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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144082
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】防球ガード
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/00 20060101AFI20220926BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20220926BHJP
   E04H 3/14 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
E04B9/00 Z
F24F1/0007 401D
E04H3/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044930
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】507223753
【氏名又は名称】エジソンハードウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】辻 誠
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BJ10
(57)【要約】
【課題】冷暖房装置に施すメンテナンスの程度に応じて、冷暖房装置を覆うネット部の全体もしくはその一部を開閉可能に構成することで、メンテナンス作業の効率を向上させることができる防球ガードを提供する。
【解決手段】冷暖房装置50の設置位置を囲むようにして、天井面70に対して固定されるベースフレーム1、ベースフレ一ムに対して蝶番7により回動可能に取り付けられた柵フレーム2と一体のネット部3、蝶番7が設けられないベースフレーム及び柵フレームの対向する少なくとも他の一辺において、ベースフレームと柵フレームと跨ぐようにして配置されて、ベースフレームと柵フレームとを締結する締結部材11とが備えられる。ネット部3には、その一部に開口4が形成され、開口に対してサブネット5が、開閉可能に取り付けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井面または壁面に設置された冷暖房装置を保護する防球ガードであって、
前記冷暖房装置の設置位置を囲むようにして前記天井面または壁面に対して固定されるベースフレームと、
前記ベースフレ一ムの外形形状に合わせて形成され、前記ベースフレームに対して回動可能に設けられた柵フレームと、
前記柵フレームに固定され、前記冷暖房装置を覆うことが可能なネット部と、
前記柵フレームを回動可能とするために、前記ベースフレーム及び柵フレームの対向する一辺において、前記ベースフレームと柵フレームとを跨ぐように設けられた複数個の蝶番と、
前記蝶番が設けられない前記ベースフレーム及び柵フレームの対向する少なくとも他の一辺において、前記ベースフレームと前記柵フレームと跨ぐようにして配置されて、前記ベースフレームと前記柵フレームとを締結する締結部材と、が備えられ、
前記ネット部には、前記ネット部の一部に開口が形成され、前記開口に対してサブネットが、開閉可能に取り付けられていることを特徴とする防球ガード。
【請求項2】
前記ネット部の一部に形成された前記開口を開閉するサブネットは、前記サブネットの一辺を前記開口の縁部に沿ってそれぞれ連結する複数の連結体によって、前記ネット部に対して回動可能に取り付けると共に、
前記サブネットの回動自由端側には、前記自由端側を前記ネット部に締結するサブネットの施錠体が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の防球ガード。
【請求項3】
前記蝶番は、一方向に突出するピンを有するピン側部材と、前記ピンが挿入可能な筒部を有する筒側部材とを有し、
前記ベースフレーム及び柵フレームの対向する一辺に設けられる複数の前記蝶番において、一つの蝶番における前記ピン側部材のピンと、他の蝶番における前記ピン側部材のピンとが、互いに対向する方向に突出していることを特徴とする請求項1または2に記載の防球ガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば学校の体育館等において、天井面或いは壁面に取り付けられた冷暖房装置を保護するために、前記冷暖房装置を覆う防球ガードに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば学校の体育館や公共室内運動施設などには、天井面や壁面に冷暖房装置が取り付けられており、この体育館や運動施設は、一般住宅に比較して室内空間が広いために、より大型の冷暖房装置が設置される。そして、この体育館等は、例えばバレーボールやバスケットボールなどの球技会場として比較的頻繁に利用され、この球技において使用されるボールが、前記冷暖房装置に当たることによる衝撃を受けて、装置の破損や故障を招く問題が生ずる。
この様な問題の発生を防止するために、従来から前記冷暖房装置の前面を覆う防球ガードが提案されており、これは特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-148357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記した体育館等における冷暖房装置を保護する防球ガードにあっては、冷暖房装置が大型であるために、防球ガード自体のサイズが大きく、更に防球ガードは球技によるボールからの衝撃を受けるために、比較的強度の高い金属素材を用いて形成する必要がある。このために、防球ガードは必然的にその全体重量も嵩むものとなる。
【0005】
一方、前記した体育館等に設置される冷暖房装置は、一般家庭のエアコンに比較して長期間にわたって利用されるために、定期的なメンテナンスは欠かせないものとなる。
このメンテナンスは、比較的長期の年単位の間隔で行なわれる冷暖房装置全体を整備点検するメンテナンスと、数か月単位の比較的短期で行なわれるフィルター清掃などを含むメンテナンスとに分けることができる。
したがって、比較的短期で行なわれるフィルター清掃などのメンテナンス時において、全体重量が嵩む前記した防球ガードの全体を、その都度開閉や着脱操作を行なうことは、作業効率の低下を招くだけでなく、メンテナンス作業者への労力の負担も強いることになる。
【0006】
この発明は前記したような事情の下になされたものであり、冷暖房装置に施すメンテナンスの程度に応じて、冷暖房装置を覆うネット部の全体や、その一部を選択的に開閉可能に構成すると共に、ネット部全体もしくはその一部の開閉操作が容易になし得る防球ガードを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するためになされた、この発明に係る防球ガードは、天井面または壁面に設置された冷暖房装置を保護する防球ガードであって、前記冷暖房装置の設置位置を囲むようにして前記天井面または壁面に対して固定されるベースフレームと、前記ベースフレ一ムの外形形状に合わせて形成され、前記ベースフレームに対して回動可能に設けられた柵フレームと、前記柵フレームに固定され、前記冷暖房装置を覆うことが可能なネット部と、前記柵フレームを回動可能とするために、前記ベースフレーム及び柵フレームの対向する一辺において、前記ベースフレームと柵フレームとを跨ぐように設けられた複数個の蝶番と、前記蝶番が設けられない前記ベースフレーム及び柵フレームの対向する少なくとも他の一辺において、前記ベースフレームと前記柵フレームと跨ぐようにして配置されて、前記ベースフレームと前記柵フレームとを締結する締結部材とが備えられ、前記ネット部には、前記ネット部の一部に開口が形成され、前記開口に対してサブネットが、開閉可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
この場合、前記ネット部の一部に形成された前記開口を開閉するサブネットは、前記サブネットの一辺を前記開口の縁部に沿ってそれぞれ連結する複数の連結体によって、前記ネット部に対して回動可能に取り付けると共に、前記サブネットの回動自由端側には、前記自由端側を前記ネット部に締結するサブネットの施錠体が備えられていることが望ましい。
【0009】
そして、前記蝶番は、一方向に突出するピンを有するピン側部材と、前記ピンが挿入可能な筒部を有する筒側部材とを有し、前記ベースフレーム及び柵フレームの対向する一辺に設けられる複数の前記蝶番において、一つの蝶番における前記ピン側部材のピンと、他の蝶番における前記ピン側部材のピンとが、互いに対向する方向に突出して配置される。
【0010】
前記した防球ガードによれば、比較的短期において行なわれる冷暖房装置のフィルター清掃などのメンテナンス時においては、冷暖房装置の全体を覆うネット部の一部に施された開口を覆うサブネットを開閉することで、前記メンテナンスを施すことができる。これにより、作業効率の向上とメンテナンス作業者に加わる労力の負担も軽減させることができる。
また、比較的長期の年単位の間隔で行なわれる冷暖房装置全体を整備点検するメンテナンス時においては、ベースフレーム及び柵フレームの対向する一辺において、ベースフレームに対して柵フレームを回動可能に支持する複数個の蝶番により、冷暖房装置の全体を覆うネット部を、容易に開閉させることができる。
【0011】
しかも、前記複数の蝶番は、一つの蝶番におけるピンと他の蝶番におけるピンとが互いに対向する方向に突出している抜き差し蝶番であり、前記一つの蝶番のピンのみを取り外し、柵フレームを一方向にスライドさせることで、ベースフレームに対して柵フレームに取り付けられたネット部を、容易に取り外し、もしくは装着させることができる。
したがって、比較的重量が嵩む柵フレームと一体のネット部の取り外し作業や装着作業においても、その操作が容易であり、これにより作業の安全性を確保することに寄与できる。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る防球ガードによると、冷暖房装置に施すメンテナンスの程度に応じて、ネット部の全体、もしくはネット部の一部を選択的に開閉可能にすることが可能であり、しかも、ネット部もしくはその一部の開閉操作を容易になし得る防球ガードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明に係る防球ガードを冷暖房装置側から見た正面図である。
図2図1に示す防球ガードの底面図である。
図3図1に示す防球ガードの背面図である。
図4図1に示す防球ガードにおけるネット部の単品構成を示した正面図である。
図5図4に示すネット部に取り付けられるサブネットの単品構成を示した正面図である。
図6】ネット部全体を開いた状態の側面図である。
図7】ネット部からサブネットを開いた状態の側面図である。
図8】(A)及び(B)は蝶番を分解した状態で示す平面図、(C)は蝶番を組み付けた状態で示す平面図である。
図9図1の防球ガードが備える複数の蝶番の配置例の一部を示す平面図である
図10図1の防球ガードが備えるキャッチクリップの平面図である。
図11】ネット部にサブネットを取り付ける連結体を示し、(A)は斜視図、(B)は端面側から見た側面図である。
図12】ネット部にサブネット締結する施錠体を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明に係る防球ガードの実施の形態を図面に基づいて説明する。
図に示す防球ガード30は、例えば体育館の天井面70に取り付けられた破線で示す冷暖房装置50を、その下側から覆うことで、球技等によるボールの衝突から冷暖房装置50を保護するために利用される。
【0015】
図に示す例においては、図6に示したように垂直な壁面71に沿った天井面70に対して、冷暖房装置50が設置されており、この冷暖房装置50の設置位置を囲むようにして、天井面70に対してベースフレーム1が固定される。
このベースフレーム1は、冷暖房装置50の前面吹き出し側と、その左右を取り囲むようにしてコ字状に形成されており、このベースフレーム1は図示せぬボルト・ナット等を用いて、前記天井面70に対して取り付けられる。
また、前記したベースフレーム1の外形形状に合わせて、コ字状に形成された柵フレーム2が備えられ、この柵フレーム2は、後述する複数個の蝶番7によって、ベースフレーム1に対して回動可能に取り付けられる。
【0016】
すなわち、柵フレーム2は前記したベースフレーム1に対して、コ字状に形成された中央部の一辺に沿って、ほぼ等間隔に配置された後述する4つの蝶番7(図1図2参照)によって取り付けられており、これにより、柵フレーム2のコ字状に形成された両脚部側が、ベースフレームに対して開閉できるように構成されている。
そして、柵フレーム2には、図4に単品構成で示したネット部3が、冷暖房装置50を下側から覆うようにして取り付けられている。
【0017】
なお、前記ネット部3には、図4に示すように冷暖房装置50を下側から覆う下側面の下半部に、矩形状の開口4が形成されており、この開口4に対して図5に示した偏平状のサブネット5が、開閉可能に取り付けられている。
すなわち、ネット部3に設けられた矩形状の開口4は、冷暖房装置50に配置された前記したフィルターの設置位置に相当し、冷暖房装置50のフィルター清掃などのメンテナンス時において、矩形状の開口4に取り付けられた前記したサブネット5が開放される。
【0018】
そして、前記ネット部3には、前記開口4を覆うサブネット5と共に、これを天井面70に取り付けた状態において、冷暖房装置50を下側から覆う下側ネットと、冷暖房装置50の吹き出し口側を覆う前側ネットと、冷暖房装置50の左右を覆う左右ネットとが備えられる。これらの各ネットは、例えばアルミニウム合金の丸棒により、比較的大きな矩形状の網目を形成し、ネット部3の全体の外郭は、直方体形状を構成している。
【0019】
一方、前記した蝶番7が設けられないベースフレーム1及び柵フレーム2の対向するコ字状の両脚部には、ベースフレーム1に対して、柵フレーム2を固定するための複数のキャッチクリップ(締結部材)11が備えられている。
この実施の形態においては、キャッチクリップ11は、図1図3等に示されているように、ベースフレーム1及び柵フレーム2のコ字状の両脚部におけるそれぞれの先端部付近の二か所に取り付けられている。
なお、キャッチクリップ11の具体的な構成は後で説明する。
【0020】
図8は、ベースフレーム1に対して柵フレーム2を回動可能に取り付ける蝶番7の例を示している。
この蝶番7は、図8(A)、(B)に示すようにピンの長手方向に沿って、互いに分離可能なピン側部材8と筒側部材9とにより、抜き差し蝶番を構成している。前記ピン側部材8は、ビスなどの取り付け穴が設けられた取り付け板8aと、枢軸部8bと、前記枢軸部8bから突出するピン8cとからなる。一方、筒側部材9は、ビスなどの取り付け穴が設けられた取り付け板9aと、前記ピン8cが挿人可能な枢軸筒部9b(筒部)とからなる。したがって、図8(A)に示した蝶番7を組み付けると、図8(C)に示した構成となる。
【0021】
図8(A)と図8(B)とは、枢軸部8bからのピン8cの突出方向が異なるものであり、それぞれを図9に示すようにベースフレーム1及び柵フレーム2に跨がるように配置することにより、ベースフレーム1から柵フレーム2と一体のネット部3が、不用意に抜け落ちるのを防止させるができる。
すなわち、図8(A)の構成を左用蝶番とし、図8(B)の構成を右用蝶番として、例えば図9に示すように、向かって左端に左用を配置し、その他に全て右用を配置した構成とする。これによると、ネット部3の清掃時などにおいては、左用のピン8cを固定する取り付け板8aのみを取り外すことにより、柵フレーム2と一体のネット部3を、横にスライドさせることで、柵フレーム2と一体のネット部3を、ベースフレーム1から容易に外すことができる。
【0022】
次に図10は、コ字状に形成されたベースフレーム1及び柵フレーム2の両脚部におけるそれぞれの先端部付近の二か所に、ベースフレーム1と柵フレーム2とを跨ぐようにして取り付けられたキャッチクリップ(締結部材)11の外観構成を示している。
このキャッチクリップ11は、ベースフレーム1側にビス固定されて、U字状に湾曲された爪部12aを有する係止体12と、柵フレーム2側に取り付けられて、操作レバー13aの立ち上げ操作により、先端部の短軸13bを湾曲した前記爪部12aに掛け留めることができるクリップ部13から構成される。
【0023】
なお、このクリップ部13には一対のバネ13cが備えられ、クリップ部13の前記短軸13bは、バネ13cを介して前記爪部12aに対して係止される。これにより、係止体12がクリップ部13によって係止された状態においては、前記バネ13cの付勢力によって、柵フレーム2はベースフレーム1対して緩みなく強固に結合される。
【0024】
したがって、ネット部3が取り付けられた柵フレーム2は、長手方向の一辺に沿って配置された複数(4個)の蝶番7によって、ベースフレーム1に対して開閉可能に取り付けられると共に、コ字状に形成された柵フレーム2の両脚部のそれぞれの先端部付近において、前記した複数のキャッチクリップ11によって、ベースフレーム1に締結される。
これにより、球技などのボールの衝突により強い衝撃を受けても、ネット部3によって冷暖房装置50を保護できると共に、柵フレーム2と一体のネット部3の落下を確実に防止させることができる。
【0025】
図11(A)及び(B)は、ネット部3に施された矩形状の開口4に、サブネット5を開閉可能に取り付ける蝶番の機能を備えたサブネットの連結体15を示している。
この連結体15は、L形材15aとプレート材15bとの間に、角パイプ15cを介在させて、前記3つの部材を貫通する貫通穴15dに、図示せぬボルトを挿通することにより組み立てられる。なお、前記連結体15は、L形材15aとプレート材15bとの間を、溶接により結合してU字状に一体形成することで、機械的な強度を確保させた構造とすることが望ましい。
【0026】
そして、前記した3つの部材により囲まれて形成された軸方向に長い中空路内には、図11(B)に示すように、ネット部3の開口縁を形成する若干太い丸棒3aと、サブネット5の長手方向の一辺を構成する若干細い丸棒5aが挿入されて連結される。したがって連結体15は、太い丸棒3aを有するネット部3側に固定されて、細い丸棒5aを有するサブネット5の一辺が、ネット部3に施された前記開口4を開閉するようにして取り付けられる。
前記したサブネットの連結体15は、例えば図1及び図7に示すように、前記した蝶番7の配置位置とは反対側のネット部3における下底部の3か所において配置される。
【0027】
そして、ネット部3に施された開口4を開閉するサブネット5の回動自由端側には、この回動自由端側を前記ネット部3に締結するサブネットの施錠体20が備えられる。この施錠体20としては、コインロックと呼ばれる部材を利用することができる。
このコインロック20は、例えば図1及び図5に示したように、サブネット5の回動自由端側に溶接等により取り付けられたコインロック取り付けプレート25を利用して、このプレート25に形成された貫通孔にネジ止めすることで装着される。
【0028】
図12は、サブネットの施錠体としてのコインロック20の例を示している。
このコインロック20は、前面に鍔部を備え周面に雄ネジを施した筒状のケース20aと、このケース20aの前記雄ネジに螺合するナット20bと、前記ケース20aの前面側にマイナス溝が施された回動体20cと、前記回動体20cの後端部側に取り付けられたロック板20dを備える。
そして、回動体20cと、これに取り付けられたロック板20dは、図12(A)に示すように、ケース20aに対して90度の範囲で回動可能となるように、ケース20aに取り付けられている。
【0029】
前記したコインロック20は、サブネット5に装着されたコインロック取り付けプレート25に施された貫通孔を利用して、ケース20aの前面側の鍔部と、これに螺合するナット20bによって挟持された状態で取り付けられる。
そして、コインロック20の前面側に施された回動体20cのマイナス溝に、ドライバーもしくはコインの円弧状の周縁を差し込んで、回動体20cを回動させることで、回動体20cの後端部側に取り付けられた前記したロック板20dを90度の範囲で回動させることができる。
【0030】
なお図1は、ロック板20dがネット部3の開口縁における丸棒に係止することで、サブネット5がネット部3の開口4を閉じて、ロックした状態を示している。
この状態で各コインロック20のロック板20dを、90度回動させることで、サブネット5のロックは解除される。これにより、図7に示すように、サブネット5は蝶番として機能する前記した連結体15を介して、ネット部3に施された開口4を開放するように作用する。
【0031】
なお、図1に示すように、ネット部3の開口4に沿って、幅の狭い受けプレート27が、例えば溶接により取り付けられている。この受けプレート27は、前記したサブネット5がネット部3の開口4を閉じた状態において、サブネット5の回動自由端側が、ネット部3の内側に入り込むのを阻止するためのストッパーとしての機能を果たすものとなる。
【0032】
以上の説明で明らかなとおり、前記した実施の形態によると、比較的長期の年単位の間隔で行なわれる冷暖房装置全体を整備点検するメンテナンス時においては、締結部材としてのキャッチクリップ11を外すことにより、ベースフレーム1に対して柵フレーム2を回動可能に支持する複数個の蝶番7により、冷暖房装置50の全体を覆うネット部3を、図6に示すように開放することができる。
この場合、一つの蝶番におけるピン側部材のピンと、他の蝶番におけるピン側部材のピンとが、互いに対向する方向に突出している抜き差し蝶番を利用することで、重量の嵩む棚フレーム2と一体のネット部3の脱落を防止することができ、メンテナンス作業の安全性を確保することができる。
【0033】
一方、比較的短期において行なわれる冷暖房装置50のフィルター清掃などのメンテナンス時においては、ネット部3の一部に施された開口4を覆うサブネット5の施錠体(コインロック)20を開錠操作することで、図7に示すようにサブネット5を開放することができる。
したがって、前記した防球ガード30によると、冷暖房装置に施すメンテナンスの程度に応じて、ネット部3の全体もしくはネット部の一部(サブネット5)を選択的に開閉可能にすることが可能であり、作業効率の向上とメンテナンス作業者に加わる労力の負担も軽減させることができる。
【0034】
なお、前記した実施の形態においては、天井面70に取り付けた冷暖房装置50を対象とした防球ガード30について説明したが、これは垂直壁面71に取り付けた冷暖房装置50を覆う防球ガード30に適用することもでき、同様の作用効果を得ることができる。
また、前記した実施の形態においては、ベースフレーム1に対する棚フレーム2側の締結部材11としてキャッチクリップを用い、サブネットの施錠体20としてコインロックを用いているが、これらはキャッチクリップ及びコインロックに限らず、その他の構成の締結部材及び施錠体を用いることもできる。
さらに、前記した実施の形態においては、一つの冷暖房装置50を覆う形態を例にして説明したが、この発明においてはこれに限定されず、複数配列された冷暖房装置50を、一つのネット部3で覆う防球ガード30として適用することもできる。
【符号の説明】
【0035】
1 ベースフレーム
2 柵フレーム
3 ネット部
4 開口
5 サブネット
7 蝶番
8 ピン側部材
8c ピン
9 筒側部材
9b 枢軸筒部(筒部)
11 キャッチクリップ(締結部材)
15 サブネットの連結体
20 コインロック(サブネットの施錠体)
30 防球ガード
50 冷暖房装置
70 天井面
71 垂直壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12