(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145257
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】電子決済システム及び電子決済方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20220926BHJP
G06Q 30/04 20120101ALI20220926BHJP
G06Q 20/16 20120101ALI20220926BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20220926BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20220926BHJP
G06Q 20/22 20120101ALI20220926BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q30/04
G06Q20/16
G06Q20/20
G06Q20/32
G06Q20/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046583
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 功
(72)【発明者】
【氏名】樋口 千唐
(72)【発明者】
【氏名】松尾 知昭
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB11
5L055AA32
5L055AA35
5L055AA42
5L055AA51
5L055AA64
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者に応じた円滑な電子決済を実現する電子決済システム及び電子決済方法を提供する。
【解決手段】電子決済システム1において、店舗100は、電子決済に使用可能な支払アプリを格納した支払媒体2と、支払アプリを格納した店舗端末装置3とを備え、支払媒体と店舗端末装置との間で同一の支払アプリを使用して電子決済を実行する。店舗端末装置は、支払媒体との近距離無線通信のコネクションが確立した場合に、支払媒体に格納済みの支払アプリと、店舗端末装置に格納済みの支払アプリとを比較し、比較結果情報を支払媒体に通知する。支払媒体は、店舗端末装置から受信した比較結果情報に基づき、当該支払媒体に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置に格納済みの同一の支払アプリの情報を表示部に表示させる。更に、支払媒体2は、表示中の支払アプリの情報から、店舗端末装置3との間で電子決済に使用する当該支払アプリを選択する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子決済に使用可能な支払アプリを格納した支払媒体と、前記支払アプリを格納した店舗端末装置とを有し、前記支払媒体と前記店舗端末装置との間で近距離無線通信のコネクションを確立した後に、前記支払媒体と前記店舗端末装置との間で同一の支払アプリを使用して電子決済を実行する電子決済システムであって、
前記店舗端末装置は、
前記支払媒体との前記近距離無線通信のコネクションが確立した場合に、前記支払媒体に格納済みの前記支払アプリと、前記店舗端末装置に格納済みの前記支払アプリとを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果を前記支払媒体に通知する通知部と、を有し、
前記支払媒体は、
前記店舗端末装置から受信した前記比較結果に基づき、当該支払媒体に格納済みの前記支払アプリの内、前記店舗端末装置に格納済みの同一の支払アプリの情報を表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に表示中の支払アプリの情報から、前記店舗端末装置との間で前記電子決済に使用する当該支払アプリを選択する選択部と
有することを特徴とする電子決済システム。
【請求項2】
前記支払媒体は、
前記支払アプリ毎に優先度を記憶する記憶部を有し、
前記表示制御部は、
前記店舗端末装置から受信した前記比較結果に基づき、当該支払媒体に格納済みの前記支払アプリの内、前記店舗端末装置に格納済みの同一の支払アプリが複数ある場合に、これら複数の支払アプリを各支払アプリの優先度に応じて識別表示することを特徴とする請求項1に記載の電子決済システム。
【請求項3】
前記記憶部は、
前記支払アプリ毎に自動選択可否を記憶しておき、
前記選択部は、
前記店舗端末装置から受信した前記比較結果に基づき、当該支払媒体に格納済みの前記支払アプリの内、前記店舗端末装置に格納済みの同一の支払アプリが1個であって、当該同一の支払アプリが自動選択可の支払アプリである場合に、当該支払アプリを自動選択することを特徴とする請求項2に記載の電子決済システム。
【請求項4】
前記支払アプリ毎に優先度及び自動選択可否を記憶する記憶部を有し、
前記表示制御部は、
当該支払媒体に格納済みの前記支払アプリの内、前記店舗端末装置に格納済みの同一の支払アプリであって、前記自動選択可の支払アプリが複数ある場合に、複数の自動選択可の支払アプリを各支払アプリの優先度に応じて識別表示することを特徴とする請求項1に記載の電子決済システム。
【請求項5】
電子決済に使用可能な支払アプリを格納した支払媒体と、前記支払アプリを格納した店舗端末装置とを有し、前記支払媒体と前記店舗端末装置との間で近距離無線通信のコネクションを確立した後、前記支払媒体と前記店舗端末装置との間で同一の支払アプリを使用して電子決済を実行する電子決済システムで実行される電子決済方法であって、
前記店舗端末装置は、
前記支払媒体との前記近距離無線通信のコネクションが確立した場合に、前記支払媒体に格納済みの前記支払アプリと、前記店舗端末装置に格納済みの前記支払アプリとを比較し、
比較結果を前記支払媒体に通知し、
前記支払媒体は、
前記店舗端末装置から受信した前記比較結果に基づき、当該支払媒体に格納済みの前記支払アプリの内、前記店舗端末装置に格納済みの同一の支払アプリの情報を表示し、
表示中の支払アプリの情報から、前記店舗端末装置との間で前記電子決済に使用する当該支払アプリを選択する
処理を実行することを特徴とする電子決済方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子決済システム及び電子決済方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、店舗等で商品の支払を決済する方法として、例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標)決済、非接触型決済やICカード決済等の近距離無線通信を使用して多種の電子決済が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-205007号公報
【特許文献2】特開2017-130092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子決済では、店舗店員が利用者に対して使用する電子決済の方法を口頭で確認することになるが、複数の電子決済の方法の中にも同じような名称の電子決済の方法も存在するため、店舗店員による支払方法の選択ミスが発生する場合がある。このような支払方法の選択ミスは、利用者及び店舗店員の何れにも作業負担がかかるため、利用者に応じた円滑な電子決済を実現することができない。
【0005】
一つの側面では、利用者に応じた円滑な電子決済を実現できる電子決済システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様の電子決済システムは、電子決済に使用可能な支払アプリを格納した支払媒体と、前記支払アプリを格納した店舗端末装置とを有する。電子決済システムは、前記支払媒体と前記店舗端末装置との間で近距離無線通信のコネクションを確立した後に、前記支払媒体と前記店舗端末装置との間で同一の支払アプリを使用して電子決済を実行する。前記店舗端末装置は、比較部と、通知部とを有する。比較部は、前記支払媒体との前記近距離無線通信のコネクションが確立した場合に、前記支払媒体に格納済みの前記支払アプリと、前記店舗端末装置に格納済みの前記支払アプリとを比較する。通知部は、前記比較部の比較結果を前記支払媒体に通知する。前記支払媒体は、表示制御部と、選択部とを有する。表示制御部は、前記店舗端末装置から受信した前記比較結果に基づき、当該支払媒体に格納済みの前記支払アプリの内、前記店舗端末装置に格納済みの同一の支払アプリの情報を表示部に表示させる。選択部は、前記表示部に表示中の支払アプリの情報から、前記店舗端末装置との間で前記電子決済に使用する当該支払アプリを選択する。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面として、利用者に応じた円滑な電子決済を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施例の電子決済システムの一例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、支払媒体の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、アプリ情報メモリの一例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、店舗端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、店舗DBの一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、キャンペーン情報の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、支払媒体の結果画面の一例を示す説明図である。
【
図8A】
図8Aは、店舗側決済処理に関わる店舗端末装置内のプロセッサの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、店舗側決済処理に関わる店舗端末装置内のプロセッサの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、利用者側決済処理に関わる支払媒体内のプロセッサの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本願の開示する電子決済システム等の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例0010】
<電子決済システムの構成>
図1は、本実施例の電子決済システム1の一例を示す説明図である。
図1に示す電子決済システム1は、店舗100に来店した利用者Aの支払媒体2と、店舗100内の店舗店員Bが使用する店舗端末装置3と、店舗センタ200内の店舗DB(Data Base)4と、複数の決済会社5と、通信網6とを有する。支払媒体2は、例えば、電子決済可能な支払アプリを格納した携帯端末、スマートフォン端末やタブレット端末等である。尚、説明の便宜上、支払媒体2は、スマートフォン端末を例示して説明するが、ICカード等の媒体でも良い。店舗端末装置3は、店舗100に配置され、電子決済可能な支払アプリを格納した、例えば、POS(Point Of Sales system)端末やキャッシュアウト機等である。尚、店舗端末装置3は、店舗店員Bが使用する装置を例示するが、利用者Aが使用可能な装置であっても良い。店舗DB4は、支払アプリ毎に、当該支払アプリの決済会社5のアクセス先を管理するDBである。決済会社5は、各支払アプリの提供会社である。決済会社5は、例えば、支払アプリの利用者の電子決済に関する与信情報等を管理している。通信網6は、店舗端末装置3と決済会社5との間を有線又は無線で接続する、例えば、公衆網や専用通信網等である。
【0011】
電子決済システム1では、支払媒体2と店舗端末装置3との間で近距離無線通信のコネクションを確立した後、支払媒体2と店舗端末装置3との間で同一の支払アプリを使用して、例えば、商品の電子決済を実行する。
【0012】
<支払媒体の構成>
図2は、支払媒体2の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示す支払媒体2は、無線通信部11と、近距離通信部12と、表示部13と、操作部14と、記憶部15と、プロセッサ16とを有する。無線通信部11は、例えば、無線通信を実行するためのインタフェースである。近距離通信部12は、例えば、BLE(登録商標)や赤外線等の接触又は非接触の近距離通信を実行するためのインタフェースである。近距離通信部12は、店舗端末装置3側の近距離通信部22に対するかざし操作等で店舗端末装置3側の近距離通信部22との間の近距離無線通信のコネクションを確立する。
【0013】
表示部13は、各種情報を表示する出力インタフェースである。操作部14は、各種コマンドを入力する入力インタフェースである。記憶部15は、各種情報を記憶する。プロセッサ16は、支払媒体2全体を制御する。
【0014】
記憶部15は、支払アプリ格納部17と、アプリ情報メモリ18と、利用者情報メモリ19とを有する。支払アプリ格納部17は、支払媒体2にインストール済の電子決済に使用可能な複数の支払アプリ17Aを格納する。尚、説明の便宜上、支払アプリ格納部17には、例えば、支払アプリA、支払アプリBや支払アプリEの3種類の支払アプリを格納しているものとする。利用情報メモリ19は、例えば、支払媒体2の利用者を識別できる情報である。
【0015】
図3は、アプリ情報メモリ18の一例を示す説明図である。
図3に示すアプリ情報メモリ18は、識別情報18Aと、優先度18Bと、自動選択可否18Cとを対応付けて管理する。識別情報18Aは、各支払アプリを識別する情報である。優先度18Bは、利用者Aが利用しやすいように支払アプリ毎に設定されているものとする。優先度18Bは、例えば、1→2→3→…の順に優先順位を付し、優先度“1”は、複数の優先度の内、利用者にとって優先の度合が最も高いものとする。優先度18Bは、利用者Aの設定操作に応じて設定可能である。自動選択可否18Cは、支払アプリ毎に設定され、自動選択が可又は不可を設定する。自動選択可否18Cは、“可”の場合、当該支払アプリの選択操作が行われなくても当該支払アプリを自動選択する設定である。自動選択可否18Cは、“不可”の場合、当該支払アプリの選択操作に応じて当該支払アプリを選択する設定である。
【0016】
プロセッサ16は、アプリ情報メモリ18を参照し、例えば、識別情報18Aが“支払アプリE”の場合、優先度が“3”、自動選択可否が“不可”の設定を認識する。プロセッサ16は、識別情報18Aが“支払アプリA”の場合、優先度が“1”、自動選択可否が“不可”の設定を認識する。また、プロセッサ16は、識別情報18Aが“支払アプリB”の場合、優先度が“2”、自動選択可否が“可”の設定を認識する。
【0017】
プロセッサ16は、表示制御部16Aと、選択部16Bと、決済部16Cとを有する。表示制御部16Aは、店舗端末装置3から受信した比較結果情報に基づき、当該支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置3に格納済み、すなわち使用可能な同一の支払アプリの情報を含む結果画面(
図7参照)を表示部13に表示する。尚、比較結果情報には、支払媒体2に電子決済可能な支払アプリがある該当ありの比較結果情報と、支払媒体2に電子決済可能な支払アプリがなしの該当なしの比較結果情報とを有する。選択部16Bは、結果画面に表示中の支払アプリの情報から、店舗端末装置3との間で電子決済に使用する支払アプリを選択する。
【0018】
表示制御部16Aは、店舗端末装置3から受信した該当ありの比較結果情報に基づき、当該支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置3に格納済みの同一の支払アプリが複数あるか否かを判定する。表示制御部16Aは、店舗端末装置3に格納済みの同一の支払アプリが複数ある場合に、複数の支払アプリを各支払アプリの優先度18Bに応じて識別表示する結果画面(
図7参照)を表示する。選択部16Bは、店舗端末装置3から受信した該当ありの比較結果情報に基づき、支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置3に格納済みの同一の支払アプリが1個であって、当該同一の支払アプリが自動選択可の支払アプリであるか否かを判定する。選択部16Bは、自動選択可の支払アプリがある場合、当該支払アプリを自動選択する。また、表示制御部16Aは、支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置3に格納済みの同一の支払アプリが自動選択可の支払アプリが複数ある場合に、複数の自動選択可の支払アプリを優先度に応じて識別表示する結果画面を表示する。決済部16Cは、選択部16Bにて選択された支払アプリを使用して店舗端末装置3との電子決済を実行する。
【0019】
<店舗端末装置の構成>
図4は、店舗端末装置3の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示す店舗端末装置3は、通信部21と、近距離通信部22と、表示部23と、操作部24と、記憶部25と、プロセッサ26とを有する。
【0020】
通信部21は、通信網6と通信するためのインタフェースである。通信部21は、通信網6を経由して決済会社5と通信する。近距離通信部22は、例えば、非接触又は接触で通信可能なBLEや赤外線等の近距離無線通信で支払媒体2と通信するためのインタフェースである。表示部23は、各種情報を表示する出力インタフェースである。操作部24は、各種コマンドを入力する入力インタフェースである。記憶部25は、各種情報を記憶する。プロセッサ16は、店舗端末装置3全体を制御する。
【0021】
記憶部25は、支払アプリ格納部27を有する。支払アプリ格納部27は、電子決済に使用可能な、店舗端末装置3にインストール済みの複数の支払アプリを格納している。尚、説明の便宜上、支払アプリ格納部27には、例えば、支払アプリA、支払アプリB、支払アプリF及び支払アプリGの4種類の支払アプリを格納しているものとする。
【0022】
プロセッサ26は、比較部26Aと、問合せ部26Bと、通知部26Cと、決済部26Dとを有する。比較部26Aは、支払媒体2との近距離無線通信のコネクションを確立した場合に、支払媒体2に格納済みの支払アプリの識別情報及び利用者情報を支払媒体2から受信する。比較部26Aは、受信した支払媒体2に格納済みの支払アプリの識別情報と、店舗端末装置3に格納済みの支払アプリの識別情報とを比較する。
【0023】
問合せ部26Bは、比較部26Aにて支払媒体2に格納済みの支払アプリと同一の支払アプリが支払アプリ格納部27内にある場合に、当該支払アプリに対応する決済会社アクセス先を店舗DB4から取得する。
図5は、店舗DB4の一例を示す説明図である。
図5に示す店舗DB4は、識別情報4Aと、決済会社アクセス先4Bとを対応付けて管理している。識別情報4Aは、店舗端末装置3にインストール済の支払アプリを識別する情報である。決済会社アクセス先4Bは、支払アプリの決済会社5のアクセス先である。尚、決済会社アクセス先4Bは、店舗端末装置3が利用者Aの与信情報を問い合わせる際に使用するアドレスである。尚、与信情報とは、利用者Aが電子決済できる余力があるか否かを示す情報である。
【0024】
問合せ部26Bは、取得した決済会社アクセス先及び受信した支払アプリの利用者情報に基づき、当該支払アプリの決済会社5に対して当該支払アプリを使用する利用者Aの与信情報を問い合わせる。尚、決済会社5は、問合せ部26Bからの支払アプリの利用者Aの問い合わせ要求に応じて利用者Aの与信情報を生成する際に、利用者Aが電子決済できる余力がある場合には、その与信情報にキャンペーン情報を含める。
【0025】
図6は、キャンペーン情報40の一例を示す説明図である。
図6に示すキャンペーン情報40は、決済会社41と、キャッシュバック率42と、キャンペーン内容43とを有する。決済会社41は、支払アプリの決済会社である。キャッシュバック率42は、支払アプリを使用した利用者Aの特典であるキャッシュバック率である。キャンペーン内容43は、支払アプリを使用した利用者Aの特典、例えば、XX取引でポイント増額等の情報である。尚、キャンペーン情報40は、決済会社が店舗端末装置3に送信する情報である。更に、店舗端末装置3は、受信したキャンペーン情報40を支払媒体2に送信する。
【0026】
通知部26Cは、比較部26Aの比較結果と、問合せ部26Bの問い合わせ結果とに基づき、比較結果情報を支払媒体2に通知する。尚、比較結果情報には、支払媒体2に電子決済可能な支払アプリがある該当ありの比較結果情報と、支払媒体2に電子決済可能な支払アプリがなしの該当なしの比較結果情報とを有する。通知部26Cは、支払媒体2に格納済みの支払アプリと同一の支払アプリの内、与信情報で電子決済不可と判断された支払アプリを削除する。更に、通知部26Cは、与信情報で電子決済可と判断された支払アプリの比較結果及びキャンペーン情報40を含む、該当ありの比較結果情報を支払媒体2に通知する。決済部26Dは、支払媒体2との間で近距離無線通信のコネクションを確立した状態で、支払媒体2側で選択した支払アプリと同一の支払アプリを使用して電子決済を実行する。
【0027】
図7は、支払媒体2の結果画面13Aの一例を示す説明図である。
図7に示す結果画面13Aは、支払方法131、キャッシュバック率132、キャンペーン有無133、選択ボタン134及び詳細ボタン135を対応付けて表示する。支払方法131は、優先度が高い順に上から表示する。支払方法131は、利用者Aが当該店舗端末装置3で使用可能な支払アプリを識別する情報である。キャッシュバック率132は、当該支払方法131の支払アプリを使用した場合のキャッシュバック率である。キャンペーン有無133は、当該支払方法131の支払アプリを使用した場合に特典があるか否かを示す情報である。選択ボタン134は、現在の店舗100内の店舗端末装置3との電子決済に使用可能な支払アプリを選択するボタンである。詳細ボタン135は、当該支払アプリのキャンペーン情報の詳細情報を表示するためのボタンである。
図7に示す結果画面13Aでは、店舗端末装置3との電子決済に使用可能な複数の支払アプリの情報の内、優先度“1”の支払アプリAの情報を最上位、優先度“2”の支払アプリBの情報を第2位に表示するものである。その結果、利用者は、結果画面13Aを見て、支払媒体2に格納中の複数の支払アプリの内、本店舗100の店舗端末装置3で使用可能な優先度の高い支払アプリを認識できる。
【0028】
<店舗側決済処理>
図8Aは、店舗側決済処理に関わる店舗端末装置3内のプロセッサ26の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図8Aに示す店舗側決済処理は、支払媒体2と電子決済する店舗端末装置3側の処理である。
【0029】
図8Aにおいて店舗端末装置3内のプロセッサ26は、近距離通信部22を通じて支払媒体2からの支払要求を検出したか否かを判定する(ステップS11)。プロセッサ26は、支払要求を検出した場合(ステップS11:Yes)、近距離通信部22を通じて支払媒体2との間の近距離無線通信の通信コネクションを確立する(ステップS12)。
【0030】
プロセッサ26内の比較部26Aは、支払媒体2から支払アプリの識別情報及び利用者情報を受信したか否かをを判定する(ステップS13)。尚、支払アプリの識別情報は、支払媒体2内の支払アプリ格納部17に格納した電子決済に使用可能な支払アプリの識別情報である。また、利用者情報は、支払媒体2の利用者Aを識別する情報である。
【0031】
比較部26Aは、支払媒体2からの識別情報及び利用者情報を受信した場合(ステップS13:Yes)、受信した支払媒体2に格納中の支払アプリの識別情報と店舗端末装置3に格納中の支払アプリとの比較処理を実行する(ステップS14)。尚、比較処理は、支払アプリ格納部27に格納中の電子決済に使用可能な支払アプリの識別情報と支払媒体2内の支払アプリ格納部17に格納中の使用可能な支払アプリの識別情報とを比較する。
【0032】
比較部26Aは、比較結果に基づき、支払媒体2の支払アプリ格納部17に格納中の支払アプリの内、支払アプリ格納部27に格納中の支払アプリと同一の支払アプリがあるか否かを判定する(ステップS15)。プロセッサ26内の問合せ部26Bは、同一の支払アプリがある場合(ステップS15:Yes)、店舗DB4を参照し、同一の支払アプリの識別情報に対応した決済会社アクセス先を取得する。問合せ部26Bは、同一の支払アプリの識別情報に対応した決済会社アクセス先を取得した場合、当該決済会社アクセス先に対して利用者情報に関わる利用者Aの決済可否の照会を要求する(ステップS16)。尚、決済会社5は、店舗端末装置3からの利用者Aの決済可否の照会(問い合わせ要求)を検出した場合、利用者Aの決済可否を示す照会結果を示す与信情報を店舗端末装置3に通知する。
【0033】
プロセッサ26は、決済会社5からの利用者Aの与信情報を取得したか否かを判定する(ステップS17)。通知部26Cは、利用者Aの与信情報を取得した場合(ステップS17:Yes)、与信情報に基づき、利用者Aが電子決済可であるか否かを判定する(ステップS18)。
【0034】
プロセッサ26は、利用者Aが電子決済可である場合(ステップS18:Yes)、同一支払アプリの内、未照会の支払アプリがあるか否かを判定する(ステップS19)。プロセッサ26は、未照会の支払アプリがある場合(ステップS19:Yes)、未照会の支払アプリに対応した決済会社アクセス先に対して利用者Aの電子決済可否を照会すべく、ステップS16に移行する。
【0035】
また、プロセッサ26は、電子決済可でない場合(ステップS18:No)、電子決済不可と判断し、電子決済不可の支払アプリを同一の支払アプリから除外し(ステップS20)、未照会の支払アプリがあるか否かを判定すべく、ステップS19に移行する。
【0036】
また、プロセッサ26内の通知部26Cは、同一支払アプリがない場合(ステップS15:No)、電子決済に使用可能な支払アプリが該当なしの比較結果情報を支払媒体2に通知し(ステップS21)、
図8Aに示す処理動作を終了する。尚、支払媒体2は、該当なしの比較結果情報を受信した場合、該当なしの結果画面を画面表示する。その結果、支払媒体2の利用者は、該当なしの結果画面を見て、店舗端末装置3で電子決済可能な支払アプリがないことを認識できる。また、プロセッサ26は、未照会の支払アプリがない場合(ステップS19:No)、
図8Bに示すM1に移行する。
【0037】
図8Bに示すM1においてプロセッサ26は、利用者Aが電子決済可の支払アプリの識別情報及びキャンペーン情報を含む該当ありの比較結果情報を生成する(ステップS31)。プロセッサ26内の通知部26Cは、該当ありの比較結果情報を支払媒体2に通知する(ステップS32)。尚、支払媒体2は、該当ありの比較結果情報を受信した場合、
図7に示す結果画面13Aを表示部13に画面表示する。支払媒体2の利用者は、結果画面13Aを見て選択可能な支払アプリを選択する。
【0038】
プロセッサ26内の決済部26Dは、支払媒体2から選択した支払アプリによる決済要求を検出したか否かを判定する(ステップS33)。決済部26Dは、選択した支払アプリによる決済要求を検出した場合(ステップS33:Yes)、選択した支払アプリと同一の支払アプリで電子決済処理を実行する(ステップS34)。プロセッサ26は、電子決済処理を実行した後、電子決済完了を支払媒体2に通知し(ステップS35)、支払媒体2との近距離通信の通信コネクションを切断し(ステップS36)、
図8Bに示す処理動作を終了する。
【0039】
<利用者側決済処理>
図9は、利用者側決済処理に関わる支払媒体2内のプロセッサ16の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図9に示す利用者側決済処理は、店舗端末装置3との電子決済を実行する支払媒体2側の処理である。
図9において支払媒体2のプロセッサ16は、店舗端末装置3の所定箇所に対するかざし操作を検出したか否かを判定する(ステップS41)。プロセッサ16は、かざし操作を検出した場合(ステップS41:Yes)、近距離通信部12を通じて店舗端末装置3に対して支払要求を通知する(ステップS42)。
【0040】
プロセッサ16は、店舗端末装置3との近距離無線通信の通信コネクションを確立する(ステップS43)。プロセッサ16は、支払アプリ格納部17に格納中の使用可能な支払アプリの識別情報及び利用者情報メモリ19に記憶中の利用者情報を店舗端末装置3に通知する(ステップS44)。プロセッサ16内の表示制御部16Aは、店舗端末装置3から該当ありの比較結果情報を受信したか否かを判定する(ステップS45)。
【0041】
表示制御部16Aは、店舗端末装置3から該当ありの比較結果情報を受信した場合(ステップS45:Yes)、該当ありの比較結果情報から使用可能な支払アプリの識別情報を抽出する(ステップS46)。表示制御部16Aは、該当ありの比較結果情報から抽出した支払アプリの識別情報が複数あるか否かを判定する(ステップS47)。
【0042】
表示制御部16Aは、抽出した支払アプリの識別情報が複数ある場合(ステップS47:Yes)、抽出した識別情報に対応する優先度に基づき、支払アプリの識別情報(支払方法)及びキャンペーン情報を識別表示した結果画面13Aを表示する(ステップS48)。
【0043】
プロセッサ16内の選択部16Bは、結果画面13Aを表示した後、利用者Aによる支払アプリの選択操作を検出したか否かを判定する(ステップS49)。選択部16Bは、支払アプリの選択操作を検出した場合(ステップS49:Yes)、選択操作の支払アプリを選択する(ステップS50)。そして、プロセッサ16内の決済部16Cは、選択した支払アプリ17Aで店舗端末装置3に対して決済要求を通知する(ステップS51)。
【0044】
プロセッサ16は、決済要求を通知した後、店舗端末装置3から電子決済完了を受信したか否かを判定する(ステップS52)。プロセッサ16は、電子決済完了を受信した場合(ステップS52:Yes)、店舗端末装置3との近距離無線通信の通信コネクションを断し(ステップS53)、
図9に示す処理動作を終了する。
【0045】
選択部16Bは、抽出した支払アプリの識別情報が複数でない場合(ステップS47:No)、アプリ情報メモリ18を参照し、抽出した支払アプリの識別情報が自動選択可であるか否かを判定する(ステップS54)。プロセッサ16は、抽出した支払アプリの識別情報が自動選択可である場合(ステップS54:Yes)、当該支払アプリを自動選択する(ステップS55)。そして、プロセッサ16は、当該選択の支払アプリの決済要求を店舗端末装置3に通知すべく、ステップS51に移行する。
【0046】
表示制御部16Aは、抽出した支払アプリが自動選択可でない場合(ステップS54:No)、支払アプリが自動選択不可と判断し、支払アプリの識別情報及びキャンペーン情報を優先度に応じて識別表示した結果画面13Aを表示する(ステップS56)。その結果、利用者Aは、結果画面13Aを見て店舗端末装置3との間で電子決済可能な支払アプリを認識できることは勿論のこと、優先度の高い、電子決済可能な自動選択不可の支払アプリを認識できる。
【0047】
選択部16Bは、結果画面13Aを表示部13に表示した後、結果画面13A上の支払アプリの選択操作を検出したか否かを判定する(ステップS57)。更に、選択部16Bは、結果画面13A上の支払アプリの選択操作を検出した場合(ステップS57:Yes)、選択操作の支払アプリを選択する(ステップS58)。選択部16Bは、当該選択の支払アプリの決済要求を店舗端末装置3に通知すべく、ステップS51に移行する。その結果、利用者Aは、支払アプリの選択操作を実行しなくても、自動選択できる。
【0048】
また、表示制御部16Aは、店舗端末装置3から該当ありの比較結果情報を受信したのでない場合(ステップS45:No)、店舗端末装置3から該当なしの比較結果情報を受信したか否かを判定する(ステップS59)。
【0049】
表示制御部16Aは、店舗端末装置3から該当なしの比較結果情報を受信した場合(ステップS59:Yes)、使用可能な支払アプリなしを表示部13に表示し(ステップS60)、
図9に示す処理動作を終了する。その結果、利用者Aは、使用可能な支払アプリなしの結果画面を見て店舗端末装置3との間で電子決済可能な支払アプリがないことを認識できる。また、表示制御部16Aは、店舗端末装置3から該当なしの比較結果情報を受信したのでない場合(ステップS59:No)、店舗端末装置3から該当ありの比較結果情報を受信したか否かを判定すべく、ステップS45に移行する。
【0050】
本実施例の店舗端末装置3は、支払媒体2との近距離無線通信のコネクションが確立した場合に、支払媒体2に格納済みの支払アプリと、店舗端末装置3に格納済みの支払アプリとを比較し、比較結果情報を支払媒体2に通知する。更に、支払媒体2は、店舗端末装置3から受信した比較結果情報に基づき、当該支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置3に格納済みの同一の支払アプリの情報を含む結果画面13Aを表示する。更に、支払媒体2は、支払アプリの情報を含む結果画面13Aから、店舗端末装置3との間で電子決済に使用する当該支払アプリを選択する。その結果、支払媒体2の利用者は、店舗店員と口頭確認することなく、支払媒体2と店舗端末装置3との間で使用可能な支払アプリを自動的に確認した結果画面13Aを見て、店舗端末装置3との電子決済に使用可能な支払アプリを認識できる。そして、利用者は、結果画面13Aを見て、店舗端末装置3との電子決済に使用する支払アプリを簡単に選択できる。
【0051】
支払媒体2は、店舗端末装置3から受信した該当ありの比較結果情報に基づき、当該支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置3に格納済みの同一の支払アプリが複数ある場合に、これら複数の支払アプリを各支払アプリの優先度に応じて識別表示する結果画面13Aを表示する。その結果、支払媒体2の利用者は、結果画面13Aを見て店舗端末装置3との電子決済に使用する支払アプリの内、優先度の高い支払アプリを認識できる。
【0052】
支払媒体2は、店舗端末装置3から受信した該当ありの比較結果に基づき、当該支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置3に格納済みの同一の支払アプリが1個であって、当該同一の支払アプリが自動選択可の支払アプリである場合に、当該支払アプリを自動選択する。その結果、支払媒体2の利用者は、店舗端末装置3との電子決済に使用できる支払アプリが一つしかない場合には選択操作を行うことなく、当該支払アプリを自動選択できる。
【0053】
支払媒体2は、当該支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、店舗端末装置3に格納済みの同一の支払アプリであって、自動選択可の支払アプリが複数ある場合に、複数の自動選択可の支払アプリを各支払アプリの優先度に応じて識別表示する。その結果、支払媒体2の利用者は、結果画面13Aを見て店舗端末装置3との電子決済に使用する複数の自動選択可の支払アプリの内、優先度の高い支払アプリを認識できる。
【0054】
[他の実施例]
尚、説明の便宜上、店舗端末装置3として店舗100内の店舗店員が使用するPOS端末を例示したが、店舗100内で店舗店員が使用するのではなく利用者自身が商品代金の電子決済する自動精算機にも適用可能である。
【0055】
店舗端末装置3は、支払媒体2に格納済みの支払アプリの内、同一の支払アプリがある場合に、支払アプリ毎に決済会社5に対して利用者の与信情報を問い合わせる場合を例示したが、決済会社5に問合せしなくても良く、適宜変更可能である。
【0056】
店舗DB4は店舗センタ200内に設ける場合を例示したが、店舗DB4の内容を店舗端末装置3内の記憶部25で記憶しても良く、適宜変更可能である。
【0057】
店舗端末装置3は、該当ありの比較結果情報内にキャンペーン情報を添付する場合を例示したが、キャンペーン情報を添付しなくても良く、適宜変更可能である。また、店舗端末装置3は、支払アプリの与信情報の問い合わせの要求の都度、決済会社5から利用者の与信情報の他に、キャンペーン情報を取得する場合を例示した。しかしながら、決済会社5の支払アプリ毎のキャンペーン情報を事前に取得しておき、該当ありの比較結果情報を送信する際に当該支払アプリのキャンペーン情報を添付しても良く、適宜変更可能である。この場合、キャンペーン情報の内容を変更する頻度が少ない場合に有用である。
【0058】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0059】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。