(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144575
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】小型移動装置およびそれを備えた管理システム
(51)【国際特許分類】
B60L 15/20 20060101AFI20220926BHJP
H02P 29/00 20160101ALI20220926BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20220926BHJP
B60K 28/10 20060101ALI20220926BHJP
B62J 27/00 20200101ALI20220926BHJP
【FI】
B60L15/20 J
H02P29/00
B60L50/60
B60K28/10 Z
B62J27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045647
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池▲崎▼ 勇喜
【テーマコード(参考)】
3D037
5H125
5H501
【Fターム(参考)】
3D037FA16
3D037FB01
5H125AA01
5H125AB03
5H125AC12
5H125BA00
5H125CC04
5H125EE42
5H125EE52
5H125EE66
5H501AA20
5H501BB08
5H501CC04
5H501DD01
5H501FF04
5H501JJ03
5H501JJ17
5H501LL01
5H501MM09
(57)【要約】
【課題】安全性の向上を図ることが可能な小型移動装置を提供する。
【解決手段】電動キックボード100は、バッテリによって駆動されるモーターと、アクセル102の操作に従って、モーターを制御するモーター制御装置2と、カメラシステム1とを備えている。カメラシステム1は、カメラ3と、速度を検知するセンサ4と、カメラ3からの撮影情報と、センサ4からの検知情報に従って、モーター制御装置2を制御するプロセッサ5とを備えている。カメラシステム1におけるプロセッサ5は、検知情報が、所定の速度を超える速度であることを示しているとき、または撮影情報が、対向物の存在を示しているとき、モーター制御装置2に対して、モーターを減速させるように指示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリによって駆動されるモーターと、
アクセルの操作に従って、前記モーターを制御するモーター制御装置と、
カメラと、速度を検知するセンサと、前記カメラからの撮影情報と、前記センサからの検知情報に従って、前記モーター制御装置を制御する制御装置とを備えたカメラシステムと、
を備え、
前記制御装置は、前記検知情報が、所定の速度を超える速度であることを示しているとき、または前記撮影情報が、対向物の存在を示しているとき、前記モーター制御装置に対して、前記モーターを減速させるように指示する、
小型移動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の小型移動装置において、
前記モーター制御装置は、カメラシステムと接続するための接続端子を備え、
前記モーター制御装置は、前記接続端子にカメラシステムが接続されたとき、接続されたカメラシステムが所定の機能を備えているか否かを判定する、
小型移動装置。
【請求項3】
小型移動装置と、中央管理装置を備える管理システムであって、
前記小型移動装置は、
バッテリによって駆動されるモーターと、
アクセルの操作に従って、前記モーターを制御するモーター制御装置と、
カメラと、速度を検知するセンサと、通信装置とを備えたカメラユニットと、
を備え、
前記中央管理装置には、前記カメラによって取得された撮影情報と、前記センサによって取得された検知情報とが、前記通信装置よって送信され、前記中央管理装置は、前記検知情報が、所定の速度を超える速度であることを示しているとき、または前記撮影情報が、対向物の存在を示しているとき、前記通信装置に対して、前記モーターを減速させる指示を送信し、前記モーター制御装置は前記指示に応答して、前記モーターを減速させる、
管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型移動装置およびそれを備えた管理システムに関し、例えば、モーターを動力源とした小型移動装置およびそれを備えた管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
モーターを動力源とした小型移動装置としては、例えば電動自転車、電動キックボード等がある。このような小型移動装置には、安全装置やドライブレーダー等は搭載されておらず、後から搭載することもされていなかった。
【0003】
一方、ガソリンエンジンを動力源とした、例えばバイクでは、例えば特許文献1に記載されているように、安全運転を支援する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば電動キックボードでは、現在公道検証が進められているが、安全性の観点から原動機付免許が必要とされ、幅広い年齢層の方が簡単に使用することが困難であると言う課題がある。勿論、特許文献1には、電動キックボードのような小型移動装置は、示されておらず、このような小型移動装置に係る安全性についても記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載されている一実施の形態に係る小型移動装置を、簡単に述べると、次の通りである。
【0007】
すなわち、小型移動装置は、バッテリによって駆動されるモーターと、アクセルの操作に従って、モーターを制御するモーター制御装置と、カメラシステムとを備えている。ここで、カメラシステムは、カメラと、速度を検知するセンサと、カメラからの撮影情報と、センサからの検知情報に従って、モーター制御装置を制御する制御装置とを備えている。カメラシステムにおける制御装置は、検知情報が、所定の速度を超える速度であることを示しているとき、または撮影情報が、対向物の存在を示しているとき、モーター制御装置に対して、モーターを減速させるように指示する。
【0008】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、安全性の向上を図ることが可能な小型移動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る小型移動装置および小型移動装置を備えた管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る小型移動装置の動作を示すフローチャート図である。
【
図3】実施の形態2に係る小型移動装置の動作を説明するフローチャート図である。
【
図4】実施の形態1に係る電動キックボードを示す模式的な側面図である。
【
図5】実施の形態1に係る電動キックボードの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。
【0012】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0013】
本明細書においては、小型移動装置として、電動キックボードを例にして説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、モーターを動力源とした小型の移動装置であればよい。
【0014】
(実施の形態1)
<電動キックボードの概要>
先ず、電動キックボードの構成を、図面を用いて説明する。
図4は、実施の形態1に係る電動キックボードを示す模式的な側面図である。また、
図5は、実施の形態1に係る電動キックボードの構成を示すブロック図である。
【0015】
図4において、100は電動キックボードを示し、FDは前輪、RDは後輪、SDは電動キックボードの使用者が座るサドルを示している。前輪FD、後輪RDおよびサドルは、電動キックボード100の車体BDに取り付けられている。また、
図4において、101および102は、車体BDに取り付けられ、使用者が操作するブレーキおよびアクセルを示している。なお、他の実施形態では、電動キックボードにはサドルSDが設けられていなくてもよい。
【0016】
図4において、1は、車体BDに取り付けられたカメラシステムを示している。カメラシステム1は、後で詳しく説明するが、カメラを備えており、カメラシステム1のカメラは、電動キックボード100の進行方向である前面を撮影する。
図4において、10は、サドルSDに取り付けられた接続端子を示している。後で詳しく説明するが、カメラシステム1と同様な外付けカメラシステムを、後付けで、電動キックボード100に搭載する際に、接続端子10に外付けカメラシステムの接続端子が接続される。この場合、外付けカメラシステムが備えるカメラは、電動キックボードの後方を向いており、後方面を撮影するのに用いられる。
【0017】
電動キックボード100の車体BDには、
図5に示す部品が設けられている。
図5において、BTはバッテリを示し、MTは後輪RDを駆動する動力源であるモーターを示し、2はモーター制御装置を示している。モーター制御装置2は、
図4に示したブレーキ101、アクセル102およびカメラシステム1からの指示に従って、バッテリBTからモーターMTに供給する電力を制御し、モーターMTの動作および回転数を制御する。例えば、使用者が、ブレーキ101をオフ状態に操作し、アクセル102を操作することにより、モーターMTおよび後輪RDの回転数が変化し、電動キックボード100の速度が変化する。
【0018】
<小型移動装置およびそれを備えた管理システム>
次に、実施の形態1に係る小型移動装置および管理システムを、図面を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係る小型移動装置およびそれを備えた管理システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
カメラシステム1は、
図1に示すように、カメラ3と、電動キックボード100の速度を検知するためのセンサ(例えば加速度センサ)4と、通信装置6と、マイクロプロセッサ(以下、単にプロセッサとも称する)5と、接続端子7とを備えている。カメラ3は、電動キックボード100の前面を撮影し、撮影により取得した動画像データ(撮影情報)を、プロセッサ5に供給する。また、センサ4は、電動キックボード100の速度を検知し、検知情報として、プロセッサ5に供給する。プロセッサ5は、図示しないプロクラムに従って、撮影情報および検知情報を処理し、処理により得られた結果を接続端子7に供給する。また、プロセッサ5は、供給された撮影情報および検知情報を通信装置6に供給する。
【0020】
モーター制御装置2は、ブレーキ101およびアクセル102と、特に制限されないが、2つの接続端子8、10に接続されている。
図1では、ブレーキ101とモーター制御装置2との接続は省略されている。接続端子8はカメラシステム1の前記した接続端子7と電気的に接続されている。接続端子7および8を介して、カメラシステム1における処理によって得られた結果が、モーター制御装置2に供給される。これにより、モーター制御装置2は、アクセル102およびカメラシステム1からの指示に従って、モーターMTを制御する。また、接続端子7および8を介して、モーター制御装置2からプロセッサ5に対して指示が行われる。
【0021】
接続端子10は、
図4で説明したように、外付けカメラシステムを、電動キックボード100に搭載し、接続するのに用いられる。すなわち、必要に応じて、カメラシステム1と同様な構成を有する別の外付けカメラシステムの接続端子が、後付けで接続端子10に接続される。外付けカメラシステムが、電動キックボード100に搭載された場合、モーター制御装置2は、外付けカメラシステムからの指示によっても、モーターMTを制御することになる。
【0022】
モーター制御装置2は、特に制限されないが、実施の形態1においては、プログラムに従って動作するプロセッサによって構成されている。
【0023】
図1において、9は中央管理システム(中央管理装置)を示している。中央管理システム9は、電動キックボード100と離れた場所に存在する。中央管理システム9は、通信装置9_1とプロセッサ9_2とを備えており、カメラシステム1の通信装置6との間が、破線で示すように無線通信によって接続されている。通信装置6から撮影情報および検知情報が、無線通信によって、中央管理システム9に送信され、中央管理システム9のプロセッサ9_2において、電動キックボード100の状態が把握される。また、プロセッサ9_2の指示が、通信装置9_1によって、無線通信で通信装置6に送信され、プロセッサ5によってモーター制御装置2に伝えられる。この場合、モーター制御装置2は、中央管理システム9内のプロセッサ9_2からの指示に従って、動作する。
【0024】
この中央管理システム9は、電動キックボード100を例えば複数の使用者で共有するシェアシステムとして運用する場合、電動キックボードを管理するシステムとして機能することになる。シェアシステムを管理システムと見なした場合、管理システムは、例えば複数の電動キックボードとそれらを管理する中央管理システム9とを備えていることになる。
【0025】
<小型移動装置の動作>
図2は、実施の形態1に係る小型移動装置の動作を示すフローチャート図である。
図2において、実線で示したステップS11~S14は、カメラシステム1で行われる処理を示し、破線で示したステップS00~S06は、カメラシステム1を除く、電動キックボード100で行われる処理を示している。
【0026】
ステップS00において、例えば使用者が、アクセル102を踏み込む(アクセルON)。アクセル102の踏む込みが、モーター制御装置2によって検出され、接続端子7および8を介して、プロセッサ5に通知される。特に制限されないが、プロセッサ5は、この通知を受けて、センサ4およびカメラ3を動作させる。
【0027】
ステップS10においては、センサ4が、電動キックボード100の速度を検知し、検知情報としてプロセッサ5に供給する。次に、ステップS11で、プロセッサ5は、検知情報によって通知されている速度が所定の速度、例えば35Km/h未満か否かを判定する。検知情報によって通知されている速度が、所定の速度未満の場合(Y)、すなわち所定の速度を超えていない場合には、次にステップS12が実行される。
【0028】
ステップS12では、カメラ3が動作することにより撮影された撮影情報に対して、画像認識の処理がプロセッサ5において実行される。この画像認識の処理において、撮影情報で特定される画像に衝突を回避することが必要な対向物が存在しているか否かの判定が行われる。カメラ3は、前記したように、電動キックボード100の前面を撮影するため、ステップS12では、前方に対向物が存在しているか否かの判定が行われることになる。
【0029】
ステップS12において、前方に対向物が存在しないと判定された場合(N)、ステップS13が実行される。ステップS13で、プロセッサ5は、加速を許容することができる加速モードと判定する。
【0030】
加速モードは、接続端子7および8を介して、モーター制御装置2に通知される。モーター制御装置2は、加速モードが通知されると、アクセル102の踏み込みに従って、モーターMTの回転数を増加させる。これにより、電動キックボードの速度が上昇することになる。ステップS13の後は、ステップS10に戻り、電動キックボード100の速度が、所定の速度を超えず、前方に対向物が存在しない場合には、ステップS11~S13が繰り返され、電動キックボード100の速度が上昇することになる。
【0031】
一方、ステップS11において、検知情報によって示される速度が、所定の速度を超えていた場合(N)またはステップS12において、前方に対向物が存在すると判定された場合(Y)、ステップS14が実行される。ステップS14において、プロセッサ5は、速度を減速させる減速モードと判定する。減速モードは、加速モードと同様に、モーター制御装置2に通知される。
【0032】
モーター制御装置2は、減速モードが通知されると、ステップS01において、モーターMTの回転数を減らすように、モーターMTを制御(アクセル制御)する。これにより、電動キックボード100の速度が減速する。減速モードにおいて、モーターMTの回転数を減らすのではなく、ブレーキが働くように制御してもよいが、安全性を考慮して、実施の形態1においては、アクセルの制御が行われている。
【0033】
ステップS01において、電動キックボード100が減速すると、使用者は例えば、ステップS02~S04のいずれかの操作を行う。
【0034】
すなわち、ステップS02では、使用者はブレーキ101およびアクセル102の操作を行わずに、放置する(ブレーキ&アクセルOFF)。この場合、電動キックボード100は、ステップS05で、スルーモードとなる。すなわち、電動キックボード100は、慣性で移動し、停止する。
【0035】
ステップS03では、使用者はブレーキ101を掛ける(ブレーキON)。この場合、電動キックボードは、ステップS06で停止することになる。
【0036】
また、ステップS04の場合には、使用者はアクセル102の踏み込みを続ける(アクセルON)。ステップS04の後は、ステップS10に戻り、ステップS14が実行されることになり、電動キックボード100は減速モードを継続することになる。
【0037】
実施の形態1に係る電動キックボードによれば、その速度が所定の速度を超えないように制限することが可能である。また、前方に衝突を回避することが必要な対向物が存在する場合、電動キックボード100は減速することになる。すなわち、カメラシステム1とモーター制御装置2とによって、安全技術が提供され、電動キックボード100のような小型移動装置に安全技術が搭載されることになる。その結果、幅広い年齢層の使用者に対して小型移動装置を提供することが可能となる。
【0038】
<変形例>
図1に示したカメラシステム1においては、通信装置6から、中央管理システム9に、撮影情報および検知情報が、無線通信によって送信されている。変形例においては、この撮影情報および検知情報を用いて、中央処理システム9が、電動キックボード100を制御する。すなわち、中央管理システム9におけるプロセッサ9_2が、カメラシステム1におけるプロセッサ5の代わりに、
図2に示したステップS11~S14を実行する。プロセッサ9_2が、ステップS13において加速モードを設定した場合、この加速モードは、無線通信によって、中央管理システム9から、カメラシステム1を介してモーター制御装置2に通知され、モーター制御装置2は、通知された加速モードに従って、モーターMTを制御し、電動キックボードの速度の上昇が許容されることになる。これに対して、プロセッサ9_2が、ステップS14において減速モードを設定した場合、加速モードのときと同様に、減速モードは、無線通信によって、中央管理システム9から、カメラシステム1を介してモーター制御装置2に通知され、モーター制御装置2は、通知された減速モードに従って、モーターMTを制御し、電動キックボードの速度が減速することになる。
【0039】
変形例によれば、中央管理システム9が、電動キックボード100の状況を把握し、制御することが可能である。そのため、中央管理システム9によって、安全性の向上を図ることが可能である。
【0040】
図1に示した通信装置6は、GPS(Global Positioning Sysytem)の機能をさらに備えていてもよい。すなわち、通信装置6は、天空の衛星から位置情報を取得できるようにしてもよい。この場合、取得した電動キックボード100の位置情報は、例えば、通信装置6によって、無線通信により、中央管理システム9に送信される。このようにすることで、中央管理システム9のプロセッサ9_2は、電動キックボード100の位置を把握することが可能である。中央管理システム9が、電動キックボードのシェアシステムで、電動キックボードを管理するシステムとして機能する場合、シェアシステムの運営者が、中央管理システム9によって、電動キックボードの位置および状況を把握することが可能となる。これにより、例えば長時間に渡って、電動キックボードが移動していない場合、電動キックボードの乗り捨てと推定し、前記した電動キックボードの位置情報を基にして、回収を図ることが可能である。
【0041】
また、通信装置6で取得した位置情報は、カメラシステム1内のプロセッサ5にも供給するようにしてもよい。この場合、カメラシステム1に地図情報を格納し、地図情報を参照して、現在の電動キックボードの位置情報と目的地との間の経路を、プロセッサ5が求め、使用者に対して、例えば音声で案内するようにしてもよい。
【0042】
また、他の実施形態では、地図上の曲がり角など衝突事故多発エリアの情報を管理システム側が有している場合は、その付近に近づいた際にユーザーへ通知をしたうえで、所定速度をさらに下げる(減速させる)ようにしてもよい。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態2においては、外付けカメラシステムが、後付けで、小型移動装置に搭載される場合を説明する。すなわち、
図1および
図4に示した接続端子10に、外付けカメラシステムが接続される。実施の形態2において、外付けカメラシステムの構成は、
図1に示したカメラシステム1と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0044】
図3は、実施の形態2に係る小型移動装置の動作を説明するフローチャート図である。
図3においても、破線で示すステップは、外付けカメラシステムを除く、小型移動装置である電動キックボードの動作を示し、実線で示すステップは、外付けカメラシステムの動作を示している。
【0045】
ステップS30において、外付けカメラシステムの接続端子(
図1に示した接続端子7に相当、以下、同様に相当する符号をカッコ内に記載する)が、
図1および
図4に示した接続端子10に電気的に接続され、外付けカメラシステムが、電動キックボード100に搭載される。これにより、外付けカメラシステム内のプロセッサ(5)が、接続端子10を介して、モーター制御装置2と接続されることになる。その後、ステップS40では、モーター制御装置2と外付けカメラシステム内のプロセッサ(5)とが通信を開始する。
【0046】
実施の形態2に係る外付けカメラシステムのプロセッサ(5)には、当該外付けカメラシステムの型番の情報(型番情報)と、それが備える機能の情報(機能情報)が、予め登録されている。例えば、外付けカメラシステムが、カメラを備え、カメラによって撮影された撮影情報を通知する機能を備えているか、センサを備え、センサによって検知された検知情報を通知する機能を備えているかの機能情報が予め登録されている。
【0047】
ステップS40の後、モーター制御装置2は、外付けカメラシステムのプロセッサ(5)から型番情報を読み出し、ステップS41において、外付けカメラシステムが電動キックボード100に適合したものであるか否かの照合を行う。ステップS41において、適合していないと判断された場合(アンマッチ)、次にステップS47において、モーター制御装置2は、エラーと判断し、ステップS48において、外付けカメラシステムに対して使用不可を通知する。この通知を受けて、外付けカメラシステムにおけるプロセッサ(5)は、モーター制御装置2との接続を解除する。これにより、不適切な外付けカメラシステムによって、電動キックボード100が制御されるのを防ぐことが可能である。また、モーター制御装置2は、使用者に対して、外付けカメラシステムの使用が不可能であることを、ステップS48において通知する。
【0048】
一方、ステップS41において、適切な外付けカメラシステムであると判定された場合(マッチ)、モーター制御装置2は、ステップS42~S44によって、外付けカメラシステムが備える機能を確認する。先ず、ステップS42において、モーター制御装置2は、外付けカメラシステムのプロセッサ(5)から、それが備える機能の情報を読み出し、使用可能な機能を確認する。次に、確認した使用可能な機能のうち、安全技術に係る機能の使用可否を、モーター制御装置2は、ステップS43において確認する。例えば、外付けカメラシステムが、前記した撮影情報および検知情報を通知する機能を備えているか否かが、ステップS43において確認される。この両方の機能を使用することが可能と、ステップS43において判定された場合(Y)、次にステップS45が実行され、それ以外の場合(N)、次にステップS44が実行される。
【0049】
ステップS44では、安全に係る機能のうち、一部の機能を使用することが可能か否かの判定が行われる。ステップS44において、一部の機能を使用することが可能と判定された場合(Y)、モーター制御装置2は、次にステップS45を実行する。これに対して一部の機能も使用することが不可能と、ステップS44判定された場合(N)、モーター制御装置2は、次に前記したステップS47を実行する。例えば、外付けカメラシステムが、撮影情報を通知する機能を備えているが、検知情報を通知する機能を備えていない場合、一部の機能を使用することが可能であると判定され、モーター制御装置2は、ステップS45を実行することになる。これに対して、外付けカメラシステムが、撮影情報を通知する機能も備えていない場合には、前記したステップS47~S32が実行され、外付けカメラシステムとモーター制御装置2との接続が解除されることになる。
【0050】
ステップS45を実行することにより、モーター制御装置2は、外付けカメラシステムとの通信を継続し、ステップS46において、モーター制御装置2は、外付けカメラシステムに対して、使用可能を通知する。その後、ステップS31において、外付けカメラシステムは、モーター制御装置2との接続を継続する。また、モーター制御装置2は、使用者に対して、外付けカメラシステムの使用が可能であることを、ステップS48において通知する。ステップS31の後は、例えば外付けカメラシステムからの撮影情報を用いて、モーター制御装置2は、電動キックボードの後方を把握して、後方に存在する物体との衝突を回避するように、モーターMTを制御する。
【0051】
実施の形態2によれば、後付けで、適合する外付けのカメラシステムを電動キックボードに搭載することが可能となり、安全性の向上を図ることが可能となる。
【0052】
実施の形態2においては、予め搭載されたカメラシステム1に加えて、後から外付けカメラシステムを追加する例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、カメラシステムが予め搭載されていない電動キックボードに、
図1に示したカメラシステム1を後付けで搭載するようにしてもよい。この場合、電動キックボードの接続端子8にカメラシステム1の接続端子7が接続されることになる。また、
図3に示したステップS31の後に、
図2に示したステップが実行されることになる。
【0053】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0054】
1 カメラシステム
2 モーター制御装置
3 カメラ
4 センサ
5 プロセッサ
6 通信装置
7、8、10 接続端子
9 中央管理システム
BT バッテリ
MT モーター