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  • 特開-機器収容ラック用補助具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144463
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】機器収容ラック用補助具
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20220926BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H05K7/18 B
G06F1/16 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045495
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000144393
【氏名又は名称】株式会社三社電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090310
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 正俊
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 大喜
(57)【要約】
【課題】 ラックに機器を収容する際に、ラック後方から機器が脱落することを防止する。
【解決手段】 水平に位置する概略直方体状の機器6の四隅よりも外方の四箇所に垂直に位置する四本の支柱4の内、機器6の前後方向に位置する2本の支柱の機器6の下面側に一方の桟8が位置し、残りの2本の支柱4の機器6の下面側に他方の桟8が位置する機器収容ラックにおいて、1対の支持部10が各桟8の上面と機器6の下面とに接触して位置する。1対の支持部10の内側の上面の縁から、1対の桟保持部形成部14が、支持部10の下面との間に、桟8それぞれを保持するように伸びている。両支持部10の上面の外側の縁に沿って1対の幅方向規制部18がそれぞれ形成されている。1対の幅方向規制部18それぞれの機器6の後側の端部から、機器6の背面に接触するように1対の前後方向規制部20が形成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な上面と下面とを有する長尺の長方形状であって、前記上面と前記下面とは、その長さ方向に沿って一方の長縁と他方の長縁とを有する支持部と、
前記支持部の前記上面の前記一方の長縁から、前記一方の長縁に沿って形成され、前記支持部の前記下面との間に、ラックの垂直な支柱から水平に突出している桟を、保持する桟保持部形成部と、
前記支持部の前記上面の前記他方の長縁に沿って折り曲げられて形成され、前記他方の長縁から上方に突出している幅方向規制部と、
前記幅方向規制部の一方の端部から、前記幅方向規制部よりも内側に位置するように前記支持部から折り曲げられて形成された後ろ方向規制部とを、
有する機器収容ラック用補助具。
【請求項2】
請求項1記載の機器収容ラック用補助具において、前記幅方向規制部及び後ろ方向規制部は、外側に傾斜している機器収容ラック用補助具。
【請求項3】
水平に位置する概略直方体状の機器の四隅よりも外方の四箇所に垂直に位置する四本の支柱の内、前記機器の前後方向に位置する2本の支柱の前記機器の下面側に第1の桟が位置し、残りの2本の支柱の前記機器の下面側に第2の桟が位置する機器収容ラックにおいて、
前記第1及び第2の桟の上面と前記機器の下面とに接触して位置する1対の支持部と、
前記1対の支持部の内側の上面の縁から、前記支持部の下面との間に、第1及び第2の桟それぞれを保持するように伸びた1対の桟保持部形成部と、
前記支持部の前記上面の外側の縁に沿って形成され、その縁から伸びている1対の前記機器の幅方向規制部と、
前記1対の幅方向規制部それぞれの前記機器の後側の端部から、前記機器の背面に接触するように形成された1対の前後方向規制部とを、
有する機器収容ラック用補助具。
【請求項4】
前記後ろ方向規制部の前記幅規制部に隣接する前記支持部からの折り曲げ位置は、前記幅規制部の前記支持部からの折り曲げ位置よりも前記桟保持部形成部に近い位置である、請求項1乃至3いずれか記載の機器収容ラック用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックに機器、例えば電気機器を収容する際に、ラックの桟に取り付ける補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の補助具の一例が特許文献1に開示されている。この補助具は、ラックの桟に取り付けられる。ラックは、ラックに収容しようとする直方体状の機器の略四隅に垂直に建てた4本の支柱を有している。4本の支柱の内、機器の前後方向に対応する2本の支柱間に水平に1つの桟が取り付けられ、残りの2本の支柱間にも、上記1つの桟と同じ高さ位置に水平にもう1つの桟が取り付けられている。これら2つの桟それぞれに補助具が取り付けられている。補助具は、桟の長さ方向に沿う長尺の長方形状の支持部を有している。支持部は桟の上面に配置され、桟の機器側にある長縁から、下方に向かって桟保持部形成部が形成され、桟保持部形成部と支持部とに桟が接触している。支持部の外側(機器とは反対側)の長縁から外方の斜め上方に幅方向規制部が形成されている。
【0003】
この補助具が桟に取り付けられた状態で、機器の両端をそれぞれ支持部上に乗せて、ラックの前方側から後方側に押して、ラック内に機器を収容する。機器を押している際、幅方向形成部が存在するので、機器がラックの側方に曲がることなく、速やかに正しい姿勢で機器をラック内に収容することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】意匠登録第1640938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、幅方向規制部の後方は、開放されており、機器をラック内に収容するとき、所望の位置よりも奥まで機器の背面を送り込むことがあり、最悪の場合、ラックから機器が脱落することがある。
【0006】
本発明は、ラック内に機器を収容するために送り込むときに、ラック内の所望の位置で機器を停止させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の機器収容ラック用補助具は、互いに平行な上面と下面とを有する長尺の長方形状である支持部を有している。支持部の前記上面と前記下面とは、その長さ方向に沿って一方の長縁と他方の長縁とを有している。前記支持部の前記上面の前記一方の長縁から桟保持部形成部が、前記一方の長縁に沿って形成されている。桟保持部形成部は、前記支持部の前記下面との間に、ラックの垂直な支柱から水平に突出している桟を、保持する。桟保持部形成部は、支持部の一方の長縁の全域に形成することもできるし、間隔を開けて、複数形成することもできる。前記支持部の前記上面の前記他方の長縁に沿って幅方向規制部が折り曲げられて形成され、前記他方の長縁から上方に突出している。幅方向規制部は、例えば支持部の上面に対して90度以上の角度をなすように形成することもできる。この幅方向規制部も、他方の長縁の全域に形成することもできるし、間隔をおいて複数形成することもできる。前記幅方向規制部の一方の端部から、前記幅方向規制部よりも内側に位置するように前記支持部から後ろ方向規制部折り曲げられて形成されている。支持部の両端に、桟への取付部を形成することもできる。この機器収容ラック用補助具は、例えば金属製とすることができる。
【0008】
このように構成された機器収容ラック用補助具は、例えば機器の下面の両端を支持するように間隔をおいて水平に平行に配置された2本の桟それぞれに、桟保持部形成部と支持部との間に形成された桟保持部に桟が挿入される。このとき、桟の機器側の長縁に桟保持部形成部は挿入され、幅方向規制部は、機器の外側に位置している。この状態で、機器の両端が両支持部上に乗った状態で、機器がラックの奥に向かって押され、ラック内に収容される。機器が所定の位置まで収容されると、機器の背面が補助具の後ろ方向規制部に接触し、それ以上、機器がラックの奥側に進行することが阻止され、機器を所望の位置に収容することができる。
【0009】
上記態様の機器収容ラック用補助具では、前記幅方向規制部及び後ろ方向規制部は、外側に傾斜させることができる。外側に傾斜しているので、機器に幅方向規制部が直接に接触することがなく、機器に傷がつきにくい。また、後ろ方向規制部と機器が接触したときも、後ろ方向規制部の全面に機器が接触することがなく、機器に傷がつきにくい。
【0010】
本発明の他の態様の機器収容ラック用補助具は、機器収容ラックと共に使用される。機器収容ラックでは、水平に位置する概略直方体状の機器の四隅よりも外方の四箇所に垂直に4本の支柱が位置する。4本の支柱の内、前記機器の前後方向に位置する2本の支柱の前記機器の下面側に第1の桟が位置し、残りの2本の支柱の前記機器の下面側に第2の桟が位置する。機器収容ラック用補助具は、1対の支持部を有している。1対の支持部は、前記第1及び第2の桟の上面と前記機器の下面とに接触して位置している。前記1対の支持部の内側の上面の縁から、1対の桟保持部形成部が、前記支持部の下面との間に、第1及び第2の桟それぞれを保持するように伸びている。前記支持部の前記上面の外側の縁に沿って1対の前記機器の幅方向規制部が形成され、その外側の縁から伸びている。前記1対の幅方向規制部それぞれの前記機器の後側の端部から、前記機器の背面に接触するように1対の前後方向規制部が形成されている。
【0011】
この態様の機器収容ラック用補助具でも、上記の態様の機器収容ラック用補助具と同様に使用される。
【0012】
上記の各態様において、前記後ろ方向規制部の前記幅規制部に隣接する前記支持部からの折り曲げ位置は、前記幅規制部の前記支持部からの折り曲げ位置よりも前記桟保持部形成部に近い位置とすることもできる。このように構成すると、ラック内の後側のデッドスペースを小さくできる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、ラック内に機器を収容する際に機器の後部を損傷することなく、ラック内の所望位置に機器を収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の1実施形態の補助具の取付状態及び使用状態を示す斜視図である。
図2図1の補助具の使用状態の平面図である。
図3図1の補助具の平面図、側面図及び底面図である。
図4図1の補助具の拡大縦断側面図である。
図5図1の補助具の後端部の拡大平面図、側面図及び底面図である。
図6】本発明の他の実施形態の補助具の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の1実施形態の機器収容ラック用補助具(以下、補助具と称する)2は、図2に示すようなラックと共に使用される。ラックは、四本の支柱4を、例えば直方体状に形成された機器、例えば電気機器6の四隅の幾分外方にそれぞれ垂直に位置するように配置し、これら支柱4のうち、電気機器6の一方の端において、電気機器6の前後方向に位置する2本に、桟8が水平に掛け渡されている。残りの2本の支柱4間にも桟8が水平に配置されている。これら桟8、8は、電気機器6の下面に位置するように、同じ高さに配置されている。なお、図2における下側が電気機器6の前側である。
【0016】
これら桟8、8に2つの補助具2がそれぞれ取り付けられている。補助具2は、互いに対称に形成された金属製のもので、図3(a)乃至(c)に示すように、支持部10を有している。支持部10は、長尺の概略長方形状であり、その長手方向の両端に、桟8に対する取付部12を有し、取付部12間の距離が桟8の長さに一致するように形成されている。また、幅寸法は桟8の幅寸法よりも大きく、図1(b)に示すように桟8の上面に支持部10の下面を接触させた状態で、電気機器6の内側(ラックの内側)に位置する長縁側全域で、下方に折り曲げられて、図4に拡大して示すように、桟保持部形成部14が形成されている。この桟保持部形成部14では、その上面が桟8の下面と接触し、支持部10の下面が桟8の上面に接触する桟保持部16を、桟保持部形成部14の上面と支持部10の下面との間に形成するように支持部10の下面と桟保持部形成部14の上面との距離が選択されている。
【0017】
支持部10における桟保持部形成部14が形成されている長縁側とは反対側の長縁側、即ち電気機器6の外側(ラックの外側)には、図5(a)乃至(c)に示すように、幅方向規制部18と、後ろ方向規制部20とが形成されている。
【0018】
幅方向規制部18は、図2に示すように、電気機器6の前側にある取付部12から後側にある取付部12の幾分手前まで、支持部8の長手方向に沿う直線状の折り曲げ線に沿って折り曲げることによって形成されており、図4に示すように支持部10に対して90度を超える角度をなしている。図2に示すように、2つの桟8に、これら補助具2を取り付けた状態で、2つの補助具2における幅方向規制部18の支持部10との接合部間の距離は、電気機器6の幅方向の寸法にほぼ一致している。
【0019】
後ろ方向規制部20は、幅方向規制部18における電気機器6の後側の端部から切欠22だけ離れた位置にある。後ろ方向規制部22は、図5(a)に拡大して示すように、切欠22の端から電気機器6の内側に向かう傾斜した折り曲げ線に沿って形成され、かつ取付部12との間に隙間を有している。後ろ方向規制部20は、上記折り曲げ線に沿って折り曲げられて、図4に示すように、支持部10に対して90度を超える角度をなしている。この折曲げ線は、幅方向規制部18の折り曲げ線よりも幾分外側の位置にある。
【0020】
このように構成された2つの補助具2は、図1(a)に示すように、桟挿入部16の開口が桟8側にそれぞれ位置するように配置され、同図に矢印で示すように移動させて、桟挿入16に桟8を挿入させ、取付部12を利用して桟8に固定する。この状態で、図2に示すように幅方向規制部18は、その支持板10との接合部が桟8に沿って直線状に位置しているが、全体はラックの外側に向かって傾斜している。後ろ方向規制部20は、その支持板10との接合部がラックの内側に向かって直線状に位置しているが、全体はラックの外側に向かって傾斜した状態にある。
【0021】
この状態からラックの前側から電気機器6の両端の後側が補助具2、2の支持部10の前側上に乗せて、ラックの後ろ側に向かって押し込む。このとき、電気機器6の両端は、幅方向規制部18によって案内されるので、直線状に後側に進み、電気機器6がラックの側方に曲がって進むことはない。やがて、図1(b)に示すように電気機器6の両端が、後ろ方向規制部20に接触し、それ以上、後側に電気機器6が進むことはない。従って、ラックに電気機器6を収容する際に、誤って電気機器6がラックの後側から離脱することはないし、電気機器6の背面に取り付けられているコネクター等が損傷することもない。しかも、電気機器6は、後ろ方向規制部20の全面に接触せずに、電気機器6の後部の両端のみが接触するので、後ろ方向規制部20に接触しても、大きく損傷することはない。
【0022】
上記の実施形態では、桟保持部形成部14は、支持部10の一方の長縁の全域に形成したが、この一方の長縁に沿って間隔をおいて複数の桟保持部形成部を形成することもできる。同様に、幅方向規制部18も一方の長縁に沿って間隔をおいて複数形成することもできる。また、幅方向規制部18は、支持部10に対して90度を超える角度をなしているが、支持部10に対して90度の角度をなすように構成することもできる。同様に、後ろ方向規制部20も支持部10に対して90度の角度をなすように構成することもできる。また、後ろ方向規制部20は、幅方向規制部18と別個に形成したが、例えば図6に示すように、取付部12の近傍まで幅方向規制部18を延長し、その延長された部分をラックの内側に折り曲げて、その折り曲げられた部分を後ろ方向規制部20aとすることもできる。上記の実施形態では、電気機器6を使用したが、これに限ったものでなく、他の機器をラックに収容する場合にも使用できる。
【符号の説明】
【0023】
2 補助具
4 支柱
6 電気機器
8 桟
10 支持部
14 桟保持部形成部
16 桟挿入部
18 幅方向規制部
20 後ろ方向規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6