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特開2022-145266処置環境提供方法、および処置環境提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022145266
(43)【公開日】2022-10-03
(54)【発明の名称】処置環境提供方法、および処置環境提供システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20220926BHJP
【FI】
G16H40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021046604
(22)【出願日】2021-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】521119038
【氏名又は名称】株式会社b technologies
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】早川 真理恵
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 麻未
(72)【発明者】
【氏名】金城 華乃子
(72)【発明者】
【氏名】竹村 昌敏
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】薬剤を利用者の身体に導入する処置を、利用者自身に行わせることが可能な環境を提供する。
【解決手段】処置環境提供方法は、利用者情報管理装置(1)が、端末装置(3)から、利用者が診察を受けることを希望する診察要求を受信したことに応じて、該利用者に医師の診察を受けさせる受診ステップ(S3)と、診察において作成された電子カルテに基づいて、利用者に薬剤を提供する薬剤提供ステップ(S7)と、利用者情報管理装置(1)が、薬剤提供ステップ(S7)において提供された薬剤を利用者の身体に導入する所定の処置を利用者自身に行わせるための処置エリアを確保する処置エリア確保ステップ(S4)と、処置エリア確保ステップ(S4)において確保した処置エリアを利用者に提供する処置エリア提供ステップ(S8)と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ、および、利用者の端末装置を備える処置環境提供システムを用いて実行される処置環境提供方法であって、
前記コンピュータが、前記端末装置から、前記利用者が診察を受けることを希望する診察要求を受信したことに応じて、該利用者に医師の診察を受けさせる受診ステップと、
前記診察において作成された診療簿に基づいて、前記利用者に薬剤を提供する薬剤提供ステップと、
前記コンピュータが、前記薬剤提供ステップにおいて提供された薬剤を前記利用者の身体に導入する所定の処置を該利用者自身に行わせるための処置エリアを確保する処置エリア確保ステップと、
前記処置エリア確保ステップにおいて確保した処置エリアを該利用者に提供する処置エリア提供ステップと、を含む、
処置環境提供方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記端末装置と通信可能であり、かつ医療施設の第1コンピュータと通信可能である、非医療施設の第2コンピュータである、
請求項1に記載の処置環境提供方法。
【請求項3】
前記受診ステップにおいて、前記コンピュータは、
医師が診察可能な日時に関する診察候補日情報を取得し、
前記取得した診察候補日情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置から前記診察要求を受信したことに応じて、該診察要求に含まれる受診希望日情報に基づいて、該利用者に医師の診察を受けさせる、
請求項1または2に記載の処置環境提供方法。
【請求項4】
前記処置エリア確保ステップにおいて、前記コンピュータは、
前記利用者が前記所定の処置を行うために利用可能な処置エリアの空き情報を前記端末装置へ送信し、
前記端末装置から前記処置エリアの利用を希望する日時に関する利用希望情報を含む利用要求を受信したことに応じて、該利用者が利用可能な処置エリアを確保する、
請求項1から3の何れか1項に記載の処置環境提供方法。
【請求項5】
前記薬剤提供ステップにおいて、
前記処置を行うための処置エリアが前記処置エリア確保ステップにおいて確保されている前記利用者に対して、前記処置を1回行うために要する前記薬剤の分量を特定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の処置環境提供方法。
【請求項6】
前記処置エリア確保ステップにおいて、前記コンピュータは、前記利用者自身が前記所定の処置を行うために使用する非医療用器具が設置されている処置エリアを確保する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の処置環境提供方法。
【請求項7】
前記薬剤は、前記利用者を診察した医師による第1の期間において有効な第1指示に基づいて該利用者に提供される第1薬剤、および、前記利用者を診察した医師による前記第1の期間よりも短い第2の期間において有効な第2指示に基づいて提供される第2薬剤のうち、少なくともいずれか一方を含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の処置環境提供方法。
【請求項8】
コンピュータ、および、利用者の端末装置を備える処置環境提供システムであって、
前記コンピュータは、
前記端末装置との通信が可能であり、
前記利用者が診察を受けることを希望する診察要求を受信したことに応じて、該利用者に医師の診察を受けさせる予約受付部と、
前記診察において作成された診療簿に基づいて該利用者に提供された薬剤を該利用者の身体に導入する所定の処置を該利用者自身に行わせるための処置エリアを確保する処置エリア確保部と、を備える、
処置環境提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤を利用者の身体に導入する処置を、利用者自身に行わせることが可能な環境を提供する処置環境提供方法および処置環境提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エステティック(「エステ」と略される)とは、全身の美容術を意味しており、美容術には、薬剤を利用者の身体に導入する処置を含む。このような処置は、一例において、専用の店舗(例えば、エステサロンと呼称される店舗)に来た利用者に対して行われる。従来、特許文献1に示すようなエステサロン利用システムが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-284807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤を利用者の身体に導入する処置の中には、使用する薬剤、および処置を行うことが可能な場所等を提供すれば、利用者自身が実行可能なものがある。
【0005】
本開示の一態様は、薬剤を利用者の身体に導入する処置を、利用者自身に行わせることが可能な環境を提供する処置環境提供方法およびそのための処置環境提供システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る処置方法は、コンピュータ、および、利用者の端末装置を備える処置環境提供システムを用いて実行される処置環境提供方法であって、前記コンピュータが、前記端末装置から、前記利用者が診察を受けることを希望する診察要求を受信したことに応じて、該利用者に医師の診察を受けさせる受診ステップと、前記診察において作成された診療簿に基づいて、前記利用者に薬剤を提供する薬剤提供ステップと、前記コンピュータが、前記薬剤提供ステップにおいて提供された薬剤を前記利用者の身体に導入する所定の処置を該利用者自身に行わせるための処置エリアを確保する処置エリア確保ステップと、前記処置エリア確保ステップにおいて確保した処置エリアを該利用者に提供する処置エリア提供ステップと、を含む。
【0007】
本開示に係る処置環境提供システムは、コンピュータ、および、利用者の端末装置を備える処置環境提供システムであって、前記コンピュータは、前記端末装置との通信が可能であり、前記利用者が診察を受けることを希望する診察要求を受信したことに応じて、該利用者に医師の診察を受けさせる受診日時決定部と、前記診察において作成された診療簿に基づいて該利用者に提供された薬剤を該利用者の身体に導入する所定の処置を該利用者自身に行わせるための処置エリアを確保する処置エリア確保部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、薬剤を利用者の身体に導入する処置を、利用者自身に行わせることが可能な環境を提供する処置環境提供方法およびそのための処置環境提供システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態1に係る処置システムの構成例を示すブロック図である。
図2】処置システムによって提供されるセルフエステサービスの流れの一例を説明するフローチャートである。
図3】利用者情報データベースの一例を示す図である。
図4】診察予約データベースの一例を示す図である。
図5】利用予約データベースの一例を示す図である。
図6】電子カルテデータベースの一例を示す図である。
図7】処置システムにおいて行われる処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。
図8】処置システムにおいて行われる処理の流れの一例を説明するシーケンス図である。
図9】処置システムにおいて提供されるセルフエステサービスにおける料金の流れの一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
<処置システム100の概要>
まず、本開示の実施形態1に係る処置システム100(処置環境提供システム)は、利用者にセルフエステサービスを提供するためのシステムである。まず、処置システム100の概要について、図1を用いて説明する。図1は、処置システム100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、処置システム100は、利用者情報管理装置1(コンピュータ、第2コンピュータ)および端末装置3を備えている。ここで、利用者情報管理装置1は、端末装置3と通信可能であり、かつ医療施設のコンピュータ2と通信可能であってもよい。
【0012】
本明細書では、薬剤を利用者の身体に導入する所定の処置を利用者自身に行わせるサービスを、「セルフエステサービス」と呼称する。セルフエステサービスでは、利用者が処置に使用する薬剤、および処置を行うことが可能な場所等が利用者に提供される。これにより、利用者は、自身の身体に薬剤を導入する処置を自分で着実に行うことができる。なお、「セルフエステ」には、利用者が所定の処置を行うために使用する非医療用器具を用いて自分の身体に薬剤を導入する処置等が含まれてもよい。
【0013】
ここで、薬剤は、医師のみが処方できる薬剤(医科専売品を含む)であってもよい。薬剤は、利用者を診察した医師による第1の期間において有効な第1指示(例えば、継続指示)に基づいて該利用者に提供される第1薬剤であってもよい。あるいは、利用者を診察した医師による第1の期間よりも短い第2の期間において有効な第2指示(例えば、当日指示)に基づいて提供される第2薬剤であってもよい。上記構成によると、例えば利用者が1度診察を受ければ、第1指示に基づいて再診を行うことなく薬剤を利用者に複数回提供できるので、利用者の利便性が向上する。また1度診察を受けた後に、利用者が異常を感じた場合は、再診を希望してもよい。医師は、利用者が再度受診した際に、通常の薬剤と異なる薬剤を第2指示に基づいて提供することで、利用者の身体の状態にあった薬剤の提供が可能となる。
【0014】
なお処置システム100では、利用者が端末装置3などで利用可能な、利用者の身体の状態や提供薬剤などを管理するアプリを併用することも可能であり、当該アプリから診察予約などを行うことができてもよい。また、端末装置3は、当該アプリを通じて自身の日々の写真のデータなどを医療機関のコンピュータ2に送信し、医師に見せることができてもよい。医師は、当該データを参考にすることで、より適切な診断を行うことでき、より適切な上記第2指示を行うことができる。
【0015】
<セルフエステサービスの概要>
以下、図2を用いて、処置システム100によって利用者に提供されるセルフエステサービスの概要を説明する。図2は、処置システム100によって提供されるセルフエステサービスの流れの一例を説明するフローチャートである。
【0016】
まず、利用者は自身の端末装置3を用いて利用者情報管理装置1と通信を行い、エステサロン等の非医療施設(以下、「サロン」と称する)の会員登録を行う(S1)。次に、利用者は、端末装置3を用いて利用者情報管理装置1と通信を行い、医師による診察を受けることを希望する診察要求を送信する。利用者情報管理装置1は、端末装置3から、利用者が診察を受けることを希望する診察要求を受信したことに応じて、該利用者に医師の診察を受けさせる(S2およびS3)。より具体的には、利用者情報管理装置1は受信した診察要求を、医療施設のコンピュータ2に送信する。医療施設のコンピュータ2は、利用者が医師の診察を受ける受診日時を決定する(診察予約)(S2)。利用者情報管理装置1は、医療施設のコンピュータ2によって受診日時が決定されたことを端末装置3に送信する。その後、利用者は、決定された受診日時に医師による診察を受け(S3:受診ステップ)、当該診察の結果として、当該利用者に導入することが好ましい薬剤が処方される。医療施設のコンピュータ2には、利用者の電子カルテ(診療簿)が記憶されており、当該電子カルテには、当該診察の結果を示す情報が含まれる。
【0017】
上記診察を受けた後、利用者は、端末装置3を用いて利用者情報管理装置1と通信を行い、サロンの処置エリアの利用予約を行う。当該利用予約において、利用者が薬剤を利用者自身の身体に導入する所定の処置を該利用者自身が実行可能な処置エリアが確保される(S4:処置エリア確保ステップ)。S4の後、利用者は、予約した日時にサロンを訪れ、自身の端末装置3を用いてサロンへのチェックインを行う(S5)。利用者は、チェックインを行った後、医師によって処方された薬剤の提供を受ける。利用者に薬剤を提供する薬剤提供施設は、サロンに併設された医療施設内に設けられていてもよい。該医療施設では、医療施設のコンピュータ2によって、利用者に提供すべき薬剤が特定されてもよい(S6)。ここで、利用者が処置を1回行うために要する薬剤の分量も特定する構成であってもよい。特定された薬剤を受け取った利用者は(S7:薬剤提供ステップ)、サロンへ移動し、確保された処置エリアへ案内される、換言すると、利用者に対して処置エリアが提供される(S8:処置エリア提供ステップ)。一例において、当該処置エリアには、処方された薬剤を利用者の皮膚に導入するための非医療用器具が備えられていてもよい。利用者は、当該処置エリアにおいて、当該装置を使用することで、処方された薬剤を自身の皮膚に塗布して経皮導入するための処置を行う(S9)。処置が終了した後、利用者は処置エリアおよびサロンから退出する。これにより、利用者に対するセルフエステサービスの提供が完了する。なお、処置エリアとは異なるオープンスペース(例えば、廊下、待合室、エントランス等)に非医療用器具が設置されていてもよい。
【0018】
なお、医師により複数回の処置分の薬剤が処方される場合がある(たとえば、前述の第1薬剤または第2薬剤)。このような場合、利用者が2度目以降のセルフエステサービスを利用するときには、該利用者が受けた診察における処方を参照して、該利用者に薬剤を提供してもよい。これにより、利用者は、再度診察を受けることなく薬剤を用いた処置をサロンにおいて行うことができる。
【0019】
なお、本明細書において、「処置」とは、薬剤等に含まれる成分を身体に導入するための所定の処置を示す。一例において、「処置」は、利用者の皮膚に薬剤(例えば、美容液など)を塗布して該薬剤の成分を経皮導入する処置であってもよい。あるいは、「処置」は、利用者による薬剤の服用を含む処置であってもよい。
【0020】
<利用者情報管理装置1>
以下、処置システム100が備える各部の構成について図1を用いて説明する。
【0021】
記憶部11は、利用者情報管理装置1が実行する各種プログラム、および利用者情報管理装置1が使用する各種データを記憶している。本実施形態に係る記憶部11は、少なくとも利用者情報データベース111、および診察予約データベース112、および利用予約データベース113を記憶している。また、サロンに利用者が利用可能な複数の処置エリアが設けられる場合、記憶部11は、処置エリア情報データベース114を記憶していてもよい。図3は、利用者情報データベース111の一例を示す図である。図4は、診察予約データベース112の一例を示す図である。図5は、利用予約データベース113の一例を示す図である。
【0022】
図3に示すように、利用者情報データベース111は、サロンの会員として登録された利用者のそれぞれに固有の識別情報と、各利用者に関する利用者情報とが、利用者ごとに対応付けられて記憶されているデータベースである。ここで、識別情報は、サロンを利用する各利用者を識別するために利用者ごとに付与された通し番号等の会員IDであってもよい。利用者情報は、例えば利用者の氏名、および当該利用者がサロンにおいて契約しているプランを示す情報などを含んでいてもよい。
【0023】
本実施形態に係る処置システム100によって提供されるセルフエステサービスには、複数のプランが用意されていてもよい。プランとは、利用者が当該プランを契約することで利用可能となるサービスと、当該サービスを受けるために利用者がサロンに支払うべき料金と、の組である。利用者は、サロンの会員登録を行う時点、または所望のタイミングで自身が希望するプランを選択してもよい。例えば、セルフエステサービスには、利用者が予め設定された月額料金をサロンに支払う月額制(サブスクライブ制)のプランが用意されていてもよい。複数のプランでは、その種類によって、利用者が利用可能なサービスが限定されてもよい。例えば、当該複数のプランでは、その種類によって、利用者が利用可能な薬剤の種類、特定のサービスの利用頻度、サロンの利用頻度、および利用可能な装置の種類、等が限定されてもよい。一具体例として、あるプランでは、利用者はサロンを週に1回まで利用可能であり、別のプランでは、利用者はサロンを週に4回まで利用可能であってもよい。別の例として、ある2つのプランのいずれにおいても、利用者はサロンを週に1回まで利用可能であり、一方のプランでは、利用者は月に一度他者による処置を受けることを選択可能であってもよい。
【0024】
図4に示すように、診察予約データベース112は、利用者が医療施設において診察を受けるための予約に関する診察予約情報が記憶されている。具体的には、診察予約データベース112には、各予約の通し番号を示す予約IDと、当該予約を行った利用者の会員IDと、診察予約ステータスと、当該利用者が診察を受ける日時である予約日時を示す情報と、が対応付けられ、診察予約情報として記憶されている。ここで、診察予約ステータスとは、診察を受けるための予約の最新の状況を示す情報である。例えば、診察予約ステータスは、予約された診察がまだ行われていないことを示す「予約中」、予約された診察が完了したことを示す「完了」、および予約された診察がキャンセルされたことを示す「キャンセル」のいずれかによって示されてよい。
【0025】
図5に示すように、利用予約データベース113は、利用者がサロンを利用する予約に関する情報が記憶されている。具体的には、利用予約データベース113には、各予約の通し番号を示す予約IDと、当該予約を行った利用者の会員IDと、利用予約ステータスと、当該利用者がサロンを利用する日時である予約日時を示す情報と、当該利用者のために確保された処置エリアの識別情報(処置エリアID)と、が対応付けられて記憶されている。ここで、利用予約ステータスとは、処置エリアの利用についての予約の最新の状況を示す情報である。例えば、利用予約ステータスは、利用者の利用を待機していることを示す「予約中」、利用者がサロンを利用中であることを示す「利用中」、利用が完了したことを示す「完了」、または予約がキャンセルされたことを示す「キャンセル」であってもよい。なお、利用者に、薬剤を導入するための所定の処置を自分自身で行うのか、サロンの従業員等に依頼するかを選択させる構成であっても良い。この場合、図5に示すように、利用予約データベース113には、各予約において、利用者がサロンをどのように利用するかを示すメニュー情報が対応付けられていてもよい。例えば、メニュー情報は、利用者が該利用者自身で処置を行う「セルフ処置」、またはサロンの従業員等が利用者に処置を行う「他者処置」を含んでいてもよい。また、利用予約データベース113は、利用者がサロンを利用する時間帯、すなわち利用者がサロンの利用を開始する時刻とサロンの利用を終了する時刻とを含んでいてもよい。
【0026】
処置エリア情報データベース114は、サロンに設けられた複数の処置エリアの各々を示す処置エリア識別情報と、当該処置エリアの使用可否を示す情報とが対応付けられて記憶されているデータベースである。処置エリアの使用可否を示す情報は、例えば当該処置エリアを使用可能であることを示す「使用可」または、当該処置エリアが利用者によって使用されていることを示す「使用不可」であってもよい。また、使用可否を示す情報は、所定の時間ごとに区切られた時間帯毎に記憶されていてもよい。なお、サロンの廊下、待合室、エントランス等のオープンスペースに設置されている非医療用器具を利用者に利用させる場合には、処置エリアの利用予約と同様に、非医療用器具の利用予約を受け付ける構成であってもよい。この場合、処置エリア情報データベース114には、非医療用器具(および該非医療用器具が設置されているスペース)と識別情報とが対応付けられており、利用者によって選択された非医療用器具および当該器具が設置されるスペースの利用予約を受け付ける。
【0027】
図1に示すように、制御部12は、登録部121、第1取得部122、診察予約受付部123、第2取得部124、利用予約受付部125(処置エリア確保部)、利用開始判定部126、および利用終了判定部127を備える。
【0028】
登録部121は、通信部13を介して端末装置3から利用者がサロンの会員登録を希望する旨の情報、および、利用者の氏名並びに希望するプラン等、利用者に関連する利用者情報を受信する。登録部121は、上述の各情報を受信すると、当該利用者の会員登録を行う。具体的には、登録部121は、該利用者を示す会員IDを発行する。また、登録部121は、利用者情報データベース111に、利用者の会員IDと該利用者の利用者情報とを対応付けて記憶する。登録部121は、利用者に付与された会員IDを端末装置3に送信する。また、登録部121は、医療施設のコンピュータ2に、利用者の会員IDおよび利用者情報を送信する。
【0029】
第1取得部122は、通信部13を介して端末装置3から会員IDおよび診察予約希望情報を受信する。診察予約希望情報とは、端末装置3を所持する利用者が、サロンにおいて使用する薬剤の処方を受けるために医師による診察を受けることを希望する旨の情報である。また、診察予約希望情報は、利用者が希望する診察の形態を示す情報を含んでいてもよい。例えば、診察の形態とは、利用者が医療施設を訪れて医師による診察を受ける「対面診察」、または、利用者が、自身の所持する通信機器を用いて医療施設側の通信機器と通信を行うことで、非対面で医師による診察を受ける「非対面診察」であってもよい。なお、一例において、医療施設側の通信機器は、医療施設のコンピュータ2であってもよい。
【0030】
第1取得部122は、診察予約希望情報を受信すると、医療施設のコンピュータ2と通信を行い、診察予約希望情報を医療施設のコンピュータ2に送信し、当該情報への応答として診察候補日情報を受信する。診察候補日情報とは、医師が利用者を診察可能な日時に関する情報である。第1取得部122は、当該情報を受信すると、受信した診察候補日情報を、端末装置3に送信する。
【0031】
診察予約受付部123は、診察候補日情報から選択された、利用者が診察を受けること希望する日時を示す受診希望日情報を含む診察要求を端末装置3から受信する。診察予約受付部123は、当該情報を受信すると、診察予約データベース112に、当該利用者の会員IDおよび予約日時を示す情報を対応付けて記憶する。また、診察予約受付部123は、当該利用者の会員IDおよび受診日時を示す受診希望日情報を含む診察要求を医療施設のコンピュータ2に送信する。また、診察予約受付部123は、利用者の診察予約が完了した旨の情報を端末装置3に送信してもよい。
【0032】
第2取得部124は、通信部13を介して端末装置3から会員IDおよび利用予約希望情報を受信する。利用予約希望情報とは、端末装置3を所持する利用者が、サロンの利用を希望する旨の情報である。また、利用予約希望情報は、利用者が希望する利用の形態を示す情報を含んでいてもよい。例えば、利用の形態とは、利用者がサロンにおいて自身で薬剤摂取する処置を行う「セルフ処置」、または、利用者が、サロンにおいて、従業員等の処置者によって薬剤を摂取させる処置を受ける「他者処置」であってもよい。
【0033】
第2取得部124は、利用予約希望情報を受信すると、利用者情報データベース111を参照し、受信した会員IDが利用者情報データベース111に含まれているか否か、すなわち、利用者がサロンの会員として登録されているか否かを判定する。利用者がサロンの会員として登録されている場合、第2取得部124は、利用予約データベース113および処置エリア情報データベース114を参照する。第2取得部124は、利用者がサロンを利用可能な複数の処置エリアおよび日時の全体から、利用予約データベース113において利用者が予約可能な処置エリアおよび日時を示す利用候補情報(空き情報)を取得する。利用者が予約可能な処置エリアおよび日時を示す利用候補情報(空き情報)とは、例えば、利用予約が既に登録されている処置エリアおよび日時を除いた日時である。また、第2取得部124は、取得した利用候補情報を、端末装置3に送信する。
【0034】
利用予約受付部125は、利用候補情報から選択された、利用者が診察を希望する日時を示す情報を端末装置3から受信する。利用予約受付部125は、当該情報を受信すると、利用予約データベース113に、当該利用者の会員IDおよび予約日時を示す情報を、利用予約情報として記憶する、すなわち、利用予約受付部125は、利用者の利用予約の登録処理を行う。利用予約受付部125は、予約日時に利用可能な処置エリアのうちの1つを、利用者が利用する処置エリアとし、当該処置エリアを示す識別情報を当該利用予約情報にさらに対応付けて記憶する。換言すると、利用予約受付部125は、利用者が所定の処置を実行する処置エリアを確保する。また、利用予約受付部125は、利用者の利用予約が完了した旨を示す情報を端末装置3に送信してもよい。
【0035】
利用開始判定部126は、通信部13を介して、端末装置3から、利用者のサロンへのチェックインを要求する情報であるチェックイン要求、および当該利用者の会員IDを受信する。利用開始判定部126は、これらの情報を取得すると、当該会員IDによって示される利用者の利用予約が所定時間内に入っているか否かを判定する。具体的には、利用開始判定部126は、利用予約データベース113を参照し、当該会員IDに対応する利用予約情報において指定される日時が、当該会員IDを取得した時刻から所定の時間内(例えば30分以内)に含まれているか否かを判定する。
【0036】
含まれている場合、換言すると、利用者が端末装置3を用いてチェックイン要求を送信してから所定時間以内にサロンを利用する利用予約が登録されている場合、利用開始判定部126は、当該利用者によるサロンの利用を許可する(S44)。すなわち、利用開始判定部126は、予約を行った利用者のサロンへのチェックインが成功したと判定する。利用開始判定部126は、利用予約データベース113に含まれる利用者の利用予約ステータスを、利用者による利用を待機していることを示す「予約中」から、利用者がサロンを利用中であることを示す「利用中」へと変更する。また、利用開始判定部126は、利用者が利用する処置エリアの準備状況を示す準備状況ステータスを「利用可」から「利用不可」へと変更する。
【0037】
利用開始判定部126は、利用者のチェックインが成功したことを示す情報を、当該利用者の会員IDと共に利用終了判定部127に出力する。また、利用開始判定部126は、利用者のチェックインが成功した旨の表示を出力部15に行わせてもよい。
【0038】
一方、当該利用者の利用予約の日程が、所定時間以内に存在しない場合、例えば、利用者が誤った日付にサロンを訪れた場合、または利用者が利用予約を行わずにサロンを訪れた場合、利用開始判定部126は、利用者によるサロンの利用を許可しない(S45)。具体的には、利用開始判定部126は、予約の日が異なること、または予約が行われていない旨の表示を出力部15に行わせる。
【0039】
利用終了判定部127は、利用者のチェックインが成功したことを示す情報および当該利用者の会員IDを利用開始判定部126から取得する。利用終了判定部127は、これらの情報を取得すると、利用予約データベース113を参照し、当該利用者によるサロンの利用が終了する時刻を特定する。例えば、1度のサロンの利用が30分と指定されており、利用者の利用開始時刻が3月20日の18時00分である場合、利用終了判定部127は、同18時30分を、利用者によるサロンの利用が終了する時刻として特定する。
【0040】
利用終了判定部127は、現在時刻が、利用者によるサロンの利用が終了する時刻となった場合、利用者によるサロンの利用が終了したと判定する。また、利用者によるサロンの利用が終了したと判定した場合、利用終了判定部127は、利用予約データベース113の当該利用者の利用予約ステータスを、「利用中」から、当該利用者による利用が完了したことを示す「完了」へと変更する。また、利用終了判定部127は、利用者が利用した処置エリア準備状況ステータスを「利用不可」から「利用可」へと変更する。
【0041】
なお、利用者情報管理装置1は、利用者によるサロンの利用状況を管理せずともよい。具体的には、利用者の利用予約ステータスは、利用者による利用を待機していることを示す「予約中」および利用者がサロンに来店したことを示す「利用」のみが含まれていてよい。この場合、利用者情報管理装置1は、利用終了判定部127を備えずともよく、処置エリアが現在利用されているか否かの確認は、サロンの従業員によって行われればよい。
【0042】
通信部13は、利用者情報管理装置1が医療施設のコンピュータ2および端末装置3と通信を行うための通信モジュールである。
【0043】
出力部15は、サロンに設けられ、制御部12の制御に従って各種情報を出力可能な装置であってもよい。一例として、出力部15は、サロンに設けられる表示装置であってもよい。出力部15は、利用開始判定部126の制御に従って、利用者のチェックインが成功した旨の表示を行ってもよい。また、出力部15は、利用者が利用すべき処置エリアを利用者に提示してもよい。
【0044】
なお、出力部15は、利用者が利用可能な処置エリアをサロンの従業員に提示してもよい。この場合、サロンの従業員が当該処置エリアを確認し、利用者を案内してもよい。また、出力部15は、利用者情報管理装置1の記憶部11に記憶されている各データベースを表示してもよい。
【0045】
入力部16は、サロンの従業員からの入力を受け付け、当該入力の内容を制御部12に出力する、キーボード等の入力装置である。
【0046】
なお、サロンの廊下、待合室、エントランス等のオープンスペースに設置されている非医療用器具を利用者に利用させる場合も、処置エリアの場合と同様に、器具の利用予約ステータスが管理されてもよい。すなわち、処置エリア情報データベース114に、利用者に利用させる器具の利用予約ステータスが含まれていてもよい。また、使用された器具を他の利用者が利用する前に、該器具の消毒、洗浄、除菌などを行うことが望ましい。
【0047】
<医療施設のコンピュータ2>
医療施設のコンピュータ2は、医療施設において利用者が受けた診察の内容等を電子カルテとして記憶および管理する装置である。医療施設のコンピュータ2は、利用者情報管理装置1と通信可能に接続されたコンピュータである。また、医療施設のコンピュータは、利用者の端末装置3と通信可能なコンピュータであってもよい。一例において、医療施設のコンピュータ2は、その医療施設に勤務する各医師が使用可能なコンピュータであってもよい。図1に示すように、医療施設のコンピュータ2は、記憶部21、制御部22、通信部23、および入力部24を備える。
【0048】
記憶部21は、医療施設のコンピュータ2が実行する各種プログラムや、医療施設のコンピュータ2が使用する各種データを記憶している。本実施形態に係る記憶部21は、少なくとも、電子カルテデータベース211を記憶している。図6は、電子カルテデータベース211の一具体例を示す図である。また、記憶部21は、医師の診察が可能な日時を示す情報を記憶している。
【0049】
電子カルテデータベース211は、医師による診断の結果を示す情報でデータベースである。図6に示すように、一例として、電子カルテデータベース211は、利用者を識別するための識別情報(会員ID)、利用者の氏名等、利用者に関する情報、および当該利用者の診断結果を示す情報と、が対応付けられて記憶されている。診断結果を示す情報とは、例えば利用者に処方された薬剤を示す情報(処方薬情報)を含む。電子カルテデータベース211には、利用者の受診が予約されている予約日時、および診察予約ステータスがさらに対応付けられていてもよい。また、電子カルテデータベース211の利用者の電子カルテには、診察の結果を示す情報として、利用者に処方された薬剤(第1薬剤)の種類、用法(第1の用法)、用量、および利用者が当該薬剤を使用することが可能な期間を指示する指示情報が含まれていてもよい。
【0050】
なお、図2では、医療施設のコンピュータ2が電子カルテデータベース211を有する構成を例に挙げるが、この構成に限定されない。例えば、医療施設のコンピュータ2は、電子カルテデータベース211を管理する外医療施設内の別のコンピュータ(例えば、電子カルテ管理装置)との通信によって、電子カルテDBの情報を取得する構成であってもよい。
【0051】
制御部22は、登録部221、候補日取得部222、予約受付部223、診断結果取得部224、および薬剤特定部225を備える。登録部221は、利用者情報管理装置1から通信部35を介して利用者の会員ID、および利用者に関連する利用者情報を受信する。登録部221は、上述の各情報を受信すると、当該各情報を対応付けた利用者の電子カルテを作成し、電子カルテデータベース211に記憶する。
【0052】
候補日取得部222は、利用者情報管理装置1から、利用者が診察を受けることを希望する旨の情報を受信すると、記憶部21を参照し、医師が診察可能な日時に関する診察候補日情報を取得する。候補日取得部222は、利用者の会員IDと対応付けて利用者情報管理装置1に送信する。
【0053】
予約受付部223は、利用者情報管理装置1から利用者の会員IDおよび受診希望日情報を含む診察要求を受信すると、電子カルテデータベース211を参照し、受信した会員IDによって示される利用者の電子カルテを特定する。予約受付部223は、特定した利用者の電子カルテに、当該利用者が医師による診察を受ける受診日時を示す情報を対応づけて記憶する、すなわち、利用者が医師の診察を受ける受診日時を決定する。また、当該電子カルテにおける利用者の診察予約ステータスを、診察を待機している状態であることを示す「予約中」とする。
【0054】
診断結果取得部224は、入力部32からの入力を取得し、当該入力の内容に基づいて、診察を受けた利用者の電子カルテを更新する。具体的には、診断結果取得部224は、当該入力の内容に基づいて、電子カルテデータベース211を参照し、診察を受けた利用者の電子カルテを特定する。診断結果取得部224は、入力部32に対する入力によって示された、当該電子カルテの診断結果を示す情報を当該電子カルテに記憶する。また、診断結果取得部224は、当該電子カルテに含まれる診察予約ステータスを、「予約中」から「完了」へ変更する。
【0055】
薬剤特定部225は、医療施設の従業員による入力部24への所定の入力を受け付けると、電子カルテデータベース211を参照し、利用者の電子カルテを参照する。薬剤特定部225は、当該利用者の電子カルテに含まれる処方データに基づき、利用者に提供する薬剤を特定する。また、薬剤特定部225は、特定した薬剤を示す情報を不図示の出力部において出力させてもよい。
【0056】
<端末装置3>
端末装置3は、利用者が所持する情報処理端末であり、例えば利用者のスマートフォン等の装置である。図1に示すように、端末装置3は、制御部31、利用者による入力を受け付ける入力部32、制御部31の制御に従って表示を行う表示部33、各種情報を記憶する記憶部34、および利用者情報管理装置1と通信を行うための通信部35を備える。また、記憶部34は、少なくとも利用者の会員IDを記憶している。
【0057】
制御部31は、入力部32への入力操作に従い、利用者情報管理装置1へ各種情報を送信する。例えば、制御部31は、利用者によるサロンの会員登録を希望する旨の操作に従い、利用者情報管理装置1へ利用者がサロンの会員登録を希望する旨の情報等を送信する。また、制御部31は、入力部32への入力操作に従い、診察予約希望情報、診察要求、利用予約希望情報、および利用要求を、当該利用者の会員IDと共に、利用者情報管理装置1へ送信する。また、制御部31は、入力部32への入力操作に従い、利用者の会員IDを含む情報を表示部33に表示させる。
【0058】
また、制御部31は、利用者情報管理装置1から各種情報を受信すると、表示部33に表示させる。例えば、制御部31は、診察候補日情報、または利用候補情報を受信すると、これらの情報を表示部33に表示させ、利用者に提示する。
【0059】
また、端末装置3は、読取部37を備える。読取部37は、利用者がサロンにチェックインを行うために必要な情報であるチェックイン情報を読み取るための機能を備える。一例として、チェックイン情報として、サロンの店舗を示す情報を含むQRコード(登録商標)が当該サロンに掲示されている場合、読取部37は、QRコード(登録商標)を読み取り可能なQRコードリーダであってよい。利用者は、読取部37を用いて当該QRコード(登録商標)を端末装置3に読み取らせる。制御部31は、QRコード(登録商標)に含まれるチェックイン情報を取得すると、利用者がサロンに来店したと判定し、当該サロンの利用者情報管理装置1に、利用者の会員IDと共に利用者のチェックインを要求するチェックイン要求を送信する。
【0060】
<セルフエステ提供方法の流れ>
以下、図7および図8を用いて、処置システム100において提供されるセルフエステサービスの提供方法(処置環境提供方法)の流れの一例を説明する。図7および図8は、処置システム100において行われる処理の流れを説明するシーケンス図である。
【0061】
まず、端末装置3の入力部32は、利用者による、利用者がサロンへの会員登録を希望する旨の入力を受け付ける。また、入力部32は、利用者の氏名、住所、連絡先、および希望するプラン等の情報等の入力を受け付ける(S31)。制御部31は、当該入力を受け付けると、これらの情報を利用者情報管理装置1に送信する。
【0062】
利用者情報管理装置1の登録部121は、上述の各情報を受信すると、当該利用者を特定するための利用者ID(会員ID)を発行し、当該利用者に対して付与する(S11)。また、登録部121は、受信した各情報と、当該利用者の利用者IDとを対応付けて利用者情報データベース111に記憶する。
【0063】
また、登録部121は、医療施設のコンピュータ2に、利用者IDおよび該利用者に関する情報(氏名、および連絡先等)を送信する。医療施設のコンピュータ2の登録部221は、利用者IDおよび該利用者に関する情報を受信すると、受信した各情報を対応付けた該利用者の電子カルテを作成し(S21)、電子カルテデータベース211に記憶する。また、登録部121は、利用者IDを該利用者の端末装置3に送信する。端末装置3の制御部31は、利用者IDを受信すると、記憶部34に記憶する(S32)。これにより、利用者の会員登録が完了する。
【0064】
利用者の会員登録が完了した後、利用者によって診察を希望する旨の入力が行われると(S33)、制御部31は、利用者の会員IDおよび診察予約希望情報を利用者情報管理装置1に送信する。なお、診察予約希望情報には、利用者が希望する診察の形態を指定する情報が含まれていてもよい。
【0065】
第1取得部122は、利用者の会員IDおよび診察予約希望情報を受信すると(S12でYES)、医療施設のコンピュータ2と通信を行い、診察予約希望情報を医療施設のコンピュータ2に送信する。候補日取得部222は、当該情報を受信すると、記憶部21を参照し、診察候補日情報を取得(S22)し、利用者情報管理装置1に送信する。第1取得部122は、受信した診察候補日情報を端末装置3に送信する。診察予約希望情報に、利用者が希望する診察の形態を指定する情報が含まれている場合、候補日取得部222は、指定された診察の形態において診察が可能な日時を特定してもよい。
【0066】
端末装置3は、診察候補日情報を受信すると、当該情報を表示部33に表示させる。診察候補日情報は、例えばカレンダー上に診察可能な日付および時間帯を表示部33に表示させることで利用者に提示されてよい。制御部31は、入力部32から診察可能な日付および時間帯から、診察を希望する日時を選択する旨の入力を受け付けると(S34)、入力された日時を示す情報を、当該利用者の会員IDと共に利用者情報管理装置1に送信する。
【0067】
診察予約受付部123は、端末装置3から診察要求および該利用者の会員IDを受信すると、予約IDを発行し、これらの情報に当該予約IDを対応付ける。また、診察予約受付部123は、対応付けられた各情報を、利用者の診察予約情報とし、さらに診察予約ステータスを「予約中」として診察予約データベース112に記憶する(S13)。また診察予約受付部123は、当該利用者の診察要求および会員IDを含む診察予約情報を医療施設のコンピュータ2に送信する。診察予約受付部123は、利用者の診察予約が完了した旨を示す情報を端末装置3に送信する。
【0068】
医療施設のコンピュータ2の予約受付部223は、診察要求および会員IDを受信すると、電子カルテデータベース211を参照し、当該会員IDによって示される利用者の電子カルテに、診察の予約日時等を示す情報を対応付けて記憶する。これにより、医療施設のコンピュータ2において、利用者が医師の診察を受ける受診日時が決定され(受診日時決定ステップ)、利用者の診察予約が完了する。
【0069】
また、端末装置3の制御部31は、利用者の診察予約が完了した旨を示す情報を受信すると、当該情報を表示部33に表示させる。
【0070】
利用者の診察予約が完了した後、予約された日時に医師による利用者の診察が行われる。当該診察の後、医療施設のコンピュータ2の入力部24には、当該診察の結果を示す情報が入力される。診断結果取得部224は、当該入力を取得し(S24)、入力された情報を、電子カルテデータベース211に含まれる、診察された利用者の電子カルテに記録する。診察の結果を示す情報には、利用者に対して処方された薬剤の種類、用法、用量、および利用者が当該薬剤を使用することが可能な期間を指示する指示情報等が含まれていてもよい。診断結果取得部224は、診察の結果を示す情報を記録すると、当該利用者の診察予約ステータスを「完了」とし、診察が完了したことを示す情報を利用者情報管理装置1に送信する。利用者情報管理装置1の制御部12は、当該情報を受信すると、診察予約データベース112を参照し、診察予約データベース112を更新する。具体的には、制御部12は、診察予約データベース112における、診察が完了した利用者の診察予約ステータスを「完了」とする。
【0071】
利用者の診察が完了した後、利用者によってサロンの利用を希望する旨の入力が行われると(S61)、制御部31は、利用予約希望情報を利用者情報管理装置1に送信する。なお、利用予約希望情報には、利用者が希望する処置の形態を指定する情報が含まれていてもよい。
【0072】
第2取得部124は、利用予約希望情報を受信すると、利用者情報データベース111、利用予約データベース113、および処置エリア情報データベース114を参照し、当該利用者がサロンの利用を予約可能な日時を示す情報を取得し(S41)、利用候補情報として端末装置3に送信する。利用予約希望情報に、利用者が希望する処置の形態を指定する情報が含まれている場合、第2取得部124は、指定された処置の形態において処置エリアの利用が可能な日時を特定し、利用候補情報として送信する。
【0073】
端末装置3は、利用候補情報を受信すると、当該情報を表示部33に表示させる。利用候補情報は、例えばカレンダー上に利用可能な日付および時間帯を表示部33に表示させることで利用者に提示されてよい。制御部31は、入力部32から利用可能な日付および時間帯から、利用を希望する日時を選択する旨の入力を受け付けると(S62)、選択された日時を示す情報を、当該利用者の会員IDと共に利用者情報管理装置1に送信する。
【0074】
利用予約受付部125は、利用者が利用を希望する処置エリア・日時を示す情報である利用要求、および該利用者の会員IDを受信すると、予約IDを発行し、これらの情報に当該予約IDを対応付ける。また、利用予約受付部125は、対応付けられた各情報を、利用者の利用予約情報とし、さらに利用予約ステータスを「予約中」として利用予約データベース113に記録する(S42)。また、利用予約受付部125は、利用者の利用予約が完了した旨の情報を端末装置3に送信してもよい。これにより、利用者情報管理装置1によって、利用者が利用する処置エリアが確保され(処置エリア確保ステップ)、利用者の利用予約が完了する。
【0075】
利用者の利用予約が完了した後、予約された日時に利用者によるサロンの利用が行われる。具体的には、利用者は、予約した日時の少し前(例えば30分前程度)にサロンを訪れる。続いて、利用者は、読取部37を介してサロンに掲示されている当該サロンの店舗を示す情報を含むQRコード(登録商標)を端末装置3に読み取らせる。端末装置3の制御部31は、当該情報を取得すると、利用者がサロンに来店したと判定し、当該利用者の会員IDと共に、当該利用者のチェックインを要求するチェックイン要求を、利用者情報管理装置1に送信する。
【0076】
利用開始判定部126は、通信部13を介して利用者の会員IDと共にチェックイン情要求を受信すると、利用予約データベース113を参照し、当該利用者の予約が、会員IDを取得してから所定時間以内(例えば15分以内)に入っているか否かを判定する(S43)。入っている場合(S43でYES)、利用開始判定部126は、利用者のチェックインが成功したと判定し、利用者のサロンの利用を許可する。この時、利用開始判定部126は、出力部15に、利用者のチェックインが成功した旨の表示を行わせてもよい。また、利用開始判定部126は、利用者が利用する処置エリアの準備状況を示す準備状況ステータスを「利用可」から「利用不可」へと変更する(S46)。また、利用開始判定部126は、利用者のチェックインが成功したことを示す情報を、当該利用者の会員IDと共に利用終了判定部127に出力する。
【0077】
一方、当該利用者の利用予約が、所定時間以内に入っていない場合(S43でNO)、利用開始判定部126は、当該利用者のチェックインが失敗したと判定し、利用者によるサロンの利用を許可しない(S44)。
【0078】
利用者は、チェックインを行った後、すなわちS43においてYESの後、サロンに併設された医療施設のスペースへ移動する。利用者が医療施設を訪れると、医療施設の従業員は、医療施設のコンピュータ2の入力部24へ、利用者へ提供する薬剤を特定するための所定の入力を行う。薬剤特定部225は、当該入力を受け付けると、電子カルテデータベース211を参照し、利用者に対して処方された薬剤を示す情報を特定し(S51:薬剤特定ステップ)、利用者に提供する薬剤を示す情報として出力する。当該従業員は、特定された薬剤を利用者に受け渡す。
【0079】
利用者は、薬剤を受け取ると、再度サロンへ移動する。その後、利用者は、サロンの従業員、または出力部15での表示によって、処置エリア確保ステップにおいて確保された処置エリアを案内され、案内された処置エリアへ移動する。これにより、利用者に対して処置エリアが提供される(処置エリア提供ステップ)。利用者は、処置エリアへ移動した後、受け取った薬剤を用いて所定の処置を行う。一具体例として、利用者は、処置エリアに予め設置されている専用の非医療器具に薬剤を投入し、当該器具を使用して、自身の肌に薬剤を導入する処置を行ってもよい。なお、処置エリアには、上述の器具以外に、薬剤を利用者に摂取させるための他の器具、あるいは利用者が使用する椅子、鏡等の設備が設けられていてもよい。
【0080】
処置が終了した後、利用者は処置エリアおよびサロンから退出する。以上で利用者によるサロンの利用が完了する。また、利用者によって利用された処置エリアを再度利用可能とするための処理が行われる。具体的には、利用終了判定部127は、利用者のチェックインが成功したことを示す情報および当該利用者の会員IDを利用開始判定部126から取得する。利用終了判定部127は、これらの情報を取得すると、利用予約データベース113を参照し、当該利用者によるサロンの利用が終了する時刻を特定する。
【0081】
利用終了判定部127は、現在時刻が、利用者によるサロンの利用が終了する時刻となった場合、利用者によるサロンの利用が終了したと判定する。また、利用者によるサロンの利用が終了したと判定した場合、利用終了判定部127は、利用予約データベース113の当該利用者の利用予約ステータスを、「利用中」から、当該利用者による利用が完了したことを示す「完了」へと変更する。
【0082】
以上でセルフエステサービスにおける一連の処理が完了する。なお、利用者が1度の処置を終えた後、再度サロンにおける処置を希望する場合、サロンへの登録および医師による診察は省略可能である。換言すると、処置システム100において、利用者の2度目以降の利用では、図2に示すS1~S3、または図7に示す処理を省略することができる。
【0083】
<セルフエステサービスにおける料金の流れの一例>
以下、図9を用いて、処置システム100において提供されるセルフエステサービスにおける料金の流れの一例を説明する。図9は、処置システム100において提供されるセルフエステサービスにおける料金の流れの一例を説明するフローチャートである。
【0084】
まず、利用者は、契約したプランの料金をサロン側に支払う。サロン側が当該料金を受領する(S71)と、当該利用者の電子カルテの内容に基づき、利用者に対して医療施設において発生した診察・処方の費用、薬剤の費用等が算出される(S72)。この算出は、有資格者のサロンの従業員が行ってもよいし、医療施設側の従業員が行ってもよい。サロン側は、算出された料金を医療施設に支払う(S73)。
【0085】
利用者が契約したプランが月額制のものである場合、上述の流れを毎月行う。利用者は、サロンへ料金を支払うだけでいいので、サロンおよび医療施設の両方に料金を支払うよりも利用者の手間が軽減される。
【0086】
なお、利用者の電子カルテに基づいて医療施設が請求書を作成し、当該請求書をサロン側に提出する構成であってもよい。この場合、サロン側から医療施設へ支払う金額は、当該請求書に基づいて決定される。
【0087】
<処置システム100による処置環境提供方法による効果>
以上のように、本実施形態に係る処置環境提供方法は、医療施設の医療施設のコンピュータ2、サロンの利用者情報管理装置1、および、利用者の端末装置3を備える処置システム100を用いて実行される方法であってもよい。当該処置環境提供方法において、医療施設のコンピュータ2は、利用者が診察を受けることを希望する受診希望日時に関する受診希望日情報を含む診察要求を受信したことに応じて、該利用者が医師の診察を受ける受診日時を決定する受診日時決定ステップと、当該診察において作成された電子カルテに基づいて、利用者に提供する薬剤を特定する薬剤特定ステップと、利用者情報管理装置1が、利用者の端末装置3からの利用要求に応じて、サロンが有する複数の処置エリアのうち、薬剤を利用者の身体に導入する所定の処置を該利用者自身が実行可能な処置エリアを確保する処置エリア確保ステップと、薬剤特定ステップにおいて特定された薬剤を利用者に提供した後に、処置エリア確保ステップにおいて確保した処置エリアを利用者に提供し、該利用者自身に所定の処置を行わせる処置エリア提供ステップと、を含む。
【0088】
上記の構成によれば、利用者の電子カルテに基づいて特定された薬剤、および薬剤を身体に導入する所定の処置を実行可能な処置エリアを利用者に提供し、該所定の処置を利用者自身に行わせる。これにより、利用者は、所定の処置を円滑かつ安価に実行することができ、当該処置方法によって提供されるエステサービスのユーザビリティが向上する。さらに、所定の処置を利用者自身が行えば、他者が利用者の身体に触れる必要が無いため、感染症予防の対策が容易であるという効果も奏する。
【0089】
また、当該処置環境提供方法において、受診日時決定ステップでは、利用者情報管理装置1が、医師が診察可能な日時に関する診察候補日情報を医療施設のコンピュータ2から取得し、取得した診察候補日情報を端末装置3に送信し、端末装置3から診察要求を受信したことに応じて、該診察要求に含まれる受診希望日情報を医療施設のコンピュータ2に送信してもよい。当該構成によると、利用者は、自身の端末装置3を用いて医師による診察を容易に予約することができる。
【0090】
また、当該処置環境提供方法において、処置エリア確保ステップでは、利用者情報管理装置1は、利用者が前記所定の処置を行うために利用可能な処置エリアの空き情報を端末装置3へ送信し、端末装置3から処置エリアの利用を希望する日時に関する利用希望情報を含む利用要求を受信したことに応じて、該利用者が利用可能な処置エリアを確保してもよい。当該構成によると、利用者は、自身の端末装置3を用いて、処置エリアの利用日を容易に予約することができる。
【0091】
また、当該処置環境提供方法において、薬剤を前記利用者に提供する施設は、前記非医療施設に併設されていてもよい。当該構成によると、薬剤を提供した後に、利用者を非医療施設の処置エリアに容易に案内することができる。
【0092】
また、当該処置環境提供方法において、処置エリア確保ステップでは、利用者情報管理装置1は、前記利用者自身が前記所定の処置を行うために使用する非医療用器具が設置されている処置エリアを確保してもよい。
【0093】
〔変形例〕
上述の実施形態では、処置エリアおよび非医療用器具が設置されている場所が非医療施設内である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、処置エリアは、医療施設内に設けられていてもよい。この場合、既存の医院内(あるいは歯科医院内)に処置エリアを設けてもよい。この場合、利用者の診察は、この医院(あるいは歯科医院)に属する医師ではない、別の医師によって行われる。例えば、医師Aの医院内(あるいは歯科医院内)に処置エリアを設けた場合、階医院の医師ではない医師Bが、利用者の診察を行う。そして、医師Bの診察を受けた利用者は、医師Bが処方した薬剤を受けとり、医師Aの医院内に設置されている処置エリア内で、自身で所定の処置を行うことができる。
【0094】
上述の実施形態では、利用者は、医療施設において自身が使用する薬剤を受け取っていた。しかしながら、利用者への薬剤の受け渡し方法、受け渡される薬剤の量、および受け渡しが完了した後の薬剤の管理方法は特に限定されない。例えば、利用者は、処方された薬剤を全て受け取ってもよいし、処方された薬剤のうちいくつかをピックアップしてもよい。例えば、事前に自身の肌の状態を、専用の装置を用いて確認し、利用者の肌の状態に適した薬剤を利用者に提供してもよい。
【0095】
また、薬剤特定部225、または医療施設の従業員は、薬剤の分量を特定してもよい。例えば、処置を1回行うために利用者が使用する分量の薬剤が特定され、処置エリアが確保された利用者に渡されてもよい。この場合、薬剤を提供された後に利用者が待機する必要が無く、利用者にとっての利便性が向上する。
【0096】
あるいは、複数回の処置で使用される薬剤の分量が特定され、利用者に渡されてもよい。例えば利用者は、薬剤を容器ごと受け取ってもよい。一例において、利用者は、薬剤を所定の薬局にて受け取る構成であってもよい。利用者は、複数回分の薬剤をまとめて受け取った場合、当該薬剤を自宅で保管してもよい。あるいは、利用者は、サロンに薬剤の保管を依頼してもよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、サロンに医療施設が併設されており、当該医療施設において薬剤を受け取ってからサロンにおいて処置を行った。ここで、サロンは複数の店舗によって構成されていてもよく、当該複数の店舗の少なくとも一部には、医療施設が併設されていなくともよい。医療施設が併設されていないサロンを利用する場合、利用者は、予め郵送によって自宅で薬剤を受け取る、またはサロンに設けられたポスト等の設備を、一時的に自身の住所として登録し、当該ポストに薬剤を郵送させてもよい。利用者は、医療施設が併設されていないサロンへ行き、予め受け取った薬剤、あるいは自身の住所として登録したポストから受け取った薬剤を用いて当該サロンにおいて処置を行ってもよい。
【0098】
医療施設以外の場所で薬剤を保管する場合、利用者は、薬剤を医療施設で受け取る動作を省略することができるため、処置システム100のユーザビリティが向上する。
【0099】
また、上述の実施形態では、利用者が利用予約を行う時に当該利用者が利用する処置エリアが決定され、確保されていたが、利用者が利用予約を行う時には日時のみが決定されてもよく、チェックイン後に処置エリアが特定され、利用者に提供されてもよい。
【0100】
また、利用者情報管理装置1は、利用者が利用する処置エリアを決定しなくともよい。この場合、例えば、記憶部11には、同じ時間帯に処置エリアを利用可能な人数を示す情報が記憶されている。利用者がサロンの利用予約を行う際、第2取得部124は、所定の時間ごとに区切られた時間帯のうちの1つに、何人の予約が登録されているかを特定する。また、第2取得部124は、当該特定を、複数の時間帯のそれぞれについて行う。また、第2取得部124は、予約候補としての複数の時間帯のうち、既に予約が登録された人数が、予約利用可能な人数に達している時間帯を除外し、残った時間帯を示す情報を、利用候補情報として端末装置3に送信する。
【0101】
また、例えば、利用者情報管理装置1は、利用者がサロンを利用する日時のみを利用者の利用予約情報として記憶してよい。ここで、サロンでは、予約した日時にサロンを訪れた利用者に対して、その時に利用可能な処置エリアを提示する、等の方法で処置エリアの提供を行う。これにより、予約時に処置エリアを決定せずとも、利用者が利用可能な処置エリアを提供することができる。上述の構成によると、利用者情報管理装置1は、サロンに設けられる複数の処置エリアの使用可否のステータスを、処置エリアごとに管理せずともよい。また処置エリアの「提供」は上述の方法に限られない。例えば処置エリアの状況を利用者自身が確認し、空いているスペースを利用者が利用することも「提供」に含まれ得る。この場合、サロンの店頭には、空いているスペースを利用することを促す旨の掲示が行われていてもよい。
【0102】
また、上述の実施形態では、利用者は、診察が完了した後にサロンの利用予約を行っていた。但し、サロンの利用予約のタイミングはこれに限られない。例えば利用者は、診察予約時に、同時にサロンの利用予約を行い、処置エリアを確保してもよい。
【0103】
また、上述の処置は、サロン以外の場所で行われてもよい。例えば、当該処置は、利用者の自宅で行われてもよい。利用者が自宅で処置を行う場合、利用者は、薬剤の導入に用いる専用の機器をサロンからレンタルしてもよい。
【0104】
また、上述の実施形態では、利用者の診察が完了した後、利用者が自身の端末装置3を用いてサロンの利用予約を行うことで、利用者が利用する処置エリアが確保されていた。但し、処置エリアを確保する方法はこれに限られず、例えば、利用者の診察が完了した後、または利用者が薬剤の提供を受けた後、医療施設のコンピュータ2が利用者の診察が完了したこと、または利用者への薬剤の提供が完了したことを示す情報を、該利用者の利用者情報と共に利用者情報管理装置1に送信してもよい。利用者情報管理装置1は、これらの情報を受信した場合、該利用者に提供する処置エリアを特定し、利用者のサロンの利用予約を行ってもよい。当該構成によると、利用者は、サロンの利用を予約するために端末装置3を操作する必要が無いため、より手軽にセルフエステサービスを利用することができる。なお、利用者は、受診予約を行う際、または薬剤を受け取る際に、「セルフ処置」および「他者処置」のうちいずれを希望するかを指定してもよい。当該指定は、利用者による端末装置3の操作によって行われてもよいし、利用者がサロンまたは医療施設の従業員に希望を伝えることで行われてもよい。
【0105】
また、処置システム100において、サロンに設けられる処置エリアのそれぞれは、利用者による利用が完了した後、当該処置エリアの清掃が完了するまで使用不可であってもよい。これにより、処置エリアが清掃されていない状態で利用者に提供される可能性が低減される。
【0106】
処置エリアの清掃状況の管理は、利用者情報管理装置1において行われてもよいし、サロンの従業員によって行われてもよい。具体的には、利用者のチェックインが成功すると、利用開始判定部126は、処置エリア情報データベース114の、利用者が利用する処置エリアの準備状況を示す準備状況ステータスを「利用可」から「利用不可」へと変更する。利用者による処置エリアの利用終了後、サロンの従業員は当該処置エリアの清掃を行い、清掃完了後、入力部16を用いて、処置エリアの清掃が完了した旨の入力を行う。利用者情報管理装置1の制御部12は、入力部16からの入力を受け付けると、当該処置エリアの準備状況ステータスを「利用不可」から「利用可」へと変更する。
【0107】
あるいは、サロンには、処置エリアの清掃状況を記録する清掃記録簿等が設けられ、サロンの従業員は、当該記録簿を用いて処置エリアの清掃状況を管理してもよい。例えば、利用者によって処置エリアが利用されたのち、当該処置エリアが清掃されると、清掃担当者は当該処置エリアの清掃完了を清掃記録簿に記入する。また、利用者による処置エリアの利用開始前に、処置エリアの清掃が済んでいるか否かを、サロンの従業員が確認してもよい。利用者によって予約された処置エリアは、利用者が利用する直前、または前の利用者が利用した直後に清掃されてもよい。
【0108】
〔ソフトウェアによる実現例〕
処置システム100(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部12、22、および31に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0109】
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0110】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0111】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0112】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0113】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0114】
〔付記事項1〕
本開示に係る処置環境提供方法は、下記のように記載することも可能である。
【0115】
本開示の一態様に係る処置環境提供方法は、医療施設の第1コンピュータ、非医療施設の第2コンピュータ、および、利用者の端末装置を備える処置環境提供システムを用いて実行される処置方法であって、前記第1コンピュータが、前記利用者が診察を受けることを希望する受診希望日時に関する受診希望日情報を含む診察要求を受信したことに応じて、該利用者が医師の診察を受ける受診日時を決定する受診日時決定ステップと、前記診察において作成された診療簿に基づいて、前記利用者に提供する薬剤を特定する薬剤特定ステップと、前記第2コンピュータが、前記利用者の端末装置からの利用要求に応じて、該非医療施設が有する複数の処置エリアのうち、前記薬剤を前記利用者の身体に導入する所定の処置を該利用者自身が実行可能な処置エリアを確保する処置エリア確保ステップと、前記薬剤特定ステップにおいて特定された薬剤を前記利用者に提供した後に、該利用者自身に前記所定の処置を行わせるために、前記処置エリア確保ステップにおいて確保した処置エリアを前記利用者に提供する処置エリア提供ステップと、を含む。
【0116】
本開示の態様2に係る処置環境提供方法は、上記態様1において、前記受診日時決定ステップにおいて、前記第2コンピュータは、医師が診察可能な日時に関する診察候補日情報を前記第1コンピュータから取得し、前記取得した診察候補日情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置から前記診察要求を受信したことに応じて、該診察要求に含まれる前記受診希望日情報を前記第1コンピュータに送信してもよい。
【0117】
本開示の態様3に係る処置環境提供方法は、上記態様1または2において、前記処置エリア確保ステップにおいて、前記第2コンピュータは、前記利用者が前記所定の処置を行うために利用可能な処置エリアの空き情報を前記端末装置へ送信し、前記端末装置から前記処置エリアの利用を希望する日時に関する利用希望情報を含む利用要求を受信したことに応じて、該利用者が利用可能な処置エリアを確保してもよい。
【0118】
本開示の態様4に係る処置環境提供方法は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記薬剤特定ステップにおいて、前記処置を行うための処置エリアが前記処置エリア確保ステップにおいて確保されている前記利用者に対して、前記処置を1回行うために要する前記薬剤の分量を特定してもよい。
【0119】
本開示の態様5に係る処置環境提供方法は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記薬剤を前記利用者に提供する施設は、前記非医療施設に併設されていてもよい。
【0120】
本開示の態様6に係る処置環境提供方法は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記処置エリア確保ステップにおいて、前記第2コンピュータは、前記利用者自身が前記所定の処置を行うために使用する非医療用器具が設置されている処置エリアを確保してもよい。
【0121】
本開示の態様7に係る処置環境提供方法は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記薬剤は、前記利用者を診察した医師によって第1の用法が指定された第1薬剤、および、前記利用者を診察した医師によって前記第1の用法とは異なる第2の用法が指定された第2薬剤のうち、少なくともいずれか一方を含んでもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 利用者情報管理装置(コンピュータ、第2コンピュータ)
2 医療施設のコンピュータ(第1コンピュータ)
3 端末装置
100 処置システム(処置環境提供システム)
125 利用予約受付部(処置エリア確保部)
223 予約受付部
S2、S3 受診ステップ
S4 処置エリア確保ステップ
S7 薬剤提供ステップ
S8 処置エリア提供ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9