(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144666
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】整備装置および整備方法
(51)【国際特許分類】
F16D 65/00 20060101AFI20220926BHJP
B60S 5/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
F16D65/00 E
B60S5/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045778
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神 武志
(72)【発明者】
【氏名】岡田 健吾
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 裕之
【テーマコード(参考)】
3D026
3J058
【Fターム(参考)】
3D026BA04
3D026BA27
3J058AA03
3J058AA07
3J058AA17
3J058AA28
3J058BA70
3J058CC32
3J058CC76
3J058CD20
3J058FA01
(57)【要約】
【課題】小さなスペースで作業することができる整備装置および整備方法を提供する。
【解決手段】車輪のブレーキ部に配置されるリターンスプリングを伸縮方向に動かすための操作ツールと、ブレーキエキスパンダに取り付け可能に形成され、操作ツールを支持するために伸縮方向に交差するように形成された支持面を有する取付部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪のブレーキ部に配置されるリターンスプリングを伸縮方向に動かすための操作ツールと、
ブレーキエキスパンダに取り付け可能に形成され、前記操作ツールを支持するために前記伸縮方向に交差するように形成された支持面を有する取付部とを備える整備装置。
【請求項2】
前記支持面は、前記ブレーキエキスパンダの突出部に対応して配置される請求項1に記載の整備装置。
【請求項3】
前記支持面は、平面状に形成される請求項1または2に記載の整備装置。
【請求項4】
前記取付部は、柱形状を有する前記ブレーキエキスパンダの外周部を周方向に半分以上囲むように配置され、両端部近傍が前記ブレーキエキスパンダに係合するように形成される請求項1~3のいずれか一項に記載の整備装置。
【請求項5】
車輪のブレーキ部に配置されるリターンスプリングの伸縮方向に支持面が交差するように取付部をブレーキエキスパンダに取り付け、
前記支持面に支持された操作ツールで前記リターンスプリングを前記伸縮方向に動かす整備方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、整備装置および整備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車輪のブレーキ部を整備する整備装置が実用化されている。ブレーキ部は、例えば、車軸に固定されたブレーキドラムに対して一対のブレーキシューを押し付けることで車輪を制動するように構成されている。このブレーキシューの間には、リターンスプリングが配置されており、リターンスプリングの復元力により、ブレーキドラムに押し付けられたブレーキシューが元の位置に戻される。ここで、ブレーキ部を整備する場合に、リターンスプリングを容易に取り外すことが求められている。
【0003】
そこで、リターンスプリングを容易に取り外す技術として、例えば、特許文献1には、リターンスプリングを効率的かつ安全に取り外すことのできる工具が開示されている。この工具は、左右両側のドラムブレーキに適用可能に形成されているため、リターンスプリングを容易に取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の工具は、作業スペースを大きく確保する必要があった。
【0006】
本開示は、小さなスペースで容易に作業することができる整備装置および整備方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る整備装置は、車輪のブレーキ部に配置されるリターンスプリングを伸縮方向に動かすための操作ツールと、ブレーキエキスパンダに取り付け可能に形成され、操作ツールを支持するために伸縮方向に交差するように形成された支持面を有する取付部とを備えるものである。
【0008】
本開示に係る整備方法は、車輪のブレーキ部に配置されるリターンスプリングの伸縮方向に支持面が交差するように取付部をブレーキエキスパンダに取り付け、支持面に支持された操作ツールでリターンスプリングを伸縮方向に動かすものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、小さなスペースで容易に作業することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係る整備装置の構成を示す図である。
【
図5】ホイールとブレーキドラムを取り外した車輪の様子を示す図である。
【
図6】リターンスプリングがブレーキシューに連結された様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に、本開示の実施の形態に係る整備装置の構成を示す。整備装置は、車両のブレーキ部Bを整備するためのもので、操作ツール1と、取付部2とを有する。なお、車両としては、例えば、トラックなどの商用車が挙げられる。
【0013】
ここで、ブレーキ部Bは、いわゆるドラムブレーキであり、一対のシューアッシSと、ブレーキエキスパンダEと、リターンスプリングRとを有する。
一対のシューアッシSは、図示しない車軸を挟んで対向するように配置され、それぞれ、ブレーキシューS1と、摩擦部S2とを有する。ブレーキシューS1は、摩擦部S2を支持するもので、車輪の周方向に円弧状に湾曲するように形成されている。摩擦部S2は、図示しないブレーキドラムに押し当てられて車輪を制動するもので、ブレーキシューS1に対して車輪の径方向外側に配置され、ブレーキシューS1の表面を覆うように形成されている。
【0014】
ブレーキエキスパンダEは、ブレーキシューS1を車輪の径方向外側に向かって押圧するもので、一対のシューアッシSの間を延びる柱状に形成されている。そして、ブレーキエキスパンダEの一端部が一方のシューアッシSのブレーキシューS1に固定されると共に、ブレーキエキスパンダEの他端部が他方のシューアッシSのブレーキシューS1に固定されている。
【0015】
リターンスプリングRは、車輪の径方向外側に押し出されたブレーキシューS1を元の姿勢に戻すもので、ブレーキエキスパンダEに隣接して一対のシューアッシSの間を延びるように配置されている。このとき、リターンスプリングRは、一対のスプリング本体R1およびR2と、延在部R3とを有する。スプリング本体R1が一方のシューアッシSのブレーキシューS1に連結され、スプリング本体R2が他方のシューアッシSのブレーキシューS1に連結されている。そして、延在部R3が、スプリング本体R1とスプリング本体R2との間を接続する。
なお、リターンスプリングRは、ブレーキエキスパンダEの奥にも並んで配置されている。すなわち、2つのリターンスプリングRが、それぞれ、一対のシューアッシSに連結されている。
【0016】
操作ツール1は、リターンスプリングRを伸縮方向Dに動かすもので、延在形状を有する。具体的には、操作ツール1は、持ち手部3と、押圧部4と、湾曲部5とを有する。
【0017】
持ち手部3は、操作者が把持して操作ツール1を操作するためのもので、操作ツール1の基端部に配置されている。
押圧部4は、持ち手部3での操作に応じてリターンスプリングRを伸縮方向Dに押圧するもので、操作ツール1の先端部に配置され、リターンスプリングRに係合するように形成されている。
【0018】
湾曲部5は、持ち手部3と押圧部4との間を接続するように配置され、持ち手部3および押圧部4に対して凹状に湾曲するように形成されている。このとき、湾曲部5は、押圧部4がリターンスプリングRに係合した状態で取付部2に当接するように形成されている。
【0019】
取付部2は、支持部6と、係合部7と、係合部8とを有する。
【0020】
支持部6は、ブレーキエキスパンダEの突出部E1に対応して配置されている。具体的には、支持部6は、突出部E1に沿って延びる4つの腕部6a~6dを有する。
【0021】
なお、ブレーキエキスパンダEは、エアの供給に応じて、ブレーキシューS1を押圧するために駆動する駆動部を内蔵しており、この駆動部を収容する部分が外部に突出するように形成されている。このため、突出部E1としては、例えば、駆動部を収容する部分などが挙げられる。
【0022】
腕部6aは、突出部E1の上部から側壁部E1aにわたって延びるように形成されている。このとき、腕部6aは、スプリング本体R1側に延びるように形成されている。そして、腕部6aには、突出部E1の側壁部E1aに対応して支持面9が形成されている。この支持面9は、操作ツール1を支持するために伸縮方向Dに交差する姿勢で形成されている。具体的には、支持面9は、スプリング本体R1の穴部分に対向するように形成されている。また、支持面9は、操作ツール1の湾曲部5の厚みより幅広な平面状に形成されている。
【0023】
腕部6bは、突出部E1に対して腕部6aの反対側に配置され、突出部E1の上部から側壁部E1aにわたって延びるように形成されている。すなわち、腕部6bは、スプリング本体R2側に延びるように形成されている。そして、腕部6bには、突出部E1の側壁部E1aに対応して支持面9が形成されている。この支持面9は、腕部6aの支持面9と同様に、操作ツール1を支持するために伸縮方向Dに交差する姿勢で形成されている。具体的には、支持面9は、スプリング本体R1の穴部分に対向するように形成されている。また、支持面9は、操作ツール1の湾曲部5の厚みより幅広な平面状に形成されている。
【0024】
腕部6cは、腕部6aと腕部6bとの間に配置され、突出部E1の上部から側壁部E1aを通過して延びるように形成され、その先端部が係合部7に接続されている。
腕部6dは、突出部E1に対して腕部6cの反対側に配置され、突出部E1の上部に沿って延びるように形成され、その先端部に係合部8が配置されている。
【0025】
係合部7は、腕部6cからスプリング本体R1側とスプリング本体R2側にブレーキエキスパンダEに沿って拡張するように形成されている。
係合部8は、突出部E1に係合するもので、例えばボルトなどの係合具から構成されている。
【0026】
次に、係合部7および8の構成について詳細に説明する。
【0027】
図2に示すように、係合部7は、ブレーキエキスパンダEの外周部に当接しつつ周方向に湾曲するように形成されている。このとき、係合部7の縁部7aは、ブレーキエキスパンダEの周方向に突出部E1から180度以上離れた位置まで延びるように形成されている。このため、取付部2は、係合部7と支持部6とでブレーキエキスパンダEの外周部を周方向に半分以上囲むように形成されることになる。
【0028】
また、係合部7の縁部7aは、ブレーキエキスパンダEに係合するように形成されている。一方、係合部8は、腕部6dから係合部7に向かって延びるように形成され、その先端部が突出部E1に係合する。すなわち、取付部2は、両端部近傍において係合部7の縁部7aと係合部8とでブレーキエキスパンダEに係合するように形成されている。このように、取付部2は、ブレーキエキスパンダEに係合して取り付け可能に形成されている。
【0029】
また、取付部2の両端部の間には、ブレーキエキスパンダEを収容可能に開口した開口部10が形成されている。
【0030】
次に、操作ツール1の構成について詳細に説明する。
【0031】
図3に示すように、押圧部4は、凸状部4aと、幅広部4bとを有する。
【0032】
凸状部4aは、スプリング本体R1およびR2の穴部分より小さな径で形成され、スプリング本体R1およびR2の内側に挿入される。
幅広部4bは、凸状部4aの両側部から突出して、スプリング本体R1およびR2の穴部分より幅広になるように形成されている。これにより、幅広部4bは、スプリング本体R1およびR2に係合し、持ち手部3の操作に応じてスプリング本体R1およびR2を押圧することができる。
【0033】
次に、車輪の構成について詳細に説明する。
【0034】
図4に示すように、ホイールWとブレーキ部BのブレーキドラムMが、ハブHを介して車軸Aに固定されている。このとき、ハブHは、車軸Aのハウジングに対してベアリングGを介して固定されており、車軸Aの回転に応じてハウジングの周りに回転される。そして、ホイールWとブレーキドラムMが、ハブHと共に車軸Aのハウジングの周りを回転する。このとき、ホイールWおよびブレーキドラムMは、ハブHに対して車輪の外側に配置されている。
【0035】
また、ブレーキドラムMは、車輪の内側に延びる管形状に形成されており、その内側にシューアッシSが配置されている。ブレーキシューS1が、ブレーキエキスパンダEで車輪の径方向外側に押圧されることにより、摩擦部S2がブレーキドラムMの内面に押し当てられて車輪が制動される。また、ブレーキシューS1は、リターンスプリングRの復元力により元の姿勢に戻されることにより、摩擦部S2がブレーキドラムMの内面から離間される。
【0036】
次に、ブレーキ部Bの整備方法について説明する。
【0037】
まず、
図4に示す車輪において、車軸AからホイールWとブレーキドラムMを取り外す。このとき、ブレーキドラムMが、ハブHの外側に配置されているため、容易に取り外すことができる。
【0038】
これにより、
図5に示すように、一対のシューアッシSの間に、車輪の径方向外側に開放された開放部N1およびN2が形成されることになる。ここで、開放部N1は、ブレーキエキスパンダEの近傍に形成され、開放部N2は、車軸Aを挟んで開放部N1の反対側に形成されている。なお、
図5では、ハブHなどの詳細な部品は省略されている。
【0039】
このとき、車輪の内側は操作ツール1を動かすスペースが少なく、操作ツール1を開放部N2から挿入すると、操作ツール1の操作が困難になるおそれがある。特に、ハブHを取り付けた状態ではスペースがさらに制限されるため、操作ツール1の操作もより困難となる。
【0040】
そこで、
図2に示すように、ブレーキエキスパンダEに取付部2を取り付ける。
このとき、取付部2には、開口部10が形成されているため、ブレーキエキスパンダEに取付部2を容易に取り付けることができる。
【0041】
また、取付部2は、ブレーキエキスパンダEの外周部を周方向に半分以上囲むように配置され、その両端部近傍でブレーキエキスパンダEに係合するように形成されているため、ブレーキエキスパンダEに確実に固定することができる。
【0042】
また、係合部7が、ブレーキエキスパンダEの外周部に当接しつつ周方向に湾曲するように形成されているため、ブレーキエキスパンダEにより確実に固定することができる。
そして、湾曲して形成された係合部7の縁部7aが、ブレーキエキスパンダEに係合するため、ブレーキエキスパンダEに強固に固定することができる。
【0043】
また、係合部8が、腕部6dから係合部7に向かって延びるように形成され、その先端部が突出部E1に係合するため、ブレーキエキスパンダEに強固に固定することができる。
【0044】
このようにして、取付部2が、ブレーキエキスパンダEに取り付けられると、
図1に示すように、操作ツール1が、開放部N1から車輪の内側に挿入される。続いて、操作ツール1の押圧部4が、スプリング本体R1の穴部分に挿入される。そして、湾曲部5が、腕部6aの支持面9に当接された状態で、持ち手部3がスプリング本体R2側に押し下げられる。これにより、湾曲部5が、支持面9に支持されて、押圧部4が、スプリング本体R1を伸縮方向Dに押圧する。
【0045】
このように、取付部2が、ブレーキエキスパンダEに取り付けられることにより、スプリング本体R1に近い開放部N1から操作ツール1を挿入することができ、小さなスペースでも容易に作業することができる。このとき、腕部6aの支持面9が、伸縮方向Dに交差するように形成されているため、操作ツール1を確実に支持することができ、押圧部4でスプリング本体R1を容易に押圧することができる。
【0046】
また、支持面9が、スプリング本体R1の穴部分に対向するように形成されているため、操作ツール1をより確実に支持することができる。このとき、支持面9は、スプリング本体R1の穴部分に対してほぼ平行になるように形成されることが好ましい。
【0047】
また、支持面9が、ブレーキエキスパンダEの突出部E1に対応して配置されている。このように、ブレーキエキスパンダEの形状を利用して支持面9を効率的に配置することにより、操作ツール1の作業スペースを大きく確保することができる。
【0048】
また、支持面9は、平面状に形成されているため、操作ツール1をスムーズに操作することができる。
【0049】
また、操作ツール1は、持ち手部3および押圧部4に対して凹状に湾曲する湾曲部5を有する。このため、湾曲部5を支持面9に確実に支持させることができ、スプリング本体R1を容易に押圧することができる。
【0050】
また、操作ツール1の押圧部4は、スプリング本体R1の穴部分に凸状部4aを挿入した状態で押圧するため、凸状部4aがスプリング本体R1に係合して姿勢を維持することができ、スプリング本体R1を容易に押圧することができる。
【0051】
ここで、スプリング本体R1の端部は、
図6に示すように,フック部R4が形成されており、このフック部R4がブレーキシューS1の係合軸S3に係合されている。押圧部4がスプリング本体R1を押圧すると、フック部R4が、係合軸S3に対して車輪の径方向外側に移動して、係合軸S3との係合が外される。これにより、スプリング本体R1をブレーキシューS1から取り外すことができる。
【0052】
同様にして、奥側に配置されたスプリング本体R1も操作ツール1で押圧されて、ブレーキシューS1から取り外される。
【0053】
このとき、手前に配置されたスプリング本体R1を取り外した後、操作ツール1の向きを変えて奥側に配置されたスプリング本体R1の穴部分に押圧部4を挿入し、スプリング本体R1を押圧することになる。
そこで、支持面9を平面状に形成することにより、操作ツール1の向きを支持面9上でスムーズに変更することができ、押圧部4を奥側のスプリング本体R1の穴部分に容易に挿入することができる。
【0054】
続いて、スプリング本体R2が、ブレーキシューS1から取り外される。ここで、支持面9が、スプリング本体R2側に延びる腕部6bにも形成されているため、スプリング本体R1と同様にして、スプリング本体R2をブレーキシューS1から取り外すことができる。
【0055】
このようにして、リターンスプリングRをブレーキシューS1から取り外すと、シューアッシSが車輪から取り外される。そして、取り外されたシューアッシSは、例えば修理および交換などの整備が行われる。
このとき、ハブHを車軸Aから取り外すことなく、シューアッシSを車輪から取り外すことができるため、整備に要する労力を軽減することができる。
【0056】
なお、リターンスプリングRをブレーキシューS1に取り付ける場合にも、取付部2をブレーキエキスパンダEに取り付けて、操作ツール1で取り付け作業してもよい。これにより、小さなスペースで容易に取り付け作業することができる。
【0057】
本実施の形態によれば、取付部2が、ブレーキエキスパンダEに取り付け可能に形成され、伸縮方向Dに交差するように形成された支持面9を有するため、操作ツール1を用いて小さなスペースで容易に作業することができる。
【0058】
なお、上記の実施の形態では、支持面9は、ブレーキエキスパンダEの突出部E1に対応して配置されたが、リターンスプリングRの伸縮方向Dに交差するように形成されていればよく、これに限られるものではない。
【0059】
また、上記の実施の形態では、支持面9は、平面状に形成されたが、リターンスプリングRの伸縮方向Dに交差するように形成されていればよく、これに限られるものではない。例えば、支持面9の縁部に凸部を設けて操作ツール1の大きな移動を規制してもよい。
【0060】
その他、上記の実施の形態は、何れも本発明の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。例えば、上記の実施の形態で説明した各部の形状や個数などについての開示はあくまで例示であり、適宜変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示に係る整備装置は、操作ツールでリターンスプリングを動かす装置に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 操作ツール
2 取付部
3 持ち手部
4 押圧部
4a 凸状部
4b 幅広部
5 湾曲部
6 支持部
6a~6d 腕部
7,8 係合部
7a 縁部
9 支持面
10 開口部
A 車軸
B ブレーキ部
D 伸縮方向
E ブレーキエキスパンダ
E1 突出部
E1a 側壁部
G ベアリング
H ハブ
M ブレーキドラム
N1,N2 開放部
R リターンスプリング
R1,R2 スプリング本体
R3 延在部
S シューアッシ
S1 ブレーキシュー
S2 摩擦部
W ホイール