(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144591
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】光測定装置
(51)【国際特許分類】
G01J 1/00 20060101AFI20220926BHJP
G01J 1/06 20060101ALI20220926BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G01J1/00 E
G01J1/06 A
G01M11/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045665
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】鳥井 信宏
【テーマコード(参考)】
2G065
2G086
【Fターム(参考)】
2G065AA11
2G065AB05
2G065AB28
2G065BA09
2G065BB21
2G065BB22
2G086EE03
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で光強度分布を測定する。
【解決手段】光測定装置10は、測定面20に配置され、測定面20内の一部領域に入射する光を通過させ、測定面20内の一部領域以外に入射する光を遮蔽する遮光機構12と、測定面20内において一部領域の位置を変化させる変位機構14と、一部領域を通過した光を集光するレンズ16と、レンズ16が集光した光の強度を測定する受光センサ18と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定面に配置され、前記測定面内の一部領域に入射する光を通過させ、前記測定面内の前記一部領域以外に入射する光を遮蔽する遮光機構と、
前記測定面内において前記一部領域の位置を変化させる変位機構と、
前記一部領域を通過した光を集光するレンズと、
前記レンズが集光した光の強度を測定する受光センサと、を備える光測定装置。
【請求項2】
前記遮光機構は、開口を有する遮光板を含み、
前記変位機構は、前記遮光板を移動または回転させることにより前記測定面内における前記開口の位置を変化させる、請求項1に記載の光測定装置。
【請求項3】
前記遮光機構は、第1開口を有する第1遮光板と、第2開口を有する第2遮光板とを含み、前記第1開口と前記第2開口が重なる領域に入射する光を通過させるよう構成され、
前記変位機構は、前記第1遮光板および前記第2遮光板のそれぞれを回転させることにより、前記測定面内において前記第1開口と前記第2開口が重なる領域を変位させる、請求項1に記載の光測定装置。
【請求項4】
前記第2遮光板は、複数の第2開口を有し、前記複数の第2開口は、前記第2遮光板の回転方向の開口範囲が互いに異なり、かつ、前記回転方向と直交する径方向の開口範囲が互いに異なるように形成され、
前記変位機構は、前記第1遮光板および前記第2遮光板のそれぞれを回転させることにより、前記測定面内において前記第1開口と前記複数の第2開口のいずれかとが重なる領域を変位させる、請求項3に記載の光測定装置。
【請求項5】
前記変位機構は、前記第1遮光板および前記第2遮光板のそれぞれを異なる速度で回転させる、請求項3または4に記載の光測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のLEDを配列したアレイ状光源の光強度分布を測定する方法として、受光センサの手前に微小な光透過部を有する遮光板を配置し、遮光板を振動させながら、遮光板を受光センサとともに移動させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光源の光強度分布を高精度で測定するためには、光源に対する受光センサの向きや距離を一定にしながら受光センサを移動させる必要があり、動作機構が複雑になる。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で光強度分布を測定する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の光測定装置は、測定面に配置され、測定面内の一部領域に入射する光を通過させ、測定面内の一部領域以外に入射する光を遮蔽する遮光機構と、測定面内において一部領域の位置を変化させる変位機構と、一部領域を通過した光を集光するレンズと、レンズが集光した光の強度を測定する受光センサと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成で光強度分布を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態に係る光測定装置の構成を概略的に示す側面図である。
【
図2】
図1の光源の構成を概略的に示す正面図である。
【
図3】
図1の遮光板の構成を概略的に示す正面図である。
【
図4】
図4(a)~(c)は、遮光機構の動作を模式的に示す図である。
【
図5】第2の実施の形態に係る光測定装置の構成を概略的に示す側面図である。
【
図6】
図5の光源の構成を概略的に示す正面図である。
【
図7】
図5の第1遮光板の構成を概略的に示す正面図である。
【
図8】
図5の第1遮光板の構成を概略的に示す正面図である。
【
図9】
図9(a),(b)は、遮光機構の動作を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、説明の理解を助けるため、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の発光素子の寸法比と一致しない。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る光測定装置10の構成を概略的に示す側面図である。光測定装置10は、遮光機構12と、変位機構14と、レンズ16と、受光センサ18とを備える。
【0011】
遮光機構12、レンズ16および受光センサ18は、測定面20に直交する光軸22上に設けられる。測定面20は、測定対象となる光源40からの光が入射する面であり、光強度分布を測定する平面である。測定面20は、例えば、光源40の正面に設定される。光測定装置10は、光源40から出力される光の強度分布を測定する。
【0012】
図面において、光軸22が延びる方向をz方向とし、光軸22に直交する方向をx方向およびy方向としている。測定面20は、x方向およびy方向に沿った平面である。本明細書において、z軸に直交する方向を径方向ということがあり、z軸まわりの方向を周方向ということがある。
【0013】
図2は、
図1の光源40の構成を概略的に示す正面図である。光源40は、基板42上にアレイ状に配置される複数のLED44a,44b,44c,44d,44e,44fを有する。光源40は、いわゆるアレイ状光源であり、面発光光源である。各LED44a~44fは、可視光を出力してもよいし、赤外光を出力してもよいし、紫外光を出力してもよい。一例において、各LED44a~44fは、波長240nm~320nm程度の紫外光を出力する。
【0014】
図1に戻り、遮光機構12は、測定面20に配置される。遮光機構12は、測定面20内の一部領域に入射する光を通過させ、測定面20内の一部領域以外に入射する光を遮蔽する。遮光機構12は、開口26を有する遮光板24を含む。開口26は、測定面20内に入射する光を通過させる一部領域に相当する。遮光板24は、開口26に入射する光をレンズ16に向けて通過させ、開口26以外に入射する光を遮蔽する。
図1の例では、第1LED44aからの第1光束46aが開口26を通過しており、第2LED44bからの第2光束46bが遮光板24によって遮蔽される。開口26は、貫通孔として構成されてもよいし、測定対象となる光を透過可能な透明材料によって構成されてもよい。
【0015】
変位機構14は、測定面20内において一部領域の位置を変化させる。変位機構14は、モータなどの駆動機構によって遮光板24を移動または回転させることにより、測定面20内での開口26の位置を変化させる。遮光板24は、例えば、光軸22上に設けられる回転軸28を中心に回転可能となるよう構成される。変位機構14は、遮光板24を回転させることにより、開口26の周方向の位置を変化させる。変位機構14は、遮光板24をx方向およびy方向に移動させるよう構成されてもよい。
【0016】
レンズ16は、遮光機構12と受光センサ18の間に設けられる。レンズ16は、測定面20内の一部領域を通過した光を受光センサ18に向けて集光する。レンズ16は、遮光機構12に近接して設けられることが好ましい。
【0017】
受光センサ18は、レンズ16が集光した光の強度を測定する。受光センサ18は、レンズ16の焦点に配置される。受光センサ18は、フォトダイオードなどで構成される。
【0018】
図3は、
図1の遮光機構12の構成を概略的に示す正面図である。遮光板24は、レンズ16の外径に対応した大きさの円板である。開口26は、回転軸28から径方向に離れた一部箇所に設けられる。遮光板24は、開口26を一つだけ有する。開口26の形状は特に問わないが、例えば、円形状、矩形状、扇形状などである。開口26は、遮光板24の回転方向R(つまり、周方向)の開口範囲wと、回転方向Rに直交する径方向の開口範囲dとを有する。開口26の開口範囲w,dの大きさは特に問わないが、例えば、光源40に含まれるLED44a~44fの大きさと同程度となるように設定される。例えば、LED44a~44fが3.5mm角の矩形状であり、対角の大きさが5mm程度である場合、LED44の開口範囲w,dは、5mm程度である。
【0019】
図4(a)~(c)は、遮光機構12の動作を模式的に示す図である。
図4(a)~(c)は、レンズ16から遮光機構12を通じて光源40を見た様子を示している。
図4(a)は、遮光板24の開口26と光源40の第1LED44aがz方向に重なった状態を示している。
図4(a)のように開口26の位置を調整することで、主に、第1LED44aから出力される第1光束46aが開口26を通過する。開口26を通過した光は、レンズ16によって受光センサ18に集光される。したがって、受光センサ18は、第1LED44aから出力される第1光束46aの光強度を測定できる。
【0020】
図4(b)は、
図4(a)の状態から遮光板24を矢印Rで示される方向に約60度回転させた状態を示す。
図4(b)では、遮光板24の開口26と光源40の第3LED44cがz方向に重なった状態を示している。
図4(b)のように開口26の位置を調整することで、主に、第3LED44cから出力される第3光束が開口26を通過する。開口26を通過した光は、レンズ16によって受光センサ18に集光される。したがって、受光センサ18は、第3LED44cから出力される第3光束の光強度を測定できる。
【0021】
図4(c)は、
図4(b)の状態から遮光板24を矢印Rで示される方向に約60度回転させた状態を示す。
図4(c)では、遮光板24の開口26と光源40の第4LED44dがz方向に重なった状態を示している。
図4(c)のように開口26の位置を調整することで、主に、第4LED44dから出力される第4光束が開口26を通過する。開口26を通過した光は、レンズ16によって受光センサ18に集光される。したがって、受光センサ18は、第4LED44dから出力される第3光束の光強度を測定できる。
【0022】
なお、
図4(c)の状態から遮光板24を矢印Rで示される方向にさらに回転することで、第2LED44b、第6LED44f、および、第5LED44eの光強度を順に測定することができる。このようにして、光源40に含まれる複数のLED44a~44fのそれぞれの光強度を順に測定することができ、光源40の全体としての光強度分布を得ることができる。
【0023】
本実施の形態によれば、レンズ16および受光センサ18の位置および向きを固定したまま光強度を測定できる。つまり、測定面20内の光強度分布を測定するために受光センサ18の位置を動かす必要がない。そのため、受光センサ18を移動させるための機構を設けずに済む。また、受光センサ18の移動時に受光センサ18の向きが僅かにずれることにより測定精度が低下する影響を抑制できる。
【0024】
本実施の形態によれば、CCDセンサやCMOSセンサといった画像センサを用いずに測定面20の光強度分布を測定できる。光源40が紫外光を出力する場合、画像センサの画素を構成する半導体素子が紫外光によって劣化しやすい。そのため、長時間にわたって光源40の光強度分布を測定しようとすると、画素ごとの劣化度に差が生じ、光強度分布を適切に測定できなくなることがある。一方、本実施の形態では、単一の受光センサ18を用いるため、画素ごとの劣化度の違いによる測定誤差の発生を防止できる。また、フォトダイオードと比較して高価な画像センサを使用しなくて済むため、光測定装置10のコストを低減できる。
【0025】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態に係る光測定装置50の構成を概略的に示す側面図である。光測定装置50は、遮光機構52と、変位機構54と、レンズ16と、受光センサ18とを備える。光測定装置50は、光源90から出力される光の強度分布を測定する。本実施の形態では、遮光機構52が第1遮光板60および第2遮光板62を含み、第1遮光板60および第2遮光板62を組み合わせることにより、光が通過する領域を変化させる点で上述の実施の形態と相違する。以下、第2の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0026】
図6は、
図5の光源90の構成を概略的に示す正面図である。光源90は、基板92上にアレイ状に配置される複数のLED94a~94nを有する。
図6の例において、光源90は、破線98より内側に配置される4個のLED94b,94c,94i,94jと、破線98より外側に配置される10個のLED94a,94d,94e,94f,94g,94h,94k,94l,94m,94nとを含む。例えば、第1LED94aおよび第4LED94dは、破線98よりも外側の外周部に配置され、第2LED94bおよび第3LED94cは、破線98よりも内側の中央部に配置される。各LED94a~94nは、可視光を出力してもよいし、赤外光を出力してもよいし、紫外光を出力してもよい。一例において、各LED94a~94nは、波長240nm~320nm程度の紫外光を出力する。
【0027】
図5に戻り、遮光機構52は、測定面20に配置され、測定面20内の一部領域に入射する光を通過させ、測定面20内の一部領域以外に入射する光を遮蔽するよう構成される。遮光機構52は、第1遮光板60および第2遮光板62を含む。第1遮光板60は、第1開口64を有する。第2遮光板62は、複数の第2開口66a,66bを有する。遮光機構52は、第1開口64と複数の第2開口66a,66bのいずれかとが重なる領域に入射する光を通過させるよう構成される。
【0028】
第1遮光板60および第2遮光板62は、光軸22上に配置される。
図5の例では、第1遮光板60が測定面20に配置され、第2遮光板62が測定面20とレンズ16の間に配置されている。なお、第1遮光板60および第2遮光板62の配置順は特に問わず、第2遮光板62が測定面20に配置され、第1遮光板60が測定面20とレンズ16の間に配置されてもよい。第1遮光板60および第2遮光板62は、z方向に近接して配置されることが好ましい。
【0029】
図5の例では、第1LED94aからの第1光束96aが第1開口64および第2開口66aを通過するが、他のLED94b~94dからの光束96b~96dは、第1遮光板60または第2遮光板62によって遮蔽される。第1開口64および複数の第2開口66a,66bは、貫通孔として構成されてもよいし、測定対象となる光を透過可能な透明材料によって構成されてもよい。第1遮光板60および第2遮光板62は、光軸22上に設けられる回転軸28を中心に回転可能となるよう構成される。
【0030】
図7は、
図5の第1遮光板60の構成を概略的に示す正面図である。第1遮光板60は、レンズ16の外径に対応した大きさの円板である。第1遮光板60は、一つの第1開口64を有する。第1開口64は、回転軸28から径方向外側に延びるスリット開口として形成される。第1開口64は、周方向の開口範囲(スリット幅)w1が小さく、径方向の開口範囲(スリット長)d1が大きい。第1開口64の周方向の開口範囲w1は、光源90に含まれるLED94a~94nの大きさと同程度か、LED94a~94nの大きさよりも小さい。第1開口64の周方向の開口範囲w1は、例えば、1mm~5mm程度である。第1開口64の径方向の開口範囲d1は、第1遮光板60の半径と同程度である。第1開口64の径方向の開口範囲d1は、例えば、10mm~15mm程度である。
【0031】
図8は、
図5の第2遮光板62の構成を概略的に示す正面図である。第2遮光板62は、レンズ16の外径に対応した大きさの円板である。第2遮光板62は、複数の第2開口66a,66bを有する。複数の第2開口66a,66bは、周方向の開口範囲が互いに異なり、かつ、径方向の開口範囲が違いに異なるように形成される。
図8の例において、第2遮光板62は、外側第2開口66aと、内側第2開口66bとを有する。
【0032】
内側第2開口66bは、半円形状の開口である。内側第2開口66bの周方向の開口範囲w3は、160度~180度程度である。内側第2開口66bの径方向の開口範囲d3は、第2遮光板62の半径の半分程度であり、例えば、5mm~8mm程度である。外側第2開口66aは、アーチ形状の開口であり、第2遮光板62を半分にした半円形状から内側第2開口66bに対応する半円形状を除去したような形状を有する。外側第2開口66aの周方向の開口範囲w2は、160度~180度程度である。外側第2開口66aの径方向の開口範囲d2は、第2遮光板62の半径の半分程度であり、例えば、5mm~8mm程度である。
【0033】
外側第2開口66aの径方向の開口範囲d2は、内側第2開口66bの径方向の開口範囲d3と異なる。内側第2開口66bは、回転軸28から所定の距離d3となる範囲内に設けられる。一方、外側第2開口66aは、内側第2開口66bよりも径方向外側に設けられる。外側第2開口66aは、回転軸28から所定の距離d3となる範囲外に設けられる。
【0034】
外側第2開口66aの周方向の開口範囲w2は、内側第2開口66bの周方向の開口範囲w3と異なる。外側第2開口66aは、周方向の角度が所定の範囲(例えば、0度~+180度)となる範囲内に設けられる。一方、内側第2開口66bは、外側第2開口66aとは周方向の位置が異なる範囲(例えば、0度~-180度)となる範囲内に設けられる。
【0035】
第1開口64は、第1遮光板60および第2遮光板62の回転方向(つまり周方向)の開口範囲を規定する。一方、複数の第2開口66a,66bは、第1遮光板60および第2遮光板62の回転方向に直交する径方向の開口範囲を規定する。第1開口64の周方向の開口範囲w1は、第2開口66a,66bの周方向の開口範囲w2,w3よりも小さい。また、第1開口64の径方向の開口範囲d1は、第2開口66a,66bの径方向の開口範囲d2,d3よりも大きい。周方向および径方向の開口範囲の大小関係が異なる第1開口64と第2開口66a,66bを組み合わせることで、測定される光強度分布の周方向および径方向の分解能を高めることができる。
【0036】
図5に戻り、変位機構54は、遮光機構52を回転させ、第1開口64と第2開口66a,66bが重なる領域の位置を変化させる。変位機構54は、モータなどの駆動機構によって第1遮光板60および第2遮光板62を個別に回転させる。変位機構54は、第1遮光板60と第2遮光板62の回転速度を異ならせることにより、第1開口64と第2開口66a,66bが重なる領域の位置を変化させる。
【0037】
図9(a),(b)は、遮光機構52の動作を模式的に示す図である。
図9(a),(b)は、レンズ16から遮光機構52を通じて光源90を見た様子を示している。
図9(a)は、第1開口64および外側第2開口66aが光源90の第1LED94aとz方向に重なった状態を示している。
図9(a)のように第1開口64および外側第2開口66aの位置を調整することで、第1開口64と外側第2開口66aが重なる通過領域70を第1LED94aから出力される第1光束96aが通過する。通過領域70を通過した光は、レンズ16によって受光センサ18に集光される。したがって、受光センサ18は、第1LED94aから出力される第1光束96aの光強度を測定できる。
【0038】
図9(b)は、第1開口64および内側第2開口66bが光源90の第2LED94bとz方向に重なった状態を示している。
図9(a)のように第1開口64および内側第2開口66bの位置を調整することで、第1開口64と内側第2開口66aが重なる通過領域70を第2LED94bから出力される第2光束96bが通過する。通過領域70を通過した光は、レンズ16によって受光センサ18に集光される。したがって、受光センサ18は、第2LED94bから出力される第2光束96bの光強度を測定できる。
【0039】
なお、第1遮光板60および第2遮光板62の回転角度を個別に調整することにより、
図6に示される14個のLEDのそれぞれの光強度を個別に測定できる。例えば、第1開口64と外側第2開口66aが重なった状態で、第1遮光板60が1回転することにより、基板92の外周部に配置される10個のLEDの光強度を個別に測定できる。第1開口64と内側第2開口66bが重なった状態で、第1遮光板60が1回転することにより、基板92の内周部に配置される4個のLEDの光強度を個別に測定できる。また、第1遮光板60の回転速度を第2遮光板62の回転速度の2倍とすることで、光源90に含まれる14個のLEDのそれぞれの光強度を順番に測定できる。
【0040】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。本発明は上述の実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【0041】
上述の実施の形態では、第2遮光板62に二つの第2開口66a,66bを設ける場合を示した。別の実施の形態では、第2遮光板62に三以上の第2開口を設けてもよい。第2遮光板62に設けられる三以上の第2開口のそれぞれは、周方向の開口範囲が違いに異なり、かつ、径方向の開口範囲が異なるように設定される。例えば、周方向の開口範囲を120度ずつ3分割し、径方向の開口範囲を等間隔に3分割した9領域のうち、周方向および径方向の位置が重ならない3領域のそれぞれに第2開口を設けてもよい。
【0042】
以下、本発明のいくつかの態様について説明する。
【0043】
本発明の第1の態様は、測定面に配置され、前記測定面内の一部領域に入射する光を通過させ、前記測定面内の前記一部領域以外に入射する光を遮蔽する遮光機構と、前記測定面内において前記一部領域の位置を変化させる変位機構と、前記一部領域を通過した光を集光するレンズと、前記レンズが集光した光の強度を測定する受光センサと、を備える光測定装置である。第1の態様によれば、測定面内で光が通過する一部領域の位置を変化させることで、測定面内の複数の位置における光強度を測定できる。これにより、受光センサの位置を変化させることなく、測定面内の光強度分布を測定できる。
【0044】
本発明の第2の態様は、前記遮光機構は、開口を有する遮光板を含み、前記変位機構は、前記遮光板を移動または回転させることにより前記測定面内における前記開口の位置を変化させる、第1の態様に記載の光測定装置である。第2の態様によれば、開口を有する遮光板を移動または回転させる簡易な構成により、測定面内の複数の位置における光強度を測定できる。
【0045】
本発明の第3の態様は、前記遮光機構は、第1開口を有する第1遮光板と、第2開口を有する第2遮光板とを含み、前記第1開口と前記第2開口が重なる領域に入射する光を通過させるよう構成され、前記変位機構は、前記第1遮光板および前記第2遮光板のそれぞれを回転させることにより、前記測定面内における前記第1開口と前記第2開口が重なる領域を変位させる、第1の態様に記載の光測定装置である。第3の態様によれば、第1遮光板と第2遮光板を回転させる簡易な構成により、第1開口および第2開口が重なる領域を二次元的に変化させることができる。これにより、測定面内の光強度の二次元分布を測定できる。
【0046】
本発明の第4の態様は、前記第2遮光板は、複数の第2開口を有し、前記複数の第2開口は、前記第2遮光板の回転方向の開口範囲が互いに異なり、かつ、前記回転方向と直交する径方向の開口範囲が互いに異なるように形成され、前記変位機構は、前記第1遮光板および前記第2遮光板のそれぞれを回転させることにより、前記測定面内において前記第1開口と前記複数の第2開口のいずれかとが重なる領域を変位させる、第3の態様に記載の光測定装置である。第4の態様によれば、複数の第2開口を設けることで、第1開口と重なる第2開口を複数の候補の中から切り替えることができる。また、複数の第2開口の回転方向および径方向の開口範囲を違いに異ならせることで、第1開口と第2開口が重なる領域の位置を回転方向および径方向の双方について切り替えることができる。これにより、測定面内の光強度の二次元分布を測定できる。
【0047】
本発明の第5の態様は、前記変位機構は、前記第1遮光板および前記第2遮光板のそれぞれを異なる速度で回転させる、第3または第4の態様に記載の光測定装置である。第5の態様によれば、第1開口および第2開口が重なる領域を二次元的に連続的に切り替えながら、測定面内の複数の位置における光強度を連続的に測定できる。
【符号の説明】
【0048】
10…光測定装置、12…遮光機構、14…変位機構、16…レンズ、18…受光センサ、20…測定面、22…光軸、24…遮光板、26…開口、50…光測定装置、52…遮光機構、54…変位機構、60…第1遮光板、62…第2遮光板、64…第1開口、66a,66b…第2開口、70…通過領域。