(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022143951
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】エンジン装置
(51)【国際特許分類】
F02M 26/28 20160101AFI20220926BHJP
F02M 26/14 20160101ALI20220926BHJP
F02F 7/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
F02M26/28
F02M26/14
F02F7/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044758
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】内堀 正崇
(72)【発明者】
【氏名】長縄 宏明
【テーマコード(参考)】
3G024
3G062
【Fターム(参考)】
3G024AA47
3G024BA25
3G024FA00
3G062ED02
3G062ED04
3G062ED08
(57)【要約】
【課題】EGRクーラのサイズに起因してその横幅が増大することを抑制できるエンジン装置を提供する。
【解決手段】エンジン装置100は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド20と、排気マニホールド4と、EGRクーラ6とを備える。シリンダヘッド20は、シリンダブロック2の上方に配置される。排気マニホールド4は、シリンダヘッド20の一側面に配置されて、シリンダヘッド20から排気された排気ガスを流通させる。EGRクーラ6は、排気マニホールド4の下方に配置されて、排気マニホールド4から排気された排気ガスの一部であるEGRガスを冷却する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロックと、
前記シリンダブロックの上方に配置されるシリンダヘッドと、
前記シリンダヘッドの一側面に配置されて、前記シリンダヘッドから排気された排気ガスを流通させる排気マニホールドと、
前記排気マニホールドの下方に配置されて、前記排気マニホールドから排気された前記排気ガスの一部であるEGRガスを冷却するEGRクーラと
を備える、エンジン装置。
【請求項2】
前記EGRクーラは、前記排気マニホールドに取り付けられる、請求項1に記載のエンジン装置。
【請求項3】
前記EGRクーラを前記シリンダブロックの一側面に取り付けるブラケットを更に備える、請求項1又は請求項2に記載のエンジン装置。
【請求項4】
前記EGRクーラは、その一端側において前記排気マニホールドと連結し、前記排気マニホールドとの連結箇所よりも他端側において前記ブラケットと連結する、請求項3に記載のエンジン装置。
【請求項5】
前記EGRクーラは、
前記EGRガスが流入するガス流入口と、
前記EGRガスが流出するガス流出口と、
冷却水が流入する冷却水流入口と、
前記冷却水が流出する冷却水流出口と
を有し、
前記ガス流入口及び前記ガス流出口は、前記EGRクーラの一端部に設けられ、
前記冷却水流入口及び前記冷却水流出口は、前記EGRクーラの前記一端部とは反対側の他端部に設けられる、請求項4に記載のエンジン装置。
【請求項6】
前記シリンダブロックによって回転自在に支持されるクランク軸と、
前記クランク軸と一体回転するフライホイールと、
前記フライホイールを収容するフライホイールハウジングと
を更に備え、
前記クランク軸が延びる軸方向における前記EGRクーラの中心が、前記軸方向における前記シリンダブロックの中心よりも前記フライホイールハウジング側に位置する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のエンジン装置。
【請求項7】
前記EGRクーラは、前記フライホイールハウジングに隣り合う位置に配置される、請求項6に記載のエンジン装置。
【請求項8】
前記EGRクーラは、前記フライホイールハウジング側から見たとき、前記フライホイールハウジングに全部分が重なる、請求項6又は請求項7に記載のエンジン装置。
【請求項9】
エンジン始動時に前記フライホイールに回転力を伝達するスタータを更に備え、
前記スタータは、前記フライホイールハウジングに取り付けられ、
前記EGRクーラは、前記スタータの上方に配置される、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のエンジン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、エンジン装置が開示されている。特許文献1のエンジン装置は、シリンダヘッドと、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラとを備える。EGRクーラは、シリンダヘッドの前側面(フライホイール側の面)に連結される。特許文献1のエンジン装置において、シリンダヘッドには、EGRクーラと連通するEGRガス流路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シリンダヘッドの前側面にEGRクーラが連結される構成では、EGRクーラの長手方向の幅がシリンダヘッドの横幅よりも大きい場合、エンジン装置の横幅が増大して、エンジン装置を作業機械へ搭載する際の搭載性が損なわれる。例えば、出力が大きいエンジン装置の場合、EGRクーラが大型化するため、EGRクーラの長手方向の幅がシリンダヘッドの横幅よりも大きくなる可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、EGRクーラのサイズに起因してその横幅が増大することを抑制できるエンジン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明において、エンジン装置は、シリンダブロックと、シリンダヘッドと、排気マニホールドと、EGRクーラとを備える。前記シリンダヘッドは、前記シリンダブロックの上方に配置される。前記排気マニホールドは、前記シリンダヘッドの一側面に配置されて、前記シリンダヘッドから排気された排気ガスを流通させる。前記EGRクーラは、前記排気マニホールドの下方に配置されて、前記排気マニホールドから排気された前記排気ガスの一部であるEGRガスを冷却する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るエンジン装置によれば、EGRクーラのサイズに起因してエンジン装置の横幅が増大することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るエンジン装置の斜視図である。
【
図2】ベルト部材、冷却ファン、クランク軸、及びフライホイールを示す左側面図である。
【
図3】
図1と異なる方向から見たエンジン装置の斜視図である。
【
図4】
図1及び
図3と異なる方向から見たエンジン装置の斜視図である。
【
図5】(a)は、排気マニホールド、EGRクーラ、シリンダヘッド、EGRガス配管、EGRバルブ、及び吸気マニホールドを示す斜視図である。(b)は、排気マニホールド、EGRクーラ、シリンダヘッド、EGRガス配管、EGRバルブ、及び吸気マニホールドを示す別の斜視図である。
【
図6】シリンダブロック、及びシリンダヘッドを示す左側面図である。
【
図7】排気マニホールド、EGRクーラ、及びシリンダヘッドを示す斜視図である。
【
図8】(a)は、排気マニホールドを示す斜視図である。(b)は、排気マニホールドの右側面図である。
【
図9】(a)は、EGRクーラを示す斜視図である。(b)は、EGRクーラを示す別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面(
図1~
図9(b))を参照して本発明のエンジン装置に係る実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
本明細書では、理解を容易にするために、前後方向、左右方向、及び上下方向を定義している。本実施形態では、冷却ファン16(
図1参照)が配置される側がエンジン装置100の前側であり、フライホイール26(
図4参照)が配置される側がエンジン装置100の後側である。また、排気マニホールド4(
図1参照)が配置される側がエンジン装置100の左側であり、吸気マニホールド32(
図5参照)が配置される側がエンジン装置100の右側である。換言すると、エンジン装置100の排気側が、エンジン装置100の左側であり、エンジン装置100の吸気側が、エンジン装置100の右側である。また、オイルパン18(
図1参照)が配置される側がエンジン装置100の下側であり、シリンダヘッド20(
図1参照)が配置される側がエンジン装置100の上側である。但し、説明の便宜のために前後方向、左右方向、及び上下方向を定義したに過ぎず、これらの方向の定義により、本発明のエンジン装置の使用時及び組立時の向きを限定する意図はない。
【0011】
図1は、本実施形態のエンジン装置100の斜視図である。エンジン装置100は、例えば、農業機械、建設機械、及び土木機械のような作業機械に搭載される。エンジン装置100は、作業機械を走行させる動力の動力源として使用される。また、エンジン装置100は、補機類の動力源として使用される。補機類は、例えば、空気調和機のコンプレッサーや、トラクターに装備されているリヤカーのブレーキ用のコンプレッサーを含む。なお、空気調和機は、例えば、トラクターのキャビネット内の空間に、冷風及び温風の少なくとも一方を供給する。
【0012】
図1に示すように、エンジン装置100は、シリンダブロック2、排気マニホールド4、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ6、第1冷却水配管8a、第2冷却水配管8b、スタータ10、フライホイールハウジング12、ベルト部材14、冷却ファン16、オイルパン18、及びシリンダヘッド20を備える。
【0013】
オイルパン18は、シリンダブロック2の下方に配置される。オイルパン18内には潤滑油が貯留されている。オイルパン18内の潤滑油は、エンジン装置100の各潤滑部に供給される。各潤滑部に供給された潤滑油は、その後オイルパン18に戻される。
【0014】
フライホイールハウジング12は、シリンダブロック2の後方に配置される。フライホイールハウジング12は、フライホイール26(
図4参照)を収容する。スタータ10は、シリンダブロック2の左側(排気側)において、フライホイールハウジング12に取り付けられる。スタータ10は、エンジン始動時にフライホイール26に回転力を伝達する。
【0015】
シリンダブロック2は、複数のシリンダと、複数のピストンとを内蔵する。複数のシリンダ内で複数のピストンがそれぞれピストン運動することにより、燃料が燃焼する。その結果、シリンダブロック2において動力が発生する。
【0016】
燃料の燃焼によって発生した排気ガスは、シリンダヘッド20を介して排気マニホールド4に流入する。排気マニホールド4は、シリンダヘッド20から排気された排気ガスを集合させて、流通させる。排気マニホールド4は、シリンダヘッド20の左側(排気側)に配置される。
【0017】
EGRクーラ6は、排気マニホールド4の下方に配置される。したがって、EGRクーラ6は、エンジン装置100の左側(排気側)に配置される。より詳しくは、EGRクーラ6は、シリンダブロック2の左側(排気側)の側面2aに配置される。以下、シリンダブロック2の左側の側面2aを、「左側面2a」と記載する場合がある。
【0018】
本実施形態によれば、EGRクーラ6がシリンダブロック2の左側面2a(排気側の側面)に配置されるため、EGRクーラ6の長手方向の幅(前後方向の幅)が増大しても、エンジン装置100の横幅(左右方向の幅)は増大しない。また、本実施形態によれば、EGRクーラ6が排気マニホールド4の下方に配置されるため、排気マニホールド4側(上側)から見てEGRクーラ6が排気マニホールド4と重なる。したがって、EGRクーラ6の横幅(左右方向の幅)に起因してエンジン装置100の横幅(左右方向の幅)が増大し難い。その結果、エンジン装置100の横幅(左右方向の幅)の増大が抑制される。よって、エンジン装置100の作業機械への搭載が容易になる。
【0019】
EGRクーラ6は、排気マニホールド4から排気された排気ガスの一部であるEGRガスを冷却する。具体的には、EGRクーラ6には、第1冷却水配管8a及び第2冷却水配管8bが連結する。EGRクーラ6は、EGRガスが流通するガス流路と、冷却水が流通する冷却水流路とを内部に有する。第1冷却水配管8aはEGRクーラ6の冷却水流路の入口(冷却水流入口)と連通し、第2冷却水配管8bはEGRクーラ6の冷却水流路の出口(冷却水流出口)と連通する。EGRガスは、EGRクーラ6のガス流路を流れる際に、EGRクーラ6の冷却水流路を流れる冷却水によって冷却される。
【0020】
本実施形態において、EGRクーラ6のガス流路及び冷却水流路は、U字状の流路である。したがって、EGRクーラ6は、ガス流路及び冷却水流路が直線状の流路である構成に比べて、長手方向の幅(前後方向の幅)が短い。
【0021】
本実施形態において、EGRクーラ6は、スタータ10の上方に配置される。また、EGRクーラ6は、その長手方向が前後方向に沿うように配置される。したがって、補機類を配置するためのスペースをEGRクーラ6とスタータ10との間に確保することができる。なお、EGRクーラ6とスタータ10との間に配置される補機類には、フライホイール26(
図4参照)から動力が伝達される。
【0022】
本実施形態において、EGRクーラ6は、排気マニホールド4に取り付けられる。具体的には、排気マニホールド4は、本体部41と、フランジ部42と、配管部43とを有する。フランジ部42及び配管部43は、フライホイールハウジング12側(後側)に配置される。EGRクーラ6は、排気マニホールド4のフランジ部42に取り付けられる。詳しくは、排気マニホールド4のフランジ部42は、EGRクーラ6の上面に連結する。
【0023】
EGRガスは、排気マニホールド4のフランジ部42を介してEGRクーラ6に流入する。なお、EGRクーラ6によって冷却された後のEGRガスは、排気マニホールド4のフランジ部42及び配管部43を介してエンジン装置100の吸気側へ戻される。以下、EGRクーラ6によって冷却された後のEGRガスを、「冷却後のEGRガス」と記載する場合がある。
【0024】
本実施形態によれば、EGRクーラ6が排気マニホールド4に取り付けられるため、排気マニホールド4からEGRクーラ6へEGRガスを流通させる配管が不要となる。よって、エンジン装置100の部品点数を削減することができる。その結果、エンジン装置100の組立工数を削減することができる。また、配管が減るため、エンジン装置100においてガス漏れがより発生し難くなる。
【0025】
また、本実施形態によれば、EGRクーラ6が排気マニホールド4に取り付けられるため、EGRクーラ6を排気マニホールド4に近づけることができる。その結果、補機類を配置するためのスペースを、EGRクーラ6とスタータ10との間に、より広く確保することができる。
【0026】
本実施形態において、EGRクーラ6は、前後方向における中心がシリンダブロック2の中心よりもフライホイールハウジング12側(後側)に位置する。したがって、補機類を配置するためのスペースをEGRクーラ6の前方(冷却ファン16側)に確保することができる。更に、既に説明したように、EGRクーラ6のガス流路及び冷却水流路がU字状の流路であるため、EGRクーラ6は、ガス流路及び冷却水流路が直線状の流路である構成に比べて、長手方向の幅(前後方向の幅)が短い。したがって、補機類を配置するためのスペースを、EGRクーラ6の前方(冷却ファン16側)に、より広く確保することができる。なお、EGRクーラ6の前方に配置される補機類には、ベルト部材14から動力が伝達される。
【0027】
また、本実施形態によれば、EGRクーラ6が排気マニホールド4に取り付けられるため、補機類を配置するためのスペースを、EGRクーラ6の前方(冷却ファン16側)に、より広く確保することができる。
【0028】
本実施形態において、EGRクーラ6は、フライホイールハウジング12側から見たとき、フライホイールハウジング12に全部分が重なる。換言すると、左右方向においてフライホイールハウジング12よりも内側にEGRクーラ6が配置される。したがって、EGRクーラ6の横幅(左右方向の幅)に起因してエンジン装置100の横幅(左右方向の幅)が増大することを抑制できる。また、エンジン装置100を作業機械に搭載する際にエンジン装置100の周辺に位置する作業機械の部品とエンジン装置100とが干渉することを抑制できる。
【0029】
続いて、
図1及び
図2を参照して本実施形態のエンジン装置100を説明する。
図2は、ベルト部材14、冷却ファン16、クランク軸24、及びフライホイール26を示す左側面図である。
【0030】
図2に示すように、エンジン装置100は、クランク軸24、及びフライホイール26を更に備える。フライホイール26は、クランク軸24の後端に連結される。
【0031】
クランク軸24は、前後方向に延びる。クランク軸24は、
図1を参照して説明したシリンダブロック2によって回転自在に支持される。クランク軸24は、シリンダブロック2を貫通する。
【0032】
クランク軸24は、シリンダブロック2において発生した動力に基づいて回転する。フライホイール26は、クランク軸24と一体に回転する。フライホイール26は、クランク軸24に慣性力を付与する。
【0033】
ベルト部材14は、クランク軸24から動力が伝達されて回転する。冷却ファン16は、ベルト部材14から動力が伝達されて回転する。冷却ファン16は、冷却水を冷却する。
【0034】
続いて、
図3を参照して本実施形態のエンジン装置100を説明する。
図3は、
図1と異なる方向から見たエンジン装置100の斜視図である。
図3に示すように、エンジン装置100は、ブラケット22を更に備える。
【0035】
ブラケット22は、EGRクーラ6をシリンダブロック2の左側面2aに取り付ける。本実施形態において、ブラケット22は、EGRクーラ6の下面に連結する。
【0036】
本実施形態によれば、ブラケット22により、エンジン振動に起因するEGRクーラ6の振れを抑制することができる。また、排気マニホールド4は、排気ガスの熱に起因して伸びることがある(熱膨張)。本実施形態によれば、ブラケット22により、排気マニホールド4の熱膨張に起因してEGRクーラ6に加わる応力を、低減させることができる。
【0037】
続いて、
図4を参照して本実施形態のエンジン装置100を説明する。
図4は、
図1及び
図3と異なる方向から見たエンジン装置100の斜視図である。
図4に示すように、エンジン装置100は、EGRガス配管28と、EGRバルブ30とを更に備える。
【0038】
本実施形態において、シリンダヘッド20には、排気マニホールド4の配管部43から冷却後のEGRガスが流入する。シリンダヘッド20は、冷却後のEGRガスをEGRガス配管28へ流通させる。EGRガス配管28は、冷却後のEGRガスをEGRバルブ30まで流通させる。
【0039】
本実施形態において、EGRクーラ6は、フライホイールハウジング12に隣り合う位置に配置される。したがって、補機類を配置するためのスペースを、EGRクーラ6の前方に、より広く確保することができる。
【0040】
続いて、
図5(a)、及び
図5(b)を参照して本実施形態のエンジン装置100を説明する。
図5(a)は、排気マニホールド4、EGRクーラ6、シリンダヘッド20、EGRガス配管28、EGRバルブ30、及び吸気マニホールド32を示す斜視図である。
図5(b)は、排気マニホールド4、EGRクーラ6、シリンダヘッド20、EGRガス配管28、EGRバルブ30、及び吸気マニホールド32を示す別の斜視図である。
【0041】
図5(a)、及び
図5(b)に示すように、エンジン装置100は、吸気マニホールド32を更に備える。EGRバルブ30は、冷却後のEGRガスを吸気マニホールド32へ流通させる。EGRバルブ30は、冷却後のEGRガスを吸気マニホールド32へ供給する量を調整する。
【0042】
吸気マニホールド32は、シリンダヘッド20の右側(吸気側)の側面に配置される。吸気マニホールド32は、EGRバルブ30から流入する冷却後のEGRガスと、新気とを集合させて、混合気体を生成し、シリンダヘッド20へ混合気体を流通させる。シリンダヘッド20は、吸気マニホールド32から流入した混合気体を、シリンダブロック2へ流通させる。
【0043】
続いて、
図6及び
図7を参照して本実施形態のエンジン装置100を説明する。
図6は、シリンダブロック2、及びシリンダヘッド20を示す左側面図である。
図7は、排気マニホールド4、EGRクーラ6、及びシリンダヘッド20を示す斜視図である。
【0044】
図6に示すように、シリンダヘッド20は、ガス流路20bを有する。ガス流路20bは、シリンダヘッド20を左右方向に貫通する貫通穴である。ガス流路20bは、
図1を参照して説明した冷却後のEGRガスを流通させる。ガス流路20bは、シリンダヘッド20の左側(排気側)の側面20aに形成されるEGRガス流入口(開口)を含む。また、ガス流路20bは、シリンダヘッド20の右側(吸気側)の側面に形成されるEGRガス流出口(開口)を含む。なお、以下の説明において、シリンダヘッド20の左側(排気側)の側面20aを、「左側面20a」と記載する場合がある。
【0045】
図6に示すように、シリンダヘッド20は、シリンダブロック2の上方に配置される。具体的には、シリンダヘッド20は、シリンダブロック2の上面に連結する。
図6及び
図7に示すように、シリンダヘッド20の左側面20aには、排気マニホールド4が配置される。シリンダヘッド20は、シリンダヘッド20から排気される排気ガスを排気マニホールド4へ流通させる。
【0046】
図7に示すように、排気マニホールド4の配管部43は、
図6を参照して説明したガス流路20bのEGRガス流入口に連通する。なお、ガス流路20bのEGRガス流出口は、
図4、
図5(a)、及び
図5(b)を参照して説明したEGRガス配管28と連通する。
【0047】
続いて、
図8(a)、
図8(b)、
図9(a)、及び
図9(b)を参照して本実施形態のエンジン装置100を説明する。
図8(a)は、排気マニホールド4を示す斜視図である。
図8(b)は、排気マニホールド4の右側面図である。
【0048】
図8(a)に示すように、排気マニホールド4のフランジ部42は、EGRガス流出口42aと、EGRガス流入口42bとを有する。EGRガス流出口42a及びEGRガス流入口42bは、左右方向に並んで配置される。
【0049】
排気マニホールド4のフランジ部42は、本体部41内のガス流路とEGRガス流出口42aとを連通させるガス流路を有する。したがって、EGRガス流出口42aは、排気マニホールド4の本体部41内のガス流路と連通する。EGRガスは、EGRガス流出口42aから排出されて、EGRクーラ6へ流入する。
【0050】
排気マニホールド4のフランジ部42は、EGRガス流入口42bと配管部43とを連通させるガス流路を有する。したがって、EGRガス流入口42bは、配管部43と連通する。冷却後のEGRガスは、EGRガス流入口42bからフランジ部42に流入した後、配管部43を介して、
図6を参照して説明したシリンダヘッド20のガス流路20bに流入する。
【0051】
図8(b)に示すように、排気マニホールド4は、右側面4aを有する。排気マニホールド4の右側面4aは、
図6を参照して説明したシリンダヘッド20の左側面20aに対向する。排気マニホールド4の右側面4aは、EGRガス流出口43a(開口)を有する。EGRガス流出口43aは、配管部43の出口である。EGRガス流出口43aは、
図6を参照して説明したシリンダヘッド20のガス流路20bと連通する。冷却後のEGRガスは、EGRガス流出口43aを介して、シリンダヘッド20のガス流路20bに流入する。
【0052】
図9(a)は、EGRクーラ6を示す斜視図である。
図9(b)は、EGRクーラ6を示す別の斜視図である。
図9(a)に示すように、EGRクーラ6は、その上面にEGRガス流入口61及びEGRガス流出口62を有する。EGRガス流入口61及びEGRガス流出口62は、左右方向に並んで配置される。EGRガス流入口61及びEGRガス流出口62は、
図1を参照して説明したEGRクーラ6内部のガス流路に連通する。
【0053】
EGRガス流入口61は、
図8(a)を参照して説明した排気マニホールド4のEGRガス流出口42aと連通する。排気マニホールド4のEGRガス流出口42aからEGRガス流入口61にEGRガスが流入する。その結果、EGRクーラ6内部のガス流路にEGRガスが流入する。
【0054】
EGRガス流出口62は、
図8(a)を参照して説明した排気マニホールド4のEGRガス流入口42bと連通する。EGRガス流出口62から冷却後のEGRガスが流出する。その結果、EGRガス流出口62から排気マニホールド4のEGRガス流入口42bに冷却後のEGRガスが流入する。
【0055】
本実施形態において、EGRガス流入口61及びEGRガス流出口62は、EGRクーラ6の一端部6aに設けられる。EGRクーラ6の一端部6aは、EGRクーラ6の長手方向(前後方向)の一方の端部である。EGRクーラ6の一端部6aは、排気マニホールド4のフランジ部42(
図8(a)参照)に取り付けられる。
【0056】
図9(a)及び
図9(b)に示すように、EGRクーラ6は、冷却水流入管63と、冷却水流出管64とを有する。冷却水流入管63は、その先端に冷却水流入口63aを有する。同様に、冷却水流出管64は、その先端に冷却水流出口(不図示)を有する。冷却水流入管63及び冷却水流出管64は、
図1を参照して説明したEGRクーラ6内部の冷却水流路に連通する。
【0057】
冷却水流入管63は、
図1を参照して説明した第1冷却水配管8aと連結する。第1冷却水配管8aから冷却水流入口63aを介して冷却水流入管63に冷却水が流入する。この結果、
図1を参照して説明したEGRクーラ6内部の冷却水流路に、冷却水流入管63を介して冷却水が流入する。
【0058】
冷却水流出管64は、
図1を参照して説明した第2冷却水配管8bと連結する。冷却水は、
図1を参照して説明したEGRクーラ6内部の冷却水流路から冷却水流出管64に流出する。この結果、冷却水流出管64の冷却水流出口を介して第2冷却水配管8bに冷却水が流出する。
【0059】
本実施形態において、冷却水流入管63(冷却水流入口63a)及び冷却水流出管64(冷却水流出口)は、EGRクーラ6の他端部6bに設けられる。EGRクーラ6の他端部6bは、EGRクーラ6の長手方向(前後方向)の他方の端部である。つまり、EGRクーラ6の他端部6bは、EGRクーラ6の一端部6aとは反対側の端部である。
【0060】
本実施形態によれば、EGRガス流入口61及びEGRガス流出口62が、EGRクーラ6の一端部6aに設けられ、冷却水流入管63(冷却水流入口63a)及び冷却水流出管64(冷却水流出口)が、EGRクーラ6の他端部6bに設けられる。したがって、EGRクーラ6に連結するEGRガス用の配管部(本実施形態では、排気マニホールド4のフランジ部42)を、EGRクーラ6の一端側にのみ連結し、EGRクーラ6に連結する冷却水用の配管部(本実施形態では、第1冷却水配管8a及び第2冷却水配管8b)を、EGRクーラ6の他端側にのみ連結すればよいため、エンジン装置100の左側(排気側)に配置される他の部品のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0061】
続いて、
図9(b)を参照して本実施形態のエンジン装置100を更に説明する。
図9(b)に示すように、ブラケット22は、EGRクーラ6の一端部6aよりも他端部6b側(前側)においてEGRクーラ6に連結される。換言すると、EGRクーラ6は、その一端側(後側)において排気マニホールド4のフランジ部42と連結し、排気マニホールド4との連結箇所よりも他端側(前側)においてブラケット22と連結する。この結果、ブラケット22により、エンジン振動に起因するEGRクーラ6の振れを、より抑制することができる。本実施形態では、ブラケット22は、EGRクーラ6の他端部6bに連結される。したがって、エンジン振動に起因するEGRクーラ6の振れを、更に抑制することができる。
【0062】
以上、図面(
図1~
図9(b))を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0063】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0064】
例えば、
図1~
図9(b)を参照して説明した実施形態において、ブラケット22は、EGRクーラ6の他端部6bに連結されたが、ブラケット22をEGRクーラ6に連結する位置は、EGRクーラ6の他端部6bに限定されない。ブラケット22をEGRクーラ6に連結する位置は、前後方向において、EGRクーラ6の一端部6aよりも他端部6b側であればよい。つまり、EGRクーラ6の一端部6aよりも前側(他端側)において、ブラケット22がEGRクーラ6に連結されていればよい。
【0065】
また、
図1~
図9(b)を参照して説明した実施形態において、ブラケット22は、EGRクーラ6の下面に連結されたが、ブラケット22をEGRクーラ6に連結する位置は、EGRクーラ6の下面に限定されない。ブラケット22は、EGRクーラ6の上面に連結されてもよいし、EGRクーラ6の前面に連結されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、エンジン装置に有用である。
【符号の説明】
【0067】
2 :シリンダブロック
2a :側面
4 :排気マニホールド
6 :EGRクーラ
6a :一端部
6b :他端部
10 :スタータ
12 :フライホイールハウジング
20 :シリンダヘッド
20a :左側面
22 :ブラケット
24 :クランク軸
26 :フライホイール
61 :EGRガス流入口
62 :EGRガス流出口
63 :冷却水流入管
63a :冷却水流入口
64 :冷却水流出管
100 :エンジン装置