IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電圧生成回路及び半導体装置 図1
  • 特開-電圧生成回路及び半導体装置 図2
  • 特開-電圧生成回路及び半導体装置 図3
  • 特開-電圧生成回路及び半導体装置 図4
  • 特開-電圧生成回路及び半導体装置 図5
  • 特開-電圧生成回路及び半導体装置 図6
  • 特開-電圧生成回路及び半導体装置 図7
  • 特開-電圧生成回路及び半導体装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144310
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】電圧生成回路及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G05F 3/08 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
G05F3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045250
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大岩 広司
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420BB12
5H420CC02
5H420DD02
5H420EA12
5H420EA42
5H420EB26
5H420EB37
5H420NA11
5H420NB02
5H420NB22
5H420NE12
(57)【要約】
【課題】 素子の耐圧以内のバイアス電圧を発生することができる。
【解決手段】 実施形態の電圧生成回路は、印加された電圧を分圧する分圧回路と、所定の端子を介して供給された電源電圧を分圧した電圧を発生するバイアス回路と、前記分圧回路への前記電源ラインからの電圧供給を阻止すると共に、前記電源ラインを前記第1出力端子に接続しグランドを前記第2出力端子に接続する第1処理と、前記電源ライン及び前記グランドを前記分圧回路に接続する第2処理と、前記バイアス回路から前記電源ラインに電流が流れることを阻止すると共に、バイアス回路が発生した電圧を前記出力端子に供給すると共に、前記バイアス回路が発生した電圧を前記分圧回路に供給して、前記分圧回路により電圧を得る第3処理とを行う電源切換え制御回路と、を具備する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印加された電圧を分圧し第1の電圧値の第1バイアス電圧及び第2の電圧値の第2バイアス電圧を発生して前記第1バイアス電圧を第1出力端子に出力し、前記第2バイアス電圧を第2出力端子に出力する分圧回路と、
所定の端子を介して供給された電源電圧を分圧した電圧を発生するバイアス回路と、
電源ラインに素子耐圧に対応する電源電圧が供給される場合に、前記分圧回路への前記電源ラインからの電圧供給を停止させると共に、前記電源ラインを前記第1出力端子に接続し基準電位点を前記第2出力端子に接続する第1処理を行い、前記電源ラインに素子耐圧を超える可能性がある電源電圧が供給される場合に、前記電源ライン及び前記基準電位点を前記分圧回路に接続する第2処理を行い、前記電源ラインに前記電源電圧が供給されず前記所定の端子を介して前記電源電圧が供給される場合に、前記バイアス回路から前記電源ラインに電流が流れることを阻止すると共に、前記バイアス回路が発生した電圧を前記第1バイアス電圧として前記出力端子に供給すると共に、前記バイアス回路が発生した電圧を前記分圧回路に供給して、前記分圧回路により前記第2バイアス電圧を得る第3処理を行う電源切換え制御回路と、
を具備する電圧生成回路。
【請求項2】
電源ラインと第1ノードとの間の第1経路と、
前記第1経路上に配置される第1抵抗回路と、
前記電源ラインと前記第1ノードとの間の第2経路と、
第1出力端子に接続される前記第1ノードと第2出力端子に接続される第2ノードとの間の第3経路と、
前記第3経路上に接続される第2抵抗回路と、
前記第2ノードとグランドとの間の第4経路と、
前記第4経路上に接続される第3抵抗回路と、
前記第2ノードと前記グランドとの間の第5経路と、
前記第1ノードと前記第2抵抗回路との間の第6経路と、
所定の端子を介して供給された前記電源電圧を分圧した電圧を発生して前記第1ノードに供給するバイアス回路と、
前記電源ラインに素子耐圧に対応する電源電圧が供給される場合に、前記第2及び第5経路を導通させ、前記第3経路を非導通にする第1処理と、前記電源ラインに素子耐圧を超える可能性がある電源電圧が供給される場合に、前記第1,第3及び第4経路を導通させ、前記第2及び第5経路を非導通にする第2処理と、前記電源ラインに前記電源電圧が供給されず前記所定の端子を介して前記電源電圧が供給される場合に、前記バイアス回路が発生する電圧を前記ノードに供給すると共に、前記第2及び第5経路を非導通にし、前記第4経路を導通させ前記第6経路を導通させて前記第1ノードと前記第2抵抗回路とを接続する第3処理とを行う電源切換え制御回路と、
を具備する電圧生成回路。
【請求項3】
電源ラインと第1ノードとの間の第1経路上に直列に接続される第1抵抗回路及び第1スイッチと、
前記電源ラインと前記第1ノードとの間の第2経路上に直列に接続される第2及び第3スイッチと、
第1出力端子に接続される前記第1ノードと第2出力端子に接続される第2ノードとの間の第3経路上に直列に接続される第4スイッチ及び第2抵抗回路と、
前記第2ノードとグランドとの間の第4経路上に直列に接続される第3抵抗回路及び第5スイッチと、
前記第2ノードと前記グランドとの間の第5経路上に接続される第6スイッチと、
前記第1ノードと前記第2抵抗回路との間の第6経路上に設けられる第7スイッチと、
第1の端子を介して供給された前記電源電圧を分圧した電圧を発生して前記第1ノードに供給するバイアス回路と、
前記電源ラインに素子耐圧に対応する電源電圧が供給される場合に、前記第1~第3、第5及び第6スイッチをオンにし、前記第4スイッチをオフにする第1処理と、前記電源ラインに素子耐圧を超える可能性がある電源電圧が供給される場合に、前記第1,第4及び第5スイッチをオンにし、前記第2及び第6スイッチをオフにする第2処理と、前記電源ラインに前記電源電圧が供給されず前記所定の端子を介して前記電源電圧が供給される場合に、前記バイアス回路が発生する電圧を前記ノードに供給すると共に、前記第1、第3及び第6スイッチをオフにし、前記第5及び第7スイッチをオンにする第3処理とを行う電源切換え制御回路と、
を具備する電圧生成回路。
【請求項4】
前記電源切換え制御回路は、素子の耐圧を超える可能性がある電源電圧が前記電源ラインに入力されているか否か、素子の耐圧と同等の電源電圧が前記電源ラインに入力されているか否か、電源電圧が前記所定の端子から入力されているか否かの判定結果に従って、前記第1から第3の処理を実行する
請求項1から3のいずれか1つに記載の電圧生成回路。
【請求項5】
前記電源切換え制御回路は、
素子の耐圧を超える可能性がある電源電圧が前記電源ラインに入力されたか、素子の耐圧と同等の電源電圧が前記電源ラインに入力されたか、前記電源ライン以外の前記所定の端子に電源電圧が入力されたかの判定結果を示す第1判定信号に基づいて前記第2及び第4スイッチをオン,オフ制御し、
前記電源ラインに電源電圧が供給されたか否かの判定結果を示す第2判定信号によって前記第3スイッチをオン,オフ制御し、
素子の耐圧と同等の電源電圧が入力されたか、素子の耐圧を超える可能性がある電源電圧が入力されたかの判定結果を示す第3判定信号に基づいて前記第6スイッチをオン,オフ制御する
請求項3に記載の電圧生成回路。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の電圧生成回路と、
ホストとの間でデータを通信する処理回路を有し、前記電圧生成回路から前記処理回路内の素子に電源電圧が供給されるインタフェース回路と、
を具備する半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電圧生成回路及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NAND型不揮発性メモリ等の半導体記憶装置においては、3次元構造化により、微細化、大容量化が図られている。このような半導体記憶装置においては、低消費電力化等の要求により多電源を採用することがあり、ホストからメモリコントローラに供給される電源電圧と素子の耐圧とが対応していない場合がある。
【0003】
このようなデバイス間のインタフェース回路においては、素子の耐圧を考慮したバイアス電圧を発生する電圧生成回路を採用することで、素子に過剰な負荷をかけないトレラント機能を有するものがある。
【0004】
しかしながら、外部からインタフェース回路に供給される電源電圧と素子の耐圧との関係やインタフェース回路の電源状態等の制約条件によっては、素子を過剰な負荷から保護することができない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6104784号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/200616号明細書
【特許文献3】米国特許第10168723号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実施形態は、素子の耐圧以内のバイアス電圧を発生することができる電圧生成回路及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の電圧生成回路は、印加された電圧から抵抗分圧によってハイレベルの第1バイアス電圧及びローレベルの第2バイアス電圧を発生して第1バイアス電圧を第1出力端子に出力し、第2バイアス電圧を第2出力端子に出力する抵抗分圧回路と、所定の端子を介して供給された電源電圧を抵抗分圧した電圧を発生するバイアス回路と、電源ラインに素子耐圧に対応する電源電圧が供給される場合に、前記抵抗分圧回路への前記電源ラインからの電圧供給を阻止すると共に、前記電源ラインを前記第1出力端子に接続しグランドを前記第2出力端子に接続する第1処理を行い、前記電源ラインに素子耐圧を超える可能性がある電源電圧が供給される場合に、前記電源ライン及び前記グランドを前記抵抗分圧回路に接続する第2処理を行い、前記電源ラインに前記電源電圧が供給されず前記所定の端子を介して前記電源電圧が供給される場合に、前記バイアス回路から前記電源ラインに電流が流れることを阻止すると共に、バイアス回路が発生した電圧を前記第1バイアス電圧として前記出力端子に供給すると共に、前記バイアス回路が発生した電圧を前記抵抗分圧回路に供給して、前記抵抗分圧回路により前記第2バイアス電圧を得る第3処理を行う電源切換え制御回路と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る電圧生成回路を含むメモリシステムを示すブロック図。
図2図1中のメモリコントローラの具体的な構成の一例を示すブロック図。
図3】第1制約条件に対してトレラント機能を有する電圧発生回路の比較例を示す回路図。
図4】第2制約条件に対してトレラント機能を有する電圧発生回路の比較例を示す回路図。
図5図2中の電圧発生回路20の具体的な構成の一例を示す回路図。
図6】実施形態の動作を説明するための説明図。
図7】実施形態の動作を説明するための説明図。
図8】実施形態の動作を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
本実施形態の電圧生成回路は、インタフェース回路に供給される電源電圧の制約に応じて導通又は非導通となる経路を設けることにより、供給された電源電圧に対して素子を確実に保護することを可能にする。なお、本実施形態では、電圧生成回路をメモリシステムにおけるインタフェース回路に適用する例を説明するが、他のインタフェース回路に適用してもよく、インタフェース回路以外の回路に適用してもよい。
【0011】
(メモリシステムの構成)
図1は本実施形態に係る電圧生成回路を含むメモリシステムを示すブロック図である。また、図2図1中のメモリコントローラの具体的な構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態のメモリシステム1は、メモリコントローラ3と4つのメモリチップ4A~4D(以下、4つのメモリチップ4A~4Dを区別する必要がない場合には代表してメモリチップ4という)を備える。なお、メモリチップ4の個数は4に限定されるものではなく、1つ以上の任意の個数のメモリチップを採用することができる。
【0013】
メモリシステム1は、ホスト2と接続可能である。ホスト2は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末、車載装置、サーバなどの電子機器である。ホスト2はプロセッサとしての中央処理装置(CPU)2aと、ROM(図示せず)、DRAM2bを有する。メモリシステム1は、ホスト2からのリクエストに応じて、ホスト2からのユーザデータ(以下、単にデータという)を各メモリチップ4に記憶したり、各メモリチップ4に記憶されたデータを読み出してホスト2へ出力したりする。具体的には、メモリシステム1は、ホスト2からの書き込みリクエストに応じて各メモリチップ4へデータを書き込み、ホスト2からの読み出しリクエストに応じてデータを各メモリチップ4から読み出すことができる。
【0014】
メモリシステム1は、メモリコントローラ3と複数のメモリチップ4とが1つのパッケージとして構成されるUFS(Universal Flash Storage)デバイス等であってもよいし、SSD(Solid State Drive)等であってもよい。図1では、メモリシステム1は、ホスト2と接続された状態として示してある。
【0015】
メモリチップ4は、データを不揮発に記憶するNAND型フラッシュメモリ等により構成された半導体記憶装置である。図1に示すように、メモリコントローラ3と各メモリチップ4とはNANDバスを介して接続される。メモリコントローラ3は、ホスト2からの書き込みリクエストに従ってメモリチップ4へのデータの書き込みを制御する。また、メモリコントローラ3は、ホスト2からの読み出しリクエストに従ってメモリチップ4からのデータの読み出しを制御する。メモリコントローラ3は、ホスト2からのリクエストでなく自発的に、メモリチップ4に対するデータの書き込み及び読み出しを制御することがある。
【0016】
図2において、メモリコントローラ3は、CPU11、ROM12、RAM(Random Access Memory)13、ECC(Error Check and Correct)回路14、ホストインタフェース(I/F)回路15、及びメモリI/F回路16を備える。CPU11、ROM12、RAM13、ECC回路14、ホストI/F回路15及びメモリI/F回路16は、互いに内部バス17により接続される。
【0017】
ホストI/F回路15は、送受信処理を行う送受信処理回路19と、本実施形態に係る電圧発生回路20とを有している。送受信処理回路19は、ホスト2からのデータを受信し、受信したデータに含まれるリクエストや書き込みデータなどを内部バス17に出力する。また、ホストI/F回路15の送受信処理回路19は、メモリチップ4から読み出されたユーザデータや、CPU11からの応答などをホスト2へ送信する。なお、ホスト2においても、ホストI/F回路15の送受信処理回路19に対応する図示しない送受信処理回路を備えたI/F回路を有している。
【0018】
電圧発生回路20は、ホスト2から電源電圧が供給され、ホストI/F回路15の送受信処理回路19内で用いるバイアス電圧を発生する。なお、ホストI/F回路15は第1の端子である端子15aを有している。ホスト2からの電源電圧は、ホストI/F回路15の電源がオフの場合であっても、端子15aを介してホストI/F回路15内に入力される場合がある。本実施形態においては、電圧発生回路20は、後述するように、ホストI/F回路15を構成する各素子の耐圧を超えないバイアス電圧を発生してホストI/F回路15内の各部に供給するようになっている。
【0019】
ホスト2とホストI/F回路15との間は、所定のインタフェースを介して接続される。例えば、このインタフェースとしては、eMMC(embedded Multi Media Card)のパラレルインタフェース、PCIe(Peripheral Component Interconnect-Express)のシリアル拡張インタフェース、M-PHYの高速シリアルインタフェース等の各種インタフェースが採用される。
【0020】
メモリI/F回路16は、CPU11の指示に基づいてユーザデータ等を各メモリチップ4へ書き込む処理及び各メモリチップ4から読み出す処理を制御する。
【0021】
CPU11は、メモリコントローラ3を統括的に制御する。CPU11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等である。CPU11は、ホストからホストI/F回路15経由でリクエストを受けた場合に、そのリクエストに従った制御を行う。例えば、CPU11は、ホストからのリクエストに従って、各メモリチップ4へのユーザデータの書き込みをメモリI/F回路16へ指示する。また、CPU11は、ホストからのリクエストに従って、各メモリチップ4からのユーザデータの読み出しを、メモリI/F回路16へ指示する。
【0022】
CPU11は、RAM13に格納されるユーザデータに対して、各メモリチップ4上の格納領域(以下、メモリ領域という)を決定する。ユーザデータは、内部バス17経由でRAM13に格納される。CPU11は、メモリ領域の決定を、例えば、書き込み単位であるページ単位のデータ、すなわちページデータ、に対して実施する。
【0023】
CPU11は、書き込み先の各メモリチップ4上のメモリ領域を決定する。メモリチップ4のメモリ領域には物理アドレスが割当てられている。CPU11は、データの書き込み先のメモリ領域を、物理アドレスを用いて管理する。CPU11は、決定したメモリ領域の物理アドレスを指定してユーザデータをメモリチップ4へ書き込むようメモリI/F回路16へ指示する。CPU11は、ユーザデータの論理アドレス(ホストが管理する論理アドレス)と、そのユーザデータが書き込まれた物理アドレスとの対応を管理する。CPU11は、論理アドレスを含む読み出しリクエストをホストから受信した場合は、論理アドレスに対応する物理アドレスを特定し、物理アドレスを指定してユーザデータの読み出しをメモリI/F回路16へ指示する。
【0024】
ECC回路14は、RAM13に格納されたユーザデータを符号化して符号語を生成する。また、ECC回路14は、各メモリチップ4から読み出された符号語を復号する。
RAM13は、ホストから受信したユーザデータを各メモリチップ4へ記憶するまでに一時格納したり、各メモリチップ4から読み出したデータをホストへ送信したりするまでに一時格納する。RAM13は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの汎用メモリである。
【0025】
図2では、メモリコントローラ3が、ECC回路14とメモリI/F回路16をそれぞれ備える構成例を示した。しかし、ECC回路14がメモリI/F回路16に内蔵されていてもよい。また、ECC回路14が、各メモリチップ4に内蔵されていてもよい。
【0026】
ホスト2から書き込みリクエストを受信した場合、メモリコントローラ3は次のように動作する。CPU11は、書き込みデータをRAM13に一時記憶させる。CPU11は、RAM13に格納されたデータを読み出し、ECC回路14に入力する。ECC回路14は、入力されたデータを符号化し、符号語をメモリI/F回路16に提供する。メモリI/F回路16は、入力された符号語を各メモリチップ4に書き込む。
【0027】
ホスト2から読み出しリクエストを受信した場合、メモリコントローラ3は次のように動作する。メモリI/F回路16は、各メモリチップ4から読み出した符号語をECC回路14に提供する。ECC回路14は、入力された符号語を復号し、復号されたデータをRAM13に格納する。CPU11は、RAM13に格納されたデータを、ホストI/F回路15を介してホスト2に送信する。
【0028】
(バイアス電圧の制約条件)
本実施形態においては、複数種類の電源電圧のうちのいずれの電圧がホスト2からホストI/F回路15に供給されるか固定されておらず、ホストI/F回路15内の各素子がいずれの電源電圧に対応した素子であるか固定されていない第1制約条件を想定する。また、本実施形態においては、ホストI/F回路15の電源がオフである場合でも、ホストI/F回路15の端子15aにホスト2から電源電圧が印加される場合がある第2制約条件を想定する。本実施形態においては、これらの第1及び第2制約条件下においても、素子を確実に保護することを可能にする。
【0029】
例えば、電源電圧として電圧VioHと電圧VioL(VioH>VioL)の2種類の電圧(以下、これらの電圧を区別しない場合には、電圧Vioという)のいずれかがホスト2からホストI/F回路15に供給される場合を想定する。一方、ホストI/F回路15内の素子としては、電圧VioHを耐圧とする素子(以下、VioH耐圧素子という)と、電圧VioLを耐圧とする素子(以下、VioL耐圧素子という)とがあるものとする。第1制約条件下では、例えば、ホストI/F回路15がVioL耐圧素子により構成されている場合でも、電源電圧として電圧VioHが供給されることがある。また、第2制約条件下では、ホストI/F回路15の電源がオフの場合に、ホストI/F回路15の端子15aに電圧が印加されることがある。例えば、第1制約条件が存在する場合、ホストI/F回路15内の素子がVioL耐圧素子により構成され、端子15aに電圧VioHが印加されることも考えられる。
【0030】
電圧発生回路20は、バイアス電圧Vbiasとして、ハイレベルのバイアス電圧VbiasHとローレベルのバイアス電圧VbiasLを発生する。電圧発生回路20は、第1制約条件に対して、以下の2つの処理を行ってバイアス電圧Vbiasを発生することにより、トレラント機能を達成する。
【0031】
(1)電圧VioLが入力される場合(電源電圧として素子耐圧と同等の電圧が供給される場合)、バイアス電圧VbiasHとして電圧VioLを発生し、バイアス電圧VbiasLとして基準電位であるグランドレベルを発生する。
【0032】
(2)電圧VioHが入力される場合(電源電圧として素子耐圧を超える電圧が供給される可能性がある場合)、電圧VioHとグランドレベルとの間の電圧を抵抗分割して、素子の耐圧を超えないバイアス電圧VbiasH,VbiasLを発生する。
【0033】
また、電圧発生回路20は、第2制約条件に対して、以下の処理を行うことで、トレラント機能を達成する。
【0034】
(3)端子15aに電圧Vioが入力される場合(本来の電源電圧遮断時)、ホストI/F回路15内の各素子に耐圧を超える電圧が印加されることを阻止する。
【0035】
図3は上記第1制約条件に対してトレラント機能を有する電圧発生回路の比較例を示す回路図である。
【0036】
第1の電源電圧である電圧Vioが供給される電源ライン(以下、単に電源ラインという)と第2の電源電圧であるグランドとの間には、抵抗回路R1、NMOSトランジスタMN1の電流経路、抵抗回路R2及び抵抗回路R3が直列接続される。抵抗回路R1は電圧Vioが供給される電源ラインとトランジスタMN1のドレインとの間に直列接続された複数の抵抗により構成される。抵抗回路R2はトランジスタMN1のソースと抵抗回路R3との間に直列接続された複数の抵抗により構成される。また、抵抗回路R3は抵抗回路R2とグランドとの間に直列接続された複数の抵抗により構成される。トランジスタMN1は、ソースが抵抗回路R2の一端に接続され、バックゲートがグランドに接続され、ゲートには電源切替反転信号/SSが供給される。
【0037】
PMOSトランジスタMP0は、ソース及びバックゲートが電源ラインに接続され、ソースが抵抗回路R1とトランジスタMN1のドレインとの接続点に接続され、ゲートには電源切替反転信号/SSが供給される。抵抗回路R1とトランジスタMN1のドレインとの接続点は、出力端子OHに接続される。出力端子OHに現れる電圧がバイアス電圧VbiasHとして用いられる。
【0038】
NMOSトランジスタMN0は、ソース及びバックゲートがグランドに接続され、ドレインが抵抗回路R2と抵抗回路R3との接続点に接続され、ゲートには電源切替信号SSが供給される。抵抗回路R2と抵抗回路R3の接続点は、出力端子OLに接続される。出力端子OLに現れる電圧がバイアス電圧VbiasLとして用いられる。
【0039】
電源切替信号SSは、電圧Vioとして電圧VioHが電源ラインに供給される場合には、ローレベル(以下、Lレベルという)であり、電圧Vioとして電圧VioLが電源ラインに供給される場合には、ハイレベル(以下、Hレベルという)である。電源切替反転信号/SSは、電源切替信号SSの反転信号である。
【0040】
このように構成された電圧発生回路の比較例においては、トランジスタMP0,MN0は、同時にオンとなり、同時にオフとなる。いま、電圧VioLが電源ラインに供給されるものとする(上記(1)の場合)。この場合には、電源切替反転信号/SSはLレベルで、電源切替信号SSはHレベルである。従って、トランジスタMP0,MN0はいずれもオンである。また、トランジスタMN1はオフである。従って、電源ラインの電圧VioLは、トランジスタMP0の電流経路を経由して出力端子OHに伝達される。こうして、電圧VioLがバイアス電圧VbiasHとして用いられる。
【0041】
また、トランジスタMN0がオンであることから、出力端子OLはトランジスタMN0を経由してグランドに接続されることになり、出力端子OLには、グランドレベルのバイアス電圧VbiasLが現れる。こうして、上記(1)の処理が行われる。
【0042】
次に、電圧VioHが電源ラインに供給されるものとする(上記(2)の場合)。この場合には、電源切替反転信号/SSはHレベルで、電源切替信号SSはLレベルである。従って、トランジスタMP0,MN0はいずれもオフである。また、トランジスタMN1はオンである。
【0043】
従って、電源ラインとグランドとは抵抗回路R1、トランジスタMN1の電流経路、抵抗回路R2及び抵抗回路R3を介して接続されることになる。これにより、電圧VioLは、抵抗回路R1の各抵抗、抵抗回路R2及び抵抗回路R3の各抵抗により分圧される。出力端子OHには、抵抗回路R1の抵抗値と、抵抗回路R2,R3の合成抵抗の抵抗値との比に応じた電圧が現れる。この電圧がバイアス電圧VbiasHとして用いられる。また、出力端子OLには、抵抗回路R1,R2の合成抵抗の抵抗値と、抵抗回路R3の抵抗値との比に応じた電圧が現れる。この電圧がバイアス電圧VbiasLとして用いられる。抵抗回路R1~R3の各抵抗値を適宜設定することにより、上記(2)の処理が行われる。
【0044】
このように、図3に示す比較例の電圧発生回路によって、上記第1制約条件においてトレラント機能を達成することができる。
【0045】
図4は上記第2制約条件に対してトレラント機能を有する電圧発生回路の比較例を示す回路図である。
【0046】
電圧Vioが供給される電源ラインと基準電位点となるグランドとの間には、抵抗回路R4、NMOSトランジスタMN2の電流経路、抵抗回路R5及びNMOSトランジスタMN3の電流経路が直列接続される。抵抗回路R4は電源ラインとトランジスタMN2のドレインとの間に直列接続された複数の抵抗により構成される。また、抵抗回路R5はトランジスタMN2のソースとトランジスタMN3のドレインとの間に直列接続された複数の抵抗により構成される。
【0047】
トランジスタMN2は、ゲート及びバックゲートが電源ラインに接続される。また、トランジスタMN3は、バックゲートがグランドに接続され、ゲートはトランジスタMN2のソースと抵抗回路R5との接続点に接続される。トランジスタMN2のソースと抵抗回路R5の接続点は、出力端子OHに接続される。出力端子OHに現れる電圧がバイアス電圧VbiasHとして用いられる。また、抵抗回路R5を構成する複数の抵抗のうちの所定の抵抗同士の接続点が出力端子OLに接続される。出力端子OLに現れる電圧がバイアス電圧VbiasLとして用いられる。
【0048】
また、電源ラインに電圧Vioが入力されない場合であっても、端子Pに電圧Vioが供給されるときがある。端子Pに供給された電圧Vioは、端子Pに供給された電圧からバイアス電圧を生成するバイアス回路VPに供給される。バイアス回路VPは、例えば抵抗分圧回路によって構成することができる。バイアス回路VPは、電圧Vioを抵抗分圧して電圧を発生し、トランジスタMN2のソースと抵抗回路R5との接続点に供給する。
【0049】
このように構成された電圧発生回路の比較例においては、電源ラインに電圧Vioが供給される場合には、トランジスタMN2がオンであり、トランジスタMN3もオンである。従って、電源ラインとグランドとの間は、抵抗回路R4、トランジスタMN2の電流経路、抵抗回路R5及びトランジスタMN3の電流経路を介して接続されることになる。これにより、電圧Vioは、抵抗回路R4の各抵抗及び抵抗回路R5の各抵抗により分圧される。出力端子OHには、抵抗回路R4の抵抗値と、抵抗回路R5の抵抗値との比に応じた電圧が現れる。この電圧がバイアス電圧VbiasHとして用いられる。また、抵抗回路R5による抵抗分圧により出力端子OHの電圧は分圧され、分圧された電圧が出力端子OLに現れる。この電圧がバイアス電圧VbiasLとして用いられる。
【0050】
一方、電源ラインに電圧Vioが供給されず、端子Pに電圧Vioが供給される場合には、トランジスタMN2はオフである。端子Pから入力された電圧は、バイアス回路VPによって抵抗分圧されて出力端子OHに供給される。この電圧がバイアス電圧VbiasHとして用いられる。また、トランジスタMN3はオンであり、出力端子OHの電圧は抵抗回路R5によって分圧されて出力端子OLに現れる。この電圧がバイアス電圧VbiasLとして用いられる。抵抗回路R4,R5の抵抗値を適宜設定すると共に、バイアス回路VPの分圧抵抗を適宜設定することにより、上記(3)の処理が行われる。
【0051】
このように、図4に示す比較例の電圧発生回路によって、上記第2制約条件においてトレラント機能を達成することができる。
【0052】
ところで、第1制約条件と第2制約条件の両方の条件下においてトレラント機能を実現するために、上記図3及び図4の回路を組み合わせて電圧生成回路を構成することが考えられる。しかしながら、図3及び図4の回路を組み合わせた場合、端子Pに供給された電圧に基づくバイアス電圧Vbiasによって電源ラインに電流が流れる逆流パスが生じると共に、分圧抵抗の経路切断が発生する
そこで、本実施形態においては、分圧抵抗の経路切断を解消するためのパスと、端子15aに供給された電圧によって電源ラインに電流が流れることを阻止するための経路を設けることで、第1及び第2制約条件下において確実なトレラント機能を実現するようになっている。
【0053】
(電圧発生回路)
図5図2中の電圧発生回路20の具体的な構成の一例を示す回路図である。なお、図5において図3及び図4と同一の構成要素には同一符号を付してある。
【0054】
電圧Vioを供給する電源ラインとグランド(GND)との間には、抵抗分圧を行うための、抵抗回路R1、NMOSトランジスタMN2の電流経路、NMOSトランジスタMN1の電流経路、抵抗回路R2、抵抗回路R3及びNMOSトランジスタMN3の電流経路が直列接続される。電源ラインとグラントとの間の経路上におけるノードN1は出力端子OHに接続され、電源ラインとグラントとの間の経路上におけるノードN3は出力端子OLに接続される。
【0055】
本実施形態においては、電源ラインとノードN1との間の第1経路上には、直列に抵抗回路R1及びトランジスタMN2の電流経路が接続される。更に、電源ラインとノードN1との間には第1経路と並列に第2経路が設けられ、この第2経路上には、直列にPMOSトランジスタMP0の電流経路とPMOSトランジスタMPYの電流経路が接続される。なお、図5の丸数字1から6は、第1~第6経路を示している。
【0056】
抵抗回路R1は、電源ラインとトランジスタMN2のドレインとの間に直列接続された複数の抵抗により構成される。トランジスタMN2は、ドレインが抵抗回路R1に接続され、ソースがノードN1に接続され、バックゲートがグランドに接続される。
【0057】
ノードN1とノードN3との間の第3経路上には、直列にトランジスタMN1の電流経路と抵抗回路R2とが接続される。ノードN3とグランドとの間の第4経路上には、直列に抵抗回路R3とトランジスタMN3の電流経路が接続される。
【0058】
抵抗回路R2は、トランジスタMN1のソースとノードN3との間に直列接続された複数の抵抗により構成される。なお、トランジスタMN1のソースと抵抗回路R2との接続点をノードN2という。抵抗回路R3は、ノードN3とトランジスタMN3のドレインとの間に直列接続された複数の抵抗により構成される。
【0059】
トランジスタMN1は、ドレインがノードN1に接続され、ソースがノードN2に接続され、バックゲートがグランドに接続され、ゲートには、後述する電源切換え制御回路SCから耐圧超判定信号S0が供給される。トランジスタMN3は、ドレインが抵抗回路R3に接続され、ソース及びバックゲートがグラントに接続され、ゲートはノードN1に接続される。
【0060】
ノードN3とグランドとの間には第5経路が設けられて、第5経路上には、直列にNMOSトランジスタMN4の電流経路及びNMOSトランジスタMN0の電流経路が接続される。
【0061】
本実施形態においては、ノードN1とノードN2との間には第6経路が設けられて、第6経路上にPMOSトランジスタMPXの電流経路が接続されるようになっている。また、バイアス回路VPによって発生する電圧は、ノードN1に供給されるようになっている。
【0062】
電源切換え制御回路SCは、電源ラインに供給される電圧Vioに応じた耐圧超判定信号S0、電源供給判定信号S1及び耐圧内判定信号S2を発生する。なお、電源切換え制御回路SCは、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたプロセッサによって構成されていてもよく、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。例えば、電源切換え制御回路SCは、電圧Vioが印加される電源ラインを監視することによって電源ラインの電圧状態を判定し、判定結果に応じて耐圧超判定信号S0、電源供給判定信号S1及び耐圧内判定信号S2を発生してもよい。
【0063】
耐圧超判定信号S0は、素子の耐圧を超える可能性がある電源電圧が入力される場合、即ち、電圧VioHが入力される場合にはHレベルである。また、耐圧超判定信号S0は、素子の耐圧に対応する電源電圧(素子耐圧と同等の電源電圧)、例えば素子耐圧以下の電源電圧が入力される場合、即ち、電圧VioLが入力される場合にはLレベルである。また、耐圧超判定信号S0は、電源ラインに電圧Vioが供給されない場合にもLレベルである。
【0064】
また、電源供給判定信号S1は、電源ラインに電圧Vioが供給される場合にはHレベルであり、電源ラインに電圧Vioが供給されない場合にはLレベルである。
【0065】
また、耐圧内判定信号S2は、素子の耐圧と同等の電源電圧が入力される場合、即ち、電圧VioLが入力される場合にはHレベルであり、素子の耐圧を超える可能性がある電源電圧が入力される場合、即ち、電圧VioHが入力される場合にはLレベルである。なお、耐圧内判定信号S2は、耐圧超判定信号S0の反転信号であってもよい。
【0066】
電源ラインとノードN1との間の第2電流経路上に設けられたトランジスタMP0は、ソース及びバックゲートが電源ラインに接続され、ドレインがトランジスタMPYのソースに接続され、ゲートには耐圧超判定信号S0が与えられる。また、トランジスタMPYは、ドレイン及びバックゲートがノードN1に接続され、ゲートには、トランジスタMP1のドレインとトランジスタMN5のドレインとの接続点の電圧が印加される。
【0067】
ノードN1とグランドとの間には、PMOSトランジスタMP1の電流経路とNMOSトランジスタMN5の電流経路とが直列に接続される。トランジスタMP1は、ソース及びバックゲートがノードN1に接続され、ドレインがトランジスタMN5のドレインに接続され、ゲートには電源供給判定信号S1が与えられる。トランジスタMN5は、ソース及びバックゲートがグランドに接続され、ゲートには電源供給判定信号S1が与えられる。トランジスタMP1,MN5は、ノードN1から電圧が供給されて、電源供給判定信号S1を反転するインバータとして機能する。このインバータの出力は、トランジスタMP1のドレインとトランジスタMN5のドレインとの接続点からトランジスタMPYのゲートに供給される。
【0068】
ノードN3とグランドとの間の第5電流経路上に設けられたトランジスタMN4は、ドレインがノードN3に接続され、ソースがトランジスタMN0のドレインに接続され、バックゲートがグランドに接続され、ゲートには電源供給判定信号S1が与えられる。また、トランジスタMN0は、ソース及びバックゲートがグランドに接続され、ゲートには耐圧内判定信号S2が与えられる。
【0069】
ノードN1とノードN2との間の第6経路上に設けられたトランジスタMPXは、ソース及びバックゲートがノードN1に接続され、ドレインがノードN2に接続され、ゲートには端子I3を介して電源ラインに供給される電圧Vioが印加される。なお、電源ラインに電圧Vioが供給されない場合には、端子I3にも電圧Vioは供給されない。
【0070】
次に、このように構成された実施形態の動作について図6から図8を参照して説明する。図6図8は実施形態の動作を説明するための説明図である。
【0071】
ホストI/F回路15にはホスト2から電源電圧Vioが供給される。ホストI/F回路15内の電圧発生回路20は、この電源電圧Vioを用いてバイアス電圧Vbiasを発生する。電圧発生回路20は、上記第1制約条件及び第2制約条件下においてトレラント機能を達成するために、上記(1)~(3)に示した処理によりバイアス電圧Vbiasを発生する。
【0072】
即ち、電源切換え制御回路SCは、例えば電源ラインの電圧状態を判定して、上記(1)から(3)の処理を実行するための判定信号S0~S3を発生する。耐圧超判定信号S0は、トランジスタMP0,MN1に供給され、電源供給判定信号S1はトランジスタMP1,MN5,MN4に供給され、耐圧内判定信号S2はトランジスタMN0に供給される。
【0073】
(電源電圧として素子耐圧と同等の電圧が供給される場合)
電圧VioLが電源ラインに供給される場合には、上記(1)の処理を行う。図6はこの場合の回路状態を説明するものである。即ち、この場合には、耐圧超判定信号S0はLレベル、電源供給判定信号S1及び耐圧内判定信号S2はHレベルである。耐圧超判定信号S0がLレベルであるので、トランジスタMP0はオンであり、トランジスタMN1はオフである。また、トランジスタMN2,MN3もオンである。電源供給判定信号S1がHレベルであるので、トランジスタMPYのゲートにはLレベルが与えられて、トランジスタMPYもオンとなる。従って、図6の太線に示すように、電源ラインは、トランジスタMP0,MPYの電流経路により構成される第2経路を経由して出力端子OHに接続される。また、トランジスタMP1がオフであるので、出力端子OHからグランドへの配線は非導通である。従って、電源ラインに供給された電圧VioLは、出力端子OHからバイアス電圧VbiasHとして出力される。
【0074】
また、判定信号S1,S2がいずれもHレベルであるので、トランジスタMN0,MN4がオンである。従って、図6の太線に示すように、出力端子OLはトランジスタMN4,MN0の電流経路(第5経路)を経由してグランドに接続される。従って、出力端子OLからはグランドレベルのバイアス電圧VbiasLが出力される。
【0075】
こうして、上記(1)の処理が行われる。
【0076】
(電源電圧として素子耐圧を超える電圧が供給される可能性がある場合)
電圧VioHが電源ラインに供給される場合には、上記(2)の処理を行う。図7はこの場合の回路状態を説明するものである。即ち、この場合には、耐圧超判定信号S0及び電源供給判定信号S1はHレベルであり、耐圧内判定信号S2はLレベルである。耐圧超判定信号S0がHレベルであるので、トランジスタMP0はオフであり、トランジスタMN1はオンである。また、トランジスタMN2,MN3もオンである。従って、図7の太線に示すように、電源ラインは、抵抗回路R1、トランジスタMN2の電流経路、トランジスタMN1の電流経路、抵抗回路R2、抵抗回路R3及びトランジスタMN3の電流経路を介してグランドに接続される。
【0077】
一方、電源供給判定信号S1がHレベルであるのでトランジスタMPYはオンであるが、トランジスタMP0はオフであるので、トランジスタMP0,MPYの電流経路を経由した電源ラインからノードN1までの第2経路は非導通である。また、トランジスタMN5はオンであるが、トランジスタMP1がオフであるので、出力端子OHからグランドへの配線も非導通である。
【0078】
また、電源供給判定信号S1がHレベルであるので、トランジスタMN4はオンである。しかし、耐圧内判定信号S2がLレベルであるので、トランジスタMN0はオフであるから、トランジスタMN4,MN0の電流経路を経由した出力端子OLとグランドとの間の第5経路は非導通である。
【0079】
従って、ノードN1の電圧は、電圧VioHを、抵抗回路R1の抵抗値と抵抗回路R2,R3の合成抵抗の抵抗値との比に基づく抵抗分圧によって得られる電圧値となる。また、ノードN3の電圧は、電圧VioHを、抵抗回路R1,R2の合成抵抗の抵抗値と抵抗回路R3の抵抗値との比に基づく抵抗分圧によって得られる電圧値となる。従って、抵抗回路R1~R3の各抵抗値を適宜設定することによって、出力端子OH,OLからそれぞれ素子耐圧を超えないバイアス電圧Vbias,VbiasLを出力することができる。
【0080】
こうして、上記(2)の処理が行われる。
【0081】
(本来の電源電圧遮断時)
電源ラインに電圧Vioが供給されず、端子15aに電圧Vioが供給される場合には、上記(3)の処理を行う。図8はこの場合の回路状態を説明するものである。即ち、この場合には、バイアス回路VPは、端子15aから電圧Vioが供給され、抵抗分圧によって発生した電圧を出力端子OH(ノードN1)に供給する。
【0082】
耐圧超判定信号S0及び電源供給判定信号S1はLレベルである。従って、トランジスタMP0はオンである。しかし、電源供給判定信号S1は、トランジスタMP1,MN5のインバータにより反転されてトランジスタMPYのゲートに供給されており、トランジスタMPYはオフである。トランジスタMN2もオフであるので、ノードN1から電源ラインへの配線(第1及び第2経路)は非導通である。また、トランジスタMN5がオフであるので、ノードN1からトランジスタMP1,MN5を経由したグランドまでの経路も非導通である。
【0083】
また、電源供給判定信号S1がLレベルであるので、トランジスタMN4はオフであり、ノードN3からトランジスタMN4,MN0の電流経路を経由したグランドまでの第5経路も非導通である。
【0084】
耐圧超判定信号S0がLレベルであるので、トランジスタMN1はオフである。しかし、本実施形態においては、端子I3に電圧Vioが印加されないことから、トランジスタMPXはオンとなる。従って、ノードN1,N2間は、トランジスタMPXの電流経路(第6経路)を経由して接続される。トランジスタMN3はオンであるので、ノードN1とグランドとの間は、トランジスタMPXの電流経路、抵抗回路R2、抵抗回路R3及びトランジスタMN3の電流経路を経由して接続される。
【0085】
こうして、出力端子OHには、バイアス回路VPが発生する電圧が供給される。また、出力端子OLには、出力端子OHに現れる電圧を抵抗回路R2の抵抗値と抵抗回路R3の抵抗値との比に基づいて抵抗分圧して得られる電圧が供給される。バイアス回路VPによる分圧抵抗及び抵抗回路R2,R3の抵抗値を適宜設定することで、電圧発生回路20からホストI/F回路15内の素子の耐圧を超える電圧が供給されることはない。また、バイアス回路VPが発生した電圧により第1及び第2経路を介して電源ラインに電流が流れることもない。こうして、上記(3)の処理が行われる。
【0086】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0087】
1…メモリシステム、2…ホスト、3…メモリコントローラ、4…メモリチップ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ECC回路、15…ホストI/F回路、15a…端子、16…メモリI/F回路、19…送受信処理回路、20…電圧発生回路、MN0~MN5,MP0,MP1,MPX,MPY…トランジスタ、OH…出力端子、OL…出力端子、R1~R5…抵抗回路、SC…電源切換え制御回路、VP…バイアス回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8