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特開2022-144178情報読取セット、情報読取装置及び拡張モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144178
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】情報読取セット、情報読取装置及び拡張モジュール
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20220926BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20220926BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G06K7/10 476
G06K7/00 004
G06K7/10 252
G06K7/10 436
G06K7/10 372
H05K5/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045072
(22)【出願日】2021-03-18
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 靖
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB33
4E360AD01
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA14
4E360EC05
4E360EC12
4E360ED03
4E360ED12
4E360ED24
4E360ED28
4E360FA02
4E360FA17
4E360GA04
4E360GA29
4E360GA49
4E360GB99
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】共通の筐体を利用しつつ、異なる読み取り形態に対応可能とした情報読取セット、情報読取装置、拡張モジュールを提供する。
【解決手段】情報読取セット1000は、第一主面11及び第二主面12を有する筐体10と、第二主面12に形成され、第二主面12と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域13を形成し、本体側接続端子20を設けた本体側接合領域30とを備える情報読取装置100と、第三主面41を有するモジュール側筐体40と、バッテリと、第三主面41に設けられ、本体側接合領域30と接合され、かつ本体側接続端子30と接続されるモジュール側接続端子42を設けたモジュール側接合領域43とを備える一以上の拡張モジュール200とを備える。拡張モジュール200は、モジュール側接合領域43を本体側接合領域30に接合した状態で、モジュール側接合領域43の一部を、周囲開放領域13から表出させている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一主面及び前記第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、
前記筐体に設けられたカメラ部と、
前記カメラ部で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部と、
前記第一主面に設けられた表示部と、
外部と無線通信可能な通信インターフェースと、
前記筐体の第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域と、
を備える情報読取装置と、
第三主面を有するモジュール側筐体と、
前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、
前記第三主面に設けられた、前記情報読取装置の本体側接合領域と着脱自在に接合され、かつ前記本体側接続端子と接続されるモジュール側接続端子を設けたモジュール側接合領域と、
を備える一以上の拡張モジュールと、
を備える情報読取セットであって、
前記拡張モジュールは、前記モジュール側接合領域を前記本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側接合領域の一部を、前記周囲開放領域から表出させてなる情報読取セット。
【請求項2】
請求項1に記載の情報読取セットであって、
前記拡張モジュールは、
前記バッテリと、
外部からの入力を受け付けるモジュール側入力部と、
を有する一以上の入力モジュールと、
前記バッテリを備え、
前記モジュール側入力部を有さない
電源モジュールと、
を含み、
前記入力モジュールと電源モジュールのいずれかを、前記情報読取装置に係合可能に構成してなる情報読取セット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報読取セットであって、
前記情報読取装置の本体側接合領域は、前記周囲開放領域の周囲を、部分的に囲む第一壁部を備え、
前記第一壁部は、前記モジュール側筐体の一部と当接して係合される第一係合構造を備えてなる情報読取セット。
【請求項4】
請求項3に記載の情報読取セットであって、
前記情報読取装置の本体側接合領域は、前記周囲開放領域であって、前記第一壁部と離間する位置に、互いに離間して配置された一対の第二壁部を備え、
前記一対の第二壁部は、前記第一係合構造を介して前記第一壁部が前記モジュール側筐体の一部と係合された状態で、前記モジュール側筐体の他の一部と当接して係合される第二係合構造を備えてなる情報読取セット。
【請求項5】
請求項4に記載の情報読取セットであって、
前記第一係合構造が、前記モジュール側筐体の一部と当接する第一当接面と、
前記第二係合構造が、前記モジュール側筐体の他の一部と当接する第二当接面が、交差して配置されてなる情報読取セット。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の情報読取セットであって、
前記互いに離間して配置された一対の第二壁部同士の間に、前記本体側接続端子を配置してなる情報読取セット。
【請求項7】
請求項2~6のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記拡張モジュールは、前記モジュール側接合領域を前記本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側筐体が、前記本体側接合領域の周囲開放領域から、前記第二主面と平行な方向に突出された突出部を有する情報読取セット。
【請求項8】
請求項7に記載の情報読取セットであって、
前記突出部が、テンキーを含むキーパッドである情報読取セット。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の情報読取セットであって、
前記突出部が、ユーザが把持可能な把持部材とされてなる情報読取セット。
【請求項10】
請求項2~6のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記一以上の入力モジュールのいずれかが、
前記モジュール側筐体が、前記第三主面と交差する方向に突出された把持部を備えており、
前記モジュール側入力部が、前記把持部に設けられたトリガである情報読取セット。
【請求項11】
請求項2~6のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記一以上の入力モジュールのいずれかが、前記モジュール側入力部を、
RFIDを読み取るRFIDリーダとしてなる情報読取セット。
【請求項12】
請求項2~11のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記一以上の入力モジュールのいずれかが、前記モジュール側入力部を、寸法測定モジュール、又はサーマルカメラとしてなる情報読取セット。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記情報読取装置が、さらに、
前記複数の拡張モジュールの種別を判別する判定部を備えてなる情報読取セット。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記モジュール側接続端子は、
前記バッテリの電力を供給する給電端子と、
複数のモジュール側信号端子と
を備え、
前記情報読取装置の本体側接続端子は、
前記給電端子と接続されて、前記バッテリから駆動電力を受ける受電端子と、
前記複数のモジュール側信号端子と接続されて、前記拡張モジュールから制御信号を受ける複数の信号端子と、
を備え、
前記情報読取装置の本体側接合領域に、前記拡張モジュールの前記モジュール側接合領域を接合した状態で、
前記給電端子と受電端子が電気的に接続され、前記バッテリから前記情報読取装置に駆動電力が供給されてなる情報読取セット。
【請求項15】
請求項2、または当該請求項2に従属する請求項14に記載の情報読取セットであって、
前記情報読取装置は、その本体側接合領域に、複数の前記拡張モジュールのいずれかの前記モジュール側接合領域を接合した状態で、接続先の拡張モジュールに応じて、前記複数の信号端子の使用数を異ならせてなる情報読取セット。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の情報読取セットであって、
前記複数の信号端子と、前記複数のモジュール側信号端子が、それぞれマトリクス状に配置されてなる情報読取セット。
【請求項17】
請求項14~16のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記本体側接続端子がピン状であり、前記モジュール側接続端子が前記ピン状と接する面状である情報読取セット。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記情報読取装置の本体側接合領域と、拡張モジュールのモジュール側接合領域との接合面に、パッキンを設けてなる情報読取セット。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記拡張モジュールは、外部と接続する有線インターフェースを備えており、
前記情報読取装置は、外部と接続する有線インターフェースを備えていない情報読取セット。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記拡張モジュールは、外部の充電器と接続する外部充電端子を備えてなる情報読取セット。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の情報読取セットであって、
前記本体側接合領域は、前記情報読取装置に着脱可能に取り付けられる前記拡張モジュールの一として、前記プロセッサ部に対して駆動電力を供給するバッテリを装着可能な領域であって、かつ前記バッテリに代えて、前記情報読取装置の機能を拡張する他の拡張モジュールであって、拡張する機能が異なる複数の拡張モジュールを着脱可能に取り付け可能としてなる情報読取セット。
【請求項22】
第一主面及び前記第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、
前記筐体に設けられたカメラ部と、
前記カメラ部で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部と、
前記第一主面に設けられた表示部と、
外部と無線通信可能な通信インターフェースと、
前記筐体の第二主面に形成され、本体側接続端子を設けた本体側接合領域と、
を備える情報読取装置と、
第三主面を有するモジュール側筐体と、
前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、
前記第三主面に設けられた、前記情報読取装置の本体側接合領域と着脱自在に接合され、かつ前記本体側接続端子と接続されるモジュール側接続端子を備えるモジュール側接合領域と、
を備える複数の拡張モジュールと、
を備える情報読取セットであって、
前記モジュール側接続端子は、
前記バッテリの電力を供給する給電端子と、
複数のモジュール側信号端子と
を備えており、
前記情報読取装置の本体側接合領域に、複数の拡張モジュールのいずれかの前記モジュール側接合領域を係合した状態で、
前記本体側接続端子とモジュール側接続端子とが電気的に接続され、
前記給電端子を介して、前記バッテリから前記情報読取装置に駆動電力が供給され、かつ
前記情報読取装置は、その本体側接合領域に、複数の前記拡張モジュールのいずれかの前記モジュール側接合領域を接合した状態で、接続先の拡張モジュールに応じて、前記複数の信号端子の使用数を異ならせてなる情報読取セット。
【請求項23】
第一主面及び前記第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、
前記筐体に設けられたカメラ部と、
前記カメラ部で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部と、
前記第一主面に設けられた表示部と、
外部と無線通信可能な通信インターフェースと、
前記筐体の第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域と、
を備える複数の情報読取装置と、
第三主面を有するモジュール側筐体と、
前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、
前記第三主面に設けられた、前記複数の情報読取装置の各本体側接合領域とそれぞれ着脱自在に接合され、かつ前記本体側接続端子と接続される複数のモジュール側接続端子を備えるモジュール側接合領域と、
を備える一以上の拡張モジュールと、
を備える情報読取セットであって、
前記拡張モジュールは、前記モジュール側接合部を前記本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側接合領域の一部を、前記本体側接合領域から表出させてなる情報読取セット。
【請求項24】
拡張モジュールと着脱自在に接続される情報読取装置であって、
第一主面及び前記第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、
前記筐体に設けられたカメラ部と、
前記カメラ部で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部と、
前記第一主面に設けられた表示部と、
外部と無線通信可能な通信インターフェースと、
前記筐体の第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域と、
を備え、
前記情報読取装置の本体側接合領域は、
前記筐体の前記第二主面に設けられた前記周囲開放領域の周囲を、部分的に囲む第一壁部と、
前記周囲開放領域であって、前記第一壁部と離間する位置に、一対の第二壁部とを備える情報読取装置。
【請求項25】
第一主面及び第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域とを備える情報読取装置と、着脱自在に接続される拡張モジュールであって、
第三主面を有するモジュール側筐体と、
前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、
前記第三主面に設けられた、情報読取装置の本体側接合領域と着脱自在に接合され、かつ本体側接続端子と接続される複数のモジュール側接続端子を備えるモジュール側接合領域と、
を備え、
前記拡張モジュールは、前記モジュール側接合領域を本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側接合領域の一部を、周囲開放領域から表出させてなる拡張モジュール。
【請求項26】
第一主面及び第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域とを備える情報読取装置と、着脱自在に接続される拡張モジュールであって、
第三主面を有するモジュール側筐体と、
前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、
前記第三主面に設けられた、情報読取装置の本体側接合領域と着脱自在に接合されるモジュール側接合領域と、
を備え、
前記拡張モジュールの前記モジュール側接合領域は、情報読取装置の筐体の第二主面に設けられた本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側筐体が、本体側接合領域の周囲開放領域から、第二主面と平行な方向に突出された突出部を有してなる拡張モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報読取セット、情報読取装置及び拡張モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
読取対象となるバーコードやQRコード等、コードやシンボル等と呼ばれるマーク(以下「コード」と呼ぶ。)からの光を受光し、結像モジュールによりシンボルの画像データを取得し、その画像データを解析することでコードに応じた情報を読み取る、コードリーダなどと呼ばれる光学式情報読取装置が知られている。また、RFIDやICタグなどの電磁気式に情報を読み取る情報読取装置も開発されている。ここでは、印刷媒体を光学式に読み取る情報読取装置に限らず、RFIDなどを用いて電磁気式に情報を読み取る情報読取装置も含めて、コードリーダや情報読取装置と呼ぶことにする。このような情報読取装置は、ユーザが手で把持して使用する手持ち式のものと、据置式の定置式のものが存在する。手持ち式のものは、ユーザが携行できるようにバッテリを内蔵している。
【0003】
また手持ち式のものには、スマートフォンのような板状のものや、把持用のグリップを備えるガンタイプのもの、RFIDのように読み取り面を設けたもの等がある。従来、これらの異なる形態に対応するためには、ユーザはそれらの形態に応じた複数台の情報読取装置をそれぞれ準備しなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-234634号公報
【特許文献2】特開2019-194843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一は、共通の筐体を利用しつつ、異なる読み取り形態に対応可能とした情報読取セット、情報読取装置及び拡張モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報読取セットは、第一主面及び前記第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、前記筐体に設けられたカメラ部と、前記カメラ部で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部と、前記第一主面に設けられた表示部と、外部と無線通信可能な通信インターフェースと、前記筐体の第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域と、を備える情報読取装置と、第三主面を有するモジュール側筐体と、前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、前記第三主面に設けられた、前記情報読取装置の本体側接合領域と着脱自在に接合され、かつ前記本体側接続端子と接続されるモジュール側接続端子を設けたモジュール側接合領域と、を備える一以上の拡張モジュールと、を備える情報読取セットであって、前記拡張モジュールは、前記モジュール側接合領域を前記本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側接合領域の一部を、前記周囲開放領域から表出させている。上記構成により、情報を読み取るための機能を情報読取装置に備えつつ、拡張モジュールを情報読取装置に係合することによって、拡張モジュールを交換可能として用途に合わせた機能を付加乃至選択していくことが可能となる。また、モジュール側接合領域の一部を、周囲開放領域から表出させたことで、本体側接合領域の大きさによりモジュール側筐体の大きさが制約を受けることを回避して、例えばこの表出部分からモジュール側筐体を外部に突出させるなど、拡張モジュールの外形を柔軟に設計することを可能としている。
【0007】
また、本発明の他の態様に係る情報読取セットによれは、第一主面及び前記第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、前記筐体に設けられたカメラ部と、前記カメラ部で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部と、前記第一主面に設けられた表示部と、外部と無線通信可能な通信インターフェースと、前記筐体の第二主面に形成され、本体側接続端子を設けた本体側接合領域と、を備える情報読取装置と、第三主面を有するモジュール側筐体と、前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、前記第三主面に設けられた、前記情報読取装置の本体側接合領域と着脱自在に接合され、かつ前記本体側接続端子と接続されるモジュール側接続端子を備えるモジュール側接合領域と、を備える複数の拡張モジュールと、を備える情報読取セットであって、前記モジュール側接続端子は、前記バッテリの電力を供給する給電端子と、複数のモジュール側信号端子とを備えており、前記情報読取装置の本体側接合領域に、複数の拡張モジュールのいずれかの前記モジュール側接合領域を係合した状態で、前記本体側接続端子とモジュール側接続端子とが電気的に接続され、前記給電端子を介して、前記バッテリから前記情報読取装置に駆動電力が供給され、かつ前記情報読取装置は、その本体側接合領域に、複数の前記拡張モジュールのいずれかの前記モジュール側接合領域を接合した状態で、接続先の拡張モジュールに応じて、前記複数の信号端子の使用数を異ならせている。上記構成により、情報読取装置と拡張モジュールとの間を通信する端子で、拡張モジュールから情報読取装置に電力を供給しつつ、接続される拡張モジュールの機能に応じて使用する端子の数を異ならせることで、様々な機能の拡張モジュールを利用することができる。
【0008】
さらにまた、本発明の他の態様に係る情報読取セットによれば、第一主面及び前記第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、前記筐体に設けられたカメラ部と、前記カメラ部で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部と、前記第一主面に設けられた表示部と、外部と無線通信可能な通信インターフェースと、前記筐体の第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域と、を備える複数の情報読取装置と、第三主面を有するモジュール側筐体と、前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、前記第三主面に設けられた、前記複数の情報読取装置の各本体側接合領域とそれぞれ着脱自在に接合され、かつ前記本体側接続端子と接続される複数のモジュール側接続端子を備えるモジュール側接合領域と、を備える一以上の拡張モジュールと、を備える情報読取セットであって、前記拡張モジュールは、前記モジュール側接合部を前記本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側接合領域の一部を、前記本体側接合領域から表出させている。上記構成により、異なる外形の情報読取装置に対し共通の拡張モジュールを接合可能として、各情報読取装置で拡張モジュールの使い回しが可能となり利便性を向上できる。
【0009】
さらにまた、本発明の他の態様に係る情報読取装置によれば、拡張モジュールと着脱自在に接続される情報読取装置であって、第一主面及び前記第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、前記筐体に設けられたカメラ部と、前記カメラ部で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部と、前記第一主面に設けられた表示部と、外部と無線通信可能な通信インターフェースと、前記筐体の第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域と、を備え、前記情報読取装置の本体側接合領域は、前記筐体の前記第二主面に設けられた前記周囲開放領域の周囲を、部分的に囲む第一壁部と、前記周囲開放領域であって、前記第一壁部と離間する位置に、一対の第二壁部とを備える。上記構成により、情報読取装置の接合領域は、第一壁部と第二壁部でもって、拡張モジュールを安定的に係合できる。
【0010】
さらにまた、本発明の他の態様に係る拡張モジュールによれば、第一主面及び第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域とを備える情報読取装置と、着脱自在に接続される拡張モジュールであって、第三主面を有するモジュール側筐体と、前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、前記第三主面に設けられた、情報読取装置の本体側接合領域と着脱自在に接合され、かつ本体側接続端子と接続される複数のモジュール側接続端子を備えるモジュール側接合領域と、を備え、前記拡張モジュールは、前記モジュール側接合領域を本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側接合領域の一部を、周囲開放領域から表出させている。
【0011】
さらにまた、本発明の他の態様に係る拡張モジュールによれば、第一主面及び第一主面と対向する第二主面を有する筐体と、第二主面に形成され、該第二主面と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放された周囲開放領域を形成し、本体側接続端子を設けた本体側接合領域とを備える情報読取装置と、着脱自在に接続される拡張モジュールであって、第三主面を有するモジュール側筐体と、前記モジュール側筐体に内蔵されるバッテリと、前記第三主面に設けられた、情報読取装置の本体側接合領域と着脱自在に接合されるモジュール側接合領域と、を備え、前記拡張モジュールの前記モジュール側接合領域は、情報読取装置の筐体の第二主面に設けられた本体側接合領域に接合した状態で、前記モジュール側筐体が、本体側接合領域の周囲開放領域から、第二主面と平行な方向に突出された突出部を有している。上記構成により、拡張モジュールは筐体の形状に制約を受けない形状にモジュール側筐体を構成でき、拡張モジュールの外形を柔軟に設計することを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】共通の情報読取装置に接合可能な複数の拡張モジュールの例を示す分解斜視図である。
図2】情報読取セットの一例を示す斜視図である。
図3図2の情報読取セットの分解斜視図である。
図4図3の情報読取セットを右側から見た分解斜視図である。
図5図3の情報読取装置に、拡張モジュールを接合する状態を斜め下方から見た分解斜視図である。
図6図3の情報読取装置と拡張モジュールの接合部分を示す拡大斜視図である
図7】実施形態1に係る情報読取セットの機能ブロック図である。
図8】拡張モジュールがキーパッドモジュールである情報読取セットを示す斜視図である。
図9】拡張モジュールが長尺のキーパッドモジュールである情報読取セットを示す斜視図である。
図10】拡張モジュールがトリガモジュールである情報読取セットを示す斜視図である。
図11】拡張モジュールがRFIDモジュールである情報読取セットを示す斜視図である。
図12】様々な情報読取セットを接合可能な共通の充電台を示す分解斜視図である。
図13図12の一の情報読取セットを、充電台に載置する面を示した分解斜視図である。
図14図12の他の情報読取セットを、充電台に載置する面を示した分解斜視図である。
図15】複数の情報読取セットを他の充電台に載置する様子を示す斜視図である。
図16図2の情報読取セットをさらに他の充電台に載置する様子を示す斜視図である。
図17】複数の異なる情報読取装置を、共通の拡張モジュールに接合する様子を示す斜視図である。
図18】複数の異なる情報読取装置を、複数の異なる拡張モジュールに接合する任意の組み合わせを示す斜視図である。
図19】異なるOSをインストールした複数の情報読取装置を、共通の拡張モジュールに接合する様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための情報読取セット、情報読取装置及び拡張モジュールを例示するものであって、本発明は情報読取セット、情報読取装置及び拡張モジュールを以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[実施形態1]
(情報読取セット1000)
【0014】
情報読取セット1000は、コードやICタグを読み取って、データの登録、照合を行うためのものである。本発明の実施形態1に係る情報読取セット1000の組み合わせ例を、図1に示す。ここでは、共通の情報読取装置に対し、接合可能な複数の拡張モジュールの例を示している。この図に示すように、情報読取セット1000は、情報を読み取るための機能を備えた情報読取装置100を、複数の異なる拡張モジュール200のいずれか一を組み合わせて使用する。
【0015】
図1の例では、拡張モジュール200は、例えば、電源モジュール210、及び入力モジュールであるキーパッドモジュール220、トリガモジュール230、RFIDモジュール240を含んでいる。そして、一の情報読取装置100に対して複数の拡張モジュール200のいずれかを係合するようにしている。以下、まず、拡張モジュール200の内、電源モジュール210を例にして情報読取セット1000の全体を説明し、その他の拡張モジュールについては後述する。
【0016】
図2は情報読取セット1000の斜視図、図3図2の情報読取セット1000の分解斜視図、図4図2の情報読取セットを右側から見た分解斜視図、図5図3の情報読取装置に、電源モジュールを接合する状態を斜め下方から見た分解斜視図、図6図3の情報読取装置と拡張モジュールの接合部分を示す拡大斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、情報読取装置100は、第一主面11及び第二主面12を有する筐体10と、第二主面12の周縁部の少なくとも一部を開放した周囲開放領域13を形成し、本体側接続端子20を設けた本体側接合領域30とを備えている。
【0017】
電源モジュール210は、第三主面41を有するモジュール側筐体40と、第三主面41に設けられたモジュール側接合領域43とを備えている。このモジュール側接合領域43は、情報読取装置100の本体側接合領域30と着脱自在に接合される。またモジュール側接合領域43には、本体側接合領域30と接合した際、本体側接続端子20と接続されるモジュール側接続端子42を設けている。
【0018】
これら情報読取装置100の本体側接合領域30と、電源モジュール210のモジュール側接合領域43とを接合させることにより、図2のように情報読取装置100と電源モジュール210を係合するようにしている。この際、モジュール側接合領域43を本体側接合領域30に接合した状態で、図2の破線で囲った部分で示すモジュール側接合領域43の一部を、周囲開放領域13から表出させている。これにより、拡張モジュール毎に設けた端子やキーなどを表出させて、ユーザはケーブルの接続やキー操作などを行えるようになる。
【0019】
さらに、モジュール側筐体40の一部を周囲開放領域から表出させる構成としたことで、モジュール側筐体40を表出部分から拡張することを可能としている。例えば図1に示すように、一つの情報読取装置100で、電源モジュール210だけでなく、キーパッドモジュール220、トリガモジュール230及びRFIDモジュール240にも対応可能とし、拡張モジュールの外形を柔軟に設計することを可能としている。
(情報読取装置100)
【0020】
情報読取装置100は、図4に示すように筐体10の上端側にカメラ部110を設けている。この情報読取セットの機能ブロック図を、図7に示す。この図に示す情報読取装置100は、カメラ部110と、カメラ部110で取得した画像に含まれるシンボルを復号化するプロセッサ部120と、第一主面11に設けられた表示部130と、外部と無線通信可能な通信インターフェース140と、本体側メモリ部170とを備えている。このように、情報読取装置100は、コードやICタグ等の情報を読み取るための機能を備えている。
【0021】
カメラ部110は、読取対象のコードやシンボル、文字列などを撮像し、あるいはこれらが付された対象物の外観を撮像する。コードの場合は、コードで反射された光を受光して、入力画像を取得する。このようなカメラ部は、撮像する撮像素子、レンズ等を有する光学系、オートフォーカス機構等を備えたカメラモジュールで構成できる。撮像素子には、CCDやCMOS等のイメージセンサが利用できる。また必要に応じて照明部を付加してもよい。照明部は、読取対象のコードに光を照射する。
【0022】
プロセッサ部120は、デコード部121、制御部160、キー操作部123、判定部150等の機能を実現する。このようなプロセッサ部120は、CPUやMPU、GPU、SoC等、あるいはこれらの組み合わせで構成できる。デコード部121は、カメラ部110で得られた入力画像を復号する。制御部122は、デコード部121で復号化した情報に基づいて、必要な制御や出力などの処理を行う。キー操作部123は、筐体10に設けられた各種キーやトリガ、タッチパネルなどであり、キー操作部123を介してユーザからのキー入力等の操作を受け付ける。判定部150は、現在情報読取装置100に接続されている拡張モジュール200が、どのタイプであるかを、通信インターフェース140を介して接続先の拡張モジュール200と通信を行って、その種別を判別する。本体側メモリ部170は、RAMやROM等で構成され、プロセッサ部120で実行される各種の演算処理の作業空間となる。また、必要な情報を保持する。
【0023】
表示部130は、例えば有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等で構成される。表示部130は、例えばカメラ部110で撮像されたコード、コードのデコード結果である文字列を表示させることができる。また表示部130をタッチパネルで構成することで、キー操作部の一部の機能を兼用することもできる。
【0024】
通信インターフェース140は、外部機器と通信を行うための部材であり、無線通信用の無線通信部140aと、有線通信用の有線インターフェース部140bを備えることができる。通信インターフェース140は内部バスに接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワーク網に接続されることにより、外部の機器とデータ送受信を行うことが可能となっている。
【0025】
一方、複数の拡張モジュール200は、用途に応じて異なる構成を備えている。例えば電源モジュール210は内部インターフェース部201と、有線通信部と、メモリ部205と、外部インターフェース部202と、バッテリ211とを備える。内部インターフェース部201は、情報読取装置100の通信インターフェース140と電気的に接続されて、データ通信を行う。外部インターフェース部202は、外部の機器とデータ通信を行ったり、入出力を行ったり、あるいは充電台から給電を受けるための接続用コネクタを備える。外部インターフェース部202は、有線通信部と接続されており、外部機器とのデータ通信や信号のやりとりを有線通信部が受け持つ。メモリ部205は、例えばID記憶部の機能を実現する。このID記憶部は、拡張モジュールの種別や、個体認識のためのID情報を保持している。情報読取装置側では、接続された拡張モジュールを判別するため、内部インターフェース部201を介してID記憶部に保持されたID情報を読み取る。
【0026】
ここで図7の情報読取装置100には、情報読取装置100を駆動する電力を供給するためのバッテリが設けられていない。このため本体側接合部30と、バッテリを備える拡張モジュール200のモジュール側接合領域43とを接合することで、情報読取装置100と拡張モジュール200とを係合し、情報読取装置100に拡張モジュール200から電源供給するようにしている。
【0027】
このように情報読取装置100に取り付けることができる拡張モジュール200には、電源供給を主とする電源モジュール210だけでなく、電源供給以外の機能をさらに有するキーパッドモジュール220、トリガモジュール230、RFIDモジュール240等が使用できる。そして後述するように、各拡張モジュール200が共通のモジュール側接合領域43を有しているため、いずれの拡張モジュール200のモジュール側接合領域43でも本体側接合部30に接合し、情報読取装置100に取り付けることができる。その結果、機能が異なる複数の拡張モジュール200から、用途に合わせた拡張モジュール200を適宜選択して使用することが可能である。
(筐体10)
【0028】
上記各部材を収納する筐体10は、図3図5に示すように、第一主面11と、第一主面11と対向する第二主面12を有している任意の形状とできる。本実施形態では、筐体10の形状を一方向に延長した概ね板状としている。筐体10は、軽量で成形性に優れ、絶縁性を備える材質、例えばABSやポリカーボネート等の樹脂製とする。また、筐体10の延長方向における両端部を、それぞれ第一端部10a、第二端部10bとしている。
【0029】
第一端部10a側には、図4に示すようにカメラ部を設けている。また第二端部10b側には、コネクタ端子などを設けている。さらに第一主面11には、例えばタッチパネル等の表示部130を設けている。第二主面12の第二端部10b側には、図5図6等に示すように本体側接続端子20が配置される収納部16を形成している。
(本体側接合領域30)
【0030】
本体側接合領域30は、電源モジュール210のモジュール側接合領域43と着脱自在に接合するためのものである。本体側接合領域30は、モジュール側接合領域43と面接触する部分であり、第二主面12全体に設けてもよいし、第二主面12の一部に設けてもよい。
(周囲開放領域13)
【0031】
図5の周囲開放領域13は、本体側接合領域30において、第二主面12と直交する軸の周方向の少なくとも一部が開放されるように形成している。本実施形態では第二主面12の周縁部の一部を開放して周囲開放領域13としている。この周囲開放領域13により、モジュール側接合領域43を本体側接合領域30に接合した状態で、図2の破線で囲った部分で示すモジュール側接合領域43の一部を表出させている。
【0032】
このような表出部分を設けることにより、モジュール側筐体40を表出部分からさらに拡張することを可能としている。例えば図1に示すように、一つの情報読取装置100で、電源モジュール210だけでなく、キーパッドモジュール220、トリガモジュール230及びRFIDモジュール240にも対応可能としている。
【0033】
言い換えれば周囲開放領域13を形成することにより、本体側接合領域30の周縁部全体が閉塞される構造とした場合にモジュール側筐体40の形状が制約を受ける等の事態を回避し得る。これにより、モジュール側筐体40を周囲開放領域13から延出した形状とすることが可能である。その結果、拡張モジュールの外形を柔軟に設計することができ、各種拡張モジュール200を情報読取装置100に係合可能とし、用途に合わせた機能を付加していくことを図っている。
(第一壁部14)
【0034】
本体側接合領域30にはさらに、第一壁部14を設けることができる。第一壁部14は、周囲開放領域13の周囲を部分的に囲むものである。本実施形態では、一例として、第一壁部14を、筐体10の第一端部10a側に設けている。この第一壁部14は、周囲開放領域13を部分的に囲むことができれば任意の形状でよく、本実施形態では第一端部10aに沿った凸状としている。また、第一壁部14を、筐体10と一体に設けている。
【0035】
図5に示す第一壁部14は、モジュール側接合領域43を、本体側接合領域30に接合する際に、後述するモジュール側筐体40の第一端部40aと当接するようにしている。この際、第一壁部14は、モジュール側筐体40の一部と当接して係合される第一係合構造101を備えてもよい。本体側接合領域30において、周方向を部分的に開放させつつも第一壁部14を部分的に設けることで、電源モジュール210との第一係合構造を設ける場所を確保できる。
【0036】
第一係合構造101は、第一壁部14がモジュール側筐体40と係合できれば既知の態様でよく、本実施形態では一例として、第一壁部14に係合穴14aを設けている。一方で、モジュール側筐体40の第一端部40aには、係合穴14aに対応する位置に係合突起44を設けている。この係合突起44を係合穴14aに挿入することにより、モジュール側筐体40を情報読取装置100の筐体10に係合することができる。これにより、電源モジュール210を安定的に情報読取装置100に係合できる。
【0037】
なお情報読取装置100は、この第一壁部14の底面側(図5においては上面側)に、スピーカの放音穴14cを形成することもできる。一般にスピーカの放音穴は筐体の底面側に設けられるところ、拡張モジュールを底面側に配置する構成では放音穴が覆われてしまい。音が聞こえ難くなる。そこでスピーカを第一壁部14に収納し、放音穴14cを、図5に示すように第一壁部14を利用して、第一壁部14の突出した面に設けることで、電源モジュール210によって覆われない位置に配置でき、スピーカからの音が電源モジュール210を接合することで聞こえ難くなることを回避できる。
【0038】
さらに図4に示すように、第一壁部14の内部に、カメラ部110を配置してもよい。換言すると、カメラ部110を収納する部位を第一壁部14として利用している。このようにカメラ部110の収納空間を利用して第一壁部14を形成し第一係合構造101を設けることで、筐体10の大型化を避け、構成を簡素化できる。
(第二壁部15)
【0039】
さらに情報読取装置100は、本体側接合領域に第一壁部のみならず、一対の第二壁部を設けることができる。一対の第二壁部15、15は、図5図6等に示すように、本体側接合領域30とモジュール側接合領域43とが接合する際、モジュール側筐体40と係合するためのものである。一対の第二壁部15、15は、周囲開放領域13において、第一壁部14と離間する位置に設けられる。本実施形態では一例として、一対の第二壁部15、15を、筐体10の第二端部10b側に設けている。また、一対の第二壁部15、15は、筐体10の延長方向と直交する方向に互いに離間している。第二壁部15、15の形状は任意の形状とでき、本実施形態では筐体10の延長方向に沿った凸状としている。一対の第二壁部15、15も、筐体10に一体に形成される。
【0040】
一対の第二壁部15、15は、第一係合構造101を介して第一壁部14がモジュール側筐体40の一部と係合された状態で、モジュール側筐体40の他の一部と当接して係合される第二係合構造102を備えることができる。
【0041】
この一対の第二壁部15、15の第二係合構造102と係合するために、図5等の例ではモジュール側筐体40は、その第二端部40b側であって、第二壁部15、15と対応する位置に、一対の係合凹部45、45を設けている。一対の係合凹部45、45は、第二壁部15の外形と対応する形状としている。これら第二壁部15、15と、係合凹部45、45とをそれぞれ連結することにより、電源モジュール210を安定的に情報読取装置100に保持できる。
【0042】
図5に示す例では、第一壁部はモジュール側筐体40の一部と当接する第一当接面14bを設けている。また第二壁部は、モジュール側筐体40の他の一部と当接する第二当接面15bを設けている。これら第一当接面14bと第二当接面15bは、交差して配置されている。つまり、モジュール側筐体40を、矢印AR1方向への移動を制限しつつ第一係合構造101で係合している。加えて、第二係合構造102で係合するよう構成し、モジュール側筐体40の矢印AR2及びAR3方向の移動を制限している。このように、第一係合構造101と第二係合構造102を交差する方向に作用させることで、異なる方向からの外力に対する耐性を高め、より構造的な接合強度を発揮させ易くできる。
(収納部16)
【0043】
収納部16は、図6に示すように本体側接続端子20を収納するためのものである。この収納部16は、例えば、第二主面12の第二端部10b側に窪みを形成することにより作製できる。この窪みの底面に本体側接続端子20が配置されている。本体側接続端子20の両側には、一対の係止爪受け17、17を設けることができる。これら係止爪受け17、17には、モジュール側筐体40を係合する際に、後述する一対の係止爪47、47がそれぞれ挿入される。これにより、モジュール側筐体40を情報読取装置100の筐体10に係合する際、本体側接続端子20と、モジュール側接続端子42とを安定的に接続できる。
【0044】
収納部16にはさらに、SIMカードスロット18やSDカードスロット19を配置してもよい。ここで、収納部16は、情報読取装置100が拡張モジュール200と係合していない状態で、開放されていてもよい。つまり、本体側接続端子20、SIMカードスロット18、SDカードスロット19等が、拡張モジュール200と係合していない状態で、蓋等で覆われることなく露出するようにしてもよい。
【0045】
これにより、拡張モジュール200を係合して情報を読み取ろうとする際に、いちいち蓋を外して、その蓋を保管しておく等の煩わしさを低減できる。さらに、使用したいときに素早く情報読取装置100と、拡張モジュール200とを係合でき、作業効率の向上を図っている。一方で別部材の蓋を保管する手間を省くため、蓋を筐体10の一部に収納するような構造とした場合でも、筐体10の構造が複雑となって製造工程が増え、手間やコストがかかる等の問題が発生し得る。そこで本実施形態のように、収納部16を開放しておくことにより、情報読取装置100のシンプルな構成と、作業効率の向上を図っている。
(本体側接続端子20)
【0046】
本体側接続端子20は、拡張モジュール200から駆動電力を受けるためのものである。本体側接続端子20は、拡張モジュール200との電気接続が確保できれば、任意の態様とできる。本実施形態では、本体側接合領域30であって、第二端部10b側の収納部16の内側、言い換えれば図3の筐体10の裏面の後方に配置している。このような位置に配置することにより、情報読取装置100の重心を安定させることができる。
【0047】
また図6に示すように、本体側接続端子20を、一対の第二壁部15、15同士の間に配置している。情報読取装置100と電源モジュール210との間の電気接続を行う部位の両側において、一対の第二壁部15、15に設けた第二係合構造102でもって係合することにより、電気接続された部位の構造的な安定性が高まり、電気接続の信頼性が向上される。
【0048】
本体側接続端子20は、拡張モジュール200から駆動電力を受ける受電端子20aと、拡張モジュール200から制御信号を受ける複数の信号端子20bとを備えている。これら受電端子20aと信号端子20bは既存のものを使用でき、本実施形態ではピン状のものを使用している。また、一例として、これらの受電端子20aと信号端子20bは、マトリクス状に配置されている。
【0049】
この本体側接続端子20により、本体側接合領域30に、モジュール側接合領域43を接合した状態で、後述するモジュール側接続端子42から情報読取装置100に駆動電力が供給される。つまり、本実施形態の情報読取装置100は、汎用的な給電端子や二次電池等を備えていない。複数の拡張モジュール200のいずれかを係合することにより、電力を供給するようにしている。
【0050】
ここで、情報読取装置100は、本体側接合領域30に、複数の拡張モジュール200のいずれかのモジュール側接合領域43を接合した状態で、接続先の拡張モジュール200に応じて、複数の信号端子20bの使用数を異ならせている。
【0051】
これにより、モジュール側接続端子42で、拡張モジュール200から情報読取装置100に電力を供給しつつ、接続される拡張モジュール200の機能に応じて使用する信号端子20bの数を異ならせることで、様々な種類の拡張モジュール200を利用することができる。具体的には、構成が簡単な拡張モジュールであれば、使用する信号端子20bの数を少なくし、複雑なものは多くする等、適宜調整可能としている。
(拡張モジュール200)
【0052】
実施形態1の情報読取セット1000は、図1に示すように、情報読取装置100に、複数の異なる拡張モジュール200のいずれか一を組み合わせて使用する。拡張モジュール200は、バッテリ及び外部からの入力を受け付けるモジュール側入力部を有する一以上の入力モジュール、例えば、キーパッドモジュール220、トリガモジュール230、RFIDモジュール240等を含んでいる。拡張モジュール200はさらに、バッテリを備え、モジュール側入力部を有さない電源モジュール210を含んでいる。ただ、本実施形態の情報読取セットは、上記拡張モジュール200の全てを備えていなくてもよく、使用態様によって適宜調整可能としている。
【0053】
そして、入力モジュールと電源モジュールのいずれかを、情報読取装置100に係合可能としている。言い換えれば、情報読取装置の電源モジュールを取り外し、この部分に電源モジュールと共通のモジュール側接合領域を有する入力モジュールを装着することで、異なるモジュール側入力部を利用可能となる。一例として、図1に示す拡張モジュール200はそれぞれ、共通のモジュール側接合領域43を備えるようにしている。
【0054】
この情報読取セット1000においては、情報読取装置100がバッテリを内蔵するのではなく、拡張モジュール200がバッテリを内蔵している。そのため、拡張モジュール200で拡張される機能に応じてバッテリの容量、形状を設計できる。
【0055】
各拡張モジュール200は、図7に示すように、各拡張モジュールの種別に合わせた機能を実現するために、必要な容量のバッテリを備えている。バッテリの形状は、各拡張モジュール200の形状により異なる。例えば、電源モジュール210のバッテリ211やキーパッドモジュール210のバッテリ211は扁平型、トリガモジュール230のバッテリ231やRFIDモジュール240のバッテリ241は電池型などとして拡張モジュールの種別に合わせて調整可能としている。
【0056】
これら各バッテリ211~241から情報読取装置100の制御部160に直接電源を供給している。また、各バッテリ211~241と情報読取装置100とのデータ通信を規格化された通信方式で行うようにしている。例えばUSBである内部インターフェース部201を介して互いに通信するようにしている。規格化された通信方式で通信することにより、拡張モジュールを後で作成して追加しやすくしている。
【0057】
各拡張モジュール200はまた、バッテリ211~241を充電するための、例えばUSBの供給端子である外部インターフェース部202を備えている。この外部インターフェース部202は、外部と接続する有線インターフェースとしても使用できる。このように、有線インターフェースを情報読取装置100でなく拡張モジュール200側に設けることで、情報読取装置100の防水や防塵構造を実現し易くしている。
【0058】
上記各拡張モジュール200はさらに、入力モジュールのいずれかが、寸法測定ユニットやサーマルカメラを備えることができる。これにより、情報読取装置100で読取対象の情報を読み取りつつ、寸法や温度も測定でき、情報読取装置100にさらなる機能を付加することを可能としている。
【0059】
以下、各拡張モジュール200について説明する。
(電源モジュール210)
【0060】
電源モジュール210は、図3等に示すように、第三主面41を有するモジュール側筐体40と、モジュール側筐体40に内蔵されるバッテリ211と、第三主面41に形成されたモジュール側接合領域43とを備えている。
(モジュール側筐体40)
【0061】
モジュール側筐体40は、第三主面41を有する任意の形状とできる。本実施形態では、図3及び図4に示すように、一方向に延長した概ね板状としている。また、モジュール側筐体40の延長方向における両端部を、それぞれ第一端部40a、第二端部40bとしている。第一端部40a側には、情報読取装置100の第一壁部14に形成された係合穴14aに対応する位置に、係合突起44を設けている。そして、モジュール側接合領域43を本体側接合領域30に接合する際、係合突起44を係合穴14aに挿入することにより、モジュール側筐体40を情報読取装置100の筐体10に係合している。
【0062】
この係合突起44の形状は、係合穴14aと係合できれば任意とでき、本実施形態では係合穴14aに挿入できる凸状としている。ただ、第一壁部14に係合突起を形成し、モジュール側筐体40の第一端部40aに係合穴を形成してもよいことは言うまでもない。
【0063】
モジュール側筐体40の第二端部40b側には、情報読取装置100の第二壁部15、15と対応する位置に、第二壁部15の形状に合わせた一対の係合凹部45、45を設けている。これら第二壁部15、15と、係合凹部45、45とをそれぞれ係合することにより、電源モジュール210を安定的に情報読取装置100に係合している。
(モジュール側接合領域43)
【0064】
モジュール側接合領域43は、情報読取装置100の本体側接合領域30と着脱自在に接合される。モジュール側接合領域43は、本体側接合領域30と面接触する部分であり、第三主面41全体に設けてもよいし、第三主面41の一部に設けてもよい。そして上述のように、モジュール側接合領域43と、本体側接合領域30とを接合させた際、周囲開放領域13から、モジュール側接合領域43の一部が表出するようにしている。
(モジュール側接続端子42)
【0065】
モジュール側接続端子42は、情報読取装置100の本体側接続端子20と接続され、情報読取装置100側に電力を供給する。モジュール側接続端子42は、モジュール側接合領域43に形成される。一例として、図6のモジュール側接続端子42は、モジュール側接合領域43を本体側接合領域30に接合した際、本体側接続端子20と対応する位置の、第二端部40b側に設けることができる。
【0066】
モジュール側接続端子42は、バッテリ211の電力を供給する給電端子42aと、複数のモジュール側信号端子42bとを備えている。情報読取装置100の本体側接合領域30に、モジュール側接合領域43を接合した状態で、給電端子42aと、本体側接続端子20の受電端子20aが電気的に接続され、バッテリ211から情報読取装置100に駆動電力が供給される。
【0067】
これら給電端子42aとモジュール側信号端子42bには既存のものを使用でき、本実施形態ではピン状の本体側接続端子20と接する面状のものを使用している。また、一例として、これらの給電端子42aとモジュール側信号端子42bは、マトリクス状に配置されている。
(係止爪47、47)
【0068】
一対の係止爪47、47は、本体側接続端子20と、モジュール側接続端子42とを安定的に接続するためのものである。一対の係止爪47、47は、図6に示すように、モジュール側接続端子42の両側であって、筐体10の収納部16に設けられた一対の係止爪受け17、17に対応する位置に設けられている。これら一対の係止爪47、47を一対の係止爪受け17、17にそれぞれ挿入し、互いに係合するようにしている。
【0069】
係止爪47の形状は、係止爪受け17に挿入して互いに係合できれば、任意の形状とできる。本実施形態では、例えば、モジュール側接合領域43に立設された先細りの凸状としている。 ただ、本実施形態の係止爪及び係止爪受けは上記態様に限定されない。例えば、係止爪を情報読取装置100の本体側接合領域30に設け、係止爪受けをモジュール側接合領域43に設けてもよい。
【0070】
また、情報読取装置100の収納部16の周縁部に溝16aを設け、モジュール側筐体40の、溝16aと対応する位置にモジュール側接続端子42囲むように凸部50を設けることもできる。この凸部50を溝16aに挿入することにより、情報読取装置100と電源モジュール210とをより安定的に係合することができる。
(パッキン60)
【0071】
さらに、情報読取装置100の本体側接合領域30と、電源モジュール210のモジュール側接合領域43との接合面に、パッキン60を設けてもよい。本実施形態では一例として、凸部50に沿って設けているが、溝16aに設けることもできる。パッキン60は、凸部50を溝16aに挿入した際に押しつぶされ、情報読取装置100と電源モジュール210との接合部分において浸水等を防ぐ防水性や防塵性を発揮することができる。
【0072】
ここまで、拡張モジュール200として電源モジュール210について説明してきた。以下、その他の拡張モジュール200についてそれぞれ説明する。この際電源モジュール210と同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
(キーパッドモジュール220)
【0073】
情報読取セット1000は、一以上の入力モジュールのうちの1つとしてバッテリ221を内蔵したキーパッドモジュール220を備えうる。図8に示すキーパッドモジュール220aは、モジュール側筐体40がさらに、突出部46を有している。
【0074】
ここで、上述したように、周囲開放領域13を本体側接合領域30に設け、モジュール側接合領域43を本体側接合領域30に接合した状態で、モジュール側接合領域43の一部を周囲開放領域13から表出させている。モジュール側接合領域43の一部を周囲開放領域13から表出させる構成としたことで、表出部分からモジュール側筐体40を拡張することができる。したがって、モジュール側接合領域43を本体側接合領域30に接合した状態で、突出部46を、本体側接合領域30の周囲開放領域13から、第二主面12と平行な方向に突出させることを可能としている。これにより、拡張モジュール200は筐体の形状に制約を受けないようにモジュール側筐体を構成でき、拡張モジュールの外形を柔軟に設計することを可能としている。
【0075】
また突出部46の第一主面11側には、テンキー204を配置している。突出部46の形状は、テンキー204を配置することができれば任意とでき、本実施形態では概ね板状としている。このキーパッドモジュール220aにより、ユーザからの入力を容易に受け付けることができ、操作性も向上できる。
【0076】
キーパット220aはさらに、ホルダHDを備えることができる。ホルダHDにより、情報読取セット1000を使用時に、ユーザの手から情報読取セット1000が落下することを防ぎ、把持しやすくできる。
【0077】
また、ホルダHDを設ける代わりに、突出部46をユーザが把持しやすい形状の把持部材とすることもできる。図9に示すキーパッドモジュール220bは、図8のキーパッドモジュール220aと比して長尺に、つまり突出部46bの突出量を多くしている。また、突出部46bの形状もユーザが把持しやすい棒状としている。これにより、ホルダHD等の別部材を設けなくても、ユーザに把持しやすい形状として利便性の向上を図っている。
【0078】
また、キーパッドモジュール220bは、情報読取装置100の本体側接合領域30を受容する部分の裏面側にRFIDを読み取るためのRFIDリーダが設けられていてもよい。これにより、RFIDを読み取ることができ、かつテンキー204での入力を併存させることが可能となる。
(トリガモジュール230)
【0079】
情報読取セット1000はまた、一以上の入力モジュールのうちの1つとしてバッテリ231を内蔵したトリガモジュール230を備えうる。図10のトリガモジュール230は、モジュール側筐体40が、第三主面41と交差する方向に突出された把持部48を備えている。この把持部48に、モジュール側入力部としてトリガ48aを設けている。これにより、情報読取セットをガンタイプとしたいユーザのニーズに応えることができる。
(RFIDモジュール240)
【0080】
情報読取セット1000はさらに、一以上の入力モジュールのうちの1つとしてバッテリ241を内蔵したRFIDモジュール240を備えうる。RFIDモジュール240は、RFIDタグが読み取れれば任意の態様とできる。例えば、図11のRFIDモジュール240は、モジュール側筐体40が、第三主面41と交差する方向に突出されたRFID把持部49と、RFIDタグを読み取るRFIDリーダ49aを備えている。これにより、カメラ部で光学式に情報を読み取る機能に加えて、RFIDリーダ49aで電磁気的に情報を読み取る機能を付加できる。
(充電台70)
【0081】
充電台70は、上記各情報読取セットを充電するためのものである。図12は、充電台の一態様を示している。この図に示すように、1つの充電台70で、上記各拡張モジュール200を係合した情報読取セット1000に対応可能としている。充電台70は、各情報読取セットを載置する載置面71を備えている。載置面71は任意の形状とでき、本実施形態では概ね円形状としている。図12に示すように、載置面71を円形状としておいて、周りを開放することで、360°いずれの方向からでも拡張モジュール200を載置、把持でき、使い勝手を良くしている。
【0082】
載置面71の概ね中央部分には、充電台側接点72を設けている。この充電台側接点72と、拡張モジュール200に設けられたモジュール側接点203とを接触させることにより、拡張モジュール200を充電することができる。
【0083】
モジュール側接点203は、電源モジュール210やキーパッドモジュール220aのような板状のものには、図13に示すように、底面側(図13では上面側)に設けることができる。一方、キーパッドモジュール220b、トリガモジュール230、RFIDモジュール240のような棒状の把持部がある形状のものには、図14に示すように、モジュール側筐体40の第三主面41と反対側の先端部に設けることができる。
【0084】
さらに、これら充電台側接点72と、モジュール側接点203にそれぞれ、磁石を設けてもよい。これにより、モジュール側接点203を充電台側接点72に接触させる際の位置決めを容易にすることができる。
【0085】
ここまで、1つの充電台70で1つの情報読取セット1000を充電する例について説明した。ただ、本開示の充電台は上記態様に限定されない。例えば、図15に示す充電台70Bは、複数の充電台を連結して形成している。これにより、一度に複数の情報読取りセット1000を充電できるため、作業効率の向上に資する。
【0086】
また、上述の充電台70、70Bの載置面71は、概ね水平面状としているが、本開示の充電台は上記態様に限定されない。例えば、図16に示す充電台70Cは、載置面71Cを傾斜面としている。載置面71Cを傾斜させることにより、板状の、例えば、電源モジュール210と係合している情報読取セット1000に関しては、載置、把持をしやすくできるという利点がある。
[実施形態2]
【0087】
実施形態1では、情報読取装置100に、複数の異なる拡張モジュール200のいずれか一を組み合わせて使用する例について説明した。ただ、本開示の情報読取セットは上記態様に限定されない。例えば、図17及び図18に示す実施形態2の情報読取セット1000Dは、複数の情報読取装置100Dと、一以上の拡張モジュール200とを備えることができる。
【0088】
図17は、拡張モジュール200が1つの場合を、図18は、拡張モジュール200が複数の場合を示している。複数の情報読取装置100Dは、図6に示されるような収納部16及収納される本体側接続端子20等の形状を概ね同じにすることにより、異なる情報読取装置100Dに対し共通の拡張モジュール200を接合可能としている。これにより、各情報読取装置100Dで拡張モジュール200の使い回しが可能となり利便性を向上できる。
【0089】
複数の情報読取装置100Dは、例えば、図17に示すように、表示部130Dを異なるサイズのものとできる。これにより、ディスプレイサイズの異なる情報読取装置100Dを選択的に利用可能とできる。
[実施形態3]
【0090】
実施形態2では、ディスプレイサイズの異なる複数の情報読取装置100Dについて説明した。ただ本開示の情報読取セットは上記態様に限定されない。例えば、図19に示す実施形態5に係る情報読取セット1000Eは、オペレーティングシステムの異なる複数の情報読取装置100Eと、一以上の拡張モジュール200を備えることができる。これにより、異なるOSの情報読取装置100Eでも、本体側接合領域30を共通化することで拡張モジュール200の使い回しが可能となる。
【0091】
上述のように、本開示の情報読取セットは、複数種類の情報読取装置に対して、複数種類の拡張モジュールを自由に組み合わせ可能なシステム構成としている。例えば、1つの情報読取装置に対して複数の拡張モジュール、複数の情報読取装置に対して1つの拡張モジュール、複数の情報読取装置に対して複数の拡張モジュール、1つの情報読取装置に対して1つの拡張モジュールというように、使用する態様に合わせて適宜調整可能としている。その結果、用途に適した柔軟な運用を可能としている。また、各拡張モジュールは個別に改良や変更を重ねることができ、システム全体での長期継続使用を図ることもできる。
【0092】
さらに、各拡張モジュールを設計し、各拡張モジュールとのインターフェースを維持しておくことで、各拡張モジュールに対して接続される情報読取装置も改良や変更を重ねることができる。たとえば、タッチパネル、プロセッサ、カメラの進化に合わせて情報読取装置を改良する際に、拡張モジュールとのインターフェース部分を維持しておけば、既存の拡張モジュールに接続可能となり、システム全体での長期継続使用を図ることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本開示の情報読取セット、情報読取装置及び拡張モジュールは、倉庫や工場、店舗等で使用される、バーコードや二次元コードなどのシンボルを読み取ってデータの登録、照合を行う定置式コードリーダや、ハンディスキャナ、ハンディターミナル、業務用PDA等に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0094】
1000、1000D、1000E…情報読取セット
100、100D、100E…情報読取装置
110…カメラ部
120…プロセッサ部
121…デコード部
123…キー操作部
130、130D…表示部
140…通信インターフェース
140a…無線通信部
140b…有線インターフェース部
150…判定部
160…制御部
170…本体側メモリ部
101…第一係合構造
102…第二係合構造
10…筐体
10a…第一端部
10b…第二端部
11…第一主面
12…第二主面
13…周囲開放領域
14…第一壁部
14a…係合穴
14b…第一当接面
14c…放音穴
15…第二壁部
15b…第二当接面
16…収納部
16a…溝
17…係止爪受け
18…SIMカードスロット
19…SDカードスロット
20…本体側接続端子
20a…受電端子
20b…信号端子
30…本体側接合領域
40…モジュール側筐体
40a…第一端部
40b…第二端部
41…第三主面
42…モジュール側接続端子
42a…給電端子
42b…モジュール側信号端子
43…モジュール側接合領域
44…係合突起
45…係合凹部
46、46b…突出部
47…係止爪
48…把持部
48a…トリガ
49…RFID把持部
49a…RFIDリーダ
50…凸部
60…パッキン
70、70B、70C…充電台
71、71C…載置面
72…充電台側接点
200…拡張モジュール
211、221、231、241…バッテリ
201…内部インターフェース部
202…外部インターフェース部
203…モジュール側接点
204…テンキー
205…メモリ部
210…電源モジュール
220、220a、220b…キーパッドモジュール
230…トリガモジュール
240…RFIDモジュール
AR1、AR2、AR3…モジュール側筐体の移動の方向
HD…ホルダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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図11
図12
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図15
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図17
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図19