(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144565
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】穀物乾燥機
(51)【国際特許分類】
F26B 17/14 20060101AFI20220926BHJP
F26B 25/12 20060101ALI20220926BHJP
F26B 25/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
F26B17/14 P
F26B25/12 A
F26B25/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045622
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】升尾 智裕
(72)【発明者】
【氏名】佐々本 悟
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA07
3L113AB03
3L113AC04
3L113AC41
3L113AC45
3L113AC46
3L113AC51
3L113AC67
3L113AC79
3L113BA03
3L113DA07
3L113DA25
(57)【要約】
【課題】穀物貯留タンク内の穀物量を正確に視認することを可能とする穀物乾燥機を提供する。
【解決手段】穀物貯留タンクが複数のタンク側板を積み重ねて形成される側面を有する穀物乾燥機において、前記穀物貯留タンクは全高にわたる高さであって一側面を構成する縦部材を有し、前記縦部材には透明窓が設けられ、前記透明窓から前記穀物貯留タンク内の穀物量を視認可能とする。前記縦部材には略全高にわたり前記透明窓を設けることが好ましい。前記穀物貯留タンクは複数の前記縦部材を有し、少なくとも1つの前記縦部材に前記透明窓を設けることが好ましい。前記穀物貯留タンクが断面略矩形状であり、前記縦部材を四隅に有し、少なくとも対角線上に位置する二隅の前記縦部材に前記透明窓を設けることができる。前記四隅のすべての前記縦部材に前記透明窓を設けることもできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥部を内部に備えた乾燥機本体に上載して穀物貯留タンクを設けてなる穀物乾燥機であって、
前記穀物貯留タンクは複数のタンク側板を積み重ねて形成される側面を有する穀物乾燥機において、
前記穀物貯留タンクは全高にわたる高さであって一側面を構成する縦部材を有し、前記縦部材には透明窓が設けられ、
前記透明窓から前記穀物貯留タンク内の穀物量を視認可能とすることを特徴とする穀物乾燥機。
【請求項2】
前記穀物貯留タンクは全高にわたる高さであって一側面を構成する縦部材を有し、前記縦部材には略全高にわたり前記透明窓が設けられる請求項1に記載の穀物乾燥機。
【請求項3】
前記穀物貯留タンクは複数の前記縦部材を有し、少なくとも1つの前記縦部材に前記透明窓が設けられる請求項1又は2に記載の穀物乾燥機。
【請求項4】
前記穀物貯留タンクは断面略矩形状であり、前記縦部材を四隅に有する請求項3に記載の穀物乾燥機。
【請求項5】
前記穀物貯留タンクは、前記四隅のすべての前記縦部材に前記透明窓が設けられる請求項4に記載の穀物乾燥機。
【請求項6】
前記穀物貯留タンクは、少なくとも対角線上に位置する複数の前記縦部材に前記透明窓が設けられる請求項3又は4に記載の穀物乾燥機。
【請求項7】
前記透明窓は、前記縦部材の上下方向に連続状に設けられる請求項1乃至6のいずれかに記載の穀物乾燥機。
【請求項8】
前記透明窓は、前記縦部材の上下方向に分割して複数が断続状に設けられる請求項1乃至6のいずれかに記載の穀物乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は穀物乾燥機に係り、特に、穀物貯留タンク内の穀物量を視認するための透明窓を有する穀物乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の穀物乾燥機においては、乾燥機本体の上部に載置される穀物貯留タンクの側面に透明部材からなる複数の透明窓を設け、該穀物貯留タンク内に投入された穀物量を視認することが行われている(特許文献1,2を参照。)。
【0003】
そして、前記透明窓からの前記穀物貯留タンク内部の視認性を向上させるため、特許文献1においては、覗き窓(透明窓)を外から照らす照明灯を設けることが提案され、特許文献2においては、覗き窓が形成されていない側壁の内側に光源を設けることが提案されている。
【0004】
ところで、特許文献1,2に記載された穀物乾燥機は、前記穀物貯留タンクが矩形状の鋼板からなる複数のタンク側板を積み重ねて形成される側面を有し、複数の前記透明窓が前記穀物貯留タンクの前記側面に上下方向に並べて設けられている。
【0005】
ところが、前記特許文献1,2に記載された穀物乾燥機は、前記穀物貯留タンクの側面を形成する前記各タンク側板に前記透明窓を設けるものであり、前記各タンク側板が上下に重合する部分には透明窓を設けることができないため、穀物の貯留高さによっては前記穀物貯留タンク内の穀物量を視認しづらい問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-89335号公報
【特許文献2】特開2019-78473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、前記穀物貯留タンク内の穀物量を正確に視認することを可能とする穀物乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、
乾燥部を内部に備えた乾燥機本体に上載して穀物貯留タンクを設けてなる穀物乾燥機であって、
前記穀物貯留タンクは複数のタンク側板を積み重ねて形成される側面を有する穀物乾燥機において、
前記穀物貯留タンクは、該穀物貯留タンクの全高にわたる高さであって一側面を構成する縦部材を有し、前記縦部材には透明窓が設けられ、
前記透明窓から前記穀物貯留タンク内の穀物量を視認可能とすることを特徴とする。
【0009】
本発明は、
前記穀物貯留タンクが、該穀物貯留タンクの全高にわたる高さであって一側面を構成する縦部材を有し、前記縦部材には略全高にわたり前記透明窓が設けられることが好ましい。
【0010】
本発明は、
前記縦部材の両側に前記複数のタンク側板を積み重ねて形成される側面を隣接して設けることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、
前記縦部材を前記乾燥機本体の上部に立設することが好ましい。
【0012】
本発明は、
前記穀物貯留タンクが複数の前記縦部材を有し、少なくとも1つの前記縦部材に前記透明窓が設けられることが好ましい。
【0013】
本発明は、
前記穀物貯留タンクが、前記縦部材を少なくとも隅角部に有することが好ましい。
【0014】
本発明は、
前記穀物貯留タンクが断面略矩形状であり、前記縦部材を四隅に有することが好ましい。
【0015】
本発明は、
前記穀物貯留タンクが、前記四隅のすべての前記縦部材に前記透明窓が設けられることが好ましい。
【0016】
本発明は、
前記穀物貯留タンクが、少なくとも対角線上に位置する複数の前記縦部材に前記透明窓が設けられることが好ましい。
【0017】
本発明は、
前記透明窓が、前記縦部材の上下方向に連続状に設けられることが好ましい。
【0018】
本発明は、
前記透明窓が、前記縦部材の上下方向に分割して複数が断続状に設けられることが好ましい。
【0019】
本発明は、
前記縦部材が、前記穀物貯留タンクの一側面を構成する鉛直部を有する側面部と、前記側面部の両側縁に設けられ外方側へ向く鉛直部を有する係合部を備え、前記側面部に前記透明窓を設けることが好ましい。
【0020】
本発明は、
前記穀物貯留タンクの下部から上部にわたり前記側面部に前記透明窓を設けることができる。
【0021】
本発明は、
前記透明窓に目盛り用のシールを貼着することが好ましい。
【0022】
本発明は、
前記縦部材の左右両側に位置する各タンク側板の左右両側部に外方側へ向く鉛直部を有する縦フランジが設けられ、
前記各タンク側板の前記縦部材側の側部に設けられる前記各縦フランジを前記縦部材の前記係合部に係合させて前記各タンク側板と前記縦部材を固定することが好ましい。
【0023】
本発明は、
前記乾燥機本体の少なくとも上部隅角部に前記縦部材を立設する一方、
前記各タンク側板の左右両側部には外方側へ向く鉛直部を有する縦フランジが設けられ、
前記各タンク側板の前記両側部に設けられる前記各縦フランジを該タンク側板の両側に位置する前記各縦部材の前記係合部に係合させて前記各タンク側板を前記各縦部材間に装着することが好ましい。
【0024】
本発明は、
前記各タンク側板には外方側へ向く水平部を有する横フランジが設けられ、前記タンク側板の下部に設けられる下部横フランジを該タンク側板の直下に位置するタンク側板の上部に設けられる上部横フランジに順次係合させ、複数の前記タンク側板を積み重ねて前記側面を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、前記穀物貯留タンクが複数のタンク側板を積み重ねて形成される側面を有する穀物乾燥機において、前記穀物貯留タンクが、該穀物貯留タンクの全高にわたる高さであって一側面を構成する縦部材を有し、前記縦部材には透明窓が設けられ、前記透明窓から前記穀物貯留タンク内の穀物量を視認可能とするので、前記穀物貯留タンクの側面の任意の高さ位置に透明窓を設けることができ、前記縦部材の略全高にわたり透明窓を設けることが可能となる。
したがって、本発明によれば、穀物貯留タンクの側面に下部から上部にわたり透明窓を設けることができるので、穀物の貯留高さにかかわらず、穀物貯留タンク内の穀物量を正確に視認することが可能となる。
【0026】
また、本発明は、穀物貯留タンクの全高にわたる高さの縦部材に透明窓を設けるので、従来の穀物乾燥機のように、上下に積み重ねて側面を形成するタンク側板毎に透明窓を設ける必要がなく、透明窓を形成する作業の煩雑さを解消することができる。
【0027】
本発明は、前記穀物貯留タンクが断面略矩形状であり、前記縦部材を四隅に有し、前記四隅のすべての前記縦部材に前記透明窓が設けられることとすれば、前記穀物貯留タンクの四隅の略全高にわたって穀物量を把握することが可能となり、穀層の片寄り状態も確認することが可能となる。
【0028】
本発明は、前記穀物貯留タンクが、前記縦部材を少なくとも隅角部、例えば断面略矩形状の四隅に前記縦部材を有し、少なくとも対角線上に位置する複数の前記縦部材に前記透明窓が設けられることとすれば、外部からの光が前記穀物貯留タンクの内部を対角線上に通過するので視認性が向上する。
【0029】
本発明は、前記縦部材の上下方向に穀物貯留タンクの下部から上部にわたり連続状に透明窓を設けることとすれば、比較的薄暗い作業場にあっても十分な採光性をもち視認性に優れるため、従来の穀物乾燥機のように、別途光源を設ける必要がない。
【0030】
本発明は、前記穀物貯留タンクが、前記縦部材を少なくとも隅角部、例えば断面略矩形状の四隅に前記縦部材を有することとすれば、前記穀物貯留タンクが実質的に断面八角形状となり、各隅角部が鈍角となるため、前記各隅角部において前記穀物貯留タンクの側面から受ける抵抗が小さくなって穀物がブリッジしにくくなり、前記穀物貯留タンク内において穀物を均一に流下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施の形態における穀物乾燥機の全体斜視図である。
【
図3】穀物貯留タンクを構成するタンク側板と縦部材の説明図である。
【
図6】穀物貯留タンクを組み立てる様子の説明図である。
【
図7】穀物貯留タンクを組み立てる様子の説明図である。
【
図8】穀物貯留タンクを組み立てる様子の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における穀物乾燥機の全体斜視図を示す。
図2は
図1の穀物乾燥機の正面断面図を示す。
本発明の実施の形態における穀物乾燥機1は、乾燥機本体3と該乾燥機本体3に上載する穀物貯留タンク2とからなり、前記乾燥機本体3は内部に乾燥部を備え、前記乾燥部には、中央に前後方向にわたる熱風室31が設けられ、前記熱風室31を挟んで両側に一対の排風室32が設けられ、前記熱風室31と前記排風室32との間に、その上部を前記穀物貯留タンク2と接続する一対の穀物乾燥室33が設けられる。
【0033】
前記熱風室31の前端面は熱風発生装置としてのバーナ(図示せず)に接続され、前記バーナによって生成される熱風が前記熱風室31内に供給される。前記穀物乾燥室33は多孔壁(スクリーン)によって形成され、前記熱風室31内の熱風が前記穀物乾燥室33を通過して前記排風室32内に流入し、後述する排風機によって機外へ排風されるように構成される。
【0034】
前記乾燥機本体3の前面壁には前記バーナを内蔵するバーナボックス34を配設する一方、前記乾燥機本体3の背面壁には前記排風室32の後端面の一対の排風口35を覆うようにファンボックス36が設けられ、該ファンボックス36の中央部に排風機(図示せず)を取り付ける。また、前記バーナボックス34内には、制御部を内蔵するコントロールボックス(図示せず)を収納し、その前面側のカバー体には前記コントロールボックスと電気的に接続された液晶タッチパネル等からなる操作部が設けられる。
【0035】
前記バーナボックス34の一側には近接して昇降機4を立設する。前記昇降機4は、バケットエレベータ(図示せず)と該バケットエレベータを覆うケーシングを有し、前記乾燥機本体3の内部において前記穀物乾燥室33を通過した穀物を前記バケットエレベータで揚穀して前記穀物貯留タンク2へ還流させる。
【0036】
前記穀物乾燥室33の下端部には該穀物乾燥室33内の穀物を順次流下させるために間歇駆動するロータリバルブ37を横設し、前記乾燥機本体3の底部には前記ロータリバルブ37から落下する穀物を受ける集穀ホッパ38を設け、該集穀ホッパ38の中央部には下部スクリューコンベア39を横設する。該下部スクリューコンベア39の搬送終端部と前記バケットエレベータの供給口は接続樋により接続される。
【0037】
前記昇降機4の上部には前記バケットエレベータを駆動するためのモータ42を設けるとともに、その吐出部は、前記穀物貯留タンク2の天板部に横設する上部スクリューコンベア27に接続される。該上部スクリューコンベア27の搬送終端部には穀物を前記穀物貯留タンク2内に均等に投入するための回転分散盤28が回転可能に垂設される。
【0038】
前記穀物乾燥機1には、前記穀物貯留タンク2に立て掛けて点検等を行うための梯子5を付随させることができる。前記梯子5は、2本の縦部材51,51間に多数の横部材(タラップ)52を連結してなり、前記縦部材51の先端に設けられるフック53を前記穀物貯留タンク2のタンク側板の上部に設けられる受け具29に引っ掛けて取り付ける。
【0039】
図3は穀物貯留タンクを構成するタンク側板と縦部材を斜め上方から見た説明図を示す。
図4はタンク側板と縦部材を上方から見た説明図を示す。
本発明の実施の形態において、前記穀物貯留タンク2は断面略矩形状であり、鋼板製の縦部材7を四隅に有し、前記各縦部材7間に矩形の鋼板からなるタンク側板21,22を装着し、複数の前記タンク側板21,22を積み重ねて側面を形成する。
【0040】
図3に示すように、前記各タンク側板21,22の外側面の上下には、外方側へ向く水平部を有する横フランジが水平方向に向けて設けられる。前記各タンク側板21,22の上部には、前記鋼板の上辺を折曲げて水平面を有する上部横フランジ23aを形成することができる。また、前記各タンク側板の21,22下部には、前記鋼板の下辺を折曲げて水平面を有する下部横フランジ23bを形成することができる。
【0041】
前記穀物貯留タンク2は、前記タンク側板21,22の下部に設けられる前記下部横フランジ23bを該タンク側板21,22の直下に位置するタンク側板の上部に設けられる前記上部横フランジ23aに順次積み重ね係合させて側面を形成する。
【0042】
また、前記各タンク側板21,22の左右には、外方側へ向く鉛直部を有する縦フランジ24が鉛直方向に向けて設けられる。前記各タンク側板21,22の左右両側部には、前記鋼板の左右各辺を折曲げて鉛直面を有する縦フランジ24,24を形成することができる。
【0043】
図4に示すように、前記縦部材7は、前記穀物貯留タンク2の一側面を構成する鉛直面を有する側面部71と、前記側面部71の両側縁に設けられる外方側へ向く鉛直部であって前記タンク側板21,22の両側部に設けられる前記縦フランジ24,24を係合させる係合部72を備える。
【0044】
前記各タンク側板21,22は、前記縦フランジ24,24により前記縦部材7の前記係合部72に係合され、クサビやボルト・ナット等の固定手段によって固定される。
【0045】
図5は縦部材の正面図を示す。
前記穀物貯留タンク2は、該穀物貯留タンク2の全高にわたる高さであって一側面を構成する鋼板製の縦部材7を有する。
前記縦部材7は、前記穀物貯留タンク2の一側面を構成する前記側面部71と、前記側面部71の両側縁に設けられる前記係合部72を備える。
【0046】
前記縦部材7の前記側面部71には、略全高にわたりアクリル樹脂やガラス等の透明部材からなる透明窓711が設けられ、前記透明窓711から前記穀物貯留タンク2内の穀物量を視認可能とする。
また、前記透明窓711には目盛り用の透明シール712を貼着することができる。ここでは、前記穀物貯留タンク2内の穀物量の貯留レベルを数字で表す透明シール712を貼着した例を示している。
【0047】
ここで、前記透明窓711は、前記透明部材を二枚重ねにして二重構造とすることができる。前記透明窓711を二重構造とすれば、強度を向上させることができるとともに、内側の透明部材が破損した場合でも前記穀物貯留タンク2内の穀物が外部に漏れることを防止できる。
【0048】
なお、ここでは、前記透明窓711は、前記縦部材7の上下方向に連続状に設ける例を示しているが、前記縦部材7の上下方向に複数に分割して断続状に設けることもできる。
【0049】
前記縦部材7の前記側面部71には、略全高にわたり前記透明部材からなる透明窓711を設けるので、穀物の貯留高さにかかわらず前記穀物貯留タンク2内の穀物量を容易に視認することができる。
【0050】
図6乃至
図8は穀物貯留タンクを組み立てる様子の説明図を示す。
まず、
図6に示すように、前記乾燥機本体3の上部四隅にそれぞれ前記縦部材7を立設する。前記縦部材7は前記乾燥機本体3の上部四隅に例えばクサビ等により固定することができる。
【0051】
次に、
図7及び
図8に示すように、前記各縦部材7,7間において前記タンク側板21,22を順次積み重ねていく。
その際、前記各タンク側板21,22は、両側部に設けられる前記各縦フランジ24,24を該タンク側板21,22の両側に位置する前記各縦部材7の前記係合部72に係合させてクサビやボルト・ナット等の固定手段により前記各縦部材7,7間に固定する。ここでは、クサビと係止具を用いて固定する様子を示している。なお、上下のタンク側板同士は必ずしも固定手段により固定する必要はない。
【0052】
前記穀物貯留タンク2は、前記各タンク側板21,22を前記各縦部材7,7間に安定した状態で装着し固定することができるため組み立てが容易となる。
また、前記穀物貯留タンク2は、四隅部において前記各タンク側板21,22の側部同士を組み合わせることなく組み立てることができるため組み立てが容易となる。
【0053】
本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、前記穀物貯留タンク2が複数のタンク側板21,22を積み重ねて形成される側面を有するものであり、前記穀物貯留タンク2が、該穀物貯留タンク2の全高にわたる高さであって一側面を構成する縦部材7を有し、前記縦部材7には透明窓711が設けられ、前記透明窓711から前記穀物貯留タンク2内の穀物量を視認可能とするので、前記穀物貯留タンク2の側面に設ける透明窓711の高さ位置が制限されず、前記穀物貯留タンク2の側面の任意の高さ位置に透明窓711を設けることができるため、前記縦部材の略全高にわたり透明窓711を設けることが可能となる。
したがって、本発明の実施の形態における穀物乾燥機によれば、穀物貯留タンク2の側面に下部から上部にわたり透明窓711を設けることができるので、穀物の貯留高さにかかわらず、穀物貯留タンク2内の穀物量を正確に視認することが可能となる。
【0054】
また、本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、穀物貯留タンク2の全高にわたる高さの縦部材7に透明窓711を設けるので、従来の穀物乾燥機のように、上下に積み重ねて側面を形成するタンク側板毎に透明窓を設ける必要がなく、透明窓を形成する作業の煩雑さを解消することができる。
【0055】
本発明の実施の形態において、前記穀物貯留タンク2は断面略矩形状であり、前記縦部材7を四隅に有し、前記四隅のすべての前記縦部材7に前記透明窓711を設けることとすれば、前記穀物貯留タンク2の四隅の略全高にわたって穀物量を把握することが可能となり、穀層の片寄り状態も確認することが可能となる。
【0056】
また、本発明の実施の形態において、前記穀物貯留タンク2は、前記四隅の縦部材7のうち、少なくとも対角線上に位置する二隅の前記縦部材7に前記透明窓711を設けることとすれば、外部からの光が前記穀物貯留タンク2の内部を対角線上に通過するので視認性が向上する。
【0057】
さらに、本発明の実施の形態において、前記穀物貯留タンク2は、前記縦部材7を断面略矩形状の四隅に有するので、実質的に断面八角形状となり、各隅角部が鈍角となるため、前記各隅角部において前記穀物貯留タンク2の側面から受ける抵抗が小さくなって穀物がブリッジしにくくなり、前記穀物貯留タンク2内において穀物を均一に流下させることができる。
【0058】
本発明の実施の形態において、前記穀物貯留タンク2は、一隅の前記縦部材7にのみ前記透明窓711を設ける場合であっても、前記縦部材7の上下方向に穀物貯留タンク2の下部から上部にわたり連続状に透明窓711を設ければ、比較的薄暗い作業場にあっても十分な採光性をもち視認性に優れるため、別途光源を設ける必要がない。
【0059】
上記本発明の実施の形態において、前記穀物貯留タンク2は断面略矩形状であり、前記縦部材7を四隅に設けるものであるが、前記縦部材7を複数のタンク側板を積み重ねて形成される側面と同一面上に設けることもできる。
【0060】
また、上記本発明の実施の形態において、前記穀物貯留タンク2を断面略矩形状としたが、これに限定されるものでなく、断面多角形状とすることもできる。
【0061】
なお、上記本発明の実施の形態において、前記穀物貯留タンク2を構成する前記縦部材7や前記タンク側板21,22を固定する場合は、クサビやボルト・ナット等の固定手段によることとしたが、溶接等の固定手段により固定することもできる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更することができることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の穀物乾燥機は、穀物の貯留高さにかかわらず、穀物貯留タンク内の穀物量を正確に視認することを可能とするものであり、極めて有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 穀物乾燥機
2 穀物貯留タンク
21 タンク側板
22 タンク側板
23a 上部横フランジ
23b 下部横フランジ
24 縦フランジ
3 乾燥機本体
31 熱風室
32 排風室
33 穀物乾燥室
4 昇降機
5 梯子
7 縦部材
71 側面部
711 透明窓
712 透明シール
72 係合部