(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144593
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】集水機構及び水力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 7/00 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
F03B7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045667
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向井 浩氣
【テーマコード(参考)】
3H072
【Fターム(参考)】
3H072AA03
3H072AA13
3H072AA26
3H072BB31
3H072CC01
3H072CC05
3H072CC42
3H072CC71
(57)【要約】
【課題】発電効率の改善が可能な集水機構を提供する。
【解決手段】集水機構は、間隔を空けて互いに対向している第1側壁及び第2側壁と第1側壁の下端及び第2側壁の下端を接続している底壁とを有し、かつ第1側壁から第2側壁に向かう方向である第1方向に交差している第2方向における一方側から第2方向における他方側へと水が流れる水路に設置される。集水機構は、底壁から第1方向及び第2方向に交差している第3方向に沿って延在している第1支柱と、第1支柱回りに回動可能に第1支柱に取り付けられている第1集水枠と、第1集水枠に着脱可能に取り付けられている第1集水板とを備えている。第1集水枠は、平面視において第1端と第1端の反対側の端である第2端とを有し、かつ、第1端側において第1支柱に取り付けられている。第1端から第2端に向かう方向が第1方向と同一方向になるように第1集水枠を回動させた状態で、第1端は第2端よりも第2側壁から離れている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を空けて互いに対向している第1側壁及び第2側壁と前記第1側壁の下端及び前記第2側壁の下端を接続している底壁とを有し、かつ前記第1側壁から前記第2側壁に向かう方向である第1方向に交差している第2方向における一方側から前記第2方向における他方側へと水が流れる水路に設置される集水機構であって、
前記底壁から前記第1方向及び前記第2方向に交差している第3方向に沿って延在している第1支柱と、
前記第1支柱回りに回動可能に前記第1支柱に取り付けられている第1集水枠と、
前記第1集水枠に着脱可能に取り付けられている第1集水板とを備え、
前記第1集水枠は、平面視において第1端と前記第1端の反対側の端である第2端とを有し、かつ前記第1端側において前記第1支柱に取り付けられており、
前記第1端から前記第2端に向かう方向が前記第1方向と同一方向になるように前記第1集水枠を回動させた状態で、前記第1端は、前記第2端よりも前記第2側壁から離れている、集水機構。
【請求項2】
前記第1端から前記第2端に向かう方向が前記第1方向に同一方向になるように前記第1集水枠を回動させた状態で、前記第2端と前記第2側壁との間の距離は、前記第1側壁と前記第2側壁との間の距離の1/100以下である、請求項1に記載の集水機構。
【請求項3】
前記第1端から前記第2端に向かう方向が前記第1方向に同一方向になるように前記第1集水枠を回動させた状態で、前記第1集水枠の上端は、前記第1集水枠の下端よりも前記第2方向における他方側にある、請求項1又は請求項2に記載の集水機構。
【請求項4】
前記底壁から前記第3方向に沿って延在し、かつ前記第1方向において前記第1支柱よりも前記第2側壁から離れている第2支柱と、
前記第2支柱回りに回動可能に前記第2支柱に取り付けられている第2集水枠と、
前記第2集水枠に着脱可能に取り付けられている第2集水板とを備え、
前記第2集水枠は、平面視において第3端と前記第3端の反対側の端である第4端とを有し、かつ前記第3端側において前記第2支柱に取り付けられており、
前記第4端から前記第3端に向かう方向が前記第1方向と同一方向になるように前記第2集水枠を回動させた状態で、前記第3端は、前記第4端よりも前記第1側壁から離れている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の集水機構。
【請求項5】
前記水路内に配置されている翼を有する水力発電モジュールと、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の前記集水機構を備え、
前記翼は、前記第1支柱よりも前記第2方向における他方側にある、水力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集水機構及び水力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-60242号公報(特許文献1)に記載の水力発電装置は、水路に設置されている。水路は、第1側壁と、第2側壁と、底壁とを有している。第1側壁及び第2側壁は、間隔を空けて互いに対向している。底壁は、第1側壁の下端及び第2側壁の下端を接続している。第1側壁から第2側壁に向かう方向を第1方向とし、第1方向に交差している方向を第2方向とする。第1方向及び第2方向に交差している方向を、第3方向とする。水路内の水は、第2方向における一方側から第2方向における他方側に流れる。
【0003】
特許文献1に記載の水力発電装置は、水路内に配置されている翼と、集水板とを有している。集水板は、平面視において、第1端と、第1端の反対側の端である第2端とを有している。集水板は、第2端側において、第3方向に沿う回動軸回りに回動可能になっている。第1端から第2端に向かう方向が第1方向と同一方向となるように集水板が回動した状態で、第1端は、第2端よりも第2側壁から離れている。第2端は、第2側壁の近傍にある。翼は、集水板よりも第2方向における他方側にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の水力発電装置では、第1端が第2方向における他方側に向かうように集水板を回動させることにより水路を流れる水が翼に向かって集水されるため(翼に向かって流れる水の流速が上昇するため)、発電効率が高まる。しかしながら、特許文献1に記載の水力発電装置は、発電効率に改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、発電効率の改善が可能な集水機構及び水力発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の集水機構は、間隔を空けて互いに対向している第1側壁及び第2側壁と第1側壁の下端及び第2側壁の下端を接続している底壁とを有し、かつ、第1側壁から第2側壁に向かう方向である第1方向に交差している第2方向における一方側から第2方向における他方側へと水が流れる水路に設置される。集水機構は、底壁から第1方向及び第2方向に交差している第3方向に沿って延在している第1支柱と、第1支柱回りに回動可能に第1支柱に取り付けられている第1集水枠と、第1集水枠に着脱可能に取り付けられている第1集水板とを備えている。第1集水枠は、平面視において第1端と第1端の反対側の端である第2端とを有し、かつ、第1端側において第1支柱に取り付けられている。第1端から第2端に向かう方向が第1方向と同一方向になるように第1集水枠を回動させた状態で、第1端は、第2端よりも第2側壁から離れている。
【0008】
上記の集水機構では、第1端から第2端に向かう方向が第1方向に同一方向になるように第1集水枠を回動させた状態で、第2端と第2側壁との間の距離が、第1側壁と第2側壁との間の距離の1/100以下であってもよい。
【0009】
上記の集水機構では、第1端から第2端に向かう方向が第1方向に同一方向になるように第1集水枠を回動させた状態で、第1集水枠の上端は、第1集水枠の下端よりも第2方向における他方側にあってもよい。
【0010】
上記の集水機構は、底壁から第3方向に沿って延在し、かつ、第1方向において第1支柱よりも第2側壁から離れている第2支柱と、第2支柱回りに回動可能に第2支柱に取り付けられている第2集水枠と、第2集水枠に着脱可能に取り付けられている第2集水板とを備えていてもよい。第2集水枠は、平面視において第3端と第3端の反対側の端である第4端とを有し、かつ、第3端側において第2支柱に取り付けられていてもよい。第4端から第3端に向かう方向が第1方向と同一方向になるように第2集水枠を回動させた状態で、第3端は、第4端よりも第1側壁から離れていてもよい。
【0011】
本発明の水力発電装置は、水路内に配置されている翼を有する水力発電モジュールと、上記の集水機構を備えている。翼は、第1支柱よりも第2方向における他方側にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明の集水機構及び水力発電装置によると、発電効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図4】端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になっている状態での水力発電装置100の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る水力発電装置(以下においては、「水力発電装置100」とする)を説明する。
【0016】
<水力発電装置100の構成>
図1は、水力発電装置100の斜視図である。
図2は、水力発電装置100の正面図である。
図3は、水力発電装置100の平面図である。
図1~
図3に示されるように、水力発電装置100は、水路200に設置されている。水路200は、側壁201と、側壁202と、底壁203とを有している。
【0017】
側壁201及び側壁202は、間隔を空けて互いに対向している。側壁201から側壁202に向かう方向を、第1方向DR1とする。底壁203は、側壁201の下端と側壁202の下端とを接続している。側壁201及び側壁202は、第2方向DR2に延在している。第2方向DR2は、第1方向DR1に交差している方向である。第2方向DR2は、好ましくは、第1方向DR1に直交している。
【0018】
水路200内の水は、第2方向DR2における一方側から第2方向DR2における他方側に流れる。すなわち、第2方向DR2における一方側が水路200の上流側であり、第2方向DR2における他方側が水路200の下流側である。
【0019】
水力発電装置100は、水力発電モジュール10を有している。水力発電モジュール10は、翼11と、回転軸12(図示せず)と、梁13と、架台14と、発電機15と、支柱16と、ギアボックス17と、回転軸18(図示せず)とを有している。
【0020】
翼11は、水路200内に配置されている。翼11は、水路200内を流れる水と接触することにより回転する。回転軸12は、翼11に取り付けられている。回転軸12は、第2方向DR2に延在している。翼11が水路200内を流れている水と接触して回転することにより、回転軸12が回転軸12の中心軸回りに回転される。水路200の幅(側壁201と側壁202との間の距離)は、好ましくは、翼11の翼径の2倍以下である。
【0021】
梁13は、第1方向DR1に延在している。梁13の一方端は、側壁201の上端の上に配置されている。梁13の他方端は、側壁202の上端の上に配置されている。架台14は、梁13に取り付けられている。架台14の上には、発電機15が配置されている。
【0022】
支柱16は、第3方向DR3に延在している。第3方向DR3は、第1方向DR1及び第2方向DR2に交差している方向である。第3方向DR3は、好ましくは、第1方向DR1及び第2方向DR2に直交している。支柱16の一方端は、架台14に取り付けられている。支柱16の他方端は、ギアボックス17に取り付けられている。支柱16内は、中空になっている。支柱16内には、第3方向DR3に延在している回転軸18が配置されている。
【0023】
ギアボックス17は、例えば減速機である。ギアボックス17は、回転軸12の中心軸回りの回転を、減速した上で回転軸18の中心軸回りの回転に変換する。発電機15は、回転軸18の中心軸回りの回転により、発電を行う。このように、水力発電モジュール10は、水路200内に配置されている翼11の回転により、水力発電を行う。
【0024】
水力発電装置100は、集水機構20を有している。集水機構20は、支柱21と、支柱22と、集水枠23と、集水板24とを有している。集水機構20は、翼11よりも第2方向DR2における一方側にある。
【0025】
支柱21及び支柱22は、第3方向DR3に沿って延在している。支柱21の下端は、水路200(底壁203)に固定されている。翼11は、支柱21よりも第2方向DR2における他方側にある。支柱22の下端は、底壁203に固定されていない。
【0026】
集水枠23は、支柱21及び支柱22に取り付けられている。集水枠23は、平面視において、端23aと、端23bとを有している。端23bは、端23aの反対側の端である。集水枠23は、端23a側において支柱21に取り付けられている。集水枠23は、端23b側において支柱22に取り付けられている。集水枠23は、支柱21回りに回動可能になっている。
【0027】
図4は、端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になっている状態での水力発電装置100の平面図である。
図4に示されるように、端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠23が回動されている状態で、端23aは、端23bよりも側壁202から離れている。
【0028】
端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠23が回動されている状態で、端23bと側壁202との間の距離は、好ましくは、側壁201と側壁202との間の距離の1/100以下である。すなわち、端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠23が回動されている状態で、端23bは、実質的に側壁202に接触していることが好ましい。
【0029】
端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠23が回動されている状態で、集水枠23は、集水枠23の上端が集水枠23の下端よりも第2方向DR2における他方側にあるように傾斜していることが好ましい。
【0030】
集水板24は、板状の部材である。集水板24は、好ましくは、集水枠23に着脱可能に取り付けられている。集水板24の主面の法線方向は、集水枠23に取り付けられている状態で、第3方向DR3と交差している。端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠23が回動されている状態で、集水板24は、集水枠23の第2方向DR2における一方側に取り付けられている。
【0031】
<水力発電装置100の効果>
水力発電装置100の効果を、比較例に係る水力発電装置(以下においては、「水力発電装置300」とする)と対比しながら説明する。
【0032】
水力発電装置300は、水力発電モジュール10と、集水機構20とを有している。水力発電装置300の構成は、この点に関し、水力発電装置100の構成と共通している。
図5は、水力発電装置300の平面図である。
図5に示されるように、水力発電装置300では、支柱22の下端が底壁203に固定されている一方、支柱21の下端が底壁203に固定されていない。また、水力発電装置300では、集水枠23が支柱22回りに回動可能になっている(
図5中の点線参照)。これらの点に関し、水力発電装置300の構成は、水力発電装置100の構成と異なっている。
【0033】
水力発電装置300では、集水枠23を支柱22回りに回動させて集水板24の角度を調整することにより、水路200内を流れている水が翼11に向かって集水される。効率よく水力発電を行うためには、翼11と集水板24との間の距離が重要な要素のうちの1つである。しかしながら、水力発電装置300では、集水枠23を支柱22回りに回動させることにより集水板24の角度を調整するため、集水板24の角度の調整に伴い集水板24と翼11との距離が変動し、発電効率が悪化するおそれがある。
【0034】
他方で、水力発電装置100では、集水枠23を支柱22回りに回動させて集水板24の角度を調整するため、集水板24と翼11との距離は、集水板24の角度の調整に伴って変動しない。そのため、水力発電装置100によると、発電効率をさらに改善することができる。
【0035】
水力発電装置100では、集水枠及び集水板が1組(集水枠23及び集水板24の組)であるため、集水機構20の設置コストを低減することができる。なお、水路200の幅が翼11の翼径の2倍以下である場合には、集水機構20が有する集水枠23及び集水板24が1組であっても、翼11に接触する水の流速を十分に確保することが可能である。
【0036】
端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠23が回動されている状態で集水枠23の上端が集水枠23の下端よりも第2方向における他方側にある場合、水路200内を流れる水から集水板24に加わる力に、底壁203に向かう成分が含まれることになる。そのため、この場合には、集水板24が水路200内を流れる水から浮き上がってしまうことが抑制される。
【0037】
水力発電装置100では、端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠23が回動されている状態で端23bと側壁202との間の距離が側壁201と側壁202との間の距離の1/100以下であるため、端23aから端23bに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠23を回動することにより、水路200内に流れる水の殆どを翼11に向かって集水することができ、水路200内を流れる水の流量が少なくても効率的な発電ができる。なお、水路200内を流れる水の流量が少ない場合、水路200内の水の殆どを翼11に向かって集水しても、水路200からの溢水は懸念されない。
【0038】
他方で、端23bが端23aよりも第2方向DR2における一方側にあるように集水枠23を回動させることにより、端23bと側壁202との間は、隙間が空く。その結果、水路200内を流れる水の一部は、上記の隙間を通り、翼11に向かって集水されない。水路200内を流れる水の流量が多い場合には、水路200内の水の一部が翼11に集水されなくても、発電効率は維持できる。そのため、水力発電装置100によると、水路200からの溢水を抑制しつつ、発電効率を高めることができる。
【0039】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る水力発電装置(以下においては、「水力発電装置400」とする)を説明する。ここでは、水力発電装置100と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さない。
【0040】
<水力発電装置400の構成>
図6は、水力発電装置400の斜視図である。
図7は、水力発電装置400の正面図である。
図8は、水力発電装置400の平面図である。
図6~
図8に示されるように、水力発電装置400は、水力発電モジュール10と、集水機構20とを有している。この点に関し、水力発電装置400の構成は、水力発電装置100の構成と共通している。
【0041】
水力発電装置400では、集水機構20が、支柱25と、支柱26と、集水枠27と、集水板28と、ストッパ29と、ストッパ30とをさらに有している。この点に関し、水力発電装置400の構成は、水力発電装置100の構成と異なっている。
【0042】
支柱25及び支柱26は、第3方向DR3に沿って延在している。支柱25の下端は、水路200(底壁203)に固定されている。翼11は、支柱25よりも第2方向DR2における他方側にある。支柱26の下端は、底壁203に固定されていない。なお、支柱25は、第1方向DR1において、支柱21よりも側壁201の近くにある。また、支柱25の第2方向DR2における位置は、支柱21の第2方向DR2における位置に一致していることが好ましい。
【0043】
集水枠27は、支柱25及び支柱26に取り付けられている。集水枠27は、平面視において、端27aと、端27bとを有している。端27bは、端27aの反対側の端である。集水枠27は、端27a側において支柱25に取り付けられている。集水枠27は、端27b側において支柱26に取り付けられている。集水枠27は、支柱25回りに回動可能になっている。
【0044】
端27bから端27aに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠27が回動されている状態で、端27aは、端27bよりも側壁201から離れている。端27bから端27aに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠27が回動されている状態で、端27bと側壁201との間の距離は、側壁201と側壁202との間の距離の1/100以下であることが好ましい。すなわち、端27bから端27aに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠27が回動されている状態で、端27bは、実質的に側壁201に接触していることが好ましい。
【0045】
端27bから端27aに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠27が回動されている状態で、集水枠27は、集水枠27の上端が集水枠27の下端よりも第2方向DR2における他方側にあるように傾斜していることが好ましい。
【0046】
集水板28は、板状の部材である。集水板28は、好ましくは、集水枠27に着脱可能に取り付けられている。集水板28の主面の法線方向は、集水枠27に取り付けられている状態で、第3方向DR3と交差している。端27bから端27aに向かう方向が第1方向DR1と同一方向になるように集水枠27が回動されている状態で、集水板28は、集水枠27の第2方向DR2における一方側に取り付けられている。
【0047】
このように、水力発電装置400では、集水機構20が2組の集水枠及び集水板(集水枠23及び集水板24の組、集水枠27及び集水板28の組)を有している。なお、水力発電装置400が設置される水路200の幅は、例えば翼11の翼径の2倍以上である。
【0048】
ストッパ29は、円弧部材29aと、円弧部材29bとを有している。円弧部材29a及び円弧部材29bは、第3方向DR3において間隔を空けて重ねて配置されている。円弧部材29a及び円弧部材29bは、平面視において、支柱21を曲率中心とする円弧形状を有している。円弧部材29aの一方端及び円弧部材29bの一方端は、集水枠23に取り付けられている。
【0049】
円弧部材29aには、円弧部材29aを第3方向DR3に沿って貫通している複数の貫通穴29aaが形成されている。円弧部材29bには、円弧部材29bを第3方向DR3に沿って貫通している複数の貫通穴29ba(図示せず)が形成されている。貫通穴29aa及び貫通穴29baは、平面視において互いに重なっている。
【0050】
ストッパ29は、棒状体29cをさらに有している。棒状体29cは、第3方向DR3に沿って延在している。棒状体29cは、貫通穴29aa及び貫通穴29baに挿入されている。集水板24に水路200内を流れている水からの力が加わると、集水枠23が支柱21回りに回転し、棒状体29cが梁13と接触する。
【0051】
棒状体29cが梁13と接触すると、集水枠23は、集水板24が水路200内を流れる水から力を受けても、支柱21回りに回転することができなくなる。そのため、ストッパ29は、集水枠23の位置決めを行うことができる。棒状体29cを異なる貫通穴29aa及び貫通穴29baに挿入することにより、集水枠23を異なる位置に位置決めすることができる。すなわち、水力発電装置400では、集水板24の角度を段階的に調整することができる。
【0052】
ストッパ30は、円弧部材30aと、円弧部材30bとを有している。円弧部材30a及び円弧部材30bは、第3方向DR3において間隔を空けて重ねて配置されている。円弧部材30a及び円弧部材30bは、平面視において、支柱25を曲率中心とする円弧形状を有している。円弧部材30aの一方端及び円弧部材30bの一方端は、集水枠27に取り付けられている。
【0053】
円弧部材30aには、円弧部材30aを第3方向DR3に沿って貫通している複数の貫通穴30aaが形成されている。円弧部材30bには、円弧部材30bを第3方向DR3に沿って貫通している複数の貫通穴30baが形成されている。貫通穴30aa及び貫通穴30baは、平面視において、互いに重なっている。
【0054】
ストッパ30は、棒状体30cをさらに有している。棒状体30cは、第3方向DR3に沿って延在している。棒状体30cは、貫通穴30aa及び貫通穴30baに挿入されている。集水板28に水路200内を流れている水からの力が加わると、集水枠27が支柱25回りに回転し、棒状体30cが梁13と接触する。
【0055】
棒状体30cが梁13と接触すると、集水枠27は、集水板28が水路200内を流れる水から力を受けても、支柱25回りに回転することができなくなる。そのため、ストッパ30は、集水枠27の位置決めを行うことができる。棒状体30cを異なる貫通穴30aa及び貫通穴30baに挿入することにより、集水枠27を異なる位置に位置決めすることができる。すなわち、水力発電装置400では、集水板28の角度を段階的に調整することができる。
【0056】
<水力発電装置400の効果>
水力発電装置400では、集水機構20が2組の集水枠及び集水板(集水枠23及び集水板24の組、集水枠27及び集水板28の組)を有している。そのため、水力発電装置400によると、水路200の幅が広い場合(より具体的には、水路200の幅が翼11の翼径の2倍以上の場合)であっても、十分な翼11への集水効果を得ることができる。
【0057】
また、水力発電装置400は、ストッパ29及びストッパ30を有しているため、集水板24の角度及び集水板28の角度を段階的に調整することができる。
【0058】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
上記の実施形態は、例えば、集水機構及び集水機構を有する水力発電装置に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0060】
100 水力発電装置、10 水力発電モジュール、11 翼、12 回転軸、13 梁、14 架台、15 発電機、16 支柱、17 ギアボックス、18 回転軸、20 集水機構、21,22 支柱、23 集水枠、23a,23b 端、24 集水板、25,26 支柱、27 集水枠、27a,27b 端、28 集水板、29 ストッパ、29a 円弧部材、29aa 貫通穴、29b 円弧部材、29ba 貫通穴、29c 棒状体、30 ストッパ、30a 円弧部材、30aa 貫通穴、30b 円弧部材、30ba 貫通穴、30c 棒状体、300,400 水力発電装置、200 水路、201,202 側壁、203 底壁、DR1 第1方向、DR2 第2方向、DR3 第3方向。