(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014445
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】テント用ペグ及びその加工方法
(51)【国際特許分類】
E04H 15/62 20060101AFI20220112BHJP
【FI】
E04H15/62 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111204
(22)【出願日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】202010638833.6
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519413380
【氏名又は名称】広州経意鋳偉五金有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲シェン▼ 敏錦
(72)【発明者】
【氏名】胡 月云
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA00
2E141FF01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】管状炭素繊維ペグ胴部に滑り止めフックを設置する新しい構想を取り入れたテント用ペグを提供する。
【解決手段】テント用ペグは、ペグ頭部1と、ペグ胴部2と、第1滑り止めフック3と、第2滑り止めフック4と、ペグ先端部5とを含む。ペグ胴部2の上端の両側には、対向する取付孔が開口し、ペグ胴部2の下端の両側には、対向する係止溝7が開口する。第1滑り止めフック3と第2滑り止めフック4は、それぞれペグ胴部2の両側に位置し、2つの対向する取付孔を順に貫通して互いに係止する。ペグ頭部1は、ペグ胴部2の上端開口に係止し、ペグ先端部5は、係止溝7を介してペグ胴部2の下端に取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペグ頭部と、ペグ胴部と、第1滑り止めフックと、第2滑り止めフックと、ペグ先端部とを含むテント用ペグであって、
前記ペグ胴部は、両端が開口し内部が中空であり、前記ペグ胴部の上端の両側には、対向する取付孔が開口し、前記取付孔とペグ胴部の上端開口との間に間隔を有し、前記ペグ胴部の下端の両側には、対向する係止溝が開口し、前記係止溝の開口端は、ペグ胴部の下端開口と面一であり、前記第1滑り止めフックと第2滑り止めフックは、それぞれペグ胴部の両側に位置し、2つの対向する取付孔を順に貫通して互いに係止し、前記ペグ頭部は、ペグ胴部の上端開口に係止し、前記ペグ先端部は、係止溝を介してペグ胴部の下端に取り付けられ、前記ペグ胴部の両端に硬化型粘着剤層を注入して粘着剤をペグ胴部の管腔内の第1滑り止めフック、第2滑り止めフック及びペグ先端部の表面に硬化させることによって、その体積を増大させ、ペグ胴部の管腔から滑り出ることができず、ペグ頭部は、ペグ胴部の管腔中の第1滑り止めフックと第2滑り止めフックと一体に連結され、前記ペグ頭部は、キャップとキャッチを含み、前記キャッチは、キャップの下端に取り付けられ、前記キャップの直径は、ペグ胴部の外径より僅かに大きく、前記キャッチの外径は、ペグ胴部の管腔の内径より僅かに小さく、前記キャップの下縁は、ペグ胴部の管壁の上縁に密着し、前記キャッチの下端は、ペグ胴部の管腔に位置する第2滑り止めフックに当接し、前記ペグ胴部は、炭素繊維管から加工され、前記第1滑り止めフックと第2滑り止めフックは、炭素繊維板から切断され、前記ペグ頭部とペグ先端部は、いずれも硬質合金で製造されることを特徴とする、
テント用ペグ。
【請求項2】
前記第1滑り止めフックは、第1フック体と、第1係止ブロックと、第1ストッパと、第1フック脚とを含み、前記第1係止ブロックは、第1フック体のペグ胴部に近い端部の下側に位置し、前記第1ストッパは、第1フック体のペグ胴部に近い端部の上側に位置し、前記第1フック体のペグ胴部に近い端部に、第2滑り止めフックに対応する第1溝が形成され、この第1溝は、第1係止ブロックと第1ストッパとの間に位置し、前記第1係止ブロックは、順に2つの取付孔を貫通した後に第2滑り止めフックに係止し、前記第1係止ブロックの上端面は、第2滑り止めフックに密着し、前記第1係止ブロックの下端面は、2つの取付孔の下縁に密着し、前記第1ストッパは、それに近接する取付孔の上方のペグ胴部に当接し、前記ペグ胴部の上端に硬化型粘着剤層が注入されることによって、粘着剤を第1係止ブロックとペグ胴部の管腔に位置する第2滑り止めフックの表面に硬化させて体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができず、前記第1フック脚は、第1フック体のペグ胴部から離れる端部に取り付けられ、前記第1フック脚は、ペグ胴部に向いていることを特徴とする請求項1に記載のテント用ペグ。
【請求項3】
前記第2滑り止めフックは、第2フック体と、第2係止ブロックと、第2ストッパと、第2フック脚とを含み、前記第2ストッパは、第2フック体のペグ胴部に近い端部の上側に位置し、前記第2係止ブロックは、第2ストッパの下側に位置し、前記第2フック体のペグ胴部に近い端部に、第1滑り止めフックに対応する第2溝が形成され、この第2溝は、第2係止ブロックの下側に位置し、前記第2係止ブロックは、順に2つの取付孔を貫通した後に第1溝に接触し、第2溝は、第1係止ブロックに接触し、第1滑り止めフックと第2滑り止めフックとは互いに係止され、前記第2係止ブロックの上端面は、2つの取付孔の上縁に密着し、前記第2係止ブロックの下端面は、第1滑り止めフックに密着し、前記第2ストッパは、それに近接する取付孔の上方のペグ胴部に当接し、前記ペグ頭部の下端は、第2係止ブロックに当接し、前記ペグ胴部の上端に硬化型粘着剤層が注入されることによって、粘着剤を第2係止ブロックとペグ胴部の管腔に位置する第1滑り止めフックの表面に硬化させて体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができず、前記第2フック脚は、第2フック体のペグ胴部から離れる端部に取り付けられ、前記第2フック脚は、ペグ胴部に向いていることを特徴とする請求項1に記載のテント用ペグ。
【請求項4】
前記係止溝は、連結された内溝部分と開口部分とを含み、前記開口部分は、ペグ胴部の下端の開口端と面一であり、前記内溝部分の幅は、開口部分の幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載のテント用ペグ。
【請求項5】
前記ペグ先端部は、上から順に連結されたバンプと、胴と、チップとを含み、前記バンプは、係止溝に嵌合する形状を有し、かつ2つの係止溝に位置し、前記ペグ胴部の下端に硬化型粘着剤層を注入することによって粘着剤をバンプの表面に硬化させ、その体積を増大させて、係止溝から滑り出ることができないことを特徴とする請求項1に記載のテント用ペグ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のテント用ペグの加工方法であって、
炭素繊維管を切断してペグ胴部を得るステップと、
炭素繊維板を切断して第1滑り止めフックと第2滑り止めフックを得るステップと、
鋳造又は旋盤切断によりペグ先端部とペグ頭部を得るステップと、
第1滑り止めフックの第1係止ブロックをペグ胴部の一方の取付孔から穿孔し、対向する取付孔から穿孔し、第2滑り止めフックの第2係止ブロックをペグ胴部の他方の取付孔から穿孔し、対向する取付孔から穿孔することによって、第1滑り止めフックと第2滑り止めフックをそれぞれペグ胴部の両側に位置させ、第1係止ブロックを第2溝に係止させ、第2係止ブロックを第1溝に係止させ、第2係止ブロックの上端面を2つの取付孔の上端縁に密着させ、第2係止ブロックの下端面を第1係止ブロックの上端面に密着させ、第1係止ブロックの下端面を2つの取付孔の下端縁に密着させるステップと、
ペグ頭部をペグ胴部の上端開口から挿入し、ペグ頭部のキャップ底面をペグ胴部の上端縁に密着させ、ペグ頭部のキャッチをペグ胴部の管腔中の第2係止ブロックに当接させるステップと、
ペグ胴部を逆さにして、ペグ胴部の下端開口からペグ頭部方向に硬化型粘着剤を注入し、静置待機又は加熱して硬化型粘着剤を第1係止ブロック及び第2係止ブロックの表面に硬化させることによって、第1係止ブロックと第2係止ブロックの体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができなくなるようにし、ペグ頭部、ペグ胴部の内壁、第1係止ブロック、第2係止ブロック及び取付孔をすべて一体に粘着させるステップと、
引き続きペグ胴部に硬化型粘着剤を注入し、ペグ先端部のバンプをペグ胴部の下端側の係止溝からペグ胴部の管腔に滑り込ませ、反対側の係止溝に滑り込むようにするステップと、
ペグ胴部を正立させ、ペグ胴部の管腔に位置する硬化型粘着剤をペグ胴部の底部に還流させ、ペグ先端部のバンプ及びペグ胴部の管腔の底部内壁を注入し、静置待機又は加熱により、ペグ胴部の管腔の底部の硬化型粘着剤をバンプの表面に硬化させ、ペグ先端部のバンプの体積を増大させ、係止溝から滑り出ることができなくなるようにし、ペグ先端部と係止溝とを一体に粘着させるステップとを含むことを特徴とする、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テント部品技術分野に関し、具体的にはテント用ペグ及びその加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市場でよく見られる炭素繊維複合材料のペグは、炭素繊維とアルミニウム材料で作製されることが多く、通常、管状の炭素繊維製のペグ胴部の両端にアルミニウムやアルミニウム合金などの金属材質の金属部材を貼り付けて複合したものである。このようなペグは、3つの欠点がある。
1、粘着剤が劣化したり、力を受けすぎると、金属部品が脱落しやすく、製品が長持ちしない。
2、常用の管状のペグ胴部にはロープを固定するフック状の掛け箇所がなく、ロープを直接ペグに縛るのであれば滑り落ちやすい。通常は、掛け箇所としてロープリングを追加するが、使用する際にはロープをロープリングに通してからでないとロープを固定することができず、使い勝手が悪い。利用者が手袋をして気温が極端に低い高い山にいるときにテントのロープをペグのロープリングに通すのが難しい。このため、高い山での使用は、より不便である。
3、アルミニウムやアルミニウム合金材質の金属部材は、土の中で石にぶつかったり外力で叩かれたりすると壊れやすい。アルミニウムやアルミニウム合金が硬度の低い材料であるからである。簡単に鋼鉄などの材質の硬い金属製ヘッドに交換すると、製品の重量を大幅に大きくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術の欠点を克服するために、本発明の目的は、軽量で、頑丈で、耐久性があり、使いやすいペグを提供することである。本発明の他の目的は、ペグの加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、以下の技術手段によって達成される。テント用ペグであって、ペグ頭部と、ペグ胴部と、第1滑り止めフックと、第2滑り止めフックと、ペグ先端部とを含む。前記ペグ胴部は、両端が開口し内部が中空である。前記ペグ胴部の上端の両側には、対向する取付孔が開口する。前記取付孔とペグ胴部の上端開口との間に間隔を有する。前記ペグ胴部の下端の両側には、対向する係止溝が開口する。前記係止溝の開口端は、ペグ胴部の下端開口と面一である。前記第1滑り止めフックと第2滑り止めフックは、それぞれペグ胴部の両側に位置し、2つの対向する取付孔を順に貫通して互いに係止する。前記ペグ頭部は、ペグ胴部の上端開口に係止する。前記ペグ先端部は、係止溝を介してペグ胴部の下端に取り付けられる。前記ペグ胴部の両端に硬化型粘着剤層を注入して粘着剤をペグ胴部の管腔内の第1滑り止めフック、第2滑り止めフック及びペグ先端部の表面に硬化させることによって、その体積を増大させ、ペグ胴部の管腔から滑り出ることができない、ペグ頭部は、ペグ胴部の管腔中の第1滑り止めフックと第2滑り止めフックと一体に連結される。
【0005】
更に、前記第1滑り止めフックは、第1フック体と、第1係止ブロックと、第1ストッパと、第1フック脚とを含む。前記第1係止ブロックは、第1フック体のペグ胴部に近い端部の下側に位置し、前記第1ストッパは、第1フック体のペグ胴部に近い端部の上側に位置する。前記第1フック体のペグ胴部に近い端部には、第2滑り止めフックに対応する第1溝が形成される。この第1溝は、第1係止ブロックと第1ストッパとの間に位置する。前記第1係止ブロックは、順に2つの取付孔を貫通した後に第2滑り止めフックに係止する。前記第1係止ブロックの上端面は、第2滑り止めフックに密着し、前記第1係止ブロックの下端面は、2つの取付孔の下縁に密着する。前記第1ストッパは、それに近接する取付孔の上方のペグ胴部に当接する。前記ペグ胴部の上端に硬化型粘着剤層が注入されることによって、粘着剤を第1係止ブロックとペグ胴部の管腔に位置する第2滑り止めフックの表面に硬化させてその体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができない。
【0006】
更に、第1フック脚を更に含む。前記第1フック脚は、第1フック体のペグ胴部から離れる端部に取り付けられ、前記第1フック脚は、ペグ胴部に向いている。
【0007】
更に、前記第2滑り止めフックは、第2フック体と、第2係止ブロックと、第2ストッパと、第2フック脚とを含む。前記第2ストッパは、第2フック体のペグ胴部に近い端部の上側に位置し、前記第2係止ブロックは、第2ストッパの下側に位置する。前記第2フック体のペグ胴部に近い端部には、第1滑り止めフックに対応する第2溝が形成される。この第2溝は、第2係止ブロックの下側に位置する。前記第2係止ブロックは、順に2つの取付孔を貫通した後に第1溝に接触し、第2溝は、第1係止ブロックに接触し、第1滑り止めフックと第2滑り止めフックとは互いに係止される。前記第2係止ブロックの上端面は、2つの取付孔の上縁に密着し、前記第2係止ブロックの下端面は、第1滑り止めフックに密着する。前記第2ストッパは、それに近接する取付孔の上方のペグ胴部に当接し、前記ペグ頭部の下端は、第2係止ブロックに当接する。前記ペグ胴部の上端に硬化型粘着剤層が注入されることによって、粘着剤を第2係止ブロックとペグ胴部の管腔に位置する第1滑り止めフックの表面に硬化させてその体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができない。
【0008】
更に、第2フック脚を更に含む。前記第2フック脚は、第2フック体のペグ胴部から離れる端部に取り付けられ、前記第2フック脚は、ペグ胴部に向いている。
【0009】
更に、前記係止溝は、連結された内溝部分と開口部分とを含み、前記開口部分は、ペグ胴部の下端の開口端と面一であり、前記内溝部分の幅は、開口部分の幅より大きい。
【0010】
更に、前記ペグ先端部は、上から順に連結されたバンプと、円柱状の胴と、円錐状のチップとを含む。前記バンプは、係止溝に嵌合する形状を有し、かつ2つの係止溝に位置する。前記ペグ胴部の下端に硬化型粘着剤層を注入することによって粘着剤をバンプの表面に硬化させ、その体積を増大させて、係止溝から滑り出ることができない。
【0011】
更に、前記バンプの両側面は、円弧状の曲面である。
【0012】
更に、前記ペグ頭部は、キャップと円筒状をなすキャッチを含む。前記キャッチは、キャップの下端に取り付けられる。前記キャップの直径は、ペグ胴部の外径より僅かに大きく、前記キャッチの外径は、ペグ胴部の管腔の内径より僅かに小さい。前記キャップの下縁は、ペグ胴部の管壁の上縁に密着し、前記キャッチの下端は、ペグ胴部の管腔に位置する第2滑り止めフックに当接する。
【0013】
更に、前記ペグ胴部は、炭素繊維管から加工されてなり、前記第1滑り止めフックと第2滑り止めフックは、炭素繊維板から切断されてなり、前記ペグ頭部とペグ先端部は、いずれも硬質合金で作製される。
【0014】
テント用ペグの加工方法であって、
炭素繊維管を切断してペグ胴部を得るステップと、
炭素繊維板を切断して第1滑り止めフックと第2滑り止めフックを得るステップと、
鋳造又は旋盤切断によりペグ先端部とペグ頭部を得るステップと、
第1滑り止めフックの第1係止ブロックをペグ胴部の一方の取付孔から穿孔し、対向する取付孔から穿孔し、第2滑り止めフックの第2係止ブロックをペグ胴部の他方の取付孔から穿孔し、対向する取付孔から穿孔することによって、第1滑り止めフックと第2滑り止めフックをそれぞれペグ胴部の両側に位置させ、第1係止ブロックを第2溝に係止させ、第2係止ブロックを第1溝に係止させ、第2係止ブロックの上端面を2つの取付孔の上端縁に密着させ、第2係止ブロックの下端面を第1係止ブロックの上端面に密着させ、第1係止ブロックの下端面を2つの取付孔の下端縁に密着させるステップと、
ペグ頭部をペグ胴部の上端開口から挿入し、ペグ頭部のキャップ底面をペグ胴部の上端縁に密着させ、ペグ頭部のキャッチをペグ胴部の管腔中の第2係止ブロックに当接させるステップと、
ペグ胴部を逆さにして、ペグ胴部の下端開口からペグ頭部方向に硬化型粘着剤を注入し、静置待機又は加熱して硬化型粘着剤を第1係止ブロック及び第2係止ブロックの表面に硬化させることによって、第1係止ブロックと第2係止ブロックの体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができなくなるようにし、ペグ頭部、ペグ胴部の内壁、第1係止ブロック、第2係止ブロック及び取付孔をすべて一体に粘着させるステップと、
引き続きペグ胴部に硬化型粘着剤を注入し、ペグ先端部のバンプをペグ胴部の下端側の係止溝からペグ胴部の管腔に滑り込ませ、反対側の係止溝に滑り込むようにするステップと、
ペグ胴部を正立させ、ペグ胴部の管腔に位置する硬化型粘着剤をペグ胴部の底部に還流させ、ペグ先端部のバンプ及びペグ胴部の管腔の底部内壁に注入し、静置待機又は加熱により、ペグ胴部の管腔の底部の硬化型粘着剤をバンプの表面に硬化させ、ペグ先端部のバンプの体積を増大させ、係止溝から滑り出ることができなくなるようにし、ペグ先端部と係止溝とを一体に粘着させるステップとを含む。
【0015】
本発明の原理は、以下である。本テント用ペグのペグ胴部、第1滑り止めフック及び第2滑り止めフックは、炭素繊維材料で作製され、ペグ頭部及びペグ先端部は、硬質金属材料で作製される。炭素繊維材料で作製されるペグ胴部、第1滑り止めフック及び第2滑り止めフックは、ペグ全体の重量を軽減することができる。硬質金属材料で作製されるペグ頭部及びペグ先端部は、ペグの底部及び頂部の硬度を強化することができ、ペグの実用性、耐ノック能力、貫入能力を向上させる。ペグ胴部の上端には、対向して設けられた取付孔が設けられ、互いに係止して硬化型粘着剤を注入することにより、第1滑り止めフック、第2滑り止めフック及びペグ頭部を固定する。ペグ頭部は、ペグ胴部の上端縁と第2滑り止めフックに密着し、第1滑り止めフック、第2滑り止めフック及びペグ胴部は、互いに密着する。この設置により、ペグ頭部がペグ胴部の上縁に加える圧力を分担することができ、滑り止めフック間を安定して強固にすることができ、ペグ胴部及びペグ頭部が垂直方向の外力を受ける能力を向上させることができる。ペグ胴部の下端両側に上大下小形状をなす係止溝を開設し、ペグ先端部のバンプの形状が係止溝と係合することにより、ペグ先端部を垂直方向に沿って係止溝に固定し、そして、硬化型粘着剤を注入することにより、ペグ先端部とペグ胴部を一体に固着させる。
【0016】
硬化型粘着剤は、エポキシ樹脂を選択することが好ましく、炭素繊維自体がエポキシ樹脂を含むため、エポキシ樹脂を注入すると両者の粘着性が極めて高く、脱落しにくい。ここでの硬化型粘着剤の応用は、粘着剤だけではなく、注入することで粘着剤を第1係止ブロック、第2係止ブロック及びペグ先端部のバンプの表面に硬化させ、三者の体積を増大させ、滑り止め構造を構成してペグ胴部の管内に係止させる。また、硬化型粘着剤は、硬化後に係合箇所の隙間を充填し、製品を美化する効果がある。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、従来技術に対して以下の利点を有する。
本発明のテント用ペグは、管状炭素繊維ペグ胴部に滑り止めフックを設置する新しい構想を提供する。ペグ胴部の上端の両側には取付孔が開けられ、第1滑り止めフックと第2滑り止めフックは、ペグ胴部の両側の取付孔に沿ってペグ胴部に挿入してから互いに係合する。その後、硬化型粘着剤を注入して硬化させた後、ペグ胴部内の第1係止ブロックと第2係止ブロックの体積を大きくしてからロック構造を形成し、かつペグ頭部と一体に連結する。このようにすることで、ペグ頭部がペグ胴部の上縁に加える圧力を分担することができ、第1滑り止めフック及び第2滑り止めフックとペグ胴部との間の堅牢性を向上させることができるとともに、ペグ胴部及びペグ頭部が垂直方向の外力を受ける能力を向上させることもできる。
【0018】
ペグ先端部とペグ胴部との間に独特な接続構造を有することで、本テント用ペグのペグ先端部は、堅固で耐久性があり、脱落しにくく、ペグの耐用年数を大幅に延長させる。一般的な管状炭素繊維とアルミニウム合金を複合したペグは、ペグ胴部の管腔に円筒部材の金属ヘッドを簡単に粘着させることで、長期的に力を受けた際に粘着剤が割れたり劣化したりしやすく、金属ヘッドが脱落しやすくなる。又は、このようなペグが硬い地面に挿入されると、金属ヘッドが土の圧力で地面下に挟まれるため、ペグが強制的に引き抜かれた際にも粘着層が引きちぎられ、金属ヘッドが脱落しやすくなる。一方、本発明におけるペグ先端部は、ペグ胴部側面からのみバンプをペグ胴部に滑り込ませることができ、垂直方向の引張力ではペグ先端部を係止溝から引き出すことができない。同時に、注入された硬化型粘着剤は、硬化後にペグ先端部のペグ胴部に位置するバンプと一体に連結され、バンプの体積を増大させる。バンプは、ペグ胴部の下端の係止溝内にしっかりと係止され、容易に脱落しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の一部を構成する図面は、本発明を更に理解するために提供される。本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する不適切な限定を構成しない。
【0020】
【
図2】本発明に係る第1滑り止めフック、第2滑り止めフックの構造図である。
【
図3】本発明に係るペグ頭部、ペグ胴部及びペグ先端部の解体図である。
【
図4】本発明に係る第1滑り止めフック、第2滑り止めフックがペグ胴部に取り付けられた断面図である。
【
図5】本発明に係るペグ先端部がペグ胴部に取り付けられた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面及び実施例を参照して本発明を更に説明する。
【0022】
図1に示すテント用ペグは、ペグ頭部1と、ペグ胴部2と、第1滑り止めフック3と、第2滑り止めフック4と、ペグ先端部5とを含む。前記ペグ胴部2は、両端が開口し内部が中空である。前記ペグ胴部2の上端の両側には、対向する取付孔6が開口する。前記取付孔6とペグ胴部2の上端開口との間に間隔を有する。前記ペグ胴部2の下端の両側には、対向する係止溝7が開口する。前記係止溝7の開口端は、ペグ胴部2の下端開口と面一である。前記第1滑り止めフック3と第2滑り止めフック4は、それぞれペグ胴部2の両側に位置し、2つの対向する取付孔6を順に貫通して互いに係止する。前記ペグ頭部1は、ペグ胴部2の上端開口に係止する。前記ペグ先端部5は、係止溝7を介してペグ胴部2の下端に取り付けられる。前記ペグ胴部2の両端に硬化型粘着剤層25を設置する。硬化型粘着剤層25は、ペグ胴部2の管腔に位置する第1滑り止めフック3、第2滑り止めフック4及びペグ先端部5の表面にしっかりと貼り付けられ、三者の体積を増大させ、取付孔6及び係止溝7の開口よりも大きくなり、ペグ胴部2の管腔から滑り出ることができないようにする。硬化型粘着剤層25を設けることにより、ペグ頭部1は、ペグ胴部2の管腔内の第1滑り止めフック3及び第2滑り止めフック4と一体に連結される。硬化型粘着剤とは、室温又は加熱後に硬化反応を起こすことができる粘着剤であり、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0023】
前記ペグ胴部2は、両端が開口した円管状をなす。取付孔6及び係止溝7を設けることによって、第1滑り止めフック3、第2滑り止めフック4、ペグ頭部1及びペグ先端部5をペグ胴部2に取り付ける。ペグ胴部2の管腔の両端に硬化型粘着剤を注入し、室温又は加熱後に硬化反応を生じさせ、硬化型粘着剤をペグ胴部2の管腔内の第1滑り止めフック3、第2滑り止めフック4及びペグ先端部5の表面に硬化させ、三者を体積を増大させて滑り止め構造を形成し、ペグ胴部2の上端の取付孔6、ペグ胴部2の下端の係止溝7と緊密に一体に連結し、ペグ全体の堅牢性を効果的に向上させることができる。
【0024】
図2に示すように、前記第1滑り止めフック3は、第1フック体8と、第1係止ブロック9と、第1ストッパ10と、第1フック脚12とを含む。前記第1係止ブロック9は、第1フック体8のペグ胴部2に近い端部の下側に位置し、前記第1ストッパ10は、第1フック体8のペグ胴部2に近い端部の上側に位置する。前記第1フック体8のペグ胴部2に近い端部には、第2滑り止めフック4に対応する第1溝11が形成される。この第1溝11は、第1係止ブロック9と第1ストッパ10との間に位置する。前記第1係止ブロック9は、順に2つの取付孔6を貫通した後に第2滑り止めフック4に係止する。前記第1係止ブロック9の上端面は、ペグ胴部2の管腔に位置する第2係止ブロック14に密着し、前記第1係止ブロック9の下端面は、2つの取付孔6の下縁に密着する。前記第1ストッパ10は、それに近接する取付孔6の上方のペグ胴部2に当接する。前記ペグ胴部2の上端に硬化型粘着剤層25が設けられる。硬化型粘着剤層25は、第1係止ブロック9とペグ胴部の管腔に位置する第2滑り止めフック4の表面にしっかりと貼り付けられ、両者の体積を増大させ、取付孔6の開口よりも大きくなり、取付孔6から滑り出ることができないようにする。前記第1フック脚12は、第1フック体8のペグ胴部2から離れる端部に取り付けられ、前記第1フック脚は、ペグ胴部2に向いている。
【0025】
前記第2滑り止めフック4は、第2フック体13と、第2係止ブロック14と、第2ストッパ15と、第2フック脚17とを含む。前記第2ストッパ15は、第2フック体13のペグ胴部2に近い端部の上側に位置し、前記第2係止ブロック14は、第2ストッパ15の下側に位置する。前記第2フック体13のペグ胴部2に近い端部には、第1係止ブロック9に対応する第2溝16が形成される。この第2溝16は、第2係止ブロック14の下側に位置する。前記第2係止ブロック14は、順に2つの取付孔6を貫通した後に第1滑り止めフック3の第1溝11に接触し、第2溝16は、第1係止ブロック9に接触し、第1滑り止めフック3と第2滑り止めフック4とは互いに係止される。前記第2係止ブロック14の上端面は、2つの取付孔6の上縁に密着し、前記第2係止ブロック14の下端面は、第1滑り止めフック3に密着する。前記第2ストッパ15は、それに近接する取付孔6の上方のペグ胴部2に当接する。前記ペグ頭部1の下端は、第2係止ブロック14に当接する。前記ペグ胴部2の上端に硬化型粘着剤層25が設けられる。硬化型粘着剤層25は、第2係止ブロック14と第1係止ブロック9の表面にしっかりと貼り付けられ、両者の体積を増大させ、取付孔6の開口より大きくなり、取付孔6から滑り出ることができないようにする。前記第2フック脚17は、第2フック体13のペグ胴部2から離れる端部に取り付けられ、前記第2フック脚は、ペグ胴部2に向いている。
【0026】
本実施例における取付孔は、角孔であり、具体的に実施する際に、角孔の四隅を丸めることができる。第1フック体8及び第2フック体13は、いずれもロープを固定するための開口が下向きの円弧状をなしている。第1係止ブロック9及び第2係止ブロック14の長さは、2つの係止ブロックが対応する取付孔から貫通し、他方の取付孔から完全に貫通して対応する溝に係合することができるように、ペグ胴部の外径よりも大きい。取付孔6の幅は、第1係止ブロック9と第2係止ブロック14の幅に整合し、取付孔6の高さは、第1係止ブロック9と第2係止ブロック14を重ね合わせた高さに整合する。これにより、第1係止ブロック9と第2係止ブロック14は、取付孔6に挿入した後に回転、摺動しない。ペグ胴部2の管腔に位置する第1係止ブロック9と第2係止ブロック14は、硬化型粘着剤(好ましくはエポキシ樹脂)の注入及び硬化によって体積が大きくなるが、ペグ胴部2の取付孔6の寸法は変わらず、これにより、第1滑り止めフックと第2滑り止めフックとをペグ胴部2の両側にしっかりと固定することができる。しかも2つの滑り止めフックが使用中に受ける外力をペグ胴部の両側の取付孔の縁に分担させることができ、安定性が向上するとともに、ペグの耐用年数を延ばす。第1ストッパ10と第2ストッパ15を設けることで、第1係止ブロック9と第2係止ブロック14が引き続き取付孔に貫通することを防止することができ、それによって2つの係止ブロックの突出距離を2つの溝に整合するようにして、ペグの安定性を向上させる。第1フック脚12と第2フック脚17とを設けることにより、使用中にロープ等の連結物が滑り止めフックから滑り出ることを避することができる。
【0027】
図3及び
図4に示すように、前記係止溝7は、連結された内溝部分18と開口部分19とを含む。前記開口部分19は、ペグ胴部2の下端の開口端と面一であり、前記内溝部分18の幅は、開口部分19の幅より大きい。本実施例における係止溝7は、逆台形状であるが、具体的な使用において、係止溝7は、逆凸字形等の他の開口部分19が内溝部分18より小さい形状であってもよく、ペグ先端部5が垂直方向に係止溝7から抜け出ることを防止する。
【0028】
図5に示すように、前記ペグ先端部5は、上から順に接続されたバンプ20と、胴21と、チップ22とを含む。前記バンプ20は、係止溝7に係合する形状をなし、全体として上広下狭の構造となっている。ペグ先端部5のバンプ20は、一方の係止溝7からペグ胴部2の管腔内に滑り込み、ペグ胴部2の他方の係止溝7に入り込むとともに、ペグ胴部2の下縁がペグ先端部5の胴21の上端に密着する。ペグ胴部2の下端の係止溝7は、上大下小の構成となっており、ペグ先端部5のバンプ20も同じく上大下小の構成となっているので、ペグ先端部5は、直立状態ではペグ胴部2の管腔から滑り出ることができない。ペグ胴部2内部のバンプ20と接する管内空間には硬化型粘着剤層25(好ましくはエポキシ樹脂層)が設けられる。硬化型粘着剤層25は、バンプ20の表面にしっかりと貼り付けられてバンプ20の体積を増加させ、管腔内におけるバンプ20の幅を、ペグ胴部の下端両側の係止溝7の幅よりも大きくして、バンプ20が係止溝7から滑り出ることができないようにして、係止溝7と一体に連結される。この独特の設計は、ペグ先端部5をペグ胴部2の下にしっかりと固定することができ、様々な方向に大きな力を受けることができ、ペグの安定性と耐用年数を効果的に向上させることができる。
【0029】
前記バンプ20の両側面は、円弧曲面であり、ペグ先端部5のバンプ20が係止溝7に係合した後にペグ胴部2と完全な円筒曲面を形成できるようになっている。前記チップ22は、円錐状であり、前記胴21は、円柱状である。
【0030】
図4に示すように、前記ペグ頭部1は、キャップ23と、キャップ23の下端に取り付けられ、ペグ胴部2の外径よりも僅かに大きな径を有する円筒状のキャッチ24とを含む。前記キャッチ管24の外径は、ペグ胴部2の管腔の内径よりも僅かに小さい。前記キャップ23の下縁は、ペグ胴部2の上端開口の上縁に密着する。前記キャッチ管24の下端は、ペグ胴部の管腔に位置する第2係止ブロック14に当接する。キャップ23は、上面がドーム曲面又は平面となっており、叩きやすい。硬化型粘着剤層25を設けることにより、キャッチ24を第2係止ブロック14、第1係止ブロック9及びペグ胴部2に一体に連結する。外力でペグ頭部1を叩く際に、キャップ23が受けるペグ胴部2に垂直な方向の圧力を、ペグ胴部2の上端の側辺と2つの滑り止めフックの係止ブロックとに同時に分担させることができる。2つの係止ブロックがまた取付孔6の縁に密着するため、これにより、係止ブロックが受けた外力を取付孔6の縁を介してペグ胴部2に伝達することができる。この設置により、ペグ頭部1が受ける圧力は、ペグ胴部2の上縁と2つの滑り止めフックの係止ブロックに分担され、通常のペグ頭部1よりも2つの力を受ける点が多くなり、ペグ頭部1が受ける圧力を分担することができ、ペグ全体の受力構造を改善し、より薄型のペグ胴部2を設計する。
【0031】
前記ペグ胴部2は、炭素繊維管を用いて加工されてなり、前記第1滑り止めフック3と第2滑り止めフック4は、炭素繊維板を用いて切断されてなり、前記ペグ頭部1は、ステンレス材料又は他の硬質合金材料を用いて作製され、前記ペグ先端部5は、亜鉛合金又は他の硬質合金材料から作製される。ペグ胴部2、第1滑り止めフック3及び第2滑り止めフック4は、いずれも炭素繊維材料で作製され、ペグ頭部1とペグ先端部5は、いずれも硬質合金材料で作製される。この設置により、ペグの重量が比較的軽い(重量がわずか6グラムであり、よく見られるアルミやチタンなどの材質の軽量化されたペグよりも40%軽く、鉄材質の普通のペグよりも80%軽い)が、丈夫で長持ちする。純炭素繊維ペグ又は普通のアルミ金属ヘッドペグは、上部で直接叩くことができず、凍土や砂利の多い場所で使用することもできない。本ペグは、上部で外力を加えて叩くことができると同時に、ペグ先端部5の硬度が高く、凍土や砂利の多い地面に簡単に入り込むことができる。
【0032】
テント用ペグの加工方法であって、
炭素繊維管を切断してペグ胴部2を得るステップと、
炭素繊維板を切断して第1滑り止めフック3と第2滑り止めフック4を得るステップと、
鋳造又は旋盤切断によりペグ先端部5とペグ頭部1を得るステップと、
第1滑り止めフック3の第1係止ブロック9をペグ胴部2の一方の取付孔6から穿孔し、対向する取付孔6から穿孔し、第2滑り止めフック4の第2係止ブロック14をペグ胴部2の他方の取付孔6から穿孔し、対向する取付孔6から穿孔することによって、第1滑り止めフック3と第2滑り止めフック4をそれぞれペグ胴部2の両側に位置させ、第1係止ブロック9を第2溝16に係止させ、第2係止ブロック14を第1溝11に係止させ、第2係止ブロック14の上端面を2つの取付孔6の上端縁に密着させ、第2係止ブロック14の下端面を第1係止ブロック9の上端面に密着させ、第1係止ブロック9の下端面を2つの取付孔6の下端縁に密着させるステップと、
ペグ頭部1をペグ胴部2の上端開口から挿入し、ペグ頭部1のキャップ23の底面をペグ胴部2の上端縁に密着させ、ペグ頭部1のキャッチ24をペグ胴部2の管腔中の第2係止ブロック14に当接させるステップと、
ペグ胴部2を逆さにして、ペグ胴部2の下端開口からペグ頭部1方向に硬化型粘着剤を注入し、静置待機又は加熱して硬化型粘着剤を第1係止ブロック9及び第2係止ブロック14の表面に硬化させることによって、第1係止ブロック9と第2係止ブロック14の体積を増大させ、取付孔6から滑り出ることができなくなるようにし、ペグ頭部1、ペグ胴部2の内壁、第1係止ブロック9、第2係止ブロック14及び取付孔6をすべて一体に粘着させるステップと、
引き続きペグ胴部2に硬化型粘着剤を注入し、ペグ先端部5のバンプ20をペグ胴部2の下端側の係止溝7からペグ胴部2の管腔に滑り込ませ、反対側の係止溝7に滑り込むようにするステップと、
ペグ胴部2を正立させ、ペグ胴部2の管腔に位置する粘着剤をペグ胴部2の底部に還流させ、ペグ先端部5のバンプ20及びペグ胴部2の管腔の底部内壁を注入し、静置待機又は加熱により、ペグ胴部2の管腔の底部の粘着剤をペグ先端部5のバンプ20の表面に硬化させ、ペグ先端部5のバンプ20の体積を増大させ、係止溝7から滑り出ることができなくなるようにし、ペグ先端部5と係止溝7とペグ胴部2の下端を一体に粘着させるステップとを含む。
上記ステップを経て、本テント用ペグの加工が完了する。
【0033】
本ペグ加工方法では、ペグ頭部、第1滑り止めフック及び第2滑り止めフックのペグ先端部への取付順、及びエポキシ樹脂の注入順序を入れ替えることができる。
【0034】
加工中の硬化型粘着剤は、炭素繊維材料の特性からエポキシ樹脂であることが好ましい。ここでの硬化型粘着剤は、単に粘着作用を発揮するだけでなく、自身の硬化反応により、第1係止ブロック9、第2係止ブロック14及びペグ頭部5のB軟腐20の体積を増加させ、ペグ胴部2にしっかりと係止させ、ペグ全体の堅牢性を向上させる。
【0035】
上記実施形態は、本発明の好適な実施形態であって、本発明を限定するものではない。本発明の技術手段を逸脱しない範囲での他の変更や等価な置換形態は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0036】
(付記)
(付記1)
ペグ頭部と、ペグ胴部と、第1滑り止めフックと、第2滑り止めフックと、ペグ先端部とを含むテント用ペグであって、
前記ペグ胴部は、両端が開口し内部が中空であり、前記ペグ胴部の上端の両側には、対向する取付孔が開口し、前記取付孔とペグ胴部の上端開口との間に間隔を有し、前記ペグ胴部の下端の両側には、対向する係止溝が開口し、前記係止溝の開口端は、ペグ胴部の下端開口と面一であり、前記第1滑り止めフックと第2滑り止めフックは、それぞれペグ胴部の両側に位置し、2つの対向する取付孔を順に貫通して互いに係止し、前記ペグ頭部は、ペグ胴部の上端開口に係止し、前記ペグ先端部は、係止溝を介してペグ胴部の下端に取り付けられ、前記ペグ胴部の両端に硬化型粘着剤層を注入して粘着剤をペグ胴部の管腔内の第1滑り止めフック、第2滑り止めフック及びペグ先端部の表面に硬化させることによって、その体積を増大させ、ペグ胴部の管腔から滑り出ることができず、ペグ頭部は、ペグ胴部の管腔中の第1滑り止めフックと第2滑り止めフックと一体に連結され、前記ペグ頭部は、キャップとキャッチを含み、前記キャッチは、キャップの下端に取り付けられ、前記キャップの直径は、ペグ胴部の外径より僅かに大きく、前記キャッチの外径は、ペグ胴部の管腔の内径より僅かに小さく、前記キャップの下縁は、ペグ胴部の管壁の上縁に密着し、前記キャッチの下端は、ペグ胴部の管腔に位置する第2滑り止めフックに当接し、前記ペグ胴部は、炭素繊維管から加工され、前記第1滑り止めフックと第2滑り止めフックは、炭素繊維板から切断され、前記ペグ頭部とペグ先端部は、いずれも硬質合金で製造されることを特徴とする、
テント用ペグ。
【0037】
(付記2)
前記第1滑り止めフックは、第1フック体と、第1係止ブロックと、第1ストッパと、第1フック脚とを含み、前記第1係止ブロックは、第1フック体のペグ胴部に近い端部の下側に位置し、前記第1ストッパは、第1フック体のペグ胴部に近い端部の上側に位置し、前記第1フック体のペグ胴部に近い端部に、第2滑り止めフックに対応する第1溝が形成され、この第1溝は、第1係止ブロックと第1ストッパとの間に位置し、前記第1係止ブロックは、順に2つの取付孔を貫通した後に第2滑り止めフックに係止し、前記第1係止ブロックの上端面は、第2滑り止めフックに密着し、前記第1係止ブロックの下端面は、2つの取付孔の下縁に密着し、前記第1ストッパは、それに近接する取付孔の上方のペグ胴部に当接し、前記ペグ胴部の上端に硬化型粘着剤層が注入されることによって、粘着剤を第1係止ブロックとペグ胴部の管腔に位置する第2滑り止めフックの表面に硬化させて体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができず、前記第1フック脚は、第1フック体のペグ胴部から離れる端部に取り付けられ、前記第1フック脚は、ペグ胴部に向いていることを特徴とする付記1に記載のテント用ペグ。
【0038】
(付記3)
前記第2滑り止めフックは、第2フック体と、第2係止ブロックと、第2ストッパと、第2フック脚とを含み、前記第2ストッパは、第2フック体のペグ胴部に近い端部の上側に位置し、前記第2係止ブロックは、第2ストッパの下側に位置し、前記第2フック体のペグ胴部に近い端部に、第1滑り止めフックに対応する第2溝が形成され、この第2溝は、第2係止ブロックの下側に位置し、前記第2係止ブロックは、順に2つの取付孔を貫通した後に第1溝に接触し、第2溝は、第1係止ブロックに接触し、第1滑り止めフックと第2滑り止めフックとは互いに係止され、前記第2係止ブロックの上端面は、2つの取付孔の上縁に密着し、前記第2係止ブロックの下端面は、第1滑り止めフックに密着し、前記第2ストッパは、それに近接する取付孔の上方のペグ胴部に当接し、前記ペグ頭部の下端は、第2係止ブロックに当接し、前記ペグ胴部の上端に硬化型粘着剤層が注入されることによって、粘着剤を第2係止ブロックとペグ胴部の管腔に位置する第1滑り止めフックの表面に硬化させて体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができず、前記第2フック脚は、第2フック体のペグ胴部から離れる端部に取り付けられ、前記第2フック脚は、ペグ胴部に向いていることを特徴とする付記1に記載のテント用ペグ。
【0039】
(付記4)
前記係止溝は、連結された内溝部分と開口部分とを含み、前記開口部分は、ペグ胴部の下端の開口端と面一であり、前記内溝部分の幅は、開口部分の幅より大きいことを特徴とする付記1に記載のテント用ペグ。
【0040】
(付記5)
前記ペグ先端部は、上から順に連結されたバンプと、胴と、チップとを含み、前記バンプは、係止溝に嵌合する形状を有し、かつ2つの係止溝に位置し、前記ペグ胴部の下端に硬化型粘着剤層を注入することによって粘着剤をバンプの表面に硬化させ、その体積を増大させて、係止溝から滑り出ることができないことを特徴とする付記1に記載のテント用ペグ。
【0041】
(付記6)
付記1~5のいずれか一つに記載のテント用ペグの加工方法であって、
炭素繊維管を切断してペグ胴部を得るステップと、
炭素繊維板を切断して第1滑り止めフックと第2滑り止めフックを得るステップと、
鋳造又は旋盤切断によりペグ先端部とペグ頭部を得るステップと、
第1滑り止めフックの第1係止ブロックをペグ胴部の一方の取付孔から穿孔し、対向する取付孔から穿孔し、第2滑り止めフックの第2係止ブロックをペグ胴部の他方の取付孔から穿孔し、対向する取付孔から穿孔することによって、第1滑り止めフックと第2滑り止めフックをそれぞれペグ胴部の両側に位置させ、第1係止ブロックを第2溝に係止させ、第2係止ブロックを第1溝に係止させ、第2係止ブロックの上端面を2つの取付孔の上端縁に密着させ、第2係止ブロックの下端面を第1係止ブロックの上端面に密着させ、第1係止ブロックの下端面を2つの取付孔の下端縁に密着させるステップと、
ペグ頭部をペグ胴部の上端開口から挿入し、ペグ頭部のキャップ底面をペグ胴部の上端縁に密着させ、ペグ頭部のキャッチをペグ胴部の管腔中の第2係止ブロックに当接させるステップと、
ペグ胴部を逆さにして、ペグ胴部の下端開口からペグ頭部方向に硬化型粘着剤を注入し、静置待機又は加熱して硬化型粘着剤を第1係止ブロック及び第2係止ブロックの表面に硬化させることによって、第1係止ブロックと第2係止ブロックの体積を増大させ、取付孔から滑り出ることができなくなるようにし、ペグ頭部、ペグ胴部の内壁、第1係止ブロック、第2係止ブロック及び取付孔をすべて一体に粘着させるステップと、
引き続きペグ胴部に硬化型粘着剤を注入し、ペグ先端部のバンプをペグ胴部の下端側の係止溝からペグ胴部の管腔に滑り込ませ、反対側の係止溝に滑り込むようにするステップと、
ペグ胴部を正立させ、ペグ胴部の管腔に位置する硬化型粘着剤をペグ胴部の底部に還流させ、ペグ先端部のバンプ及びペグ胴部の管腔の底部内壁を注入し、静置待機又は加熱により、ペグ胴部の管腔の底部の硬化型粘着剤をバンプの表面に硬化させ、ペグ先端部のバンプの体積を増大させ、係止溝から滑り出ることができなくなるようにし、ペグ先端部と係止溝とを一体に粘着させるステップとを含むことを特徴とする、
方法。
【符号の説明】
【0042】
1:ペグ頭部
2:ペグ胴部
3:第1滑り止めフック
4:第2滑り止めフック
5:ペグ先端部
6:取付孔
7:係止溝
8:第1フック体
9:第1係止ブロック
10:第1ストッパ
11:第1凹溝
12:第1フック脚
13:第2フック体
14:第2係止ブロック
15:第2ストッパ
16:第2溝
17:第2フック脚
18:内溝部分
19:開口部分
20:バンプ
21:胴
22:チップ
23:キャップ
24:キャッチ
25:硬化型粘着剤層