(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144440
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20220926BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20220926BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20220926BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B41J29/42 F
B41J3/36 Z
B41J29/46 Z
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045457
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小島 理孝
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055GG05
2C061AP10
2C061AQ04
2C061AS08
2C061CD07
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ41
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HK15
2C061HK19
2C061HV10
2C061HV33
(57)【要約】
【課題】高温になっている印字ヘッドが露出しているときに、利用者が印字ヘッドに触れることを避けることができるプリンタを提供する。
【解決手段】印字媒体に印字する印字ヘッドと、開放位置と閉鎖位置との2位置の間を回動可能な回動部材と、表示部と、回動部材が開放位置にあることを含む少なくとも1つの条件が満足される場合に、表示部に印字ヘッドについての高温注意の表示を含む画面を出力させ、回動部材が閉鎖位置にあるときには表示部に印字ヘッドについての高温注意の表示を含まない画面を出力させる表示制御部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体に印字する印字ヘッドと、
開放位置と閉鎖位置の間を回動可能な回動部材と、
表示部と、
前記回動部材が前記開放位置にあることを含む少なくとも1つの条件が満足される場合に、前記表示部に前記印字ヘッドについての高温注意の表示を含む画面を出力させ、前記回動部材が前記閉鎖位置にあるときには前記表示部に前記高温注意の表示を含む画面を出力させないようにする表示制御部と、
を備えるプリンタ。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記印字ヘッドの現在における温度に応じて前記高温注意の表示を異ならせる、
請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの条件は、前記印字ヘッドの現在における温度が所定温度以上であるという追加条件を更に含む、
請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの条件は、現在における連続発行枚数が所定枚数以上であるという追加条件を更に含む、
請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの条件は、現在における非印字経過時間が所定時間以下であるという追加条件を更に含む、
請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの条件は、連続発行枚数及び非印字経過時間の現在までの履歴に関する追加条件を更に含む、
請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの条件は、現在における外気温又は該外気温の履歴に関する追加条件を含む、
請求項1又は2に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記回動部材が前記開放位置にあるという条件が満足されても、前記追加条件が満足されない場合、前記表示部に前記印字ヘッドについての前記高温注意の表示を含む画面以外の画面を出力させる、
請求項2から7の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記回動部材を前記閉鎖位置から前記開放位置に遷移させるためのボタンを更に備え、
前記表示部と前記ボタンは、前記プリンタの表面において近接した位置にある、
請求項1から8の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記ボタンは、前記表示部に隣接して露出する位置にある、
請求項9に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記印字ヘッドは、前記回動部材が前記開放位置にあるときに前記表示部に隣接して露出する位置にある、
請求項1から10の何れか1項に記載のプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字媒体に情報を印字するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印字媒体をサーマル式の印字ヘッド(以下、単に「印字ヘッド」という。)及びプラテンローラで圧接挟持し、印字ヘッド上の発熱素子を選択的に発熱させて、印字媒体に熱転写により印字を施すサーマル式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が知られている。
【0003】
印字ヘッドには発熱素子が備わるため、印字ヘッドは高温になる。このため、利用者が高温になっている印字ヘッドに触れることを避ける必要がある。
【0004】
一部のプリンタでは、利用者が高温になっている印字ヘッドなどの部品に触れることを避けるために、その部品自体に高温注意のラベルを貼付している(例えば、特許文献1)。また、他の一部のプリンタでは、高温部品の近くに高温注意のラベルを貼付している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、プリンタで利用する印字ヘッド又はその近くに必ずしも高温注意のラベルを貼付できるとは限らない。また、ヘッド又はその近くに高温注意のラベルを貼付できても、それが利用者の注意を喚起できるとは限らない。例えば、印字ヘッドにおけるラベルの貼付位置、プリンタにおけるラベルの貼付位置によっては利用者はラベルに気づかないこともある。また、ラベルのサイズは印字ヘッドやその周辺部の機構により制限され、ラベルが小さいために利用者がラベルに気づかないこともある。
【0007】
ところで、印字ヘッドは常に露出しているとは限らないが、少なくとも一部が露出することがある。そして、少なくとも印字時には印字ヘッドは高温である。従って、高温になっている印字ヘッドの少なくとも一部が露出することがある。
【0008】
そこで本発明は、高温になっている印字ヘッドが露出しているときに、利用者が印字ヘッドに触れることを避けることができるプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様によれば、
印字媒体に印字する印字ヘッドと、
開放位置と閉鎖位置の間を回動可能な回動部材と、
表示部と、
前記回動部材が前記開放位置にあることを含む少なくとも1つの条件が満足される場合に、前記表示部に前記印字ヘッドについての高温注意の表示を含む画面を出力させ、前記回動部材が前記閉鎖位置にあるときには前記表示部に前記高温注意の表示を含む画面を出力させないようにする表示制御部と、
を備えるプリンタが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のある態様によれば、高温になっている印字ヘッドが露出しているときに、利用者が印字ヘッドに触れることを避けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1Aは、本発明の第1から第6の実施の形態によるプリンタのカバーが閉じたときの斜視図であり、
図1Bは、本発明の実施の形態によるプリンタのカバーが開いたときの斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態によるプリンタのカバーが開いたときの斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態によるプリンタの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図4A~
図4Cは、本発明の実施の形態によるプリンタにおいて表示パネルに出力される画面の一例を示す。
【
図5】本発明の第2の実施の形態によるプリンタの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】本発明の第3の実施の形態によるプリンタの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7A~
図7Cは、本発明の実施の形態によるプリンタにおいて表示パネルに出力される画面の一例を示す。
【
図8】本発明の第4の実施の形態によるプリンタの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】本発明の第5の実施の形態によるプリンタの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図10】本発明の第1から第5の実施の形態によるプリンタにおける表示の制御に関連した制御部とその周辺部分の機能ブロック図である。
【
図11】本発明の第6の実施の形態によるプリンタのカバーが開いたときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細な説明をする。
【0013】
[第1の実施の形態]
[1.プリンタ1の概略構成]
本発明の一実施形態に係るプリンタ1は、連続印字モードと剥離手動モードを切り替え可能に構成されたラベルプリンタである。以下、プリンタ1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
なお、各図では、例えば
図1A及び
図1Bの斜視図に示すように、上(UP)、下(DN)、左(LH)、右(RH)、前(FR)、後(RR)の方向を定義している。しかし、この方向の定義は、専ら図面の説明の便宜のためであり、本発明のプリンタ1の使用時の姿勢を限定する意図はない。
【0015】
この方向の定義では、「プリンタ前後方向」とは、プリンタ1の前後の方向を意味する。「プリンタ幅方向」とは、プリンタ1の左右の方向、あるいは横方向を意味する。
【0016】
図1A、
図1B及び
図2は、それぞれ実施形態のプリンタ1の斜視図である。
図1Aは、プリンタカバー3(「回転部材」の一例)が閉鎖状態の場合を示し、
図1B及び
図2は、プリンタカバー3が開放状態の場合を示している。
図1Bは、ロール紙Rがセットされた状態を示し、
図2は、ロール紙R、及び、ロール紙Rがセットされる前のプリンタ1の状態を示している。
【0017】
図1Aに示すように、プリンタ1は、本体ケース2とプリンタカバー3によって内部の機能部品が保護されている。プリンタ1の上面には、ラベルを排出する排出部20が設けられている。
【0018】
なお、プリンタ1は、排出部20側を上に向けた状態(横置き)で使用することも可能である。また、プリンタ1の底面に設けられたベルトフック(図示せず)を利用者のベルトに引っかけたり、ショルダーベルト(図示せず)を装着して利用者の肩に掛けたりすることにより排出部20側を横に向けた状態(縦保持)で使用することも可能である。
【0019】
本体ケース2において排出部20よりも前方(本体ケースの前半部)の上面には、表示パネル15(本発明の「表示部」の一例である。)が設けられている。表示パネル15は、利用者による操作入力を受け付けるタッチパネル入力機構を備えてもよい。表示パネル15は、プリンタ1の内部の回路基板(図示せず)に接続されており、回路基板から供給される表示信号に基づいて、例えばプリンタ1の動作状態やプリンタ1の操作に関するユーザインタフェースを示す画面を出力する。
【0020】
図示しないが、本体ケース2とプリンタカバー3によって包囲されているプリンタ1の内部には、様々な機能部品を支持又は保持するための内部フレームが配置されている。この内部フレームと、本体ケース2及びプリンタカバー3とは、プリンタ本体に相当する。
【0021】
プリンタカバー3は、プリンタ1の内部を最大限に開放する完全開放位置と、プリンタ1の内部を閉鎖する閉鎖位置と、の間で揺動可能に構成される。
【0022】
ここで、プリンタカバー3が閉鎖位置から完全開放位置までの揺動するときのプリンタカバー3の任意の位置のことを開放位置という。ここで、開放位置は、閉鎖位置を含まず、完全開放位置を含む。プリンタカバー3が開放しているとは、プリンタカバー3が任意の開放位置にあることをいう。つまり、プリンタカバー3が
図1B及び
図2に示すように最大開放位置にあるときだけではなく、中間的な開放位置にあるときにも「カバーが開放している」という。また、「カバーが開放していない」とは、プリンタカバー3が閉鎖位置にあること(つまり、プリンタ1の内部が露出しないように回動角度がゼロ度であること)をいう。
【0023】
本体ケース2の前半部の左側面と上面との境界付近にはカバー開放用ボタン51bが設けられている。
図1Aに示すようにプリンタカバー3が閉鎖位置にあるときにカバー開放用ボタン51bを操作すると、閉鎖位置にプリンタカバー3を留めておくためのロックが外れ、ヒンジ軸81付近に設けられたトーションバネによる付勢力によりプリンタカバー3は完全開放位置の方向に回転する。付勢力による回転は
図1Bに示すように、プリンタカバー3が完全開放位置に至るまでのものであってもよいし、閉鎖位置と完全開放位置の間の開放位置まで至るものであってもよい。後者の場合には、利用者の操作によってプリンタカバー3を開放位置から完全開放位置まで回転させることができる。プリンタカバー3を開放することで、ロール紙収容室9が露出する。ロール紙収容室9は、ロール紙R(ロール体の一例)を収容する空間である。
【0024】
既に説明したが、
図1A及び
図1Bに示すように、本体ケース2において排出部20よりも前方(本体ケースの前半部)の上面には、表示パネル15(本発明の「表示部」の一例である。)が設けられている。また、本体ケース2の前半部の左側面と上面との境界付近にはカバー開放用ボタン51bが設けられている。
【0025】
なお、カバー開放用ボタン51bは、表示パネル15に近接した位置にある限り他の位置に設けられていてもよい。例えば、カバー開放用ボタン51bは、本体ケース2の前半部の右側面と上面との境界付近にはカバー開放用ボタン51bが設けられていてもよい。また、カバー開放用ボタン51bは、本体ケース2の前半部の前側面と上面との境界付近にカバー開放用ボタン51bが設けられていてもよい。更に、カバー開放用ボタン51bは、表示パネル15が設けられる本体ケース2の上面に含まれる表示パネル15の上下左右の何れかの辺縁部に設けられていてもよい。
【0026】
カバー開放用ボタン51bがこのような位置にある場合、例えば、利用者が右手又は左手によりプリンタ1の前面からカバー開放用ボタン51bを押してプリンタカバー3を開放させるときには、表示パネル15が利用者の視界内にあることになる。従って、利用者は、プリンタカバー3を開放させたときに印字ヘッドについての高温注意の表示が表示パネル15に出力されるならば、すぐにそれを視認することができる。
【0027】
図2に示すように、ロール紙Rは、帯状の連続紙Pがロール状に巻回されたものである。連続紙Pは、帯状の台紙PMと、台紙PM上に予め決められた間隔毎に仮着された複数枚のラベルPLとを有している。台紙PMのラベル貼付面には、ラベルPLを容易に剥離することが可能なようにシリコーン等のような剥離剤が被覆されている。また、台紙PMのラベル貼付面の裏面には、予め決められた間隔毎にラベルPLの基準位置を示すアイマークMが形成されている。連続紙Pは、印字媒体の一例である。
【0028】
ラベルPLの表側は情報が印字される印字面であり、予め決められた温度領域に達すると特定の色に発色する感熱発色層が形成されている。印字面の裏側は粘着剤によって被覆された粘着面であり、当該粘着面が台紙PMのラベル貼付面に貼り付けられることでラベルPLが台紙PMに仮着されている。
【0029】
ロール紙収容室9には、一対のロール紙ガイド6aが設置されている。一対のロール紙ガイド6aは、ロール紙Rの両側面に接触した状態でロール紙Rを回転自在の状態で支持してロール紙Rから引き出される連続紙Pの搬送をガイドする部材である。また、一対のロール紙ガイド6aは、ロール紙Rの幅に応じて位置を変えられるようにロール紙Rの幅方向に沿って移動可能であることが好ましい。
【0030】
図2に示すように、プリンタカバー3が完全開放位置と閉鎖位置の間で本体ケース2に対して揺動可能となるように、プリンタカバー3が本体ケース2に対してヒンジ8で軸支されている。ヒンジ8はヒンジ軸81を有し、ヒンジ軸81には、プリンタカバー3を閉鎖位置から完全開放位置又は閉鎖位置と完全開放位置の間の開放位置まで付勢するトーションバネ(図示せず)が設けられている。
【0031】
図2に示すように、プリンタカバー3の先端には、プラテンローラ10が正逆方向に回動自在の状態で軸支されている。プラテンローラ10は、ロール紙Rから引き出される連続紙Pを搬送する搬送手段であり、連続紙Pの幅方向に沿って延在した状態で形成されている。このプラテンローラ10のプラテン軸10aの一端には、ギア10b(
図1B、
図2参照)が連結されている。このギア10bは、プリンタカバー3が閉鎖位置のときに本体ケース2内に配置される本体側ギア(図示せず)と係合し、本体側ギアを介してローラ駆動用のステッピングモータ(図示せず)等に機械的に接続されるようになっている。搬送機構は、少なくともプラテンローラ10、ギア10b、本体側ギア及びステッピングモータを含む。
【0032】
印字ヘッド28は、例えば、文字、記号、図形又はバーコード等の情報を、ロール紙Rから搬送される台紙PMに仮着されているラベルPLに印字する印字手段である。
【0033】
図1A、
図1B及び
図2から明らかなように、本体ケース2の前半部上面の後端縁部と、閉鎖位置にあるときのプリンタカバー3の先端縁部との境界の下方内部に印字ヘッド28が配置されている。従って、印字ヘッド28は、プリンタカバー3が開放位置にあるときに表示パネル15に隣接して露出する位置にあることになる。従って、利用者は、プリンタカバー3を開放させたときに印字ヘッドについての高温注意の表示が表示パネル15に出力されるならば、すぐにそのような状態にある印字ヘッド28を視認することができ、それに触れることを回避することができる。
【0034】
印字ヘッド28は、プリンタカバー3が閉鎖状態のときにプラテンローラ10に対向するように設けられている。印字ヘッド28の前方には、コイルばね(図示せず)が配置される。コイルばねの後方の一端は印字ヘッド28に当接し、コイルばねの前方の他端は内部フレームに当接している。コイルばねは、印字時に印字ヘッド28をプラテンローラ10に向けて付勢し、それによって印字ヘッド28が印字に最適な圧力でプラテンローラ10に押圧される。
【0035】
図2に示すように、本体ケース2の左側面の下側には外気温を測定するための温度計703が配置されている。
【0036】
また、
図2に示すように、プリンタカバー3の先端付近の内面にはカバー側コネクタ701aが設けられている。そして、本体ケース2の内部上面には本体側コネクタ701bが設けられている。ここで、本体側コネクタ701bが設けられる本体ケース2の内部上面は、プリンタカバー3が閉鎖位置にあるときにプリンタカバー3により覆われる位置にある。カバー側コネクタ701aと本体側コネクタ701bは、プリンタカバー3が開放位置にあるときには離間し、プリンタカバー3が閉鎖位置にあるときには接続する。
【0037】
カバー側コネクタ701aは、6つの端子を有する。2つの端子は、ギャップセンサのために用いられ、2つの端子は、アイマークセンサのために用いられ、残りの2つの端子はプリンタカバー3の開放を検出するために用いられる。本体側コネクタ701bもカバー側コネクタ701aの6つの端子にそれぞれ対応した6つの端子を有する。
【0038】
プリンタカバー3には、窓35が設けられている。窓35は、プリンタカバー3が閉鎖位置にあるときに、ロール紙Rから引き出された連続紙Pがプラテンローラ10に達するまでの間の通紙ルートに配置されている。窓35の内部にはギャップセンサ(図示せず)及びアイマークセンサ(図示せず)が隣接して設けられている。ギャップセンサは、ラベルPLの基準位置を検出する。ギャップセンサの検出結果に基づいて、連続紙Pの搬送量を制御することが好ましい。アイマークセンサは、連続紙Pに付されているアイマークMを検出する。
【0039】
[2.印字ヘッドについての高温注意の表示]
次に、
図3を参照して、本実施の形態によるプリンタ1の印字ヘッド28について高温注意の表示を含む画面を出力するときの動作についての説明をする。なお、以下で説明される各実施形態において説明される動作は、主に制御部707(
図10参照;以下、適宜「制御部」という。)による制御によるものである。
【0040】
制御部は、プリンタカバー3が開放しているか否かを常に監視し(ステップS601)、プリンタカバー3が開放しているならば(ステップS601でYES)、印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力する(ステップS603)。ここで、ステップS603で表示パネル15に出力する画面は、後述するように、プリンタカバー3が開放位置にあることを示す「カバーオープン」という文字列の表示を含んでいてもよい。他の実施の形態におけるステップS603でも同様である。
【0041】
他方で、制御部は、プリンタカバー3が開放していないのであれば(ステップS601でNO)、通常の表示画面を表示パネル15に出力する(ステップS605)。
【0042】
ステップS603では、制御部は、印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力するが、この画面をブリンクさせてもよい。また、この画面の出力に追加して警告音を出力してもよいし、ランプ(図示せず)を点滅させてもよい。他の実施の形態でのステップS603でも同様である。
【0043】
また、ステップS605における通常の表示画面とは、任意の表示ではなく、プリンタ1の通常の処理により表示パネル15に出力する通常の表示のことである。例えば、プリンタ1がオンラインで印字を実行しているのであれば、オンラインで印字実行中であることを示す表示画面が通常の表示画面である。また、オフラインでプリンタ1のパラメータ設定用の表示画面を出力しているのであれば、そのパラメータ設定用の表示画面が通常の表示画面である。
【0044】
図3に示す方法によれば、閉鎖位置にあるプリンタカバー3が開放した直後から再び閉鎖位置に戻る直前までの期間において継続的に印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面が表示パネル15に出力されることになる。
図4Aは、表示パネル15に出力される高温注意の表示を含む画面の一例を示す。
【0045】
図4Aを参照すると、
図4Aに示す画面は、「カバーオープン」という文字列153の表示をステータスバー151内に含む。
【0046】
また、
図4Aに示す画面は、高温注意のアイコン155の表示及び「注意:カバーを閉じてください。プリンタヘッドが高温です。」という文字列157の表示を中央部に含む。アイコン155と文字列157は、印字ヘッド28についての高温注意に関するものである。
【0047】
図4Bは、表示パネル15に出力される通常の表示画面の一例を示す。具体的には、この通常の表示画面は、オンラインで印字実行中のときの通常の表示画面である。
【0048】
従って、この例では、オンラインで印字している期間において一時的にプリンタカバー3が開放されるのならば、
図4Bの画面が
図4Aの画面に一時的に切り替わることになる。
【0049】
本実施の形態によれば、プリンタカバー3が開放したら常に高温注意の表示を含む画面が表示パネル15に出力される。従って、印字ヘッド28が高温になっていてもなっていなくてもプリンタカバー3の開放により露出した印字ヘッド28に利用者が触れることを避けることができる。
【0050】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、プリンタカバー3が開放しているという基本的な条件が満たされるだけで、印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面が表示パネル15に出力される。
【0051】
これに対して第2の実施の形態では、制御部は、プリンタカバー3が開放しているという基本的な条件及び後述する追加条件が満たされたときに、印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力する。
【0052】
次に、
図5を参照して、本実施の形態によるプリンタ1の印字ヘッド28について高温注意の表示を含む画面を出力するときの動作についての説明をする。
【0053】
制御部は、プリンタカバー3が開放しているか否かを常に監視する(ステップS601)。
【0054】
制御部は、プリンタカバー3が開放しているならば(ステップS601でYES)、追加条件が満たされているかを判断する(ステップS611)。
【0055】
制御部は、プリンタカバー3が開放していて(ステップS601でYES)、その時に追加条件が満たされているならば(ステップS611でYES)、印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力する(ステップS603)。
【0056】
制御部は、プリンタカバー3が開放していて(ステップS601でYES)、その時に追加条件が満たされていないならば(ステップS611でNO)、通常の表示画面を表示パネル15に出力する(ステップS605)。
【0057】
制御部は、プリンタカバー3を開放していないのであれば(ステップS601でNO)、通常の表示画面を表示パネル15に出力する(ステップS605)。
【0058】
ここで、第1の実施の形態と同様に、ステップS605における通常の表示画面とは、任意の表示画面ではなく、プリンタ1の通常処理により表示パネル15に出力する通常の表示のことである。
【0059】
従って、オンラインで印字している期間において一時的にプリンタカバー3が開放され、開放している期間において常に追加条件が満たされているのならば、開放している期間の全範囲に亘り
図4Aの画面が出力される。
【0060】
また、オンラインで印字している期間において一時的にプリンタカバー3が開放され、開放している期間に常に追加条件が満たされていないのならば、開放している期間の全範囲に亘り
図4Bの画面が出力される。
【0061】
更に、オンラインで印字している期間において一時的にプリンタカバー3が開放され、開放している期間の一部において追加条件が満たされるのならば、開放している期間のその一部において
図4Aの画面が出力され、他の部分において
図4Bの画面が出力される。
【0062】
ステップS611における追加条件としては、下記のものがある。
(条件a)印字ヘッド28の現在における温度が所定温度以上であること
(条件b)現在における連続発行枚数が所定枚数以上であること
(条件c)現在における非印字経過時間が所定時間以下であること
(条件d)連続発行枚数及び非印字経過時間の現在までの履歴に関する条件
(条件e)現在における外気温又は該外気温の履歴に関する条件(外気温に関する条件)
【0063】
ここで(条件a)における印字ヘッド28の現在における温度とは、印字ヘッド28に取り付けたサーミスタ705(
図10)及びヘッド温度検出部729により検出した印字ヘッド28の現在における温度のことである。
【0064】
また、(条件b)、(条件d)における連続発行枚数とは、連続発行枚数カウンタ723(
図10)が所定のタイミングでリセットされてから計測する連続発行枚数のことである。所定のタイミングとは、例えば、電源投入時、オフラインからオンラインへの切替時、1セットのオンライン印字の開始時などである。
【0065】
更に、(条件c)、(条件d)における非印字経過時間とは、最後に印字をしてから現在までに経過している時間のことである。
【0066】
(条件b)に関し、連続発行枚数が増加すれば増加するほど印字ヘッド28の温度が上昇する傾向にある。従って、例えば、連続発行枚数が何枚になったときに印字ヘッド28の温度が(条件a)における所定温度に到達するかを予め測定しておき、その枚数をステップS611Bで利用する所定枚数としておけばよい。そうすると、プリンタカバー3が開放したときに、連続発行枚数が所定枚数以上であれば印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力することになる。
【0067】
(条件c)に関し、例えば、印字を継続すると印字ヘッド28の温度は、印字開始時における初期温度から徐々に上昇するが、次第に上昇率が下がり、所定の飽和温度で飽和する。なお、飽和温度はプリンタ設定環境によって異なる。印字が終了して非印字期間が開始した時には、印字ヘッド28の温度は高々その所定の飽和温度である。
【0068】
また、非印字期間においては、印字ヘッド28の温度は非印字期間開始時における初期温度から徐々に低減するが、次第に低減率が下がり、環境温度で下がりきる。非印字期間開始時における初期温度最高値は、連続印字した場合の上述した飽和温度である。これに基づいて、非印字経過時間と印字ヘッド28の温度との対応関係を求めておく。そして、印字ヘッド28の温度が(条件a)における所定温度まで下がる非印字経過時間を所定時間として求めておき、その所定時間をステップS611Cで利用する。そうすると、プリンタカバー3が開放したときに、非印字経過時間が所定時間以下であれば印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力することになる。
【0069】
(条件d)の簡単な例の説明をする。現在が非印字期間に属するのであれば、直前の印字期間の終了時における印字ヘッド28の温度をその終了時における連続発行枚数から推定する。上記(条件c)の場合と比較して初期温度は異なるが、上記(条件c)と同様な処理をすることができる。
【0070】
(条件d)の簡単な他の例の説明をする。現在が印字期間に属するのであれば、直前の非印字期間の終了時における印字ヘッド28の温度をその終了時における非印字期間から推定する。上記(条件b)の場合と比較して初期温度は異なるが、上記(条件b)と同様な処理をすることができる。
【0071】
更に、(条件e)における外気温とは、温度計703(
図10)により測定された外気温のことである。
【0072】
なお、(条件b)、(条件c)、(条件d)において、外気温の履歴による修正をしてもよい。つまり、外気温が高いのであれば、印字ヘッド28の温度は高くなる傾向があり、連続発行時における印字ヘッド28の温度の上昇率は高くなる傾向があり、非印字経過時間の経過に伴う印字ヘッド28の温度の減少率は低くなる。この傾向により、(条件b)、(条件c)、(条件d)における連続発行枚数に対する印字ヘッド28の温度の関係又は非印字経過時間に対する印字ヘッド28の温度の関係を補正してもよい。
【0073】
(条件a)によれば、プリンタカバー3が開放して、印字ヘッド28の実際の温度が所定温度以上であるときに、印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力する。従って、プリンタカバー3の開放により印字ヘッド28が露出した印字ヘッド28が高温であるときに利用者が印字ヘッド28に触れることを避けることができる。
【0074】
(条件b)から(条件e)によれば、プリンタカバー3が開放して、印字ヘッド28の温度が(条件a)における所定温度以上であることが推測されたときに、印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力する。従って、プリンタカバー3の開放により印字ヘッド28が露出した印字ヘッド28が高温であることが推測されたときに利用者が印字ヘッド28に触れることを避けることができる。
【0075】
また、本実施の形態によれば、プリンタカバー3が開放しても、印字ヘッド28の温度が高いことが測定又は推測されないときには、印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力しない。従って、不要に印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力することを避けることができる。
【0076】
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、印字ヘッド28についての高温注意の表示は1種類のみである。例えば、
図4Aに示す画面に含まれるアイコン155の表示及び文字列157の表示のセットのみである。
【0077】
これに対して、第3の実施の形態では、印字ヘッド28についての高温注意の表示は印字ヘッド28の現在の温度に応じて複数種類設定される。
【0078】
ここで、印字ヘッド28の現在の温度は、実際に測定したものであってもよいし、推測したものであってもよい。
【0079】
次に、
図6を参照して、本実施の形態によるプリンタ1の印字ヘッド28について高温注意の表示を含む画面を出力するときの動作についての説明をする。
【0080】
制御部は、プリンタカバー3が開放しているか否かを常に監視する(ステップS601)。
【0081】
制御部は、プリンタカバー3が開放しているならば(ステップS601でYES)、ヘッド温度Tにより異なった種類の高温注意の表示を画面に含めるために以下のステップを実行する。
【0082】
つまり、制御部は、現在のヘッド温度Tを所定温度T1、T2及びT3の順に比較する(ステップS621A、S621B及びS621C)。ここで、T1>T2>T3である。従って、現在のヘッド温度Tを最高の所定温度T1から最低の所定温度T3まで順々に比較することになる。
【0083】
そして、制御部は、ヘッド温度Tが所定温度T1、T2及びT3のうちの何れかの温度以上であると最初に判断されたときに、印字ヘッド28についての高温注意の表示としてそのときの所定温度T1、T2又はT3に対応した高温注意の表示を選択する。そして、選択した高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力する(ステップS603A、S603B又はS603C)。
【0084】
つまり、制御部は、ヘッド温度Tが所定温度T1以上であるならば(ステップS621AでYES)、印字ヘッド28についての高温注意の表示として所定温度T1に対応した表示#1を選択する。そして、その表示を含む画面を表示パネル15に出力する(ステップS603A)。
【0085】
次に、制御部は、ヘッド温度Tが所定温度T1未満であり(ステップS621AでNO)、ヘッド温度Tが所定温度T2以上であるならば(ステップS621BでYES)、印字ヘッド28についての高温注意の表示として所定温度T2に対応した表示#2を選択する。そして、その表示を含む画面を表示パネル15に出力する(ステップS603B)。
【0086】
次に、制御部は、ヘッド温度Tが所定温度T2未満であり(ステップS621BでNO)、ヘッド温度Tが所定温度T3以上であるならば(ステップS621CでYES)、印字ヘッド28についての高温注意の表示として所定温度T3に対応した表示#3を選択する。そして、その表示を含む画面を表示パネル15に出力する(ステップS603C)。
【0087】
ステップS603A、S603B又はS603Cでは、印字ヘッド28についての高温注意の表示#1、#2又は#3を含む画面を表示パネル15に出力するが、これらの画面をブリンクさせてもよい。また、この画面の出力に追加して警告音を出力してもよいし、ランプ(図示せず)を点滅させてもよい。他の実施の形態でのステップS603A、603B、603Cでも同様である。また、警告音の音量やランプの点滅の態様をヘッド温度Tが高いほど注意を喚起しやすいようにステップS603A、S603B及びS603Cの間で異ならせてもよい。後述する他の実施の形態におけるステップS603A、S603B又はS603Cでも同様である。
【0088】
ここで、印字ヘッド28についての高温注意の表示#1、#2及び#3は、例えば、第1の実施の形態のステップS603(
図3)に対応した印字ヘッド28についての高温注意の表示を基本としたものである。例えば、
図4Aに示す画面に含まれる表示を基本としたものである。その場合、印字ヘッド28についての高温注意の表示#1、#2及び#3は、例えば、
図7A、
図7B及び
図7Cに示すようなものにすることができる。
【0089】
図7A、
図7B、
図7Cに示す画面は、
図4Aに示す画面と比較すると、それぞれ、ヘッド温度Tの程度を示す図形161#1、161#2及び161#3の表示が追加されている点が異なる。
【0090】
従って、利用者は、図形161#1、161#2及び161#3の何れの表示が表示パネル15に出力されている画面に含まれているかにより、印字ヘッド28の現在のおおよその温度Tを知ることができる。
【0091】
ヘッド温度Tの程度を表すために、他の図形の表示を用いても良いし、数値を含む表示を用いてもよいし、文字の表示を用いてもよいし、図形、数字及び文字の2以上の組み合わせの表示を用いてもよい。数値を含む表示としては、例えば、「〇〇度以上」、「〇〇度未満△△度以上」、「△△度未満□□度以上」などの温度範囲を表す表示を用いても良い。文字の表示としては、例えば、「高」、「中」、「低」などの程度を表す文字を用いてもよい。
【0092】
制御部は、プリンタカバー3が開放していても(ステップS601でYES)、ヘッド温度Tが所定温度T3よりも低いならば(ステップS621CでNO)、通常の表示画面(例えば、
図4Bに示す画面)を表示パネル15に出力する(ステップS605)。
【0093】
制御部は、プリンタカバー3が開放していないのであれば(ステップS601でNO)、通常の表示画面(例えば、
図4Bに示す画面)を表示パネル15に出力する(ステップS605)。
【0094】
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様に、プリンタカバー3の開放により露出した印字ヘッド28が高温であるときに利用者が印字ヘッド28に触れることを避けることができる。また、プリンタカバー3の開放により露出した印字ヘッド28が高温であることが推測されたときに利用者が印字ヘッド28に触れることを避けることができる。更に、不要に印字ヘッド28についての高温注意の表示を含む画面を表示パネル15に出力することを避けることができる。
【0095】
更に、本実施の形態によれば、利用者は、プリンタカバー3の開放により露出した印字ヘッド28の実際の又は推測された現在の温度Tを把握することができる。
【0096】
[第4の実施の形態]
図5とは異なり、
図8に示す第4の実施の形態では、制御部は、プリンタカバー3が開放していても(ステップS601でYES)、その時に追加条件が満たされていないならば(ステップS611でNO)、カバーオープンの表示を含む画面(
図4Cに示す画面)を表示パネル15に出力する(ステップS605)。
【0097】
他の点に関しては、第4の実施の形態は、第2の実施の形態と共通であるので重複する説明を省略する。
【0098】
本実施の形態では、例えば、ステップ603で、
図4Aに示すような画面を表示パネル15に出力し、ステップS607で
図4Cに示すような画面を表示パネル15に出力する。両画面は、「カバーオープン」という文字列153の表示をステータスバー151内に含む点においては共通である。つまり、プリンタカバー3が開放すれば、常に、「カバーオープン」という文字列153の表示をステータスバー151内に含む画面が表示パネル15に出力されることになる。
【0099】
両画面の相違点は、高温注意のアイコン155の表示及び「注意:カバーを閉じてください。プリンタヘッドが高温です。」という文字列157の表示が含まれるか否かの点のみである。つまり、印字ヘッド28についての高温注意の表示を出力する条件が満たされた時のみに、高温注意のアイコン155の表示及び「注意:カバーを閉じてください。プリンタヘッドが高温です。」という文字列157の表示がその画面に追加される。
【0100】
[第5の実施の形態]
図6とは異なり、
図9に示す第5の実施の形態では、制御部は、ヘッド温度Tが所定温度T3よりも低いならば(ステップS621CでNO)、カバーオープンの画面(
図4Cに示す画面)を表示パネル15に出力する(ステップS607)。
【0101】
本実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、ステップS603A、S603B及びS603Cで、それぞれ、例えば、
図7A、
図7B及び
図7Cに示すような画面を表示パネル15に出力する。そして、本実施の形態では、ステップS607では、例えば、
図4Cに示すような画面を表示パネル15に出力する。
【0102】
従って、第5の実施の形態では、プリンタカバー3が開放すれば、常に、「カバーオープン」という文字列153の表示をステータスバー151内に含む画面が表示パネル15に出力されることになる。
【0103】
プリンタカバー3が開放していても、印字ヘッド28の温度Tが最低の所定温度T3未満であれば、
図7Aから
図7Cに含まれる高温注意のアイコン155の表示、文字列157及びヘッド温度Tの程度を示す図形161#1、161#2又は161#3の表示は追加されない。
【0104】
[第1から第5の実施の形態のまとめ]
本発明の第1から第5の実施の形態によるプリンタ1における表示についてまとめると以下の通りである。
【0105】
第1の実施の形態では、プリンタカバーが閉鎖位置にあるときには、通常の画面が表示パネル15に出力される。通常の画面は、高温注意の表示を含まない。また、通常の画面は、カバー開放の表示を含まない。第2から第5の実施の形態における通常の画面も同様である。
【0106】
また、第1の実施の形態では、プリンタカバー3が任意の開放位置にあるときには、高温注意の表示を含む画面が表示パネル15に出力される。この画面には、カバー開放の表示が含まれていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0107】
第2の実施の形態では、プリンタカバーが閉鎖位置にあるときには、通常の画面が表示パネル15に出力される。プリンタカバー3が任意の開放位置にあり、他の所定の条件が満たされたときには、高温注意の表示を含む画面が表示パネル15に出力される。この画面には、カバー開放の表示が含まれていてもよいし、そうでなくてもよい。プリンタカバー3が任意の開放位置にあり、他の所定の条件が満たされないときには、通常の画面が表示パネル15に出力される。
【0108】
第3の実施の形態では、プリンタカバーが閉鎖位置にあるときには、通常の画面が表示パネル15に出力される。プリンタカバー3が任意の開放位置にあり、印字ヘッド28の温度Tが最低の所定温度T3以上ならば、表示は、印字ヘッド28の温度Tが属する温度範囲に応じて高温注意の表示#1、#2又は#3を含む画面が表示パネル15に出力される。この画面には、カバー開放の表示が含まれていてもよいし、そうでなくてもよい。プリンタカバー3が任意の開放位置にあり、印字ヘッド28の温度Tが最低の所定温度T3未満ならば、通常の画面が表示パネル15に出力される。
【0109】
第4の実施の形態では、プリンタカバー3が任意の開放位置にあり、他の所定の条件が満たされないときには、カバー開放の表示を含む画面が表示パネル15から表示される。他の場合については、第2の実施の形態と同様である。
【0110】
第5の実施の形態では、プリンタカバー3が任意の開放位置にあり、他の所定の条件が満たされないときには、カバー開放の表示を含む画面が表示パネル15から表示される。他の場合については、第3の実施の形態と同様である。
【0111】
[制御部とその周辺部分の構成]
次に、
図10を参照して、本発明の実施の形態によるプリンタ1の印字ヘッド28についての高温注意の表示パネル15への表示の制御に関連した制御部707とその周辺部分の説明をする。
【0112】
周辺部分は、カバー側コネクタ701a、本体側コネクタ701b、温度計703及びサーミスタ705を含む。また、制御部707は、カバー開放検出部721、連続発行枚数カウンタ723、非印字経過時間計測部725、ヘッド温度検出部729及び表示制御部731を含む。
【0113】
カバー側コネクタ701aのプリンタカバー3の開放の検出のために用いられている2つの端子は、短絡されている。
【0114】
プリンタカバー3が閉鎖位置にあるときには、カバー側コネクタ701aのプリンタカバー3の開放の検出のために用いられている2つの端子が本体側コネクタ701bのプリンタカバー3の開放の検出のために用いられている2つの端子と接続する。
【0115】
サーミスタ705は、図示していないが、印字ヘッド28からの熱が伝わるように印字ヘッド28又はその周辺部品に取り付けられている。
【0116】
カバー開放検出部721は、本体側コネクタ701bのプリンタカバー3の開放の検出のために用いられている2つの端子の間の電圧又はこれらに流れる電流に基づいて、プリンタカバー3が開放しているのか否かを検出する。そして、カバー開放検出部721は、プリンタカバー3の開放/閉鎖を示す開放検出信号を出力する。
【0117】
連続発行枚数カウンタ723は、上述した所定のタイミングでリセットされてからの連続発行枚数を累積的にカウントする。
【0118】
非印字経過時間計測部725は、非印字経過時間を計測する。つまり、最後に印字が実行された時からの経過時間を計測する。従って、非印字経過時間計測部725は、例えば、印字の度にリセットされるタイマを含む。
【0119】
ヘッド温度検出部729は、サーミスタ705を用いて印字ヘッド28の温度Tを検出する。ヘッド温度検出部729は、例えば、サーミスタ705を一部の抵抗として有するブリッジ回路を含む。
【0120】
表示制御部731は、第1の実施の形態では、カバー開放検出部721からの開放検出信号に基づいて表示パネル15の表示を切り替える。
【0121】
また、表示制御部731は、第2から第5の実施の形態では、カバー開放検出部721からの開放検出信号、並びに、他の少なくとも1つの何れかの部分からの信号に基づいて表示パネル15の表示を切り替える。ここで、他の少なくとも1つの何れかの部分とは、連続発行枚数カウンタ723、非印字経過時間計測部725、温度計703及びヘッド温度検出部729である。
【0122】
表示制御部731が或る画面の映像信号を表示パネル15に出力すると、表示パネル15はその画面を表示する。
【0123】
なお、図示していないが、プリンタ1は、印字中において、ヘッド温度が所定温度T1より高い所定の温度まで上昇すると強制的に印字搬送停止させることで、印字ヘッド28のオーバーヒートを防止する機能もある。
【0124】
[第6の実施の形態]
図11に示すような、第6の実施の形態によるプリンタ801は、工場等で使用される比較的大型のプリンタであり、次のようなものである。
【0125】
プリンタ801は、オープンカバー803を備える。オープンカバー803が閉じたときに形成されるプリンタ801の内部空間にはヘッドユニット805(「回転部材」の一例)が配置されている。印字ヘッド807はヘッドユニット805にその一部として含まれる。
【0126】
オープンカバー803は、矢印813で示すように、閉鎖位置と完全開放位置との間で揺動可能である。また、ヘッドユニット805は、矢印815で示すように、閉鎖位置と完全開放位置との間で揺動可能である。
【0127】
オープンカバー803の位置とは無関係に、印字ヘッド807を含むヘッドユニット805は、開放位置と閉鎖位置との間を揺動する。
【0128】
オープンカバー803が開放位置にあり、ヘッドユニット805が開放位置にあるときには、印字ヘッド807は、外部に露出する。
【0129】
そこで、制御部は、オープンカバー803が開放位置にあり、ヘッドユニット805が開放位置にあるときに印字ヘッド807について高温注意の表示をする。これにより、利用者が外部に露出している印字ヘッド807に触れることを回避することができる。
【0130】
オープンカバー803及びヘッドユニット805の少なくとも何れか一方が閉鎖位置にあるときには印字ヘッド807は外部に露出しない。従って、このようなときには、高温注意の表示をする必要はない。
【0131】
なお、オープンカバー803が開放位置にあり、ヘッドユニット805が閉鎖位置にあるときに印字ヘッド807について高温注意の表示又は予備的な高温注意の表示をしてもよい。これにより、オープンカバー803が開放位置にあるときにヘッドユニット805を閉鎖位置から開放位置に動かすと外部に露出することになる印字ヘッド807に利用者が触れることを予め回避することができる。
【0132】
本実施の形態に対して、第1から第5の実施の形態と同様な表示を適用することができる。この場合、ステップS601(
図3、
図5、
図6、
図8、
図9参照)の判断を、オープンカバー803が開放位置にあり、且つ、ヘッドユニット805が開放位置にあるか否の判断に置き換えても良い。また、ステップS601の判断を、ヘッドユニット805が開放位置にあるか否の判断に置き換えても良い。
【符号の説明】
【0133】
1 プリンタ
2 本体ケース
3 プリンタカバー
4 剥離ユニット
6a ロール紙ガイド
8 ヒンジ
9 ロール紙収容室
10 プラテンローラ
10a プラテン軸
10b ギア
12 剥離バー
15 表示パネル
20 排出部
27 プラテン保持ブラケット
28 印字ヘッド
35 窓
41 剥離ローラカバー
42 剥離ローラ保持部
51b カバー開放用ボタン
81 ヒンジ軸
151 ステータスバー
153 文字列
155 アイコン
157 文字列
161 図形
284 発熱素子
285 コネクタ
701a カバー側コネクタ
701b 本体側コネクタ
703 温度計
705 サーミスタ
731 表示制御部
801 プリンタ
803 オープンカバー
805 ヘッドユニット
807 印字ヘッド
M アイマーク
P 連続紙
PL ラベル
PM 台紙
R ロール紙