(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144318
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/08 20060101AFI20220926BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20220926BHJP
H01L 27/11582 20170101ALI20220926BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220926BHJP
H01L 27/11573 20170101ALI20220926BHJP
H01L 27/11565 20170101ALI20220926BHJP
H01L 27/11519 20170101ALI20220926BHJP
H01L 27/11526 20170101ALI20220926BHJP
H01L 27/11556 20170101ALI20220926BHJP
【FI】
G11C16/08 120
G11C16/04 170
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L27/11573
H01L27/11565
H01L27/11519
H01L27/11526
H01L27/11556
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045261
(22)【出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】佐野 京佑
(72)【発明者】
【氏名】池上 一隆
(72)【発明者】
【氏名】前田 高志
(72)【発明者】
【氏名】船附 里英子
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225BA19
5B225DA02
5B225DA09
5B225EA05
5B225EB10
5B225EG14
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5F083EP02
5F083EP18
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5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
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5F083GA01
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5F083JA19
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5F083KA01
5F083KA05
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5F083KA18
5F083LA05
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5F083LA12
5F083LA16
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA20
5F083ZA21
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE02
5F101BE05
5F101BE11
5F101BF05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】読み出し動作の高速化がされた半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、第1導電層WLE4、第2導電層WLO4及び第6導電層WLO5に第1電圧を印加し、第3導電層及WLE3び第5導電層WLE5に第1電圧より高い第2電圧を印加し、その後、第1導電層に第1電圧より低い第3電圧を印加し、第6導電層に第1電圧より低い第4電圧を印加し、第2導電層に第1電圧より低い第5電圧を印加し、その後、第1導電層に第3電圧より高く第1電圧より低い第6電圧を印加し、第6導電層に前記第4電圧と異なり第1電圧より低い第7電圧を印加し、第2導電層に第5電圧より低い第8電圧を印加する、制御回路を備える。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板から第1方向 (Z) に延伸するメモリピラーと、
前記基板の上に、前記基板と前記第1方向 (Z) に離間して、前記基板の基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第1導電層 (WLe4) と、
前記基板の上に、前記第1導電層と前記第1方向に交差する第2方向 (Y) において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第2導電層 (WLo4) と、
前記基板と前記第1導電層 (WLe4) の間に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第3導電層 (WLe3) と、
前記基板と前記第2導電層 (WLo4) の間に、前記第3導電層と前記第2方向 (Y) において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第4導電層 (WLo3) と、
前記第1導電層 (WLe4) の上に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第5導電層 (WLe5) と、
前記第2導電層 (WLo4) の上に、前記第5導電層 (WLe5) と前記第2方向 (Y) において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第6導電層 (WLo5) と、
前記第1導電層 (WLe4) と前記メモリピラーとの間に形成された第1メモリセルと、
前記第2導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第2メモリセルと、
前記第3導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第3メモリセルと、
前記第4導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第4メモリセルと、
前記第5導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第5メモリセルと、
前記第6導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第6メモリセルと、
前記第1導電層 (WLe4) 、前記第2導電層 (WLo4) 及び前記第6導電層 (WLo5) に第1電圧 (Vread) を印加し、前記第3導電層 (WLe3) 及び前記第5導電層 (WLe5) に前記第1電圧 (Vread) より高い第2電圧 (Vreadk) を印加し、その後、
前記第1導電層 (WLe4) に前記第1電圧 (Vread) より低い第3電圧 (Vkick0) を印加し、前記第6導電層 (WLo5) に前記第1電圧 (Vread) より低い第4電圧 (Vkick1) を印加し、前記第2導電層 (WL04) に前記第1電圧 (Vread) より低い第5電圧 (Vss) を印加し、その後、
前記第1導電層 (WLe4) に前記第3電圧 (Vkick0) より高く前記第1電圧 (Vread) より低い第6電圧 (Vcg) を印加し、前記第6導電層 (WLo5) に前記第4電圧 (Vkick1) と異なり前記第1電圧 (Vread) より低い第7電圧 (Vm) を印加し、前記第2導電層 (WLo4) に前記第5電圧 (Vss) より低い第8電圧 (Vneg) を印加する、
制御回路と、
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記第1導電層、前記第2導電層及び前記第6導電層に前記第1電圧を印加し、前記第3導電層及び前記第5導電層に前記第1電圧より高い前記第2電圧を印加するときに、前記第4導電層に前記第1電圧を印加し、
前記第1導電層に前記第1電圧より低い前記第3電圧を印加し、前記第6導電層に前記第1電圧より低い前記第4電圧を印加し、前記第2導電層に前記第1電圧より低い前記第5電圧を印加するときに、前記第4導電層に前記第4電圧を印加し、
前記第1導電層に前記第3電圧より高く前記第1電圧より低い前記第6電圧を印加し、前記第6導電層に前記第4電圧と異なり前記第1電圧より低い前記第7電圧を印加し、前記第2導電層に前記第5電圧より低い前記第8電圧を印加するときに、前記第4導電層に前記第7電圧を印加する、
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記基板と前記第4導電層の間に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第7導電層と、
前記第7導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第7メモリセルと、
をさらに備え、
前記制御回路は、
前記第1導電層、前記第2導電層及び前記第6導電層に前記第1電圧を印加し、前記第3導電層及び前記第5導電層に前記第1電圧より高い前記第2電圧を印加するときに、前記第4導電層に前記第1電圧を印加し、前記第7導電層に前記第1電圧を印加し、
前記第1導電層に前記第1電圧より低い前記第3電圧を印加し、前記第6導電層に前記第1電圧より低い前記第4電圧を印加し、前記第2導電層に前記第1電圧より低い前記第5電圧を印加するときに、前記第4導電層に前記第5電圧を印加し、前記第7導電層に前記第4電圧を印加し、
前記第1導電層に前記第3電圧より高く前記第1電圧より低い前記第6電圧を印加し、前記第6導電層に前記第4電圧と異なり前記第1電圧より低い前記第7電圧を印加し、前記第2導電層に前記第5電圧より低い前記第8電圧を印加するときに、前記第4導電層に前記第8電圧を印加し、前記第7導電層に前記第7電圧を印加する、
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記基板と前記第3導電層の間に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第7導電層と、
前記基板と前記第4導電層の間に、前記第7導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第8導電層と、
前記第5導電層の上に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第9導電層と、
前記第6導電層の上に、前記第9導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第10導電層と、
をさらに備え、
前記第7導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第7メモリセルと、
前記第8導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第8メモリセルと、
前記第9導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第9メモリセルと、
前記第10導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第10メモリセルと、
をさらに備え、
前記制御回路は、
前記第1導電層、前記第2導電層及び前記第6導電層に前記第1電圧を印加し、前記第3導電層及び前記第5導電層に前記第1電圧より高い前記第2電圧を印加し、前記第4導電層に前記第1電圧を印加するときに、前記第7導電層、前記第8導電層、前記第9導電層及び前記第10導電層に前記第1電圧を印加し、
前記第1導電層に前記第1電圧より低い前記第3電圧を印加し、前記第6導電層に前記第1電圧より低い前記第4電圧を印加し、前記第2導電層に前記第1電圧より低い前記第5電圧を印加し、前記第4導電層に前記第4電圧を印加するときに、前記第8導電層及び前記第10導電層に前記第5電圧を印加し、
前記第1導電層に前記第3電圧より高く前記第1電圧より低い前記第6電圧を印加し、前記第6導電層に前記第4電圧より高く前記第1電圧より低い前記第7電圧を印加し、前記第2導電層に前記第5電圧より低い前記第8電圧を印加し、前記第4導電層に前記第7電圧を印加するときに、前記第8導電層及び前記第10導電層に前記第8電圧を印加する、
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第7電圧は前記第4電圧より高い、
請求項1乃至請求項4いずれか一項記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第3電圧と前記第4電圧を同時に印加する、
請求項1乃至請求項5いずれか一項記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
基板と、
前記基板から第1方向に延伸するメモリピラーと、
前記基板の上に、前記基板と前記第1方向に離間して、前記基板の基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第1導電層と、
前記基板の上に、前記第1導電層と前記第1方向に交差する第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第2導電層と、
前記基板と前記第1導電層の間に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第3導電層と、
前記基板と前記第2導電層の間に、前記第3導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第4導電層と、
前記第1導電層の上に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第5導電層と、
前記第2導電層の上に、前記第5導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第6導電層と、
前記基板と前記第3導電層の間に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第7導電層と、
前記基板と前記第4導電層の間に、前記第7導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第8導電層と、
前記第5導電層の上に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第9導電層と、
前記第6導電層の上に、前記第9導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第10導電層と、
前記第1導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第1メモリセルと、
前記第2導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第2メモリセルと、
前記第3導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第3メモリセルと、
前記第4導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第4メモリセルと、
前記第5導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第5メモリセルと、
前記第6導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第6メモリセルと、
前記第7導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第7メモリセルと、
前記第8導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第8メモリセルと、
前記第9導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第9メモリセルと、
前記第10導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第10メモリセルと、
前記第1導電層、前記第2導電層、前記第4導電層、前記第6導電層、前記第7導電層、前記第8導電層、前記第9導電層及び前記第10導電層に第1電圧を印加し、前記第3導電層及び前記第5導電層に前記第1電圧より高い第2電圧を印加し、その後、
前記第1導電層に前記第1電圧より低い第3電圧を印加し、前記第8導電層及び前記第10導電層に前記第1電圧より低い第4電圧を印加し、前記第2導電層、前記第4導電層及び前記第6導電層に前記第1電圧より低い第5電圧を印加し、その後、
前記第1導電層に前記第3電圧より高く前記第1電圧より低い第6電圧を印加し、前記第8導電層及び前記第10導電層に前記第4電圧と異なり前記第1電圧より低い第7電圧を印加し、前記第2導電層、前記第4導電層及び前記第6導電層に前記第5電圧より低い第8電圧を印加する、
制御回路と、
を備える半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第7電圧は前記第4電圧より高い、
請求項7記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記基板と前記第7導電層の間に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第11導電層と、
前記基板と前記第8導電層の間に、前記第11導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第12導電層と、
前記第9導電層の上に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第13導電層と、
前記第10導電層の上に、前記第13導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第14導電層と、
前記第11導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第11メモリセルと、
前記第12導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第12メモリセルと、
前記第13導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第13メモリセルと、
前記第14導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第14メモリセルと、
をさらに備え、
前記制御回路は、
前記第1導電層、前記第2導電層、前記第4導電層、前記第6導電層、前記第7導電層、前記第8導電層、前記第9導電層及び前記第10導電層に前記第1電圧を印加し、前記第3導電層及び前記第5導電層に前記第2電圧を印加するときに、前記第11導電層、前記第12導電層、前記第13導電層及び前記第14導電層に前記第1電圧を印加し、
前記第1導電層に前記第3電圧を印加し、前記第8導電層及び前記第10導電層に前記第4電圧を印加し、前記第2導電層、前記第4導電層及び前記第6導電層に前記第5電圧を印加するときに、前記第12導電層及び前記第14導電層に前記第4電圧より高く前記第1電圧より低い第9電圧を印加し、
前記第1導電層に前記第3電圧より高く前記第1電圧より低い前記第6電圧を印加し、前記第8導電層及び前記第10導電層に前記第7電圧を印加し、前記第2導電層、前記第4導電層及び前記第6導電層に前記第8電圧を印加するときに、前記第12導電層及び前記第14導電層に前記第9電圧と異なり前記第1電圧より低い第10電圧を印加する、
請求項7又は請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第10電圧は前記第9電圧より高い、
請求項9記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第3電圧と前記第4電圧と前記第9電圧を同時に印加する、
請求項9又は請求項10記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第5電圧は、前記第3電圧及び前記第4電圧より低い、
請求項1乃至請求項11いずれか一項記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記制御回路は、
シーケンサと、
前記シーケンサに接続され、前記第1導電層に前記第1電圧を印加するための第1レギュレータ回路と、
前記シーケンサに接続され、前記第3導電層及び第5導電層に前記第2電圧を印加するための第2レギュレータ回路と、
前記シーケンサに接続され、前記第1導電層に前記第6電圧を印加するための第3レギュレータ回路と、
前記シーケンサに接続され、前記第4導電層及び前記第6導電層に前記第7電圧を印加するための第4レギュレータ回路と、
を有する請求項1乃至請求項12いずれか一項記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1メモリセルは第1電荷蓄積膜を含み、
前記第2メモリセルは第2電荷蓄積膜を含み、
前記第1電荷蓄積膜と前記第2電荷蓄積膜は、前記第1電荷蓄積膜及び前記第2電荷蓄積膜に含まれる材料を含む膜により接続されている、
請求項1乃至請求項13いずれか一項記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置としてNAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の目的は、読み出し動作の高速化がされた半導体記憶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体製造装置は、基板と、前記基板から第1方向に延伸するメモリピラーと、前記基板の上に、前記基板と前記第1方向に離間して、前記基板の基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第1導電層と、前記基板の上に、前記第1導電層と前記第1方向に交差する第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第2導電層と、前記基板と前記第1導電層の間に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第3導電層と、前記基板と前記第2導電層の間に、前記第3導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第4導電層と、前記第1導電層の上に、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第5導電層と、前記第2導電層の上に、前記第5導電層と前記第2方向において前記メモリピラーを介して隣り合い、前記基板面に平行に設けられ、前記メモリピラーと対向した第6導電層と、前記第1導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第1メモリセルと、前記第2導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第2メモリセルと、前記第3導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第3メモリセルと、前記第4導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第4メモリセルと、前記第5導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第5メモリセルと、前記第6導電層と前記メモリピラーとの間に形成された第6メモリセルと、前記第1導電層、前記第2導電層及び前記第6導電層に第1電圧を印加し、前記第3導電層及び前記第5導電層に前記第1電圧より高い第2電圧を印加し、その後、前記第1導電層に前記第1電圧より低い第3電圧を印加し、前記第6導電層に前記第1電圧より低い第4電圧を印加し、前記第2導電層に前記第1電圧より低い第5電圧を印加し、その後、前記第1導電層に前記第3電圧より高く前記第1電圧より低い第6電圧を印加し、前記第6導電層に前記第4電圧と異なり前記第1電圧より低い第7電圧を印加し、前記第2導電層に前記第5電圧より低い第8電圧を印加する、制御回路と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置を含むメモリシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る半導体記憶装置中のメモリセルアレイの回路構成を示す模式図である。
【
図3】第1実施形態に係るセレクトゲート線、ビット線、及びメモリピラーの平面レイアウトを示す模式図である。
【
図4】第1実施形態に係るワード線及びメモリピラーの平面レイアウトを示す模式図である。
【
図5】
図3及び
図4に示す半導体記憶装置のB1-B2切断部端面図である。
【
図6】
図3及び
図4に示す半導体記憶装置のA1-A2切断部端面図である。
【
図7】
図5に示すメモリセルトランジスタのC1-C2切断部端面図である。
【
図8】
図7に示すメモリセルトランジスタのD1-D2切断部端面図である。
【
図9】
図7に示すメモリセルトランジスタの変形例を示す切断部端面図である。
【
図10】
図9に示すメモリセルトランジスタのE1-E2切断部断面図である。
【
図11】第1実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路を示す図である。
【
図12】第1実施形態に係る電圧生成回路、ドライバセット、セレクトゲート線又はワード線の電気的接続を説明するための図である。
【
図13】第1実施形態に係る電圧生成回路、ドライバセット、セレクトゲート線又はワード線の電気的接続を説明するための図である。
【
図14】第1実施形態に係る偶数ワード線ドライバとロウデコーダの電気的接続を説明するための模式図である。
【
図15】第1実施形態に係る奇数ワード線ドライバとロウデコーダの電気的接続を説明するための模式図である。
【
図16】第1実施形態に係る電圧生成回路27と偶数ワード線ドライバ28の電気的接続を説明するための模式図である。
【
図17】第1実施形態に係る電圧生成回路27と奇数ワード線ドライバ28の電気的接続を説明するための模式図である。
【
図18】第1実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
【
図19】第1実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【
図20】比較形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
【
図21】比較形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【
図22】第2実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
【
図23】第2実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【
図24】第3実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
【
図25】第3実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【
図26】第4実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
【
図27】第4実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【
図28】第5実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
【
図29】第5実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。なお、図面中、同一又は類似の箇所には、同一又は類似の符号を付している。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置1を含むメモリシステム3の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態に係る半導体記憶装置1を含むメモリシステム3の構成は
図1に示す構成に限定されない。
【0009】
図1に示すように、メモリシステム3は、半導体記憶装置1およびメモリコントローラ2を含む。メモリシステム3は、例えば、SSD(solid state drive)、SDTMカードのようなメモリカード等である。メモリシステム3は、ホストデバイス(図示は省略)を含んでもよい。
【0010】
半導体記憶装置1は、例えば、メモリコントローラ2に接続し、メモリコントローラ2を用いて制御される。メモリコントローラ2は、例えば、ホストデバイスから半導体記憶装置1の動作に必要な命令を受信し、当該命令を半導体記憶装置1に送信する。メモリコントローラ2は、当該命令を半導体記憶装置1に送信し、半導体記憶装置1からのデータの読み出し、半導体記憶装置1へのデータの書込み、または半導体記憶装置1のデータの消去を制御する。本実施形態において、半導体記憶装置1は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。
【0011】
図1に示すように、半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ21、入出力回路22、ロジック制御回路23、シーケンサ24、レジスタ25、レディ/ビジー制御回路26、電圧生成回路27、ドライバセット28、ロウデコーダ29、センスアンプ30、入出力用パッド群71、及びロジック制御用パッド群72を含む。半導体記憶装置1では、書き込みデータDATをメモリセルアレイ21に記憶させる書き込み動作、読み出しデータDATをメモリセルアレイ21から読み出す読み出し動作等の、各種動作が実行される。本実施形態に係る半導体記憶装置1の構成は
図1に示す構成に限定されない。
【0012】
メモリセルアレイ21は、例えば、センスアンプ30、ロウデコーダ29、およびドライバセット28と接続される。メモリセルアレイ21は、ブロックBLKO、BLK1、・・・、BLKn(nは1以上の整数)を含む。詳細は後述するが、ブロックBLKの各々は、複数のストリングユニットSU(SU0、SU1、SU2、・・・)を含む。ストリングユニットSUの各々は、ビット線およびワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルを含む。ブロックBLKは、例えばデータの消去単位となる。同一ブロックBLK内に含まれるメモリセルトランジスタMT(
図2)の保持するデータは、一括して消去される。
【0013】
半導体記憶装置1では、例えば、TLC(Triple-Level Cell)方式またはQLC(Quadruple Level Cell)方式を適用可能である。TLC方式では、各メモリセルに3ビットのデータが保持され、QLC方式では、各メモリセルに4ビットのデータが保持される。なお、各メモリセルに2ビット以下のデータが保持されてもよく、5ビット以上のデータが保持されてもよい。
【0014】
入出力回路22は、例えば、レジスタ25、ロジック制御回路23、およびセンスアンプ30に接続される。入出力回路22は、メモリコントローラ2と半導体記憶装置1との間で、データ信号DQ<7:0>の送受信を制御する。
【0015】
データ信号DQ<7:0>は、8ビットの信号である。データ信号DQ<7:0>は、半導体記憶装置1とメモリコントローラ2との間で送受信されるデータの実体であり、コマンドCMD、データDAT、アドレス情報ADD、およびステータス情報STS等を含む。コマンドCMDは、例えば、ホストデバイス(メモリコントローラ2)から半導体記憶装置1に送信される命令を実行するための命令を含む。データDATは、半導体記憶装置1への書き込みデータDATまたは半導体記憶装置1からの読み出しデータDATを含む。アドレス情報ADDは、例えば、ビット線およびワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルを選択するためのカラムアドレスおよびロウアドレスを含む。ステータス情報STSは、例えば、書き込み動作および読み出し動作に関する半導体記憶装置1のステータスに関する情報を含む。
【0016】
より具体的には、入出力回路22は、入力回路および出力回路を備え、入力回路および出力回路が次に述べる処理を行う。入力回路は、メモリコントローラ2から、書き込みデータDAT、アドレス情報ADD、およびコマンドCMDを受信する。入力回路は、受信した書き込みデータDATをセンスアンプ70に送信し、受信したアドレス情報ADDおよびコマンドCMDをレジスタ25に送信する。一方、出力回路は、レジスタ25からステータス情報STSを受け取り、センスアンプ70から読み出しデータDATを受け取る。出力回路は、受け取ったステータス情報STSおよび読み出しデータDATを、メモリコントローラ2に送信する。
【0017】
ロジック制御回路23は、例えば、メモリコントローラ2及びシーケンサ24に接続される。ロジック制御回路23は、メモリコントローラ2から、例えば、チップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、およびライトプロテクト信号WPnを受信する。ロジック制御回路23は、受信される信号に基づいて、入出力回路22およびシーケンサ24を制御する。
【0018】
チップイネーブル信号CEnは、半導体記憶装置1をイネーブル(有効)にするための信号である。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、半導体記憶装置1に入力される信号DQがコマンドCMDであることを入出力回路22に通知するための信号である。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、半導体記憶装置1に入力される信号DQがアドレス情報ADDであることを入出力回路22に通知するための信号である。ライトイネーブル信号WEnおよびリードイネーブル信号REnはそれぞれ、例えばデータ信号DQの入力および出力を入出力回路22に対して命令するための信号である。ライトプロテクト信号WPnは、データの書き込みおよび消去の禁止を半導体記憶装置1に指示するための信号である。
【0019】
シーケンサ24は、例えば、レディ/ビジー制御回路26、センスアンプ30、およびドライバセット28に接続される。シーケンサ24は、コマンドレジスタに保持されるコマンドCMDに基づいて、半導体記憶装置1全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ24は、センスアンプ30、ロウデコーダ29、電圧生成回路27、およびドライバセット28等を制御して、書き込み動作および読み出し動作等の各種動作を実行する。
【0020】
レジスタ25は、例えば、ステータスレジスタ(図示は省略)、アドレスレジスタ(図示は省略)、コマンドレジスタ(図示は省略)などを含む。ステータスレジスタは、シーケンサ24からステータス情報STSを受信し、保持し、当該ステータス情報STSを、シーケンサ24の指示に基づいて入出力回路22に送信する。アドレスレジスタは、入出力回路22からアドレス情報ADDを受信し、保持する。アドレスレジスタは、アドレス情報ADD中のカラムアドレスをセンスアンプ70に送信し、アドレス情報ADD中のロウアドレスをロウデコーダ29に送信する。コマンドレジスタは、入出力回路22からコマンドCMDを受信し、保持し、コマンドCMDをシーケンサ24に送信する。
【0021】
レディ/ビジー制御回路26は、シーケンサ24による制御に従ってレディ/ビジー信号R/Bnを生成し、生成したレディ/ビジー信号R/Bnをメモリコントローラ2に送信する。レディ/ビジー信号R/Bnは、半導体記憶装置1がメモリコントローラ2からの命令を受け付けるレディ状態にあるか、または命令を受け付けないビジー状態にあるかを通知するための信号である。
【0022】
電圧生成回路27は、例えば、ドライバセット28等に接続される。電圧生成回路27は、シーケンサ24による制御に基づいて、書き込み動作および読み出し動作等に使用される電圧を生成し、生成した電圧をドライバセット28に供給する。
【0023】
ドライバセット28は、例えば、偶数ワード線ドライバ28A(
図12)、及び奇数ワード線ドライバ28B(
図12)を含む。ドライバセット28は、メモリセルアレイ21、センスアンプ70、およびロウデコーダ29に接続される。ドライバセット28は、電圧生成回路27から供給される電圧に基づいて、例えば、読み出し動作および書き込み動作等の各種動作でセレクトゲート線SGD(
図2)、ワード線WL(
図2)およびソース線SL(
図2)等に印加する各種電圧を生成する。ドライバセット28は、生成した電圧を、偶数ワード線ドライバ28A、奇数ワード線ドライバ28B、センスアンプ30、ロウデコーダ29、ソース線SLなどに供給する。
【0024】
ロウデコーダ29は、アドレスレジスタからロウアドレスを受け取り、受け取ったロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ29は、当該デコードの結果に基づいて、読み出し動作および書き込み動作等の各種動作を実行する対象のブロックBLKを選択する。ロウデコーダ29は、当該選択したブロックBLKに、ドライバセット28から供給される電圧を供給可能である。
【0025】
センスアンプ30は、例えば、アドレスレジスタからカラムアドレスを受信し、受信したカラムアドレスをデコードする。また、センスアンプ30は、当該デコードの結果に基づいて、メモリコントローラ2とメモリセルアレイ21との間でのデータDATの送受信動作を実行する。センスアンプ30は、例えば、ビット線毎に設けられたセンスアンプユニット(図示は省略)を含む。センスアンプ30は、センスアンプユニットを用いて、ビット線BLに電圧を供給することを可能にする。例えば、センスアンプ30は、センスアンプユニットを用いて、ビット線に電圧を供給することができる。また、センスアンプ30は、メモリセルアレイ21から読み出されたデータをセンスし、読み出しデータDATを生成し、生成した読み出しデータDATを、入出力回路22を介してメモリコントローラ2に送信する。また、センスアンプ30は、メモリコントローラ2から入出力回路22を介して書き込みデータDATを受信し、受信した書き込みデータDATを、メモリセルアレイ21に送信する。
【0026】
入出力用パッド群71は、メモリコントローラ2から受信するデータ信号DQ<7:0>を入出力回路22に送信する。入出力用パッド群71は、入出力回路22から受信するデータ信号DQ<7:0>をメモリコントローラ2に送信する。
【0027】
ロジック制御用パッド群72は、メモリコントローラ2から受信するチップイネーブル信号CEn、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、及びリードイネーブル信号REnをロジック制御回路23に転送する。ロジック制御用パッド群72は、レディ/ビジー制御回路26から受信するレディ/ビジー信号R/Bnをメモリコントローラ2に転送する。
【0028】
図2は、
図1に示したメモリセルアレイ21の回路構成の一例である。
図2は、メモリセルアレイ21に含まれる複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKの回路構成を示す図である。例えば、メモリセルアレイ21に含まれる複数のブロックBLKの各々は、
図2に示す回路構成を有する。本実施形態に係るメモリセルアレイ21の構成は
図2に示す構成に限定されない。
図2の説明において、
図1と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0029】
図2に示すように、ブロックBLKは、複数のストリングユニットSU(SU0、SU1、SU2、SU3)を含む。本実施形態において、書き込み動作および読み出し動作は、ストリングユニットSU(ページ)を単位として実行される。ストリングユニットSUの各々は、複数のNANDストリング50を含む。例えば、ストリングユニットSU0及びSU2は、複数のNANDストリング50eを含み、ストリングユニットSU1及びSU3は、複数のNANDストリング50oを含む。なお、
図2には、各ブロックBLKが4つのストリングユニットSU0、SU1、SU2、SU3を含む例を示したが、各ブロックに含まれるストリングユニットの数は4つに限られない。例えば、各ブロックBLKが、6つ、または、8つのストリングユニットを含んでいてもよい。
【0030】
NANDストリング50の各々は、例えば8個のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)及び選択トランジスタST1、ST2を含む。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲートと電荷蓄積層とを備え、データを不揮発に保持する。メモリセルトランジスタMTは、選択トランジスタST1のソースと選択トランジスタST2のドレインとの間に直列接続される。
【0031】
ストリングユニットSUの各々における選択トランジスタST1のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD(SGD0、SGD1、…)に接続される。セレクトゲート線SGDは、ロウデコーダ29によって独立に制御される。また、偶数番目のストリングユニットSUe(SU0、SU2、…)の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えば、偶数セレクトゲート線SGSeに接続され、奇数番目のストリングユニットSUo(SU1、SU3、…)の各々における選択トランジスタST2のゲートは、例えば奇数セレクトゲート線SGSoに接続される。偶数セレクトゲート線SGSe及び奇数セレクトゲート線SGSoは、例えば、互いに接続され、同様に制御されて良く、それぞれ独立に設けられ、独立に制御可能であっても良い。
【0032】
同一のブロックBLK内のストリングユニットSUeに含まれるメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)の制御ゲートは、それぞれワード線WLe(WLe0~WLe7)に共通に接続される。同一のブロックBLK内のストリングユニットSUoに含まれるメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)の制御ゲートは、それぞれワード線WLo(WLo0~WLo7)に共通に接続される。セレクトゲート線WLe及びセレクトゲート線WLoは、ロウデコーダ29によって独立に制御される。
【0033】
メモリセルアレイ21内において同一列にあるNANDストリング50の選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BL(BL0~BL(L-1)、但し(L-1)は2以上の自然数)に共通に接続される。すなわち、ビット線BLは、複数のストリングユニットSU間でNANDストリング50を共通に接続される。複数の選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに共通に接続される。ソース線SLは、例えば、ドライバセット28に電気的に接続され、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27及びドライバセット28の制御により、電圧生成回路27またはドライバセット28から電圧を供給される。また、一実施形態に係る半導体記憶装置1は、複数のソース線SLを備えてもよい。例えば、複数のソース線SLのそれぞれは、ドライバセット28に電気的に接続され、複数のソース線SLのそれぞれは、シーケンサ24を用いた電圧生成回路27及びドライバセット28の制御により、電圧生成回路27またはドライバセット28から互いに異なる電圧を供給されてもよい。
【0034】
ストリングユニットSUは、異なるビット線BLに接続され、かつ、同一のセレクトゲート線SGDに接続されたNANDストリング50を複数含む。ブロックBLKは、ワード線WLを共通にする複数のストリングユニットSUを複数含む。メモリセルアレイ21は、ビット線BLを共通にする複数のブロックBLKを含む。メモリセルアレイ21内において、上述したセレクトゲート線SGS、ワード線WL、及びセレクトゲート線SGDがソース線層の上方に積層され、メモリセルトランジスタMTが三次元に積層される。
【0035】
図3は、あるブロックBLKのソース線層に平行な面内(XY平面)における、セレクトゲート線SGDの平面レイアウトを示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置1では、例えば、1つのブロックBLK内にセレクトゲート線SGDが4つ含まれる。一実施形態に係るセレクトゲート線SGDの平面レイアウトは
図3に示すレイアウトに限定されない。
図3の説明において、
図1及び
図2と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0036】
図3に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置1では、例えば、X方向に延びる3つの配線層10-0a、10-0b、10-0cは、Y方向に延びる第1接続部10-0dを用いて接続される。配線層10-0a、10-0cはY方向の両端に位置する。配線層10-0aと配線層10-0bとは、他の1つの配線層(配線層10-1a)を挟んでY方向に隣接している。第1接続部10-0dはX方向の一端に位置する。3つの配線層10-0a、10-0b、10-0cがセレクトゲート線SGD0として機能する。本実施形態では、例えば、Y方向はX方向に直交、または略直交する方向である。
【0037】
X方向に延びる配線層10-1a、10-1bは、Y方向に延びる第2接続部10-1dを用いて接続される。配線層10-1aは、配線層10-0a、10-0bの間に位置する。配線層10-1bは、配線層10-0bと他の1つの配線層(配線層10-2a)との間に位置する。第2接続部10-1dは、X方向において第1接続部10-0dの反対側の他端に位置する。2つの配線層10-1a、10-1bがセレクトゲート線SGD1として機能する。
【0038】
X方向に延びる配線層10-2a、10-2bは、Y方向に延びる第1接続部10-2dによって接続される。同様に、X方向に延びる配線層10-3a、10-3bは、Y方向に延びる第2接続部10-3dによって接続される。配線層10-2aは、配線層10-1bと配線層10-3aとの間に位置する。配線層10-3aは、配線層10-2aと配線層10-2bとの間に位置する。配線層10-2bは、配線層10-3aと配線層10-3bとの間に位置する。配線層10-3bは、配線層10-2bと配線層10-0cとの間に位置する。第1接続部10-2dは、X方向において第1接続部10-0dと同じ側の一端に位置する。第2接続部10-3dは、X方向において第1接続部10-0dの反対側の他端に位置する。2つの配線層10-2a、10-2bがセレクトゲート線SGD2として機能する。2つの配線層10-3a、10-3bがセレクトゲート線SGD3として機能する。
【0039】
本実施形態は、各々の配線層が第1接続部10-0d、10-2d、又は第2接続部10-1d、10-3dを用いて接続された構成を例示するが、この構成に限定されない。例えば、各々の配線層が独立しており、配線層10-0a、10-0b、10-0cに同じ電圧が供給され、配線層10-1a、10-1bに同じ電圧が供給され、配線層10-2a、10-2bに同じ電圧が供給され、配線層10-3a、10-3bに同じ電圧が供給されるように制御される。
【0040】
配線層10-0a、10-0b、10-0cに隣接するメモリピラーMPのNANDストリング50eを含むストリングユニットSUをSU0と呼ぶ。配線層10-1a、10-1bに隣接するメモリピラーMPのNANDストリング50oを含むストリングユニットSUをSU1と呼ぶ。配線層10-2a、10-2bに隣接するメモリピラーMPのNANDストリング50eを含むストリングユニットSUをSU2と呼ぶ。配線層10-3a、10-3bに隣接するメモリピラーMPのNANDストリング50oを含むストリングユニットSUをSU3と呼ぶ。
【0041】
ブロックBLK内においてY方向で隣り合う配線層10は絶縁される。隣り合う配線層10を絶縁する領域を、スリットSLT2と呼ぶ。スリットSLT2では、例えばソース線層に平行な面から、少なくとも配線層10が設けられるレイヤまでの領域が絶縁膜(図示は省略)を用いて埋め込まれている。また、メモリセルアレイ21内には、例えば、
図3に示すブロックBLKがY方向に複数配置される。ブロックBLK内においてY方向で隣り合う配線層10と同様に、Y方向で隣り合うブロックBLKの間は、絶縁膜(図示は省略)を用いて埋め込まれており、Y方向で隣り合うブロックBLK間も絶縁される。隣り合うブロックBLKを絶縁する領域を、スリットSLT1と呼ぶ。スリットSLT2と同様に、スリットSLT1では、絶縁膜が、ソース線層に平行な面から、少なくとも配線層10が設けられるレイヤまでの領域を、埋め込んでいる。
【0042】
Y方向で隣り合う配線層10間には、複数のメモリピラーMP(MP0~MP15)が設けられる。複数のメモリピラーMPはメモリセル部に設けられる。複数のメモリピラーMPの各々はZ方向に沿って設けられる。一実施形態では、例えば、Z方向は、XY方向に直交、または略直交する方向であり、ソース線層に平行なに対して垂直、または略垂直な方向である。Z方向は第1方向の一例である。Y方向は第2方向の一例である。
【0043】
具体的には、配線層10-0a、10-1aの間にはメモリピラーMP4、MP12が設けられる。配線層10-1a、10-0bの間にはメモリピラーMP0、MP8が設けられる。配線層10-0b、10-1bの間にはメモリピラーMP5、MP13が設けられる。配線層10-1b、10-2aの間にはメモリピラーMP1、MP9が設けられる。配線層10-2a、10-3aの間にはメモリピラーMP6、MP14が設けられる。配線層10-3a、10-2bの間にはメモリピラーMP2、MP10が設けられる。配線層10-2b、10-3bの間にはメモリピラーMP7、MP15が設けられる。配線層10-3b、10-0cの間にはメモリピラーMP3、MP11が設けられる。
【0044】
メモリピラーMPは、選択トランジスタST1、ST2及びメモリセルトランジスタMTを形成する構造体である。メモリピラーMPの詳細な構造は後述する。
【0045】
メモリピラーMP0~MP3は、Y方向に沿って配置される。メモリピラーMP8~MP11は、メモリピラーMP0~MP3にX方向で隣り合う位置において、Y方向に沿って配置される。すなわち、メモリピラーMP0~MP3と、メモリピラーMP8~MP11とが並行に配置される。
【0046】
メモリピラーMP4~MP7及びメモリピラーMP12~MP15は、それぞれY方向に沿って配置される。メモリピラーMP4~MP7は、X方向において、メモリピラーMP0~MP3とメモリピラーMP8~MP11との間に位置する。メモリピラーMP12~MP15は、X方向において、メモリピラーMP4~MP7と共にメモリピラーMP8~MP11を挟むように位置する。すなわち、メモリピラーMP4~MP7と、メモリピラーMP12~MP15とが並行に配置される。
【0047】
メモリピラーMP0~MP3の上方には、2つのビット線BL0及びBL1が設けられる。ビット線BL0はメモリピラーMP1及びMP2に共通に接続される。ビット線BL1はメモリピラーMP0及びMP3に共通に接続される。メモリピラーMP4~MP7の上方には、2つのビット線BL2及びBL3が設けられる。ビット線BL2はメモリピラーMP4及びMP5に共通に接続される。ビット線BL3はメモリピラーMP6及びMP7に共通に接続される。
【0048】
メモリピラーMP8~MP11の上方には、2つのビット線BL4及びBL5が設けられる。ビット線BL4はメモリピラーMP9及びMP10に共通に接続される。メモリピラーMP12~MP15の上方には、2つのビット線BL6及びBL7が設けられる。ビット線BL6はメモリピラーMP12及びMP13に共通に接続される。ビット線BL7はメモリピラーMP14及びMP15に共通に接続される。
【0049】
上述のように、メモリピラーMPは、Y方向において2つの配線層10を跨ぐ位置に設けられ、複数のスリットSL2のうち、いずれかのスリットSLT2の一部に埋め込まれるように設けられる。また、Y方向で隣り合うメモリピラーMP間には1つのスリットSLT2が設けられる。
【0050】
なお、スリットSLT1を挟んで隣り合う配線層10-0aと配線層10-0bとの間には、メモリピラーMPは設けられない。
【0051】
図4は、XY平面におけるワード線WLの平面レイアウトを示す図である。
図4に示すレイアウトは、
図3の1ブロック分の領域のレイアウトに対応し、
図3に示す配線層10よりも下層に設けられる配線層11のレイアウトである。一実施形態に係るワード線WLの平面レイアウトは
図4に示すレイアウトに限定されない。
図4の説明において、
図1~
図3と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0052】
図4に示すように、X方向に延びる9個の配線層11(配線層11-0~11-7、但し配線層11-0は配線層11-0aと配線層11-0bとを含む)が、Y方向に沿って配置される。各配線層11-0~11-7は、Z方向に対して各配線層10-0~10-7の下層に配置される。配線層11-0~11-7と配線層10-0~10-7との間には、絶縁膜が設けられ、配線層11-0~11-7と配線層10-0~10-7とは互いに絶縁される。
【0053】
各配線層11は、ワード線WL7として機能する。その他のワード線WL0~WL6もワード線WL7と同様の構成及び機能を有する。
図4に示す例では、配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、及び11-0bがワード線WLe7として機能する。配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、及び11-0bは、Y方向に延びる第1接続部11-8を用いて接続される。第1接続部11-8はX方向の一端に設けられる。第1接続部11-8において、配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、及び11-0bは、ロウデコーダ29に接続される。一実施形態では、第1接続部11-8及び配線層11-0a、11-2、11-4、11-6、11-0bをまとめて配線層11eと呼ぶ場合がある。
【0054】
また、配線層11-1、11-3、11-5、及び11-7が、ワード線WLo7として機能する。配線層11-1、11-3、11-5、及び配線層11-7は、Y方向に延びる第2接続部11-9を用いて接続される。第2接続部11-9は、X方向において第1接続部11-8の反対側の他端に設けられる。第2接続部11-9において、配線層11-1、11-3、11-5、11-7は、ロウデコーダ29に接続される。一実施形態では、第2接続部11-9及び配線層11-1、11-3、11-5、11-7をまとめて配線層11oと呼ぶ場合がある。
【0055】
メモリセル部が第1接続部11-8と第2接続部11-9との間に設けられる。メモリセル部では、Y方向で隣り合う配線層11は、
図3に示すスリットSLT2によって離隔される。また、Y方向で隣り合うブロックBLK間の配線層11は、スリットSLT2と同様に、スリットSLT1によって離隔される。メモリセル部は、
図3と同様に、メモリピラーMP0~MP15を含む。
【0056】
セレクトゲート線SGS及びワード線WL0~WL6は、
図4に示すワード線WL7と同様の構成を有する。
【0057】
図5は、
図4に示すB1-B2切断部端面を示す図である。本実施形態に係るブロックBLKの切断部端面は
図5に示す切断部端面に限定されない。
図5の説明において、
図1~
図4と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0058】
図5に示すように、配線層12が、Z方向に沿ってソース線層13の上方に設けられる。ソース線層13はソース線SLとして機能する。なお、配線層12は、
図5に示すソース線層13の代わりに、半導体基板(基板)におけるp型ウェル領域上に設けられてもよい。この場合、ソース線SLは、半導体基板におけるp型ウェル領域と電気的に接続される。配線層12はセレクトゲート線SGSとして機能する。8層の配線層11が、Z方向に沿って配線層12の上方に積層される。配線層11は、ワード線WLとして機能する。また、8層の配線層11は、ワード線WL0~WL7に1対1で対応する。
図4がワード線WLとして機能する配線層11の平面レイアウトを示す図であり、
図3がセレクトゲート線SGDとして機能する配線層10の平面レイアウトを示す図である。セレクトゲート線SGSとして機能する配線層12の平面レイアウトは、例えば、
図3に示すセレクトゲート線SGDとして機能する配線層10を、セレクトゲート線SGSとして機能する配線層12に置き換えたレイアウトである。
【0059】
配線層12は、偶数セレクトゲート線SGSe又は奇数偶数セレクトゲート線SGSoとして機能する。偶数セレクトゲート線SGSeと奇数偶数セレクトゲート線SGSoとは、スリットSLT2を介して、Y方向に交互に配置される。Y方向に隣接する偶数セレクトゲート線SGSeと奇数偶数セレクトゲート線SGSoとの間にはメモリピラーMPが設けられる。
【0060】
配線層11は、偶数ワード線WLe又は奇数ワード線WLoとして機能する。偶数ワード線WLe、奇数WLoは、スリットSLT2を介して、Y方向に交互に配置される。Y方向に隣接するワード線WLe、WLoの間にはメモリピラーMPが設けられる。メモリピラーMPとワード線WLeとの間、及びメモリピラーMPとワード線WLoとの間には後述するメモリセルが設けられる。
【0061】
Y方向で隣り合うブロックBLK間にはスリットSLT1が設けられる。上述の通り、スリットSLT1には絶縁層が設けられる。しかし、導電体を用いて形成されるコンタクトプラグまたは溝状構造体が絶縁体であるスリットSLT1内に設けられても良い。導電体を用いて形成されるコンタクトプラグまたは溝状構造体がスリットSLT1内に設けられた場合、ソース線層13内に電圧を印加することができる。なお、スリットSLT1のY方向に沿った幅は、スリットSLT2のY方向に沿った幅よりも大きい。
【0062】
図3および
図5に示すように、メモリピラーMPは、ビット線BLと電気的に接続される。例えば、メモリピラーMP0とビット線BL1は、コンタクトプラグ16を介して接続される。また、メモリピラーMP1とビット線BL0が、コンタクトプラグ16を介して接続され、メモリピラーMP2とビット線BL1が、コンタクトプラグ16を介して接続され、メモリピラーMP3とビット線BL0が、コンタクトプラグ16を介して接続される。同様に、メモリピラーMP4~MP7の各々はビット線BL2又はBL3と接続され、メモリピラーMP8~MP11はビット線BL4又はBL5と接続され、メモリピラーMP12~MP15はビット線BL6又はBL7と接続される。
【0063】
図6は、
図3に示す半導体記憶装置のA1-A2切断部端面を示す図である。一実施形態に係るブロックBLKの切断部端面は
図6に示す切断部端面に限定されない。
図6の説明において、
図1~
図5と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。ソース線層13、配線層12、配線層11、及び配線層10の積層構造、メモリセル部の構成は
図5を用いて説明した通りであるから、ここでの説明は省略する。なお、
図6では、A1-A2切断部端面の奥行き方向に存在する構成が点線で描かれている。
【0064】
図6に示すように、第1接続領域では、配線層10、配線層11、及び配線層12が、例えば、階段状に設けられ、ソース線層13から引き出されている。すなわち、XY平面で見た場合、配線層10、8層の配線層11及び配線層12のそれぞれの端部の上面が第1接続領域において露出される。第1接続領域において露出された配線層10、8層の配線層11及び配線層12のそれぞれの端部の上面に、コンタクトプラグ17が設けられる。コンタクトプラグ17は金属配線層18に接続される。例えば、金属配線層18を用いて、偶数番目のセレクトゲート線SGD0及びSGD2として機能する配線層10、偶数ワード線WLeとして機能する配線層11、及び偶数セレクトゲート線SGSeとして機能する配線層12が、ロウデコーダ29(
図1)を介して、偶数ワード線ドライバ28Aに電気的に接続される。
【0065】
第1接続領域と同様に、第2接続領域では、配線層10、配線層11、及び配線層12が、例えば、階段状に設けられ、ソース線層13から引き出されている。XY平面で見た場合、配線層10、8層の配線層11及び配線層12のそれぞれの端部の上面が第2接続領域において露出される。第2接続領域において露出された配線層10の端部の上面、8層の配線層11及び配線層12のそれぞれの端部上面上に、コンタクトプラグ19が設けられ、コンタクトプラグ19は金属配線層20に接続される。例えば、金属配線層20を用いて、奇数番目のセレクトゲート線SGD1及びSGD3、奇数ワード線WLoとして機能する配線層11、及び奇数セレクトゲート線SGSoとして機能する配線層12が、ロウデコーダ29(
図1)を介して、奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続される。
【0066】
配線層10は、第1接続領域7の代わりに第2接続領域を介してロウデコーダ29、または、偶数ワード線ドライバ28A及び奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されても良く、第1接続領域及び第2接続領域の両方を介してロウデコーダ29、または、偶数ワード線ドライバ28A及び奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されても良い。
【0067】
図7は本実施形態に係るメモリセルトランジスタのC1-C2切断部端面を示す図であり、
図8は
図7に示すメモリセルトランジスタのD1-D2切断部端面を示す図である。
図7及び
図8は、2つのメモリセルトランジスタMTを含む領域を示す切断部端面図である。第1の例では、メモリセルトランジスタMTに含まれる電荷蓄積層が、絶縁膜である。本実施形態に係るメモリセルトランジスタの第1の例は
図7及び
図8に示す構造に限定されない。
図7及び
図8の説明において、
図1~
図6と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0068】
図7及び
図8に示すように、メモリピラーMPは、Z方向に沿って設けられた絶縁層30(絶縁体の一例)、半導体層31、及び絶縁層32~34を含む。絶縁層30は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。半導体層31は、絶縁層30の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのチャネルが形成される領域として機能する。半導体層31(第1チャネル及び第2チャネルの一例)は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。半導体層31は、同一のメモリピラーMP内にあるメモリセルトランジスタMT間で分離されず、連続して設けられる。したがって、2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。
【0069】
上述の通り、半導体層31は、対向する2つのメモリセルトランジスタMT間で連続している。したがって、対向する2つのメモリセルトランジスタMTの各々において形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。具体的には、
図7及び
図8において、互いに対向する左側のメモリセルトランジスタMT及び右側のメモリセルトランジスタMTにおいて、第1メモリセルで形成されるチャネル及び第2メモリセルで形成されるチャネルは、メモリピラーMPの一部を共有する。ここで、2つのチャネルがメモリピラーMPの一部を共有するとは、2つのチャネルが同一のメモリピラーMPに形成され、且つ、2つのチャネルが一部重なっていることを意味する。一実施形態では、上記の構成を、2つのメモリセルトランジスタMTがチャネル共有する、又は2つのメモリセルトランジスタMTが対向する、という場合がある。
【0070】
絶縁層32は、半導体層31の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層32は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造を用いて形成される。絶縁層33は、半導体層31の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層として機能する。絶縁層33は、例えばシリコン窒化膜を用いて形成される。絶縁層34は、絶縁層33の周囲を取り囲むようにして設けられ、メモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜として機能する。絶縁層34は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。メモリピラーMP部を除くスリットSLT2内には、絶縁層37が埋め込まれる。絶縁層37は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。互いに対向する左側のメモリセルトランジスタMT(第1メモリセル)の絶縁層33(電荷蓄積層、電荷蓄積膜)と右側のメモリセルトランジスタMT(第2メモリセル)の絶縁層33(電荷蓄積層、電荷蓄積膜)は、例えばシリコン窒化膜を含む絶縁層33(膜)により接続されている。
【0071】
実施形態の第1の例においては、メモリピラーMPの周囲に、例えばAlO層35が設けられる。AlO層35の周囲には、例えばバリアメタル層36が設けられる。バリアメタル層36は、例えばTiN膜を用いて形成される。バリアメタル層36の周囲には、ワード線WLとして機能する配線層11が設けられる。配線層11は、例えばタングステンを材料とした膜を用いて形成される。
【0072】
これにより、1つのメモリピラーMPは、Z軸上のある位置において、Y方向に沿って2つのメモリセルトランジスタMT及びMT、あるいは2つの選択トランジスタST1及びST2を含む。
【0073】
<1-6-2.第2の例>
図9は
図7に示すメモリセルトランジスタの変形例を示す図であり、
図5に示すメモリセルトランジスタのC1-C2切断部端面を示す図である。
図10は
図9に示すメモリセルトランジスタのE1-E2切断部端面を示す図である。
図9及び
図10は、2つのメモリセルトランジスタMTを含む領域を示す切断部端面図である。第2の例では、メモリセルトランジスタMTに含まれる電荷蓄積層が、導電膜である。一実施形態に係るメモリセルトランジスタの第2の例は
図10及び
図11に示す構造に限定されない。
図10及び
図11の説明において、
図1~
図9と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0074】
図10及び
図11に示すように、メモリピラーMPは、Z方向に沿って設けられた絶縁層48及び絶縁層43、半導体層40、絶縁層41、導電層42、及び絶縁層46a~46cを含む。絶縁層48は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。半導体層40は、絶縁層48の周囲を取り囲むようにして設けられる。半導体層40はメモリセルトランジスタMTのチャネルが形成される領域として機能する。半導体層40は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。半導体層40は、
図8に示すメモリピラーMPの第1の例と同様に、同一のメモリピラーMP内にあるメモリセルトランジスタMT間で分離されず、連続して設けられる。
【0075】
絶縁層41は、半導体層40の周囲に設けられ、各メモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層41は、
図10に示すXY平面内において、2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された絶縁層41のそれぞれが、同一メモリピラーMP内の2つのメモリセルトランジスタMTのゲート絶縁膜として機能する。絶縁層41は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層構造を用いて形成される。
【0076】
導電層42は、絶縁層41の周囲に設けられ、かつ、絶縁層43によって、Y方向に沿って2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された導電層42のそれぞれは、上記2つのメモリセルトランジスタMTの各々の電荷蓄積層として機能する。導電層42は、例えば多結晶シリコン層を用いて形成される。
【0077】
絶縁層43は例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。導電層42の周囲には、絶縁層46a、46b、及び46cが導電層42に近い側から順次設けられる。絶縁層46a及び46cは例えばシリコン酸化膜を用いて形成され、絶縁層46bは例えばシリコン窒化膜を用いて形成される。絶縁層46a、46b、及び46cはメモリセルトランジスタMTのブロック絶縁膜として機能する。絶縁層46a、46b、及び46cは、Y方向に沿って2つの領域に分離されている。2つの領域に分離された絶縁層46cの間には絶縁層43が設けられる。また、スリットSLT2内には絶縁層43が埋め込まれる。絶縁層43は、例えばシリコン酸化膜を用いて形成される。
【0078】
本実施形態の第2の例においては、メモリピラーMPの周囲に、例えばAlO層45が設けられる。AlO層45の周囲には、例えばバリアメタル層47が設けられる。バリアメタル層47は、例えばTiN膜を用いて形成される。バリアメタル層47の周囲に、ワード線WLとして機能する配線層11が設けられる。本実施形態に係るメモリピラーMPの第1の例と同様に、本実施形態に係るメモリピラーMPの第2の例の配線層11は、例えばタングステンを材料とした膜を用いて形成される。
【0079】
本実施形態に係るメモリピラーMPの第2の例においても、メモリピラーMPの第1の例と同様に、1つのメモリピラーMPは、Z軸上のある位置において、Y方向に沿って2つのメモリセルトランジスタMT及びMT、あるいは2つの選択トランジスタST1及びST2を含む。なお、図示は省略するが、Z方向で隣り合うメモリセルトランジスタ間には絶縁層が設けられる。当該絶縁層と絶縁層43及び絶縁層46によって、導電層42は個々のメモリセルトランジスタ毎に絶縁される。
【0080】
図11は、本実施形態に係る半導体記憶装置1におけるメモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路図である。本実施形態に係るメモリピラーの等価回路図は
図11に示す等価回路図に限定されない。
図11の説明において、
図1~
図10と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。
【0081】
図11に示すように、1つのメモリピラーMPに、2つのNANDストリング50e、50oが形成されている。NANDストリング50e、50oの各々は、直列に電気的に接続された選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、及び選択トランジスタST2を有する。NANDストリング50eとNANDストリング50oとは互いに向かい合う(対向する)ように設けられる。よって、NANDストリング50eに含まれる選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、及び選択トランジスタST2と、NANDストリング50oに含まれる選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT0~MT7、及び選択トランジスタST2とは、1対1で互いに向かい合う(対向する)ように設けられる。具体的には、NANDストリング50eに含まれる選択トランジスタST1と、NANDストリング50oに含まれる選択トランジスタST1とは対向するように設けられ、NANDストリング50eに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7と、NANDストリング50oに含まれるメモリセルトランジスタMT0~MT7とは、それぞれ1対1で対向するように設けられ、NANDストリング50eに含まれる選択トランジスタST2と、NANDストリング50oに含まれる選択トランジスタST2とは対向するように設けられる。
【0082】
以下の説明では、主に、第1メモリピラーMP(例えば、
図4のMP4)及び第1メモリピラーMPに隣接する第2メモリピラーMP(例えば、
図4のMP0)の2つのメモリピラーMPを含む例を説明する。
【0083】
第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50eの選択トランジスタST1は、例えば、それぞれ共通のセレクトゲート線SGD0に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50oの選択トランジスタST1は、例えば、それぞれ共通のセレクトゲート線SGD1に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50eのメモリセルトランジスタMT0~MT7は、それぞれ共通のワード線WLe0~WLe7に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50oのメモリセルトランジスタMT0~MT7は、それぞれ共通のワード線WLo0~WLo7に接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50eの選択トランジスタST2は、例えば、それぞれ共通の偶数セレクトゲート線SGSeに接続される。第1メモリピラーMP及び第2メモリピラーMPに設けられるNANDストリング50oの選択トランジスタST2は、例えば、それぞれ共通の奇数セレクトゲート線SGSoに接続される。
【0084】
上記のように、NANDストリング50eに含まれる選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT0~7及び選択トランジスタST2と、NANDストリング50oに含まれる選択トランジスタST1、メモリセルトランジスタMT0~7及び選択トランジスタST2とは、それぞれ対応する。対向する2つのトランジスタにおいては、ソース同士及びドレイン同士が電気的に接続される。具体的には、NANDストリング50e、50oにおいて、対向する選択トランジスタST1のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、それぞれ対向するメモリセルトランジスタMT0~7のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続され、対向する選択トランジスタST2のソース同士及びドレイン同士は電気的に接続される。これは、対向するトランジスタにおいて形成されるチャネルがメモリピラーMPの一部を共有するためである。
【0085】
同一のメモリピラーMP内の2つのNANDストリング50e、50oは、同一のビット線BL及び同一のソース線SLに接続される。
【0086】
セレクトゲート線SGDが選択される様子について、
図3及び
図4を用いて説明する。セレクトゲート線SGD0~SGD3のいずれかが選択される場合、各セレクトゲート線に対応する1つの配線層10-0~10-3に、選択トランジスタST1をオン状態にする電圧が供給される。例えば、配線層10-1が選択されると、メモリピラーMP0、MP1、MP4、MP5、MP8、MP9、MP12、及びMP13に設けられた8つの選択トランジスタST1がオン状態になる。これにより、上記のメモリピラーに属する8つのメモリセルトランジスタMTが選択される。つまり、上記の8つのメモリセルトランジスタMTによって、1ページが形成される。上記の配線層10-1以外の配線層が選択された場合の動作は上記と同様なので、説明は省略する。
【0087】
本実施形態では、メモリセルトランジスタMTの書き込み方式として、例えば、TLC方式を適用する。TLC方式が適用された複数のメモリセルトランジスタMTは、8個の閾値分布(書き込みレベル)を形成する。8個の閾値分布は、例えば、閾値電圧の低い方から順に”Er”レベル、”A”レベル、”B”レベル、”C”レベル、”D”レベル、”E”レベル、”F”レベル、”G”レベルと称される。”Er”レベル、”A”レベル、”B”レベル、”C”レベル、”D”レベル、”E”レベル、”F”レベル、及び”G”レベルには、それぞれ異なる3ビットデータが割り当てられる。
【0088】
本実施形態に係る半導体記憶装置1は、書き込み動作においてプログラムループを繰り返し実行する。プログラムループは、例えば、プログラム動作およびベリファイ動作を含む。プログラム動作は、選択されたメモリセルトランジスタMTにおいて電子を電荷蓄積層に注入することにより、当該選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させる動作のことである。または、プログラム動作は、電荷蓄積層への電子の注入を禁止することにより、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧を維持させる動作のことである。ベリファイ動作は、プログラム動作に続いて、ベリファイ電圧を用いて読み出しを行う動作により、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで達したか否かを確認する動作である。閾値電圧がターゲットレベルまで達した選択されたメモリセルトランジスタMTは、その後、書き込み禁止とされる。
【0089】
本実施形態に係る半導体記憶装置1において、上述のようなプログラム動作とベリファイ動作とを含むプログラムループを繰り返し実行することにより、選択されたメモリセルトランジスタMTの閾値電圧がターゲットレベルまで上昇される。
【0090】
電荷蓄積層に蓄積された電子は、不安定な状態で蓄積されていることがある。このため、上述されたプログラム動作が終了した時点から、メモリセルトランジスタMTの電荷蓄積層に蓄積された電子は時間の経過とともに電荷蓄積層から抜けることがある。電子が電荷蓄積層から抜けると、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧は下がる。このため、書き込み動作の完了後に実行される読み出し動作では、時間の経過とともに起こり得るこのようなメモリセルトランジスタの閾値電圧の低下に対処するために、ベリファイ電圧より低い読み出し電圧を用いて読み出し動作を行う。読み出し動作はベリファイ動作を含んでもよい。
【0091】
図12及び
図13は、本実施形態に係るシーケンサ24、電圧生成回路27、ドライバセット28、ロウデコーダ29、セレクトゲート線SGDまたはワード線WLの電気的接続を説明するための図である。本実施形態に係るシーケンサ24、電圧生成回路27、ドライバセット28、ロウデコーダ29、セレクトゲート線SGDまたはワード線WLの電気的接続は
図12に示す面に限定されない。
図12及び
図13の説明において、
図1~
図11と同一、または類似する構成の説明は省略されることがある。シーケンサ24、電圧生成回路27、ドライバセット28及びロウデコーダ29を含む回路は、制御回路の一例である。
【0092】
図12に示すように、偶数ワード線WLeとして機能する配線層11は偶数ワード線ドライバ28Aに接続され、奇数ワード線WLoとして機能する配線層11は奇数ワード線ドライバ28Bに電気的に接続されてもよい。上述の通り、偶数ワード線ドライバ28A、及び奇数ワード線ドライバ28Bは、ドライバセット28に含まれる。ドライバセット28は、電圧生成回路27に電気的に接続される。
図12及び
図13に示すように、偶数ワード線ドライバ28A、及び奇数ワード線ドライバ28Bは、電圧生成回路27から供給される電圧を用いて各種電圧を生成しても良い。そして、偶数ワード線ドライバ28Aは、生成した電圧を、ロウデコーダ29Aを介して、それぞれのブロックBLKの偶数ワード線WLeに供給してもよい。また、奇数ワード線ドライバ28Bは、生成した電圧を、ロウデコーダ29Bを介して、それぞれのブロックBLKの奇数ワード線WLoに供給してもよい。ロウデコーダ29A及びロウデコーダ29Bは、ロウデコーダ29に含まれる。
【0093】
図13に示すように、また上述の通り、シーケンサ24は、ドライバセット28等を制御して、書き込み動作および読み出し動作等の各種動作を実行することが可能である。
【0094】
図14は、本実施形態に係る偶数ワード線ドライバ28Aとロウデコーダ29Aの電気的接続を説明するための模式図である。
【0095】
偶数ワード線ドライバ28Aに、信号線SGe0、信号線SGe1、信号線SGe2、及び信号線CGeとしての信号線CGe0、、、CGe7が接続されている。なお信号線CGeについては、例えばブロックBLK内におけるZ方向に配置された偶数ワード線WLの数と同じ数だけの信号線CGeが接続されている。
【0096】
信号線SG0は、それぞれのブロックBLKにおける偶数セレクトゲート線SGSeに、トランジスタTR_SGe0を介して接続されている。トランジスタTR_SGe0は、ブロックデコーダ29A1により、信号線SGe0からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0097】
信号線CGe0、、、CGe7は、それぞれのブロックBLKにおける偶数ワード線WLe0、、、WLe7に、トランジスタTR_CGe0、、、TRCGe7を介して接続されている。トランジスタTR_CGe0、、、TRCGe7は、ブロックデコーダ29A1により、信号線CGe0、、、CGe7からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0098】
信号線SGe1は、それぞれのブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGD0に、トランジスタTR_SGe1を介して接続されている。トランジスタTR_SGe1は、ブロックデコーダ29A1により、信号線SGe1からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0099】
信号線SGe2は、それぞれのブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGDe2に、トランジスタTR_SGe2を介して接続されている。トランジスタTR_SGe2は、ブロックデコーダ29A1により、信号線SGe2からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0100】
図15は、本実施形態に係る奇数ワード線ドライバ28Bとロウデコーダ29Bの電気的接続を説明するための模式図である。
【0101】
奇数ワード線ドライバ28に、信号線SGo0、信号線SGo1、信号線SGo2、及び信号線CGoとしての信号線CGo0、、、CGo7が接続されている。なお信号線CGoについては、例えばブロックBLK内におけるZ方向に配置された奇数ワード線WLの数と同じ数だけの信号線CGoが接続されている。
【0102】
信号線SGo0は、それぞれのブロックBLKにおける奇数セレクトゲート線SGSoにトランジスタTR_SGo0を介して接続されている。トランジスタTR_SGo0は、ブロックデコーダ29B1により、信号線SGo0からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0103】
信号線CGo0、、、CGo7は、それぞれのブロックBLKにおける奇数ワード線WLo0、、、WLo7に、トランジスタTR_CGo0、、、TRCGo7を介して接続されている。トランジスタTR_CGo0、、、TRCGo7は、ブロックデコーダ29B1により、信号線CGo0、、、CGo7からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0104】
信号線SGo1は、それぞれのブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGD1に、トランジスタTR_SGo1を介して接続されている。トランジスタTR_SGo1は、ブロックデコーダ29B1により、信号線SGo1からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0105】
信号線SGo2は、それぞれのブロックBLKにおけるセレクトゲート線SGD3に、トランジスタTR_SGo2を介して接続されている。トランジスタTR_SGo1は、ブロックデコーダ29B1により、信号線SGo2からの信号をオンオフするためのスイッチとして機能する。
【0106】
図16は、本実施形態に係る電圧生成回路27と偶数ワード線ドライバ28Aの電気的接続を説明するための模式図である。
【0107】
後述する、電圧としてのVread、VreadK、Vcg及びVmは、例えば、それぞれ電圧生成回路27内の第1チャージポンプ回路27A、第2チャージポンプ回路27B、第3チャージポンプ回路27C及び第4チャージポンプ回路27Dによって生成される。そして、Vread、VreadK、Vcg及びVmは、それぞれ偶数ワード線ドライバ28A内の第1レギュレータ回路28A1、第2レギュレータ回路28A2、第3レギュレータ回路28A3及び第4レギュレータ回路28A4によって保持される。その後、Vread、VreadK、Vcg及びVmは適宜加算され、信号線CGe0、、、CGe7に供給される。
【0108】
図17は、本実施形態に係る電圧生成回路27と奇数ワード線ドライバ28Bの電気的接続を説明するための模式図である。
【0109】
Vread、VreadK、Vcg及びVmは、それぞれ奇数ワード線ドライバ28B内の第1レギュレータ回路28B1、第2レギュレータ回路28B2、第3レギュレータ回路28B3及び第4レギュレータ回路28B4によって保持される。その後、Vread、VreadK、Vcg及びVmは適宜加算され、信号線CGe0、、、CGe7に供給される。
【0110】
(第1実施形態)
図18は、本実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
図19は、本実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【0111】
本実施形態の半導体記憶装置における読み出し動作の一例を説明する。なお、以後の説明において、ワード線WLe1(第1導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT1(第1情報を格納する第1メモリセルの一例)、ワード線WLe2(第3導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT3(第3情報を格納する第3メモリセルの一例)、ワード線WLe3(第5導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT5(第5情報を格納する第5メモリセルの一例)、ワード線WLe4(第7導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT7(第7情報を格納する第7メモリセルの一例)、ワード線WLe5(第9導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT9(第9情報を格納する第9メモリセルの一例)、ワード線WLe6(第11導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT11(第11情報を格納する第11メモリセルの一例)、ワード線WLe7(第13導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT13(第13情報を格納する第13メモリセルの一例)、ワード線WLo1(第2導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT2(第2情報を格納する第2メモリセルの一例)、ワード線WLo2(第4導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT4(第4情報を格納する第4メモリセルの一例)、ワード線WLo3(第6導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT6(第6情報を格納する第6メモリセルの一例)、ワード線WLo4(第8導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT8(第8情報を格納する第8メモリセルの一例)、ワード線WLo5(第10導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT10(第10情報を格納する第10メモリセルの一例)、ワード線WLo6(第12導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT12(第12情報を格納する第12メモリセルの一例)、ワード線WLo7(第14導電層の一例)に制御ゲートが接続されたメモリセルトランジスタMTをMT14(第14情報を格納する第14メモリセルの一例)とする。また、セレクトゲート線SGSeにゲートが接続された選択トランジスタSTをST1とする。セレクトゲート線SGDeにゲートが接続された選択トランジスタSTをST2とする。セレクトゲート線SGSoにゲートが接続された選択トランジスタSTをST3とする。セレクトゲート線SGDoにゲートが接続された選択トランジスタSTをST4とする。
【0112】
図19(a)は、セレクトゲート線SGDe及びセレクトゲート線SGDoに印加される電圧を模式的に示した図である。
図19(b)は、メモリセルトランジスタMT1、MT3、MT5、MT7、MT9、MT11及びMT13の制御ゲートに印加される電圧を模式的に示した図である。
図19(c)は、メモリセルトランジスタMT2、MT4、MT6、MT8、MT10、MT12及びMT14の制御ゲートに印加される電圧を模式的に示した図である。
【0113】
以下、一例として、メモリセルトランジスタMT7の読み出し動作の一例を示す。なおVreadは第1電圧の一例であり、VreadKは第2電圧の一例であり、Vkick0は第3電圧の一例であり、Vkick1は第4電圧の一例であり、Vssは第5電圧の一例であり、Vcgは第6電圧の一例であり、Vmは第7電圧の一例であり、Vnegは第8電圧の一例である。
【0114】
以下、メモリセルトランジスタMT7の読み出し動作については、例えば、第1動作、第2動作及び第3動作が行われるものとして説明をする。ここで、第2動作は第1動作の後に行われ、第3動作は第2動作の後に行われるものとする。
【0115】
まず、第1動作について説明する。セレクトゲート線SGSe及びセレクトゲート線SGDeに、Vsgを印加する。また、セレクトゲート線SGSo及びセレクトゲート線SGDoに、Vsgを印加する。Vsgは、選択トランジスタST1、ST2、ST3及びST4をオンにする電圧である。メモリセルトランジスタMT1、MT3、MT5、MT7、MT9、MT11及びMT13を含むNANDストリングは、選択されるNANDストリング(選択SU)である。メモリセルトランジスタMT2、MT4、MT6、MT8、MT10、MT12及びMT14を含むNANDストリングは、選択されないNANDストリング(非選択SU)である。
【0116】
また、第1動作においては、ワード線WLe1、ワード線WLe2、ワード線WLe4、ワード線WLe6、ワード線WLe7、ワード線WLo1、ワード線WLo2、ワード線WLo2、ワード線WLo3、ワード線WLo4、ワード線WLo5、ワード線WLo6及びワード線WLo7に、Vreadを印加する。Vreadは、読み出し動作時において非選択SUのワード線に印加される電圧であり、保持データにかかわらずメモリセルトランジスタMTをオンさせる電圧である。Vreadは、例えば5Vであるが、これに限定されない。
【0117】
また、第1動作においては、ワード線WLe3及びワード線WLe5に、Vreadkを印加する。Vreadk>Vreadである。Vreadkは、読み出し動作が行われるメモリセルトランジスタMT4に隣接する非選択ワード線に印加される電圧である。なお、VreadkはVreadと等しくてもかまわない。
【0118】
次に、第2動作においては、ワード線WLe4に、Vreadより低いVkick0を印加する。また、ワード線WLo3及びワード線WLo5に、Vreadより低いVkick1を印加する。また、ワード線WLo4に、Vssを印加する。Vssは、接地電位である。Vssは、例えば0V(ゼロボルト)である。例えば、Vkick0>Vssであり、Vkick1>Vssである。
【0119】
次に、第3動作においては、ワード線WLe4に、Vkick0より高いVcgを印加する。Vcgは、読み出し動作のために用いられるリード電圧である。また、ワード線WLo3及びワード線WLo5に、Vkick1より高くVreadより低いVmを印加する。また、ワード線WLo4に、Vssより低いVnegを印加する。Vneg<Vm<Vreadである。例えばVmは1VでVnegは-3Vであるが、Vm及びVnegはこれに限定されるものではない。第3動作の際には、セレクトゲート線SGSo及びセレクトゲート線SGDoに、Vssを印加している。なお、Vmは、例えば、Vkick1より低くてもかまわない。言い換えると、Vm<Vkick1<Vreadであってもかまわない。
【0120】
なお、第3動作の後に行われる第4動作として、ワード線WLe4に印加されているVcgを高くしてもかまわない。
【0121】
次に、本実施形態の半導体記憶装置の作用効果を記載する。
【0122】
上述の通り、選択ワード線WLを含むワード線WLには、シーケンサ24、電圧生成回路27及びワード線ドライバ28を用いて電圧が供給される。ここで、ワード線WL自体が抵抗成分Rを有している。また、選択ワード線WLと非選択ワード線WLの間の絶縁物により、結合容量Cが生じる。そのため、RC遅延により、ワード線WLへの電圧が高速に印加されづらいという問題があった。また、メモリセルトランジスタMTの制御ゲートは、ワード線WLの先端に接続されている。そのため、ますますRC遅延の影響が大きくなり、かかる制御ゲートに電圧が高速に印加されづらいという問題があった。
【0123】
そこで、ワード線WLe4に、読み出し動作のために用いられるリード電圧Vcgを、Vreadから高速に変化させて印加するために、一端Vcgより低いVkick0に変化させ、その後Vcgに変化させて印加するということが行われていた。ここで、Vkick0は、例えば接地電位であるVssであった。しかし、一律にVssとしていたのでは、十分にメモリセルトランジスタMT7の制御ゲートに電圧を高速に印加できない場合があった。
【0124】
そこで、本実施形態の半導体記憶装置においては、Vkick0として、Vssに限定されない任意の電圧を設定できるようにしている。これにより、読み出し動作の速度を高速化することが可能となる。
【0125】
また、ワード線WLo3及びワード線WLo5に印加される電圧についても、VreadからVmに変化させて印加するために、一端Vmより低いVkick1に変化させ、その後Vmに変化させて印加するということが行われていた。ここで、Vkick1は、例えば接地電位であるVssであった。しかし、一律にVssとしていたのでは、十分にメモリセルトランジスタMT6の制御ゲート及びメモリセルトランジスタMT10の制御ゲートに電圧を高速に印加できない場合があった。
【0126】
そこで、本実施形態の半導体記憶装置においては、ワード線WLo3及びワード線WLo5に印加されるVkick1を、ワード線WLe4に印加されるVkick0と独立に制御可能としている。偶数ワード線WLeと奇数ワード線WLoで印加される電圧が異なる場合があるため、偶数ワード線WLeと奇数ワード線WLoでRC遅延が異なることが考えられる。そのため、Vkick0とVkick1を独立に制御することにより、さらに読み出し動作の高速化が可能となる。
【0127】
ここで、ワード線WLe4に印加されるVkick0は、
図16に示した第3レギュレータ回路28A3を用いて印加される。また、ワード線WLo3及びワード線WLo5に印加されるVkick1については、
図17に示した第4レギュレータ回路28B4を用いて印加される。
【0128】
言い換えると、制御回路は、シーケンサと、前記シーケンサに接続され、前記第7導電層に前記第1電圧を印加するための第1レギュレータ回路28A1と、前記第7導電層に前記第3電圧及び前記第6電圧を印加するための第3レギュレータ回路28A3と、前記第6導電層及び前記第10導電層に前記第1電圧を印加するための第1レギュレータ回路28B1と、前記第6導電層及び前記第10導電層に前記第4電圧及び前記第7電圧を印加するための第4レギュレータ回路28B4と、を有する。
【0129】
本実施形態の半導体記憶装置によれば、読み出し動作の高速化がなされた半導体記憶装置の提供が可能となる。
【0130】
(第2実施形態)
図22は、本実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
図23は、本実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【0131】
本実施形態のワード線WLo2に印加される電圧の時間変化は、第1実施形態のワード線WLo3及びワード線WLo5に印加される電圧の時間変化と同様である。そして、本実施形態のワード線WLo3及びワード線WLo4に印加される電圧の時間変化は、第1実施形態のワード線WLo4に印加される電圧の時間変化と同様である。言い換えると、本実施形態の半導体記憶装置においては、Vnegが印加されるメモリセルトランジスタMTが、メモリセルトランジスタMT6とメモリセルトランジスタMT8となっている。Vnegが印加されるメモリセルトランジスタMTの数を増加させて、良好な読み出し動作を行うことを可能にするものである。
【0132】
本実施形態の半導体記憶装置によっても、読み出し動作の高速化がなされた半導体記憶装置の提供が可能となる。
【0133】
(第3実施形態)
図24は、本実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
図25は、本実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【0134】
本実施形態のワード線WLo2及びワード線WLo6に印加される電圧の時間変化は、第1実施形態のワード線WLo3及びワード線WLo5に印加される電圧の時間変化と同様である。そして、本実施形態のワード線WLo3、ワード線WLo4及びワード線WLo5に印加される電圧の時間変化は、第1実施形態のワード線WLo4に印加される電圧の時間変化と同様である。言い換えると、本実施形態の半導体記憶装置においては、Vnegが印加されるメモリセルトランジスタMTが、メモリセルトランジスタMT6、メモリセルトランジスタMT8及びメモリセルトランジスタMT10となっている。Vnegが印加されるメモリセルトランジスタMTの数を増加させて、良好な読み出し動作を行うことを可能にするものである。
【0135】
本実施形態の半導体記憶装置によっても、読み出し動作の高速化がなされた半導体記憶装置の提供が可能となる。
【0136】
(第4実施形態)
図26は、本実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
図27は、本実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【0137】
本実施形態では、ワード線WLo1、ワード線WLo2、ワード線WLo6及びワード線WLo7に印加される電圧の時間変化は、第1実施形態のワード線WLo4に印加される電圧の時間変化と同様である。言い換えると、本実施形態の半導体記憶装置においては、Vnegが印加されるメモリセルトランジスタMTが、メモリセルトランジスタMT2、メモリセルトランジスタMT4、メモリセルトランジスタMT8、メモリセルトランジスタMT12及びメモリセルトランジスタMT14となっている。Vnegが印加されるメモリセルトランジスタMTの数を増加させて、良好な読み出し動作を行うことを可能にするものである。
【0138】
本実施形態の半導体記憶装置によっても、読み出し動作の高速化がなされた半導体記憶装置の提供が可能となる。
【0139】
(第5実施形態)
図28は、本実施形態の半導体記憶装置において、メモリピラー(隣接する2つのNANDストリング)の等価回路、及びそれぞれのメモリセルトランジスタにワード線を介して印加される電圧を模式的に示す図である。
図29は、本実施形態の半導体記憶装置において、データ読み出し動作時における、各種信号のタイミングチャートを模式的に示す図である。
【0140】
本実施形態では、ワード線WLe1の下に、ワード線WLe0が設けられている。ワード線WLe0に、メモリセルトランジスタMT1に接続されたメモリセルトランジスタMT-1の制御ゲートが接続されている。ワード線WLe7の上に、ワード線WLe8が設けられている。ワード線WLe8に、メモリセルトランジスタMT13に接続されたメモリセルトランジスタMT15の制御ゲートが接続されている。ワード線WLo1の下に、ワード線WLo0が設けられている。ワード線WLo0に、メモリセルトランジスタMT2に接続されたメモリセルトランジスタMT0の制御ゲートが接続されている。ワード線WLo7の上に、ワード線WLo8が設けられている。ワード線WLo8に、メモリセルトランジスタMT14に接続されたメモリセルトランジスタMT16の制御ゲートが接続されている。
【0141】
ワード線WLe0、ワード線WLe1、ワード線WLe2、ワード線WLe6、ワード線WLe7、ワード線WLe8、ワード線WLo0及びワード線WLo8に印加される電圧の時間変化は、第1実施形態のワード線WLe1、ワード線WLe2、ワード線WLe6、ワード線WLe7、ワード線WLo1、ワード線WLo2、ワード線WLo6及びワード線WLo7に印加される電圧の時間変化と同様である。
【0142】
ワード線WLo3、ワード線WLo4及びワード線WLo5に印加される電圧の時間変化は、第1実施形態のワード線WLo4に印加される電圧の時間変化と同様である。
【0143】
ワード線WLo1、ワード線WLo2、ワード線WLo6及びワード線WLo7に印加される電圧の時間変化は、第1実施形態のワード線WLo3及びワード線WLo5に印加される電圧の時間変化に似ている。ただし、ワード線WLo2及びワード線WLo6においては、第2動作でVreadより低いVkick1を印加し、第3動作でVkick1より高くVreadより低いVm1を印加する。ワード線WLo1及びワード線WLo7においては、第2動作でVreadより低いVkick2(第9電圧の一例)を印加し、第3動作でVkick2より高くVreadより低いVm2(第10電圧の一例)を印加する。ここで、例えばVkick2>Vkick1であり、例えばVm2>Vm1である。Vkick1、Vkick2、Vm1及びVm2をより細かく設定することにより、読み出し動作をより高速に行うことができる。なお、Vm1は、例えば、Vkick1より低くてもかまわない。言い換えると、Vm1<Vkick1<Vreadであってもかまわない。また、Vm2は、例えば、Vkick2より低くてもかまわない。言い換えると、Vm2<Vkick2<Vreadであってもかまわない。
【0144】
本実施形態の半導体記憶装置によっても、読み出し動作の高速化がなされた半導体記憶装置の提供が可能となる。
【0145】
本発明のいくつかの実施形態及び実施例を説明したが、これらの実施形態及び実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0146】
1:半導体記憶装置 2:メモリコントローラ 3:メモリシステム 10:配線層 11:配線層 12:配線層 13:ソース線層 16:コンタクトプラグ 17:コンタクトプラグ 18:金属配線層 19:コンタクトプラグ 20:金属配線層 21:メモリセルアレイ 22:入出力回路 23:ロジック制御回路 24:シーケンサ 25:レジスタ 26:ビジー制御回路 27:電圧生成回路 27A:第1チャージポンプ回路 27B:第2チャージポンプ回路 27C:第3チャージポンプ回路 27D:第4チャージポンプ回路 28:ドライバセット 28A:偶数ワード線ドライバ 28A1:第1レギュレータ回路 28A2:第2レギュレータ回路 28A3:第3レギュレータ回路 28A4:第4レギュレータ回路 28B:奇数ワード線ドライバ 28B1:第1レギュレータ回路 28B2:第2レギュレータ回路 28B3:第3レギュレータ回路 28B4:第4レギュレータ回路 29:ロウデコーダ 29A:ロウデコーダ 29B:ロウデコーダ 30:センスアンプ 31:半導体層 32:絶縁層 33:絶縁層 34:絶縁層 35:AlO層 36:バリアメタル層 37:絶縁層 40:半導体層 41:絶縁層 42:導電層 43:絶縁層 45:AlO層 46:絶縁層 47:バリアメタル層 48:絶縁層 50:NANDストリング 70:センスアンプ 71:入出力用パッド群 72:ロジック制御用パッド群 BL:ビット線 BLK:ブロック C:結合容量 CEn:チップイネーブル信号 CG:信号線 CLE:コマンドラッチイネーブル信号 CMD:コマンド DAT:データ DQ:信号 SU:ストリングユニット MP:同一メモリピラー MT:メモリセルトランジスタ R:抵抗成分 REn:リードイネーブル信号 SG:信号線 SGD:セレクトゲート線 SGS:セレクトゲート線 SL:ソース線 SL:スリット ST:選択トランジスタ STS:ステータス情報 WLe:偶数ワード線 WLo:奇数ワード線 WPn:ライトプロテクト信号