IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 市光工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-車両用灯具 図1
  • 特開-車両用灯具 図2
  • 特開-車両用灯具 図3
  • 特開-車両用灯具 図4
  • 特開-車両用灯具 図5
  • 特開-車両用灯具 図6
  • 特開-車両用灯具 図7
  • 特開-車両用灯具 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022144997
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/249 20180101AFI20220926BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20220926BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20220926BHJP
   F21S 43/239 20180101ALI20220926BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220926BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220926BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20220926BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20220926BHJP
   F21Y 113/17 20160101ALN20220926BHJP
【FI】
F21S43/249
F21S43/15
F21S43/237
F21S43/239
F21S2/00 435
F21V23/00 140
F21W103:20
F21W103:10
F21Y113:17
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046233
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海江田 雄司
【テーマコード(参考)】
3K014
3K244
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K244AA09
3K244BA23
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA16
3K244EA03
3K244EA12
3K244EB02
3K244ED22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】見栄えを向上させることが可能な、シーケンシャル発光を行う車両用灯具を提供する。
【解決手段】車両用灯具100は、車両搭載状態において正面視で奥行方向に沿って並び、左右方向の一方に向けて光を発光する複数の光源部10と、複数の光源部10に対して左右方向の一方側に配置され、複数の光源部10に対応する位置に配置される複数の入射面から光源部10毎に光を個別に入射して略平行光とし、背面側に配置されて左右方向に延びる反射面のうちそれぞれの入射面に対応する反射領域で光を正面側に内面反射し、正面側に配置される出射面の左右方向に異なる出射領域からそれぞれの光を出射する導光体20と、出射面のうち左右方向の一端側の領域から他端側の領域に向けて順に光が出射されるように複数の光源を制御する制御部30と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両搭載状態において正面視で奥行方向に沿って並び、左右方向の一方に向けて光を発光する複数の光源と、
複数の前記光源に対して前記左右方向の一方側に配置され、複数の前記光源に対応する位置に配置される複数の入射面から前記光源ごとに前記光を個別に入射して略平行光とし、背面側に配置されて前記左右方向に延びる反射面のうちそれぞれの前記入射面に対応する反射領域で前記光を正面側に内面反射し、正面側に配置される出射面の前記左右方向に異なる出射領域からそれぞれの前記光を出射する導光体と、
前記出射面のうち前記左右方向の一方側の領域から他方側の領域に向けて順に前記光が出射されるように複数の前記光源を制御する制御部と
を備える車両用灯具。
【請求項2】
複数の前記光源のそれぞれに対応する位置に配置され、対応する前記光源からの前記光が入射する前記入射面に向けて第2光を発光する第2光源が更に設けられ、
前記導光体は、前記入射面から前記第2光源ごとに前記第2光を個別に入射して略平行光とし、前記反射面のうち前記入射面に対応する前記反射領域で前記第2光を正面側に内面反射し、前記出射面のそれぞれの前記出射領域から前記第2光を出射し、
前記制御部は、複数の前記第2光源が同じタイミングで発光するように制御する
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
複数の前記光源は、橙色光を発光し、
複数の前記第2光源は、白色光を発光する
請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記制御部は、複数の前記光源から前記光が出射される期間は、複数の前記第2光源から前記第2光が出射されないように制御する
請求項2又は請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
複数の前記光源と、複数の前記第2光源とが、同一の基板に実装される
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
複数の前記光源及び前記導光体は、車両前部に配置され、
前記光源は、前記車両内側の斜め前方に向けて配置され、
前記反射面は、車両外側から車両内側にかけて前記光源の向きよりもさらに車両前方に傾斜するように配置される
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具として、複数の発光領域が発光のタイミングを遅らせながら一方向に流れるように発光するシーケンシャル発光を行う構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-202588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなシーケンシャル発光を行う車両用灯具においては、見栄えを向上させることが可能な構成が求められている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、見栄えを向上させることが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具は、車両搭載状態において正面視で奥行方向に沿って並び、左右方向の一方に向けて光を発光する複数の光源と、複数の前記光源に対して前記左右方向の一方側に配置され、複数の前記光源に対応する位置に配置される複数の入射面から前記光源ごとに前記光を個別に入射して略平行光とし、背面側に配置されて前記左右方向に延びる反射面のうちそれぞれの前記入射面に対応する反射領域で前記光を正面側に内面反射し、正面側に配置される出射面の前記左右方向に異なる出射領域からそれぞれの前記光を出射する導光体と、前記出射面のうち前記左右方向の一端側の領域から他端側の領域に向けて順に前記光が出射されるように複数の前記光源を制御する制御部とを備える。
【0007】
また、上記の車両用灯具において、複数の前記光源のそれぞれに対応する位置に配置され、対応する前記光源からの前記光が入射する前記入射面に向けて第2光を発光する第2光源が更に設けられ、前記導光体は、前記入射面から前記第2光源ごとに前記第2光を個別に入射して略平行光とし、前記反射面のうち前記入射面に対応する前記反射領域で前記第2光を正面側に内面反射し、前記出射面のそれぞれの前記出射領域から前記第2光を出射し、前記制御部は、複数の前記第2光源が同じタイミングで発光するように制御してもよい。
【0008】
また、上記の車両用灯具において、複数の前記光源は、橙色光を発光し、複数の前記第2光源は、白色光を発光してもよい。
【0009】
また、上記の車両用灯具において、前記制御部は、複数の前記光源から前記光が出射される期間は、複数の前記第2光源から前記第2光が出射されないように制御してもよい。
【0010】
また、上記の車両用灯具において、複数の前記光源と、複数の前記第2光源とが、同一の基板に実装されてもよい。
【0011】
また、上記の車両用灯具において、複数の前記光源及び前記導光体は、車両前部に配置され、前記光源は、前記車両内側の斜め前方に向けて配置され、前記反射面は、車両外側から車両内側にかけて前記光源の向きよりもさらに車両前方に傾斜するように配置されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、見栄えを向上させることが可能な車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を模式的に示す図である。
図2図2は、図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
図3図3は、光源部の一例を示す図である。
図4図4は、入射面の構成を模式的に示す図である。
図5図5は、車両用灯具の動作の一例を示す図である。
図6図6は、車両用灯具の動作の一例を示す図である。
図7図7は、車両用灯具の動作の一例を示す図である。
図8図8は、車両用灯具の動作の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
以下の説明においては、車両が水平面と平行な地面に配置されることとし、運転室に搭乗した運転者を基準として、前、後、上、下、左、及び右という用語を用いて各部の位置関係について説明する。上下方向は、水平面と直交する方向である。左右方向及び前後方向は、水平面と平行な方向である。また、以下の説明において、左右方向のうち、車幅方向の内側を車両内側と表記し、車幅方向の外側を車両外側と表記する。また、車両用灯具が光を出射する方向を正面方向と表記し、正面方向の反対側を背面方向と表記する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を模式的に示す図である。図2は、図1におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。本実施形態では、車両用灯具100が、例えば車両の前部に取り付けられる場合を例に挙げて説明する。この場合、車両用灯具100の正面方向は前方であり、背面方向は後方である。また、車両用灯具100の正面視とは、車両前方から見た状態を示す。この場合、正面視における奥行方向は、前後方向である。なお、図1及び図2では、車両の右側前部に取り付けられた車両用灯具100を例として示している。この場合、右側が車両外側であり、左側が車両内側である。なお、車両の前部の左側に取り付けられた車両用灯具においては、左右方向の構成が対象となっていることの他は同様の説明が可能である。図1及び図2に示すように、車両用灯具100は、光源部10と、導光体20と、制御部30とを備える。
【0017】
光源部10は、前方から見てエクステンション部材41に覆われている。図3は、光源部10の一例を示す図である。図3は、光の出射方向から見た構成を示している。図3において一点鎖線で示される二重円は、後述する導光体20における対応する入射面の位置を示している。図2及び図3に示すように、光源部10は、橙色光源11、12、13と、白色光源14、15、16と、基板17と、放熱部材18とを有する。
【0018】
橙色光源11、12、13及び白色光源14、15、16は、例えば半導体型光源である。橙色光源11、12、13は、それぞれ発光面11a、12a、13aから橙色光を出射する。橙色光源11、12、13は、車両搭載状態において正面視で奥行方向、つまり前後方向に並んだ状態で配置される。橙色光源11、12、13は、発光面11a、12a、13aが正面視で左右方向の一方、つまり本実施形態では車両内側に向けて配置され、さらに車両前方に向けて配置されている。つまり、橙色光源11、12、13は、発光面11a、12a、13aが車両の内側斜め前方に向けて配置されている。白色光源14、15、16は、それぞれ発光面14a、15a、16aから白色光を出射する。白色光源14、15、16は、車両搭載状態において水平方向に並んだ状態で配置される。白色光源14、15、16は、発光面14a、15a、16aが車両内側に向けて配置され、さらに車両前方に向けて配置されている。つまり、白色光源14、15、16は、橙色光源11、12、13と同様に、発光面14a、15a、16aが車両の内側斜め前方に向けて配置されている。また、白色光源14は、橙色光源11の下方に配置される。橙色光源11及び白色光源14は、後述する1つの入射面21に対応する位置に配置される。また、白色光源15は、橙色光源12の下方に配置される。橙色光源12及び白色光源15は、後述する1つの入射面22に対応する位置に配置される。また、白色光源16は、橙色光源13の下方に配置される。橙色光源13及び白色光源16は、後述する1つの入射面23に対応する位置に配置される。
【0019】
基板17は、実装面17aに橙色光源11、12、13及び白色光源14、15、16が実装される。基板17は、各光源を駆動するドライバ回路等が形成される。放熱部材18は、基板17を支持する。放熱部材18は、各光源からの熱を放出する。
【0020】
導光体20は、光源部10に対して車両内側に配置される。導光体20は、ベース部材43に保持される。導光体20は、アウターレンズ44の背面側に配置される。導光体20は、入射面21、22、23と、平行化面24、25、26と、反射面27と、出射面28とを有する。
【0021】
図4は、入射面21、22、23の構成を模式的に示す図である。入射面21、22、23は、ほぼ同様の構成を有しているため、1つの図で共通して示している。図4に示すように、入射面21、22、23は、水平方向に並んだ状態で配置される。入射面21、22、23は、それぞれ同様の構成を有している。入射面21は、第1面21a及び第2面21bを有する。第1面21a及び第2面21bは、橙色光源11からの橙色光及び白色光源14からの白色光が入射する。第1面21aは、発光面11a、14aに対向する。第1面21aは、平面又は光源部10側に突出する凸面である。第2面21bは、第1面21aの外周から光源部10側に向けて延びる円筒面である。第2面21bは、橙色光源11及び白色光源14を囲うように配置される。
【0022】
入射面22は、第1面22a及び第2面22bを有する。第1面22a及び第2面22bは、橙色光源12からの橙色光及び白色光源15からの白色光が入射する。第1面22aは、発光面12a、15aに対向する。第1面22aは、平面又は光源部10側に突出する凸面である。第2面22bは、第1面22aの外周から光源部10側に向けて延びる円筒面である。第2面22bは、橙色光源12及び白色光源15を囲うように配置される。
【0023】
入射面23は、第1面23a及び第2面23bを有する。第1面23a及び第2面23bは、橙色光源13からの橙色光及び白色光源16からの白色光が入射する。第1面23aは、発光面13a、16aに対向する。第1面23aは、平面又は光源部10側に突出する凸面である。第2面23bは、第1面23aの外周から光源部10側に向けて延びる円筒面である。第2面23bは、橙色光源13及び白色光源16を囲うように配置される。
【0024】
平行化面24、25、26は、入射面21、22、23から入射した橙色光及び白色光を内面反射して略平行光にする。平行化面24は、入射面21に対応して設けられる。平行化面25は、入射面22に対応して設けられる。平行化面26は、入射面23に対応して設けられる。
【0025】
平行化面24、25、26は、入射面21、22、23の第2面21b、22b、23bを囲うように配置され、当該第2面21b、22b、23bから入射した橙色光及び白色光を反射面27に向けて反射する。例えば、平行化面24は、第2面21bから入射した橙色光及び白色光を反射面27の反射領域27aに向けて反射する。平行化面25は、第2面22bから入射した橙色光及び白色光を反射面27の反射領域27bに向けて反射する。平行化面26は、第2面23bから入射した橙色光及び白色光を反射面27の反射領域27cに向けて反射する。
【0026】
反射面27は、入射面21、22、23から入射した橙色光及び白色光を車両前方に向けて内面反射する。反射面27は、橙色光源11、12、13の発光面11a、12a、13a及び白色光源14、15、16の発光面14a、15a、16aの法線と交差するように配置される。図2に示すように、発光面11a、12a、13a及び発光面14a、15a、16aの法線は、車両の内側斜め前方に向けて延びている。これに対して、反射面27は、発光面11a、12a、13a及び発光面14a、15a、16aの法線よりも車両前方に傾くように配置される。この配置により、反射面27において発光面11a、12a、13a及び発光面14a、15a、16aからの光を確実に車両前方に向けて反射することができる。本実施形態において、反射面27は、例えば入射面21、22、23の第1面21a、22a、23aから入射した橙色光及び白色光と、第2面21b、22b、23bから入射して平行化面24、25、26で反射された橙色光及び白色光とを内面反射する。
【0027】
入射面21の第1面21aから入射した橙色光及び白色光と、第2面21bから入射して平行化面24で反射された橙色光及び白色光とは、反射面27の反射領域27aに到達し、反射領域27aで内面反射される。入射面22の第1面22aから入射した橙色光及び白色光と、第2面22bから入射して平行化面25で反射された橙色光及び白色光とは、反射面27の反射領域27bに到達し、反射領域27bで内面反射される。入射面23の第1面23aから入射した橙色光及び白色光と、第2面23bから入射して平行化面26で反射された橙色光及び白色光とは、反射面27の反射領域27cに到達し、反射領域27cで内面反射される。
【0028】
出射面28は、反射面27で内面反射された橙色光及び白色光を車両前方に出射する。反射面27の反射領域27aで内面反射された橙色光及び白色光は、出射面28の出射領域28aから出射される。反射面27の反射領域27bで内面反射された橙色光及び白色光は、出射面28の出射領域28bから出射される。反射面27の反射領域27cで内面反射された橙色光及び白色光は、出射面28の出射領域28cから出射される。
【0029】
このように、出射面28は、ターンランプ等を構成する橙色光と、クリアランスランプ等を構成する白色光とを、それぞれ出射領域28a、28b、28cから出射可能となっている。車両前方から見た場合、出射面28に対応する領域が、橙色又は白色に発光した状態となる。
【0030】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサと、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージとを含む。制御部30は、車両用灯具100に制御信号を出力して、その車両用灯具100を制御する。
【0031】
制御部30は、信号取得部31と、光源制御部32と、記憶部33とを有する。信号取得部31は、車両の運転室に設けられる操作装置からの操作信号を取得する。操作装置としては、例えば車両に搭載される方向指示器及びハザードスイッチ等、ターンランプを点灯させるための操作スイッチと、クリアランスランプ又はデイタイムランニングランプを点灯させるための操作スイッチとを含む。
【0032】
光源制御部32は、例えば信号取得部31によりターンランプを点灯させるための操作信号が取得された場合、橙色光源11、12、13を発光させる。この場合、光源制御部32は、橙色光源11、12、13のうち、最も車両前方に配置される橙色光源11から車両後方の橙色光源12、13にかけて発光開始のタイミングを遅らせるように順次発光させる、いわゆるシーケンシャル制御を行う。このシーケンシャル制御において、光源制御部32は、例えば橙色光源11、12、13を所定期間ずつ切り替えて発光させることができる。光源制御部32は、橙色光源11、12、13の発光のタイミングを一部重複させるようにしてもよい。
【0033】
また、光源制御部32は、例えば信号取得部31によりクリアランスランプを点灯させるための操作信号が取得された場合、白色光源14、15、16を発光させる。白色光源14、15、16を発光させた状態で、信号取得部31によりターンランプを点灯させるための操作信号が取得された場合、光源制御部32は、白色光源14、15、16の発光を停止させて、橙色光源11、12、13に対してシーケンシャル制御を行う。
【0034】
記憶部33は、各種の制御プログラム及び各種の制御処理に用いられるデータが記憶される記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD等である。記憶部33は、1つの記憶装置又は複数の記憶装置から実装される。記憶部33は、上記の橙色光源11、12、13のシーケンシャル制御に関するデータを記憶することができる。
【0035】
次に、上記のように構成された車両用灯具100の動作を説明する。図5から図7は、車両用灯具100の動作の一例を示す図である。運転者によって方向指示器の操作又はハザードスイッチの操作等、ターンランプを点灯させる所定の操作が行われた場合、車両用灯具100は、信号取得部31において操作装置からの操作信号を取得する。光源制御部32は、取得された信号に応じて、橙色光源11、12、13の発光制御を行う。
【0036】
光源制御部32は、まず、橙色光源11を発光させる。これにより、図5に示すように、橙色光源11の発光面11aから橙色光LA1が出射される。橙色光LA1は、入射面21から導光体20に入射し、平行化面24により略平行光とされた状態で反射面27の反射領域27aに到達する。反射領域27aに到達した橙色光LA1は、反射領域27aで内面反射され、出射面28の出射領域28aから車両前方に出射される。
【0037】
光源制御部32は、橙色光源11の発光を開始してから所定期間が経過した後、橙色光源12を発光させる。これにより、図6に示すように、橙色光源12の発光面12aから橙色光LA2が出射される。橙色光LA2は、入射面22から導光体20に入射し、平行化面25により略平行光とされた状態で反射面27の反射領域27bに到達する。反射領域27bに到達した橙色光LA2は、反射領域27bで内面反射され、出射面28の出射領域28bから車両前方に出射される。
【0038】
光源制御部32は、橙色光源12の発光を開始してから所定期間が経過した後、橙色光源13を発光させる。これにより、図7に示すように、橙色光源13の発光面13aから橙色光LA3が出射される。橙色光LA3は、入射面23から導光体20に入射し、平行化面26により略平行光とされた状態で反射面27の反射領域27cに到達する。反射領域27cに到達した橙色光LA3は、反射領域27cで内面反射され、出射面28の出射領域28cから車両前方に出射される。
【0039】
この制御により、導光体20の車両内側の出射領域28aから車両外側の出射領域28cに向けて一方向に橙色光の発光領域が拡大する。このため、正面視、つまり車両前方から車両用灯具100を見た場合、区画されていない外観の出射面28に発光領域が左右方向に流れるように広がる発光態様を実現可能となる。
【0040】
光源制御部32は、橙色光源13の発光を開始してから所定期間が経過した後、橙色光源11、12、13の発光を停止し、橙色光源11を発光させる。このように、光源制御部32は、操作装置から所定の操作を終了する旨の信号を受信するまで、橙色光源11、12、13の順で切り替えて発光させる動作を繰り返し行わせる。
【0041】
図8は、車両用灯具100の動作の他の例を示す図である。運転者によって例えばクリアランスランプを点灯させる等の所定の操作が行われた場合、車両用灯具100は、信号取得部31において操作装置から操作信号を取得する。光源制御部32は、取得された信号に応じて、白色光源14、15、16の発光制御を行う。この場合、光源制御部32は、白色光源14、15、16を同じタイミングで発光させる。
【0042】
この制御により、図8に示すように、白色光源14、15、16の発光面14a、15a、16aから、それぞれ白色光LW1、LW2、LW3が出射される。白色光LW1、LW2、LW3は、入射面21から導光体20に入射し、平行化面24により略平行光とされた状態で反射面27の反射領域27a、反射領域27b、反射領域27cにそれぞれ到達する。反射領域27a、反射領域27b、反射領域27cに到達した白色光LW1、LW2、LW3は、それぞれ内面反射され、出射面28の出射領域28a、出射領域28b、出射領域28cから車両前方に出射される。このため、車両前方から車両用灯具100を見た場合、出射面28の全体に亘って白色光が発光しているように視認される。
【0043】
図8に示すように白色光源14、15、16を発光させた状態で、信号取得部31によりターンランプを点灯させるための所定の操作信号が取得された場合、光源制御部32は、白色光源14、15、16の発光を停止させて、橙色光源11、12、13に対して上記したシーケンシャル発光を行わせる。この制御により、車両前方から見た場合、出射面28の発光状態が白色光の発光から橙色光のシーケンシャル発光に切り替わる。この状態から信号取得部31が所定の操作を終了する旨の信号を受信した場合、光源制御部32は、橙色光源11、12、13のシーケンシャル発光を停止させて、白色光源14、15、16を発光させる。この制御により、車両前方から見た場合、出射面28の発光状態が橙色光のシーケンシャル発光から白色光の発光に切り替わる。このように、光源制御部32は、出射面28において橙色光と白色光とが同じタイミングで発光することなく、いずれか一方が発光するように制御される。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る車両用灯具100は、車両搭載状態において正面視で奥行方向に沿って並び、左右方向の一方に向けて光を発光する橙色光源11、12、13と、橙色光源11、12、13に対して左右方向の一方側に配置され、橙色光源11、12、13に対応する位置に配置される入射面21、22、23から橙色光源11、12、13ごとに橙色光を個別に入射して略平行光とし、背面側に配置されて左右方向に延びる反射面27のうちそれぞれの入射面21、22、23に対応する反射領域27a、27b、27cで橙色光を正面側に内面反射し、正面側に配置される出射面28の左右方向に異なる出射領域28a、28b、28cからそれぞれの橙色光を出射する導光体20と、出射面28のうち左右方向の一方側の領域から他方側の領域に向けて順に橙色光が出射されるように橙色光源11、12、13を制御する制御部30とを備える。
【0045】
本実施形態によれば、正面視で奥行き方向に沿って並ぶ橙色光源11、12、13を用いて、1つの導光体20の出射領域28a、28b、28cの一方側(車両内側)の領域から他方側(車両外側)の領域に向けて順に橙色光を出射することができる。これにより、区画されていない外観の出射面28において、発光領域が左右方向に流れるように広がる発光態様を実現可能となる。これにより、見栄えを向上させることが可能な車両用灯具100を提供することができる。
【0046】
本実施形態に係る車両用灯具100は、橙色光源11、12、13のそれぞれに対応する位置に配置され、対応する橙色光源11、12、13からの橙色光が入射する入射面21、22、23に向けて白色光を発光する白色光源14、15、16が更に設けられ、導光体20は、入射面21、22、23から白色光源14、15、16ごとに白色光を個別に入射して略平行光とし、反射面27のうち入射面21、22、23に対応する反射領域27a、27b、27cで白色光を正面側に内面反射し、出射面28のそれぞれの出射領域28a、28b、28cから白色光を出射し、制御部30は、複数の白色光源14、15、16が同じタイミングで発光するように制御する。この構成では、1つの導光体20の出射面28において、発光のタイミング及び色の異なる2種類の発光態様を実現可能となる。
【0047】
本実施形態に係る車両用灯具100において、橙色光を発光する橙色光源11、12、13と、白色光を発光する白色光源14、15、16とが用いられる。これにより、1つの導光体20の出射面28から、例えばターンランプのようなシーケンシャル発光の橙色光と、クリアランスランプのような全体が均一に発光する白色光とを切り替えて出射することができる。
【0048】
本実施形態に係る車両用灯具100において、制御部30は、橙色光源11、12、13から光が出射される期間は、白色光源14、15、16から光が出射されないように制御する。これにより、出射面28に2種類の発光態様が混在しないように区別して発光させることができる。
【0049】
本実施形態に係る車両用灯具100は、橙色光源11、12、13と、白色光源14、15、16とが、同一の基板17に実装される。この構成により、光源部10のコンパクト化を図ることができる。
【0050】
本実施形態に係る車両用灯具100において、橙色光源11、12、13及び導光体20は、車両前部に配置され、橙色光源11、12、13は、車両内側の斜め前方に向けて
配置され、反射面27は、車両外側から車両内側にかけて橙色光源11、12、13の向きよりもさらに車両前方に傾斜するように配置される。車両前部に配置される車両用灯具100は、車両内側から車両外側にかけて後方に傾いた形状(いわゆるスラント形状)を有する場合がある。橙色光源11、12、13を車両内側の斜め前方に向けて配置し、車両外側から車両内側にかけて橙色光源11、12、13の向きよりもさらに車両前方に傾斜するように反射面27を配置することにより、車両用灯具100のスラントに沿った配置としつつ、橙色光源11、12、13から出射される光を反射面27により車両前方に反射させることができる。
【0051】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、車両用灯具100が車両の前部に配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。車両用灯具100は、車両の後部に配置されてもよい。また、車両用灯具100は、車両の側部(例えば、ドアミラー等)に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
LA1,LA2,LA3…橙色光、LW1,LW2,LW3…白色光、10…光源部、11,12,13…橙色光源、11a,12a,13a,14a,15a,16a…発光面、14,15,16…白色光源、17…基板、17a…実装面、18…放熱部材、20…導光体、21,22,23…入射面、21a,22a,23a…第1面、21b,22b,23b…第2面、24,25,26…平行化面、27…反射面、27a,27b,27c…反射領域、28…出射面、28a,28b,28c…出射領域、30…制御部、31…信号取得部、32…光源制御部、33…記憶部、41…エクステンション部材、43…ベース部材、44…アウターレンズ、100…車両用灯具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8