(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144106
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】イベント検出素子及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 5/3745 20110101AFI20220926BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20220926BHJP
H04N 5/355 20110101ALI20220926BHJP
H04N 5/369 20110101ALI20220926BHJP
【FI】
H04N5/3745
H01L27/146 A
H04N5/355 180
H04N5/369
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021044973
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】花田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠
(72)【発明者】
【氏名】土本 航也
(72)【発明者】
【氏名】村川 祐亮
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA02
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118DD09
4M118EA14
4M118FA06
4M118FA28
4M118GB07
5C024CX43
5C024GX03
5C024GX16
5C024GY39
5C024GY41
5C024HX17
5C024HX23
(57)【要約】
【課題】ダイナミックレンジの拡大を図ることができるイベント検出素子を提供する。
【解決手段】イベント検出素子は、それぞれ入射光の受光量の変化量が所定の閾値を超えたか否かの検出結果を示すイベント検出信号を出力する複数の画素を備える。複数の画素のそれぞれは、第1導電型の支持層と、支持層の光入射側に積層される埋め込み酸化膜と、埋め込み酸化膜の光入射側に積層されるシリコン層とを有する基板と、シリコン層から支持層に至り形成され、入射光の受光量に応じた電荷を発生する第1導電型とは逆の第2導電型の光電変換部と、シリコン層に位置し、光電変換部により発生した電荷による光電流を、対数の電圧信号に変換する対数変換トランジスタと、光電変換部と対数変換トランジスタとの間を絶縁して分離する分離部とを備える。対数変換トランジスタは、ソースを第1導電型としたトンネル電界効果トランジスタである。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ入射光の受光量の変化量が所定の閾値を超えたか否かの検出結果を示すイベント検出信号を出力する複数の画素
を備え、
前記複数の画素のそれぞれは、
第1導電型の支持層と、該支持層の光入射側に積層される埋め込み酸化膜と、該埋め込み酸化膜の光入射側に積層されるシリコン層とを有する基板と、
前記シリコン層から前記支持層に至り形成され、前記入射光の受光量に応じた電荷を発生する前記第1導電型とは逆の第2導電型の光電変換部と、
前記シリコン層に位置し、該光電変換部により発生した電荷による光電流を、対数の電圧信号に変換する対数変換トランジスタと、
前記光電変換部と前記対数変換トランジスタとの間を絶縁して分離する分離部と
を備え、
前記対数変換トランジスタは、ソースを前記第1導電型としたトンネル電界効果トランジスタである
イベント検出素子。
【請求項2】
前記対数変換トランジスタのソースは、前記光電変換部と配線により電気的に接続される
請求項1に記載のイベント検出素子。
【請求項3】
前記複数の画素のそれぞれは、
前記光電変換部により発生した電荷の量に応じて前記対数変換トランジスタのゲートにかかる電位を増幅する増幅トランジスタを備え、該増幅トランジスタを前記埋め込み酸化膜と、前記分離部とにより囲い込む
請求項1に記載のイベント検出素子。
【請求項4】
前記増幅トランジスタのゲートは、前記対数変換トランジスタのソース、及び前記光電変換部と配線により電気的に接続される
請求項3に記載のイベント検出素子。
【請求項5】
それぞれ入射光の受光量の変化量が所定の閾値を超えたか否かの検出結果を示すイベント検出信号を出力する複数の画素
を備え、
前記複数の画素のそれぞれは、
第1導電型の支持層と、該支持層の光入射側に積層される埋め込み酸化膜と、該埋め込み酸化膜の光入射側に積層されるシリコン層とを有する基板と、
前記シリコン層から前記支持層に至り形成され、前記入射光の受光量に応じた電荷を発生する前記第1導電型とは逆の第2導電型の光電変換部と、
前記シリコン層に位置し、該光電変換部により発生した電荷による光電流を、対数の電圧信号に変換する対数変換トランジスタと、
前記光電変換部と前記対数変換トランジスタとの間を絶縁して分離する分離部と
を備え、
前記対数変換トランジスタは、ソースを前記第1導電型としたトンネル電界効果トランジスタである
イベント検出素子を備えた、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イベント検出素子、及びイベント検出素子を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、垂直同期信号などの同期信号に同期して画像データ(フレーム)を撮像する固体撮像素子が、撮像装置などにおいて用いられている。この一般的な固体撮像素子では、同期信号の周期(例えば、1/60秒)ごとにしか画像データを取得することができないため、交通やロボットなどに関する分野において、より高速な処理が要求された場合に対応することが困難になる。そこで、画素アドレスごとに、その画素の光量が閾値を超えた旨をアドレスイベントとしてリアルタイムに検出する検出回路を画素毎に設けた固体撮像素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように、画素毎にアドレスイベントを検出する固体撮像素子は、EVS(Event based Vision Sensor)と呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記EVSは、受光光量に応じた電荷を発生させる光電変換素子と、光電変換素子により発生した電荷による光電流の電流値の変化に基づいてアドレスイベントの発火の有無を検出するための回路とが同一の基板に集積された構成を有する。しかしながら、上記EVSでは、搭載するトランジスタの構造に起因して照度換算のダイナミックレンジが制限される。
【0005】
本開示はこのような事情に鑑みてなされたもので、ダイナミックレンジの拡大を図ることができるイベント検出素子及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、それぞれ入射光の受光量の変化量が所定の閾値を超えたか否かの検出結果を示すイベント検出信号を出力する複数の画素を備え、前記複数の画素のそれぞれは、第1導電型の支持層と、当該支持層の光入射側に積層される埋め込み酸化膜と、該埋め込み酸化膜の光入射側に積層されるシリコン層とを有する基板と、前記シリコン層から前記支持層に至り形成され、前記入射光の受光量に応じた電荷を発生する前記第1導電型とは逆の第2導電型の光電変換部と、前記シリコン層に位置し、該光電変換部により発生した電荷による光電流を、対数の電圧信号に変換する対数変換トランジスタと、前記光電変換部と前記対数変換トランジスタとの間を絶縁して分離する分離部とを備え、前記対数変換トランジスタは、ソースを前記第1導電型としたトンネル電界効果トランジスタであるイベント検出素子である。
【0007】
本開示の他の態様は、それぞれ入射光の受光量の変化量が所定の閾値を超えたか否かの検出結果を示すイベント検出信号を出力する複数の画素を備え、前記複数の画素のそれぞれは、第1導電型の支持層と、当該支持層の光入射側に積層される埋め込み酸化膜と、該埋め込み酸化膜の光入射側に積層されるシリコン層とを有する基板と、前記シリコン層から前記支持層に至り形成され、前記入射光の受光量に応じた電荷を発生する前記第1導電型とは逆の第2導電型の光電変換部と、前記シリコン層に位置し、該光電変換部により発生した電荷による光電流を、対数の電圧信号に変換する対数変換トランジスタと、前記光電変換部と前記対数変換トランジスタとの間を絶縁して分離する分離部とを備え、前記対数変換トランジスタは、ソースを前記第1導電型としたトンネル電界効果トランジスタであるイベント検出素子を備えた、電子機器である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本技術の一実施形態に係る固体撮像素子の一構成例を示すブロック図である。
【
図2】本技術の一実施形態における画素アレイ部の一構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態の比較例として、画素における対数変換回路の配置構成を示す平面図である。
【
図4】実施形態の比較例として、画素を通る点線矢印A-A’を垂直方向に切断した基板の断面図である。
【
図5】本技術の一実施形態として、画素を通る点線矢印A-A’を垂直方向に切断した基板の断面図である。
【
図6】MOSFETとTFETとの電圧電流の関係を示す図である。
【
図7】本技術の一実施形態に係る画素を形成するためのプロセスフローを示す断面図(その1)である。
【
図8】本技術の一実施形態に係る画素を形成するためのプロセスフローを示す断面図(その2)である。
【
図9】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重複する説明を省略する。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものと異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0010】
本明細書において、「第1導電型」はp型又はn型の一方であり、「第2導電型」はp型又はn型のうちの「第1導電型」とは異なる一方を意味する。また、「n」や「p」に付す「+」や「-」は、「+」及び「-」が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物密度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。但し、同じ「n」と「n」とが付された半導体領域であっても、それぞれの半導体領域の不純物密度が厳密に同じであることを意味するものではない。
【0011】
また、以下の説明における上下等の方向の定義は、単に説明の便宜上の定義であって、本開示の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば上下は左右に変換して読まれ、180°回転して観察すれば上下は反転して読まれることは勿論である。
なお、本明細書中に記載される効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0012】
<一実施形態>
(固体撮像素子の全体構成)
本技術の一実施形態に係るイベント検出素子としての固体撮像素子100について説明する。
図1は、本技術の一実施形態に係る固体撮像素子100の一構成例を示すブロック図である。固体撮像素子100は、駆動回路111、信号処理部112、アービタ113及び画素アレイ部200を備える。
【0013】
画素アレイ部200には、複数の画素210が二次元格子状に配列される。複数の画素210のそれぞれは、光電流に応じた電圧のアナログ信号を画素信号として生成する。また、複数の画素210のそれぞれは、光電流の変化量が所定の閾値を超えたか否かにより、アドレスイベントの有無を検出する。そして、アドレスイベントが生じた際に画素210は、リクエストをアービタ113に出力する。
【0014】
駆動回路111は、複数の画素210のそれぞれを駆動して画素信号を図示しないカラムAD変換器または信号処理部112に出力させるものである。
アービタ113は、画素210からのリクエストを調停し、調停結果に基づいて応答をリクエスト元の画素210に送信するものである。応答を受け取った画素210は、イベント検出信号を駆動回路111及び信号処理部112に出力する。
【0015】
信号処理部112は、画素210もしくはカラムAD変換器からの画素信号に対し、CDS(Correlated Double Sampling)処理や画像認識処理などの所定の信号処理を実行するものである。
【0016】
(画素アレイ部の構成例)
図2は、本技術の一実施形態における画素アレイ部200の一構成例を示すブロック図である。画素アレイ部200は、複数の画素210と、転送部220とを備える。複数の画素210のそれぞれは、光電変換部としてのフォトダイオード(PD)231を含む対数変換回路230と、バッファ240と、減算器250と、量子化器260とを備える。
【0017】
対数変換回路230は、フォトダイオード231からの光電流を、その対数の電圧信号に変換するものである。この対数変換回路230は、電圧信号をバッファ240に出力する。フォトダイオード231は、入射光を光電変換する光電変換部を構成する。フォトダイオード231のアノードは接地されている。フォトダイオード231のカソードには、対数変換トランジスタ232のソースが接続されている。
【0018】
バッファ240は、対数変換回路230から出力される電圧信号を補正するものである。このバッファ240は、補正後の電圧信号を減算器250に出力する。
減算器250は、駆動回路111からの駆動信号に従ってバッファ240から出力される電圧信号のレベルを低下させるものである。この減算器250は、低下後の電圧信号を量子化器260に出力する。
【0019】
量子化器260は、減算器250から出力される電圧信号と、所定の閾値電圧とを比較するものである。量子化器260は、比較結果を示す信号をイベント検出信号として転送部220に出力する。
転送部220は、量子化器260からのイベント検出信号を信号処理部112等に転送するものである。この転送部220は、アドレスイベントが検出された際に、イベント検出信号の送信を要求するリクエストをアービタ113に出力する。そして、転送部220は、リクエストに対する応答をアービタ113から受信すると、イベント検出信号を駆動回路111及び信号処理部112に出力する。
【0020】
対数変換回路230は、対数変換トランジスタ232と、増幅トランジスタ233と、トランジスタ234とを備える。対数変換トランジスタ232のソース232sは、フォトダイオード231に接続され、ドレイン232dは電源端子に接続される。増幅トランジスタ233及びトランジスタ234は、電源端子と接地との間において、直列に接続される。また、増幅トランジスタ233のドレイン233d及びトランジスタ234のソース234sの接続点は、対数変換トランジスタ232のゲート232gとバッファ240とに接続される。また、トランジスタ234のゲート234gには、所定のバイアス電圧が印加される。
【0021】
対数変換トランジスタ232のドレイン232d及びトランジスタ234のドレイン234dは、電源側に接続されており、このような回路はソースフォロワと呼ばれる。増幅トランジスタ233のゲート233gは、フォトダイオード231及び対数変換トランジスタ232のソース232sに接続される。増幅トランジスタ233は、フォトダイオード231により発生した電荷の量に応じて対数変換トランジスタ232のゲート232gにかかる電位を増幅する。
【0022】
2つのソースフォロワにより、フォトダイオード231からの光電流は、対数変換トランジスタ232により対数の電圧信号に変換される。また、トランジスタ234は、一定の電流を増幅トランジスタ233に供給する。
【0023】
<実施形態の比較例>
(対数変換回路の配置構成)
図3は、画素210における対数変換回路230、バッファ240、減算器250及び量子化器260の配置構成を示す平面図である。なお、
図3では、対数変換回路230のフォトダイオード231、対数変換トランジスタ232及び増幅トランジスタ233の配置構成を代表して説明する。
【0024】
複数の画素210間は、画素間分離部(RFTI)270により電気的に素子分離されている。画素間分離部270は、各画素210を取り囲むように格子状に形成されている。
【0025】
(画素の断面構造)
図4は、画素210を通る点線矢印A-A’を垂直方向に切断した基板280の断面図を示す。以下、固体撮像素子100の各画素210の光入射面側(
図4の上側)の面を「裏面」と呼び、光入射面側とは反対側(
図4の下側)の面を「表面」と呼ぶ。
【0026】
図4に示すように、画素210は、基板280に、フォトダイオード231、対数変換トランジスタ232のソース232s及びドレイン232d、増幅トランジスタ233のソース233s及びドレイン233dを形成している。基板280の裏面には、対数変換トランジスタ232のゲート232g、増幅トランジスタ233のゲート233gが積層される。
【0027】
基板280としては、例えば、シリコン(Si)からなるp型半導体基板を使用できる。フォトダイオード231では、入射された光の光量に応じた信号電荷が生成され、生成された信号電荷が蓄積される。また、基板280の界面で発生する暗電流の原因となる電子は、基板280の裏面側から深さ方向に形成されたp型半導体領域及び表面に形成されたp型半導体領域の多数キャリアである正孔に吸収されることで、暗電流が抑制される。
【0028】
画素間分離部270は、
図4に示すように、基板280の裏面側から深さ方向に形成されている。画素間分離部270は、遮光性能を高くするための絶縁膜が埋め込まれている。
【0029】
対数変換トランジスタ232のソース232sと、増幅トランジスタ233のゲート233gとの間は、配線291により電気的に接続されている。また、対数変換トランジスタ232のゲート232gと、増幅トランジスタ233のドレイン233dとの間は、配線292により電気的に接続されている。
【0030】
対数変換トランジスタ232のドレイン232dは、図示しない配線を介して電源端子235に接続されている。また、増幅トランジスタ233のドレイン233dは、配線292及び他の配線(図示せず)を介して電源端子235に接続されている。増幅トランジスタ233のソース233sは、接地(Vss)されている。
ところで、
図4に示すように、基板280に対数変換トランジスタ232を搭載した構造では、照度換算のダイナミックレンジが制限される。
【0031】
<一実施形態の解決手段>
そこで、一実施形態では、MOSFETの対数変換トランジスタ232をトンネル電界効果トランジスタ(TFET)の対数変換トランジスタ310に代え、基板280をSOI構造の基板400に代えるものとしている。
【0032】
図5(a)は、一実施形態において、上記
図4に示す画素210を通る点線矢印A-A’を垂直方向に切断した基板400の断面図を示す。
図5(b)は、対数変換トランジスタ310の平面図を示す。なお、
図5(a)において、上記
図4と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
図5(a)において、SOI構造の基板400は、p型(第1導電型)の支持層(P-sub)410と、支持層410の裏面側に積層される埋め込み酸化膜(Box)420と、埋め込み酸化膜420の裏面側に積層されるシリコン層430とにより構成される。
【0034】
SOI構造の基板400には、シリコン層430から支持層410に至り、n型(第2導電型)のフォトダイオード231が形成されている。また、シリコン層430には、増幅トランジスタ233のソース233s及びドレイン233d、対数変換トランジスタ310のソース310s及びドレイン310dが形成されている。
【0035】
対数変換トランジスタ310は、
図5(b)に示すように、p型(P+)のソース310sを有し、分離部(STI)510によりフォトダイオード231や他のトランジスタと電気的に素子分離されている。
増幅トランジスタ233は、分離部(STI)520によりフォトダイオード231や他のトランジスタと電気的に素子分離されている。なお、画素間分離部270のシリコン層430に、分離部(STI)530が形成されている。
【0036】
分離部510,520,530は、シリコン層430の裏面側から埋め込み酸化膜420までの深さ方向に形成されている。分離部510,520,530は、遮光性能を高くするための絶縁膜が埋め込まれている。
対数変換トランジスタ310のソース310sと、フォトダイオード231と、増幅トランジスタ233のゲート233gとの間は、配線610により電気的に接続されている。また、対数変換トランジスタ310のゲート310gと、増幅トランジスタ233のドレイン233dとの間は、配線620により電気的に接続されている。
【0037】
一実施形態では、対数変換トランジスタ310をトンネル電界効果トランジスタ(TFET)とすることで、照度換算でダイナミックレンジ(DR)を拡大することができる。
図6(a)は、MOSFETとTFETとの電圧電流の関係を示している。なお、
図6(a)において、縦軸は対数変換トランジスタ310のドレイン310dに流れる光電流(I
D)の値を示し、横軸は対数変換トランジスタ310のゲート310gにバイアスされる電圧(V
G)を示している。
図6(a)に示す点丸で囲った対数リニアティが取れている領域では、TFETはMOSFETよりもドレイン310dに流れる光電流(I
D)の値が大きい。
【0038】
図6(b)は、対数リニアティが取れている領域の拡大図を示している。
図6(b)において、縦軸は照度、つまり対数変換トランジスタ310のドレイン310dに流れる光電流(I
D)の値を示し、横軸は対数変換トランジスタ310のゲート310gにバイアスされる電圧(V
G)を示している。
図6(b)において、同じ電圧(Vout)でもTFETの方がより多くの光電流(照度)を受けることができるので、照度換算でダイナミックレンジ(DR)を拡大することができる。
【0039】
図5に戻って、対数変換トランジスタ310は、トンネル電界効果トランジスタであるため、p型のソース310sと基板400の支持層410とがショートしないように、埋め込み酸化膜420と分離部510とで取り囲んでソース310sと支持層410とを分離している。
【0040】
また、フォトダイオード231がn型であり、対数変換トランジスタ310のソース310sがp型であるため、直接フォトダイオード231と対数変換トランジスタ310のソース310sとを接続すると空乏層が形成されてしまう。このため、フォトダイオード231と対数変換トランジスタ310のソース310sとの間を分離部510で分離し、配線610によりフォトダイオード231と対数変換トランジスタ310のソース310sとの間を接続している。
【0041】
なお、増幅トランジスタ233のソース233sがp型であった場合でも、フォトダイオード231と増幅トランジスタ233のソース233sとの間を分離部520で分離することで、空乏層の形成を阻止できる。
【0042】
(画素の製造方法)
図7及び
図8は、一実施形態に係る画素210を形成するためのプロセスフローを示す。
【0043】
図7(a)に示すように、p型の支持層410、埋め込み酸化膜420及びシリコン層430を積層したSOI構造の基板400を用意し、
図7(b)に示すように、埋め込み酸化膜420及びシリコン層430に対してドライエッチング処理を行って、支持層410の上面を露出した開口部710を得る。
【0044】
開口部710を得た後、
図7(c)に示すように、例えばエピタキシャル成長させてシリコン層430の上面にシリコン層730を形成し、開口部710に対しフォトダイオード231用のシリコン層720を形成する。
【0045】
次に、
図7(d)に示すように、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨により、シリコン層720の上面をシリコン層430の上面と面一にする。
次に、
図8(a)に示すように、シリコン層430に対してドライエッチング処理を行って、埋め込み酸化膜420の上面を露出した開口部741,742を得る。
【0046】
開口部741,742を得た後、
図8(b)に示すように、開口部741に対し分離部510を形成し、開口部742に対し分離部520を形成する。
以後、
図8(c)に示すように、シリコン層720にフォトダイオード231を形成し、増幅トランジスタ233及び対数変換トランジスタ310を含むトランジスタを形成する。
【0047】
<一実施形態による作用効果>
以上のように一実施形態によれば、対数変換トランジスタ310をp型のソース310sを有するトンネル電界効果トランジスタとすることにより、照度換算でダイナミックレンジを拡大することができる。
また、一実施形態によれば、対数変換トランジスタ310を埋め込み酸化膜420と分離部510とにより取り囲むことで、対数変換トランジスタ310のソース310sと基板400の支持層410とがショートしないようにすることができる。
【0048】
さらに、一実施形態によれば、対数変換トランジスタ310のソース310sがp型で、フォトダイオード231がn型であることから、直接接続すると空乏層が形成されて駆動できなくなるため、別途に対数変換トランジスタ310のソース310sと、フォトダイオード231とを配線610により電気的に接続することで、駆動できるようになる。
【0049】
<その他の実施形態>
上記のように、本技術は一実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本技術を限定するものであると理解すべきではない。上記の一実施形態が開示する技術内容の趣旨を理解すれば、当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が本技術に含まれ得ることが明らかとなろう。また、一実施形態がそれぞれ開示する構成を、矛盾の生じない範囲で適宜組み合わせることができる。例えば、複数の異なる実施形態がそれぞれ開示する構成を組み合わせてもよく、同一の実施形態の複数の異なる変形例がそれぞれ開示する構成を組み合わせてもよい。
【0050】
<移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0051】
図9は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図9に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0052】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0053】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0054】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0055】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0056】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0057】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0058】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0059】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0060】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図9の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0061】
図10は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
図10では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0062】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0063】
なお、
図10には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0064】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0065】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0066】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0067】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0068】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031等に適用され得る。具体的には、
図1の固体撮像素子100は、撮像部12031に適用することができる。
【0069】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
それぞれ入射光の受光量の変化量が所定の閾値を超えたか否かの検出結果を示すイベント検出信号を出力する複数の画素
を備え、
前記複数の画素のそれぞれは、
第1導電型の支持層と、該支持層の光入射側に積層される埋め込み酸化膜と、該埋め込み酸化膜の光入射側に積層されるシリコン層とを有する基板と、
前記シリコン層から前記支持層に至り形成され、前記入射光の受光量に応じた電荷を発生する前記第1導電型とは逆の第2導電型の光電変換部と、
前記シリコン層に位置し、該光電変換部により発生した電荷による光電流を、対数の電圧信号に変換する対数変換トランジスタと、
前記光電変換部と前記対数変換トランジスタとの間を絶縁して分離する分離部と
を備え、
前記対数変換トランジスタは、ソースを前記第1導電型としたトンネル電界効果トランジスタである
イベント検出素子。
(2)
前記対数変換トランジスタのソースは、前記光電変換部と配線により電気的に接続される
上記(1)に記載のイベント検出素子。
(3)
前記複数の画素のそれぞれは、
前記光電変換部により発生した電荷の量に応じて前記対数変換トランジスタのゲートにかかる電位を増幅する増幅トランジスタを備え、該増幅トランジスタを前記埋め込み酸化膜と、前記分離部とにより囲い込む
上記(1)に記載のイベント検出素子。
(4)
前記増幅トランジスタのゲートは、前記対数変換トランジスタのソース、及び前記光電変換部と配線により電気的に接続される
上記(3)に記載のイベント検出素子。
(5)
それぞれ入射光の受光量の変化量が所定の閾値を超えたか否かの検出結果を示すイベント検出信号を出力する複数の画素
を備え、
前記複数の画素のそれぞれは、
第1導電型の支持層と、該支持層の光入射側に積層される埋め込み酸化膜と、該埋め込み酸化膜の光入射側に積層されるシリコン層とを有する基板と、
前記シリコン層から前記支持層に至り形成され、前記入射光の受光量に応じた電荷を発生する前記第1導電型とは逆の第2導電型の光電変換部と、
前記シリコン層に位置し、該光電変換部により発生した電荷による光電流を、対数の電圧信号に変換する対数変換トランジスタと、
前記光電変換部と前記対数変換トランジスタとの間を絶縁して分離する分離部と
を備え、
前記対数変換トランジスタは、ソースを前記第1導電型としたトンネル電界効果トランジスタである
イベント検出素子を備えた、
電子機器。
【符号の説明】
【0070】
100…固体撮像素子、111…駆動回路、112…信号処理部、113…アービタ、200…画素アレイ部、210…画素、220…転送部、230…対数変換回路、231…フォトダイオード、232,310…対数変換トランジスタ、232d,233d,234d,310d…ドレイン、232g,233g,234g,310g…ゲート、232s,233s,234s,310s…ソース、233…増幅トランジスタ、235…電源端子、240…バッファ、250…減算器、260…量子化器、270…画素間分離部、280,400…基板、291,292,610,620…配線、410…支持層、420…埋め込み酸化膜、430,720…シリコン層、510,520,530…分離部、710,741,742…開口部、730…レジスト膜、12000…車両制御システム、12001…通信ネットワーク、12010…駆動系制御ユニット、12020…ボディ系制御ユニット、12030…車外情報検出ユニット、12031…撮像部、12040…車内情報検出ユニット、12041…運転者状態検出部、12050…統合制御ユニット、12051…マイクロコンピュータ、12052…音声画像出力部、12061…オーディオスピーカ、12062…表示部、12063…インストルメントパネル、12100…車両、12101,12102,12103,12104,12105…撮像部、12111,12112,12113,12114…撮像範囲。