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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144027
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】エンジン用吸気ダクト
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/08 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
F02M35/08 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044861
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000108498
【氏名又は名称】タイガースポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】萩原 健太
(72)【発明者】
【氏名】岡部 誠介
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(57)【要約】
【課題】エアクリーナに空気を取り込む吸気ダクトにおいて、圧損を抑制しつつ水滴の排出を確実化する。
【解決手段】ダクトユニット6は左右2枚のシェル状部材18,19を溶着して形成されており、第1縦長部20aと横長部20cとを備えている。コーナー部に、第1縦長部20aを延長したドレン室24と、ドレン室24を上から覆うガイド部34とが形成されている。ガイド部34には、水滴が流下するスリット35を形成している。空気はスムーズにガイドされて第1縦長部20aから横長部20cに方向変換する。水滴はスリット35からドレン室24に流下する。従って、圧損を大幅に抑制しつつ水を除去できる。ドレン室24に入った水は吹き戻されないので、ドレン室24の下向き突出寸法を小さくして、狭い空間にも配置できる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が下向きに流れる縦長部と、前記縦長部を通過した空気が方向変換して流入する横長部とを備え、
前記縦長部と横長部とが繋がったコーナー部に、前記縦長部を下方に延長して形成されたドレン室と、前記ドレン室を上から覆って空気を前記横長部に方向変換させるガイド部とを設けており、前記ガイド部に、スリット又は穴より成る水抜き口が開口している、
エンジン用吸気ダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、自動車用等のエンジン(内燃機関)に付属品として設けられる吸気ダクトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンでは、空気を取り込んで浄化するエアクリーナが必要不可欠であり、エアクリーナには吸気ダクトを介して空気が取り込まれるが、自動車用吸気ダクトの場合、雨天走行時や冠水路走行時など、空気と一緒に水が吸い込まれることがあり、そこで、吸気ダクトに、水をエアクリーナに至らせることなく排除するドレン手段を設けている。
【0003】
その例として特許文献1には、吸気ダクトに、垂直部とこれから分岐した水平部とを有する曲がり部を形成し、垂直部を水平部よりも下方に延長してドレン室を形成し、ドレン室の下端に排水口を設けてこれに負圧作動式の弁体を装着し、かつ、水平部のうち垂直部に連接した上流端部に空気が入る小穴を空けることが開示されている。
【0004】
この特許文献1において、エンジンが運転されている状態では、弁体は負圧を受けて閉じており、運転を停止すると、負圧が解除されて弁体が開き、ドレン室に溜まった水が排水される。また、小穴の作用として、特許文献1では、空気は小穴からも入り込むため、垂直部を流れる空気の流速は低下しており、それだけ水分がドレン室に流入しやすくなると説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2-4612号のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1が水の排出機能を有していることは疑いないが、問題点も幾つか見られる。例えば、垂直部にドレン室が延長して形成され、水平部は垂直部と直交しているため、垂直部を流れてきた空気は急激に方向変換して水平部に向かうことになり、このため、空気の流れ抵抗が大きくなることは否めないと解される。すなわち、空気の流れのスムーズ性に著しく欠けると思料される。
【0007】
また、垂直部の下方にドレン室が開口しているため、空気はドレン室に向けてダイレクトに入り込む傾向を呈しており、すると、空気がドレン室に激しく衝突して乱流化し、これに伴って水滴が霧化してエアクリーナに入り込む確率が高くなり、ドレン室を設けたことの意義が没却されることも懸念される。
【0008】
更に、特許文献1では、ドレン室に空気及び水滴が激しく衝突することを抑制するため、水平部に小穴を空けているが、この小穴から水が入り込む可能性がある点も問題である。特に、キャブオーバー型の自動車(例えばワンボックスタイプの軽バン)で吸気ダクトがアンダーフロアに設けられるエンジンルームに露出していると、雨水や走行で跳ね上がった水が吸気ダクトの水平部に当たり易いため、小穴が水の侵入穴になり兼ねず、問題が大きい。
【0009】
本願発明は、このような現状を契機に成されたものであり、空気の流れ抵抗を抑制しつつ、排水効果に優れた吸気ダクトを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明の吸気ダクトは、
「空気が下向きに流れる縦長部と、前記縦長部を通過した空気が方向変換して流入する横長部とを備え、
前記縦長部と横長部とが繋がったコーナー部に、前記縦長部を下方に延長して形成されたドレン室と、前記ドレン室を上から覆って空気を前記横長部に方向変換させるガイド部とを設けており、前記ガイド部に、スリット又は穴より成る水抜き口が開口している」
という構成になっている。
【0011】
本願発明において、横長部はそのままエアクリーナの本体ケース(ダーティ室)に接続されてもよいし、実施形態のように、横長部に上向きの第2縦長部を設けて、第2縦長部をエアクリーナに接続してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本願発明では、縦長部と横長部とが繋がったコーナー部に湾曲したガイド部を設けているため、縦長部を流下した空気がドレン室に激しく衝突することを防止して、横長部に向うように空気流を方向変換できる。従って、空気の流れ抵抗を大幅に低減して、空気の流れをスムーズ化できる。これにより、通気抵抗を低減して燃費の向上に貢献できると共に、運転の安定化にも貢献できる。
【0013】
そして、空気に含まれていた水は、スリット等の水抜き口からドレン室に流入するため、水抜き効果にも優れている。つまり、水は比重が大きくて縦長部での直進性が高いため、重力と空気流とを利用して水滴を水抜き口に的確に入り込ませることができるのであり、従って、水滴の捕集性能に優れている。砂粒も同様である。
【0014】
また、特許文献1のような小穴は不要であるため、自動車用に適用した場合、エンジンルーム等に露出していても、水や砂粒が吸気ダクトに中途部から流入することはない(水や砂粒が入るとしても、縦長部の上端の吸気口からしか入らない)。
【0015】
更に、特許文献1では、空気がドレン室に直進するため、水がドレン室に流入しても、空気の反流に乗ってドレン室から吹き戻されるおそれがあるが、本願発明では、ガイド部がドレン室の蓋の役割を果たしているため、ドレン室に入った水や砂粒が吹き戻されることを防止又は著しく抑制して、ドレン室の下向き突出寸法を小さくしつつ、水や砂粒の捕集機能を格段に向上できる。従って、キャブオーバー型軽バンのように、吸気ダクトが自動車のアンダーフロアに設けられたエンジンルーム内で下方に露出した状態に配置されるような吸気装置に好適である。
【0016】
既述のように、横長部の下流端に空気が上向きに流れる第2縦長部を設けておくと、ドレン室に捕集できなかった水滴(或いは砂粒)がエアクリーナに流入しにくくなるため好適である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】吸気装置をやや斜め上方から見た斜視図である。
図2】吸気装置を下方から見た斜視図である。
図3】2つのシェル状部材を広げた状態(合わせ面を見せた状態)の分離正面図である。
図4】(A)はエアクリーナを省略した斜視図、(B)はドレン室の箇所の底面図、(C)は逆止弁の斜視図である。
図5】(A)は一部構造を省略した状態での第2シェル状部材の斜視図、(B)は図1のVB-VB視断面図、(C)は(B)の一部拡大図である。
図6】実施形態を適用した自動車を示す図で、(A)は全体の側面図、(B)は(A)の一部破談拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図6においてキャブオーバー型バン(例えばワンボックスタイプの軽バン)を表示しているが、本実施形態の吸気装置1は、このキャブオーバー型バンに搭載できる。
【0019】
すなわち、キャブオーバー型バンは、前席2aが配置された前室(運転室)2とその後方の荷室空間3とを有しており、前席2aの下方の空間にエンジン4が配置されているが、本実施形態の吸気装置1は、前席2aの後部下方のうち助手席に寄った部位(車体のサイドメンバー(アンダーフレーム)とフロアとアンダーボデー(外板)とで囲われた空間)に配置されている(運転席の側に配置してもよい。)。
【0020】
なお、エンジン4は、クランク軸を車両の前後方向に向けた縦置きで配置されており、シリンダボア軸線を水平の側に近づくように大きくスラントさせている。また、吸気側面を上向きにして配置している。図6(B)に示す4aはミッションケース、4bはドライトである。
【0021】
以下では、方向を特定するため前後左右の文言を使用するが、この方向は車両の前後・左右方向と同じである。すなわち、運転者から見た前後左右の方向と同じである。
【0022】
(1).概要
図1に示すように、吸気装置1は、エアクリーナ5とその下方に大半が配置されたダクトユニット6とを備えており、エアクリーナ5は、下部に位置してダーティ室を有する合成樹脂製の本体ケース7と、クリーン室を構成して本体ケース7に上から重なる合成樹脂製のカバーケース8と、両者で挟まれたフィルタエレメント(図示せず)とを備えている。
【0023】
カバーケース8は下向きに開口したトレー状の形態を成しており、各コーナー部が略C型のクリップ9によって本体ケース7に固定されている。従って、本実施形態のカバーケース8は着脱式である。そこで、カバーケース8の開口縁の外側には囲い状の縁体10を配置し、縁体10にクリップ9を弾性に抗して引っ掛けている。また、カバーケース8の左側面に、浄化した空気の排出口11が突設されている。なお、カバーケース8は、その一側部を支点にして回動する開閉式であってもよい。
【0024】
エアクリーナ5の本体ケース7は上向きに開口した箱状の形態を成しており、開口縁の外側にはカバーケース8と同様の縁体12が形成されており、クリップ9の下端が縁体12の箇所に係止されている。また、本体ケース7の外側面と内角部には、車体フレームに固定するためのブラケット部13を一体に形成している。ブラケット部13は、防振グロメットを介してボルト14によって車体フレーム(図示せず)に固定される。
【0025】
図4,5に示すように、ダクトユニット6は、本体ケース7が重ね固定される受け板15を備えており、受け板15に、本体ケース7の流入口(図示せず)と連通する吐出口16を形成している。受け板15と本体ケース7の底面とは、振動溶着等の溶着によって固定(接合)されている。なお、図4(A)に示すように、受け板15の上面には、溶着等のための格子状のリブ17が形成されている(図5(A)では、リブ17は一部しか表示していない)。
【0026】
図3~5に示すように、ダクトユニット6は、左シェル状部材18と右シェル状部材19との一対のシェル状部材から成っており、両シェル状部材18,19を重ねて振動溶着等によって接合することによって中空に形成されて、吸気ダクト20と、第1及び第2のレゾネータ21,22とを備えている。従って、両シェル状部材18,19には、吸気ダクト20を形成する膨出部とレゾネータ21,22を形成する膨出部とが形成されている。既述の受け板15は、右シェル状部材19の上端に一体成形されている。
【0027】
図3,5では、両シェル状部材18,19の溶着面(重合面)をハッチングで表示している(従って、図3,5では、ハッチングは断面の表示ではない。)。明示していないが、両シェル状部材18,19の溶着面には溝が形成されている。
【0028】
図1図3,5に示すように、吸気ダクト20は、上端に吸気口23が開口して空気が下向きに流れる第1縦長部20aと、既述の吐出口16が上端に開口して空気が上向きに流れる第2縦長部20bと、これら両縦長部20a,20bの下端に繋がって空気が略水平方向に流れる横長部(底部)20cとを有している。従って、吸気ダクト20は側面視で略U形の形態を成して、両縦長部20a,20bと横長部20cとで囲われた空間にレゾネータ21,22が配置されている。
【0029】
第1縦長部20aと底部20cとが連接したコーナー部に、水を排出するドレン室24を下向きに突設している。従って、本実施形態では、第1縦長部20aが請求項に記載した縦長部になっている。
【0030】
第2縦長部20bの上端は受け板15に開口しているので、第2縦長部20bは必然的にエアクリーナ5よりも下方に配置されているが、第1縦長部20aの上端はエアクリーナ5の上端とほぼ同じ高さになっている。例えば図2から理解できるように、吸気口23は、エアクリーナ5のカバーケース8に向けて略水平方向(横向き方向)に開口している。
【0031】
従って、第1縦長部20aの上半部はエアクリーナ5の前方向に配置されているが、レゾネータ21,22はエアクリーナ5の下方に配置されているため、第1縦長部20aの下半部は、エアクリーナ5の下方に入り込むように曲げられている。
【0032】
第1縦長部20aは緩い角度で曲げられており、また、第1縦長部20aと横長部20cとの連接部の曲率半径もできるだけ大きくしている。更に、横長部20cと第2縦長部20bとの連接部は大きく湾曲していると共に、第2縦長部20b自体も車体の外側に向けて膨れるように湾曲している。
【0033】
第1レゾネータ21は第1縦長部20aに寄せて配置されており、その下端が第1連通路25を介して横長部20cと連通している。他方、第2レゾネータ22は、第2縦長部20bを外向きに湾曲させたことによって形成された凹所に収まった状態になっており、その下端部が第2連通路26を介して第2縦長部20bの下部と連通している。図3,5(A)に示すように、レゾネータ21,22の内部には、側面視で格子状に交叉した縦横の内部リブ27が形成されている。図1図3に示すように、右シェル状部材19と受け板15とは、多数のリブ29で連結されている。
【0034】
(2).ドレン構造
図3,5から理解できるように、ドレン室24は第1縦長部20aを下向きに延長することによって形成されており、従って、横長部20cよりも下方に突出している。ドレン室24は底板30を有しており、右シェル状部材19の底板30に逆止弁31を取り付けている。逆止弁31は、エンジンが運転されていて吸気ダクト20が負圧状態のときには底板30に吸着される事により閉じて、運転を停止して吸気ダクト20が大気圧になると開くようになっている。
【0035】
本実施形態の逆止弁31は、図4(C)で外観を明示している。すなわち、この逆止弁31は、ゴムやエラストマーのような適度の弾性を有する軟質材から成っており、円板状の弁板31aと、その中央部に上向き突設した茸形の(頭付きの)係合突起31bとから成っている。他方、例えば図4(B)に示すように、右シェル状部材19の底板30には、逆止弁31の係合突起31bがその弾性に抗して下方から嵌入して落下不能に保持される取付け穴32と、その周囲に形成した複数(3つ)のドレン穴33とが形成されている。
【0036】
エンジンが運転されている状態では、逆止弁31は負圧によって上向きに吸い上げられて、弁板31aが底板30の下面に密着しており、エンジンを停止すると、逆止弁31は自重とドレン室24に溜まった水の水圧で下降動する。すると、逆止弁31によるドレン穴33の閉止が解除されて、ドレン室24に溜まっていた水は下方に排出される。
【0037】
実施形態では、逆止弁31が昇降式になっているが、図5(C)に一点鎖線で示すように、弁板31aが水の重量によって撓み変形する構成であってもよい。或いは、エンジン停止時には図5(C)の一点鎖線の開き状態になっていて、運転時には負圧による吸引作用で弁板31aが上向きに回動する構造であってもよい。
【0038】
昇降式の逆止弁31の場合は、材質は弾性体製である必要はなく、プラスチック製や金属製も採用できる。ばねや板ばねを使用した逆止弁も採用できるが、本実施形態のように昇降式又は回動式の逆止弁を採用すると、構造を簡単化・薄型化できる利点がある。
【0039】
なお、これら取付け穴32とドレン穴33とは、ドリル加工によって形成してもよいし、これらが形成された状態でシェル状部材18,19を成形してもよい。
【0040】
ドレン室24の上方には、当該ドレン室24を覆う庇状のガイド部34が形成されている。第1縦長部20aと横長部20cとの連接部は大きく湾曲しているが、ガイド部34は、第1縦長部20aと横長部20cとの連接部の同じ曲がり具合に合わせた形状に湾曲している。
【0041】
そして、ガイド部34に、水抜き口として、ガイド部34の先端に向けて開口したスリット35を形成している。スリット35は、両シェル状部材18,19の合わせ面の箇所に1つのみ形成しているが、前後に並べて複数形成してもよいし、水抜き口として、1つ又は複数の小穴を形成してもよい。また、本実施例ではガイド部は横長部20cに接する事無く、その手前で途切れる事で、横長部20cとドレン室24の接合部を覆う壁が排除され、かつこの部位が吸気ダクト20の最下端になっているので、吸気ダクト20に侵入した水(砂粒)は必ずドレン室24に流入する構造になっている。
【0042】
以上のように、本実施形態では、コーナー部にガイド部34が形成されているため、第1縦長部20aを流下した空気は、ガイド部34でスムーズに方向変換して横長部20cに流れていく。従って、圧損を抑制して燃費の向上に貢献できると共に、安定した運転を実現できる。
【0043】
そして、空気に水滴が含まれていても、水滴はスリット35を通過してドレン室24に流れ込んでここに溜まり、運転停止の際、逆止弁31が開いてドレン穴33から外部に排出される。砂粒も同様に排出できる。本実施形態では、第2縦長部20bがあるため、水滴がドレン室24を通過しても、エアクリーナ5に入り込むことを防止又は大幅に抑制できる。第2縦長部20bを上昇できずに横長部20cに戻った水は、上で述べたダクトとドレン室配置によって、運転停止時にドレン室24に戻して排出することが可能であるし、自然に蒸発させることもできる。
【0044】
本実施形態では、ドレン室24はガイド部34の終端を除く略全体が湾曲したガイド部34で覆われているため、空気はドレン室24に流入することなくスムーズに横長部20cに導かれる。かつ、ガイド部34がドレン室24の蓋として機能しているため、ドレン室24に流入した水が吹き戻ることもない。このため、ドレン室24の下向き突出寸法をできるだけ小さくしつつ、水をドレン室24に溜めておくことができる。従って、ワンボックス式軽バンのように吸気部品の配置空間が狭い場合でも、機能を損なうことなく配置できる。
【0045】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、1本ずつの縦長部と横長部とから成るL形の吸気ダクトにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本願発明は、エンジンの吸気装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0047】
1 吸気装置
4 エンジン
5 エアクリーナ
6 ダクトユニット
18 左シェル状部材
19 右シェル状部材
20 吸気ダクト
20a 第1縦長部
20b 第2縦長部
20c 横長部(底部)
21,22 レゾネータ
23 吸気口
24 ドレン室
31 逆止弁
34 ガイド部
35 スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6