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特開2022-14427積み卸し装置とその装置を用いた積み卸しシステムおよびその積み卸し方法ならびにその装置を用いた構造物の構築システムとその構築方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014427
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】積み卸し装置とその装置を用いた積み卸しシステムおよびその積み卸し方法ならびにその装置を用いた構造物の構築システムとその構築方法
(51)【国際特許分類】
   B66C 19/00 20060101AFI20220112BHJP
   B60P 1/54 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
B66C19/00 E
B60P1/54 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021033767
(22)【出願日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】P 2020116308
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390035312
【氏名又は名称】東光産業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591075641
【氏名又は名称】東鉄工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390041449
【氏名又は名称】株式会社レンタルのニッケン
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(72)【発明者】
【氏名】前田 知樹
(72)【発明者】
【氏名】笹川 透
(72)【発明者】
【氏名】大野 晃由
(72)【発明者】
【氏名】宇津木 浩行
(57)【要約】
【課題】装置の簡素化と作業効率の向上と作業の省力化を図る。
【解決手段】
積み卸し装置2は、軌道Rを走行する軌陸車3の荷台4に取り付けられる。積み卸し装置2は、荷台4に取り付けられるベース部20の左右一方の側に、前後方向に所定の間隔を隔てて軸受部22、23を介して設けられ、ベース部20に対して垂直軸中心に回動可能な支持柱10、11と、一端がこれら支持柱10、11に連結され、延長他端12A、13Aが車両外側に延びる案内桁12、13と、案内桁12、13の延長他端12A、13Aに取り付けられ、軌道Rに臨む作業場所Pに接地可能な支持脚14、15とを備えている。軌陸車3の走行時、案内桁12、13を荷台4上に配し、作業時、案内桁12、13の延長他端12A、13Aを軌道Rに臨む作業場所Pに配し、支持柱10、11と支持脚14、15により支持して、案内桁12、13を荷台4と作業場所Pとの間に配置している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置であって、
延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えたことを特徴とする積み卸し装置。
【請求項2】
案内手段の車両側支持手段を、車両の左右方向に移動させる可動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の積み卸し装置。
【請求項3】
変位手段は、案内手段を支持手段の車両側支持部を中心に水平方向に回動させ案内手段を走行方向に対し平面上の異なる方向に変位させる旋回手段と、案内手段を支持手段の車両側支持部を中心に上下方向に揺動させる揺動手段とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の積み卸し装置。
【請求項4】
変位手段は、案内手段の延長端を所望の高さに変位させて保持するとともに、水平状態に保持可能な引張手段を有することを特徴とする請求項3に記載の積み卸し装置。
【請求項5】
旋回手段は、複数の案内手段を非干渉位置で水平方向に回動させることを特徴とする請求項3または4に記載の積み卸し装置。
【請求項6】
支持手段は、案内手段の車両側端部を支持する車両側支持部と、案内手段の延長端部を支持し高さが調整可能な延長端側支持部とを備えて構成されることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1に記載の積み卸し装置。
【請求項7】
被搬送物を吊り上げ可能に保持する吊り上げ手段と、吊り上げ手段を案内手段に沿って移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1に記載の積み卸し装置。
【請求項8】
延長端側支持部を、案内手段に沿って移動可能に構成し、案内手段の延長端から所望の距離を確保して係止することを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1に記載の積み卸し装置。
【請求項9】
軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置であって、
車両の荷台部の左右いずれか一方の側に、前後方向に所定の間隔を隔てて複数設けられ、荷台部に対して垂直軸中心に回動可能な支持柱と、
一端側が支持柱に揺動可能に連結されるとともに延長他端が車両外側に延びる案内桁と、
案内桁の延長他端に取り付けられ、走行路に臨む作業場所に接地可能な支持脚とを備えたことを特徴とする積み卸し装置。
【請求項10】
支持柱は、車両の荷台部に取り外し可能に設けられるベース部に軸受部を介して設けられるとともに高さを異ならせて構成され、支持脚は、高さが調整可能に構成されることを特徴とする請求項9に記載の積み卸し装置。
【請求項11】
ベース部には、支持柱を荷台部の左右方向に自在に変位させる摺動部を設けたことを特徴とする請求項10に記載の積み卸し装置。
【請求項12】
支持柱には、引張端が案内桁に連結され、案内桁回動時に案内桁の延長端を引っ張り上げて支持脚を荷台部から浮き上がらせるとともに、案内桁を水平に保持可能なウインチが設けられることを特徴とする請求項11に記載の積み卸し装置。
【請求項13】
案内桁に転動自在に載置され制御可能に走行する電動トロリと、この電動トロリに吊支され被搬送物を吊り上げ可能に保持するチェーンブロックとを備えたことを特徴とする請求項9ないし12のうちいずれか1に記載の積み卸し装置。
【請求項14】
支持脚の上端部は、案内桁に摺動自在に係止されることを特徴とする請求項9ないし13のうちいずれか1に記載の積み卸し装置。
【請求項15】
被搬送物は長尺物または重量物であることを特徴とする請求項9ないし14のうちいずれか1に記載の積み卸し装置。
【請求項16】
軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられた積み卸し装置を用いて車両と走行路外側の作業場所との間で被搬送物を積み卸しする積み卸しシステムであって、
積み卸し装置は、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えて構成され、
車両上に案内手段を配して車両を走行させ、この車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置させ、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しすることを特徴とする積み卸しシステム。
【請求項17】
案内手段の車両側支持手段を、車両の左右方向に移動させる可動手段を備え、
車両走行時には、車両側支持手段を車両の左右一端に移動させて案内手段を車両上に配置させ、作業時には、作業に応じて車両側支持手段を車両の左右方向所望の場所に位置させることを特徴とする請求項16に記載の積み卸しシステム。
【請求項18】
軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両と走行路外側の作業場所との間で被搬送物を積み卸しする積み卸し方法であって、
車両を、案内手段を車両上に配置して支持し作業場所まで走行させる第1のステップと、
車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置する第2のステップと、
被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しする第3のステップとを有することを特徴とする積み卸し方法。
【請求項19】
案内手段の車両側支持部を、車両の左右方向に移動させて支持するよう構成し、
第1のステップで、案内手段の車両側支持部を車両の左右一端に移動させて支持し、
第2のステップで、作業に応じて案内手段の車両側支持部を車両の左右方向所望の場所に位置させて支持することを特徴とする請求項18に記載の積み卸し方法。
【請求項20】
軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられた積み卸し装置を用いて車両と走行路外側の作業場所との間で構造物構築用の被搬送物を積み卸して構造物を構築する構造物の構築システムであって、
積み卸し装置は、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えて構成されるとともに、案内手段の車両側支持手段を、車両の左右方向に移動させる可動手段を備え、
車両上に案内手段を配して支持し車両を走行させ、この車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置させ、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させるとともに、作業に応じて車両側支持手段を車両の左右方向所望の場所に位置させて被搬送物を積み卸して構造物を構築することを特徴とする構造物の構築システム。
【請求項21】
被搬送物を吊り上げ可能に保持する吊り上げ手段と、吊り上げ手段を案内手段に沿って移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする請求項20に記載の構造物の構築システム。
【請求項22】
支持手段は、案内手段の車両側端部を支持する車両側支持部と、案内手段の延長端部を支持し高さが調整可能な延長端側支持部とを備えて構成され、延長端側支持部を、案内手段に沿って移動可能に構成し、案内手段の延長端から所望の距離を確保して係止することを特徴とする請求項20または21に記載の構造物の構築システム。
【請求項23】
軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両と走行路外側の作業場所との間で構造物構築用の被搬送物を積み卸して構造物を構築する構造物の構築方法あって、
車両に被搬送物を積み込む第1のステップと、
案内手段を支持手段により支持して車両上に配置し、車両を作業場所まで走行させる第2のステップと、
車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置する第3のステップと、
被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸す第4のステップと、
積み卸された被搬送物により構造物を構築する第5のステップとを有することを特徴とする構造物の構築方法。
【請求項24】
案内手段の車両側支持部を、車両の左右方向に移動させて支持するよう構成し、
第4のステップで、被搬送物を作業場所に積み卸した後、案内手段の車両側支持部を車両の左右一端のうち作業場所側の端部に移動させて支持することを特徴とする請求項23に記載の構造物の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置とその装置を用いた積み卸しシステムおよびその積み卸し方法ならびにその装置を用いた構造物の構築システムとその構築方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、新たにプラットホームを構築する際には、構築場所に構築用資材が運び込まれる。従来、床材のPC板のような重量部材(被搬送物、長尺物)を作業現場に搬出入するには、走行車輪を備えた車台上に、クレーンを設け、このクレーンを、上下方向に伸縮し水平方向に回動可能な支柱と、この支柱の頂部に横方向に延びるリフトアームの基端部を枢支させ、リフトアームの先端側を所定の範囲で上下動させる昇降機構と、このリフトアームに長さ方向に沿って移動可能な吊持装置とを備えて構成し、車台上または作業場所の重量物を積み卸しするようにしている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この作業方法では、電車動力用電力を鉄道事業者の変電所から線路上の架空電車線(トロリー線)へ供給するき電を停止するき電停止作業を行い、電気を止めて作業する必要があった。また、長尺物(5.0m以上)や重量物(1.0t/枚以上)の場合は、トロ運搬台車に積載して別途、軌陸車で牽引して搬入出する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭51-89663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の積み卸し装置では、車台の左右両側の前後からそれぞれ支持脚を外方に張り出せて積み卸し時の安定を確保するようにしている。しかしながら、駅のプラットホームやトンネル内の作業場所など狭隘な空間で作業する際には、支持脚を張り出すスペースを確保することができず、架空線に近接してクレーンのブームの上げ下げによる作業の場合、電気を止めての作業が必要となり、作業時間の制約を受けるといった問題がある。また、被搬送部材としての重量部材が、PC板のような縦横が長寸のものでしかも重いものの場合、トロ運搬台車に積載して別途、軌陸車で牽引して搬入出したり、クレーンを大型化し車台も長大化しなければならないという問題がある。また、作業場所にプラットホーム(構造物)等を構築するための重量部材(PC板、長尺の鉄骨などの構造物構築用被搬送材、)が搬入されて、複数の重量部材が積み重ねられると、作業場所にジブクレーンを設置し、構造物を構築するようにしている。このため、構築作業に時間がかかったり、狭隘な空間にクレーンを設置するのに難渋するという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、たとえ狭隘な作業空間であっても制約されることがなく、しかも簡素な構成で、重量があり嵩張る被搬送物でも長尺物の被搬送物でも、効率的に安全かつ容易に積み卸しすることができ、しかも構造物を効率的に構築することができる積み卸し装置とその装置を用いた積み卸しシステムおよびその積み卸し方法ならびにその装置を用いた構造物の構築システムとその構築方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る積み卸し装置は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置であって、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
本発明の請求項1に係る積み卸し装置では、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置であって、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えたことにより、車両の走行時または非作業時には、変位手段により案内手段を変位させて車両上に配し、作業時には、案内手段を変位させて延長端を走行路の外側に配して支持手段により支持し、案内手段を車両と走行路の外側との間に配置するようになっている。このため、被搬送物を車両と走行路外側の作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しすることができ、作業が効率化される。また、案内手段は支持手段により車両側と走行路外側との間で支持されるので、案内手段は軽量化、簡素化される。
【0008】
本発明に係る積み卸し装置は、案内手段の車両側支持手段を、車両の左右方向に移動させる可動手段を備えることが好ましい。係る構成とすることにより、作業時、案内手段を車両上で左右に移動させることができるので、作業場所を広げることができる。また、被搬送物の積み卸し空間を必要最小限のままにすることができるので、案内桁の長尺化を抑制できる。さらに、変位手段は、案内手段を支持手段の車両側支持部を中心に水平方向に回動させ案内手段を走行方向に対し平面上の異なる方向に変位させる旋回手段と、案内手段を支持手段の車両側支持部を中心に上下方向に揺動させる揺動手段とを有することが好ましい。係る構成とすることにより、車両の走行時または非作業時には、旋回手段により案内手段を車両側端部を中心に旋回させて車両上に配し、作業時には、案内手段を車両側端部を中心に延長端を走行路外側の走行路に臨む作業場所まで旋回させ支持手段により支持し、案内手段を車両と走行路に臨む作業場所との間に配置するようになっている。このため、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しすることができ、作業が効率化される。また、変位手段は、案内手段の延長端を所望の高さに変位させて保持するとともに、水平状態に保持可能な引張手段を有することが好ましい。係る構成とすることにより、作業時、案内手段を迅速に設置することができる。さらに、旋回手段は、複数の案内手段を非干渉位置で水平方向に回動させることが好ましい。係る構成とすることにより、案内手段が複数設けられていても干渉することなしに車両に配置することができる。また、支持手段は、案内手段の車両側端部を支持する車両側支持部と、案内手段の延長端部を支持し高さが調整可能な延長端側支持部とを備えて構成されることが好ましい。係る構成とすることにより、案内手段の延長端が走行路の外側に配置されると、延長端側支持部の高さが調整されるので、案内手段の水平が確保される。さらに、被搬送物を吊り上げ可能に保持する吊り上げ手段と、吊り上げ手段を案内手段に沿って移動させる移動手段とを備えることが好ましい。係る構成とすることにより、車両が作業場所に臨んで配され、案内手段の延長端が走行路外側に配置され、案内手段が支持手段により支持されると、吊り上げ手段は移動手段により案内手段に沿って移動可能となる。車両上の被搬送物を作業場所に積み卸す場合、吊り上げ手段が車両の被搬送物を吊り上げ保持して案内手段を移動し、作業場所に達すると被搬送物を作業場所に吊り降ろし、作業場所上の被搬送物を車両に積み卸す場合、吊り上げ手段が作業場所の被搬送物を吊り上げ保持して案内手段を移動し、車両に達すると被搬送物を車両に吊り降ろすようになっている。このため、被搬送物の積み卸し作業が安全かつ効率的に行われ、さらに、人力作業が省力化される。また、延長端側支持部を、案内手段に沿って移動可能に構成し、案内手段の延長端から所望の距離を確保して係止することが好ましい。係る構成とすることにより、延長端側支持部を車両上に配置したり、車両外側の近傍に配置すると、案内手段の、延長端側支持部から延長端までの間に吊り上げ手段と移動手段を配置すると、ジブクレーンとして使用することができる。
【0009】
本発明の請求項9に係る積み卸し装置は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置であって、車両の荷台部の左右いずれか一方の側に、前後方向に所定の間隔を隔てて複数設けられ、荷台部に対して垂直軸中心に回動可能な支持柱と、一端側が支持柱に揺動可能に連結されるとともに延長他端が車両外側に延びる案内桁と、案内桁の延長他端に取り付けられ、走行路に臨む作業場所に接地可能な支持脚とを備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明の請求項9に係る積み卸し装置では、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置であって、車両の荷台部の左右いずれか一方の側に、前後方向に所定の間隔を隔てて複数設けられ、荷台部に対して垂直軸中心に回動可能な支持柱と、一端側が支持柱に揺動可能に連結されるとともに延長他端が車両外側に延びる案内桁と、案内桁の延長他端に取り付けられ、走行路に臨む作業場所に接地可能な支持脚とを備えたことにより、車両の走行時または非作業時には、案内桁を支持柱側端部を中心に回動させて車両上に配し、作業時には、案内桁を支持柱側端部を中心に延長他端を走行路外側の走行路に臨む作業場所まで回動させて支持脚により支持して、案内桁を車両の荷台部と走行路に臨む作業場所との間に配置するようになっている。このため、被搬送物を車両の荷台部と作業場所との間で案内桁に沿って移動させて積み卸しすることができ、作業が効率化される。
【0011】
また、本発明に係る積み卸し装置は、支持柱は、車両の荷台部に取り外し可能に設けられるベース部に軸受部を介して設けられるとともに高さを異ならせて構成され、支持脚は、高さが調整可能に構成されることが好ましい。係る構成とすることにより、ベース部を介して積み卸し装置を取り外すと、車両は他の用途でも使用することができる。支持柱の高さが異なっているので、案内桁を非干渉位置で回動させることができる。支持脚の高さを調整して案内桁の水平を確保することができる。さらに、ベース部には、支持柱を荷台部の左右方向に自在に変位させる摺動部を設けることが好ましい。係る構成とすることにより、作業時、支持柱を荷台部上で左右に移動させることができるので、作業場所を広げることができる。また、被搬送物の積み卸し空間を必要最小限のままにすることができるので、案内桁の長尺化を抑制できる。また、支持柱には、引張端が案内桁に連結され、案内桁回動時に案内桁の延長端を引っ張り上げて支持脚を荷台部から浮き上がらせるとともに、案内桁を水平に保持可能なウインチが設けられることが好ましい。係る構成とすることにより、案内桁の回動時に支持脚を荷台部から浮き上がらせて回動させるので、支持脚が荷台部に干渉することがない。さらに、案内桁を配置位置で水平に保持するようにしているので、支持脚の高さ調整を容易に行うことができ、作業が効率化される。また、案内桁に転動自在に載置され制御可能に走行する電動トロリと、この電動トロリに吊支され被搬送物を吊り上げ可能に保持するチェーンブロックとを備えことが好ましい。係る構成とすることにより、荷台部と作業場所との間で被搬送物の積み卸しを容易にかつ効率的にしかも安全に行うことができる。また、支持脚の上端部は、案内桁に摺動自在に係止されるようにすることが好ましい。係る構成とすることにより、支持脚を車両上に配置したり、車両外側の近傍に配置すると、案内桁の、支持脚から延長端までの間に電動トロリとチェーンブロックを配置すると、ジブクレーンとして使用することができる。さらに、被搬送物は長尺物または重量物であってもよい。係る構成とすることにより、作業効率を向上させることができる。
【0012】
本発明の請求項16に係る積み卸しシステムは、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられた積み卸し装置を用いて車両と走行路外側の作業場所との間で被搬送物を積み卸しする積み卸しシステムであって、積み卸し装置は、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えて構成され、車両上に案内手段を配して車両を走行させ、この車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置させ、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しすることを特徴としている。
【0013】
本発明の請求項16に係る積み卸しシステムでは、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられた積み卸し装置を用いて車両と走行路外側の作業場所との間で被搬送物を積み卸しする積み卸しシステムであって、積み卸し装置は、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えて構成され、車両上に案内手段を配して車両を走行させ、この車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置させ、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しすることにより、車両の走行時または非作業時には、変位手段により案内手段を変位させて車両上に配し、作業時には、案内手段を変位させて延長端を走行路の外側に配して支持手段により支持し、案内手段を車両と走行路の外側との間に配置するようになっている。このため、被搬送物を車両と走行路外側の作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しすることができ、作業が効率化される。また、案内手段は支持手段により車両側と走行路外側との間で支持されるので、案内手段は軽量化、簡素化される。さらに、作業場所に至ると速やかに作業を開始することができ、また、作業終了後、案内手段を車両上に配置すると速やかに撤収することができ、作業が効率化される。
【0014】
また、本発明に係る積み卸しシステムは、案内手段の車両側支持手段を、車両の左右方向に移動させる可動手段を備え、車両走行時には、車両側支持手段を車両の左右一端に移動させて案内手段を車両上に配置させ、作業時には、作業に応じて車両側支持手段を車両の左右方向所望の場所に位置させることが好ましい。係る構成とすることにより、作業時、案内手段を車両上で左右に移動させることができるので、作業場所を広げることができる。また、被搬送物の積み卸し空間を必要最小限のままにすることができるので、案内桁の長尺化を抑制できる。
【0015】
本発明の請求項18に係る積み卸し方法は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両と走行路外側の作業場所との間で被搬送物を積み卸しする積み卸し方法であって、車両を、案内手段を車両上に配置して支持し作業場所まで走行させる第1のステップと、車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置する第2のステップと、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しする第3のステップを有することを特徴としている。
【0016】
本発明の請求項18に係る積み卸し方法では、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両と走行路外側の作業場所との間で被搬送物を積み卸しする積み卸し方法であって、車両を、案内手段を車両上に配置して支持し作業場所まで走行させる第1のステップと、車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置する第2のステップと、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しする第3のステップとを有することにより、車両の走行時または非作業時には、案内手段を車両上に配し、作業時には、案内手段が車両上に配された車両を作業場所まで走行させ、作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路の外側に配して支持し、案内手段を車両と走行路の外側との間の作業場所に配置し、案内手段に沿って、車両側の被搬送物を走行路外側の作業場所に積み卸しし、作業場所の被搬送物を車両側に積み卸しすることができ、作業場所に至ると速やかに作業を開始することができ、また、作業終了後、案内手段を車両上に配置すると速やかに撤収することができ、作業が効率化される。
【0017】
また、本発明に係る積み卸し方法は、案内手段の車両側支持部を、車両の左右方向に移動させて支持するよう構成し、第1のステップで、案内手段の車両側支持部を車両の左右一端に移動させて支持し、第2のステップで、作業に応じて案内手段の車両側支持部を車両の左右方向所望の場所に位置させて支持することが好ましい。係る構成とすることにより、作業時、案内手段を車両上で左右に移動させることができるので、作業場所を広げることができる。また、被搬送物の積み卸し空間を必要最小限のままにすることができるので、案内桁の長尺化を抑制できる。
【0018】
本発明の請求項20に係る構造物の構築システムは、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられた積み卸し装置を用いて車両と走行路外側の作業場所との間で構造物構築用の被搬送物を積み卸して構造物を構築する構造物の構築システムであって、積み卸し装置は、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えて構成されるとともに、案内手段の車両側支持手段を、車両の左右方向に移動させる可動手段を備え、車両上に案内手段を配して支持し車両を走行させ、この車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置させ、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させるとともに、作業に応じて車両側支持手段を車両の左右方向所望の場所に位置させて被搬送物を積み卸して構造物を構築することを特徴としている。
【0019】
本発明の請求項20に係る構造物の構築システムでは、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられた積み卸し装置を用いて車両と走行路外側の作業場所との間で構造物構築用の被搬送物を積み卸して構造物を構築する構造物の構築システムであって、積み卸し装置は、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えて構成されるとともに、案内手段の車両側支持手段を、車両の左右方向に移動させる可動手段を備え、車両上に案内手段を配して支持し車両を走行させ、この車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置させ、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させるとともに、作業に応じて車両側支持手段を車両の左右方向所望の場所に位置させて被搬送物を積み卸して構造物を構築するようにしているので、被搬送物を車両から積み卸ししながら構造物を構築したり、被搬送物を作業場所に積み卸ししさえすれば、直ちに構造物の構築に取りかかることができるので、構築作業を効率化することができる。
【0020】
また、本発明に係る構造物の構築システムでは、被搬送物を吊り上げ可能に保持する吊り上げ手段と、吊り上げ手段を案内手段に沿って移動させる移動手段とを備えることが好ましい。係る構成とすることにより、車両が作業場所に臨んで配され、案内手段の延長端が走行路外側に配置され、案内手段が支持手段により支持されると、吊り上げ手段は移動手段により案内手段に沿って移動可能となる。車両上の被搬送物を作業場所である構造物の構築場所に積み卸す場合、吊り上げ手段が車両の被搬送物を吊り上げ保持して案内手段を移動し、作業場所に達すると被搬送物を構築場所に吊り降ろし、構築場所上の被搬送物を車両に積み卸す場合、吊り上げ手段が構築場所の被搬送物を吊り上げ保持して案内手段を移動し、車両に達すると被搬送物を車両に吊り降ろすようになっている。このため、被搬送物の積み卸し作業が安全かつ効率的に行われ、さらに、人力作業が省力化される。さらに、支持手段は、案内手段の車両側端部を支持する車両側支持部と、案内手段の延長端部を支持し高さが調整可能な延長端側支持部とを備えて構成され、延長端側支持部を、案内手段に沿って移動可能に構成し、案内手段の延長端から所望の距離を確保して係止することが好ましい。係る構成とすることにより、延長端側支持部を車両上に配置したり、車両外側の近傍に配置すると、案内手段の、延長端側支持部から延長端までの間に吊り上げ手段と移動手段を配置すると、ジブクレーンとして使用することができる。このため、構築場所に別途ジブクレーンを設置する必要がなく、積み卸し装置をジブクレーンとしても利用することができ、構築作業が効率化される。
【0021】
また、本発明の請求項23に係る構造物の構築方法は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両と走行路外側の作業場所との間で構造物構築用の被搬送物を積み卸して構造物を構築する構造物の構築方法あって、車両に被搬送物を積み込む第1のステップと、案内手段を支持手段により支持して車両上に配置し、車両を作業場所まで走行させる第2のステップと、車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置する第3のステップと、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸す第4のステップと、積み卸された被搬送物により構造物を構築する第5のステップとを有することを特徴としている。
【0022】
本発明の請求項23に係る構造物の構築方法では、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両と走行路外側の作業場所との間で構造物構築用の被搬送物を積み卸して構造物を構築する構造物の構築方法あって、車両に被搬送物を積み込む第1のステップと、案内手段を支持手段により支持して車両上に配置し、車両を作業場所まで走行させる第2のステップと、車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置する第3のステップと、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸す第4のステップと、積み卸された被搬送物により構造物を構築する第5のステップとを有するようにしているので、被搬送物を車両から積み卸しすると、直ちに構造物の構築に取りかかることができるので、構築作業を効率化することができる。
【0023】
また、本発明に係る構造物の構築方法は、案内手段の車両側支持部を、案内手段の車両側支持部を、車両の左右方向に移動させて支持するよう構成し、第4のステップで、被搬送物を作業場所に積み卸した後、案内手段の車両側支持部を車両の左右一端のうち作業場所側の端部に移動させて支持するようにすることが好ましい。係る構成とすることにより、プラットホーム等の軌間方向幅が長尺の構造物であっても、案内手段の車両側支持部を車両側から構築場所側に移動させることができるので、移動距離を稼ぐことができ、作業場所に積み卸された被搬送物を構築場所の上に移動させることができる。このため、作業効率が向上する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の請求項1に係る積み卸し装置は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置であって、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えたので、被搬送物を車両と走行路外側の作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しすることができ、作業が効率化される。また、案内手段は支持手段により車両側と走行路外側との間で支持されるので、案内手段は軽量化、簡素化される。
【0025】
本発明の請求項9に係る積み卸し装置は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられ被搬送物を積み卸しする積み卸し装置であって、車両の荷台部の左右いずれか一方の側に、前後方向に所定の間隔を隔てて複数設けられ、荷台部に対して垂直軸中心に回動可能な支持柱と、一端側が支持柱に揺動可能に連結されるとともに延長他端が車両外側に延びる案内桁と、案内桁の延長他端に取り付けられ、走行路に臨む作業場所に接地可能な支持脚とを備えたので、被搬送物を車両の荷台部と作業場所との間で案内桁に沿って移動させて積み卸しすることができ、作業が効率化される。また、案内桁は支持柱と支持脚により車両側と走行路外側との間で支持されるので、案内桁は軽量化、簡素化され、全体の構成も簡素化される。
【0026】
本発明の請求項16に係る積み卸しシステムは、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられた積み卸し装置を用いて車両と走行路外側の作業場所との間で被搬送物を積み卸しする積み卸しシステムであって、積み卸し装置は、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えて構成され、車両上に案内手段を配して車両を走行させ、この車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置させ、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しするようにしたので、被搬送物を車両と走行路外側の作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しすることができ、作業が効率化される。また、案内手段は支持手段により車両側と走行路外側との間で支持されるので、案内手段は軽量化、簡素化される。
【0027】
本発明の請求項18に係る積み卸し方法は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両と走行路外側の作業場所との間で被搬送物を積み卸しする積み卸し方法であって、車両を、案内手段を車両上に配置して作業場所まで走行させる第1のステップと、車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置する第2のステップと、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸しする第3のステップとを有するようにしたので、案内手段を車両と走行路の外側との間の作業場所に配置し、案内手段に沿って、車両側の被搬送物を走行路外側の作業場所に積み卸しし、作業場所の被搬送物を車両側に積み卸しすることができ、作業場所に至ると速やかに作業を開始することができ、また、作業終了後、案内手段を車両上に配置すると速やかに撤収することができ、作業が効率化される。
【0028】
本発明の請求項20に係る構造物の構築システムは、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両に設けられた積み卸し装置を用いて車両と走行路外側の作業場所との間で構造物構築用の被搬送物を積み卸して構造物を構築する構造物の構築システムであって、積み卸し装置は、延長端が車両から車両の外側に延びる案内手段と、案内手段を車両側と走行路外側との間で支持する支持手段と、案内手段の延長端を走行路外側に変位させるとともに案内手段を車両上に配置させる変位手段とを備えて構成されるとともに、案内手段の車両側支持手段を、車両の左右方向に移動させる可動手段を備え、車両上に案内手段を配して支持し車両を走行させ、この車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置させ、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させるとともに、作業に応じて車両側支持手段を車両の左右方向所望の場所に位置させて被搬送物を積み卸して構造物を構築するようにしたので、構造物の構築作業を効率化することができる。
【0029】
本発明の請求項23に係る構造物の構築方法は、軌道または道路のうち少なくとも何れか一方の走行路を走行する車両と走行路外側の作業場所との間で構造物構築用の被搬送物を積み卸して構造物を構築する構造物の構築方法あって、車両に被搬送物を積み込む第1のステップと、案内手段を支持手段により支持して車両上に配置し、車両を作業場所まで走行させる第2のステップと、車両が作業場所に達すると、案内手段を変位させて延長端を走行路外側の作業場所に配して支持し、案内手段を車両と走行路外側の作業場所との間に配置する第3のステップと、被搬送物を車両と作業場所との間で案内手段に沿って移動させて積み卸す第4のステップと、積み卸された被搬送物により構造物を構築する第5のステップとを有するようにしたので、構造物の構築作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る積み卸し装置の要部を示す斜視図である。
図2図2は、図1の積み卸し装置の要部の作業時の状態を示す斜視図である。
図3図3は、図1の積み卸し装置の要部の走行時または非作業時の状態を示す斜視図である。
図4図4は、図1の積み卸し装置の左側面図である。
図5図5は、図1の積み卸し装置の平面図である。
図6図6は、図1の積み卸し装置の背面図である。
図7図7は、車両の荷台部にベース部を取り付けた状態を示す平面図である。
図8図8は、図7のベース部に支持柱と案内桁と支持脚とを取り付けて走行または非作業時の状態を示す平面図である。
図9図9の(A)、(B)はそれぞれ、長寸の支持脚とそれに対応する案内桁と支持脚、短寸の支持脚とそれに対応する案内桁と支持脚を示す背面図である。
図10図10は、図8のA部に示す長寸側支持柱の案内桁端部に取り付けられた支持脚が車両の荷台部に載置された状態を示す上面図である。
図11図11は、支持柱下部がベース部の軸受部に取り付けられた状態を示す一部省略断面図である。
図12図12の(A)、(B)はそれぞれ、支持柱上部の背面図と支持柱上端部に設けられた案内桁との連結部を示す上面図である。
図13図13の(A)ないし(C)はそれぞれ、案内桁の一部省略上面図とその背面図および案内桁の左側面図である。
図14図14の(A)ないし(D)はそれぞれ、案内桁と支持脚との連結部を示す断面図、支持脚の上面図、支持脚の側面図ならびに支持脚の正面図である。
図15図15は、被搬送物を載置し積み卸し装置が荷台に配置された車両の走行時の状態と、車両が軌道に臨む作業場所に停止して積み卸し装置が作業場所にセットされた状態とをそれぞれ示す説明図である。
図16図16は、本発明の第2の実施形態に係る積み卸し装置を示す平面図である。
図17図17は、図16の積み卸し装置の左側面図である。
図18図18は、図16の積み卸し装置の背面図である。
図19図19は、図16の積み卸し装置を作業場所にセットする状態を示す説明図である。
図20図20は、図16の積み卸し装置の走行時または非作業時の状態を示す平面図である。
図21図21は、荷台部のベース部にスライダを取り付けた状態を示す平面図である。
図22図22は、図21のスライダの要部を示す説明図である。
図23図23は、図21のスライダのXXIII-XXIII線に沿った断面を示す縦断面図である。
図24図24は、図23のスライダのXXIV-XXIV線に沿った断面を示す縦断面図である。
図25図25は、図16の積み卸し装置の支持脚の使用状態の一例を示す平面図である。
図26図26は、図16の積み卸し装置の支持脚の使用状態の一例を示す背面図である。
図27図27は、図16の積み卸し装置の要部の作業時の状態を示す斜視図である。
図28図28の(A)、(B)はそれぞれ、図16の積み卸し装置と車両に積み込まれた被搬送物を示す平面図および背面図である。
図29図29の(A)、(B)はそれぞれ、図16の積み卸し装置により車両に積み込まれた被搬送物を構築場所(作業場所)に積み卸す状態を示す平面図および背面図である。
図30図30は、図16の積み卸し装置の支持柱を車両の左右方向作業場所側へ移動させて支持し、支持脚を構築場所の奥行き側に配して支持し、積み卸され積み重ねられた被搬送物を、順次組み付けて構造物を構築する状態を示す説明図である。
図31図31は、図16の積み卸し装置の支持脚を案内桁延長端部から移動させて車両上に配置し、案内桁の延長端と支持脚との間に電動トロリとチェーンブロックとを配してジブクレーンとして使用し、被搬送物を構築場所に積み卸す状態を示す説明図である。
図32図32の(A)、(B)はそれぞれ、図31に示す積み卸し装置を用いて、被搬送物(構造物構築用鉄骨)を構造物の構築場所まで運び込んだ状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図33図33の(A)、(B)はそれぞれ、図32の積み卸し装置の案内桁を変位させ案内桁の延長端部を作業場所に配置し、支持脚を車両上に配置し、案内桁の延長端と支持脚との間にジブクレーンを設けた状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図34図34の(A)、(B)はそれぞれ、図33のジブクレーンが回転する状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図35図35の(A)、(B)はそれぞれ、図34の積み卸し装置から被搬送物(構造物構築用鉄骨)を吊り上げ、構築場所に移動させる状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図36図36の(A)、(B)はそれぞれ、図34の積み卸し装置により吊り込まれた構造物構築用鉄骨を、構築場所に架設する状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図37図37の(A)、(B)はそれぞれ、図36で垂直に架設された構造物構築用鉄骨に新たな別の構造物構築用鉄骨を横桁架設し、構造物(プラットホーム)の架構を構築する状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図38図38の(A)、(B)はそれぞれ、図37で構築された架構に、被搬送物(PC板)を積載した車両が運び込まれた状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図39図39の(A)、(B)はそれぞれ、図38の積み卸し装置の案内桁を変位させ、案内桁の延長端部を作業場所に配置し、支持脚を作業場所の架構上に配置し、案内桁の延長端と支持柱との間にジブクレーン(チェーンブロックと電動トロリ)を設けた状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図40図40の(A)、(B)はそれぞれ、図39の積み卸し装置の支持脚を、下方に伸長させ作業場所の地面に接地させた状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図41図41の(A)、(B)はそれぞれ、図40の車両に積み重ねられた被搬送物(PC板)最上部の一枚目を玉掛けする状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図42図42の(A)、(B)はそれぞれ、図41で玉掛けされた被搬送物(PC板)の最上部の一枚目を作業場所の架構上に積み卸す状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図43図43の(A)、(B)はそれぞれ、図41に示す車両上の被搬送物(PC板)を順次、作業場所の架構上に積み重ねる状態を模式的に示す平面図と背面図である。
図44図44は、図43のように車両上の被搬送物(PC板)を、所定枚数、所望の作業場所に積み卸すと、他の作業場所に順次移動しつつ積み卸してゆく状態を模式的に示す平面図である。
図45図45の(A)は、図44のように、架構の車両側一端に複数枚積み重ねられた被搬送物(PC板)を、ジブクレーンを用いて架構に、順次、敷設した状態を模式的に示す平面図、図45の(B)ないし(D)はそれぞれ、積み重ねられた被搬送物(PC板)を上から順に玉掛けして、順次、架構に敷設し、構造物(プラットホーム)を構築する状態を模式的に示す背面図である。
図46図46は、構造物として島プラットホームを構築する場合、上り線と下り線の両方側から同時に構築する状態を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に示す第1の実施形態により本発明を説明する。本発明の第1の実施形態に係る積み卸し装置2は、図1および図4に示すように、軌道(走行路)Rまたは道路(走行路)を選択可能に走行する軌陸車(車両)3の荷台4に設けられる。この軌陸車3は、PC板Wpc、鉄骨Wsf等の重量物(被搬送物)W(Wpc、Wsf)を倉庫等から載置して道路から軌道Rに乗り入れ、この軌道R上を走行して軌道Rに臨む作業場所P(図15参照)までこれら重量物Wを搬送し、積み卸し装置2により重量物Wを作業場所Pに積み卸すようになっている。また、逆に、作業場所Pの重量物Wを積み卸し装置2により荷台4に積み込み所望の場所に搬送するようになっている。
【0032】
積み卸し装置2は、図4ないし図6に示すように、軌陸車3の荷台部4の左右いずれか一方の側(本実施形態では、左側)に前後方向に所定の間隔を隔ててそれぞれ設けられ、荷台部4に対して垂直軸中心に回動可能な支持柱(支持手段、変位手段)10、11と、一端がこれら支持柱10、11に上下方向に揺動可能に連結されるとともに延長他端が軌陸車3の外側に延びる案内桁(案内手段)12、13と、案内桁12、13の延長他端に取り付けられ、軌道Rに臨む作業場所Pに接地可能な支持脚(支持手段)14、15とを備えて構成される。案内手段は、案内桁12、13を備えて構成され、支持手段は、支持柱(車両側支持部)10、11と支持脚(延長端側支持部)14、15とを備えて構成される。
【0033】
支持柱10、11は、荷台4に枠体のベース部20を介して設けられる。ベース部20は、図4に示すように、Jフック5を介して荷台4に取り外し可能に連結される。支持柱10、11は、本実施形態では前後方向におよそ2500mmの間隔を隔てて設けられる。この支持柱10、11間の間隔は、重量物の長さに応じて適宜設定してよいことはいうまでもない。前後の支持柱10、11はそれぞれ、図11に示すように、ベース部20に軸受部(変位手段)22、23を介して垂直軸中心に回動可能に取り付けられる。旋回方向の変位手段は、支持柱10、11と軸受部22、23とを備えて構成される。前後の支持柱10、11は、図6および図9の(A)、(B)に示すように、高さを異ならせて構成され、前方側の支持柱10は長寸に、後方側の支持柱11は短寸にそれぞれ形成され、案内桁12、13の旋回時、前後の案内桁12、13が干渉しないようになっている。これら軸受部22、23と高さの異なる支持柱10、11とにより、案内桁12、13を支持柱10、11を中心に水平方向に回動させ、案内桁12、13を走行方向に対し平面上の異なる方向に独立して変位させる旋回手段が構成される。しかも、この旋回手段は、支持柱10、11の高さを異ならせることにより、複数の案内桁12、13を非干渉位置で水平方向に回動させるようになっている。
【0034】
支持柱10、11は、図11図12の(A)、(B)に示すように、ベース部20に固定される支柱受け部10A、11Aと、下部10Ba、11Baが、この支柱受け部10A、11Aに樹脂プレート36を介して摺動可能に挿入され軸受部22、23の可動部に連結される支柱部10B、11Bとを備えている。支柱部10B、11Bには、下端から所定の高さで環状フランジ部35が形成され、樹脂プレート36に載置され摺動自在に回動するようになっている。つまり、支柱部10B、11Bはベース部20に固定された支柱受け部10A、11Aに対し相対回動可能になっている。これらフランジ部35と樹脂プレート36とには、周方向に所望の周角度で互いに合致する孔が穿設され、ピン16を挿入すると、支柱部10B、11Bを所望の回動角度で支柱受け部10A、11Aに対してロックするようになっている。すなわち、案内桁12、13を、図3に示すように、軌陸車3の荷台4上に配置したときと、案内桁12、13を、図2に示すように、走行方向に対して直角に外側に延ばしたときと、図1および図5に示すように、前後方向に開いてPC板Wpc、鉄骨Wsf等の重量物Wを荷台4に積み卸すときに、合致する孔にピン16を差し入れると、案内桁12、13の旋回をロックするようになっている。
【0035】
案内桁12、13は、図2および図3に示すように、断面エ字状鋼材からなり、長さが、本実施形態では、荷台4の横幅のほぼ1.5倍の長寸に形成される。これら案内桁12、13は、一端側が支持柱10、11に連結され、支持柱10、11を中心に走行方向に対し異なる方向に変位し荷台部4上から外側に旋回され、走行方向に対し直角の角度をとると、延長端部12A、13Aが、外側の最も遠い位置で、軌道Rに臨む軌道R外側の作業場所Pの上方に配置されるようになっている(図1図2および図5参照)。
【0036】
案内桁12、13は、支持ブラケット12C、13Cを介して横軸21により支持柱10、11の上部連結部34(図12(A)、(B)参照)に上下方向に揺動可能に連結される。つまり、案内桁12、13は支持ブラケット12C、13Cにより支持柱10、11を中心に旋回するとともに、延長端部12A、13Aが上下に揺動可能に変位するようになっている。これら支持ブラケット12C、13Cと横軸21と支持柱10、11の上部連結部34とにより、案内桁12、13を支持柱10、11の上部連結部34を中心に上下方向に揺動させる揺動手段が構成される。この揺動手段が揺動方向の変位手段を構成する。
【0037】
案内桁12、13の支持柱側端部12B、13Bには、水平方向に孔23が穿設されピン24が挿通可能になっている。このピン24には、後述する手巻きの手動ウインチ40のワイヤ41(図6参照)が支持柱10、11のワイヤガイド43を介して連結され、案内桁12、13の延長端部12A、13Aを持ち上げる際に用いられるようになっている。また、案内桁12、13の縦壁一側12E、13Eには、両端側のそれぞれに、後述する電動トロリ46(図6参照)の逸走を防止するストッパ25A、26Aが、案内桁12、13の上面12F、13Fには、両端側のそれぞれに、電動トロリ46を固定する固定ピン25B、26Bがそれぞれ設けられる。
【0038】
案内桁12、13の延長端部12A、13Aには、孔28(図13の(B)参照)が形成され、この孔28と、図6および図14の(A)~(D)に示すように、支持脚14、15の上端連結部14A、15Aの孔29とにピン27が横方向に挿通され、案内桁12、13に支持脚14、15が揺動可能に連結される。支持脚14、15は、上端連結部14A、15Aと管状の支持脚部14B、15Bとから構成され、上端連結部14A、15Aと支持脚部14B、15Bとは縦軸30を介して回動可能に連結される。支持脚部14B、15Bの下端開口には、管状の接地脚部14C、15Cがそれぞれ挿通され摺動可能に収容される。接地脚部14C、15Cには、上下に所定間隔毎に高さ調整孔31が形成され、支持脚部14B、15Bの孔32と合致させてピン33を挿入すると、支持脚14、15の高さを調整することができるようになっている。案内桁12、13は、荷台4から走行方向に対し直角の角度(図2参照)または外側に向かって開いた角度(図1参照)で、延長端部12A、13Aが軌道Rに臨む作業場所P上に配置されると、支持柱10、11と支持脚14、15により支持されるようになっている。また、案内桁12、13は、支持脚部14B、15Bと接地脚部14C、15Cとで支持脚14、15の高さを調整し、水平を確保することができるようになっている。
【0039】
支持柱10、11には、図6および図12の(A)に示すように、手巻きの手動ウインチ(引張手段、変位手段)40が設けられる。手動ウインチ40は、ワイヤ41の引張端が、ワイヤガイド43に掛け回されて案内桁12、13の支持柱側端部12B、13Bのピン24に連結される。この手動ウインチ40のレバー42を回動操作してワイヤ41を巻き取ると、案内桁12、13のピン24が下方に押し下げられ、案内桁12、13が横軸21を中心に回動し、延長端部12A、13Aが上方に押し上げられ、支持脚14、15が吊り上げられるようになっている。このため、案内桁12、13を荷台4に接地された支持脚14、15とともに、荷台4の外側に旋回させる際、一旦、手動ウインチ40で支持脚14、15を持ち上げて吊り上げた状態で旋回させるようになっている。また、レバー42の回動操作により、支持脚14、15の長さを短寸にして、持ち上げた状態で案内桁12、13を水平に保持することもできるようになっている。さらに、長さが短寸に調整された支持脚14、15を、非接地状態で持ち上げた際、手動ウインチ40のワイヤ41を緩めると、案内桁12、13は横軸21より延長他端12A、13A側が重いので、ピン24が上方に変位し、案内桁12、13が横軸21を中心に回動し、延長端部12A、13Aが降下するようになっている。この場合、短寸の支持脚14、15が接地すると、案内桁12、13の回動は阻止され、案内桁12、13は横軸21と短寸の支持脚14、15により支持される。こうして、手動ウインチ40とピン24と横軸21とにより、案内桁12、13の延長端部12A、13Aを所望の高さに変位させて保持するとともに、水平状態にも保持可能な引張手段が構成される。
【0040】
つまり、荷台4と軌道Rに臨む作業場所Pとの間で積み卸しを行う際には、荷台4に配置された案内桁12、13を手動ウインチ40により支持脚14、15を吊り上げた状態に保持したまま、傾斜状態の案内桁12、13を、荷台4の外側に旋回させて走行方向に対して直角に配置する。続いて、手動ウインチ40を操作し、案内桁12、13を水平状態に保持し、吊り上げた支持脚14、15のピン33を脱着させることにより接地脚部14C、15Cを接地させて支持脚14、15の高さ調整を行うと、案内桁12、13は荷台4側の支持柱10、11と作業場所P側の支持脚14、15とにより水平に支持される。一旦、案内桁12、13が水平に支持されれば、手動ウインチ40のレバー42を回動操作してワイヤ41を緩めるようになっている。さらに、手動ウインチ40は、支持脚14、15を吊り上げた状態の案内桁12、13を、図1のように、外側に向かって開いた状態に保持し、荷台4への重量物Wの積み卸し時の作業空間Sを広く取ることもできるようになっている。この場合も、案内桁12、13が支持柱10、11と支持脚14、15とにより支持されれば、手動ウインチ40のワイヤ41を緩めるようにしている。また、荷台側の支持柱10、11と軌道R外側の支持脚14、15とにより支持された案内桁12、13を、荷台4側に旋回させて収容する際にも、手動ウインチ40で支持脚14、15を吊り上げた状態に保持して支持脚14、15の高さ調整を行い、案内桁12、13を荷台4に収容する方向に旋回させるときに、支持脚が14、15が荷台4に干渉しないようにしている。
【0041】
また、案内桁12、13には、図6および図13の(B)に示すように、縦壁下端から平坦に突出した両走行面12D、13D上に転動自在に載置され、コントローラ45により制御可能に走行する電動トロリ(移動手段)46と、この電動トロリ46に吊支され重量物Wを吊り上げ可能に保持するチェーンブロック(吊り上げ手段)47とが取り付けられる。これら電動トロリ46とチェーンブロック47は、軌陸車3が作業場所Pに臨んで配され、案内桁12、13が旋回されて走行方向に対して直角に延び支持脚14、15が軌道R外側の作業場所Pに接地され、案内桁12、13が支持柱10、11と支持脚14、15により支持されると、チェーンブロック47は電動トロリ46により案内桁12、13に沿って移動するようになっている。つまり、軌陸車3の荷台4上のPC板等の重量物Wを作業場所Pに積み卸す場合、チェーンブロック47により荷台4の重量物Wを吊り上げて保持し、電動トロリ46により案内桁12、13上を荷台4側から外側に向かって移動し、作業場所Pに達すると重量物Wを作業場所Pの所望の位置に吊り降ろすようになっている。他方、作業場所P上の重量物Wを荷台4に積み込む場合、チェーンブロック47により作業場所Pの重量物Wを吊り上げて保持すると、電動トロリ46により案内桁12、13上を荷台4側に向かって移動し、荷台4の所望の位置に達すると重量物Wを荷台4に吊り降ろすようになっている。
【0042】
このように、本実施形態に係る積み卸し装置2では、軌陸車3の走行時または非作業時には、案内桁12、13を、支持柱10、11側端部を中心に回動させて荷台4上に配し、作業時には、案内桁12、13を、支持柱10、11側端部を中心に延長他端12A、13Aを軌道Rに臨む作業場所Pまで旋回させて支持脚14、15により支持して、案内桁12、13を軌陸車3の荷台4と軌道Rに臨む作業場所Pとの間に配置するようになっている。このため、重量物Wを軌陸車3の荷台4と作業場所Pとの間で案内桁12、13に沿って移動させて積み卸しすることができるので、作業を効率化することができる。また、積み卸し装置2は荷台4にJフック5を介して取り付けるようにしているので、使用しない際は取り外して軌陸車3を他の用途に使用することもできる。また、案内桁12、13は、支持柱10、11と支持脚14、15とにより荷台4と作業場所Pとの間で支持されるので、案内桁12、13を軽量化、簡素化できる。このため、支持柱10、11や支持脚14、15の軽量化、簡素化することができ、装置全体の軽量化を図ることができる。
【0043】
次に、本発明の第1の実施形態に係る積み卸し装置を用いた積み卸しシステムおよび積み卸し方法について、上記実施形態に係る積み卸し装置2の動作に基づいて説明する。上記実施形態に係る積み卸し装置2は、軌陸車3の荷台4に設けられ、この軌陸車3は、軌道Rまたは道路のいずれの走行路も走行可能になっている。倉庫等からPC板等の重量物Wを軌陸車3の荷台4に積み込む際には、図1または図5に示すように、手動ウインチ40により案内桁12、13の支柱側端部12B、13Bを下方に引っ張り、延長端部12A、13A側を上方に変位させて支持脚14、15を持ち上げ、案内桁12、13を、支持柱10、11を中心に旋回させ、延長端部12A、13Aを外側に向かって開き、所定の角度でピン16により案内桁12、13の旋回をロックする。そして、支持脚14、15の高さを調整し、案内桁12、13を支持柱10、11と支持脚14、15とにより支持して手動ウインチ40のワイヤ41を緩め、案内桁12、13間に作業空間Sを確保して重量物Wを荷台4に積み込む。
【0044】
荷台4に重量物Wが積み込まれると、次に、案内桁12、13を荷台4上に収容する。案内桁12、13を収容するには、図3および図8に示すように、手動ウインチ40により案内桁12、13を引っ張った状態で、支持脚14、15を持ち上げて短寸に調整し、ピン16を外して案内桁12、13を荷台4側に旋回させ、支持脚14、15を荷台4上の所定位置PS1、PS2上に配置する。そして、支持脚14、15の高さを調整して接地させると、支持脚部14B、15Bと接地脚部14C、15Cとをピン33でロックし、支持脚14、15を荷台4に載せ、手動ウインチ40を解除してワイヤ41を緩める。こうして、案内桁12、13と支持脚14、15とが荷台4上に配置されると、道路から軌道Rに乗り入れ、図15に示すように、目的の作業場所Pまで軌陸車3を走行させる(第1のステップS1)。すなわち、第1のステップS1では、軌陸車3、案内桁12、13を荷台4上に配置して作業場所Pまで走行させるようになっている。
【0045】
軌陸車3が、図15に示すように、軌道Rに臨む作業場所Pに達すると、荷台4上に収容された案内桁12、13を、荷台4と作業場所9との間に設置する。案内桁12、13の設置は、手動ウインチ40により荷台4上に配置された案内桁12、13の支持柱側端部12B、13Bを下方に引っ張り、支持脚14、15を持ち上げ、ピン16を外して案内桁12、13を荷台4外側の作業場所Pに向けて旋回させ、案内桁12、13を走行方向に対して直角に配置し(図2図5参照)、ピン16を挿通して案内桁12、13の旋回をロックする。このとき、支持脚14、15は、作業場所Pの上方で、案内桁12、13の延長端部12A、13Aに揺動可能に吊り下げられた状態となっている。次に、手動ウインチ40の巻き取りを調整し、案内桁12、13を水平にさせその状態で保持する。続いて、ピン33を外して支持脚部14B、15Bと接地脚部14C、15Cとの連結を解除して接地脚部14C、15Cを作業場所Pに接地させ、再びピン33で、支持脚部14B、15Bと接地脚部14C、15Cとを連結すると、支持脚14、15が作業場所Pで案内桁12、13の延長端部12A、13Aを支持することになり、案内桁12、13は、荷台4側が支持柱10、11に、軌道Rに臨む作業場所P側が支持脚14、15により水平に支持される。案内桁12、13が支持されると、手動ウインチ40を操作して、ワイヤ41を緩める。こうして、案内桁12、13は、荷台4と作業場所Pとの間で走行方向に対し直角方向に配置されしかも水平に支持される(第2のステップS2)。すなわち、第2のステップS2では、軌陸車3が軌道Rに臨む作業場所Pに達すると、案内桁12、13を変位させて延長端部12A、13Aを軌道R外側の作業場所Pに配して支持し、案内桁12、13を軌陸車3の荷台4と軌道R外側の作業場所Pとの間に配置するようになっている。
【0046】
案内桁12、13はこのように設置されているため、荷台4上のPC板等の重量物Wを作業場所Pに積み卸す際には、チェーンブロック47により荷台4の重量物Wを吊り上げて保持し、コントローラ45を作業員が操作して電動トロリ46により案内桁12、13上を荷台4側から外側に向かって移動させ、作業場所Pに達すると重量物Wを作業場所Pの所望の位置に吊り降ろすようになっている。他方、作業場所P上の重量物Wを荷台4に積み込む場合、チェーンブロック47により作業場所Pの重量物Wを吊り上げて保持すると、電動トロリ46により荷台4側に向かって移動させ、荷台4の所望の位置に達すると吊り降ろすようになっている(第3のステップS3)。すなわち、第3のステップS3では、重量物Wを軌陸車3の荷台4と作業場所Pとの間で案内桁12、13に沿って移動させて積み卸しするようになっている。
【0047】
積み卸し作業終了後、案内桁12、13を荷台4に収容する場合は、上述のように、手動ウインチ40による支持脚14、15の持ち上げ、支持脚14、15の短寸化、案内桁12、13の荷台4上への旋回と旋回ロック、支持脚14、15の高さ調整による接地という一連の動作を経て収容が完了するようになっている。
【0048】
このように、本実施形態に係る積み卸し装置2を用いた積み卸しシステムでは、軌陸車3の走行時または非作業時には、軸受部22、23により回動自在な支持柱10、11と、横軸21により支持柱10、11に連結された支持ブラケット12C、13Cと、手動ウインチ40とにより案内桁12、13を変位させて荷台4上に配し、作業時には、案内桁12、13を変位させて延長端部12A、13Aを軌道Rの外側に配して支持柱10、11と支持脚14、15により支持し、案内桁12、13を荷台4と軌道Rに臨む作業場所Pとの間に配置するようになっている。このため、重量物Wを軌陸車3と軌道R外側の作業場所Pとの間で案内桁12、13に沿って移動させて積み卸しすることができ、作業が効率化される。また、案内桁12、13は、支持柱10、11と支持脚14、15とにより荷台4と作業場所Pとの間で支持されるので、案内桁12、13を軽量化、簡素化できる。さらに、作業場所Pに至ると速やかに作業を開始することができ、また、作業終了後、案内桁12、13を荷台4上に配置すると速やかに撤収することができ、作業が効率化されるとともに省力化を図ることができる。さらに、安全に作業を行うことができる。
【0049】
このように、本実施形態に係る積み卸し装置2を用いた積み卸し方法では、第1のステップS1では、軌陸車3、案内桁12、13を荷台4上に配置して作業場所Pまで走行させ、第2のステップS2では、軌陸車3が軌道Rに臨む作業場所Pに達すると、案内桁12、13を変位させて延長端部12A、13Aを軌道R外側の作業場所Pに配して支持し、案内桁12、13を軌陸車3の荷台4と軌道R外側の作業場所Pとの間に配置し、第3のステップS3では、重量物Wを軌陸車3の荷台4と作業場所Pとの間で案内桁12、13に沿って移動させて積み卸しするようになっている。このため、作業場所Pに至ると速やかに作業を開始することができ、また、作業終了後、案内桁12、13を荷台4上に配置すると速やかに撤収することができ、作業が効率化される。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態に係る積み卸し装置102について説明する。本発明の第2の実施形態に係る積み卸し装置102は、図16ないし図27および図28ないし図46に示すように、上記第1の実施形態に係る積み卸し装置2が、支持柱10、11を荷台4の左右一端側(上下線の軌道に対し他方の軌道側で、本実施例では荷台4の左側端部)に固定しているのに対し、支持柱110、111を車両102の左右方向に移動させる可動機構(可動手段)160を備えた点、また、上記第1の実施形態に係る積み卸し装置2が、支持脚14、15の上端連結部14A、15Aが、案内桁12、13の延長端部12A、13Aに、ピン27で揺動可能に連結されているのに対し、支持脚114,115の上端部114A、115Aが案内桁112、113に沿って移動可能に係止され、案内手段の延長端から所望の距離を確保するようになっている点が異なる外は、上記第1の実施形態とほぼ同一の構成を備えている。
【0051】
すなわち、上記第2の実施形態に係る積み卸し装置102の可動機構160は、図16ないし図24に示しように、荷台104の前後にそれぞれ着脱自在に取り付けられた前側ベースフレーム(ベース部)120Aと後側ベースフレーム(ベース部)120Bと、これらベースフレーム120A、120B毎にそれぞれ左右方向に沿って設けられたガイドレール161A、161Bと、これらガイドレール161A、161Bに摺動可能に載置されて左右方向に移動するとともに所望の位置でロックされるスライダ162A、162Bとを備えて構成される。スライダ162A、162Bにはそれぞれ、前後の支持柱110,111が支持受け部110A、111Aを介して取り付けられるようになっている。このため、作業時、支持柱110、111を荷台部上で、作業場所の側に向かって移動させることができるので、作業場所を広げることができる。また、被搬送物の積み卸し空間を必要最小限のままにすることができるので、案内桁の長尺化を抑制できる。符号163A、163Bはスライダ162A、162Bを横行させ所望の位置でロックするレバーブロック(登録商標)で、支持柱110、111の左右に形成された係合部に脱着可能に取り付けられる。また、164はベース固定フック、165はベース固定ナットである。
【0052】
また、この積み卸し装置102は、図25および図26に示すように、支持脚114,115の上端部114A、115Aに、案内桁112、113に沿って移動可能に係止され所望の位置でロックされる係止部170、170が設けられる。このため、支持脚114、115を、案内桁112、113に沿って移動させ、案内桁112,113の延長端部112A、113Aから所望の距離を確保して係止することができるようになっている。つまり、支持脚114、115を、案内桁112、113の延長端部112A、113Aに係止するだけでなく、車両103の荷台104上に配置したり、車両外側の近傍に配置することができるようになっている。こうして、支持脚114、115を車両103の荷台104上に配置したり、車両外側の近傍に配置した場合、支持脚114、115の係止部170、170と案内桁112、113の延長端部112A、113Aとの間に形成される腕部112B、113Bに電動トロリ46とチェーンブロック47を配置してジブクレーンとして使用することができ、作業性が向上する。なお、図28の(B)、図29の(B)、図30に示す符号171は、積み卸し装置102の水平カントを調整するカント調整具である。
【0053】
次に、上記第2の実施形態に係る積み卸し装置102を用いた構造物の構築システムとその方法について、図28ないし図46に基づいて説明する。まず、積み卸し装置102が搭載された軌陸車103は、倉庫等からプラットホーム(構造物)の構築材料となる鉄骨WsfやPC板Wpc(重量物W)が軌陸車103の荷台104に積み込まれる。このとき、案内桁112、113それぞれは、延長端部112A、113Aが荷台104の外側に位置して左右方向に合致して平行に配置される(図19参照)。つまり、支持柱110、111は、車両の左右方向両端部のうち、重量物Wの積み込み方向奥側に(図19の左側端部)配置され、支持脚114、115は、倉庫に積み重ねられた重量物Wを荷台104との間で挟むように、積込み方向反対側に配置されるようになっている。このように配置された後、電動トロリ46とチェーンブロック47を作業員がコントローラ45を操作して、荷台104に重量物W(鉄骨WsfやPC板Wpc)を積み込む(第1のステップS101)。鉄骨Wsfの場合を図32の(A)、(B)に、PC板Wpcの場合を図38の(A)、(B)にそれぞれ示す。
【0054】
これら、図32図38にそれぞれ示すように、鉄骨WsfやPC板Wpc、またはそれら両者が荷台104に積み込まれると、支持脚114、115を持ち上げて案内桁112、113を支持柱110,111中心に旋回させ、荷台4上に配置させる。本実施形態に係る構造物の構築システムでは、先ず、鉄骨Wsfを構造物の構築場所(作業場所)P1に運び込む。つまり、荷台104上に鉄骨Wsfが積み込まれ、案内桁112、113と支持脚114、115とが配置されると、軌陸車103は、道路から軌道Rに乗り入れられて、目的の構造物の構築場所(作業場所)P1まで走行される(第2のステップS102)。
【0055】
次に、軌陸車103が、構築場所P1に達すると(図32の(A)、(B)参照)、案内桁112、113を変位させて延長端部112A、113Aを軌道R外側の構築場所P1に配して支持し、案内桁112、113を軌陸車103の荷台104と軌道R外側の構築場所P1との間に配置し、さらに、支持脚114、115の係止部170のロックを解除して支持脚114、115を荷台104の上に移動させて配置し、係止部170をロックし、電動トロリ46が移動可能な腕部112B、113Bを形成する(第3のステップS103、図33の(A)、(B)、図34の(A)、(B)参照)。なお、このとき、鉄骨Wsfの長さに応じて、移動に制約がなければ、腕部112B、113Bを形成しないで、係止部170を案内桁112、113の延長端部112A、112Bに配置したままとしてもよい。
【0056】
次に、荷台104上の鉄骨Wsfを電動トロリ46とチェーンブロック47により構築場所P1に移動させて積み卸して、所望の場所に吊り込み(第4のステップS104、図35の(A)、(B)参照)、さらに、吊り込まれた鉄骨Wsfをプラットホームの支柱として構築するようになっている(第5のステップS105、図36の(A)、(B)参照)。そして、支柱として立設された鉄骨Wsfの上に、荷台104から横桁用の鉄骨Wsfを積み卸して支柱と連結し、架構180を構築するようになっている。架構180は、プラットホームの長さに応じて、順次、軌陸車103を移動させながら構築される。
【0057】
プラットホーム(構造物)のうち、架構180が構築されると、次に、架構180の上に構築される床となるPC板Wpcが運び込まれる。倉庫でのPC板Wpcの積込みから、構築場所P1までの搬入は、上述の鉄骨Wsfの場合と同じ工程(第1のステップS101、第2のステップS102参照)を経るため、重複を避け記載を省略する。架構180が構築された構築場所P1に、PC板Wpcが積載された軌陸車103が到着すると(図38の(A)、(B)参照)、案内桁112、113を変位させて延長端部112A、113Aの支持脚114、115を構築場所P1に配して支持し(図39の(A)、(B)参照)、支持脚114、115にカント調整具171、171を取り付け、水平を確保する(図28の(A)、(B)、図40の(A)、(B)参照)。次に、荷台104のPC板Wpcを玉掛けし(図41の(A)、(B)参照)、順次、架構180の端部に積み卸す(図29の(A)、(B)、図42の(A)、(B)、図43の(A)、(B)参照)。そして、軌陸車103を移動させながら架構180に沿ってPC板Wpcを積み卸す(図44参照)。このとき、必要に応じて、積み卸し装置102の支持柱110、111を左右方向のうち構築場所P1側に移動させて、案内桁112、113を構築場所の奥側に変位させることもできる(図44の軌陸車103A参照)。
【0058】
次に、架構180に積み卸されたPC板Wpcを、架構180に敷設する。架構180にPC板Wpcが積み卸されると(図45の(B)参照)、図30に示すように、プラットホームの軌間方向幅が大きい場合、積み卸し装置102の支持柱110、111を左右方向のうち構築場所P1側に移動させる。そして、架構180の軌陸車103側の端部に複数枚積み重ねられたPC板Wpcを、上から順に玉掛けし、電動トロリ46とチェーンブロック47により敷設箇所に移動して架構180に連結する(図45の(A)、(C)、(D)参照)。こうして、プラットホームが構築される。図46は、上り線と下り線の両方側から同時に、またはいずれか一方から島プラットホームを構築する場合を示しており、プラットホームの軌間方向幅が大きい場合でも効率的に構築することができる。
【0059】
このように、本実施形態に係る積み卸し装置102を用いた構造物の構築システムとその方法では、プラットホームの構築材料となる鉄骨WsfやPC板Wpcを軌陸車103から積み卸ししながらプラットホームを構築したり、被搬送物を作業場所に積み卸ししさえすれば、直ちにプラットホームの構築に取りかかることができるので、構築作業を効率化することができる。また、上下線の両方から同時に構築作業を行うこともできるので、より効率化することができる。また、鉄骨WsfやPC板Wpcの積み卸し作業が安全かつ効率的に行われ、さらに、人力作業が省力化される。また、支持脚114、115を支持柱110、111側に変位させることにより、案内桁112、113の延長端部側に腕部(ブーム)112B、113Bを形成して電動トロリ46とチェーンブロック48をジブクレーンとして用いることができるので、別途クレーンを搬入する必要がなく、作業性が向上し、構築作業が効率化される。さらに、プラットホームの軌間方向幅が長尺の構造物であっても、案内桁112、113を車両側から構築場所側に移動させることができるので、鉄骨WsfやPC板Wpcの移動距離を稼ぐことができ、積み卸された鉄骨WsfやPC板Wpcを構築場所の上に自在に移動させることができる。このため、作業効率がより向上する。
【0060】
なお、上記実施形態では、車両を、鉄道と道路のいずれの走行路も走行可能な軌陸車3としているが、これに限られるものではなく、走行路外側の作業場所と車両との間で積み卸しを行うものであれば、鉄道専用の走行台車(トロ運搬台車)や道路専用の作業車であってもよい。また、上記実施形態では、直線状の案内桁(案内部)を車両側から外側に向けて走行方向に対して直角方向に水平を確保して延ばしているがこれに限られるものではなく、走行方向に対して、水平面上異なる方向、すなわち、傾斜した方向に延ばすようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、案内桁を2本で構成しているが、これに限られるものではなく、荷台部が前後に長い場合、2本以上設けてもよいことは言うまでもない。また、案内桁を断面エ字状の直線状の鋼材から構成しているがこれに限られるものではなく、電動、手動に限らず走行装置が走行可能であれば、断面I字状であったり、断面コ状であってもよい。さらに、上記実施形態では、支持柱をベース部に回動可能に支持し、案内桁の車両側一端を支持柱に揺動可能に連結するようにしているがこれに限られるものではなく、案内桁の車両側一端と支持柱上端とに案内桁を水平方向に回動させる軸受部を設けるとともに案内桁が支持柱に対して垂直面上で揺動する枢支部を設けるようにしてもよいし、案内桁と車両側支持柱との間を自在継手で連結するようにしてもよい。また、吊り上げ装置に代えて把持装置を用いてもよい。さらに、走行時や非作業時、一本の案内桁を旋回させて車両の荷台上に配置するようにしているがこれに限られるものではなく、複数の案内部材を折曲可能に構成してもよいし、伸縮可能に構成してもよい。また、上記実施形態では、被搬送物を長尺でもあり重量物でもあるPC板や鉄骨としているがこれに限られるものではなく、レールや軌框等の長尺物であってもよいし、転轍機や分岐器のような重量物であってもよい。さらに、構造物の構築システムとその方法では、第2の実施形態に係る積み卸し装置102を用いて構造物を構築するようにしているがこれに限られるものではなく、第1の実施形態に係る積み卸し装置2を用いて構造物を築造するようにしてもよいことは言うまでもない。つまり、案内桁12,13の延長端縁12A、13Bを支持する支持脚14、15と車両3との間の作業場所で構造物を構築することもできるようになっている。
【符号の説明】
【0061】
2 積み卸し装置
3 軌陸車(車両)
4 荷台(荷台部)
10、11 支持柱(支持手段、変位手段、旋回手段)
12、13 案内桁(案内手段)
12A、13A 案内桁延長他端
14、15 支持脚(支持手段)
R 軌道(走行路)
P 作業場所(走行路外側)
W 重量物(被搬送物)
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