IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 森田 妙子の特許一覧

特開2022-14496マスクを顔にフィットさせるための器具
<>
  • 特開-マスクを顔にフィットさせるための器具 図1
  • 特開-マスクを顔にフィットさせるための器具 図2
  • 特開-マスクを顔にフィットさせるための器具 図3
  • 特開-マスクを顔にフィットさせるための器具 図4
  • 特開-マスクを顔にフィットさせるための器具 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014496
(43)【公開日】2022-01-20
(54)【発明の名称】マスクを顔にフィットさせるための器具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220113BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116809
(22)【出願日】2020-07-07
(71)【出願人】
【識別番号】302068483
【氏名又は名称】森田 妙子
(72)【発明者】
【氏名】森田茂男
(72)【発明者】
【氏名】森田妙子
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】マスクは顔面に装着後に上下左右にずれ易い。
【解決手段】マスクが顔面上で上下左右にずれ難くするための器具であって、横方向の可撓線11と縦方向の可撓線12を互いに固定接続し、縦方向の前記可撓線12は、少なくとも1本の横方向の前記可撓線11の上端を超えないように配置され、縦方向の可撓線12の下側はマスクの面に対して略直角に折り曲げることができるように構成された、マスク用の器具1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクが顔面上で上下左右にずれ難くするための器具であって、横方向の可撓線11と縦方向の可撓線12を互いに固定接続し、縦方向の前記可撓線12は、少なくとも1本の横方向の前記可撓線11の上端を超えないように配置され、縦方向の可撓線12の下側はマスクの面に対して略直角に折り曲げることができるように構成された、マスク用の器具1。
【請求項2】
前記器具1をマスク本体3に固定するためにさらに保持器具4を有し、前記保持器具4は2つのアームを有し、2つのアームの間は開閉でき、前記器具1と前記マスク本体3を挟むことで固定することができる、前記器具1と前記保持器具4から成るマスク用の器具。
【請求項3】
前記保持器具4は磁石を有し、前記器具1と前記マスク3を保持した状態で前記保持器具4を金属や磁石片に吸着保管できるようにした請求項2に記載のマスク用の器具。
【請求項4】
保持器具4はクリップでありプラスチックとバネで形成され、プラスチックの色が前記保持器具4ごとに異なる請求項2に記載のマスク用の器具。
【請求項5】
前記アームに滑り止めのシートを固定した請求項2に記載のマスク用の器具。
【請求項6】
請求項1に記載の前記器具1がマスク本体3に一体化され固定されているマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスクが顔、特に鼻からずれないようにマスクを顔面にフィットさせるための器具に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨てマスクや布マスクは、顔にフィットさせるために弾力性のある耳掛け紐で耳の両側からマスクを引っ張り、この力でマスクを顔に圧着する形式が多い。また、マスクの上部に可撓性のある針金入りのビニル線を配置し、マスクを装着後に鼻の周りの顔を押えてマスク上部を顔に密着させる形式の使い捨てマスクが販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-58919号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマスクでは使用しているうちに耳かけのゴムの強弱と耳掛け位置とマスクの位置の関係から話しているうちにマスク自体が顔からずれて上がったり、ずれ下がったりして、鼻がマスクから外れた状態や、口がマスクの下端から出る状態が起こりやすい。使い捨てマスクではマスクの上端に針金入りのビニル線が1本織り込まれていることが多いが、顔の横方向の形状にマスクを合わせ隙間ができないようにすることはできても上下方向への押えとしては弱く、やはりマスクから鼻や口が出た状態となり易いという問題がある。引用文献1ではマスクの横方向に2本の帯状保形片を有することでマスクの形状を保持することが記載されているが、マスク自体が上下にずれてしまうことは解決されない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、マスクの横方向の針金入りビニル線、ワイヤなど(以下可撓線)及びそれと直角の縦方向の可撓線を固着した形状のフェイスフィット器具を、マスクに固定することで、横方向の可撓線と縦方向の可撓線でマスクが顔で上下左右方向に動くことを抑えるように構成した器具に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の器具により、マスクが上下左右方向で顔にフィットするようになり、マスクがずれ難くなり、感染予防上も見た目も問題となる鼻出しマスクや口出しマスクとなることを予防できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は本発明の器具1をマスクに装着した状態を示すものである。
図2図2は本発明の器具1の構成を示すものである。
図3図3は本発明の器具1をマスクに外付けで保持できるように構成した本発明の保持器具4と前記器具1を示した図である。
図4図4図3に示した本発明の保持器具4を横から見た図である。
図5図5は本発明の器具1を装着したときに顔を横から見たところを可撓線に注目して示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の器具1がマスク本体3に装着されている状態を示している。耳掛け2により左右から前記マスク本体3を顔に圧着するとともに前記器具1により、顔の左右、上下方向に前記マスク本体3が動くことを抑えることができる。この際、前記器具1は前記マスク本体3を顔に装着後に、顔特に鼻の上下、左右方向に前記器具1を手で押さえることで、前記マスク本体3が顔に密着するようにする。特に縦方向の可撓線は鼻筋に沿って可撓線を手で押え、鼻の頭の下で鼻の下辺に沿って略直角に折り込むことで鼻の形状に合わせてフィットさせることができる。前記器具1を前記マスク本体3に固定する方法は、前記マスク本体3に織り込んだり、接着して固定したり、ホチキスの針のような形態のもので固定したり公知の方法を使うことができる。前記器具1を前記マスク本体3に固定することを一体化と呼ぶ。なお、前記器具1は前記マスク本体3の内側(顔側)に固定しても良いし、中側(マスクの層内)に固定しても良いし、外側(外気側)に固定しても良い。この他、前記器具1を後述の外付けの保持具4を使い前記マスク本体3に前記器具1を固定することができる。前記マスク本体3が布マスクであれば複数の布層からマスクが構成されるのが普通であるので、何れかの層間に前記器具1を挟み込んでも良い。
典型的な前記マスク本体3は、高さ8cmから10cm、幅13cmから18cmであり、前記器具1の縦の可撓線の長さ(高さ)は4cmから8cm、横の可撓線の長さ(幅)は5cmから12cmである。図1では、前記器具1の横方向の可撓線は上下2本示されているが、これは鼻の横方向への動きに対するグリップを上下の可撓線で強め、縦の可撓線により面で上下への動きを押えるためであり、十分な鼻へのグリップが得られれば横方向の可撓線は1本でも構わない。逆に横方向に3本以上の可撓線を接続しても構わない。また、図1では縦の可撓線は1本であるが、縦に鼻筋方向へのグリップを高めることが目的であるから、縦の可撓線を短い間隔で2本並べた構造としたり、1本の縦方向の可撓線を縦に山型に折り曲げる構造とすることも可能である。
【0009】
図2は、本発明の前記器具1の構造を示している。横方向の可撓線11は例えば針金入りビニル線で長さ5cmから12cmであり、顔特に鼻の左右方向に手で押さえることで前記可撓線11を顔面の凹凸に横方向に密着することができる。2本の前記可撓線11は、互いに縦方向に1cm程度離して並べられ、縦方向の可撓線12で夫々が固定されている。互いに1cmほど離して2本の前記可撓線11を配置することで、鼻へのグリップを増し、上側の前記可撓線11で鼻の凸部に鋭角で固定し、下側の前記可撓線11で小鼻付近に横に広く凹凸に合わせて固定することが出来る。縦方向の前記可撓線12は、横方向の前記可撓線11と固定接続され、鼻筋に合わせて鼻の頭の下でマスクの面に対して略直角に折り曲げることで、鼻の形状に合わせて縦方向で固定することができる。前記可撓線12の上端は上側の前記可撓線11の上端に一致し、前記マスク本体3からはみ出さないようにすることで、無駄な引っ掛かりを避けることができる。しかし、前記可撓線12の上端を上側の前記可撓線11の上端に一致させることは必須ではない。前記可撓線12の上端を上側の前記可撓線11の上端に一致させない場合は、マスク装着時に上側にはみ出た部分を折り曲げるなどの作業を伴うことになる。
【0010】
図3は、前記器具1を保持器具4に収納した状態を前面から見た図である。前記器具1を直接前記マスク3に一体化して固定しない場合に前記保持器具4を使って前記器具1をマスクに固定する。前記保持器具4は例えばプラスチックで生成されており、クリップの形式で前記器具1を前記マスク本体3に固定する。固定の方法はバネによる圧着、磁石同士による吸着、粘着剤による固定、ネジ留めなど一般的に使用される方法で良い。
図3では前記保持器具4の上部は平面である。これは前記マスク本体3に前記保持器具4を装着した状態で、この平面部を下にして机上等に置いたり、この平面部に磁石を組み込んで、前記マスク本体3を机や柱、壁、車内などの金属部分にぶら下げたり、立てたりして保管することを想定しているが、前記磁石の組み込みは必須ではない。前記保持器具4は典型的にはプラスチックであり、プラスチックの色を前記保持器具4ごとに異ならせることで持ち主の識別などにも使える。これにより、誤って他人のマスクを使用するなどの誤認を避けることができる。
【0011】
図4は前記保持器具4の構造が見えるように前記保持器具4を横から見た図である。図面上左側のアーム41と右側のアーム42とが前記器具1と前記マスク本体3を挟み込むように構成されており、バネ付きジョイント部43によりクリップを形成する。突起422は前記保持器具1を挟み込み、前記マスク3と固定するためのもので図3の2本の横方向の可撓線11を上の突起422の上側と、上下の突起422の間に挟む。図4には表されないが突起422はアーム42の表面上で田の字に4つ配置されており図3に示す前記保持器具1をここに挟むことで保持する。前記アーム41と前記アーム42の間に前記マスク本体3を挟むことで、前記保持器具1と前記マスク本体3を固定する。クリップの取っ手421とアーム41を指で押さえたり、離したりることで前記アーム41、前記アーム42間を開閉することができる。磁石423は、マスク全体を机や柱などの金属部分に固定して保管するためのもので、必須ではない。図4では前記アーム41と前記アーム42の上端面は水平に切られた構造を示しており、マスク全体を机上などに立てて保管することを想定しているが必須ではない。
滑り止め411は鼻に直接触れる部分が容易に滑らないようにするもので、シリコンや軟質ゴム、軟質ビニルなどの公知の材料で鼻側の前記アーム41に固定されるが、ずれの心配が低ければ必須ではない。
【0012】
図5は前記器具1が顔に密着して固定される様子を示している。前記器具1の横方向の前記可撓線11、縦方向の前記可撓線12が鼻の両側と、鼻筋、鼻の頭の下辺に夫々沿うようにカーブを描くことで顔の凹凸に前記可撓線11が密着し、縦方向の前記可撓線12が鼻に沿うことで上下の方向にも面て支えることができ、上下左右にずれ難い様子が示される。なお、鼻の頭の下辺で前記可撓線12を前記マスク本体3の面に対して略直角に折り曲げると、前記マスク本体3と折り曲げた前記可撓線12の両側で鼻の下に空間が形成され、呼吸が楽になるという効果が得られる。なお、針金入りビニル線の場合、前記可撓線11、12は幅はあるものの、平らで厚みはほどんどないため、横方向の可撓線11は幅があり、縦方向の可撓線12は線で描いている。
【産業上の利用可能性】
【0013】
マスクを顔に装着した際にマスクがずれてしまうことを防止することができ、鼻や口がマスクから外れることを予防できる。また、マスクを使用していないときにマスクを上方に机に立てて保管したり、磁石で吊り下げて保管したり、保持器具の色を保持器具単位で異ならせることで使用者を区別することができ、衛生上、管理上、美観上の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0014】
1 本器具
11 横方向可撓線
12 縦方向可撓線
2 耳掛け
3 マスク本体
4 保持器具
41 左アーム
411 滑り止め
42 右アーム
421 右アーム取っ手
423 磁石
43 バネ付きジョイント部
図1
図2
図3
図4
図5