータージェット等であってもよい。
【0077】
前記実施形態における作業者が行う動作は、制御装置90に行わせてもよい。また、制御装置90が行う動作を、作業者に行わせてもよい。
【0078】
前記実施形態では、反力部材として板状の反力板61を例示したが、本発明はこれに限定されず、反力部材は、例えば棒状の部材であってもよい。
【0079】
前記実施形態では、第1処理の前に、円状の溝GRを掘削する工程を行ったが、本発明はこれに限定されず、円状の溝GRを掘削する工程はなくてもよい。この場合、第2処理において、各ドリルの先端の位置が、地面から上方に離れた位置に配置されるように、各ドリルを後退させればよい。
【0080】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 マンホール胴枠撤去装置
11 中心シャフト
20 アーム
30 掘削装置
70 グリッパ
71 爪
MB マンホール胴枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8