(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144715
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】露光装置及び画像形成装置並びに受光装置及び読取装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/447 20060101AFI20220926BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20220926BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20220926BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20220926BHJP
H04N 1/036 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B41J2/447 101A
G02B3/00 A
G02B7/00 J
G02B5/00 B
G02B7/00 F
H04N1/036
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021045851
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】木田 学武
【テーマコード(参考)】
2C162
2H042
2H043
5C051
【Fターム(参考)】
2C162AE21
2C162AE28
2C162AE40
2C162AE47
2C162FA04
2C162FA17
2C162FA58
2C162FA70
2H042AA03
2H042AA09
2H042AA15
2H043AD03
2H043AE02
2H043AE23
5C051AA02
5C051CA08
5C051DA03
5C051DB02
5C051DB04
5C051DB22
5C051DB29
5C051DB35
5C051DC04
5C051DC07
5C051FA01
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減する。
【解決手段】LEDヘッド16は、LED素子68が搭載された第1基板66と、中心線を中心として短手方向の一方向側及び他方向側に配された複数のマイクロレンズ62bが設けられた第2MLA60bと、複数のマイクロレンズ62aが設けられた第1MLA60aと、第1基板66と第2MLA60bとの間に設けられた入射遮光プレート58とを有するレンズユニット57と、光を遮光する遮光面51BSと通過させる孔部51Lとが設けられたホルダ51とを設け、ホルダ51は、第2MLA60bにおいてレンズアレイ中心線LCLLに対し短手方向の一方向側におけるマイクロレンズ62bの領域外のレンズ形成部面63Sから出て、第1MLA60aにおいてレンズアレイ中心線LCLLに対し短手方向の他方向側におけるマイクロレンズ62aのレンズ中心P2を通過する第1の仮想直線L1上に位置する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に複数の発光素子が搭載された基板と、
前記長手方向に沿う中心線を中心として、前記長手方向に直交する短手方向の一方向側及び他方向側に配された複数の第1のレンズ素子が設けられた第1のレンズアレイと、前記第1のレンズアレイと係合し、前記第1のレンズアレイに対して前記基板の反対側に配置され、複数の第2のレンズ素子が設けられた第2のレンズアレイと、前記基板と前記第1のレンズアレイとの間に設けられ、前記発光素子の光が通過する透過部と前記光を遮光する遮光部とが設けられた遮光部材とを備えるレンズユニットと、
前記基板及び前記レンズユニットを支持し、前記レンズユニットによって収束された前記光を遮光する遮光面と前記光を通過させる開口とが設けられた支持部材と
を有し、
前記支持部材は、
前記第1のレンズアレイにおいて前記中心線に対し前記短手方向の一方向側における前記第1のレンズ素子の領域外から出て、前記第2のレンズアレイにおいて前記中心線に対し前記短手方向の他方向側における前記第2のレンズ素子の中心を通過する第1の仮想直線上に位置する
ことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記支持部材は、
前記第1のレンズ素子及び前記第2のレンズ素子の光軸に沿う方向にほぼ直交する支持部材遮光面を前記第1の仮想直線上に配置させる
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記支持部材遮光面は、
前記支持部材において、前記光を前記支持部材の内部から外部へ出射させる前記開口を前記短手方向に挟んで対向するように形成された底部における、前記レンズユニットと対向する面である
ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記底部における前記開口側の端部は、前記短手方向に関して前記中心線に対し前記光軸よりも離隔する側に位置する
ことを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
【請求項5】
前記支持部材は、
前記第1のレンズアレイにおける、前記短手方向に関して複数の前記第1のレンズ素子の周縁同士が接触する箇所よりも前記中心線に対し前記短手方向の一方向側の領域から出て、前記第2のレンズアレイにおいて前記中心線に対し前記短手方向の他方向側における前記第2のレンズ素子の中心を通過する前記第1の仮想直線上に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項6】
前記支持部材は、
前記第1のレンズアレイにおける、前記第1のレンズ素子の中心よりも前記中心線に対し前記短手方向の一方向側の領域から出て、前記第2のレンズアレイにおいて前記中心線に対し前記短手方向の他方向側における前記第2のレンズ素子の中心を通過する前記第1の仮想直線上に位置する
ことを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
【請求項7】
前記支持部材は、
前記第1のレンズアレイにおける、
前記第1のレンズ素子の周縁において前記中心線から前記短手方向に関して最も一方向側に離隔する箇所よりも前記中心線に対し前記短手方向の一方向側の領域から出て、前記第2のレンズアレイにおいて前記中心線に対し前記短手方向の他方向側における前記第2のレンズ素子の中心を通過する前記第1の仮想直線上に位置する
ことを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
【請求項8】
前記遮光部材は、
前記基板と対向する第1の面と前記第1のレンズアレイと対向する第2の面とを有し、
前記透過部は
前記第1の面と前記第2の面とを連通し、
前記発光素子と、前記第1の面における前記透過部の端部のうち前記発光素子に最近接する箇所と、該透過部と光軸が一致する前記第1のレンズ素子とは異なる前記第1のレンズ素子とを結ぶ第2の仮想直線上に、前記透過部における内壁面が配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れかの露光装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
長手方向に複数の受光素子が搭載された基板と、
前記長手方向に沿う中心線を中心として、前記長手方向に直交する短手方向の一方向側及び他方向側に配された複数の第1のレンズ素子が設けられた第1のレンズアレイと、前記第1のレンズアレイと係合し、前記第1のレンズアレイに対して前記基板の反対側に配置され、複数の第2のレンズ素子が設けられた第2のレンズアレイと、前記基板と前記第1のレンズアレイとの間に設けられ、前記受光素子への光が通過する透過部と前記光を遮光する遮光部とが設けられた遮光部材とを備えるレンズユニットと、
前記基板及び前記レンズユニットを支持し、前記レンズユニットによって収束される前記光を遮光する遮光面と前記光を通過させる開口とが設けられた支持部材と
を有し、
前記支持部材は、
前記第1のレンズアレイにおいて前記中心線に対し前記短手方向の一方向側における前記第1のレンズ素子の領域外に向かう、前記第2のレンズアレイにおいて前記中心線に対し前記短手方向の他方向側における前記第2のレンズ素子の中心を通過する第1の仮想直線上に位置する
ことを特徴とする受光装置。
【請求項11】
請求項10の受光装置を有することを特徴とする読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は露光装置及び画像形成装置並びに受光装置及び読取装置に関し、例えば電子写真式の画像形成装置に搭載される露光装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置としては、発光素子であるLED(Light Emitting Diode)チップから出射される露光用の光を発光する露光装置から、感光体ドラムの表面に光を照射して感光体ドラムの表面に静電潜像を形成し、さらにその静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を現像することにより、画像の印刷を行うものが広く普及している。
【0003】
露光装置は、例えば、複数のLEDチップが直線状に配置されたLEDアレイが実装された基板と、該LEDアレイの光軸方向に対向するように配置され、各LEDチップから出射される光をそれぞれ集光させる複数のレンズが整列され物体の正立等倍像をライン状に形成する光学系であるレンズユニットと、基板及びレンズユニットを保持するホルダとを有するものがある。そして、基板に搭載されたLEDアレイから放射された光がレンズユニットを通過し収束され、そのレンズユニットの結像位置に配設された感光体ドラムの表面に露光することにより、静電潜像が形成される。
【0004】
このようなレンズユニットは、第1のレンズ素子が複数配列され、LEDチップから出射された光が入射される第1のレンズアレイと、第2のレンズ素子が複数配列され、第1のレンズアレイから出射された光が入射される第2のレンズアレイとが、第1のレンズ素子の光軸と第2のレンズの光軸素子とが一致するように積層されている。
【0005】
そのようなレンズユニットにおいては、LEDチップと第1のレンズアレイとの間に配され、光軸に対する所定の視野角度よりも大きい角度で入射された光を通過させず遮光することにより迷光を抑える第1の遮光部材と、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配され、光軸に対する所定の視野角度よりも大きい角度で入射された光を通過させず遮光することにより迷光を抑える第2の遮光部材とを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながらそのような露光装置においては、部品点数が多く、コストがかかっていた。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、部品点数を削減し得る露光装置及び画像形成装置並びに受光装置及び読取装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明の露光装置においては、長手方向に複数の発光素子が搭載された基板と、長手方向に沿う中心線を中心として、長手方向に直交する短手方向の一方向側及び他方向側に配された複数の第1のレンズ素子が設けられた第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイと係合し、第1のレンズアレイに対して基板の反対側に配置され、複数の第2のレンズ素子が設けられた第2のレンズアレイと、基板と第1のレンズアレイとの間に設けられ、発光素子の光が通過する透過部と光を遮光する遮光部とが設けられた遮光部材とを備えるレンズユニットと、基板及びレンズユニットを支持し、レンズユニットによって収束された光を遮光する遮光面と光を通過させる開口とが設けられた支持部材とを設け、支持部材は、第1のレンズアレイにおいて中心線に対し短手方向の一方向側における第1のレンズ素子の領域外から出て、第2のレンズアレイにおいて中心線に対し短手方向の他方向側における第2のレンズ素子の中心を通過する第1の仮想直線上に位置するようにした。
【0010】
また本発明の画像形成装置においては、上述した露光装置を設けるようにした。
【0011】
さらに本発明の受光装置においては、長手方向に複数の受光素子が搭載された基板と、長手方向に沿う中心線を中心として、長手方向に直交する短手方向の一方向側及び他方向側に配された複数の第1のレンズ素子が設けられた第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイと係合し、第1のレンズアレイに対して基板の反対側に配置され、複数の第2のレンズ素子が設けられた第2のレンズアレイと、基板と第1のレンズアレイとの間に設けられ、受光素子への光が通過する透過部と光を遮光する遮光部とが設けられた遮光部材とを備えるレンズユニットと、基板及びレンズユニットを支持し、レンズユニットによって収束される光を遮光する遮光面と光を通過させる開口とが設けられた支持部材とを設け、支持部材は、第1のレンズアレイにおいて中心線に対し短手方向の一方向側における第1のレンズ素子の領域外に向かう、第2のレンズアレイにおいて中心線に対し短手方向の他方向側における第2のレンズ素子の中心を通過する第1の仮想直線上に位置するようにした。
【0012】
さらに本発明の読取装置においては、上述した受光装置を設けるようにした。
【0013】
本発明は、第1のレンズアレイから出射され第2のレンズアレイに入射された迷光が支持部材の内部から外部へ出射されることを抑制し印刷品質を保ちつつ、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとの間に配される迷光を抑える遮光部材を省略できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、部品点数を削減し得る露光装置及び画像形成装置並びに受光装置及び読取装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】カラープリンタの構成を示す左側面図である。
【
図2】画像形成ユニットの構成を示す左側面図である。
【
図3】LEDヘッドの構成(1)を示し、(A)は上側から見た斜視図、(B)は下側から見た斜視図である。
【
図4】LEDヘッドの構成(2)を示し、上側から見た分解斜視図である。
【
図5】LEDヘッドの構成(3)を示し、下側から見た分解斜視図である。
【
図6】LEDヘッドの構成(4)を示し、
図3におけるA-A矢視断面図である。
【
図7】不適切な位置関係及び寸法関係におけるLEDヘッドの構成を示し、
図3におけるB-B矢視断面図である。
【
図8】適切な位置関係及び寸法関係におけるLEDヘッドの構成を示し、
図3におけるB-B矢視断面図である。
【
図10】第2の実施の形態によるスキャナの構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1-1.カラープリンタの構成]
図1に左側面図を示すように、カラープリンタ1は、カラー用電子写真式プリンタであり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷する。カラープリンタ1は、略箱型に形成されたプリンタ筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、
図1における右端部分をカラープリンタ1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。カラープリンタ1は、制御部3により全体を統括制御する。この制御部3は、図示しない通信処理部を介して、パーソナルコンピュータのような上位装置(図示せず)と無線又は有線により接続されている。制御部3は、上位装置から印刷対象のカラー画像を表す画像データが与えられると共に該カラー画像の印刷が指示されると、用紙Pの表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。
【0017】
プリンタ筐体2内の最下部には、用紙Pを収容する用紙収容カセット4と、用紙収容カセット4に集積された状態で収容されている用紙Pを1枚ずつ分離して給紙する給紙部5とが設けられている。給紙部5は、用紙収容カセット4の前端上側に位置しており、用紙収容カセット4の前端上側に設けられ中心軸を左右方向に向けたホッピングローラ7や、該ホッピングローラ7の上方に設けられたレジストローラ8のような複数のローラに加え、用紙Pを案内するガイド等により構成されている。
【0018】
この給紙部5は、制御部3の制御によりホッピングローラ7及びレジストローラ8等を回転させ、用紙収容カセット4に収容されている用紙Pを1枚ずつに分離して取り込むと共に、取り込んだ用紙Pを前上方へ進行させた後、プリンタ筐体2内の前端近傍における上下ほぼ中央となる位置において、後方へ折り返すように進行させる。
【0019】
プリンタ筐体2内における用紙収容カセット4の上方には、該プリンタ筐体2内を前後に大きく横切るようにして転写ベルトユニット10が設けられている。転写ベルトユニット10は、中心軸を左右方向に向けた細長い円筒状でなるローラ11が前後に1個ずつ配置されると共に、前後のローラ11を周回するように転写ベルト12が張架されている。転写ベルト12は、左右方向の幅が広く、且つ無端状のベルトとして形成されており、ローラ11の回転に伴って走行する。転写ベルトユニット10は、制御部3の制御に基づいてローラ11を回転させることにより転写ベルト12を走行させ、給紙部5から受け渡された用紙Pを該転写ベルト12の上面に載せて後方向へ搬送する。
【0020】
一方、転写ベルトユニット10の上側、すなわちプリンタ筐体2における中央よりも上寄りには、
図2に示す4個の画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15K(以下では、これらをまとめて画像形成ユニット15とも呼ぶ)が後側から前側へ向かって順に配置されている。すなわち各色の画像形成ユニット15は、いわゆるタンデム方式で配置されている。この画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Kは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色にそれぞれ対応している。また画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Kは、互いに同様に構成されており、対応するトナーの色のみがそれぞれ相違する。画像形成ユニット15は、用紙Pの左右幅に対応するべく、左右方向に比較的長い略箱状に形成されている。
【0021】
またプリンタ筐体2内には、各画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Kとそれぞれ対応するように、LEDヘッド16C、16M、16Y及び16K(以下では、これらをまとめてLEDヘッド16とも呼ぶ)が設けられている。このLEDヘッド16は、左右方向に細長い直方体状に構成されると共に、その内部に複数のLED(Light Emitting Diode)が左右方向に沿って並ぶように配置されており、制御部3から供給される画像データに応じた発光パターンで各LEDを発光させる。画像形成ユニット15は、プリンタ筐体2に装着された際、このLEDヘッド16と極めて近接するようになっており、該LEDヘッド16からの光により露光処理が行われる。
【0022】
また各画像形成ユニット15C、15M、15Y及び15Kは、それぞれ上方にトナーカートリッジ18C、18M、18Y及び18K(以下では、これらをまとめてトナーカートリッジ18とも呼ぶ)が接続されている。トナーカートリッジ18は、左右方向に長い中空の容器であり、粉末状でなる各色のトナーがそれぞれ収容されると共に、所定の撹拌機構が組み込まれている。転写ベルトユニット10には、前後のローラ11の間における各画像形成ユニット15の真下となる4箇所に、それぞれ転写ローラ13C、13M、13Y及び13K(以下では、これらをまとめて転写ローラ13とも呼ぶ)が設けられている。すなわち各画像形成ユニット15は、各転写ローラ13との間に転写ベルト12の上側部分を挟んでいる。転写ローラ13は、帯電し得るように構成されている。
【0023】
制御部3は、トナーカートリッジ18からトナーを画像形成ユニット15へ供給させる。これと共に制御部3は、上位装置(図示せず)から供給された画像データに応じた発光パターンを形成するようにLEDヘッド16を発光させる。これに応じて各画像形成ユニット15は、トナーカートリッジ18から供給されるトナーを用い、LEDヘッド16の発光パターンに応じたトナー画像を形成し、このトナー画像を用紙Pにそれぞれ転写する(詳しくは後述する)。これにより、転写ベルトユニット10によって搬送されている用紙P上には、画像データに応じた4色のトナー画像が順次転写されていく。
【0024】
転写ベルトユニット10の後方、すなわちプリンタ筐体2の後端近傍における上下の中央近傍には、定着ユニット20が設けられている。定着ユニット20は、加熱ローラ21及び加圧ローラ22により構成されている。加熱ローラ21は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、内部にヒータが設けられている。加圧ローラ22は、加熱ローラ21と同様の円筒状に形成されており、上側の表面を加熱ローラ21における下側の表面に所定の押圧力で押し付けている。この定着ユニット20は、制御部3の制御に基づき、加熱ローラ21を加熱すると共に該加熱ローラ21及び加圧ローラ22をそれぞれ所定方向へ回転させる。これにより定着ユニット20は、転写ベルトユニット10から受け渡された用紙P、すなわち4色のトナー画像が重ねられた用紙Pに対して熱及び圧力を加えてトナーを定着させ、さらに後上方へ受け渡す。
【0025】
定着ユニット20の後上方には、排紙部24が配置されている。排紙部24は、中心軸を左右方向に向けた複数のローラ(図示せず)や用紙を案内するガイド等の組み合わせにより構成されている。この排紙部24は、制御部3の制御に従って各ローラを適宜回転させることにより、定着ユニット20から受け渡される用紙Pを後上方へ搬送してから前方へ向けて折り返し、プリンタ筐体2の上面に形成された排出トレイ2Tへ排出する。
【0026】
このようにカラープリンタ1は、印刷処理を実行する際、LEDヘッド16を発光させることにより、各色の画像形成ユニット15によってトナー画像をそれぞれ形成し、これを用紙Pに順次転写する。
【0027】
[1-2.画像形成ユニットの構成]
次に、画像形成ユニット15の構成について説明する。
図2に示すように画像形成ユニット15は、その外周における大部分をフレーム31により閉塞すると共に、その内部に比較的大きな空間を形成している。
【0028】
画像形成ユニット15内の中央下寄りには、感光体ドラム35が設けられている。感光体ドラム35は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、フレーム31によりこの中心軸を中心として回転可能に支持されている。因みに感光体ドラム35は、図示しないモータから駆動力が伝達されることにより、矢印R1方向へ回転する。
【0029】
フレーム31における感光体ドラム35の下面となる部分は、比較的広い範囲に亘って開放されている。このため画像形成ユニット15は、プリンタ筐体2(
図1)に装着された際に、転写ベルト12又は該転写ベルト12上に載せられた用紙Pに感光体ドラム35の下面を接触させる。またフレーム31における感光体ドラム35の真上となる部分には、左右方向に細長い露光孔が穿設されている。
【0030】
感光体ドラム35の後上方には、該感光体ドラム35よりも径が小さい円筒状でなる帯電ローラ36が設けられている。帯電ローラ36は、例えば半導電性の弾性材により構成されると共に、その周側面を感光体ドラム35の周側面35Sに当接させており、該周側面35Sの当接箇所を一様に帯電させる。
【0031】
感光体ドラム35の前上方には、該感光体ドラム35よりも径が小さい円筒状でなる現像ローラ38が設けられている。現像ローラ38は、例えばウレタンゴム材にカーボンのような導電性物質が添加されて電気抵抗が適宜調節された半導電性ウレタンゴムにより構成されており、帯電し得る。この現像ローラ38は、後側においてその周側面を感光体ドラム35の周側面35Sに当接させると共に、前側において該現像ローラ38よりも僅かに径が小さい円筒状でなる供給ローラ39にその周側面を当接させている。供給ローラ39は、例えば半導電性発泡シリコンスポンジにより構成されている。
【0032】
現像ローラ38の後上方には、薄板状の現像ブレード40が設けられている。現像ブレード40は、ステンレスやリン青銅等の金属、又はシリコンゴムのようなゴム材等により構成されている。この現像ブレード40は、後上端がフレーム31内に固定されており、その前下端と現像ローラ38の周側面との間に僅かな隙間を形成している。
【0033】
かかる構成において画像形成ユニット15は、用紙Pに画像を印刷する際、制御部3の制御に基づき、感光体ドラム35を矢印R1方向へ回転させると共に、帯電ローラ36、現像ローラ38及び供給ローラ39を矢印R2方向へ回転させ、さらに帯電ローラ36及び現像ローラ38を帯電させる。
【0034】
感光体ドラム35は、まず周側面35Sの後上側部分が帯電ローラ36により一様に帯電され、矢印R1方向への回転によりこの帯電した箇所を上端近傍に到達させてLEDヘッド16と対向させる。このとき感光体ドラム35の周側面35Sは、LEDヘッド16から画像データに応じた発光パターンの光が照射されることにより露光され、該画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0035】
一方、矢印R2方向へ回転する現像ローラ38は、トナーカートリッジ18から供給されるトナーが供給ローラ39によって周側面に付着し、次に現像ブレード40により余分なトナーが削ぎ落とされるため、周側面に均一な薄膜状にトナーが付着される。
【0036】
感光体ドラム35は、さらに矢印R1方向へ回転することにより、現像ローラ38と当接する前端近傍において、該現像ローラ38の周側面に薄膜状に形成されているトナーを、静電潜像に応じた箇所のみ周側面35Sに付着させる。これにより感光体ドラム35の周側面35Sには、画像データに応じたトナー画像が形成される。因みにこのとき周側面35Sに形成されるトナー画像は、最終的に印刷すべき画像のうち、この画像形成ユニット15が担当する1色(すなわちシアン、マゼンタ、イエロー又はブラックの何れか)の成分のみを表した画像となっている。
【0037】
その後感光体ドラム35は、さらに矢印R1方向へ回転することにより、トナー画像を下端近傍へ到達させる。このとき制御部3は、転写ベルトユニット10(
図1)により用紙Pを画像形成ユニット15の下側に到達させると共に、転写ローラ13をトナーと逆の特性に帯電させている。このため画像形成ユニット15は、感光体ドラム35のうちトナー画像が形成された部分と帯電された転写ローラ13との間に用紙Pを挟持することになり、このトナー画像を用紙Pに転写する。因みにトナー画像を用紙Pに転写した後に感光体ドラム35の周側面35Sにトナーが残っていた場合、図示しないクリーニング装置によりこのトナーが除去される。
【0038】
このように画像形成ユニット15は、LEDヘッド16を感光体ドラム35の近傍に対向させ、該LEDヘッド16の露光作用によりトナー画像を該周側面35S上に形成する。
【0039】
[1-3.LEDヘッドの構成]
次に、LEDヘッド16の構成について説明する。
図3、
図4、
図5及び
図6に示すように、LEDヘッド16は、全体として左右方向に細長い直方体状に形成されており、ホルダ51にカバーフィルム53、レンズユニット57、第1基板66、第2基板70や絶縁フィルム69等が積層するように取り付けられ、封止シリコーン54、カバー接着剤55及び基板接着剤56が塗布された構成となっている。このレンズユニット57は、第1MLA60a、第2MLA60b及び入射遮光プレート58により構成されている。以下では、
図6における下方向を照射方向とも呼び、上方向を反照射方向とも呼ぶ。また以下では左右方向を長手方向(配列方向、主走査方向)とも呼び、この左右方向と交差する前後方向を副走査方向とも呼び、上下方向を光軸方向とも呼ぶ。さらにLEDアレイ67の配列方向である左右方向をX方向、第1MLA60a及び第2MLA60bの光軸方向である上下方向をZ方向、X方向及びZ方向に直交する方向である前後方向をY方向とする。
【0040】
[1-3-1.ホルダの構成]
ホルダ51は、例えば液晶ポリマーの金型成型で作製されており、全体として、左右方向に沿って形成された中空の四角柱から反照射方向側の側面を取り除いたような形状となっており、その横断面が英大文字の「U」のような形状であり、内部にレンズユニット57等を保持する。またホルダ51は、左右方向に細長く上下方向に薄い板状の底部51Bを中心に構成され、該底部51Bにおける前後両辺から上方へ向けて、左右方向に細長く前後方向に薄い板状の側部51Wがそれぞれ延設されており、上端部において開放するホルダ開口部51Aが形成されている。底部51Bにおける前後方向のほぼ中央には、左右方向に細長いスリット状の孔部51Lが上下方向に貫通するように穿設されている。このためホルダ51は、底部51Bの上面である反照射方向側に、前後方向及び左右方向に沿って延びる平面である支持部材遮光面としての遮光面51BSが形成されている。側部51Wにおける第1基板66と上下方向の位置が一致する箇所よりも僅かに上側には、側部51Wの外側と内側とを貫通するように穿設され基板接着剤56が注入される貫通孔51bが左右方向に沿って一定間隔で設けられている。
【0041】
また底部51Bの反照射方向側(+Z方向側)の左右方向(X方向)の両端部近傍における前後方向(X方向)の中央部において第1MLA60aの溝60a1(後述する)と対向する箇所からは、ピン(図示せず)が+Z方向に向かって突出している。さらに底部51Bの+Z方向側のX方向の中央部におけるY方向の両端部において第1MLA60aの溝60a3(後述する)と対向する箇所からは、ピン(図示せず)が+Z方向に向かって突出している。
【0042】
またホルダ51は、それぞれ+X方向側の端部に丸孔51eが、-X方向側の端部に長孔51fが、Z方向に貫通するように穿設されている。さらにホルダ51は、+Z方向側における、丸孔51eと孔部51Lとの間と、長孔51fと孔部51Lとの間に、偏心カム嵌合部51gが形成されている。偏心カム嵌合部51gには、偏心カム52が嵌合する。
【0043】
ホルダ51は、丸孔51e及び長孔51fがプリンタ筐体2側に設けられた突起部に嵌まり込むと共に、偏心カム52がプリンタ筐体2側に設けられた当接部に当接することにより、後述するLED素子68が結像される位置が、設計された距離となるように位置決めされる。
【0044】
またホルダ51は、+Z方向側における、偏心カム嵌合部51gとX方向が同一の位置において、接合部51hが形成されている。ホルダ51の接合部51hが図示しない接続部材に接続されることにより、LEDヘッド16はプリンタ筐体2へ機械的に接続される。
【0045】
[1-3-2.カバーの構成]
カバーフィルム53は、例えば透明な樹脂フィルムであるPETフィルムにより構成されており、X方向に細長くZ方向に薄い板状に形成され、カバー接着剤55によりホルダ51の底部51Bに固定されることにより、レンズユニット57を外部の汚れや傷等から保護している。具体的にカバーフィルム53は、ホルダ51の孔部51Lよりも大きく、且つホルダ開口部51Aよりも小さい長方形状となっている。このカバーフィルム53の+Z方向側の面は、レンズユニット57及び第1基板66がホルダ51内に配置される際のZ方向の位置の基準となるものであり、基準面として機能する。
【0046】
[1-3-3.レンズユニットの構成]
レンズユニット57は、カバーフィルム53の-Z方向側に、カバーフィルム53に積層されるようにして長手方向をX方向に沿わせて取り付けられている。このレンズユニット57は、第1MLA60a、第2MLA60b及び入射遮光プレート58が、-Z方向側から+Z方向側へ向かって順番にZ方向に沿って積層された構成となっている。以下では、第1MLA60a及び第2MLA60bをまとめてMLA60とも呼ぶ。また第1MLA60aと第2MLA60bとは、略同一形状であり、第1MLA60aをY軸を中心として180[°]回転させたものが第2MLA60bとなるため、第2MLA60bについては説明を省略する。第1MLA60a及び第2MLA60bは、シクロオレフィンポリマー樹脂を用いて射出成型により作成されており、第1MLA60a及び第2MLA60bが組み合わされることにより、LED素子68の正立等倍像を形成する。
【0047】
[1-3-3-1.第1MLAの構成]
第2のレンズアレイとしての第1MLA60aは全体として、
図9に示すレンズ形成部63が形成されている。レンズ形成部63は、第1MLA60aにおけるY方向の中央部に形成され、第1MLA60aにおけるY方向の幅の大部分を占めており、+Z方向側及び-Z方向側には、XY方向に沿う平面であるレンズ形成部面63Sが形成されている。
【0048】
レンズ形成部63には、略円形の複数個の第2のレンズとしてのマイクロレンズ62aが光軸をZ方向に沿わせた状態でX方向である配列方向に沿って略直線状に平行に2列並ぶよう配列されており、X方向に隣接するマイクロレンズ62a同士は、互いのY方向の位置がずれている。これにより第1MLA60aには、複数個のマイクロレンズ62aがX方向に沿う平行な2列の略直線上に交互に、すなわち千鳥状になるようにジグザグに配置されている。以下では、1本のX方向に沿う直線上に並ぶ1列のマイクロレンズ62a群を、マイクロレンズ列とも呼ぶ。マイクロレンズ62aは、LED素子68の光を透過する素材により形成されている。このマイクロレンズ62aを通過する光の光軸であるレンズ光軸は、マイクロレンズ62aの中心に位置している。
【0049】
ここで、第1MLA60aにおける、X方向に隣接するマイクロレンズ62aのX方向の配列間隔は等間隔であり、1本のマイクロレンズ列内においてX方向に隣接するマイクロレンズ62aのX方向の配列間隔もまた等間隔である。また、第1MLA60aにおけるY方向における中心線を、レンズアレイ中心線LCLLとする。第1MLA60aにおいては、レンズアレイ中心線LCLLと、それぞれのマイクロレンズ列の中心とのY方向の間隔は互いに同じである。このレンズアレイ中心線LCLLからZ方向に沿って延びる直線上に、LED素子68と感光体ドラム35の回転軸とが配置される。また、第1MLA60aにおけるレンズアレイ中心線LCLLと、第2MLA60bにおけるレンズアレイ中心線LCLLとは、Y方向の位置が一致している。
【0050】
また第1MLA60aは、X方向の両端部におけるY方向の中央部においてホルダ51のピン(図示せず)と対向する箇所に、X方向の外側が開放されX方向に長い溝60a1が第1MLA60aの+Z方向側面から-Z方向側面までZ方向に貫通するように形成されている。第1MLA60aは、ホルダ51のピン(図示せず)に第1MLA60aの溝60a1が嵌合することにより、Y方向が位置決めされる。
【0051】
また第1MLA60aは、X方向の中央部における-Z方向側におけるY方向の両端部においてホルダ51のピン(図示せず)と対向する箇所に、溝60a3が形成されている。第1MLA60aは、ホルダ51のピン(図示せず)に第1MLA60aの溝60a3が嵌合することにより、X方向が位置決めされる。
【0052】
さらに第1MLA60aは、-Z方向側の側面におけるマイクロレンズ62aよりもY方向の両外側においてカバーフィルム53の+Z方向側の面と対向する箇所に、当接面60a6が形成されている。さらに第1MLA60aは、+Z方向側の側面におけるマイクロレンズ62aよりもY方向の両外側において第2MLA60bの-Z方向側の当接面60a6と対向する箇所に、当接面60a6が形成されている。これらの当接面60a6は、例えば±10[um]以下程度の高い精度を持つ平面形状である。
【0053】
さらに第1MLA60aは、+Z方向側のY方向の中央部における当接面60a6において、第2MLA60bの-Z方向側のY方向の中央部における当接面60a6の凸部60a7と対向する箇所に、凹部60a8が-Z方向に向かって凹んでいる。さらに第1MLA60aは、+Z方向側のY方向の中央部における凹部60a8が形成された当接面60a6とX方向に隣接する当接面60a6において、第2MLA60bの-Z方向側のY方向の中央部における当接面60a6の凹部60a8と対向する箇所に、凸部60a7が+Z方向に向かって突出している。第1MLA60aにおける凸部60a7及び凹部60a8それぞれは、第1MLA60aをY軸を中心として180[°]回転させた第2MLA60bにおける凹部60a8及び凸部60a7それぞれと嵌合する位置関係となっている。第1MLA60aは、第2MLA60bの凹部60a8及び凸部60a7それぞれに第1MLA60aの凸部60a7及び凹部60a8それぞれが嵌合することにより、第2MLA60bのX方向及びY方向を位置決めする。
【0054】
[1-3-3-2.第2MLAの構成]
第1のレンズアレイとしての第2MLA60bは全体として、レンズ形成部63に第1MLA60aと同一形状の略円形の複数個の第1のレンズとしてのマイクロレンズ62bがX方向である配列方向に沿って略直線状に平行に2列並ぶよう配列されており、X方向に隣接するマイクロレンズ62b同士は、互いのY方向の位置がずれている。これにより第2MLA60bには、複数個のマイクロレンズ62bがX方向に沿う平行な2列の略直線上に交互に、すなわち千鳥状になるようにジグザグに配置されている。マイクロレンズ62bは、LED素子68の光を透過する素材により形成されている。このマイクロレンズ62bを通過する光の光軸であるレンズ光軸は、マイクロレンズ62bの中心に位置している。
【0055】
第1MLA60aと第2MLA60bとは、マイクロレンズ62aのレンズ光軸とマイクロレンズ62bのレンズ光軸とを一致させるように配置されている。以下では、マイクロレンズ62a及び62bをまとめてマイクロレンズ62とも呼ぶ。
【0056】
[1-3-3-3.入射遮光プレートの構成]
遮光部材としての入射遮光プレート58は、その横断面が英大文字の「U」のような形状であり、Y方向の中央部において左右方向に細長く上下方向に薄い板状の遮光部58gが形成されている。遮光部58gにおける+Z方向側には、XY方向に沿いLEDアレイ67とZ方向に対向する平面である第1の面としての入射遮光プレートLED側面58S1が形成されている。また遮光部58gにおける-Z方向側には、XY方向に沿い第2MLA60bのマイクロレンズ62bとZ方向に対向する平面である第2の面としての入射遮光プレートMLA側面58S2(
図8)が形成されている。
【0057】
入射遮光プレート58は、第1MLA60a及び第2MLA60bに形成されたマイクロレンズ62a及び62bの形成位置に合わせて、貫通孔58aが形成された、長尺の部材である。すなわち入射遮光プレート58は全体として、略円柱形状の複数個の開口としての貫通孔58aがX方向である配列方向に沿って略直線状に平行に2列並ぶよう配列されており、X方向に隣接する貫通孔58a同士は、互いのY方向の位置がずれている。これにより入射遮光プレート58には、複数個の貫通孔58aがX方向に沿う平行な2列の略直線上に交互に、すなわち千鳥状になるようにジグザグに配置されている。
【0058】
図8に示すように、貫通孔58aは、遮光部58gを入射遮光プレートLED側面58S1から入射遮光プレートMLA側面58S2までに亘って貫通している。このため、入射遮光プレートLED側面58S1における貫通孔58aの+Z方向側の端部(すなわち入射遮光プレートLED側面58S1と貫通孔58aとの境界)には、円形状の縁である貫通孔LED側縁部58ae1が形成されている。同様に、入射遮光プレートMLA側面58S2における貫通孔58aの-Z方向側の端部(すなわち入射遮光プレートMLA側面58S2と貫通孔58aとの境界)には、円形状の縁である貫通孔MLA側縁部58ae2が形成されている。
【0059】
この入射遮光プレート58は、ポリカーボネートを用いて射出成型により作成されており、LED素子68から第2MLA60bへ入射される迷光成分を手前でカットする。貫通孔58aは、第1MLA60aのマイクロレンズ62aと第2MLA60bのマイクロレンズ62bとの配置に対応するように、LED素子68の光を透過する貫通孔として形成されている。この貫通孔58aの中心(すなわち重心)は、開口中心となっている。
【0060】
さらに入射遮光プレート58は、X方向の両端部における+Z方向側におけるY方向の中央部において第1基板66の溝68cと対向する箇所に、ピン58bが形成されている。
【0061】
また入射遮光プレート58は、X方向の中央部における-Z方向側における貫通孔58aよりもY方向の両外側において第2MLA60bの溝60a3と対向する箇所に、凸構造58cが形成されている。入射遮光プレート58は、第2MLA60bの溝60a3に入射遮光プレート58の凸構造58cが嵌合することにより、X方向が位置決めされる。さらに入射遮光プレート58は、X方向の中央部における+Z方向側における貫通孔58aよりも-Y方向側において第1基板66の丸穴68d(後述する)と対向する箇所に、円筒形状であるピン58dが形成されている。
【0062】
また入射遮光プレート58は、Y方向の両端部における-Z方向側において第2MLA60bのY方向両端面とY方向に対向する箇所に凸構造58eがX方向に沿って一定間隔で形成されている。入射遮光プレート58は、第2MLA60bを入射遮光プレート58の凸構造58eでY方向の外側から挟み込むように第2MLA60bに凸構造58eが嵌合することにより、Y方向が位置決めされる。
【0063】
さらに入射遮光プレート58は、-Z方向側の側面における貫通孔58aよりもY方向の両外側において第2MLA60bの+Z方向側の当接面60a6と対向する箇所に、当接面58fが形成されている。さらに入射遮光プレート58は、+Z方向側の側面における貫通孔58aよりもY方向の両外側において第1基板66の-Z方向側面と対向する箇所に、複数の当接面58fが形成されている。これらの当接面58fは、例えば±10[um]以下程度の高い精度を持つ平面形状である。
【0064】
このように入射遮光プレート58は、貫通孔58aが、第1MLA60a及び第2MLA60bのマイクロレンズ62a及びマイクロレンズ62bと対応する位置に形成されている。後述するLEDアレイ67から出射された光は、レンズユニット57により収束され、帯電した感光体ドラム35(
図2)上に露光することにより、静電潜像を形成する。
【0065】
[1-3-4.第1基板の構成]
第1基板66は、ホルダ51におけるレンズユニット57の-Z方向側に、長手方向をX方向に沿わせて取り付けられている。この第1基板66は、いわゆるガラスエポキシ基板でなり、X方向に細長くZ方向に薄い板状に形成されており、所定の配線パターンが形成された配線層がZ方向に複数積層された構成となっている。第1基板66の-Z方向側の面には、Y方向のほぼ中央において、レンズユニット57と対向するようにLEDアレイ67が第1基板66の長手方向に沿って実装されている。このLEDアレイ67は、-Z方向側へ向けて光を発光するLED素子68がX方向である配列方向に沿って所定の微小間隔毎に並んでいる。また第1基板66の+Z方向側の面には、複数個の電子部品68aが実装されている。さらに第1基板66の+Z方向側におけるX方向の中央部近傍には、第2基板70のコネクタ70aが接続され第1基板66と第2基板70とを導通させるコネクタ68bが実装されている。
【0066】
これによりLEDヘッド16は、感光体ドラム35(
図2)の周側面上に600[dpi]の解像度でなる静電潜像を生成する。本実施の形態においては、LEDヘッド16は600[dpi]の解像度であるため、LED素子68が1インチ当たり600個配置されている。すなわちLED素子68がX方向の間隔を0.0423[mm]として配列されている。
【0067】
第1基板66は、絶縁フィルム69で+Z方向側の全面が覆われることにより、外部への露出が防止されている。絶縁フィルム69は、第1基板66と第2基板70との間に配置されており、第2基板70と対応する長方形の孔部が形成されている。この絶縁フィルム69は、例えばマイラー(登録商標)シートやPETフィルム等、ポリエステル製の絶縁性を有する材料により構成されており、Z方向に薄く、Y方向の幅が第1基板66よりも狭く、X方向に長い略長方形のフィルム状に形成されている。この絶縁フィルム69は、外部から静電気が第1基板66に放電するのを防ぐ。
【0068】
また第1基板66は、X方向の両端部におけるY方向の中央部において入射遮光プレート58のピン58bと対向する箇所に、X方向の外側が開放されたX方向に長い長穴である溝68cが第1基板66の+Z方向側面から-Z方向側面までZ方向に貫通するように形成されている。第1基板66は、入射遮光プレート58のピン58bに第1基板66の溝68cが嵌合することにより、Y方向が位置決めされる。
【0069】
また第1基板66は、X方向の中央部におけるコネクタ68b及びLED素子68よりも-Y方向側において入射遮光プレート58のピン58dと対向する箇所に、円筒形状である丸穴68dが第1基板66の+Z方向側面から-Z方向側面までZ方向に貫通するように形成されている。第1基板66は、入射遮光プレート58のピン58dに第1基板66の丸穴68dが嵌合することにより、X方向が位置決めされる。
【0070】
[1-3-5.第2基板の構成]
第2基板70は、第1基板66の+Z方向側に、長手方向をX方向に沿わせて取り付けられている。この第2基板70は、いわゆるガラスエポキシ基板でなり、X方向に細長くZ方向に薄い板状に形成されており、所定の配線パターンが形成された配線層がZ方向に複数積層された構成となっている。第2基板70の-Z方向側の面には、第1基板66と対向するように、第1基板66のコネクタ68bが接続され第2基板70と第1基板66とを導通させるコネクタ70aが実装されている。また第2基板70の-Z方向側の面には、LED素子68を制御するASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子部品70bが実装されている。さらに第2基板70の+Z方向側の面には、第2基板70の電子部品70bとカラープリンタ1の制御部3等とを導通させるケーブルが接続されるコネクタ70cが実装されている。
【0071】
[1-3-6.封止シリコーンの構成]
封止シリコーン54は、ホルダ51と絶縁フィルム69との間隙と、第2基板70の露出部を封止する。これによりLEDヘッド16は、ホルダ51と絶縁フィルム69との間隙を封止し、ホルダ51の内部の空間をほぼ密閉することにより、この空間への異物の侵入を防止すると共に、外部からの静電気放電を防いでいる。
【0072】
[1-3-7.カバー接着剤の構成]
カバー接着剤55は、ホルダ51の底部51Bとカバーフィルム53の間に塗布され、ホルダ51にカバーフィルム53を固着させる。カバー接着剤55は、例えば、アクリル樹脂を主成分とした、UV(Ultraviolet)光(紫外光)が照射されことにより硬化する紫外線硬化型接着剤である。
【0073】
[1-3-8.基板接着剤の構成]
基板接着剤56は、ホルダ51の側部51Wにおける貫通孔51bに充填されるように塗布され、ホルダ51に第1基板66を固着させる。基板接着剤56は、例えば、アクリル樹脂を主成分とした紫外線硬化型接着剤である。但し、LEDヘッド16の製造工程における検査時において、ホルダ51に固定された第1基板66以外の原因で不良が発生したり、異物の混入等の簡単な原因で不良が発生したりした場合、第1基板66のみがLEDヘッド16から取り外され再利用されることにより、コスト低減が図られるため、基板接着剤56は、接着力が弱いことが望ましい。このため基板接着剤56は、例えば、せん断接着力が10[MPa]以下であることが望ましい。
【0074】
[1-4.位置関係及び寸法関係について]
次に、LEDヘッド16における各部材の位置関係及び寸法関係について説明する。
【0075】
[1-4-1.LED素子、入射遮光プレート及び第2MLAの位置関係及び寸法関係について]
まず、LED素子68、入射遮光プレート58及び第2MLA60bの位置関係及び寸法関係の制限について、
図7及び
図8を用いて説明する。
図8に適切な位置関係及び寸法関係のLEDヘッド16を、
図7に比較例として、不適切な位置関係及び寸法関係のLEDヘッド116を、それぞれ示す。
図8と対応する部材に同一符号を付した
図7に示すように、比較例のLEDヘッド116は、LEDヘッド16と比較して、入射遮光プレート158のZ方向の厚さが入射遮光プレート58よりも薄くなっている点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。このため、入射遮光プレート58のZ方向の厚さは、入射遮光プレート158よりも厚くなっている。
【0076】
また
図7において、LED素子68から出射された光線のうち、貫通孔LED側縁部58ae1において最もLED素子68に近接する箇所(以下ではこれを貫通孔縁部LED最近接箇所Pnとも呼ぶ)を通過する光線を光線R101として示す。さらに
図8において、LED素子68から出射された光線のうち、貫通孔縁部LED最近接箇所Pnを通過する光線を光線R1として示す。
【0077】
LED素子68、入射遮光プレート58及び第2MLA60bの各部材の位置関係及び寸法関係は、LED素子68から出射された光線が、入射遮光プレート58の貫通孔58aを通過した後、第2MLA60bにおける、入射遮光プレート58の該貫通孔58aと光軸が一致する(すなわち対応する)マイクロレンズ62a以外のマイクロレンズ62aに入射しないように制限される。
【0078】
しかしながらLEDヘッド116(
図7)においては、光線R101が、入射遮光プレート158の貫通孔158aを通過した後、第2MLA60bにおける、該貫通孔158aと光軸が一致するマイクロレンズ62bに隣接するマイクロレンズ62bに入射してしまう。この隣接するマイクロレンズ62bは、上述した光線R101が通過した所定の貫通孔158aとは光軸が一致していない。
【0079】
ここで、それぞれの貫通孔58a又は158aと光軸が一致している、貫通孔58a又は158aと一対となる1つのマイクロレンズ62bを、対象マイクロレンズとも呼び、該対象マイクロレンズに隣接するマイクロレンズ62bを、隣接マイクロレンズとも呼ぶ。
【0080】
これに対し、
図8に示すように、所定のLED素子68から出て、所定の貫通孔58aにおける貫通孔縁部LED最近接箇所Pnを通過する第2の仮想直線L2と、該貫通孔58aに対応する隣接マイクロレンズとの間には、該貫通孔58aの内壁面が配置されている。このため第2の仮想直線L2における-Z方向側は、貫通孔58aにおける内壁面に到達する。これは、ある貫通孔58aに着目した際、該貫通孔58aに対応する隣接マイクロレンズの少なくとも縁部と、貫通孔縁部LED最近接箇所Pnとの間には、貫通孔58aの内壁面が配置されているとも言える。またこれを換言すれば、入射遮光プレート58は、入射遮光プレートMLA側面58S2が、第2の仮想直線L2が貫通孔58aの内壁面に到達する箇所よりも、LED素子68からZ方向に離隔する-Z方向側に配置されているとも言える。
【0081】
この第2の仮想直線L2に沿う光線R1は、LED素子68から出射され所定の貫通孔58aに入射された光線のうち、Z方向に対する傾斜が最も小さい光線であるため、貫通孔58aに入射された光線のうち貫通孔58aから最も出射されやすい光線である。
【0082】
このようにLEDヘッド16(
図8)においては、入射遮光プレート58の厚さが入射遮光プレート158の厚さよりも厚い分、光線R1が、入射遮光プレート58の貫通孔58aを通過する際に、隣接マイクロレンズに到達する前に、該貫通孔58aの内壁面に到達し、貫通孔58aを通過しない。このためLEDヘッド16においては、光線R1が、第2MLA60bにおける対象マイクロレンズに隣接する隣接マイクロレンズに入射せずに、入射遮光プレート58によって遮光される。
【0083】
[1-4-2.ホルダの孔部における開口幅について]
次に、ホルダ51の孔部51LにおけるY方向の開口幅の制限について、
図6及び
図9を用いて説明する。ここで、第2MLA60b(
図9)における-Z方向側に形成されたマイクロレンズ62bにおいて、レンズアレイ中心線LCLLに対しレンズ中心がY方向に関し一方向側に位置する例えば+Y方向側のマイクロレンズ62bのレンズ面におけるレンズ形成部面63Sとの境界である周縁における、+Y方向側端部を、レンズ最外周位置とする。また、レンズ形成部面63Sにおいてレンズ最外周位置の+Y方向側に隣接する箇所を、レンズ最外周位置隣接箇所P1とする。また、第1MLA60a(
図6)における、上述したマイクロレンズ62bと光軸が一致するマイクロレンズ62aに対し、レンズアレイ中心線LCLLに対しレンズ中心がY方向に関し他方向側である例えば-Y方向側に位置するマイクロレンズ62aの中心を、レンズ中心P2とする。
【0084】
さらに、レンズ最外周位置隣接箇所P1から出てレンズ中心P2を通過し-Z方向へ向かう直線を、第1の仮想直線L1とする。この第1の仮想直線L1における-Z方向側は、ホルダ51の底部51Bにおける孔部51Lよりも-Y方向側の遮光面51BSに到達する。このため、レンズ最外周位置隣接箇所P1から出射され第1の仮想直線L1に沿う光線R2は、遮光面51BSに到達し、孔部51Lを通過しない。また、レンズ最外周位置隣接箇所P1よりも+Y方向側のレンズ形成部面63Sから出射された光線(図示せず)は、遮光面51BSにおいて光線R2よりもさらに-Y方向側に到達するため、孔部51Lを通過しない。このためLEDヘッド16においては、光線R2が、孔部51LからLEDヘッド16の外部に出射されずに、ホルダ51によって遮光される。
【0085】
これに加えて、第2MLA60b(
図9)における-Z方向側に形成されたマイクロレンズ62bにおいて、レンズアレイ中心線LCLLに対しレンズ中心が+Y方向側に位置するマイクロレンズ62bにおける周縁と、レンズアレイ中心線LCLLに対しレンズ中心が-Y方向側に位置するマイクロレンズ62bにおける周縁とが合わさる部分のうち、最も+Y方向側の箇所をレンズ接触位置とする。このレンズ接触位置は、X方向に隣接するマイクロレンズ62b同士の周縁が合わさる部分のうち、最も+Y方向側の箇所とも言える。また、レンズ形成部面63Sにおいてレンズ接触位置の+Y方向側に隣接する箇所を、レンズ接触位置隣接箇所P3とする。このレンズ接触位置隣接箇所P3は、レンズアレイ中心線LCLLに対しY方向の一方向側に位置するレンズ形成部面63Sのうち、最もレンズアレイ中心線LCLLに近接するY方向の位置である。さらに、レンズ接触位置隣接箇所P3(
図6)から出てレンズ中心P2を通過し-Z方向へ向かう直線を、第3の仮想直線L3とする。この第3の仮想直線L3における-Z方向側は、第1の仮想直線L1と同様に、ホルダ51の底部51Bにおける孔部51Lよりも-Y方向側の遮光面51BSにおいて、光線R2よりも+Y方向側に到達する。このため、レンズ接触位置隣接箇所P3から出射され第3の仮想直線L3に沿う光線R3は、遮光面51BSに到達し、孔部51Lを通過しない。
【0086】
この光線R3は、レンズアレイ中心線LCLLに対しY方向の一方向側に位置するレンズ形成部面63Sから出射され、レンズアレイ中心線LCLLに対しY方向の他方向側にレンズ中心が位置するマイクロレンズ62aに入射された光線のうち、Z方向に対する傾斜が最も小さい光線であり、マイクロレンズ62aに入射された光線のうちホルダ51の底部51Bから最も出射されやすい光線である。これにより、第2MLA60bにおけるマイクロレンズ62bの領域外であるレンズ形成部面63S内の何れかの位置から出射された光線も、ホルダ51により遮光される。
【0087】
以上は、レンズアレイ中心線LCLLに対しレンズ中心が+Y方向側に位置するマイクロレンズ62bの周縁に隣接するレンズ形成部面63Sから出射され、レンズアレイ中心線LCLLに対しレンズ中心が-Y方向側に位置するマイクロレンズ62aのレンズ中心P2を通過した光線R2及びR3について説明したが、レンズアレイ中心線LCLLに対しレンズ中心が-Y方向側に位置するマイクロレンズ62bの周縁に隣接するレンズ形成部面63Sから出射され、レンズアレイ中心線LCLLに対しレンズ中心が+Y方向側に位置するマイクロレンズ62aのレンズ中心P2を通過した光線についても同様である。
【0088】
LEDヘッド16は、このような条件を満たすように、ホルダ51の底部51BにおけるY方向の長さが長く形成されており、孔部51LにおけるY方向の開口幅が狭く構成されている。
【0089】
ここで、第2MLA60bにおけるマイクロレンズ62bの中心と、第1MLA60aにおける、該マイクロレンズ62bと光軸が一致するマイクロレンズ62aの中心とを通過する直線を、レンズ中心線Lcとする。第2MLA60b及び第1MLA60aにおいてマイクロレンズ62b及び62aのレンズ中心がレンズアレイ中心線LCLLに対し+Y方向側に配置されたマイクロレンズ列における全てのマイクロレンズ62のレンズ中心線Lcは、互いに同一のY方向の位置となっている。同様に、第2MLA60b及び第1MLA60aにおいてマイクロレンズ62b及び62aのレンズ中心がレンズアレイ中心線LCLLに対し-Y方向側に配置されたマイクロレンズ列における全てのマイクロレンズ62のレンズ中心線Lcは、互いに同一のY方向の位置となっている。
【0090】
Y方向に関しホルダ51の底部51Bにおける孔部51L側の端部は、第3の仮想直線L3が遮光面51BSに当接した際の該第3の仮想直線L3におけるY方向の位置よりも、Y方向に関し孔部51LのY方向の中心側(すなわちレンズアレイ中心線LCLL側)まで延びている。このため第3の仮想直線L3に沿う光線R3は、孔部51Lへ入り込まずに遮光面51BSに当接する。これによりLEDヘッド16は、迷光である光線R3が孔部51LからLEDヘッド16の外部に出射されることを抑えることができる。
【0091】
これに加えて、Y方向に関しホルダ51の底部51Bにおける孔部51L側の端部は、レンズ中心線Lcよりも、Y方向に関し孔部51L のY方向の中心から離隔する側(すなわちレンズアレイ中心線LCLLから離隔する側)に位置している。このためホルダ51の底部51Bは、マイクロレンズ62bとマイクロレンズ62aとの間で光軸が一致する光路を通過した、迷光ではない光線の光路から退避する。これによりLEDヘッド16は、迷光ではない光線を正常に孔部51LからLEDヘッド16の外部に出射させることができる。
【0092】
[1-5.動作及び効果等]
上述したように、LED素子68から出射された光線が、入射遮光プレート58の貫通孔58aを通過した後、第2MLA60bにおけるその貫通孔58aと光軸が一致するマイクロレンズ62a以外のマイクロレンズ62aに入射すると、遮光するべきだった迷光成分が第2MLA60bに入射されてしまい、意図しない光がLEDヘッド16から出射されてしまうため、印刷品質が低下してしまう。従来のLEDヘッドは、第1MLA60aと第2MLA60bとの間に遮光部材を設けることにより、このような迷光を除去していた。
【0093】
これに対しLEDヘッド16(
図8)は、LED素子68と、入射遮光プレートLED側面58S1における貫通孔58aの貫通孔LED側縁部58ae1のうちLED素子68に最近接する貫通孔縁部LED最近接箇所Pnと、該貫通孔58aと光軸が一致するマイクロレンズ62bである対象マイクロレンズとは異なるマイクロレンズ62bである隣接マイクロレンズとを結ぶ第2の仮想直線L2上に、貫通孔58aにおける内壁面を配置するようにした。
【0094】
このためLEDヘッド16は、第1MLA60aと第2MLA60bとの間における迷光を抑える遮光部材を省略しても、LED素子68から出射され入射遮光プレート58の貫通孔58aを通過した光が、該貫通孔58aと光軸が一致していないマイクロレンズ62bへ迷光として入射されてしまうことを防止でき、印刷品質を保つことができる。
【0095】
また、第2MLA60b(
図6)まで到達した光は、第2MLA60bの内部で僅かに反射を繰り返し、-Z方向側のマイクロレンズ62bが形成された領域以外のレンズ形成部面63Sから-Z方向へ僅かに漏れ出てしまう。その漏れ光を第1MLA60aが集光することで、意図しない光がLEDヘッド16から出射されてしまうと、印刷品質が低下してしまう。従来のLEDヘッドは、第1MLA60aと第2MLA60bとの間に遮光部材を設けることにより、このような迷光を除去していた。
【0096】
これに対しLEDヘッド16は、レンズアレイ中心線LCLLよりもY方向の一方向側にレンズ中心が位置する、第2MLA60bにおける-Z方向側のマイクロレンズ62bの領域外のレンズ形成部面63Sから出射され、第1MLA60aにおけるそのマイクロレンズ62bと光軸が一致するマイクロレンズ62aに対しレンズアレイ中心線LCLLを挟んでY方向に関し他方向側にレンズ中心が位置するマイクロレンズ62aのレンズ中心P2を通過した光線R2が、遮光面51BSに到達するように孔部51LのY方向の開口幅が狭くなるよう、底部51BのY方向の長さを長く設定するようにした。
【0097】
このためLEDヘッド16は、第1MLA60aと第2MLA60bとの間における迷光を抑える遮光部材を省略しても、第2MLA60bから第1MLA60aへ出射された迷光がLEDヘッド16の外部へ出射されてしまうことを防止でき、印刷品質を保つことができる。
【0098】
このようにLEDヘッド16は、入射遮光プレート58と、ホルダ51における底部51Bの遮光面51BSとで迷光を遮光するようにした。このためLEDヘッド16は、第1MLA60aと第2MLA60bとの間における迷光を抑える遮光部材を省略しても、LED素子68から出射され入射遮光プレート58の貫通孔58aを通過し第2MLA60bへ出射された迷光と、第2MLA60bから第1MLA60aへ出射された迷光とが、LEDヘッド16の外部へ出射されてしまうことを防止でき、印刷品質を保つことができる。これによりLEDヘッド16は、印刷品質を保ちつつ、第1MLA60aと第2MLA60bとの間における迷光を抑える遮光部材を省略できるため、部品点数を削減でき、低廉化できる。
【0099】
以上の構成によればカラープリンタ1のLEDヘッド16は、長手方向(X方向)に複数の発光素子としてのLED素子68が搭載された第1基板66と、長手方向に沿うレンズアレイ中心線LCLLを中心として、長手方向に直交する短手方向(Y方向)の一方向側及び他方向側に配された複数の第1のレンズ素子としてのマイクロレンズ62bが設けられた第1のレンズアレイとしての第2MLA60bと、第2MLA60bと係合し、第1MLA60aに対して第1基板66の反対側に配置され、複数の第2のレンズ素子としてのマイクロレンズ62aが設けられた第2のレンズアレイとしての第1MLA60aと、第1基板66と第2MLA60bとの間に設けられ、LED素子68の光が通過する透過部としての貫通孔58aと光を遮光する遮光部58gとが設けられた遮光部材としての入射遮光プレート58とを有するレンズユニット57と、第1基板66及びレンズユニット57を支持し、レンズユニット57によって収束された光を遮光する遮光面51BSと光を通過させる開口としての孔部51Lとが設けられたホルダ51とを設け、ホルダ51は、第2MLA60bにおいてレンズアレイ中心線LCLLに対し短手方向の一方向側におけるマイクロレンズ62bの領域外のレンズ形成部面63Sから出て、第1MLA60aにおいてレンズアレイ中心線LCLLに対し短手方向の他方向側におけるマイクロレンズ62aのレンズ中心P2を通過する第1の仮想直線L1上に位置するようにした。
【0100】
これによりLEDヘッド16は、第2MLA60bから出射され第1MLA60aに入射された迷光がホルダ51の内部から外部へ出射されることを抑制し印刷品質を保ちつつ、第1MLA60aと第2MLA60bとの間に配され迷光を抑える遮光部材を省略できる。
【0101】
[2.第2の実施の形態]
[2-1.スキャナの構成]
図10に側面図を示すように、スキャナ82は、原稿読取装置であり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる媒体としての原稿Mを読み取って電子データを生成する。読取装置としてのスキャナ82は、読取ヘッド83、ランプ84、原稿台85、レール86、駆動ベルト87及びモータ88等により構成されている。ランプ84は、照射した光が光源としての原稿Mの表面で反射して読取ヘッド83内に取り込まれるように配置されている。原稿台85は、可視光線を透過する素材で形成されており、原稿Mを載置される。レール86は、原稿台85の下方に配置されており、読取ヘッド83を移動可能に支持する。受光装置としての読取ヘッド83は、複数の滑車90により張架された駆動ベルト87にその一部が接続されており、モータ88で駆動された駆動ベルト87によりレール86上を移動可能に構成されている。この読取ヘッド83は、ランプ84により照射され原稿Mの表面で反射した光線を取り込み電子データに変換する。
【0102】
[2-2.読取ヘッドの構成]
読取ヘッド83は、全体として、LEDヘッド16のLEDアレイ67(
図6)に代えて検出器であるラインセンサ94を、感光体ドラム35(
図2)に代えて被写体である原稿Mを配置したような構成となっている。この読取ヘッド83は、レンズユニット92、ミラー93及びラインセンサ94により構成されている。レンズユニット92は、第1の実施の形態によるレンズユニット57(
図6)と同様に構成されている。ミラー93は、原稿Mで反射された光線の光路を折り曲げてレンズユニット92へ入射させる。ラインセンサ94は、複数の受光素子が所定の間隔で直線上に配置されており、レンズユニット92により形成された原稿画像の結像を電気信号に変換する。本実施の形態においては、ラインセンサ94は600[dpi]の解像度であるため、受光素子が1インチ当たり600個配置されている。すなわち受光素子が長手方向の間隔を0.0423[mm]として配列されている。
【0103】
かかる構成においてスキャナ82は、ランプ84を点灯させて原稿Mの表面に光を照射し、原稿Mの表面で反射した光線を読取ヘッド83内に取り込む。スキャナ82は、モータ88により駆動ベルト87を駆動させて読取ヘッド83及びランプ84を
図10における紙面の左右方向に移動させ、原稿Mの全面から反射した光線を読取ヘッド83に取り込む。このとき原稿Mで反射された光線は、原稿台85を透過し、ミラー93で光路が折り曲げられレンズユニット92に入射する。レンズユニット92により結像された原稿画像の結像はラインセンサ94上に形成され、ラインセンサ94は形成された原稿画像の結像を電気信号に変換して電子データを生成する。
【0104】
その他第2の実施の形態による読取ヘッド83を有するスキャナ82は、第1の実施の形態によるLEDヘッド16を有するカラープリンタ1とほぼ同様の作用効果を奏し得る。
【0105】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、レンズ接触位置隣接箇所P3(
図6)から出射されレンズ中心P2を通過した光線R3が遮光面51BSに到達するようにホルダ51の底部51Bを形成する場合について述べた。
【0106】
本発明はこれに限らず、
図9に示すように、少なくとも、レンズ形成部面63Sにおいて、マイクロレンズ62bの周縁におけるレンズアレイ中心線LCLLからY方向に最も離隔する箇所よりもレンズアレイ中心線LCLLに対しY方向の外側の領域である、レンズ形成部面レンズ最外周位置外側領域A1の何れかの箇所から出射されレンズ中心P2を通過した光線が遮光面51BSに到達するようにホルダ51の底部51Bを形成すれば良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0107】
より好ましくは、
図9に示すように、レンズ形成部面63Sにおいて、マイクロレンズ62bのY方向の中心よりもレンズアレイ中心線LCLLに対しY方向の外側の領域である、レンズ形成部面レンズ周縁中心位置外側領域A2の何れかの箇所から出射されレンズ中心P2を通過した光線が遮光面51BSに到達するようにホルダ51の底部51Bを形成すれば良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0108】
さらに最も好ましくは、
図9にハッチングを付したように、マイクロレンズ62bの領域外における全てのレンズ形成部面63Sの何れかの箇所から出射されレンズ中心P2を通過した光線も遮光面51BSに到達するようにホルダ51の底部51Bを形成すれば良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0109】
さらに上述した第1の実施の形態においては、第2MLA60b(
図9)におけるレンズアレイ中心線LCLLに対するY方向の一方向側におけるレンズ形成部面63Sから出射され、第1MLA60aにおけるレンズアレイ中心線LCLLに対するY方向の他方向側にレンズ中心が位置するマイクロレンズ62aのレンズ中心P2を通過した光線を、ホルダ51の底部51Bの遮光面51BSに到達させることにより、該光線が、孔部51LからLEDヘッド16の外部に出射されないようにする場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホルダ51の底部51Bにおいて孔部51Lを挟んでY方向に対向するZ方向に沿う面に光線を到達させたり、ホルダ51の底部51Bにおいて孔部51Lを挟んでY方向に対向する縁部から-Z方向へ延びる部材を追加し、該部材に光線を到達させたりしても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0110】
さらに上述した第1の実施の形態においては、LEDヘッド16(
図8)の入射遮光プレート58の厚さをLEDヘッド116(
図7)の入射遮光プレート158の厚さよりも厚くすることにより、隣接マイクロレンズに迷光が入射されないようにする場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば、入射遮光プレート58における貫通孔58aの内径、LED素子68から入射遮光プレート58までのZ方向の距離や、入射遮光プレート58から第2MLA60bまでの距離等を適切に設計することにより、隣接マイクロレンズに迷光が入射されないようにしても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0111】
さらに上述した第1の実施の形態においては、シクロオレフィンポリマー樹脂を用いて射出成型により第1MLA60a及び第2MLA60bを作成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート又はエポキシ樹脂等、他の種々の材料を用いて作成しても良い。しかしながら、本発明のように長手方向に長い構造体の場合、寸法安定性の観点より、吸水率の小さなシクロオレフィンポリマー樹脂を用いることが望ましい。第2の実施の形態においても同様である。
【0112】
さらに上述した第1の実施の形態においては、ポリカーボネートを用いて射出成型により入射遮光プレート58を作成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等、他の種々の材料を用いて作成しても良い。しかしながら、ポリカーボネートを用いることにより、入射遮光プレート58と第1MLA60a及び第2MLA60bとの線膨張係数を極力合わせることが望ましい。第2の実施の形態においても同様である。
【0113】
さらに上述した第1の実施の形態においては、カバー接着剤55及び基板接着剤56を紫外線硬化型接着剤により構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、促進剤により硬化する接着剤、時間経過により硬化する接着剤、温度変化により硬化する接着剤や、それらの混合型の接着剤等、他の種々の部材により、カバー接着剤55及び基板接着剤56を構成しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0114】
さらに上述した第1の実施の形態においては、タンデム方式のカラープリンタ1において、前後方向に沿って直列に配置された各色の画像形成ユニット15とそれぞれ対応する各色のLEDヘッド16に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば4サイクル方式等、他の種々の方式のカラープリンタに搭載されるLEDヘッドに適用しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0115】
さらに上述した第1の実施の形態においては、カラー印刷を行うカラープリンタ1のプリンタ筐体2に対し、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色に対応した4個のLEDヘッド16を取り付ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えばカラープリンタにおいて使用されるトナーの色数に応じて、プリンタ筐体2に対し3個以下や5個以上のLEDヘッド16を取り付けるようにしても良く、またモノクロ印刷を行うモノクロプリンタにおいて1個のLEDヘッド16を取り付けるようにしても良い。
【0116】
さらに上述した第1の実施の形態においては、カラープリンタ1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、カラープリンタ1と同様にLEDヘッド16を有する装置であれば、ファクシミリ、MFP(Multifunction Printer:複合機)、複写機等の装置にも本発明を適用しても良い。
【0117】
さらに上述した第2の実施の形態においては、スキャナ82に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、光学的信号を電気信号に変換するセンサやスイッチや、それらを用いた入出力装置、生体認証装置、通信装置又は寸法測定器等にも本発明を適用しても良い。
【0118】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0119】
さらに上述した第1の実施の形態においては、基板としての第1基板66と、レンズユニットとしてのレンズユニット57と、支持部材としてのホルダ51とによって、露光装置としてのLEDヘッド16を構成し、またこれを有する画像形成装置としてのカラープリンタ1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる基板と、レンズユニットと、保持部材とによって、露光装置を構成し、またこれを有する画像形成装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、例えば電子写真式のプリンタに搭載するLEDヘッドで利用できる。
【符号の説明】
【0121】
1……カラープリンタ、2……プリンタ筐体、2T……排出トレイ、3……制御部、4……用紙収容カセット、5……給紙部、7……ホッピングローラ、8……レジストローラ、10……転写ベルトユニット、11……ローラ、12……転写ベルト、13……転写ローラ、15……画像形成ユニット、16、116……LEDヘッド、18……トナーカートリッジ、20……定着ユニット、21……加熱ローラ、22……加圧ローラ、24……排紙部、31……フレーム、35……感光体ドラム、35S……周側面、36……帯電ローラ、38……現像ローラ、39……供給ローラ、40……現像ブレード、51……ホルダ、51B……底部、51BS……遮光面、51W……側部、51L……孔部、51A……ホルダ開口部、51b……貫通孔、51e……丸孔、51f……長孔、51g……偏心カム嵌合部、51h……接合部、52……偏心カム、53……カバーフィルム、54……封止シリコーン、55……カバー接着剤、56……基板接着剤、57……レンズユニット、58、158……入射遮光プレート、58a、158a……貫通孔、58ae1……貫通孔LED側縁部、58ae2……貫通孔MLA側縁部、58b……ピン、58c……凸構造、58d……ピン、58e……凸構造、58f……当接面、58g……遮光部、58S1……入射遮光プレートLED側面、58S2……入射遮光プレートMLA側面、60a……第1MLA、62a……マイクロレンズ、60a1……溝、60a3……溝、60a6……当接面、60a7……凸部、60a8……凹部、60b……第2MLA、62b……マイクロレンズ、63……レンズ形成部、63S……レンズ形成部面、66……第1基板、67……LEDアレイ、68……LED素子、68a……電子部品、68b……コネクタ、68c……溝、68d……丸穴、69……絶縁フィルム、70……第2基板、70a……コネクタ、70b……電子部品、70c……コネクタ、LCLL……レンズアレイ中心線、Pn……貫通孔縁部LED最近接箇所、R1、R101、R2、R3……光線、L1……第1の仮想直線、L2……第2の仮想直線、L3……第3の仮想直線、P1……レンズ最外周位置隣接箇所、P2……レンズ中心、P3……レンズ接触位置隣接箇所、A1……レンズ形成部面レンズ最外周位置外側領域、A2……レンズ形成部面レンズ周縁中心位置外側領域、Lc……レンズ中心線、82……スキャナ、83……読取ヘッド、84……ランプ、85……原稿台、86……レール、87……駆動ベルト、88……モータ、90……滑車、92……レンズユニット、93……ミラー、94……ラインセンサ、P……用紙。