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特開2022-144696カーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144696
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】カーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/60 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
B65G15/60
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045821
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】515118276
【氏名又は名称】相模コンベヤー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】田淵 元
【テーマコード(参考)】
3F023
【Fターム(参考)】
3F023BA03
3F023BB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ゴムベルトの蛇行に応じてゴムベルト支持用ローラユニットを揺動させ、カーブでゴムベルトのだぶつきや蛇行を抑制し、ゴムベルトの離脱防止効果を高めるカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニットを提供する。
【解決手段】搬送経路に沿って多数配置される架台2に設けられ、搬送経路を形成する無端状のゴムベルトBを支持するゴムベルト支持用ローラユニット3が、架台に固定された円弧状のガイド部材4と、ガイド部材の内側に配設されたローラ支持部材5と、ローラ支持部材の下面に取り付けられ、ガイド部材に沿って移動自在に載置される複数の下部ローラ6と、ローラ支持部材の上面中央部に取り付けられ、ゴムベルトの幅方向中央部を支持するメインローラ7と、メインローラの両側部に取り付けられ、ゴムベルトの幅方向両側部を支持するサブローラ8からなり、ローラ支持部材が、ガイド部材の円弧の中心点を中心として揺動可能とされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路に沿って多数配置される架台に設けられ、前記搬送経路を形成する無端状のゴムベルトをその内側から支持するゴムベルト支持用ローラユニットを備え、このゴムベルト支持用ローラユニットが、前記架台に固定され上方に開放された円弧状のガイド部材と、このガイド部材の内側に配設されたローラ支持部材と、このローラ支持部材の下面に取り付けられて、前記ガイド部材の上面にこのガイド部材に沿って移動自在に載置される複数の下部ローラと、前記ローラ支持部材の上面中央部に取り付けられて、前記ゴムベルトの幅方向中央部を支持するメインローラと、前記ローラ支持部材の上面で、前記メインローラの両側部に取り付けられて、前記ゴムベルトの幅方向両側部を支持するサブローラとからなり、前記ローラ支持部材、前記下部ローラ、前記メインローラ、および、前記サブローラが、前記ガイド部材の円弧に沿って揺動可能となされていることを特徴とするカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット。
【請求項2】
前記架台に、前記ゴムベルトが前記サブローラを越えて移動した際に、その移動を規制する規制ローラが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット。
【請求項3】
前記架台に、前記ゴムベルト支持用ローラユニットの揺動範囲を制限するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット。
【請求項4】
前記ストッパが複数設けられ、択一的に用いられるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムベルトを用いたコンベヤーに係わり、特に、カーブ部が設けられたコンベヤーのカーブにおけるゴムベルトの離脱を効果的に防止するゴムベルト支持用ローラユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンベヤーは、搬送物の搬送経路で、この搬送経路の両側部で、かつ、搬送経路の搬送方向に間隔をおいて多数の架台を設置するととともに、これらの架台間にゴムベルトが載置されるゴムベルト支持用ローラユニットを設け、搬送経路の何れかの端部側に、ゴムベルトを搬送経路方向に移動させる駆動手段を配置し、ゴムベルトを無端帯状に形成して、全てのゴムベルト支持用ローラユニットを上下に包み込むように配置するとともに、一端部の折り返し部分を駆動手段に掛け止めした構成となっている。
【0003】
そして、ゴムベルトの上部が、搬送経路の下流側から上流側へ向けて移動するように、駆動手段によってゴムベルトを移動させることにより、搬送物の搬送を行なうようになっている。
【0004】
前記ゴムベルト支持用ローラユニットは、特許文献1に示されるように、ゴムベルトの幅方向略中央部下面を支持するメインローラと、このメインローラの両側部にV字状に配置され、ゴムベルトの幅方向両側部下面を支持するサブガイドローラとによって構成されている。
【0005】
前記メインローラはゴムベルトの略中央部をほぼ水平に保持し、一対のサブガイドローラは、ゴムベルトの両側部を斜め上方に湾曲させた状態で保持するようになっている。
【0006】
一方、搬送経路が左右にカーブしている場合等、平面的に見て、ゴムベルトの側部で、カーブ内側の側部の移動距離が短くなり、その分、ゴムベルトのカーブ内側の側部がだぶつき、これによってゴムベルトにウェーブが生じる。
このウェーブの発生により、ゴムベルトにその幅方向にずれる蛇行現象が生じる。
そして、そのずれ量が大きくなると、ゴムベルトがガイドローラから離脱してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、特許文献1に示されているゴムベルト支持用ローラユニットでは、V字状に配置された一対のサブガイドローラの傾斜を利用して、ゴムベルトをカーブの外側にずらすことにより、ゴムベルトのカーブ内側の側部の移動距離を大きくして、前述したゴムベルトのだぶつきや蛇行現象の発生を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開昭53-110681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に示された技術では、ゴムベルトの蛇行を防止する主たる構成要素はサブガイドローラの傾斜角やサブガイドローラの長さであるがこのサブガイドローラの傾斜角が一定に保持されていること、また、その長さが制限されていることから、ゴムベルトのだぶつきや蛇行を抑制する作用が制限される。
【0010】
しかしながら、搬送経路のカーブの大きさによっては、ゴムベルトの蛇行量が制限量を超えてしまうことが想定される。
【0011】
このような想定への対応策として、サブガイドローラを長くすることが考えられるが、これに伴い、ゴムベルト支持用ローラユニットが大型化し、設置スペースの増加を招き、あるいは、製造コストの高騰を招くといった新たな不具合が生じ、有効な対応とはならない。
【0012】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決せんとしてなされたもので、ゴムベルトが蛇行した場合、その蛇行に応じてゴムベルト支持用ローラユニットを揺動させることにより、カーブにおけるゴムベルトのだぶつきや蛇行を効果的に抑制し、ゴムベルトの離脱防止効果を高めることの可能なカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニットを提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニットは、前述した課題を解決するために、送経路に沿って多数配置される架台に設けられ、前記搬送経路を形成する無端状のゴムベルトをその内側から支持するゴムベルト支持用ローラユニットを備え、このゴムベルト支持用ローラユニットが、前記ゴムベルトの搬送方向両側に配設される架台と、これらの架台間に固定され上方に開放された円弧状のガイド部材と、このガイド部材の内側に配設されたローラ支持部材と、このローラ支持部材の下面に取り付けられて、前記ガイド部材の上面にこのガイド部材に沿って移動自在に載置される複数の下部ローラと、前記ローラ支持部材の上面中央部に取り付けられて、前記ゴムベルトの幅方向中央部を支持するメインローラと、前記ローラ支持部材の上面で、前記メインローラの両側部に取り付けられて、前記ゴムベルトの幅方向両側部を支持するサブローラとからなり、前記ローラ支持部材、下部ローラ、メインローラ、および、サブローラが、前記ガイド部材の円弧に沿って揺動可能となされていることを特徴としている。
【0014】
このように構成された本発明のカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニットは、搬送経路が直線状である場合には、ゴムベルト支持用ローラユニットが略水平に保持されて、ゴムベルトを直線状にガイドする。
【0015】
搬送経路がカーブさせられていると、ゴムベルトのカーブ内側の側部の移動距離が短くなってだぶつく現象が生じ、これに起因してゴムベルトが蛇行する。
【0016】
ここで、ゴムベルトは、カーブによって締められた状態を解消すべく伸長する挙動を示す。
このようなゴムベルトの挙動が生じると、ゴムベルト支持用ローラユニットのカーブの内側に位置する部位がゴムベルトによって押される。
これによって、ゴムベルト支持用ローラユニットが、ガイド部材の内面にガイドされつつカーブの外側へ向けて揺動させられる。
【0017】
ここで、ゴムベルト支持用ローラユニットの揺動中心が、円弧状のガイド部材の中心と一致させられていることから、ゴムベルトのカーブの外側への移動に際して、ゴムベルトとゴムベルト支持用ローラユニットとの相対的な位置関係が保持される。
【0018】
このように、ゴムベルトがカーブの外側へ移動させられることにより、ゴムベルトのカーブ内側の側部の移動距離が増加する。
この結果、ゴムベルトのだぶつきが抑えられ、これに起因した蛇行現象が抑制される。
【0019】
そして、前述しただぶつきや蛇行の抑制作用は、ゴムベルト支持用ローラユニットの揺動角度に依存し、ゴムベルト支持用ローラユニットの構成部材の形状には依存しない。
したがって、ゴムベルト支持用ローラユニットの大型化や製造コストが高騰するといった不具合を招くことはない。
【0020】
前記架台に、ゴムベルトがサブローラを越えて移動した際に、その移動を規制する規制ローラが設けられている構成とすることができる。
【0021】
このような構成とすることにより、ゴムベルトがサブローラを越えて移動する異常事態を回避することができる。
【0022】
前記架台に、ゴムベルト支持用ローラユニットの揺動範囲を制限するストッパが設けられている構成とすることができる。
【0023】
このような構成とすることにより、ゴムベルト支持用ローラユニットの過剰な揺動動作を抑制してゴムベルトの安定した支持を確保することができる。
【0024】
前記ストッパが複数設けられ、択一的に用いられるような構成とすることができる。
【0025】
このような構成とすることにより、ゴムベルト支持用ローラユニットの揺動量を、カーブコンベヤーの曲がりに応じた量とすることにより、ゴムベルトの支持を安定した状態に保持することができる。
【発明の効果】
【0026】
このように本発明のカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニットによれば、搬送経路のカーブに沿ってゴムベルトを配置する際に、このゴムベルトに生じるだぶつきや蛇行を有効に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態を示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態を示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態を示すもので、カーブコンベヤーの一部を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態を示すもので、ゴムベルト支持用ローラユニットの動作を説明するための正面図である。
図7】本発明の一実施形態の組み立て手順を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図8】本発明の一実施形態の組み立て手順を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図9】本発明の一実施形態の組み立て手順を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
これらの図において符号1は、本実施形態に係わるカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニットを示す。
【0029】
このカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット1は、搬送経路A(図5参照)に沿って多数配置される架台2に設けられ、搬送経路Aを形成する無端状のゴムベルトB(図1参照)をその内側から支持するゴムベルト支持用ローラユニット3を備え、このゴムベルト支持用ローラユニット3が、ゴムベルトBの搬送方向両側に配設される架台2と、これらの架台2間に固定され上方に開放された円弧状のガイド部材4と、このガイド部材4の内側に配設されたローラ支持部材5と、このローラ支持部材5の下面に取り付けられて、ガイド部材4の上面にこのガイド部材4に沿って移動自在に載置される複数の下部ローラ6と、ローラ支持部材5の上面中央部に取り付けられて、ゴムベルトBの幅方向中央部を支持するメインローラ7と、ローラ支持部材5の上面で、メインローラ7の両側部に取り付けられて、ゴムベルトBの幅方向両側部を支持するサブローラ8とからなり、ローラ支持部材5、下部ローラ6、メインローラ7、および、サブローラ8が、ガイド部材4の円弧に沿って揺動可能となされている構成となっている。
【0030】
前記架台2は、図7(a)(b)に示すように、一対の平行な支柱2aによって構成され、これらの支柱2a間に、円弧状のガイド部材4が上方へ開口するように装着されている。
【0031】
前記架台2の下部には、図1および図6に示すように、戻りのゴムベルトBをガイドする下部ガイドローラユニット9が装着されており、この下部ガイドローラユニット9とともに前記ゴムベルト支持用ローラユニット3が、図1に示すように、床等に固定され搬送経路Aを形成する基台10上に固定されている。
【0032】
前記円弧状のガイド部材4の幅(搬送方向に沿った幅)は、ゴムベルト支持用ローラユニット3の幅よりも若干広く形成されており、その幅方向の両側部に、図1および図6に示すように、ゴムベルト支持用ローラユニット3がガイド部材4から離脱することを防止するサイドカバー11が装着されている。
【0033】
このような構成により、ゴムベルト支持用ローラユニット3が、ガイド部材4と両サイドカバー11によって形成された空間部内に収納される。
【0034】
また、両サイドカバー11には、ガイド部材の円弧と相似形の湾曲した長溝12が形成されており、対向するサイドカバー11の長溝12に、これらのサイドカバー11の広がりを防止するための通しボルト13が、長溝12に沿って移動可能に装着されている。
【0035】
さらに、両サイドカバー11の高さは、ゴムベルト支持用ローラユニット3が、ガイド部材4と両サイドカバー11によって形成された空間部内に収納された状態において、メインローラ7およびサブローラ8を上方に露出させる高さに設定されている。
【0036】
前記ローラ支持部材5は、図8に詳述するように、ゴムベルト支持用ローラユニット3が中立の位置に位置させられた状態において略水平となる水平部5aと、この水平部5aの両端部に所定角度で斜め上方に延設された傾斜部5bとによって形成されている。
【0037】
そして、水平部5aの上面にメインローラ7が水平部5aと平行に、かつ、回転自在に装着され、また、傾斜部5bのそれぞれに、サブローラ8が傾斜部5bと平行に、かつ、回転自在に装着されている。
【0038】
さらに、それぞれの傾斜部5bの外端部には、サブローラ8の回転軸線とほぼ直交する回転軸線を有し、サブローラ8上のゴムベルトBの端縁に対峙させられる第1の規制ローラ14が装着され、架台2の上端部には、ゴムベルトBへ上方から対峙させられる第2の規制ローラ15が装着されており、何らかの原因で、ゴムベルトBにサブローラ8を越えるような挙動が生じた際に、その挙動を抑えて、ゴムベルトBの離脱を防止するようになっている。
【0039】
前記ローラ支持部材5の水平部5aおよび両傾斜部5bのそれぞれの下面には、図9に詳述するように、このローラ支持部材5がガイド部材4上に載置された状態において、ガイド部材4の円弧の内面に当接させられるとともに、円弧面に沿って転動自在な下部ローラ6が装着されている。
【0040】
この3つの下部ローラ6は、ガイド部材4の上面の円弧面に接触した状態で転動してローラ支持部材5を揺動させるように構成されており、本実施形態においては、その揺動中心が、ガイド部材4の円弧の中心点Cと一致するように設定されている。
【0041】
さらに、前記両支柱2aの上端部には、図7(a)および図9に示すように、その長さ方向に間隔をおいて複数の貫通孔22が形成されているとともに、図1および図6に示すように、これらの貫通孔22に択一的に装着される揺動規制ピン23が取り付けられている。
【0042】
前記ローラ支持部材5の両端部下面には、その揺動時に揺動規制ピン23に当接させられてローラ支持部材5の揺動量を規制する係止片24が設けられている(図9参照)。
【0043】
前記下部ガイドローラユニット9は、架台2に搬送方向とほぼ直交する回転軸線周りに回転自在に装着された下部メインローラ16と、この下部メインローラ16の両側部に、下部メインローラ16の各端部に覆い被さるように傾斜させられた下部サブローラ17によって構成され、これらの下部メインローラ16と一対の下部サブローラ17とによって形成される略三角形状の空間部にゴムベルトBを挿通させることにより、このゴムベルトBの離脱を防止しつつガイドするようになっている。
【0044】
また、本実施形態においては、図3に示すように、搬送経路Aがカーブしている際に、隣り合うゴムベルト支持用ローラユニット3のガイド方向を変更しつつこれらを連結する連結部材19が設けられている。
【0045】
この連結具18は、大きな挟角を有するV字状の一対の連結部材19を用い、各連結部材19を対称となるように頂部において重ね合わせ、この頂部をピボット軸20によって連結した構成となっている。
【0046】
また、両連結部材19の一方には、ピボット軸20の周りの相対回動の両方向の回動量を規制するストッパ21が形成されている。
【0047】
このストッパ21は、他方の連結部材19と対峙する縁部に設けられ、両連結部材19が相対回動させられた際に、他方の連結部材19の縁部に当接させられて、図4に示すように、両連結部材19の回動を阻止するようになっている。
【0048】
図5において、符号Dは、ゴムベルトBを循環移動させるための駆動手段を示す。
【0049】
このように構成された本実施形態のカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット1は、搬送経路Aを形成する基台10上に所定間隔をおいて装着される。
【0050】
また、搬送経路Aのカーブの状態に応じて、カーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット1間に連結具18を介装し、これらのカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット1と駆動手段DにゴムベルトBを巻回することによって組み上げられる。
【0051】
そして、駆動手段Dを起動すると、ゴムベルトBが、ゴムベルト支持用ローラユニット3上部のメインローラ7およびサブローラ8によって支持されつつ一方向へ移動させられる。
【0052】
このように移動させられるゴムベルトB上に搬送物を投入することにより、搬送物の搬送が行なわれ、ゴムベルトBの折り返し地点で搬送物の排出が行なわれる。
【0053】
折り返されたゴムベルトBは、下部ガイドローラユニット9の下部メインローラ16および下部サブローラ17によって支持されつつ戻される。
【0054】
そして、図5に示すように、搬送経路Aがカーブしていると、ゴムベルトBのカーブの内側の側部の移動距離が縮められる現象が生じ、その縮み量に応じてゴムベルトBのカーブの内側の側部にだぶつきやそれに起因した蛇行が発生しやすくなる。
【0055】
ここで、本実施形態においては、前述したゴムベルトBのだぶつきによって生じた力が、ローラ支持部材5の、前述したカーブの内側の部位に作用する。
【0056】
そして、ローラ支持部材5は、円弧状のガイド部材4上に3個の下部ローラ6を介して載置されていることから、このローラ支持部材5が前述しただぶつきによって生じた力によってローラ支持部材5がガイド部材4の円弧面に沿い、かつ、カーブの外側へ向けて揺動させられる。
【0057】
このような、ローラ支持部材5の揺動時に、ローラ支持部材5に取り付けられているメインローラ7およびサブローラ8も同様に、ガイド部材4の円弧面に沿って一体的に移動させられる。
【0058】
この結果、図6に示すように、ゴムベルト支持用ローラユニット3が、ゴムベルトBとの位置関係を保持したままほぼ一体的に揺動させられることとなる。
【0059】
このように、ゴムベルトBがゴムベルト支持用ローラユニット3とともにカーブの外側に揺動させられると、ゴムベルトBのカーブの内側側部の移動距離が伸ばされる。
【0060】
ゴムベルトBのカーブの内側側部の移動距離が伸ばされると、ゴムベルトBのだぶつきの原因がなくなり、この結果、だぶつきおよびそれに起因した蛇行が抑制される。
【0061】
このようなゴムベルト支持用ローラユニット3の揺動は、図6に示すように、係止片24と揺動規制ピン23との当接によって停止させられる。
【0062】
このような揺動量の規制により、ゴムベルトBの過度な傾斜を防止して、搬送物のこぼれ等を防止することができる。
【0063】
一方、何らかの原因でゴムベルトBが過度に移動する現象が生じゴムベルト支持用ローラユニット3から離脱する挙動が生じた場合には、第1の規制ローラ14と第2の規制ローラ15によってゴムベルトBの過度の移動を防止して、その離脱を防止することができる。
【0064】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0065】
たとえば、ゴムベルトBのガイドを、全て本実施形態のカーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット1によって行なうことも可能であるが、特に、直線状の搬送経路において従来のガイドローラユニットを用いて、搬送経路をこれらの組み合わせによって行なうこともできる。
【符号の説明】
【0066】
1 カーブコンベヤーのゴムベルト支持用ローラユニット
2 架台
2a 支柱
3 ゴムベルト支持用ローラユニット
4 ガイド部材
5 ローラ支持部材
5a 水平部
5b 傾斜部
6 下部ローラ
7 メインローラ
8 サブローラ
9 下部ガイドローラユニット
10 基台
11 サイドカバー
12 長溝
13 通しボルト
14 第1の規制ローラ
15 第2の規制ローラ
16 下部メインローラ
17 下部サブローラ
18 連結具
19 連結部材
20 ピボット軸
21 ストッパ
22 貫通孔
23 揺動規制ピン
24 係止片
A 搬送経路
B ゴムベルト
C ガイド部材の円弧の中心点
D 駆動手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9