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  • 特開-うちわおよびうちわの骨 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144441
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】うちわおよびうちわの骨
(51)【国際特許分類】
   A45B 27/00 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
A45B27/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045458
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】503035648
【氏名又は名称】株式会社ヤマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100167427
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 和正
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104ZA06
(57)【要約】
【課題】リサイクルが容易であり環境にやさしいうちわ、およびうちわの骨を提供する。
【解決手段】柄3と、シート10が取り付けられる本体5と、を備え、柄3および本体5の素材が、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材である。うちわの骨2を粉砕してペレット状にすれば、うちわの骨2のリサイクル性を高めることができる。また、熱可塑性樹脂の割合が少ないので、うちわの骨2を焼却した際の二酸化炭素の発生量を削減できるし化石燃料の使用を抑制できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄と、シートが取り付けられる本体と、を備え、
前記柄および前記本体の素材が、
無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材である
ことを特徴とするうちわの骨。
【請求項2】
前記柄および前記本体の素材は、無機物の割合が50%以上である
ことを特徴とする請求項1記載のうちわの骨。
【請求項3】
前記柄と前記本体との連結部分では、
前記柄の表面と前記本体の表面とが連続した面となっている
ことを特徴とする請求項1または2記載のうちわの骨。
【請求項4】
前記本体は、
外縁が前記柄と連結された、内縁に囲まれた中空な空間を有する外縁部と、
該外縁部の内縁における前記柄の近傍に設けられた、外縁が弧状の連結部と、
該連結部の外縁と前記外縁部の内縁とをつなぐ、該連結部から放射状に延びる複数本の枝骨と、を有している
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のうちわの骨。
【請求項5】
前記本体は、
該本体の幅方向において隣接する枝骨同士、および、該本体の幅方向において前記外縁部と該外縁部と隣接する枝骨と、をつなぐ中間縁と、
該複数本の枝骨のうち、前記外縁部と隣接する枝骨と前記外縁部の内縁とを繋ぐ連結骨を有しており、
該連結骨は、
前記外縁部と隣接する枝骨において、該枝骨が前記外縁部の内縁と接続される部分と前記中間縁の外縁との間の位置に連結されている
ことを特徴とする請求項4記載のうちわの骨。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のうちわの骨と、該うちわの骨の本体表面に設けられたシートと、を備え、
該シートの素材が、
無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材である
ことを特徴とするうちわ。
【請求項7】
前記シートが、
前記うちわの骨と同じ素材で形成されている
ことを特徴とする請求項6記載のうちわ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うちわおよびうちわの骨に関する。さらに詳しくは、リサイクルが可能であり、環境にやさしいうちわおよびうちわの骨に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なうちわは、うちわの骨の表面に紙や樹脂製のシートを貼って製造され、うちわの骨には、通常、竹、ポリプロピレン等の樹脂が使用される。このようなうちわを廃棄する場合、通常は、焼却や埋め立てなどの方法で処理される。
【0003】
しかし、うちわを焼却した場合には多量の二酸化炭素が排出されるし、樹脂製のうちわ(うちわの骨やシートが樹脂のうちわ)を埋め立てした場合、うちわの骨やシートが分解されず土壌にそのまま残ってしまう。また、樹脂製のうちわの骨やシートが海洋等に流れてしまった場合には、マイクロプラスチックとなり、海洋汚染の原因になる。
【0004】
そこで、生分解性ポリマーを原料としてうちわの骨を製造する技術が特許文献1に開示されている。この技術のように生分解性ポリマーによってうちわの骨を製造すれば、うちわを土壌に埋めれば分解されるので、うちわの骨が土壌に残留することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2764364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
環境汚染の問題を考慮すれば、特許文献1の技術のように生分解性ポリマーをうちわの骨の素材として使用することは有効であるが、土壌に埋めて分解を待たなければならず、また、埋め立て地の不足が考慮されていることから、現実的には採用することが困難である。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、リサイクルが容易であり環境にやさしいうちわおよびうちわの骨を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明うちわの骨は、柄と、シートが取り付けられる本体と、を備え、前記柄および前記本体の素材が、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材であることを特徴とする。
第2発明のうちわの骨は、第1発明において、前記柄および前記本体の素材は、無機物の割合が50%以上であることを特徴とする。
第3発明のうちわの骨は、第1または第2発明において、前記柄と前記本体との連結部では、前記柄の表面と前記本体の表面とが連続した面となっていることを特徴とする。
第4発明のうちわの骨は、第1、第2または第3発明において、前記本体は、外縁が前記柄と連結された、内縁に囲まれた中空な空間を有する外縁部と、該外縁部の内縁における前記柄の近傍に設けられた、外縁が弧状の連結部と、該連結部の外縁と前記外縁部の内縁とをつなぐ、該連結部から放射状に延びる複数本の枝骨と、を有していることを特徴とする。
第5発明のうちわの骨は、第4発明において、前記本体は、該本体の幅方向において隣接する枝骨同士、および、該本体の幅方向において前記外縁部と該外縁部と隣接する枝骨と、をつなぐ中間縁と、該複数本の枝骨のうち、前記外縁部と隣接する枝骨と前記外縁部の内縁とを繋ぐ連結骨を有しており、該連結骨は、前記外縁部と隣接する枝骨において、該枝骨が前記外縁部の内縁と接続される部分と前記中間縁の外縁との間の位置に連結されていることを特徴とする。
第6発明のうちわは、第1から第5発明のいずれかうちわの骨と、該うちわの骨の本体表面に設けられたシートと、を備え、該シートの素材が、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材であることを特徴とする。
第7発明のうちわの骨は、第6発明において、前記シートが、前記うちわの骨と同じ素材で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
<うちわの骨>
第1発明によれば、うちわの骨を粉砕してペレット状にすれば、うちわの骨のリサイクル性を高めることができる。
第2発明によれば、熱可塑性樹脂の割合が少ないので、うちわの骨を焼却した際に発生する二酸化炭素を削減できるし化石燃料の使用を抑制できる。
第3、第4発明によれば、うちわとして使用した際に、柄と本体との間でうちわの骨が折れるなどの損傷を防止できる。
第5発明によれば、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材を射出成型してうちわの骨を製造し易くなる。
<うちわ>
第6、第7発明によれば、うちわを粉砕してペレット状にすれば、うちわのリサイクル性を高めることができる。また、うちわを焼却した際の二酸化炭素の発生量を削減できるし化石燃料の使用を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態のうちわの骨2の概略説明図であって、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。
図2】本実施形態のうちわの骨2の連結部分A近傍の拡大説明図であって、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。
図3】(A)は本実施形態のうちわの骨2を射出成型によって製造する際に使用する金型Mの概略説明図であり、(B)は金型Mを使用して射出成型によって製造された成型品Sの概略説明図である。
図4】本実施形態のうちわ1の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図4に示すように、本実施形態のうちわ1は、うちわの骨2とシート10とによって形成されたものである。つまり、本実施形態のうちわ1は、うちわの骨2の本体5の表面にシート10を取り付けて形成されたものである。
【0012】
<本実施形態のうちわ1の素材について>
本実施形態のうちわ1は、リサイクル性の高い素材によって形成されている。つまり、本実施形態のうちわ1は、うちわの骨2とシート10の両方、または、うちわの骨2をリサイクル性の高い素材によって形成したうちわである。
【0013】
なお、本明細書において、本実施形態のうちわ1という場合には、うちわの骨2とシート10の両方を含む場合と、うちわの骨2のみの場合と、を両方含んでいる。
【0014】
本実施形態のうちわ1に使用するリサイクル性の高い素材(以下単に本実施形態のうちわ1の素材という場合がある)は、炭酸カルシウムなどの無機物と、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂と、を混合した素材である。
【0015】
なお、本明細書において、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材という場合には、無機物と熱可塑性樹脂のみからなる素材と、無機物と熱可塑性樹脂に加えてこれら以外の物質を含む素材と、の両方を含んでいる。
【0016】
上述した、本実施形態のうちわ1の素材として使用する、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材としては、例えば、株式会社TBM社製のLIMEX(登録商標)を使用することができる。
【0017】
以上のように、本実施形態のうちわ1は、リサイクル性の高い素材、つまり、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材によって形成されているので、うちわ1を粉砕してペレット状(うちわ1の素材がLIMEXの場合にはLIMEXペレット)にすれば、うちわ1のリサイクル性を高めることができる。
【0018】
また、本実施形態のうちわ1では、素材に含まれる熱可塑性樹脂の割合が少ないので、うちわ1を焼却しても、その際に発生する二酸化炭素の量を削減できるし化石燃料の使用を抑制できる。したがって、本実施形態のうちわ1は、製造や廃棄の際における環境への負荷を小さくできる。例えば、素材全体で、無機物を50%以上有するものを使用すれば、熱可塑性樹脂の割合を大幅に減少できる。
【0019】
<本実施形態のうちわ1の詳細な説明>
以下、本実施形態のうちわ1を構成するうちわの骨2とシート10を詳細に説明する。
【0020】
<シート10>
シート10は、うちわの骨2の本体5の表面に取り付けられるものであり、その表面に種々のデザインや、広告、情報等が印刷されるものである。このシート10を、上述した無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材で形成した場合には、シート10自体の耐水性や耐久性を高め、同様に、うちわ1の耐水性や耐久性を高めることができるという利点が得られる。しかし、シート10の素材は、上述した無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材に限られず、一般的なうちわに使用される紙や樹脂等をシート10の素材として使用してもよい。
【0021】
<本実施形態のうちわの骨2>
図1および図2に示すように、本実施形態のうちわの骨2は、柄3と、この柄3の先端に連結された本体5と、を有している。
【0022】
本実施形態のうちわの骨2は、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材の溶融物(以下単に溶融物という場合がある)を射出成型して製造されたものであり、柄3と本体5とが一体で製造されたものである。
【0023】
例えば、射出成型によって本実施形態のうちわの骨2を製造する場合には、図3(A)に示すように、うちわの骨2と同じ形状の溝Maが2つと、2つの溝Maを繋ぐ溝Mbと、が形成された一対の金型M,M(図3(A)では一方の金型Mのみを示している)を使用する。この一対の金型M,Mを使用して本実施形態のうちわの骨2を製造する場合には、一対の金型M,Mの表面Mf同士(つまり溝Ma,Mbが形成されている面同士)を合せて、一対の金型M,M間にキャビティを形成し、このキャビティにおいて溝Mbと対応する部分に溶融物を供給する。図3(A)であれば、紙面と直交する方向から溝Mbと対応する部分に溶融物を供給する。すると、溝Mbの部分に対応する部材Sbによって2つのうちわの骨2が連結された成形品Sが製造されるので(図5(B)参照)、成形品Sの部材Sbと2つのうちわの骨2とを分離すれば、柄3と本体5とが一体で製造された本実施形態のうちわの骨2を2つ同時に製造することができる。もちろん、金型Mに形成する溝Ma,Mbの形状や、一回の射出成型で形成される本実施形態のうちわの骨2の数は、上述した形状や本数に限定されない。
【0024】
<柄3>
図1および図2に示すように、柄3は、人がうちわを使用する際に保持する部分であり、板状(つまり厚さTに比べて幅W1や長さL1が長い形状)であって、長尺な短冊状(幅W1より長さL1が長い形状)に形成されている。この柄3は、その基端(図1では下端)の厚さT1と、その先端(図1では上端)の厚さT2と、が同じ厚さに形成されている。
【0025】
<柄3と本体5との連結部分A>
柄3の先端(図1では上端)には本体5の外縁部6の外縁6bが連結されている。具体的には、柄3と本体5との連結部分Aは、柄3の表面3fと本体5の表面5fとが連続した面となっており、柄3の表面3f2と本体5の表面5f2とが連続した面となっている(図1(B)、図2(B)参照)。つまり、本実施形態のうちわの骨2では、一般的な樹脂製のうちわの骨で採用されている、柄と本体との連結部分に溝や段差を形成する構成は採用していない。
【0026】
柄3と本体5との連結部分Aが以上のような構成を有しているので、本実施形態のうちわの骨2の強度、つまり、柄3と本体5との連結部分Aの強度を高くできる。
【0027】
無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材は、熱可塑性樹脂に比べて成形品の強度(柔軟性)が低下する。このため、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材によって、一般的な樹脂製のうちわの骨と同じ形状を有するうちわの骨を製造すれば、そのうちわの骨を採用したうちわを使用する(扇いだりする)と、短時間で、うちわの骨は柄と本体との連結部分で折れてしまう。
【0028】
しかし、本実施形態のうちわの骨2は、上記のごとき形状(柄3の表面3f、3fと本体5の表面5f、5fとが連続した面となる形状)を有しているので、無機物と熱可塑性樹脂とを混合した素材によってうちわの骨2を形成しても、うちわの骨2が柄3と本体5との連結部分Aで折れることを防止できる。
【0029】
なお、柄3の表面に凹凸の小さい模様や、柄3の長手方向に沿って溝等を形成することは可能である。かかる模様や溝であれば、柄3や柄3と本体5との連結部分Aの強度への影響は少ない。その場合でも、柄3と本体5との連結部分Aには、模様や溝等を形成しないことが望ましい。
【0030】
<本体5の外縁部6>
図1および図2に示すように、本体5は、柄3の先端に外縁6bが連結された外縁部6を有している。この外縁部6は、図1における上方が下方に比べて幅が広い環状に形成されており、その内端縁6aによって囲まれた部分に中空な空間が形成されている。
【0031】
なお、外縁部6の形状は、図1に示すような形状に限られず、円形や楕円形、上部に底辺を有する三角形や四角形等の多角形(角が丸くなっているものを含む)等でもよく、その形状はとくに限定されない。
また、外縁部6の外縁6bで形成される形状と、外縁部6の内縁6aで形成される形状は、図1では相似形(つまり外縁部6の幅が一定)になっているが、両者は必ずしも相似形でなくてもよい。つまり、外縁部6の幅は位置によって異なっていてもよい。
【0032】
<連結部7>
図1および図2に示すように、外縁部6の内縁6aにおいて、外縁部6の柄3の先端近傍には平板状の連結部7が設けられている。この連結部7は、外縁部6の内縁6aから中空な空間内に突出するように形成されている。この連結部7の外縁、つまり、中空な空間に突出している部分の先端縁は、弧状に形成されている。例えば、連結部7の外縁が柄3の中心線CL(図2参照)上に中心を有する円弧(柄3の中心線CLに対して対称な円弧)となるように、連結部7は形成されている。しかも、連結部7の表面は、外縁部6の表面から連続する面、言い換えれば、外縁部6の表面を介して柄3の表面3fから連続する面となっている。
【0033】
連結部7が上記のような形状を有していれば、柄3と本体5との連結部分Aの強度を高くしやすくなる。また、射出成型によって本実施形態のうちわの骨2を製造するときに、金型Mの溝Maにおいて後述する枝骨8に相当する部分への溶融物の流れもスムースにできる。
【0034】
<枝骨8>
図1および図2に示すように、外縁部6の中空な空間内には、複数本の枝骨8が設けられている。例えば、図1であれば、19本の枝骨8が設けられている。複数の枝骨8は、その基端が連結部7の外縁と外縁部6の内縁6aとをつなぐように設けられている。具体的には、複数の枝骨8は、その基端が連結部7の外縁に連結されており、その基端から放射状に外縁部6の内縁6aに向かって延びて、その先端が外縁部6の内縁6aに連結されている。
【0035】
なお、枝骨8を設ける数や枝骨8の幅はとくに限定されず、本体5の長さL2や本体5の幅W2等に応じて、本体5の強度が適切になるように設計すればよい。
【0036】
<中間縁9>
本体5には、本体5の幅方向(図1図2では左右方向)に沿って、外縁部6の内縁6a間をつなぐように設けられた中間縁9を有している。具体的には、中間縁9は、本体5の幅方向において隣接する複数本の枝骨8同士、および、外縁部6の内縁6aと本体5の幅方向において外縁部6の内縁6aと隣接する2つの枝骨8と、をつなぐように設けられている。
【0037】
かかる中間縁9を設ければ、複数本の枝骨8同士や、枝骨8と外縁部6とが、その幅方向で連結されるので、複数本の枝骨8の強度や、本体5自体の強度を高くしやすくなる。
【0038】
なお、中間縁9を設ける位置はとくに限定されないが、本体5の上下方向(柄3の中心線CLに沿った方向)において、本体5の先端よりも連結部7に近い位置に設けることが望ましい。
【0039】
なお、中間縁9は必ずしも設けなくてもよい。しかし、中間縁9を設けることによって、射出成型によって本実施形態のうちわの骨2を製造するときに、金型Mの溝Maにおいて枝骨8に相当する部分への溶融物の流れをスムースにできる。つまり、本実施形態のうちわの骨2を射出成型する際に、金型Mの溝Ma内における溶融物の流れを適切に調整し易くなるので、本実施形態のうちわの骨2を製造し易くなるという利点が得られる。
【0040】
<連結骨8b>
本体5には、本体5の幅方向(図1図2では左右方向)において、外縁部6の内縁6aと、外縁部6の内縁6aと隣接する枝骨8(図1では最も左に位置する枝骨8、以下連結枝骨8という場合がある)と、の間をつなぐ連結骨8bが設けられている。この連結骨8bは、連結枝骨8において、連結枝骨8の先端と中間縁9の外端縁とのほぼ中間に設けられている。
【0041】
かかる連結骨8bは必ずしも設けなくてもよいが、連結骨8bを設ければ、出成型によって本実施形態のうちわの骨2を製造するときに、金型Mの溝Maにおいて連結枝骨8に相当する部分への溶融物の流れをスムースにできる。
【0042】
<柄3および本体5の厚さについて>
柄3および本体5の厚さは、柄3の長さL1や本体5の長さL2に合せて適切な厚さに形成すればよい。例えば、図1において、柄3の長さL1が130mm、柄3の幅W1が5mm、本体5の長さL2が218mmm、本体5の幅W2が243mmであれば、柄3の基端(図1では下端)の厚さT1および先端(図1では上端)の厚さT2は4mmとすることができる。
【0043】
また、本体5は、その厚さが、柄3との連結部分Aからその先端に向かって徐々に薄くなるように、つまり、連続的に厚さが薄くなるように形成されていることが望ましい。かかる構成とすれば、本体5の先端側の重さを軽減できるので、うちわ1を扇いだ際に、柄3と本体5との連結部分Aに加わる力を軽減できる。例えば、本体5の長さL2が218mm、本体5の幅W2が243mm、柄3との連結部分Aの厚さT2が4mmであれば、先端の厚さT3が1.2mmとなるように徐々に厚さを薄くすることができる。
なお、本体5の基端および先端の厚さ、厚さの減少割合は、上記例示の寸法や減少割合に限られず、本体5の長さL2や幅W2等に合せて適切に調整すればよい。
【0044】
また、本体5が上述した中間縁9を有する場合には、柄3の先端から中間縁9の外端縁までは厚さの減少割合を大きくして、中間縁9から本体5の先端にかけては厚さの減少割合を小さくしてもよい。この構成とすれば、本体5の先端側の重さをより軽減できるので、うちわ1を扇いだ際に、柄3と本体5との連結部分Aに加わる力をより軽減できる。例えば、本体5の長さL2が218mm、本体5の幅W2が243mm、柄3および本体5の連結部分から中間縁9の外縁までの距離L3が41mmであれば、柄3と本体5との連結部分Aの厚さT2を4mmとすれば、中間縁9の外縁での厚さを2mmとし、そこから本体5の先端の厚さT3が1.2mmとなるように徐々に厚さを薄くすることができる。
【0045】
なお、中間縁9の外縁における厚さや、中間縁9の外縁から本体5の先端までの厚さの減少割合は、上記例示の寸法に限られず、本体5の長さL2や幅W2等に合せて適切に調整すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のうちわは、イベントや広告宣伝のために配布されるうちわとして適している。
【符号の説明】
【0047】
1 うちわ
2 うちわの骨
3 柄
5 本体
5a 内縁
6 外縁部
5a 内縁
6b 外縁
7 連結部
8 枝骨
8b 連結骨
9 中間縁
10 シート
A 連結部分
M 金型
図1
図2
図3
図4