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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144309
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/08 20060101AFI20220926BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20220926BHJP
   G11C 16/10 20060101ALI20220926BHJP
   G11C 16/30 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G11C16/08 123
G11C16/04 170
G11C16/10 140
G11C16/30 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045249
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊達 浩己
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225BA19
5B225CA25
5B225DA09
5B225DB08
5B225EA05
5B225EB10
5B225EC05
5B225EG17
5B225FA02
(57)【要約】
【課題】本実施形態は、書き込み動作時におけるピーク電流を削減させることができる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置2は、複数のメモリセルMTと、メモリセルMTのゲートに接続されたワード線WLと、ワード線WLに供給する電圧を生成する電圧生成回路281とを有する。また、メモリセルMTにデータを書き込むプログラム動作と前記メモリセルMTに書き込まれた前記データを検証するベリファイ動作とのセットから成る複数のループを繰り返し行う書き込みシーケンスを実行し、メモリセルMTに所定のデータの書き込みを行うシーケンサ27も有する。シーケンサ27は、電圧生成回路281に対してワード線WLに供給する電圧の設定値を指示し、ベリファイ動作開始時における設定値である最初の中間設定値を、ループの位置に応じて変更する。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリセルと、
前記複数のメモリセルのゲートに接続されたワード線と、
前記複数のメモリセルの一端にそれぞれ接続された複数の選択ゲートトランジスタを介
して前記複数のメモリセルの一端に電気的に接続されたビット線と、
前記ワード線に供給する電圧を生成する電圧生成回路と、
前記メモリセルにデータを書き込むプログラム動作と前記メモリセルに書き込まれた前記データを検証するベリファイ動作とのセットから成る複数のループを繰り返し行う書き込みシーケンスを実行し、前記メモリセルに所定のデータの書き込みを行う制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記電圧生成回路に対して前記ワード線に供給する電圧の設定値を指示し、前記ベリファイ動作開始時における前記設定値である第1設定値を、前記ループの位置に応じて変更する、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記書き込みシーケンスで実行される複数の前記ループにおいて、設定された境界ループ以前に実行される前記ループにおける前記第1設定値より、前記境界ループより後に実行される前記ループにおける前記第1設定値を低くする、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記プログラム動作は、前記メモリセルにデータを書き込む実プログラム動作と、前記ベリファイ動作に移行するために前記ワード線の電圧を調整する移行調整動作とから構成され、前記制御部は、前記移行調整動作時における前記設定値である第2設定値を、前記ループの位置に応じて変更する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記書き込みシーケンスで実行される複数の前記ループにおいて、前記境界ループ以前に実行される前記ループにおける前記第2設定値より、前記境界ループより後に実行される前記ループにおける前記第2設定値を低くする、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数のメモリセルは、データ書き込み対象である選択メモリセルと、それ以外の非選択メモリセルとに区別され、前記制御部は、前記非選択メモリセルのゲートに接続された前記ワード線に供給する電圧の前記第1設定値を、前記ループの位置に応じて変更する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置として、NANDフラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-142784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、書き込み動作時におけるピーク電流を削減させることができる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態の半導体記憶装置は、複数のメモリセルと、前記複数のメモリセルのゲートに接続されたワード線と、前記複数のメモリセルの一端にそれぞれ接続された複数の選択ゲートトランジスタを介して前記複数のメモリセルの一端に電気的に接続されたビット線と、を有する。また、前記ワード線に供給する電圧を生成する電圧生成回路と、前記メモリセルにデータを書き込むプログラム動作と前記メモリセルに書き込まれた前記データを検証するベリファイ動作とのセットから成る複数のループを繰り返し行う書き込みシーケンスを実行し、前記メモリセルに所定のデータの書き込みを行う制御部と、も有する。前記制御部は、前記電圧生成回路に対して前記ワード線に供給する電圧の設定値を指示し、前記ベリファイ動作開始時における前記設定値である第1設定値を、前記ループの位置に応じて変更する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態にかかる記憶装置の構成例を示すブロック図。
図2】実施形態の不揮発性メモリの構成例を示すブロック図。
図3】3次元構造のNANDメモリセルアレイのブロックの構成例を示す図。
図4】実施形態にかかる半導体記憶装置の一部領域の断面図。
図5】実施形態の閾値電圧分布の一例を示す図。
図6】実施形態のデータコーディングを示す図。
図7A】プログラム動作時における各配線の電位変化を示す図。
図7B】ベリファイ動作時における各配線の電位変化を示す図。
図8】プログラム動作時のストリングの様子を示す回路図。
図9】標準書き込みシーケンスに基づく書き込み動作時における、ループ回数とプログラム動作およびベリファイ動作との関係を示すダイアグラム。
図10】標準書き込みシーケンスに基づく書き込み動作時における、プログラム動作とベリファイ動作のタイミングを示す図。
図11】書き込み動作時の各配線の電位変化を示す図。
図12】電圧供給回路28及びロウデコーダ25の構成の一例を示すブロック図。
図13】電圧供給回路28の具体的な構成の一例を示すブロック図。
図14A】ポンプユニットの具体的な構成の一例を示すブロック図。
図14B】第1ステートの構成を説明するブロック図。
図14C】第2ステートの構成を説明するブロック図。
図14D】第3ステートの構成を説明するブロック図。
図15】チャージポンプ回路の一例を示す図。
図16】第2ポンプ281Bにおける出力電圧に対する電流効率の特性を説明する図。
図17】ベリファイ動作時におけるポンプの昇圧動作制御を説明する図。
図18】USTRDIS期間における非選択ワード線の電位変化を示す図。
図19】書き込みシーケンスの前半ループにおけるポンプの昇圧動作制御を説明する図。
図20】書き込みシーケンスの後半ループにおけるポンプの昇圧動作制御を説明する図。
図21】第2実施形態における書き込みシーケンスの後半ループにおけるポンプの昇圧動作制御を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1実施形態)
(1.構成)
(1-1.メモリシステムの構成)
図1は、実施形態にかかるメモリシステムの構成例を示すブロック図である。実施形態のメモリシステムは、メモリコントローラ1と、半導体記憶装置としての不揮発性メモリ2とを備える。メモリシステムは、ホストと接続可能である。ホストは、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの電子機器である。
【0008】
不揮発性メモリ2は、データを不揮発に記憶するメモリであり、例えば、NANDメモリ(NANDフラッシュメモリ)を備えている。不揮発性メモリ2は、例えば、メモリセルあたり3bitを記憶可能なメモリセルを有するNANDメモリ、すなわち3bit/Cell(TLC:Triple Level Cell)のNANDメモリである。なお、不揮発性メモリ2は、1bit/Cell、2bit/Cell、または4bit/CellのNANDメモリであっても構わない。
【0009】
メモリコントローラ1は、ホストからの書き込みリクエストに従って不揮発性メモリ2へのデータの書き込みを制御する。また、メモリコントローラ1は、ホストからの読み出しリクエストに従って不揮発性メモリ2からのデータの読み出しを制御する。メモリコントローラ1と不揮発性メモリ2との間では、チップイネーブル信号/CE、レディービジー信号/RB、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、ライトプロテクト信号/WP、データである信号DQ<7:0>、データストローブ信号DQS、/DQS、の各信号が送受信される。
【0010】
例えば、不揮発性メモリ2とメモリコントローラ1は、それぞれが、半導体チップ(以下、単に"チップ"ともいう)として形成される。
【0011】
チップイネーブル信号/CEは、不揮発性メモリ2をイネーブルにするための信号である。レディービジー信号/RBは、不揮発性メモリ2がレディー状態(外部からの命令を受け付ける状態)であるか、ビジー状態(外部からの命令を受け付けない状態)であるかを示すための信号である。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、信号DQ<7:0>がコマンドであることを示す信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、信号DQ<7:0>がアドレスであることを示す信号である。ライトイネーブル信号/WEは、受信した信号を不揮発性メモリ2に取り込むための信号であり、メモリコントローラ1によりコマンド、アドレス、及びデータを受信する都度アサートされる。信号/WEが"L(Low)"レベルである間に信号DQ<7:0>を取り込むよう不揮発性メモリ2に指示する。
【0012】
リードイネーブル信号RE、/REは、メモリコントローラ1が、不揮発性メモリ2からデータを読み出すための信号である。例えば、信号DQ<7:0>を出力する際の不揮発性メモリ2の動作タイミングを制御するために使用される。ライトプロテクト信号/WPは、データ書き込み及び消去の禁止を不揮発性メモリ2に指示するための信号である。信号DQ<7:0>は、不揮発性メモリ2とメモリコントローラ1との間で送受信されるデータの実体であり、コマンド、アドレス、及びデータを含む。データストローブ信号DQS、/DQSは、信号DQ<7:0>の入出力のタイミングを制御するための信号である。
【0013】
メモリコントローラ1は、RAM(Random Access Memory)11、プロセッサ12、ホストインターフェイス13、ECC(Error Check and Correct)回路14およびメモリインターフェイス15を備える。RAM11、プロセッサ12、ホストインターフェイス13、ECC回路14およびメモリインターフェイス15は、互いに内部バス16で接続される。
【0014】
ホストインターフェイス13は、ホストから受信したリクエスト、ユーザデータ(書き込みデータ)などを内部バス16に出力する。また、ホストインターフェイス13は、不揮発性メモリ2から読み出されたユーザデータ、プロセッサ12からの応答などをホストへ送信する。
【0015】
メモリインターフェイス15は、プロセッサ12の指示に基づいて、ユーザデータ等を不揮発性メモリ2へ書き込む処理および不揮発性メモリ2から読み出す処理を制御する。
【0016】
プロセッサ12は、メモリコントローラ1を統括的に制御する。プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等である。プロセッサ12は、ホストからホストインターフェイス13経由でリクエストを受けた場合に、そのリクエストに従った制御を行う。例えば、プロセッサ12は、ホストからのリクエストに従って、不揮発性メモリ2へのユーザデータおよびパリティの書き込みをメモリインターフェイス15へ指示する。また、プロセッサ12は、ホストからのリクエストに従って、不揮発性メモリ2からのユーザデータおよびパリティの読み出しを、メモリインターフェイス15へ指示する。
【0017】
プロセッサ12は、RAM11に蓄積されるユーザデータに対して、不揮発性メモリ2上の格納領域(メモリ領域)を決定する。ユーザデータは、内部バス16経由でRAM11に格納される。プロセッサ12は、メモリ領域の決定を、書き込み単位であるページ単位のデータ(ページデータ)に対して実施する。本明細書では、不揮発性メモリ2の1ページに格納されるユーザデータをユニットデータと定義する。ユニットデータは、一般的にはECC回路14によって符号化されて符号語として不揮発性メモリ2に格納される。本実施形態では、符号化は必須ではない。メモリコントローラ1は、符号化せずにユニットデータを不揮発性メモリ2に格納してもよいが、図1では、一構成例として符号化を行う構成を示している。メモリコントローラ1が符号化を行わない場合には、ページデータはユニットデータと一致する。また、1つのユニットデータに基づいて1つの符号語が生成されてもよいし、ユニットデータが分割された分割データに基づいて1つの符号語が生成されてもよい。また、複数のユニットデータを用いて1つの符号語が生成されてもよい。
【0018】
プロセッサ12は、ユニットデータごとに書き込み先の不揮発性メモリ2のメモリ領域を決定する。不揮発性メモリ2のメモリ領域には物理アドレスが割当てられている。プロセッサ12は、ユニットデータの書き込み先のメモリ領域を、物理アドレスを用いて管理する。プロセッサ12は、決定したメモリ領域(物理アドレス)を指定してユーザデータを不揮発性メモリ2へ書き込むようメモリインターフェイス15へ指示する。プロセッサ12は、ユーザデータの論理アドレス(ホストが管理する論理アドレス)と物理アドレスとの対応を管理する。プロセッサ12は、ホストからの論理アドレスを含む読み出しリクエストを受信した場合は、論理アドレスに対応する物理アドレスを特定し、物理アドレスを指定してユーザデータの読み出しをメモリインターフェイス15へ指示する。
【0019】
ECC回路14は、RAM11に格納されたユーザデータを符号化して、符号語を生成する。また、ECC回路14は、不揮発性メモリ2から読み出された符号語を復号する。
【0020】
RAM11は、ホストから受信したユーザデータを不揮発性メモリ2へ記憶するまでに一時格納したり、不揮発性メモリ2から読み出したデータをホストへ送信するまでに一時格納したりする。RAM11は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの汎用メモリである。
【0021】
図1では、メモリコントローラ1が、ECC回路14とメモリインターフェイス15をそれぞれ備える構成例を示した。しかしながら、ECC回路14がメモリインターフェイス15に内蔵されていてもよい。また、ECC回路14が、不揮発性メモリ2に内蔵されていてもよい。
【0022】
ホストから書き込みリクエストを受信した場合、メモリシステムは次のように動作する。プロセッサ12は、書き込み対象となるデータをRAM11に一時記憶させる。プロセッサ12は、RAM11に格納されたデータを読み出し、ECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力されたデータを符号化し、符号語をメモリインターフェイス15に入力する。メモリインターフェイス15は、入力された符号語を不揮発性メモリ2に書き込む。
【0023】
ホストから読み出しリクエストを受信した場合、メモリシステムは次のように動作する。メモリインターフェイス15は、不揮発性メモリ2から読み出した符号語をECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力された符号語を復号し、復号されたデータをRAM11に格納する。プロセッサ12は、RAM11に格納されたデータを、ホストインターフェイス13を介してホストに送信する。
(1-2.不揮発性メモリの構成)
図2は、本実施形態の不揮発性メモリの構成例を示すブロック図である。不揮発性メモリ2は、ロジック制御回路21、入出力回路22、メモリセルアレイ23、センスアンプ24、ロウデコーダ25、レジスタ26、シーケンサ27、電圧供給回路28、入出力用パッド群32、ロジック制御用パッド群34、及び、電源入力用端子群35を備えている。
【0024】
メモリセルアレイ23は、複数のブロックを備える。複数のブロックBLKの各々は、複数のメモリセルトランジスタ(メモリセル)を備える。メモリセルアレイ23には、メモリセルトランジスタに印加する電圧を制御するために、複数のビット線、複数のワード線、及びソース線などが配設される。ブロックBLKの具体的な構成については後述する。
【0025】
入出力用パッド群32は、メモリコントローラ1との間でデータを含む各信号の送受信を行うため、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSに対応する複数の端子(パッド)を備えている。
【0026】
ロジック制御用パッド群34は、メモリコントローラ1との間で各信号の送受信を行うため、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、及びライトプロテクト信号/WPに対応する複数の端子(パッド)を備えている。
【0027】
信号/CEは、不揮発性メモリ2の選択を可能にする。信号CLEは、信号DQとして送信されるコマンドをコマンドレジスタにラッチすることを可能にする。信号ALEは、信号DQとして送信されるアドレスをアドレスレジスタにラッチすることを可能にする。信号WEは、書き込みを可能にする。信号REは、読み出しを可能にする。信号WPは、書き込み及び消去を禁止する。信号R/Bは、不揮発性メモリ2がレディー状態(外部からの命令を受け付けることが可能である状態)であるか、ビジー状態(外部からの命令を受け付けることができない状態)であるかを示す。メモリコントローラ1は、信号R/Bを受けることで、不揮発性メモリ2の状態を知ることができる。
【0028】
電源入力用端子群35は、外部から不揮発性メモリ2に、種々の動作電源を供給するため、電源電圧Vcc、VccQ、Vppと、接地電圧Vssを入力する複数の端子を備えている。電源電圧Vccは、動作電源として一般的に外部から与えられる回路電源電圧であり、例えば3.3V程度の電圧が入力される。電源電圧VccQは、例えば1.2Vの電圧が入力される。電源電圧VccQは、メモリコントローラ1と不揮発性メモリ2との間で信号を送受信する際に用いられる。
【0029】
電源電圧Vppは、電源電圧Vccよりも高圧の電源電圧であり、例えば12Vの電圧が入力される。メモリセルアレイ23へデータを書き込んだり、データを消去したりする際には、20V程度の高い電圧が必要となる。この際に、約3.3Vの電源電圧Vccを電圧供給回路28の昇圧回路で昇圧するよりも、約12Vの電源電圧Vppを昇圧するほうが、高速かつ低消費電力で所望の電圧を生成することができる。一方で、例えば、高電圧を供給することができない環境において不揮発性メモリ2が用いられる場合、電源電圧Vppには電圧が供給されなくともよい。電源電圧Vppが供給されない場合であっても、不揮発性メモリ2は、電源電圧Vccが供給されていれば、各種の動作を実行することができる。すなわち、電源電圧Vccは、不揮発性メモリ2に標準的に供給される電源であり、電源電圧Vppは、例えば使用環境に応じて追加的・任意的に供給される電源である。
【0030】
ロジック制御回路21及び入出力回路22は、NANDバスを介して、メモリコントローラ1に接続される。入出力回路22は、メモリコントローラ1との間でNANDバスを介して、信号DQ(例えばDQ0~DQ7)を送受信する。
【0031】
ロジック制御回路21は、メモリコントローラ1からNANDバスを介して、外部制御信号(例えば、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、書き込みイネーブル信号/WE、読み出しイネーブル信号RE,/RE、及びライトプロテクト信号/WP)を受信する。信号名に付記された"/"は、アクティブ・ローを示す。また、ロジック制御回路21は、NANDバスを介して、メモリコントローラ1にレディー/ビジー信号/RBを送信する。
【0032】
入出力回路22は、メモリコントローラ1との間で、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSを送受信する。入出力回路22は、信号DQ<7:0>内のコマンド及びアドレスをレジスタ26に転送する。また、入出力回路22は、書き込みデータ、及び読み出しデータをセンスアンプ24との間で送受信する。
【0033】
レジスタ26は、コマンドレジスタ、アドレスレジスタ、及びステータスレジスタなどを備える。コマンドレジスタは、コマンドを一時的に保持する。アドレスレジスタは、アドレスを一時的に保持する。ステータスレジスタは、不揮発性メモリ2の動作に必要なデータを一時的に保持する。レジスタ26は、例えばSRAMから構成される。
【0034】
制御部としてのシーケンサ27は、レジスタ26からコマンドを受け、このコマンドに基づくシーケンスに従って不揮発性メモリ2を制御する。
【0035】
電圧供給回路28は、不揮発性メモリ2の外部から電源電圧を受け、この電源電圧を用いて、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を生成する。電圧供給回路28は、生成した電圧を、メモリセルアレイ23、センスアンプ24、及びロウデコーダ25などに供給する。
【0036】
ロウデコーダ25は、レジスタ26からロウアドレスを受け、このロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ25は、デコードされたロウアドレスに基づいて、ワード線の選択動作を行う。そして、ロウデコーダ25は、選択されたブロックに、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を転送する。
【0037】
センスアンプ24は、レジスタ26からカラムアドレスを受け、このカラムアドレスをデコードする。センスアンプ24は、センスアンプユニット群24Aと、データレジスタ24Bを有する。センスアンプユニット群24Aは、各ビット線に接続されており、デコードされたカラムアドレスに基づいて、いずれかのビット線を選択する。また、センスアンプユニット群24Aは、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタからビット線に読み出されたデータを検知及び増幅する。また、センスアンプユニット群24Aは、データの書き込み時には、書き込みデータをビット線に転送する。
【0038】
データレジスタ24Bは、データの読み出し時には、センスアンプユニット群24Aにより検出したデータを一時的に保持し、これをシリアルに入出力回路22へ転送する。また、データレジスタ24Bは、データの書き込み時には、入出力回路22からシリアルに転送されたデータを一時的に保持し、これをセンスアンプユニット群24Aへ転送する。データレジスタ24Bは、SRAMなどで構成される。
(1-3.メモリセルアレイのブロック構成)
図3は3次元構造のメモリセルアレイ23のブロックの構成例を示す図である。図3はメモリセルアレイ23を構成する複数のブロックのうちの1つのブロックBLKを示している。メモリセルアレイの他のブロックも図3と同様の構成を有する。なお、本実施形態は、2次元構造のメモリセルアレイにも適用可能である。
【0039】
図示するように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニット(SU0~SU3)を含む。また各々のストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。NANDストリングNSの各々は、ここでは8個のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)と、選択ゲートトランジスタST1,ST2とを含む。メモリセルトランジスタMTは、ゲートと電荷蓄積層とを備え、データを不揮発に保持する。なお、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMTの個数は、ここでは8個であるが、8個に限られず、例えば、32個、48個、64個、96個等でもよい。
【0040】
選択ゲートトランジスタST1,ST2は、電気回路上は1つのトランジスタとして示しているが、構造上はメモリセルトランジスタと同じでもよい。また、例えばカットオフ特性を高めるために、選択ゲートトランジスタST1,ST2として、それぞれ複数の選択ゲートトランジスタを用いてもよい。さらに、メモリセルトランジスタMTと選択ゲートトランジスタST1,ST2との間には、ダミーセルトランジスタが設けられていてもよい。
【0041】
メモリセルトランジスタMTは、選択ゲートトランジスタST1,ST2間において、直列接続されるようにして配置されている。一端側のメモリセルトランジスタMT7が、選択ゲートトランジスタST1に接続され、他端側のメモリセルトランジスタMT0が、選択ゲートトランジスタST2に接続されている。
【0042】
ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択ゲートトランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3(以下、これらを区別する必要がない場合には選択ゲート線SGDという)に接続される。他方で、選択ゲートトランジスタST2のゲートは、同一のブロックBLK内にある複数のストリングユニットSU間で同一の選択ゲート線SGSに共通接続される。また、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0~MT7のゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続される。すなわち、ワード線WL0~WL7及び選択ゲート線SGSは、同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0~SU4間で共通に接続されているのに対し、選択ゲート線SGDは、同一ブロックBLK内であってもストリングユニットSU0~SU3毎に独立している。
【0043】
NANDストリングNSを構成するメモリセルトランジスタMT0~MT7のゲートには、それぞれワード線WL0~WL7が接続されている。ブロックBLK内において同一行にあるメモリセルトランジスタMTiのゲートは、同一のワード線WLiに接続される。なお、以下の説明では、NANDストリングNSを単に「ストリング」という場合がある。
【0044】
各NANDストリングNSは、対応するビット線に接続されている。従って、各メモリセルトランジスタMTは、NANDストリングNSに含まれる選択ゲートトランジスタSTや他のメモリセルトランジスタMTを介して、ビット線に接続されている。上述した通り、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMTのデータは、一括して消去される。一方、データの読み出し及び書き込みは、メモリセルグループMG単位(またはページ単位)で行われる。本明細書では、1つのワード線WLiに接続され、かつ1つのストリングユニットSUに属する複数のメモリセルトランジスタMTをメモリセルグループMGと定義する。読み出し動作及び書き込み動作時において、物理アドレスに応じて、1本のワード線WLiおよび1本の選択ゲート線SGDが選択され、メモリセルグループMGが選択される。
(1-4.不揮発性メモリの断面構造)
図4は、実施形態にかかる半導体記憶装置の一部領域の断面図である。図4は、半導体基板71上にセンスアンプ24やロウデコーダ25等の周辺回路に対応する周辺回路領域が設けられ、周辺回路領域の上層にメモリ領域が設けられる例について示している。なお、以下の説明において、半導体基板71の表面に水平な直交する2方向をx方向(第1方向)及びy方向(第2方向)とし、半導体基板71表面に垂直な方向をz方向とする。
【0045】
図4に示すように、メモリ領域MRにおいて不揮発性メモリは、半導体基板71、導電体641から657、メモリピラー634、並びにコンタクトプラグC0、C1、C2及びCPを含む。なお、以下で説明される図面では、半導体基板71の上面部分に形成されたp型又はn型のウェル領域と、各ウェル領域内に形成された不純物拡散領域と、ウェル領域間を絶縁するゲート絶縁膜および素子分離領域のそれぞれの図示は省略されている。
【0046】
メモリ領域MRにおいて、半導体基板71上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して、導電体GCが設けられている。また、半導体基板71に導電体GCを挟むように設けられた複数の不純物拡散領域(図示せず)には、例えば複数のコンタクトC0それぞれが設けられている。半導体基板71上には、配線層領域WRを介してメモリセルアレイ23が配置されている。
【0047】
各コンタクトC0上には、配線パターンを形成する導電体641が設けられている。例えば、導電体GCはトランジスタのゲート電極として機能し、導電体641はトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能する。
【0048】
各導電体641上には、例えばコンタクトC1が設けられている。各コンタクトC1上には、例えば導電体642が設けられている。導電体642上には、例えばコンタクトC2が設けられている。コンタクトC2上には、例えば導電体643が設けられている。
【0049】
導電体641、642、643の各配線パターンは、図示しないセンスアンプ回路とメモリセルアレイの間の配線層領域WRに配設されている。以下、導電体641、642、643が設けられる配線層を、それぞれ配線層D0、D1、D2と呼ぶ。配線層D0、D1、D2は、不揮発性メモリ2の下層部分に設けられている。なお、ここでは、配線層領域WRには、3つの配線層が設けられているが、配線層領域WRには、2つ以下の配線層、あるいは4つ以上の配線層が設けられていてもよい。
【0050】
導電体643の上方には、例えば層間絶縁膜を介して導電体644が設けられている。導電体644は、例えば、xy平面に平行な板状に形成され、ソース線SLとして機能する。導電体644の上方には、各NANDストリングNSに対応して、例えば、導電体645~654が順に積層されている。これらの導電体のうちz方向に隣り合う導電体の間には、図示しない層間絶縁膜が設けられている。
【0051】
導電体645~654のそれぞれは、例えばxy平面に平行な板状に形成される。例えば、導電体645は、選択ゲート線SGSとして機能し、導電体646~653は、それぞれワード線WL0~WL7して機能し、導電体654は、選択ゲート線SGDして機能する。
【0052】
各メモリピラー634は、柱状であり、導電体645~654のそれぞれを貫通し、導電体644に接触している。メモリピラー634は、例えば、中心側の導電体柱638と、導電体柱638の外側に形成されるトンネル絶縁膜637と、トンネル絶縁膜637の外側に形成される電荷蓄積膜636と、電荷蓄積膜636の外側に形成されるブロック絶縁膜635を含む。
【0053】
例えば、メモリピラー634と導電体645とが交差する部分は、選択トランジスタST2として機能する。メモリピラー634と導電体646~653のそれぞれとが交差する部分は、メモリセルトランジスタ(メモリセル)MTとして機能する。メモリピラー634と導電体654とが交差する部分は、選択トランジスタST1として機能する。
【0054】
メモリピラー634の上面よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体655が設けられている。導電体655は、x方向に延伸したライン状に形成され、ビット線BLに対応している。複数の導電体655は、y方向において間隔をおいて配列している(図示せず)。導電体655は、ストリングユニットSU毎に対応する1つのメモリピラー634内の導電体柱638と電気的に接続されている。
【0055】
具体的には、各ストリングユニットSUにおいて、例えば各メモリピラー634内の導電体柱638上にコンタクトプラグCPが設けられ、コンタクトプラグCP上に1つの導電体645が設けられる。なお、このような構成に限定されず、メモリピラー634内の導電体柱638及び導電体655間は、複数のコンタクトや配線などを介して接続されてもよい。
【0056】
導電体655が設けられた層よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体656が設けられている。導電体656が設けられた層よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体657が設けられている。
【0057】
導電体656及び657は、例えばメモリセルアレイに設けられた配線と、メモリセル
アレイ下に設けられた周辺回路とを接続するための配線に対応する。導電体656と65
7の間は、図示しない柱状のコンタクトで接続されてもよい。ここでは、導電体655が設けられた層のことを、配線層M0と称し、導電体656が設けられた層のことを、配線層M1と称し、導電体657が設けられた層のことを、配線層M2と称する。
【0058】
図4に示すように、実施形態の半導体記憶装置は、ストリングユニットSUより下層に配線層D0、D1、D2が形成されている。また、ストリングユニットSUより上層に配線層M0、M1、M2が形成されている。配線層D0、D1、D2は、例えば、ダマシン法により形成されるタングステン配線である。
【0059】
配線層M2は、例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)など異方性エッチングにより形成されるアルミニウム配線である。配線層M2は、膜厚が厚く低抵抗であるため、基幹電源配線(Vcc、Vss)が割り当てられる。配線層M1は、例えば、ダマシン法により形成される銅(Cu)配線である。Cu配線はEM(エレクトロマイグレーション)耐性などの配線信頼性が高いため、配線層M1は、確実にデータを伝達する必要がある信号線が割り当てられる。配線層M0は、例えば、ダマシン法により形成されるCu配線である。ビット線BLとして用いられるほか、電源強化の目的で、基幹電源配線の一部も割り当てられる。なお、信号線など基幹電源配線以外の配線についても、可能な限り低抵抗とすることが好ましいため、なるべく上層の配線層(例えば、配線層M2)を用いて形成される。
(1-5.メモリセルトランジスタの閾値電圧分布)
図5は、本発明の実施形態の閾値電圧分布の一例を示す図である。図5では、3bit/Cellの不揮発性メモリ2の閾値電圧分布例を示している。不揮発性メモリ2では、メモリセルの電荷蓄積層に蓄えられた電荷量により情報を記憶する。各メモリセルは、電荷量に応じた閾値電圧を有する。そして、メモリセルに記憶する複数のデータ値を、閾値電圧の複数の領域(閾値電圧分布領域)にそれぞれ対応させる。
【0060】
図5の、Er、A,B,C,D,E,F,Gと記載した8つの分布(山型)は、8つの閾値電圧分布領域を示している。このように、各メモリセルは、7つの境界によって仕切られた閾値電圧分布を有している。図5の横軸は閾値電圧を示し、縦軸はメモリセル数(セル数)の分布を示している。
【0061】
本実施形態では、閾値電圧がVrA下となる領域を領域Erとよび、閾値電圧がVrA大きくVrB以下となる領域を領域Aとよび、閾値電圧がVrBより大きくVrC以下となる領域を領域Bとよび、閾値電圧がVrCより大きくVrD以下となる領域を領域Cとよぶ。また、本実施形態では、閾値電圧がVrDより大きくVrE以下となる領域を領域Dとよび、閾値電圧がVrEより大きくVrF以下となる領域を領域Eとよび、閾値電圧がVrFより大きくVrG以下となる領域を領域Fとよび、閾値電圧がVrGより大きい領域を領域Gとよぶ。
【0062】
また、領域Er,A,B,C,D,E,F,Gに対応する閾値電圧分布をそれぞれ分布Er,A,B,C,D,E,F,G(第1~第8の分布)と呼ぶ。VrA~VrGは、各領域の境界となる閾値電圧である。
【0063】
不揮発性メモリ2では、メモリセルの複数の閾値電圧分布領域に複数のデータ値をそれぞれ対応させる。この対応をデータコーディングという。このデータコーディングをあらかじめ定めておき、データの書き込み(プログラム)時には、データコーディングに従って記憶するデータ値に応じた閾値電圧分布領域内となるようにメモリセルに電荷を注入する。そして、読み出し時には、メモリセルに読み出し電圧を印加し、読み出し電圧よりメモリセルの閾値電圧が低いか高いかにより、データが決定される。
【0064】
図6は、実施形態のデータコーディングを示す図である。本実施形態では、図5に示した8つの閾値電圧分布領域を3bitの8つのデータ値にそれぞれ対応させる。閾値電圧と、Upper、Middle、Lowerページに対応するビットのデータ値との関係は、以下に示す通りである。
【0065】
・閾値電圧がEr領域内にあるメモリセルは"111"を記憶している状態である。
【0066】
・閾値電圧がA領域内にあるメモリセルは"101"を記憶している状態である。
【0067】
・閾値電圧がB領域内にあるメモリセルは"001"を記憶している状態である。
【0068】
・閾値電圧がC領域内にあるメモリセルは"011"を記憶している状態である。
【0069】
・閾値電圧がD領域内にあるメモリセルは"010"を記憶している状態である。
【0070】
・閾値電圧がE領域内にあるメモリセルは"110"を記憶している状態である。
【0071】
・閾値電圧がF領域内にあるメモリセルは"100"を記憶している状態である。
【0072】
・閾値電圧がG領域内にあるメモリセルは"000"を記憶している状態である。
【0073】
このように、閾値電圧の領域毎に、各メモリセルの3bitのデータの状態を表すことが出来る。なお、メモリセルが未書き込みの状態(「消去」の状態)では、メモリセルの閾値電圧はEr領域内にある。また、ここに示した符号では,Er(消去)状態で"111"というデータを記憶し、A状態で"101"というデータを記憶するといったように、任意の2つの隣接する状態間で1bitのみデータが変化する。このように、図6に示したコーディングは、任意の2つの隣接する領域間で1bitのみデータが変化するグレイ符号である。
【0074】
なお、図5では8個のレベルが離散的に分布する場合を例に説明したが、これは例えばデータの書き込み直後の理想的な状態である。従って、現実的には隣接するレベルが重なることが起こり得る。例えば、データの書き込み後、ディスターブ等により、分布Erの上端と分布Aの下端とが重なる場合がある。このような場合には、例えばECC技術などを用いてデータが訂正される。
(2.動作)
次に、本実施形態におけるデータの書き込み動作について説明する。
(2-1.書き込み動作の概念)
まず、本実施形態に係る書き込み動作について簡単に説明する。まず、書き込み動作は、大まかにはプログラム動作とベリファイ動作とを含む。多値のデータをメモリセルトランジスタMTに書き込む場合には、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧をデータの値に応じた値にする。メモリセルトランジスタMTにプログラム電圧VPGM及びビット線電圧Vblを印加すると、電子がメモリセルトランジスタMTの電荷蓄積膜に注入されて閾値電圧が上昇する。プログラム電圧VPGMを大きくすることで電子の注入量を増加させて、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を高くすることができる。しかし、メモリセルトランジスタMTのばらつきにより同一のプログラム電圧VPGMを印加したとしても電子の注入量はメモリセルトランジスタMT毎に異なる。一旦注入された電子は、消去動作が行われるまで保持される。そこで、各メモリセルトランジスタMTに設定すべき閾値電圧として許容できる閾値電圧の範囲に収まるように、プログラム動作とベリファイ動作(ループ)を、プログラム電圧VPGMを徐々に上昇させつつ、複数回行う。
【0075】
プログラム動作は、電子を電荷蓄積層に注入することにより閾値電圧を上昇させる(または注入を禁止することで閾値電圧を維持させる)動作のことである。以下では、閾値電圧を上昇させる動作を「"0"プログラム」または「"0"書き込み」と呼び、"0"プログラム対象とされたビット線BLには"0"データが与えられる。他方で、閾値電圧を維持させる動作を「"1"プログラム」、「"1"書き込み」、または「書き込み禁止」と呼び、"1"プログラム対象とされたビット線BLには"1"データが与えられる。
【0076】
ベリファイ動作は、書き込み動作の一環として行われる読み出し動作である。ベリファイ動作は、プログラム動作の後、データを読み出すことで、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで達したか否かを判定する動作である。閾値電圧がターゲットレベルまで達したメモリセルトランジスタMTは、その後、書き込み禁止とされる。以上のプログラム動作とベリファイ動作の組み合わせを繰り返すことで、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで上昇される。
【0077】
図7Aは、書き込み動作(プログラム動作)における各配線の電位変化を示す図である。なお、図7Aに示す各電圧についても、シーケンサ27に制御された電圧供給回路28によって発生される。
【0078】
プログラム動作は、ワード線及びビット線に印加するプログラム電圧及びビット線電圧に従って行われる。書き込み対象のブロックBLK(選択BLK)の書き込み対象のストリングユニットSU(選択SU)については、プログラム電圧VPGMの印加の前に、選択ゲート線SGD(SGD_sel)を例えば5Vにして、選択ゲートトランジスタST1を導通させておく。また、プログラム動作時には、選択ゲート線SGSは例えば0Vである。従って、選択ゲートトランジスタST2はオフ状態となる。その後、プログラム電圧VPGM印加時には、選択ゲート線SGD(SGD_sel)を例えば2.5Vとする。これにより、選択ゲートトランジスタST1の導通、非導通の状態は、選択ゲートトランジスタST1に接続されるビット線BLのビット線電圧によって決まる。
【0079】
また、書き込み対象のブロックBLK(選択BLK)の書き込み対象ではないストリングユニットSU(非選択SU))についても、プログラム電圧VPGMの印加の前に、選択ゲート線SGD(SGD_usel)を例えば5Vにして、選択ゲートトランジスタST1を導通させておく。その後、プログラム電圧VPGM印加時には、選択ゲート線SGD(SGD_usel)を例えば0Vとする。これにより、選択ゲートトランジスタST1は非導通とされ、ビット線BLから電気的切断される。
【0080】
なお、書き込み対象ではないブロックBLK(非選択BLK)においては、選択ゲート線SGDおよび選択ゲート線SGSに0が印加される。これにより、選択トランジスタST1及び選択トランジスタST2はオフ状態となる。
【0081】
上述したように、センスアンプ24は、各ビット線BLにデータを転送する。"0"データが与えられたビット線BLにはビット線電圧Vbl_Lとして例えば0Vの接地電圧Vssが印加される。"1"データが与えられたビット線BLにはビット線電圧Vbl_Hとして書き込み禁止電圧Vinhibit(例えば2.5V)が印加される。従って、プログラム電圧VPGM印加時には、"0"データが与えられたビット線BLに接続された選択ゲートトランジスタST1は導通し、"1"データが与えられたビット線BLに接続された選択ゲートトランジスタST1はカットオフする。カットオフした選択ゲートトランジスタST1に接続されているメモリセルトランジスタMTは書き込み禁止となる。
【0082】
導通状態となった選択ゲートトランジスタST1に接続されているメモリセルトランジスタMTは、ワード線WLに印加される電圧に従って電荷蓄積膜への電子の注入が行われる。ワード線電圧として、電圧VPASSが与えられたワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTは、閾値電圧に拘わらず導通状態となるが、電荷蓄積膜への電子の注入は行われない。一方、ワード線電圧として、プログラム電圧VPGMが与えられたワード線WLに接続されたメモリセルトランジスタMTは、プログラム電圧VPGMに応じて電荷蓄積膜への電子の注入が行われる。
【0083】
即ち、ロウデコーダ25は、選択ブロックBLKにおいていずれかのワード線WLを選択し、選択ワード線にプログラム電圧VPGMを印加し、その他のワード線(非選択ワード線)WLに電圧VPASSを印加する。プログラム電圧VPGMは、トンネル現象により電子を電荷蓄積膜に注入するための高電圧であり、VPGM>VPASSである。この際のストリングユニットSUの様子を図8に示す。
【0084】
図8は、プログラム動作時のストリングの様子を示す回路図である。図8では、"0"書き込み対象のビット線BL、及び、"1"書き込み対象のビット線BLに対応する2つのNANDストリングを図示している。また、ワード線WL3が選択された際の様子を示している。
【0085】
図示するように、選択ワード線WL3には電圧VPGMが印加され、非選択ワード線WL0~WL2及びWL4~WL7には電圧VPASSが印加される。
【0086】
そして、"0"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングでは、選択トランジスタST1がオン状態となる。そのため、選択ワード線WL3に接続されたメモリセルトランジスタMT3のチャネル電位Vchは0Vとなる。すなわち、制御ゲートとチャネルとの間の電位差が大きくなり、その結果、電子が電荷蓄積層に注入されて、メモリセルトランジスタMT3の閾値電圧が上昇される。
【0087】
"1"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングでは、選択トランジスタST1がカットオフ状態となる。そのため、選択ワード線WL3に接続されたメモリセルトランジスタMT3のチャネルは電気的にフローティングとなり、ワード線WL等との容量カップリングによりチャネル電位Vchは電圧VPGM近くまで上昇される。すなわち、制御ゲートとチャネルとの間の電位差が小さくなり、その結果、電子は電荷蓄積層に注入されず、メモリセルトランジスタMT3の閾値電圧は維持される(閾値電圧分布レベルがより高い分布に遷移するほどには閾値電圧は変動しない)。
【0088】
このように、ロウデコーダ25によってワード線WLの電圧を制御しながら、センスアンプ24によって各ビット線BLにデータを供給することで、メモリセルアレイ23の各メモリセルトランジスタMTへの書き込み動作(プログラム動作)が行われる。
【0089】
図7Bは、読み出し動作(ベリファイ動作)における各配線の電位変化を示す図である。なお、図7Bに示す各電圧についても、シーケンサ27に制御された電圧供給回路28によって発生される。
【0090】
ベリファイ動作、すなわち、多値化されたメモリセルトランジスタからのデータの読み出しは、ロウデコーダ25によって、選択ワード線WL(以下、WL_selとも示す)に読み出し電圧を印加すると共に、センスアンプ24によって、ビット線BLに読み出されたデータをセンスして、読み出したデータが"0"であるか"1"であるかを判定することで行われる。なお、非選択ワード線WL(以下、WL_uselとも示す)に接続されたメモリセルトランジスタを導通させるために、ロウデコーダ25は、非選択ワード線WL_uselには各メモリセルトランジスタをオンにするために必要な十分に高い電圧VREADを与える。なお、隣接ワード線については、隣接ワード線に接続されたメモリセルトランジスタの導通を容易にするために、電圧VREADよりも若干高い電圧VREADKを与えてもよい。
【0091】
また、ロウデコーダ25は、ストリングユニットSU中の読み出し対象のストリングユニット(選択ストリングユニット)を構成する選択ゲート線SGD(以下、SGD_selとも示す)には、選択ゲートトランジスタST1をオンにするための電圧VSGを印加し、読み出し対象でないストリングユニット(非選択ストリングユニット)を構成する選択ゲート線SGD(以下、非選択ゲート線SGD_uselとも示す)には、選択ゲートトランジスタST1をオフにするための電圧Vss(例えば、0V)を印加する。なお、非選択ゲート線SGD_uselに、選択ゲートトランジスタST1をオンにするための電圧VSGを印加した後に、選択ゲートトランジスタST1をオフにするための電圧Vssを印加してもよい。
【0092】
ロウデコーダ25は、選択ワード線WL_selに、読み出し電圧を印加し、非選択ワード線WL_uselに、電圧VREAD又はVEREDKを印加する。読み出し動作時には、センスアンプ24は、ビット線BLを一定の電圧(例えば、1V)に固定すると共に、センスアンプユニット群24A内部の図示しないセンスノードSENをビット線BLの電圧よりも高い所定のプリチャージ電圧Vpreに充電する。この状態で、ロジック制御回路21は、センスノードSENをビット線BLに接続する。そうすると、センスノードSENからビット線BLに電流が流れ、センスノードSENの電圧は次第に低下する。
【0093】
センスノードSENの電圧は、対応するビット線BLに接続されたメモリセルトランジスタの閾値電圧の状態に応じて変化する。即ち、メモリセルトランジスタの閾値電圧が読み出し電圧よりも低いときは、メモリセルトランジスタはオン状態であり、メモリセルトランジスタに大きなセル電流が流れ、センスノードSENの電圧が低下する速度は速くなる。また、メモリセルトランジスタの閾値電圧が読み出し電圧よりも高いときは、メモリセルトランジスタはオフ状態であり、メモリセルトランジスタに流れるセル電流は、小さいか、又は、メモリセルトランジスタにセル電流が流れず、センスノードSENの電圧が低下する速度は遅くなる。
【0094】
このようなセンスノードSENの電圧低下の速度の差を利用して、メモリセルトランジスタの書き込みの状態が判定されて、結果がデータラッチ回路に記憶される。例えば、センスノードSENの電荷を放電し始める放電開始時から所定の第1期間が経過した第1時点で、センスノードSENの電圧がローレベル(以下、"L"とも示す)であるかハイレベル(以下、"H" とも示す)であるかが判定される。例えば、メモリセルトランジスタの閾値電圧が読み出し電圧よりも低い場合には、メモリセルトランジスタは完全オン状態であり、メモリセルトランジスタに大きなセル電流が流れる。このため、センスノードSENの電圧は、急速に低下し、電圧降下量は比較的大きく、第1時点において、センスノードSENが"L"になる。
【0095】
また、メモリセルトランジスタの閾値電圧が読み出し電圧よりも高い場合には、メモリセルトランジスタはオフ状態であり、メモリセルトランジスタに流れるセル電流は、非常に小さいか、又は、メモリセルトランジスタにセル電流が流れない。このため、センスノードSENの電圧は、非常に緩やかに低下し、電圧降下量は比較的小さく、第1時点において、センスノードSENは、"H"のままとなる。
【0096】
このように、ロウデコーダ25により選択ワード線WL_selに読み出し電圧を印加しながら、センスアンプ回路がセンスノードSENの状態を監視することで、メモリセルトランジスタの閾値電圧が読み出し電圧よりも高いか低いかが判定される。従って、各レベル相互間の電圧を読み出し電圧として選択ワード線WL_selに印加することで、各メモリセルトランジスタのレベルを判定し、各レベルに割り当てたデータを読み出すことができる。
【0097】
例えば、TLCの8つの山型の閾値電圧分布にそれぞれデータを割り当てることで、TLCでは、1メモリセルトランジスタ当たり3ビットのデータを記憶可能である。各メモリセルトランジスタには、8つの閾値電圧分布にそれぞれ対応するEr,A,B,…,Gレベルのいずれかのレベルで書き込みが行われ、読出し時には、電圧VrA~VrGを印加することで、各メモリセルトランジスタのデータの値を判定することができる。なお、以下の説明において、ベリファイ動作における選択ワード線WL_selに印加される読み出し電圧を、電圧VfyA~VfyGと示す。
(2-2.書き込み動作の具体例について)
本実施形態の書き込み動作の説明にあたり、まず、標準書き込みシーケンスについて、図9を用いてより具体的に説明する。図9では、プログラム動作とベリファイ動作との組み合わせが19回繰り返されることによって、データが書き込まれる場合を例に示している。この繰り返し動作を「ループ」と呼ぶ。
【0098】
図9には、各ループにおいて行われるベリファイ動作のターゲットレベルが示されている。図示するように、1回目及び2回目のループでは、ベリファイ動作は"A"レベルのみを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WL_selには電圧VfyAが印加され、電圧VfyB~VfyGは印加されない。引き続き3回目及び4回目のループでは、ベリファイ動作は"A"レベルと"B"レベルとを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WL_selには電圧VfyA及びVfyBが順次印加され、電圧VfyC~VfyGは印加されない。
【0099】
5回目及び6回目のループでは、ベリファイ動作は"A"レベル、"B"レベル、及び"C"レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WL_selには電圧VfyA、VfyB、及びVfyCが順次印加され、電圧VfyD~VfyGは印加されない。そして、"A"レベルを対象としたベリファイ動作は、6回目のループで完了する。これは、例えば6回のループ回数で"A"レベルへのプログラムはほぼ完了するということが経験的に求められるからである。
【0100】
また、7回目及び8回目のループでは、ベリファイ動作は"B"レベル、"C"レベル、及び"D"レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WL_selには電圧VfyB、VfyC、及びVfyDが順次印加される。そして、"B"レベルを対象としたベリファイ動作は、8回目の書き込み動作で完了する。更に、9回目及び10回目のループでは、ベリファイ動作は"C"レベル、"D"レベル、及び"E"レベルを対象にして行われる。つまり、ベリファイ動作時に選択ワード線WL_selには電圧VfyC、VfyD、及びVfyEが順次印加される。そして、"C"レベルを対象としたベリファイ動作は、10回目のループで完了する。以降、同様にして"G"レベルの書き込みまで行われ、ループは最大で19回、繰り返される。
【0101】
図10は、上述した標準書き込みシーケンスに基づく書き込み動作時における、プログラム動作とベリファイ動作のタイミングを示す図である。図10に示すように、1回目及び2回目のループでは、ベリファイ動作は"A"レベルのみを対象にして行われる。つまり、1回のプログラム動作に対してベリファイ動作は1回行われる。3回目及び4回目のループでは、ベリファイ動作は"A"レベルと"B"レベルとを対象にして行われる。つまり、1回のプログラム動作に対してベリファイ動作は2回行われる。5回目から、"D"レベルを対象としたベリファイ動作が完了する12回目までのループでは、1回のプログラム動作に対してベリファイ動作は3回行われる。以降も、1回のプログラム動作に対して、設定された所定のレベルのベリファイ動作が行われる。最終的には、19回のループで、プログラム動作が19回、ベリファイ動作が42回行われる。
【0102】
なお、上の説明では、ベリファイ動作が上限回数まで実施されることを想定している。図9に示したように、"A"レベルを対象とするベリファイ動作は、1回目のループから6回目のループにかけて最大で6回実行され得る。また、"B"レベルを対象とするベリファイ動作は、3回目のループから8回目のループにかけて最大で6回実行され得る。他のレベルについても同様である。ここで、例えば、"A"レベルに書き込まれるメモリセルトランジスタMTは複数存在し、当該メモリセルトランジスタMTに接続されたビット線BL("A")も複数存在する。従って、厳密には、例えば、"A"レベルに書き込まれるメモリセルトランジスタMTの全てが5回目のループにおいて"A"レベルを対象とするベリファイ動作にパスした場合は、ビット線BL("A")については、6回目のループにおいてベリファイ動作が実行されないということも有りえる。これは、以下の説明についても同様である。
【0103】
1回目のプログラム動作で選択ワード線WL_selに印加される電圧VPGMや、2回目以降のプログラム動作における電圧VPGMの増加量、そして、各レベルにおけるベリファイ動作が開始するループは、書き込みが速いワーストケースを想定して設定されており、ターゲットレベルを超えた書き込みが行われないよう十分にマージンが確保されている。
【0104】
上述した、書き込み動作におけるループ回数、各ループにおける選択ワード線WL_selの電圧(電圧VPGM)、各ループにおけるベリファイ動作対象レベルは、標準書き込みシーケンスとしてシーケンサ27に格納されている。標準書き込みシーケンスに基づいてのメモリセルアレイ23へ書き込み動作が実行される場合には、標準書き込みシーケンスに基づく制御信号が、シーケンサ27からセンスアンプ24およびロウデコーダ25に出力される。
【0105】
次に、書き込み動作(プログラム動作+ベリファイ動作)時の各配線の電位変化について説明する。図11は、書き込み動作時の各配線の電位変化を示す図である。図11は、3回目のループを一例とし、各配線の電位変化を示している。また、図11には、"1"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングのチャネル電位(実線に対応しており、以下、inhibitチャネル電位とも示す)と、"0"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングのチャネル電位(一点鎖線に対応しており、以下、programチャネル電位とも示す)を示している。図11において、時刻t1から時刻t5までの期間に、書き込み動作が行われる。プログラム動作は、時刻t1から時刻t3までの期間に行われる。ベリファイ動作は、時刻t3から時刻t5までの期間に行われる。
【0106】
プログラム動作は、実際のプログラム期間(時刻t1から時刻t2、以下、実プログラム期間と示す)と、ベリファイ動作への移行期間(時刻t2から時刻t3、以下、VPASS2VREAD期間と示す)とを有する。実プログラム期間は、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させる動作が行われる(または注入を禁止することで閾値電圧を維持させる)期間である。すなわち、図7Aに示す電位変化に従って、各配線の電位が設定・変更される。非選択ワード線WL_uselは、電圧VPASS(例えば、10V)が印加され、選択ワード線WL_selは、3ループ目のプログラム電圧VPGM3(例えば、13V)が印加される。また、選択ゲート線SGD_selには、電圧VSGD(例えば、2.5V)が印加され、非選択ゲート線SGD_usel、SGSには、電圧Vssが印加される。なお、図11では、図7Aに示す電位変化の前半部分の電位変化は省略しており、後半部分のみ示している。
【0107】
実プログラム期間において、"1"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングは、選択ゲートトランジスタST1、ST2共にカットオフされている。従って、該NANDストリングのチャネル電位であるinhibitチャネル電位は、選択ワード線WL_selとinhibitチャネルとの容量結合、及び非選択ワード線WL_uselとinhibitチャネルとの容量結合によってブーストされる。なお、ブーストレベルは、以下の(1)式に従う。
【0108】
inhibitチャネル電位
=Vint+α(VPGM+(VPASS×非選択ワード線WL_uselの本数)
-(Vtcell×ワード線WLの本数)) …(1)
ただし、(1)式において、Vintは、初めにチャネルに印加されている電圧であり、Vtcellは、セルの閾値電圧である。
【0109】
VPASS2VREAD期間は、ベリファイ動作に先だち、選択ワード線WL_sel、及び、非選択ワード線WL_uselの電圧を放電する期間である。従来、VPASS2VREAD期間においては、選択ワード線WL_sel、及び、非選択ワード線WL_uselの電圧を放電し、接地電圧Vss(例えば、0V)まで低下させていた。これに対し、図11に示す一例では、選択ワード線WL_sel、及び、非選択ワード線WL_uselの電圧を、電圧VPASS2VREADまでの放電にとどめている。電圧VPASS2VREADは、接地電圧Vssより高く、ベリファイ動作においてワード線WLに最初に充電される電圧(図11に示す一例では、電圧VREAD)よりも低い電圧に設定される。電圧VPASS2VREADは、例えば、3~6V程度に設定される。選択ワード線WL_sel、及び、非選択ワード線WL_uselの電圧放電を電圧VPASS2VREADまでにとどめることで、ワード線WLから流出する電流量を削減することができ、動作の効率を向上させることができる。選択ワード線WL_selの電圧低下に伴い、inhibitチャネル電位も電圧VPASS2VREADより低い値(Vinh)に低下する。
【0110】
なお、図11では、VPASS2VREAD期間における、選択ゲート線SGD_sel、SGD_usel、SGSの電圧VSS2VSGは、電圧Vssよりも高く、電圧VSGD(プログラム期間における選択ゲート線SGD_selへの印加電圧、例えば、2.5V)よりも低い電圧(例えば、1V)程度としているが、電圧レベルはこれに限定されない。電圧VSS2VSGは、例えば、電圧Vssでもよいし、他の特定の電圧レベルでもよい。
【0111】
ベリファイ動作は、ディスターブ防止期間(時刻t3から時刻t4、以下、USTRDIS期間と示す)と、実際のベリファイ期間(時刻t4から時刻t5、以下、実ベリファイ期間と示す)とを有する。USTRDIS期間は、ディスターブ(意図しない閾値電圧の上昇)を防止するために、実ベリファイ動作開始時にチャンネル全導通を行うものである。すなわち、非選択ストリングにおいて、選択ワード線WL_selに属するセルがオンしなかった場合、ドレイン側の電位はブースト、ソース側の電位はVCELSRCになり、ここに大きなポテンシャル差ができてしまう。この場合、HCI(ホットキャリアインジェクション)が発生し、その付近のセル閾値が変わってしまう現象が起こる。これを対策するために、非選択ストリングのドレイン側の非選択ゲート線SGD_uselをオンにして、ブースト電位を抜いてあげることにより、ドレイン側―ソース側間で電位差つけないようにする。これにより、意図しない閾値電圧の上昇を防止する。
選択ゲート線SGD_sel、SGD_usel、SGSには、選択ゲートトランジスタST1、ST2をオンにするための電圧VSG(例えば、5V)が印加される。選択ワード線WL_sel、及び、非選択ワード線WL_uselには、それぞれ、各メモリセルトランジスタをオンにするために必要な十分に高い電圧VREAD(例えば、8V)が印加される。
【0112】
実ベリファイ期間において、選択ゲート線SGD_sel、SGSは、電圧VSG(例えば、5V)が維持される。一方、非選択ゲート線SGD_uselは、選択ゲートトランジスタST1をオフにするための電圧Vss(例えば0V)まで低下する。また、実ベリファイ期間において、非選択ワード線WL_uselは、電圧VREADが維持される。一方、選択ワード線WL_selは、Aレベル、及び、Bレベルの読み出しのための電圧VfyA、VfyBに変化する。ベリファイ動作の全期間を通じ、全てのNANDストリングの選択ゲートトランジスタST2はオンである。従って、inhibitチャネル電位は0Vとなる。
(2-3.書き込み動作における各配線の電圧制御)
次に、書き込み動作における、各配線に印加される電圧の生成・制御について、図12図17を用いて説明する。図12は、電圧供給回路28及びロウデコーダ25の構成の一例を示すブロック図である。なお、図12においては電圧供給回路28の一部の構成のみを示している。
【0113】
図12において、電圧供給回路28は、メモリセルトランジスタMTに対するプログラム動作及び読み出し動作等に必要な電圧を含む各種電圧を発生する。電圧供給回路28は、信号線SG0~SG4に電圧を供給するSGドライバ28Aと、信号線CG0~CG7にそれぞれ電圧を供給する複数のCGドライバ28Bと含む。これらの信号線SG0~SG4,CG0~CG7は、ロウデコーダ25によって分岐されて、各ブロックBLKの配線に接続される。すなわち、信号線SG0~SG3は、グローバルドレイン側選択ゲート線として機能し、ロウデコーダ25を介して、各ブロックBLKにおけるローカル選択ゲート線としての選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。信号線CG0~CG7は、グローバルワード線として機能し、ロウデコーダ25を介して、各ブロックBLKにおけるローカルワード線としてのワード線WL0~WL7に接続される。信号線SG4は、グローバルソース側選択ゲート線として機能し、ロウデコーダ25を介して、各ブロックBLKにおけるローカル選択ゲート線としての選択ゲート線SGSに接続される。
【0114】
電圧供給回路28はシーケンサ27に制御されて、各種の電圧を生成する。SGドライバ(選択ゲート線ドライバ)28A及びCGドライバ(ワード線ドライバ)28Bは、各種の生成された電圧を、対応する信号線SG0~SG4及び信号線CG0~CG7にそれぞれ供給する。
【0115】
ロウデコーダ25は、各ブロックにそれぞれ対応した複数のスイッチ回路群25Aと、複数のスイッチ回路群25Aにそれぞれ対応して設けられる複数のブロックデコーダ25Bとを有している。各スイッチ回路群25Aは、信号線SG0~SG4と選択ゲート線SGD0~SGD4とをそれぞれ接続する複数のトランジスタTR_SG0~TR_SG4、信号線CG0~CG7とワード線WL0~WL7とをそれぞれ接続する複数のトランジスタTR_CG0~TR_CG7を含む。トランジスタTR_SG0~TR_SG4およびトランジスタTR_CG0~TR_CG7の各々は、高耐圧トランジスタである。
【0116】
各ブロックデコーダ25Bは、ロウアドレスによって自身が指定された場合、トランジスタTR_SG0~TR_SG4およびトランジスタTR_CG0~TR_CG7のゲートに、ブロック選択信号BLKSELを供給する。これにより、ロウアドレスによって指定されるブロックデコーダ25Bからブロック選択信号BLKSELが供給されるスイッチ回路群25Aでは、トランジスタTR_SG0~TR_SG4およびトランジスタTR_CG0~TR_CG7がオン状態となって導通するため、電源生成回路28から信号線SG0~SG4及び信号線CG0~CG7に供給される電圧が、動作対象となるブロックBLKに含まれる選択ゲート線SGD0~SGD3、SGSおよびワード線WL0~WL7に供給される。
【0117】
即ち、電圧供給回路28とロウデコーダ25により、選択ワード線WLには電圧VPGMや電圧VCGRVなどが供給され、非選択ワード線WLには電圧VREAD又はVREADKなどが供給される。また、例えば、動作対象となるストリングユニットSUに属する選択ゲートトランジスタST1に接続される選択ゲート線SGD(SGD_sel)には電圧VSGDなどが供給され、動作対象となるストリングユニットSUに属さない選択ゲートトランジスタST1に接続される選択ゲート線SGD(SGD_usel)には0V等の電圧Vssなどが供給される。
【0118】
図13は、電圧供給回路28の具体的な構成の一例を示すブロック図である。電圧供給回路28は、電圧生成回路281と、レギュレータ回路282と、SGドライバ28A及びCGドライバ28Bとを有する。以下、ワード線WLの動作に必要な各種電圧を生成する回路について、詳細に説明する。
【0119】
電圧生成回路281は、電源入力用端子群35から入力された電圧を用いて、不揮発性メモリ2に各部位の動作に必要な各種電圧を生成する。電圧生成回路281は、第1ポンプ281Aと、第2ポンプ281Bと、第3ポンプ281Cとを有する。第1ポンプ281Aでは、プログラム電圧である電圧VPGMが生成される。第2ポンプ281Bでは、電圧VPASS、VREAD、及び、VPASS2VREADが生成される。第3ポンプ281Cでは、ベリファイ電圧である電圧VCGRVが生成される。
【0120】
レギュレート回路282は、電圧生成回路281から入力された電圧を用い、入力電圧や出力電流の値が変動する場合にも一定の値の電圧を生成する。レギュレート回路282は、3つのレギュレータ282A~282Cを有する。レギュレータ282Aは、第1ポンプ281Aから入力された電圧を用いて、電圧VPGMを生成する。レギュレータ2828Bは、第2ポンプ281Bから入力された電圧を用いて、電圧VPASS、VREAD、または、VPASS2VREADのいずれかを生成する。レギュレータ282Cは、第3ポンプ281Cから入力された電圧を用いて、電圧VCGRVを生成する。レギュレータ282A~282Cにおいて生成された電圧は、CGドライバ28Bに入力される。
【0121】
CGドライバ28Bは、いずれも複数種類の入力電圧が入力される複数の入力端を有し、これらの入力端を介してレギュレータ回路282から複数種類の電圧が入力可能である。CGドライバ28Bの各入力端は、複数種類の電圧のそれぞれの供給路上に配置されたスイッチT1、T2、T3を経由して、1つの出力端に接続される。スイッチT1、T2、T3のいずれか1つが選択されてオンとなることにより、選択されたスイッチに接続された供給路に与えられた電圧が出力端に現れる。
【0122】
すなわち、レギュレータ282Aから入力された電圧は、スイッチT1を経由して、出力端に供給される。レギュレータ282Bから入力された電圧は、スイッチT2を経由して出力端に供給される。レギュレータ282Cから入力された電圧は、スイッチT3を経由して出力端に供給される。
【0123】
なお、SGドライバ28Aも、CGドライバ28Bと同様に、いずれも複数種類の入力電圧が入力される複数の入力端を有し、これらの入力端を介してレギュレータ回路282から複数種類の電圧が入力可能である。SGドライバ28Aの各入力端は、複数種類の電圧のそれぞれの供給路上に配置されたスイッチT1、T2、…を経由して、1つの出力端に接続される。スイッチT1、T2、…のいずれか1つが選択されてオンとなることにより、選択されたスイッチに接続された供給路に与えられた電圧が出力端に現れる。
【0124】
電圧供給回路28の各部位の動作は、シーケンサ27によって制御される。例えば、スイッチT1、T2、T3のうちオンにするスイッチの選択や、電圧生成回路281の各ポンプ281A~281Cにおいて生成する電圧や、レギュレータ回路282の各レギュレータ282A~282Cにおいて生成する電圧値などが、シーケンサ27によって制御される。
【0125】
図14Aは、第2ポンプ281Bの具体的な構成の一例を示すブロック図である。第2ポンプ281Bは、例えば、4つのポンプユニットPU1~PU4と、9つのスイッチ回路SW1~SW9で構成される。ポンプユニットPU1~PU4は、それぞれ、図15に示すようなチャージポンプ回路などによって構成される。
【0126】
図15は、チャージポンプ回路の一例を示す図である。ポンプユニットPUを構成するチャージポンプ回路は、n+1個のNMOSトランジスタNM1~NM(n+1)と、n個のキャパシタC1~Cnを含む。NMOSトランジスタNM1~NM(n+1)は、それぞれダイオード接続され、ダイオードとして機能する。NMOSトランジスタNM1~NM(n+1)は、その電流経路が順に直列接続とされる。
【0127】
キャパシタC1~Cnの一端は、それぞれ、NMOSトランジスタNM1~NMnの一端にそれぞれ電気的に接続される。NMOSトランジスタNM1、NM3、…など、奇数番目に配置されたNMOSトランジスタNM(2m-1)(ただし、m=1、2、…)に接続されたキャパシタC1、C3、…、C(2m-1)の他端には、クロック信号CLKが供給される。NMOSトランジスタNM2、NM4、…など、偶数番目に配置されたNMOSトランジスタNM(2m)に接続されたキャパシタC2、C4、…、C(2m)の他端には、クロック信号/CLKが供給される。NMOSトランジスタNM1の他端には、電圧Vsup(例えば、電源電圧Vcc)が入力される。そして、クロック信号CLK、/CLKによって、キャパシタC1~Cnは充放電を繰り返す。その結果、電圧Vsupよりも大きな出力電圧Vоutが生成され、NMOSトランジスタNM(n+1)の一端から出力電圧Vоutが転送(出力)される。
【0128】
第2ポンプ281Bを構成する4つのポンプユニットPU1~PU4は、スイッチ回路SW1~SW9のオン・オフを切り替えることで、次の3つの回路構成を実現することができる。図14B~14Dは、第2ポンプ281Bを構成する各ユニットの具体的な接続状態の一例を示すブロック図である。1つ目の回路構成(第1ステート)は、入出力端子の間に4つのポンプユニットPU1~PU4を並列に接続する構成である。図14Bは、第1ステートの構成を説明するブロック図である。図14Bに示すように、スイッチ回路SW1~3、SW7~9をオンにし、スイッチ回路SW4~6をオフにすることで、入出力端子の間に4つのポンプユニットPU1~PU4が並列に接続される。
【0129】
2つ目の回路構成(第2ステート)は、ポンプユニットPU1、PU2を直列に接続してポンプユニット群PUG1を構成し、ポンプユニットPU3、PU4を直列に接続してポンプユニット群PUG2を構成し、ポンプユニット群PUG1と、ポンプユニット群PUG2とを並列に接続する構成である。図14Cは、第2ステートの構成を説明するブロック図である。図14Cに示すように、第2ステートでは、スイッチ回路SW2、4、6、8をオンにし、スイッチ回路SW1、3、5、7、9をオフにする。スイッチ回路SW4をオンにすることで、ポンプユニットPU1、PU2が直列に接続されて、ポンプユニット群PUG1が構成される。また、スイッチ回路SW6をオンにすることで、ポンプユニットPU3、PU4が直列に接続されて、ポンプユニット群PUG2が構成される。SW2、8をオンにすることで、ポンプユニット群PUG1、PUG2は、入出力端子の間に、並列に接続される。
【0130】
3つ目の回路構成は、ポンプユニットPU1~PU4を直列に接続する構成である。図14Dは、第3ステートの構成を説明するブロック図である。図14Dに示すように、スイッチ回路SW4~6をオンにし、スイッチ回路SW1~3、SW7~9をオフにすることで、入出力端子の間に4つのポンプユニットPU1~PU4が直列に接続される。
【0131】
図16は、第2ポンプ281Bにおける出力電圧に対する電流効率の特性を説明する図である。図16において、点線は第1ステートの特性を示し、一点鎖線は第2ステートの特性を示し、二点鎖線は第3ステートの特性をそれぞれ示す。また、実線は、第2ポンプにおいて効率のよい電流供給を実現した場合の特性を示している。図16に示すように、第2ポンプ281Bの電流効率特性は、回路構成によって異なる。第1ステート(図14B)、すなわち、入出力端子の間にポンプユニットPU1~PU4が並列に接続される回路構成の場合、出力電圧Vоutが低い領域(例えば、5V以下の領域)では他のステートに比べて効率よく電流を供給することができる。ところが、出力電圧Vоutが高くなるにつれて電流効率が低下し、ある出力電圧Vоut(例えば、8V)を超えると電流を供給することができなくなる。
【0132】
一方、第2ステート(図14C)、すなわち、入出力端子の間に、2つのポンプユニットPUが直列接続されて構成されたポンプユニット群PUGが、2個並列に接続される回路構成の場合、出力電圧Vоutが低い領域においては、電流効率は第1ステートよりも低く第3ステートより高い。出力電圧Vоutが高くなるにつれて電流効率が低下するが、出力電圧Vоutの上昇に対する電流効率の低下度合い(特性の傾き)は、第1ステートよりも小さいため、出力電圧Vоutがある電圧(例えば、5V)を超えると、第1ステートよりも効率よく電流を供給することができる。しかし、電流効率の低下度合い(特性の傾き)は、第3ステートよりも大きいため、出力電圧Vоutが高い領域(例えば、8V以上の領域)では、第3ステートよりも電流効率が低くなる。すなわち、第2ステートは、出力電圧Vоutが中間の領域(例えば、出力電圧Vоutが5Vから8Vの領域)では、他のステートに比べて効率よく電流を供給することができる。
【0133】
更に、第3ステート(図14D)、すなわち、入出力端子の間に、ポンプユニットPU1~PU4が直列に接続される回路構成の場合、出力電圧Vоutが低い領域においては、電流効率は第1ステートや第2ステートよりも低い。しかし、電流効率の低下度合い(特性の傾き)は、第1ステートや第2ステートよりも小さい。故に、出力電圧Vоutが高い領域(例えば、8V以上の領域)では、第1ステート、第2ステートよりも電流効率が高くなる。すなわち、第3ステートは、出力電圧Vоutが高い領域(例えば、出力電圧Vоutが8V以上の領域)では、他のステートに比べて効率よく電流を供給することができる。
【0134】
このように、出力電圧が低い領域(例えば、5V以下の領域)では、第1ステートの回路構成が最も効率よく電流を供給することができ、出力電圧が中間の領域(例えば、5Vから8Vの間の領域)では、第2ステートの回路構成が最も効率よく電流を供給することができる。そして、出力電圧が高い領域(例えば、8V以上の領域)では、第3ステートの回路構成が最も効率よく電流を供給することができる。従って、第2ポンプ281Bは、出力電圧に応じ、効率よく電流を供給するステートに切り替えて使用される。すなわち、第2ポンプ281Bにおいて実現される電流特性は、図16において、実線で示す特性となる。なお、第2ポンプ281Bのステートの切り替えは、シーケンサ27により制御される。シーケンサ27は、出力電圧Vоutの設定値に応じて、第2ポンプ281Bに対し、回路構成の切り替えを指示する。
【0135】
ところで、不揮発性メモリ2は、電流の消費量が瞬時的に大きくなると動作に悪影響を及ぼす可能性がある。このため、電圧供給回路28から信号線SG0~SG4、CG0~CG7に充電する際には、急峻な充電をせずに、ステップバイステップで段階的に充電をする。図17は、ベリファイ動作時におけるポンプの昇圧動作制御を説明する図である。USTRDIS期間における第2ポンプ281Bの動作制御を一例として、ベリファイ動作時におけるポンプの昇圧動作制御について、以下に説明する。
【0136】
非選択ワード線WL_uselの電圧は、時刻t3において電圧VPASS2VREAD(例えば、6V)である。USTRDIS期間において、非選択ワード線WL_uselの電圧を電圧VREAD(例えば、8V)まで昇圧する必要がある。時刻t3において、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの設定値を8Vにしてチャージ動作を行わせる場合、第2ポンプ281Bは、出力電圧Vоutが8Vに達するまで、ポンプユニットPU1~PU4を連続して駆動する。すなわち、ポンプユニットPU1~PU4は、入力されるクロック信号CLKの周期に従って、出力電圧Vоutが8Vに達するまで連続的に昇圧動作を実行する。例えば、1回のポンピング動作でVоutが0.2V昇圧される場合、出力電圧Vоutを6Vから8Vまで昇圧するためには10回のポンピング動作が必要である。10回のポンピング動作を連続的に実行した場合、充電のための電流消費がクロック信号CLK10周期分の間に集中する。換言すると、単位時間あたりの消費電流であるピーク電流量が、時刻t3において非常に大きくなってしまう。
【0137】
電流の消費が短時間に集中することを防ぎ、ピーク電流量を低減するために、シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの設定値を最初から8Vにせず、ステップ電圧Vstp(例えば、0.4V)刻みで複数の中間設定値を設け、出力電圧Vоutを段階的に引き上げる。シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutが中間設定値に達すると、所定の期間(休止期間)が経過したのちに、次の中間設定値に設定値を引き上げて、昇圧動作を実行させる。
【0138】
図17において、BINVMは、シーケンサ27によって設定される第2ポンプ281Bの出力電圧Vоut設定値を示している。時刻t3において、シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutを、電圧VPASS2VREAD(例えば、6V)から、ステップ電圧Vstp(例えば、0.4V)分だけプラスした値(例えば、6.4V)に設定する。第2ポンプ281Bは、例えば、ポンピング動作を2回行って、出力電圧Vоutを0.4V昇圧させる。シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの昇圧動作が終了してから休止期間が経過した後に、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutを、さらに0.4Vプラスした値(例えば、6.8V)に設定する。シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutが電圧VREAD(例えば、8V)に達するまで、設定値をステップ電圧Vstp(例えば、0.4V)ずつ引き上げる。このように、休止期間を設けながら第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの設定値を段階的に引き上げることで、ポンピング動作を分散することができるため、電流の消費が短時間に集中することを防ぎ、ピーク電流量を削減することができる。
(2-4.USTRDIS期間における非選択ワード線の電位変化)
図18は、USTRDIS期間における非選択ワード線の電位変化を示す図である。上述のように、USTRDIS期間おいては、意図しない閾値電圧の上昇を防止するために、チャンネルが全導通される。すなわち、選択ゲート線SGD_sel、SGD_usel、SGSには、選択ゲートトランジスタST1、ST2をオンにするための電圧VSG(例えば、5V)が印加される。非選択ワード線WL_uselには、各メモリセルトランジスタをオンにするために必要な十分に高い電圧VREAD(例えば、8V)が印加される。
【0139】
USTRDIS期間の直前であるVPASS2VREAD期間(時刻t2から時刻t3までの期間)において、inhibitチャネル電位("1"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングのチャネル電位)は、選択ワード線WL_sel、及び、非選択ワード線WL_uselと、inhibitチャネルとの容量結合によって、所定のレベルにブーストされている。
【0140】
時刻t3において、選択ゲートトランジスタST1、ST2がオンになされると、チャンネルが全導通されるため、inhibitチャネル電位が接地電圧Vssに低下する。inhibitチャネル電位の低下に伴い、非選択ワード線WL_uselと、inhibitチャネルとの容量結合によって、非選択ワード線WL_uselの電圧も低下してしまう。以下、非選択ワード線WL_uselにおける、電圧VPASS2VREADからの電圧低下量を電圧Vdwnとする。
【0141】
一方、時刻t3において、シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの最初の中間設定値を、電圧VPASS2VREAD(例えば、6V)からステップ電圧Vstp(例えば、0.4V)だけ高い値に設定する。第2ポンプ281Bは、出力電圧Vоutを最初の中間設定値に昇圧すべく、ポンプユニットPU1~PU4を連続的に駆動し、ポンピング動作を実行する。非選択ワード線WL_uselの電圧低下に伴い、第2ポンプ281Bは、ステップ電圧Vstp+電圧Vdwnだけ出力電圧Vоutを昇圧しなくてはならない。故に、出力電圧Vоutが最初の中間設定値まで昇圧される期間、ポンピング動作が連続して行われるため、電流の消費が短時間に集中してピーク電流が増大してしまう。
【0142】
また、最初の中間設定値を6.4Vとした場合、第2ポンプは第2ステートに設定される。非選択ワード線WL_uselの電圧は、電圧VPASS2VREADより電圧Vdwnだけが低下しているので、本来は第1ステートに設定されるべきである。しかし、上述の制御によれば、第2ポンプは、第1ステートよりも電流効率が悪い第2ステートに設定されてしまうため、昇圧に必要なポンピング動作が増大してしまう。
(2-5.実施形態における電圧生成回路の動作)
次に、本実施形態における第2ポンプ281Bの動作制御について、図19、20を参照して説明する。図19は、書き込みシーケンスの前半ループにおけるポンプの昇圧動作制御を説明する図である。図20は、書き込みシーケンスの後半ループにおけるポンプの昇圧動作制御を説明する図である。
【0143】
USTRDIS期間における非選択ワード線WL_uselの電圧低下は、inhibitチャネルとの容量結合に起因する。従って、書き込みシーケンスのループ前半であって、"1"書き込み対象のビット線BLの本数が少なく"0"書き込み対象のビット線BLの本数が多い状態では、"1"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングの本数が少なく、"0"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングの本数が多い。故に、inhibitチャネルと非選択ワード線WL_uselとの実効的な対向面積が小さく、programチャネルと非選択ワード線WL_uselとの実効的な対向面積が大きいため、USTRDIS期間開始直後におけるinhibitチャネル電位の低下に伴う非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)も小さい。
【0144】
一方、書き込みシーケンスのループが進むにつれて"1"書き込み対象のビット線BLの本数が増加し、"0"書き込み対象のビット線BLの本数が減少する。故に、"1"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングの本数が増加し、"0"書き込み対象のビット線BLに対応するNANDストリングの本数が減少する。故に、inhibitチャネルと非選択ワード線WL_uselとの実効的な対向面積が増加し、programチャネルと非選択ワード線WL_uselとの実効的な対向面積が減少するため、USTRDIS期間開始直後におけるinhibitチャネル電位の低下に伴う非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)が大きくなる。そこで、本実施形態では、書き込みシーケンスのループを2分割し、前半ループと後半ループとで第2ポンプ281Bの動作を異なる方法で制御する。
【0145】
図19に示すように、前半ループにおける第2ポンプ281Bの動作制御は、図17を用いて説明した方法と同一の方法で行う。すなわち、時刻t3において、シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの最初の中間設定値を、電圧VPASS2VREAD(例えば、6V)から、ステップ電圧Vstp(例えば、0.4V)分だけプラスした値(例えば、6.4V)に設定する。また、第2ポンプ281Bのステートを、出力電圧Vоutの設定値に応じたステートに設定する。例えば、出力電圧Vоutの設定値が6.4Vであり、第2ポンプ281Bの電流効率の特性が図16に示す特性である場合、シーケンサ27は第2ポンプ281Bのステートを第2ステートに設定する。第2ポンプ281Bは、シーケンサ27の制御に従って、出力電圧Vоutを最初の中間設定値(例えば、6.4V)まで昇圧させる。USTRDIS期間における最初の昇圧動作では、第2ポンプ281Bは、ステップ電圧Vstp+電圧Vdwnだけ出力電圧Vоutを昇圧しなくてはならない。しかし、前半ループでは、非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)が小さいため、ポンピング動作の増分も少ない。従って、ピーク電流は増加するものの、その増加量は小さい。
【0146】
第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutが最初の中間設定値まで昇圧されたら、シーケンサ27は、所定の休止期間経過後に、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの次の中間設定値をステップ電圧Vstpだけプラスした値に設定する。また、シーケンサ27は、第2ポンプ281Bのステートを、次の中間設定値に応じたステートに設定する。以降、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutが電圧VREADに達するまで、シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの中間設定値を、休止期間を挟みながら段階的に引き上げる。
【0147】
一方、後半ループにおける第2ポンプ281Bの動作制御は、最初の中間設定値のレベルが前半ループにおける制御と異なる。図20に示すように、時刻t3において、シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの最初の中間設定値を、電圧VPASS2VREAD(例えば、6V)より低い値(例えば、4.8V)に設定する。電圧VPASS2VREADからの引き下げ量は、非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)を考慮して決定される。また、第2ポンプ281Bのステートを、出力電圧Vоutの設定値に応じたステートに設定する。例えば、出力電圧Vоutの設定値が4.8Vであり、第2ポンプ281Bの電流効率の特性が図16に示す特性である場合、シーケンサ27は第2ポンプ281Bのステートを第1ステートに設定する。第2ポンプ281Bは、シーケンサ27の制御に従って、出力電圧Vоutを最初の中間設定値(例えば、4.8V)まで昇圧する。出力電圧Vоutが最初の中間設定値まで昇圧された後の動作制御は、図19に示した前半ループにおける動作制御と同様である。
【0148】
図18に示す比較例における制御では、出力電圧Vоutの最初の中間設定値を、電圧VPASS2VREAD+ステップ電圧Vstp(例えば、6.4V)とするのに対し、図20に示す本実施形態における制御では、電圧VPASS2VREAD(例えば、6V)より低い値(例えば、4.8V)に設定している。すなわち、本実施形態では、ループ後半における第2ポンプ281Bの昇圧動作制御において、出力電圧Vоutの最初の中間設定値を、非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)を考慮した昇圧前の非選択ワード線WL_uselの電位に近い値に設定している。また、このように最初の中間設定値を制御することにより、第2ポンプ281Bのステートを、非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)を考慮した昇圧前の非選択ワード線WL_uselの電位近傍において、最も効率よく電流を供給できるステートに設定することができる。従って、出力電圧Vоutが最初の中間設定値まで昇圧される期間において、連続して実行されるポンピング動作回数を削減することができる。故に、電流の消費が短時間に集中することを抑制できるので、ピーク電流を削減することができる。
【0149】
また、最初の中間設定値を低く設定することで、出力電圧Vоutが目標値(電圧VREAD)に達するまでに要する昇圧時間が長くなってしまう。しかし、実施形態では、標準シーケンスを前半ループと後半ループとに分割して、非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)が小さい前半ループでは、中間設定値を通常通りの値(電圧VPASS2VREAD+ステップ電圧Vstp)とすることで、標準シーケンス全体の実行時間が長時間化することを抑制できる。
【0150】
なお、前半ループと後半ループとの境目は、任意に設定することができる。例えば、書き込み対象となっているページにおいて、上から2つ目のレベル(Fレベル)のセルが
全てベリファイをパスした時点や、当該レベルのベリファイが所定回数終了した時点を境目とすることができる。例えば、図9に示す標準書き込みシーケンスの場合、12回目~17回目のループの間のいずれかのループに境目を設定し、境目以前の前半ループは図19に示すような制御を行い、境目より後の後半ループは、図20に示すような制御を行う。
【0151】
また、例えば、書き込み動作の対象となっているページにおいて、上から3つ目のレベル(Eレベル)のセルが全てベリファイをパスした時点や、当該レベルのベリファイが所定回数終了した時点を境目とすることもできる。これらに限られず、書き込み動作の進行度合いに基づいて、前半ループと後半ループの境目は、好適に設定できる。
【0152】
更に、上述では、標準シーケンスを2分割し、前半ループと後半ループとの最初の中間設定値の設定を変更しているが、標準シーケンスを3分割以上し、分割範囲ごとに非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)を考慮ながら最初の中間設定値を調整するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態にかかる半導体記憶装置について説明する。実施形態の半導体記憶装置は、非選択ワード線WL_uselに供給する電圧の制御方法が、上述した第1実施形態の半導体記憶装置と異なる。装置構成やその他の動作については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0153】
図21は、第2実施形態における書き込みシーケンスの後半ループにおけるポンプの昇圧動作制御を説明する図である。書き込みシーケンスの前半ループにおけるポンプの昇圧動作制御は、図19を用いて説明した第1実施形態と同様である。
【0154】
図21に示すように、後半ループにおいては、シーケンサ27は、VPASS2VREAD期間における非選択ワード線WL_uselの放電後の電圧VPASS2VREADを、前半ループにおける電圧値よりも低い値に制御する。例えば、前半ループにおける電圧VPASS2VREADが6.0Vである場合、シーケンサ27は、後半ループにおける電圧VPASS2VREADを4.8Vに変更する。なお、後半ループにおける電圧VPASS2VREADの値は、inhibitチャネル電位の低下に伴う非選択ワード線WL_uselの電圧低下量を考慮して決定される。
【0155】
図21に示すように、シーケンサ27は、第2ポンプ281Bの出力電圧Vоutの最初の中間設定値を、電圧VPASS2VREAD(例えば、4.4V)から、ステップ電圧Vstp(例えば、0.4V)分だけプラスした値(例えば、4.8V)に設定する。また、第2ポンプ281Bのステートを、出力電圧Vоutの設定値に応じたステートに設定する。例えば、出力電圧Vоutの設定値が4.4Vであり、第2ポンプ281Bの電流効率の特性が図16に示す特性である場合、シーケンサ27は第2ポンプ281Bのステートを第1ステートに設定する。第2ポンプ281Bは、シーケンサ27の制御に従って、出力電圧Vоutを最初の中間設定値(例えば、4.8V)まで昇圧させる。出力電圧Vоutが最初の中間設定値まで昇圧された後の動作制御は、図19に示した前半ループにおける動作制御と同様である。
【0156】
このように、本実施形態では、ループ後半における電圧VPASS2VREADの値を、前半ループにおける値よりも低く設定しているので、inhibitチャネル電位の低下に伴う非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)が小さくなる。USTRDIS期間における最初の昇圧動作では、第2ポンプ281Bは、ステップ電圧Vstp+電圧Vdwnだけ出力電圧Vоutを昇圧する必要がある。しかし、図18に示す比較例に比べて電圧Vdwnが小さいため、最初の中間設定値までの昇圧動作におけるポンピング動作の回数を削減することができる。故に、電流の消費が短時間に集中することを抑制できるので、ピーク電流を削減することができる。また、電圧VPASS2VREADの値を低く設定することで、VPASS2VREAD期間におけるinhibitチャネル電位(Vinh)も低下するため、非選択ゲート線SGD_uselをオンにしたときの、非選択ワード線WL_uselの電圧低下の影響も小さくなる。
【0157】
なお、後半ループにおいて、電圧VPASS2VREADの値を前半ループよりも低く設定することで、出力電圧Vоutが目標値(電圧VREAD)に達するまでに要する昇圧時間が長くなってしまう。また、VPASS2VREAD期間における電流削減効果も低減する。しかし、実施形態では、標準シーケンスを前半ループと後半ループとに分割して、非選択ワード線WL_uselの電圧低下量(電圧Vdwn)が小さい前半ループでは、電圧VPASS2VREADの値を変更せずに高い値に設定しているので、電流削減効果の低減を防ぎつつ、標準シーケンス全体の実行時間が長時間化することを抑制できる。
【0158】
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、書き込み動作の進行度合いに基づいて、前半ループと後半ループの境目は好適に設定できる。また、標準シーケンスを3分割以上し、分割範囲ごとに電圧VPASS2VREADの値を個別にするようにしてもよい。
【0159】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、一例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0160】
1…メモリコントローラ、2…不揮発性メモリ、12…プロセッサ、13…ホストインターフェイス、14…ECC回路、15…メモリインターフェイス、16…内部バス、21…ロジック制御回路、22…入出力回路、23…メモリセルアレイ、24…センスアンプ、24A…データレジスタ、24B…センスアンプユニット群、25…ロウデコーダ、25A…スイッチ回路群、25B…ブロックデコーダ、26…レジスタ、27…シーケンサ、28…電圧供給回路、28A…SGドライバ、28B…CGドライバ、32…入出力用パッド群、33…パッド、34…ロジック制御用パッド群、35…電源入力用端子群、281…電圧生成回路、281A…第1ポンプ、281B…第2ポンプ、281C…第3ポンプ、282…レギュレータ回路、
図1
図2
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