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特開2022-144453個人情報提供システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144453
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】個人情報提供システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20220926BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220926BHJP
【FI】
G06F17/60
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045475
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】512088693
【氏名又は名称】株式会社 白橋
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】白橋 明夫
(72)【発明者】
【氏名】白橋 昌磨
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049DD04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オンライン上で名刺交換を行いやすくするとともに、名刺交換した者の人物像を思い出しやすくする個人情報提供システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】個人情報提供システム100においてサーバ装置10は、複数のユーザの識別情報とともに各ユーザの個人情報及び動画情報を関連付けて記憶したデータベース13を有し、ユーザ端末20から特定の者の個人特定情報を受信すると、この個人特定情報を用いてデータベース13から特定の者の候補を検索して、ユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20から特定の者の候補の中から特定の者を決定した決定情報を受け取ると、この決定情報に基づいて特定の者を特定し、データベース13から特定の者の動画情報を含む情報である送信情報を抽出してユーザ端末20へ送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と接続可能な個人情報提供システムであって、
複数のユーザの識別情報を記憶するとともに、前記複数のユーザの個人情報及び動画情報を前記識別情報と関連付けて記憶するユーザ記憶部と、
前記ユーザ端末から特定の者の個人特定情報を受信する個人特定情報受信部と、
前記個人特定情報受信部が受信した前記個人特定情報を用いて、前記ユーザ記憶部から前記特定の者の候補を検索して、前記複数のユーザから前記特定の者の候補である候補情報を取得する候補情報取得部と、
前記候補情報取得部が取得した候補情報を前記ユーザ端末に送信する候補情報送信部と、
前記ユーザ端末から前記特定の者の候補の中から前記特定の者を決定した決定情報を受取る決定情報受信部と、
前記決定情報受信部が受け取った決定情報に基づき、前記特定の者を特定し、前記ユーザ記憶部から前記特定の者の動画情報を含む情報である送信情報を抽出する送信情報抽出部と、
前記送信情報抽出部が抽出した送信情報を前記ユーザ端末へ送信する送信情報送信部とを含む
システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記特定の者の個人特定情報は、前記特定の者の苗字、名前、氏名、苗字の読み、名前の読み、氏名の読み、企業名、電話番号、FAX番号、及び電子メールアドレスのうちいずれか1つ以上を含む、
システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
前記ユーザ記憶部は、前記識別情報と関連付けて名刺情報をさらに記憶し、
前記送信情報は、前記特定の者の名刺情報を含む、
システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、
前記送信情報は、前記特定の者の苗字、名前、氏名、苗字の読み、名前の読み、氏名の読み、企業名、電話番号、FAX番号、電子メールアドレス、及び写真のうち前記ユーザ記憶部に記憶されている情報をさらに含む、
システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
前記ユーザ記憶部は、前記複数のユーザの属性に関する属性情報をさらに記憶し、
前記特定の者の個人特定情報には、前記属性に関する情報である希望属性情報が含まれ、
前記個人特定情報受信部が前記希望属性情報を受取った場合、前記候補情報取得部は前記希望属性情報に基づいて、前記複数のユーザの属性に関する属性情報を用いて、前記候補情報を取得する、
システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記ユーザ端末から、前記ユーザ記憶部に記憶するための前記ユーザの個人情報及び動画情報の投稿を受け付ける通信部を、さらに含む
システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記ユーザ端末から投稿された動画を保存できる機能と、前記ユーザ端末がそれらに自由にアクセスできる機能を持つ
システム。
【請求項8】
コンピュータを、ユーザ端末と接続可能な個人情報提供システムとして機能させるためのプログラムであって、
複数のユーザの識別情報を記憶するとともに、前記複数のユーザの個人情報及び動画情報を前記識別情報と関連付けて記憶するユーザ記憶部と、
前記ユーザ端末から特定の者の個人特定情報を受信する個人特定情報受信部と、
前記個人特定情報受信部が受信した前記個人特定情報を用いて、前記ユーザ記憶部から前記特定の者の候補を検索して、前記複数のユーザから前記特定の者の候補である候補情報を取得する候補情報取得部と、
前記候補情報取得部が取得した候補情報を前記ユーザ端末に送信する候補情報送信部と、
前記ユーザ端末から前記特定の者の候補の中から前記特定の者を決定した決定情報を受取る決定情報受信部と、
前記決定情報受信部が受け取った決定情報に基づき、前記特定の者を特定し、前記ユーザ記憶部から前記特定の者の動画情報を含む情報である送信情報を抽出する送信情報抽出部と、
前記送信情報抽出部が抽出した送信情報を前記ユーザ端末へ送信する送信情報送信部とを含む
システムとして前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報提供システム及びプログラムに関する。具体的に説明すると、本発明は、インターネット等の通信回線を通じてユーザ同士が遠隔で名刺交換できるシステム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネットを介してデータベースに名刺情報を登録しておき、ユーザ同士がオンラインで名刺交換を行うことのできる電子名刺システムが提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
具体的に説明すると、特許文献1に記載の電子名刺システムは、通信機能を持つ携帯端末を使用してサーバコンピュータにアクセスし、名刺データベースに自分の名刺情報を登録しておき、名刺情報を交換する際に、名刺情報を交換する当事者が各々の所有する携帯端末を使用してサーバコンピュータにアクセスし、名刺データベースから相互に相手の名刺情報を受信するように構成されている。これにより、特許文献1に記載のシステムによれば、名刺の情報を常に最新のものに更新することができ、この名刺情報を個人情報として利用可能になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-006204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現在、名刺はビジネスマンのみならず、幅広い人たちに利用されるものとなっており、名刺交換の際には互いの個人情報が交換されて、その個人情報が紙媒体あるいはその電子データとして蓄積される。一方で、氏名や肩書き、連絡先のみが記載された名刺の場合、その名刺と持ち主の人物像の結びつきが弱く、名刺から得られる個人情報を活用し難いという問題がある。つまり、従来の名刺では、「名刺と顔が一致しない」「名刺だけではどんな人かを思い出せない」といった、人の氏名と人物像の不一致が生じてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、オンライン上で名刺交換を行いやすくするとともに、名刺交換した者の人物像を思い出しやすくすることを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、名刺情報などの個人情報を提供するためのシステムである。本発明に係る個人情報提供システムは、ユーザ端末とインターネット等の通信回線を通じて接続されている。個人情報提供システムは、ユーザ記憶部、個人特定情報受信部、候補情報取得部、候補情報送信部、決定情報受信部、送信情報抽出部、及び送信情報送信部を含む。ユーザ記憶部は、複数のユーザの識別情報を記憶するとともに、複数のユーザの個人情報及び動画情報をこの識別情報と関連付けて記憶するデータベースである。個人特定情報受信部は、ユーザ端末から特定の者の個人特定情報を受信する。個人特定情報の例は、ユーザの氏名あるいはそのヨミガナ、企業名、属性などの検索キーワードである。候補情報取得部は、個人特定情報受信部が受信した個人特定情報を用いて、ユーザ記憶部から特定の者の候補を検索して、複数のユーザから特定の者の候補である候補情報を取得する。なお、この候補情報には、ユーザの個人情報及び動画情報が含まれていてもよいが、この段階で候補情報には動画情報が含まれないことが好ましい。候補情報送信部は、候補情報取得部が取得した候補情報をユーザ端末に送信する。決定情報受信部は、ユーザ端末から特定の者の候補の中から特定の者を決定した決定情報を受取る。送信情報抽出部は、決定情報受信部が受け取った決定情報に基づき、特定の者を特定し、ユーザ記憶部から特定の者の動画情報を含む情報である送信情報を抽出する。送信情報送信部は、送信情報抽出部が抽出した送信情報をユーザ端末へ送信する。上記構成によれば、ユーザ同士でオンライン上で名刺交換を行いやすくなる。さらに、ユーザ端末に対して特定の者(具体的には名刺交換の対象者)の動画情報を含む情報を送信することで、名刺交換した者の人物像を思い出しやすくなる。
【0008】
本発明に係るシステムにおいて、特定の者の個人特定情報は、特定の者の苗字(姓)、名前(名)、氏名、苗字の読み、名前の読み、氏名の読み、企業名、電話番号、FAX番号、及び電子メールアドレスのうちいずれか1つ以上を含むことが好ましい。
【0009】
本発明に係るシステムにおいて、ユーザ記憶部は、識別情報と関連付けて名刺情報をさらに記憶し、送信情報は、特定の者の名刺情報を含むことが好ましい。
【0010】
本発明に係るシステムにおいて、送信情報は、特定の者の苗字、名前、氏名、苗字の読み、名前の読み、氏名の読み、企業名、電話番号、FAX番号、電子メールアドレス、及び写真のうち、ユーザ記憶部に記憶されている情報をさらに含むことが好ましい。
【0011】
本発明に係るシステムにおいて、ユーザ記憶部は、複数のユーザの属性に関する属性情報をさらに記憶することが好ましい。また、特定の者の個人特定情報には、属性に関する情報である希望属性情報が含まれ、個人特定情報受信部が希望属性情報を受取った場合、候補情報取得部は希望属性情報に基づいて、複数のユーザの属性に関する属性情報を用いて、候補情報を取得することが好ましい。
【0012】
本発明に係るシステムは、ユーザ端末から、ユーザ記憶部に記憶するためのユーザの個人情報及び動画情報の投稿を受け付ける通信部をさらに含むこととしてもよい。
【0013】
本発明に係るシステムは、ユーザ端末から投稿された動画を保存できる機能と、ユーザ端末がそれらに自由にアクセスできる機能を持つことが好ましい。
【0014】
本発明の第2の側面は、コンピュータを、上記第1の側面に係るシステムとして機能させるためのプログラムに関する。すなわち、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザ端末と接続可能な個人情報提供システムとして機能させる。個人情報提供システムは、前述したとおり、ユーザ記憶部、個人特定情報受信部、候補情報取得部、候補情報送信部、決定情報受信部、送信情報抽出部、及び送信情報送信部を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、オンライン上で名刺交換を行いやすくなるとともに、名刺交換した者の人物像を思い出しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、個人情報提供システムの全体構成を模式的に示している。
図2図2は、個人情報提供システムの機能構成を示したブロック図である。
図3図3は、データベースのデータ構成例を示している。
図4図4は、ユーザ端末に表示される名刺画像の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0018】
図1は、本発明に係る個人情報提供システム100の全体構成を示している。図1に示されるように、本システム100は、サーバ装置10とユーザ端末20を含み、これらがインターネット等の通信回線を通じて相互に接続されている。本システム100には、複数のユーザ端末20が含まれることが想定されている。ユーザ端末20は、ユーザによって所有される端末である。ユーザは、ユーザ端末20を操作して、自己の名刺情報をサーバ装置10のデータベースに登録したり、他のユーザの名刺情報をサーバ装置10から入手することができる。これにより、ユーザ同士が直接会わなくても、他のユーザの名刺情報を入手できるため、オンライン上で名刺交換を行うことが可能である。サーバ装置10は、各ユーザの名刺情報を管理したり、あるユーザからの要求を受けてそのユーザのユーザ端末20に他のユーザの名刺情報を送信したりする。なお、図1では、便宜上、サーバ装置10が一台のサーバ型コンピュータによって構築されているように表現しているが、このサーバ装置10は複数台のサーバ型コンピュータにその機能を分散して構築されたものであってもよい。
【0019】
本発明に係る個人情報提供システムは、上記したオンライン上での名刺交換や名刺管理機能を、ユーザ個人の動画情報と紐付けておこなうことを特徴の一つとする。本発明の個人情報提供システムは、このような動画と紐付けたオンライン上での名刺管理機能を、例えば就職支援サービスや、転職支援サービス、あるいは結婚支援サービスなど幅広く適用することができる。また、本発明では、ユーザの個人情報と動画情報を紐付けてデータベースにて管理するため、名刺のフォーマットに限られず、これらの個人情報と動画情報とを上記した就職支援や、転職支援、あるいは結婚支援といったサービスに広く利用できる。
【0020】
図2は、サーバ装置10とユーザ端末20の機能構成を示している。図2に示されるように、サーバ装置10は、中央制御部11、通信部12、及びデータベース13を含む。中央制御部11は、CPUやGPUなどのプロセッサとRAMなどのメインメモリで構成されており、システム全体の処理を統括している。中央制御部11は、メインメモリに格納されたプログラムをプロセッサにより実行することにより所定の処理を行う。中央制御部11の機能ブロックとしては、図2に示されるように、個人特定情報受信部11a、候補情報取得部11b、候補情報送信部11c、決定情報受信部11d、送信情報抽出部11e、及び送信情報送信部11fが含まれるが、これらのブロックについての詳細は後述する。サーバ装置10の通信部12は、インターネットを介してユーザ端末20と情報の送受信を行うための通信装置である。通信部12は、有線又は無線によって情報を送受信できるものであればよい。データベース13は、ユーザに関する情報や、名刺画像に関する情報を記憶している。データベース13のデータ構成の一例を図3に示す。
【0021】
図3は、データベース13に含まれるテーブルデータの例を示している。図3(a)は、ユーザごとに、その個人情報、動画情報、及び名刺情報を記憶するユーザテーブル(「ユーザ記憶部」の一例)である。これらの、ユーザの個人情報や動画情報については、ユーザ端末20からサーバ装置10に対してインターネット等を通じて投稿されたものが、このデータベース13に記憶されることとなる。ユーザテーブルでは、ユーザ毎に割り当てられた固有のユーザIDをキー項目として、個人情報、動画情報、及び名刺情報が関連付けれて登録される。個人情報には、ユーザの姓、名、あるいはそれらのヨミガナ、属性、電話番号、FAX番号、メールアドレス、ユーザの会員プランの区分、顔写真画像などが含まれる。なお、属性とは、例えばユーザの職業や肩書きである。また、ユーザの会員プランの区分としては、例えば無料プランと有料プランの別が含まれる。例えば、詳しくは後述するように、有料プランとしては、自己の名刺画像中の氏名を作家による手書きの筆文字によって表したり、あるいは、他のユーザの名刺画像の背景や挿絵を名刺交換時の日時やユーザの場所に応じて自動編集することが想定される。例えば、本実施形態では、自分が有料プランに登録していると、自己の名刺画像の氏名を他のユーザが閲覧する際に、自己の氏名が作家による手書きの筆文字画像で表される。また、自分が有料プランに登録していると、他のユーザの名刺画像を閲覧する際に、その交換日時やその他のユーザの場所に応じて、その他のユーザの名刺画像が自動で編集されるようになる。ただし、有料プラン及び無料プランの別によらず、すべての会員に対してこれらの筆文字機能及び/又は自動編集機能を提供することとしてもよい。また、動画情報としては、ユーザのプロフィール動画を示すURLが含まれる。動画情報には、動画そのもののデータが含まれていてもよいが、他の外部の動画配信サービス(Youtube(登録商標)など)のURLであってもよい。また、一人のユーザに対して複数の動画情報が関連付けられていてもよい。例えば、そのユーザの経歴を振り返ることのできる複数の動画(学生時代、社会人1社目、主任時代、転職1社目、部長時代など)を投稿できる。
【0022】
また、各ユーザの動画は、人工知能などを利用した自動動画編集機能によって作成されたものであってもよい。例えば、ユーザが複数の動画や複数の静止画をサーバ装置10にアップロードすると、このサーバ装置10は、これらの動画や静止画を素材として用いて、所定時間(例えば20秒程度)の動画を自動的に作成することとしてもよい。そして、サーバ装置10は、このようにして自動作成した動画データやその動画にアクセスするためのURLをデータベース13のユーザテーブルに登録しておけばよい。これにより、ユーザ自らでは動画を編集することが難しい場合であっても、短時間で有効なプロフィール動画を自動的に作成することが可能となる。また、一人のユーザに対して複数の動画が投稿されている場合、サーバ装置10は、これらの複数の動画情報を短く圧縮もしくは編集した動画を自動作成する機能や、複数の動画情報を自動的に文章化する機能を備えていてもよい。例えば、サーバ装置10は、人工知能などを利用して、学生時代から部長時代までの動画を自動的に編集してダイジェスト版を作成する機能を備えていてもよい。なお、これらの機能は、ユーザの動画編集をサポートする機能であり、ユーザは動画の自動編集や文章化の適否を任意を選択できる。
【0023】
また、ユーザテーブルの名刺情報には、名刺の画像(背景画像及び文字画像)や、名刺の背景画像中に表示される標準書体、筆文字画像、及び動画情報を表すQRコード(登録商標)などが含まれる。標準書体は、無料プランのユーザでも利用できる書体を想定しており、ゴシック体や明朝体などの標準的な書体を表している。筆文字画像は、ユーザの氏名を作家が手書きしたもののスキャン画像であり、有料プランの会員のみが利用できることを想定している。QRコード(登録商標)は、その二次元コードのなかに動画情報を示すURLの情報が埋め込まれている。名刺情報をユーザ端末20に提示する際には、名刺の背景画像に標準書体又は筆文字画像によるユーザの氏名とQRコード(登録商標)を重ね合わせて表示する。その際に、個人情報に含まれる各種情報をさらに名刺の背景画像に重ね合わせることも可能である。また、詳しくは後述するが、名刺画像を名刺交換の日時や場所に応じて編集したものを表示することができる。また、名刺画像上に表示されたQRコード(登録商標)を、専用のアプリケーションで読み取ることで、そのコードに埋め込まれたURLが指定する動画を閲覧することが可能となる。
【0024】
図3(b)は、ユーザごとに、他のユーザとの名刺交換の履歴を記憶する交換履歴テーブルである。交換履歴テーブルでは、名刺の交換要求を行ったユーザ(ユーザA)のユーザIDをキー項目として、そのユーザから名刺の交換要求を受けた他のユーザ(ユーザB)のユーザID、交換日時、交換場所、及び名刺の特殊表示の適否に関する情報が関連付けて登録される。なお、本願明細書では、名刺情報の入手を要求したユーザを「ユーザA」といい、名刺情報の入手の要求を受けたユーザを「ユーザB」という。交換日時は、ユーザAがユーザBの名刺情報を入手した日付及びその日時が含まれる。また、交換場所としては、名刺の入手を要求したユーザAが他のユーザBの名刺情報を入手したときに、ユーザBのユーザ端末20が所在していた場所が登録される。なお、別の実施形態においては、この交換履歴テーブルの交換場所には、ユーザAのユーザ端末20が所在していた場所を登録することとしてもよいし、ユーザAとユーザBのユーザ端末20の所在していた場所の両方を登録することとしてもよい。特殊表示適否に関する情報としては、ユーザAがユーザBの名刺情報を閲覧する際に、そのユーザBの名刺画像に筆文字画像が表示されるか否かや、ユーザBの名刺画像の背景画像が変更されたり挿絵画像が挿入されたりするか否かの情報が含まれる。例えば、本実施形態では、ユーザBが有料プランの会員である場合、ユーザAがユーザBの名刺画像を閲覧する際に、その名刺画像中のユーザBの氏名が手書きの筆文字で表される。また、ユーザAが有料プランの会員である場合、ユーザAがユーザBの名刺画像を閲覧する際に、その名刺画像中に、名刺交換の日時や場所に応じて背景画像が変更されたり挿絵画像が挿入されたりする。このため、交換履歴テーブルには、ユーザAが有料プラン会員であるか否かや、ユーザBが有料プランの会員であるか否かの情報が登録される。
【0025】
図3(c)及び図3(d)は、名刺画像の自動編集に用いられるコンテンツ画像に関する情報を記録したテーブルである。例えば、図3(c)の背景画像テーブルには、名刺交換の日時(日付及びその時間)ごとに、対応した背景画像が登録される。例えば、クリスマスシーズンの日付であればクリスマスに関連した背景画像が登録され、お正月シーズンの日付であればお正月に関連して背景画像が登録される。また、例えば午前中や、昼、夕方、夜といった時間帯ごとに、背景画像が登録されていてもよい。図3(d)の挿絵画像テーブルには、名刺交換時におけるユーザの所在場所ごとに、対応した挿絵画像が登録される。具体的には、ユーザAとユーザBとで名刺交換を行うにあたり、名刺交換要求を受けたユーザBの場所に対応して、ユーザAが閲覧するユーザBの名刺画像に挿絵が挿入されたり、その挿絵が変化することが好ましい。例えば、名刺交換時におけるユーザBの所在場所が北海道であれば北海道に関連した背景画像が挿入されたり、ユーザBの所在場所が東京であれば東京に関連した背景画像が挿入される。
【0026】
続いて、図2に戻り、ユーザ端末20の機能構成について説明する。ユーザ端末20は、ユーザによって所有されるスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの端末装置である。本実施形態において、ユーザ端末20は、あるユーザ(ユーザA)がサーバ装置10に対して他のユーザ(ユーザB)の名刺情報を閲覧する要求を行ったり、あるいはあるユーザがサーバ装置10に対して自己の名刺情報を登録する要求を行うために利用される。ユーザ端末20は、CPU及びメインメモリによって構成される制御部21と、4G、5G、あるいはWi-Fi(登録商標)などの公知の無線通信規格に則った通信装置である通信部22と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示部23と、タッチパネルやマウス、キーボードなどの入力部21と、カメラなどの撮像部25と、GPSセンサなどの位置取得部26とを有する。制御部21は、所定の情報の入力や送信、あるいは閲覧のためのアプリケーションプログラムをメモリから読み出して、その他の各種要素22~26を制御する。具体的には、制御部21は、通信部22を介してサーバ装置10から他のユーザの名刺画像や個人情報、動画情報を入手し、これらの情報を表示部23に表示する。また、制御部21は、入力部24を介して、ユーザ自身の名刺の登録情報や、他のユーザの名刺候補の選択情報などを受けて、サーバ装置10に送信する。また、制御部21は、撮像部25を介して静止画や動画を撮影して、これらの静止画や動画をユーザに関する情報としてサーバ装置10にアップロードすることもできる。また、制御部21は、位置取得部26を介してユーザ端末20の所在地の位置情報を取得して、サーバ装置10に送信することもできる。
【0027】
続いて、図2を参照して、あるユーザ(ユーザA)が他のユーザ(ユーザB)の名刺情報や、個人情報、あるいは動画情報を閲覧する処理について説明する。まず、ユーザAは、ユーザ端末20に、特定のユーザの個人特定情報を入力する。この個人特定情報は、ユーザを検索するためのキーワードとして機能するものであり、特定のユーザの苗字、名前、氏名、苗字の読み、名前の読み、氏名の読み、企業名、電話番号、FAX番号、及び電子メールアドレスのうちいずれか1つ以上が含まれる。ユーザ端末20は、ユーザAにより入力された個人特定情報をサーバ装置10に送信する。サーバ装置10の個人特定情報受信部11aは、通信部12を介して、このユーザ端末20から個人特定情報を受信する。
【0028】
次に、サーバ装置10の候補情報取得部11bは、個人特定情報受信部11aが受信した個人特定情報を用いて、データベース13(ユーザ記憶部)から特定のユーザの候補を検索して、データベース13内に登録されている複数のユーザの中からから特定のユーザの候補である候補情報を取得する。そして、サーバ装置10の候補情報送信部11cは、候補情報取得部11bがデータベース13から取得した候補情報を、通信部12を介してユーザ端末20に送信する。この候補情報には、図3(a)に示したユーザテーブルに登録されている情報を含めることができる。具体的には、候補情報には、図3(a)のユーザテーブルのうち、個人情報の中の姓、名、企業名、属性などの情報を含めれば十分である。個人情報のうち、電話番号やFAX番号は秘匿性の高い情報であるため、正式に名刺交換に指定された場合に、ユーザに開示すればよい。動画情報や名刺情報も同様である。
【0029】
また、データベース13には、前述のとおり、各ユーザの属性(職業や肩書き)に関する属性情報をさらに記憶しておくことができる。この場合、特定のユーザの個人特定情報には、属性に関する情報である希望属性情報が含まれることとしてもよい。また、個人特定情報受信部11aがユーザ端末20から希望属性情報を受取った場合、候補情報取得部11bはこの希望属性情報に基づいて、複数のユーザの属性に関する属性情報を用いて、候補情報を取得することとしてもよい。これにより、職業や肩書きなどによって名刺交換あるいは名刺閲覧を行うユーザを絞り込むこともできる。
【0030】
次に、ユーザ端末20は、サーバ装置10から受信した候補情報を表示部23に表示して、ユーザ(ユーザA)に対して、表示した候補情報の中から閲覧を希望する他のユーザ(ユーザB)を決定するように入力を促す。ユーザ端末20は、ユーザの候補情報の中から特定のユーザを決定した決定情報を、通信部22を介してサーバ装置10に送信する。
【0031】
次に、サーバ装置10の決定情報受信部11dは、通信部12を介してユーザ端末20から候補情報の中から特定のユーザを決定した決定情報を受信する。また、送信情報抽出部11eは、決定情報受信部11dが受け取った決定情報に基づいて、ユーザAの閲覧に係る特定のユーザBを特定し、データベース13(ユーザ記憶部)から、この特定のユーザBの個人情報、動画情報、及び名刺情報を送信情報として抽出する。この送信情報には、特定のユーザ(ユーザB)の苗字、名前、氏名、苗字の読み、名前の読み、氏名の読み、企業名、電話番号、FAX番号、電子メールアドレス、及び写真などが含まれていてもよい。そして、サーバ装置10の送信情報送信部11fは、送信情報抽出部11eが抽出した送信情報を、通信部12を介してユーザ端末20へ送信する。これにより、あるユーザAは他のユーザBの動画情報を含む名刺画像を、閲覧することができる。
【0032】
より具体的に説明すると、決定情報受信部11dは、あるユーザAから他のユーザBの名刺情報等の交換あるいは閲覧要求(すなわち決定情報)を受信すると、その情報をデータベース13の交換履歴テーブル(図3(b))に書き込むこととしてもよい。すなわち、交換履歴テーブルには、あるユーザAのユーザIDに関連付けて、名刺情報等の交換の要求があった他のユーザBのユーザIDと、交換日時と交換場所が登録される。この交換場所には、交換要求時において、ユーザBのユーザ端末20の位置取得部26によって取得された位置情報を登録しておけばよい。なお、別の実施形態では、この交換場所にユーザAのユーザ端末20の位置情報を登録しておくこともできる。また、決定情報受信部11dは、交換履歴テーブルに情報を登録するにあたり、ユーザテーブル(図3(a))を参照して、ユーザAとユーザBがそれぞれ有料プランの会員であるかどうかを確認し、交換履歴テーブルの特殊表示適否にその有料プランの会員であるか否かの情報を登録してくこともできる。
【0033】
また、送信情報抽出部11eは、データベース13から抽出した情報を利用して、ユーザAに提供するためのユーザBの名刺画像を作成する。具体的には、図4(a)から図4(d)には、ユーザAに提供されるユーザBの名刺画像の例が示されているが、送信情報抽出部11eはこのような名刺画像を作成することができる。
【0034】
図4(a)は、標準的な名刺画像を示している。すなわち、標準的な名刺画像には、ユーザBの氏名と会社名、連絡先(電話番号、FAX番号、メールアドレス)とともに、このユーザBの動画情報が埋め込まれたQRコード(登録商標)が示されている。なお、QRコード(登録商標)等の一部の情報を、名刺画像の裏面に表示することも可能である。その他、図示は省略するが、ユーザテーブル(図3(a))に登録さている顔写真の情報を名刺画像に表示することも可能である。この標準的な名刺画像において、ユーザBの氏名は、ユーザテーブルの名刺情報に含まれる標準書体が用いられている。この標準書体は、ユーザBが自己の名刺情報をサーバ装置10に登録する際に、自ら指定したものであってもよい。このような標準的な名刺画像が表示されるケースは、ユーザAとユーザBが共に無料プランの会員である場合が想定される。
【0035】
図4(b)に示した名刺画像は、ユーザBの氏名に作家による手書きの筆文字の画像が用いられた例を示している。ユーザBが有料プランの会員である場合、作家が手書きでユーザBの氏名を筆書きし、その筆文字のスキャン画像がユーザテーブルの名刺情報に登録されることとなる。そして、送信情報抽出部11eは、この筆文字のスキャン画像を名刺画像に採用する。このように、ユーザBの氏名をオリジナルの筆文字として表すことで、世界に一つだけの特別な名刺を作成することができる。なお、ここでは、筆文字画像を作成するのは、ユーザBが有料プラン会員である場合のオプションと説明したが、ユーザBが無料プラン会員の場合でも、この筆文字画像を作成して名刺画像に採用することとしてもよい。
【0036】
図4(c)及び図4(d)に示した名刺画像は、名刺交換時の日付やユーザの所在場所に応じて、ユーザAに提供されるユーザBの名刺画像が自動編集された場合の例を示している。このような名刺画像の自動編集機能は、ユーザAが有料プランの会員である場合に実行されることが好ましい。これにより、ユーザAは、ユーザBと名刺交換を行った日時や場所に応じて、それに関連付けられたユーザBの名刺画像を入手又は閲覧できるため、この名刺画像からユーザBと名刺交換を行ったシチュエーションを思い出しやすくなる。名刺交換のシチュエーションを思い出しやすくなれば、ユーザAはそれに伴ってユーザBの人物像も思い出しやすくなると期待できる。
【0037】
具体的には、図4(c)は、名刺画像の日時(日付及び時間)に応じて、ユーザBの名刺画像の背景が変化する例を示している。例えば、夜の時間帯にユーザAとユーザBの名刺交換が行われた場合、ユーザAがユーザBの名刺画像を閲覧しようとすると、ユーザBの名刺画像の背景が暗くなるように設定されている。送信情報抽出部11eは、交換履歴テーブル(図3(b))を参照して、ユーザAとユーザBの名刺交換の日時を読み出し、その日時に対応する背景画像を背景画像テーブル(図3(c))から抽出して、ユーザAがユーザBの名刺画像を閲覧するときにその名刺画像に適用すればよい。また、図4(d)は、名刺画像の交換時におけるユーザBの所在場所(名刺交換場所)に応じて、ユーザBの名刺画像に挿入される挿絵が変化する例を示している。例えば、ユーザBが富士山周辺に居るときに、ユーザAとユーザBの名刺交換が行われた場合、ユーザAがユーザBの名刺画像を閲覧しようとすると、ユーザBの名刺画像には富士山に関連する挿絵が挿入されるように設定されている。送信情報抽出部11eは、交換履歴テーブル(図3(b))を参照して、ユーザAとユーザBの名刺交換時点におけるユーザBの所在場所の情報を読み出し、その場所に対応する挿絵画像を挿絵画像テーブル(図3(d))から抽出して、ユーザAがユーザBの名刺画像を閲覧するときにその名刺画像に適用すればよい。なお、ここでは、名刺画像の自動編集機能を実行するのは、ユーザAが有料プラン会員である場合のオプションであると説明したが、ユーザAが無料プラン会員の場合でも、この自動編集機能を実行することとしてもよい。あるいは、この自動編集機能は、ユーザAではなく、ユーザBが有料プランの会員である場合に実行される機能としてもよい。
【0038】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【符号の説明】
【0039】
10…サーバ装置 11…中央制御部
11a…個人特定情報受信部 11b…候補情報取得部
11c…候補情報送信部 11d…決定情報受信部
11e…送信情報抽出部 11f…送信情報送信部
12…通信部 13…データベース
20…ユーザ端末 21…制御部
22…通信部 23…表示部
24…入力部 25…撮像部
26…位置取得部
図1
図2
図3
図4